JP2000319000A - バッテリフォークリフトの制御装置 - Google Patents

バッテリフォークリフトの制御装置

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JP2000319000A
JP2000319000A JP11132048A JP13204899A JP2000319000A JP 2000319000 A JP2000319000 A JP 2000319000A JP 11132048 A JP11132048 A JP 11132048A JP 13204899 A JP13204899 A JP 13204899A JP 2000319000 A JP2000319000 A JP 2000319000A
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contactor
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vehicle
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JP11132048A
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Osamu Tsumagari
治 津曲
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障発生時の車両停止時間を短縮化して稼働
率を向上でき、保守費用を低減可能なバッテリフォーク
リフトの制御装置を提供する。 【解決手段】 バッテリ13からの電力により作動し、
走行駆動輪、作業機及びステアリング等を駆動する直流
モータ等のアクチュエータと、アクチュエータの電流を
制御する電気部品及び電子部品とを備え、これらの部品
に所定の指令信号を出力して走行、作業機及びステアリ
ング等を制御するバッテリフォークリフトの制御装置に
おいて、電気部品及び電気部品等の複数の消耗部品にか
かるそれぞれのストレスを検出し、検出したストレスの
各消耗部品毎の累積値を演算する車両状態検出装置32
と、車両状態検出装置32により求められた各消耗部品
毎のストレス累積値を所定の記憶媒体36に記憶する記
憶制御装置34とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリフォーク
リフト等の直流電動車両の消耗品の寿命を予測し、故障
時の車両停止時間を短縮して稼働率を向上できるバッテ
リフォークリフトの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流モータにより走行駆動、作業機駆動
及びステアリング駆動等を行うバッテリフォークリフト
等の直流電動車両には、直流モータの駆動回路に数多く
の大電流駆動用の電気部品(電磁開閉器、リレー、スイ
ッチ、モータ等)及び電子部品(パワートランジスタ、
FET、ダイオード等)が使用されている。これらの使
用部品は使用期間中に電気的なストレスの蓄積により突
然故障に至り、直流電動車両の稼動が停止することがあ
る。故障が発生したら、直流電動車両のサービス員がユ
ーザーから報告された故障状況及び症状に基づいて故障
部品を推定し、この推定される故障部品をいくつか持参
して車両稼動現場に出張し、実際の車両の故障状態の調
査結果から判断して故障部品を特定し、これを交換す
る。この間、車両は稼動停止しているので、故障部品の
特定のための調査及び部品交換作業等に要する時間が稼
働率に大きく影響する。したがって、従来から、故障発
生時の車両停止時間の短縮化は直流電動車両の稼働率向
上のための重要な課題の一つとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、故障が発生し易い電気部品及び電子部品(以
後、両者を併せて消耗部品と呼ぶ)を交換用部品として
ユーザの稼動現場やメーカ側のサービス拠点に予め保有
しておくのが一般的な対応方法であり、この方法の場
合、交換用部品の購入費用がかかり、部品保管場所が必
要となるので、非常に保有コストがかかる。また、故障
が発生した後に故障推定部品を交換するという作業手順
なので、故障個所(部品)特定のための調査、及び故障
部品の交換作業に要する時間が長時間かかり、稼動停止
時間の短縮化が充分でないという問題がある。
【0004】また、稼働時間に伴って性能や特性が劣化
する部品は、消耗部品も含めて、所定期間毎に(例え
ば、1年おき、5年おき、1000時間おき及び300
0時間おき等)定期的に交換する方法がある。しかしな
がら、稼動現場での実際の稼動条件及び作業負荷状態等
の使用状態が異なっているにも拘わらず、これらが同一
で、標準的な稼動条件であるとみなして定期的に交換し
ているので、稼動現場によっては交換時期が早すぎた
り、あるいは遅すぎて定期的な交換時期以前に故障が発
生したりする。このように、部品の使用条件等を考慮し
た最適な寿命予測に基づく部品交換となってないので、
交換部品費用がアップする、あるいは突然に故障が発生
するという問題がある。
【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、故障発生時の車両停止時間を短縮化して
稼働率を向上でき、保守費用を低減可能なバッテリフォ
ークリフトの制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1発明は、バッテリからの電力
により作動し、走行駆動輪、作業機及びステアリング等
を駆動する直流モータ等のアクチュエータと、アクチュ
エータの電流を制御する電気部品及び電子部品とを備
え、電気部品及び電気部品に所定の指令信号を出力して
走行、作業機及びステアリング等を制御するバッテリフ
ォークリフトの制御装置において、電気部品及び電気部
品等の複数の消耗部品にかかるそれぞれのストレスを検
出し、検出したストレスの各消耗部品毎の累積値を演算
する車両状態検出装置と、車両状態検出装置により求め
られた各消耗部品毎のストレス累積値を所定の記憶媒体
に記憶する記憶制御装置とを備えた構成としている。
【0007】第1発明によると、バッテリフォークリフ
トの電気部品及び電子部品にかかるそれぞれのストレス
を累積値を演算し、このストレス累積値を所定の記憶媒
体に記憶しておくので、このストレス累積値を用いて故
障診断及び故障予測を行えるようになる。例えば、メー
カのサービス員が定期的に巡回して点検する際に、車両
の制御装置に所定のサービスツールを接続して記憶媒体
からストレス累積値データを吸い上げ、このデータに基
づいてサービスツールにより故障診断したり故障予測し
たりできる。あるいは、サービスツールに吸い上げたス
トレス累積値データをメーカのサービス拠点に持ち帰っ
て、専用の故障診断装置等により故障診断や故障予測を
行ってもよい。さらには、例えば、車両に衛星通信又は
電話回線使用の通信等を可能とする通信手段を備え、こ
の通信手段を介して記憶媒体に記憶したストレス累積値
データを定期的にあるいは所定の送信指令があった時に
メーカのサービス拠点の故障診断装置に直接送信するよ
うにしてもよい。このように、各車両に記憶した各消耗
部品又は交換部品毎のストレス累積値データを所定方法
で吸い上げて故障診断及び故障予測が可能となり、部品
故障に至る前に寿命が近くなった部品を交換して故障発
生を防止できる。したがって、故障発生による車両の稼
動率低下を無くし、稼働率を向上できる。
【0008】第2発明は、第1発明に基づいて、記憶媒
体に記憶された各消耗部品毎のストレス累積値に基づい
てそれぞれの部品の寿命を推定する部品寿命推定装置を
設けた構成としている。
【0009】第2発明によると、求められたそれぞれの
消耗部品毎のストレス累積値に基づいて部品の寿命を推
定するので、各部品の故障発生時期を予測して未然に故
障発生を防止できる。したがって、車両の稼動率を確実
に向上できる。また、適切な部品寿命時期に部品交換を
行えるので、保守費用を低減できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施形態を図を参照して詳
細に説明する。なお、ここではバッテリフォークリフト
の走行、作業及びステアリングの制御装置を例にとって
説明する。
【0011】図1は、本適用例のバッテリフォークリフ
トにおける走行、作業及びステアリングの制御回路例で
ある。先ず、走行制御回路について説明する。バッテリ
13の正端子は回生コンタクタ接点3及び電流検出器4
を介して直流モータからなる走行モータ5の電機子5a
の一端側に接続されており、電機子5aの他端側は前進
コンタクタ6と後進コンタクタ7との並列回路、及びチ
ョッパ素子9(大電流トランジスタ、FET等)を経由
してバッテリ13の負端子に接続されている。チョッパ
素子9には、バイパスコンタクタ8が並列に接続されて
いる。前進コンタクタ6の出力接点コモン端子6c及び
後進コンタクタ7の出力接点コモン端子7cは、それぞ
れ走行モータ5の界磁コイル5bの両端に接続されてい
る。前進コンタクタ6の出力a接点(いわゆるノーマリ
オフ)端子6a及びb接点(いわゆるノーマリオン)端
子6bのいずれか一側端子(ここではa接点端子)が電
機子5aの他端側に、また他側端子(ここではb接点端
子)がチョッパ素子9に接続されている。また前進コン
タクタ6と同様に、後進コンタクタ7の一側端子(ここ
ではa接点端子7a)が電機子5aの他端側に、また他
側端子(ここではb接点端子7b)がチョッパ素子9に
接続されている。さらに、回生コンタクタ接点3、電流
検出器4及び電機子5aの直列回路には、界磁コイル5
bを予備励磁するための抵抗とトランジスタ等からなる
予備励磁回路2とプラギングダイオード10との並列回
路が並列に接続されている。さらに、これらの並列回
路、及び前進コンタクタ6と後進コンタクタ7との並列
回路の直列回路にはフライホイールダイオード11が並
列に、そして電流検出器4からチョッパ素子9までの直
列回路には回生ダイオード12が並列にそれぞれ接続さ
れている。また、走行モータ5の回転軸近傍には走行モ
ータ5の回転数を検出するモータ回転数検出器18が設
けられている。
【0012】電流検出器4の電流信号、及びモータ回転
数検出器18の回転数信号は制御部1に入力され、また
制御部1からの各制御信号は予備励磁回路2、チョッパ
素子9、回生コンタクタ接点3の励磁コイル3R、前進
コンタクタ6の励磁コイル6R、後進コンタクタ7の励
磁コイル7R及びバイパスコンタクタ8の励磁コイル8
Rにそれぞれ出力される。
【0013】また、回生コンタクタ接点3の走行モータ
5側の端子電圧V1、前進コンタクタ6のa接点端子6
a及び後進コンタクタ7のa接点端子7aの端子電圧V
2、並びに前進コンタクタ6のb接点端子6b及び後進
コンタクタ7のb接点端子7bの端子電圧V3が制御部
1に入力されている。
【0014】また、アクセルLS14は、アクセルペダ
ルが所定操作量以上に踏み込まれたことを検出する検出
スイッチである。前後進スイッチ15は、バッテリフォ
ークリフトの前進、中立及び後進を切換える操作レバー
の操作位置を検出する検出スイッチである。また、ブレ
ーキLS16は、ブレーキペダルが所定操作量以上踏み
こまれたことを検出する検出スイッチである。作業機ス
イッチ17は図示しないフォークのリフト、チルト及び
回転等の作業機を操作する作業機レバーの操作位置を検
出する検出スイッチである。これらのアクセルLS1
4、前後進スイッチ15、ブレーキLS16及び作業機
スイッチ17は例えばリミットスイッチ又は近接スイッ
チ等の検出スイッチにより構成されており、各検出スイ
ッチの検出信号は制御部1に出力する。
【0015】制御部1は、マイクロコンピュータや数値
演算処理プロセッサ等の演算処理装置(以後、CPU1
aと言う)、メモリ1b及び入出力インターフェース回
路(図示せず)を備えている。制御部1は、電流検出器
4の検出電流値、及び各検出スイッチ14,15,1
6,17からの検出信号等に基づいて所定の処理を行
い、この処理結果により走行、荷役及びステアリングを
制御すると共に、各消耗部品にかかる電気的なストレス
度合いを演算により求める。そして、求めたストレス度
合いのデータを、後述の故障診断装置に出力する。制御
部1は、走行制御時、予備励磁回路2、チョッパ素子
9、回生コンタクタ接点3の励磁コイル3R、前進コン
タクタ6の励磁コイル6R、後進コンタクタ7の励磁コ
イル7R及びバイパスコンタクタ8の励磁コイル8Rに
それぞれ所定の制御信号を出力し、走行モータ5の電流
を制御し、通常走行時の力行動作、プラギング動作及び
回生動作を制御している。
【0016】つぎに、作業及びステアリングの制御に係
るハード構成を説明するが、本発明の主旨である故障診
断機能及び部品寿命推定機能に係る構成は上記の走行制
御にかかる構成と同様であり、この故障診断及び部品寿
命推定の対象となる部品が異なるだけであるので、ここ
では簡単に説明する。荷役作業としては、作業機操作レ
バーの操作により図示しないフォークのリフト(昇
降)、チルト(傾動)及び回転等の作業が行える。それ
ぞれの作業機に対応する図示しない操作レバーからの操
作量信号が作業機制御装置21に入力され、作業機制御
装置21はそれぞれの作業機に対応する図示しない電磁
比例弁を制御して対応する作業機アクチュエータ(リフ
トシリンダ、チルトシリンダ及び回転シリンダ等)を駆
動する。また、ステアリング制御装置26は、図示しな
いステアリングハンドルの操作トルクに応じたトルクを
発生させる永久磁石モータ27により駆動輪の操舵角を
制御するようになっており、図示しないチョッパ素子の
スイッチングにより永久磁石モータ27の電流値を制御
する。そして、この永久磁石モータ27の電流値を図示
しない電流検出器により検出している。上記の作業機制
御装置21及びステアリング制御装置26は、走行制御
用の制御部1と同様に、CPUとメモリと入出力インタ
フェース回路とを有している。
【0017】次に、本発明にかかるバッテリフォークリ
フトの制御装置の各機能構成を、図2に示す機能構成ブ
ロック図により説明する。走行・作業・ステアリング制
御装置31は、直流電動車両(ここでは、バッテリフォ
ークリフト)の走行駆動、作業機駆動及びステアリング
駆動をそれぞれ制御している。上記バッテリフォークリ
フトのハード構成においては、走行モータ5の制御部1
の走行制御機能を有する部分、作業機制御装置21の各
作業機アクチュエータの駆動制御機能を有する部分、及
びステアリング制御装置26の永久磁石モータ27の駆
動制御機能を有する部分がこれに相当する。これらの制
御中の制御情報(モータ電流値、各チョッパ素子の通流
率、各コンタクタ接点のオン/オフ状態等)を、故障診
断装置33及び記憶制御装置34に出力する。車両状態
検出装置32は直流電動車両(ここでは、バッテリフォ
ークリフト)の各消耗部品の稼動状況及びストレス状態
を検出し、これらの情報及びデータに基づいてストレス
累積値を演算して故障診断装置33及び記憶制御装置3
4に出力する。上記バッテリフォークリフトのハード構
成においては、走行モータ5の制御部1、作業機制御装
置21及びステアリング制御装置26の各検出器等の信
号入力機能及び制御信号のモニタ機能を有する部分がこ
れに相当する。
【0018】故障診断装置33は、走行・作業・ステア
リング制御装置31からの制御情報、及び車両状態検出
装置32からの各消耗部品のストレス累積値データを入
力し、これらの情報及びデータに基づいて各消耗部品の
故障診断を行う。故障診断の方法としては、例えばエキ
スパートシステムによるもの、信号波形のパターン識別
によるもの及びファジィ推論によるもの等を診断対象部
品に応じて組み合わせて用いることができる。そして、
診断結果により故障が発生しているときは、故障部品
と、これらの制御情報及びストレス累積値データを表示
制御装置に出力する。
【0019】記憶制御装置34は、走行・作業・ステア
リング制御装置31からの制御情報、及び車両状態検出
装置32からの各消耗部品のストレス累積値データを入
力し、この制御情報及びストレス累積値データを記憶媒
体36に記憶すると共に、表示制御装置35にも出力す
る。
【0020】部品寿命推定装置38は、記憶媒体36に
記憶されたストレス累積値データを読み込み、ストレス
累積値データに基づいて各消耗部品毎に寿命を推定し、
この推定した寿命により故障発生時期を予想する。そし
て、推定寿命データ及び予想故障発生時期データを表示
制御装置35に出力して表示器37に表示させると共
に、記憶媒体36にも記憶する。記憶媒体36は読み書
き可能なメモリ(いわゆるRAM)を有しており、上記
の制御情報、各消耗部品のストレス累積値データ、推定
寿命データ及び予想故障発生時期データ等記憶する。記
憶媒体36は、例えば半導体メモリ又はICメモリカー
ド等により構成することができる。
【0021】表示制御装置35は、入力した前記制御情
報、各消耗部品のストレス累積値データ、推定寿命デー
タ及び予想故障発生時期データ等の診断結果や推定結果
を表示器37に表示する。これにより、オペレータやサ
ービス員に予測される故障発生に対する注意を促し、故
障発生予想時期が来る前に対象消耗部品を前もって手配
し、交換するようにする。また、故障があるときは、部
品交換を促す。
【0022】次に、各種の制御処理に対応した車両状態
検出装置32及び記憶制御装置34の具体的な実施例を
それぞれ説明する。 (実施例1)力行制御 力行制御時は、回生コンタクタ接点3をオンし、予備励
磁回路2への励磁指令をオフした状態で、前後進レバー
の前進又は後進の切換えに対応してそれぞれ前進コンタ
クタ6又は後進コンタクタ7をオンさせると共に、電流
検出器4により検出したモータ電流値が所定の目標駆動
電流になるようにチョッパ素子9を所定の通流率でスイ
ッチングする。これにより、バッテリ13から回生コン
タクタ接点3、電機子5a、前進コンタクタ6(又は後
進コンタクタ7)、界磁コイル5b、後進コンタクタ7
(又は前進コンタクタ6)及びチョッパ素子9を順次経
由して電流が流れ、走行モータ5が所定の大きさの電流
で駆動される。このときのモータ電流値、チョッパ素子
9の通流率、各コンタクタのオン/オフ回数、及び力行
制御の実行時間(1回当り)と実行回数等の稼動状態を
制御部1で検出し、力行制御に係わる消耗部品のストレ
スを算出し、算出したストレスの各消耗部品毎の累積値
を求める(車両状態検出装置32)。そして、この稼動
状態及びストレス累積値を記憶媒体36に記憶する(記
憶制御装置34)。さらに、稼動状態及びストレス累積
値に基づいて故障診断を行い(故障診断装置33)、ま
たストレス累積値に基づいて各消耗部品毎の寿命等を推
定する(部品寿命推定装置38)。これらの診断結果、
推定結果及び稼動状態を、表示器37に表示する(表示
制御装置35)。
【0023】(実施例2)回生制動制御 また、例えば前進方向に力行動作中に前後進スイッチ1
5が前進から後進に切換わると、制御部1は回生コンタ
クタ接点3をオフする共に、前進コンタクタ6及び後進
コンタクタ7を前進方向から後進方向に切り換える。次
に、予備励磁回路2への励磁指令を所定時間オンし、チ
ョッパ素子9を所定の通流率でチョッパ動作させる。こ
れによりバッテリ13、予備励磁回路2、界磁コイル5
b及びチョッパ素子9の経路で予備励磁電流が流れる。
このときの走行モータ5の回転方向は界磁電流の方向に
対して逆向きに接続されているので、走行モータ5は電
動機から発電機に変化する。走行モータ5が発電状態に
なると、チョッパ素子9のオン時に、走行モータ5の電
機子5a、後進コンタクタ7、界磁コイル5b、前進コ
ンタクタ6、チョッパ素子9及び回生ダイオード12の
経路にて発電電流が循環し、またチョッパ素子9のオフ
時には、この発電電流(回生電流)が電機子5a、後進
コンタクタ7、界磁コイル5b、前進コンタクタ6、フ
ライホイールダイオード11、バッテリ13及び回生ダ
イオード12を経由して流れ、走行モータ5に制動トル
クが発生する。そして、走行モータ5が逆転するまでの
回転エネルギーをバッテリ13に充電する。回生制動時
のモータ電流値、チョッパ素子9の通流率、各コンタク
タのオン/オフ回数、及び回生制御の実行時間(1回当
り)と実行回数等の稼動状態を制御部1で検出し、回生
制御に係わる消耗部品のストレスを算出し、算出したス
トレスの各消耗部品毎の累積値を求める(車両状態検出
装置32)。そして、この稼動状態及びストレス累積値
を記憶媒体36に記憶する(記憶制御装置34)。さら
に、稼動状態及びストレス累積値に基づいて故障診断を
行い(故障診断装置33)、またストレス累積値に基づ
いて各消耗部品毎の寿命等を推定する(部品寿命推定装
置38)。これらの診断結果、推定結果及び稼動状態
を、表示器37に表示する(表示制御装置35)。
【0024】(実施例3)プラギング制動 例えば前進方向に力行動作中に前後進スイッチ15が前
進から後進に切換わると、制御部1は前進コンタクタ6
及び後進コンタクタ7を前進方向から後進方向に切り換
える。次に、チョッパ素子9を所定の通流率でチョッパ
動作させると、走行モータ5の回転方向は界磁電流の方
向に対して逆向きになるので、走行モータ5は発電機と
して動作する。これにより、走行モータ5、プラギング
ダイオード10及び回生コンタクタ接点3の経路で発電
電流(プラギング電流)が流れるので、走行モータ5に
プラギング制動トルクが発生する。このとき、制御部1
はチョッパ素子9をチョッパ動作させて、バッテリ1
3、電機子5a、後進コンタクタ7、界磁コイル5b、
前進コンタクタ6及びチョッパ素子9の経路で流れる界
磁電流を制御することにより、走行モータ5の制動トル
クの大きさを制御する。プラギング制動時のモータ電流
値、チョッパ素子9の通流率、各コンタクタのオン/オ
フ回数、及びプラギング制御の実行時間(1回当り)と
実行回数等の稼動状態を制御部1で検出し、プラギング
制御に係わる消耗部品のストレスを算出し、算出したス
トレスの各消耗部品毎の累積値を求める(車両状態検出
装置32)。そして、この稼動状態及びストレス累積値
を記憶媒体36に記憶する(記憶制御装置34)。さら
に、稼動状態及びストレス累積値に基づいて故障診断を
行い(故障診断装置33)、またストレス累積値に基づ
いて各消耗部品毎の寿命等を推定する(部品寿命推定装
置38)。これらの診断結果、推定結果及び稼動状態
を、表示器37に表示する(表示制御装置35)。
【0025】(実施例4)高速走行 制御部1は、モータ回転数検出器18からの回転数信号
により求めたモータ回転数、及び走行モータ5と駆動輪
との機械的なギヤ比等に基づいて車両速度を算出する
(車両状態検出装置32)。そして、算出した車両速度
が所定値以上になったら高速走行中と判断して高速走行
の回数を計数し(車両状態検出装置32)、この高速走
行の回数(ストレス積算値データに相当)及びその車両
速度(稼動状態データに相当)を記憶媒体36に記憶す
る(記憶制御装置34)。そして、この高速走行の回数
に基づいて、高速走行時における車両の傷み具合やタイ
ヤの摩耗度等を予測する(部品寿命推定装置38)。
【0026】(実施例5)前進コンタクタ 制御部1は、前後進スイッチ15からの前進切換え信号
と、前進コンタクタ6の前後の電圧V2,V3とを入力
して前進コンタクタ6のオン/オフ状態を判断する。す
なわち、例えば、回生制動中前進切換え信号がオンで、
かつ電流検出器4により検出されたモータ電流値が界磁
コイル5bに流れているときの電位差と略同じ電位差が
電圧V2と電圧V3との間に生じているとき、又はプラ
ギング制動中前進切換え信号がオンで、かつ所定の界磁
電流値が界磁コイル5bに流れているときの電位差と略
同じ電位差が電圧V2と電圧V3との間に生じていると
きには、前進コンタクタ6がオンしていると判断する
(車両状態検出装置32)。さらに、前進コンタクタ6
のオン/オフ回数を計数し(車両状態検出装置32)、
この計数値(ストレス累積値データに相当)を記憶媒体
36に記憶する(記憶制御装置34)。そして、前進切
換え信号及び前進コンタクタ6のオン/オフ状態に基づ
いて、前進コンタクタ6の故障診断を行い(故障診断装
置33)、またオン/オフ回数の計数値に基づいて、前
進コンタクタ6の稼動寿命を推定する(部品寿命推定装
置38)。
【0027】(実施例6)後進コンタクタ 制御部1は、前後進スイッチ15からの後進切換え信号
と、後進コンタクタ7の前後の電圧V2,V3とを入力
して後進コンタクタ7のオン/オフ状態を判断する。す
なわち、例えば、回生制動中後進切換え信号がオンで、
かつ電流検出器4により検出されたモータ電流値が界磁
コイル5bに流れているときの電位差と略同じ電位差が
電圧V2と電圧V3との間に生じているとき、又はプラ
ギング制動中後進切換え信号がオンで、かつ所定の界磁
電流値が界磁コイル5bに流れているときの電位差と略
同じ電位差が電圧V2と電圧V3との間に生じていると
きには、後進コンタクタ7がオンしていると判断する
(車両状態検出装置32)。さらに、後進コンタクタ7
のオン/オフ回数を計数し(車両状態検出装置32)、
この計数値(ストレス累積値データに相当)を記憶媒体
36に記憶する(記憶制御装置34)。そして、後進切
換え信号及び後進コンタクタ7のオン/オフ状態に基づ
いて、後進コンタクタ7の故障診断を行い(故障診断装
置33)、またオン/オフ回数の計数値に基づいて、後
進コンタクタ7の稼動寿命を推定する(部品寿命推定装
置38)。
【0028】(実施例7)チョッパ素子 制御部1は、電流検出器4により検出された電流値に基
づいて、チョッパ素子9に流れる電流値を推定する。す
なわち、力行制御時及びプラギング制御時に、前進コン
タクタ6又は後進コンタクタ7がオンしている場合は、
電流検出器4により検出された電流のほとんどがチョッ
パ素子9に流れていると判断される。さらに、チョッパ
素子9に流れている電流が所定値以上になったときの回
数を計数し(車両状態検出装置32)、この計数値(ス
トレス累積値データに相当)を記憶媒体36に記憶する
(記憶制御装置34)。そして、チョッパ素子9へのオ
ン/オフ指令信号とチョッパ素子9に流れる電流値と
(稼動状態データに相当)に基づいて、チョッパ素子9
の故障を診断し(故障診断装置33)、また前記計数値
に基づいて、チョッパ素子9の稼動寿命を推定する(部
品寿命推定装置38)。
【0029】(実施例8)減速時及びタイヤ摩耗 制御部1は、ブレーキLS16の検出信号によりブレー
キペダルが踏まれたことを検出し、踏まれた回数を計数
する(車両状態検出装置32)。この計数値(ストレス
累積値データに相当)を記憶媒体36に記憶し(記憶制
御装置34)、計数値に基づいて車両の傷み具合及びタ
イヤの摩耗状態(寿命に相当)等を推定する(部品寿命
推定装置38)。
【0030】(実施例9)加速時及びタイヤ摩耗 制御部1は、アクセルLS14の検出信号によりアクセ
ルペダルが踏まれたことを検出し、踏まれた回数を計数
する(車両状態検出装置32)。この計数値(ストレス
累積値データに相当)を記憶媒体36に記憶し(記憶制
御装置34)、計数値に基づいて車両の傷み具合及びタ
イヤの摩耗状態(寿命に相当)等を推定する(部品寿命
推定装置38)。
【0031】(実施例10)作業機 制御部1は、作業機スイッチ17の検出信号により作業
機レバーが操作されたことを検出し、レバー操作回数を
計数する(車両状態検出装置32)。この計数値(スト
レス累積値データに相当)を記憶媒体36に記憶し(記
憶制御装置34)、計数値つまり作業機操作回数に基づ
いて作業機の傷み具合及び作業機駆動油圧機器の寿命や
オイル劣化状態等を推定する(部品寿命推定装置3
8)。
【0032】(実施例11)バイパスコンタクタ 制御部1は、バイパスコンタクタ8のオン/オフ指令に
よりバイパスコンタクタ8のオン/オフ状態を判断し、
このオン/オフの回数を計数する(車両状態検出装置3
2)。そして、この計数値(ストレス累積値データに相
当)を記憶媒体36に記憶する(記憶制御装置34)。
さらに、電流検出器4により検出した電流値に基づい
て、バイパスコンタクタ8のオン/オフ時の電流値が所
定値以上かを判定し、所定値以上の電流をオン/オフし
た回数を計数し(車両状態検出装置32)、この計数値
(ストレス累積値データに相当)も記憶媒体36に記憶
する(記憶制御装置34)。これらのバイパスコンタク
タ8のオン/オフ回数、及び/又は所定値以上の電流の
オン/オフ回数に基づいて、バイパスコンタクタ接点寿
命を推定する(部品寿命推定装置38)。
【0033】(実施例12)永久磁石モータ駆動用のチ
ョッパ素子 ステアリング制御装置26は、電動式パワーステアリン
グの操作時に、永久磁石モータ27の電流を検出する電
流検出器により、永久磁石モータ27を駆動するチョッ
パ素子の電流値を検出し、この電流値が所定値以上にな
った回数を計数する(車両状態検出装置32)。この計
数値(ストレス累積値データに相当)を記憶媒体36に
記憶し(記憶制御装置34)、計数値に基づいてチョッ
パ素子の稼動寿命を推定する(部品寿命推定装置3
8)。
【0034】なお、これまでの実施形態では、車両の制
御装置内に有する故障診断装置33及び部品寿命推定装
置38により記憶媒体36に記憶されている情報やデー
タを読み込んで故障診断や寿命推定を行う例を説明した
が、これに限定されない。すなわち、記憶媒体36に記
憶されている情報やデータを車両の制御装置以外に読み
込んでもよい。記憶媒体36に記憶されている情報やデ
ータを読み込むには、以下のような各種の方法が考えら
れる。先ず、第1にサービス員が持参したサービスツー
ルをコネクタ等で制御装置に接続し、このサービスツー
ルに吸い上げることが可能である。このとき、サービス
ツール内に故障診断装置33や部品寿命推定装置38の
機能を設けてもよいし、サービスツールのデータをさら
に所定のサービス拠点の専用の故障診断装置や部品寿命
推定装置に再度吸い上げてこれにより故障診断や部品寿
命推定を行うようにしてもよい。第2に、直流電動車両
に衛星通信又は電話回線使用の通信等を可能とする通信
手段を備え、この通信手段を介して記憶媒体に記憶した
ストレス累積値データ等を定期的にあるいは所定の送信
指令があった時にメーカサービス拠点の専用の故障診断
装置や部品寿命推定装置に直接送信するようにしてもよ
い。
【0035】以上説明したように、本発明によると、直
流電動車両の稼動状態と消耗部品にかかるストレスとを
検出し、さらに検出したストレスの各消耗部品毎の累積
値を求める。このストレス累積値に基づいて消耗部品の
寿命が推定されるので、推定された寿命により各消耗部
品毎の故障発生時期を予測できる。これにより、予測さ
れる故障発生時期の前に予め当該消耗部品を交換して故
障発生を未然に予防できるので、部品故障による稼動停
止がなくなり、稼働率を向上できる。また、上記の検出
された稼動状態やストレス累積データは所定の記憶媒体
に記憶され、かつ必要な時に読み出すことが可能なた
め、この情報を各種の目的で利用することができる。例
えば、稼動状態情報は当該直流電動車両のユーザーの使
用状況、使用負荷及び使用環境等を表しており、特定ユ
ーザーの営業情報としても利用可能であり、また使用環
境に応じた仕様の電気部品や電子部品等を選定できる。
さらに、本制御装置を新規開発する際に、車両の強度及
び素子の選定などにも有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本適用例のバッテリフォークリフトにおける走
行、作業及びステアリングの制御回路例である。
【図2】本発明に係るバッテリフォークリフトの制御装
置の機能構成ブロック図である。
【符号の説明】
1…制御部、2…予備励磁回路、3…回生コンタクタ接
点、3R…励磁コイル、4…電流検出器、5…走行モー
タ、5a…電機子、5b…界磁コイル、6…前進コンタ
クタ、7…後進コンタクタ、9…チョッパ素子、10…
プラギングダイオード、11…フライホイールダイオー
ド、12…回生ダイオード、13…バッテリ、14…ア
クセル、15…前後進スイッチ、16…ブレーキ、17
…バイパスコンタクタ、31…走行・作業・ステアリン
グ制御装置、32…車両状態検出装置、33…故障診断
装置、34…記憶制御装置、35…表示制御装置、36
…記憶媒体、37…表示器、38…部品寿命推定装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリ(13)からの電力により作動し、
    走行駆動輪、作業機及びステアリング等を駆動する直流
    モータ等のアクチュエータと、アクチュエータの電流を
    制御する電気部品及び電子部品とを備え、電気部品及び
    電気部品に所定の指令信号を出力して走行、作業機及び
    ステアリング等を制御するバッテリフォークリフトの制
    御装置において、電気部品及び電気部品等の複数の消耗
    部品にかかるそれぞれのストレスを検出し、検出したス
    トレスの各消耗部品毎の累積値を演算する車両状態検出
    装置(32)と、車両状態検出装置(32)により求められた各
    消耗部品毎のストレス累積値を所定の記憶媒体(36)に記
    憶する記憶制御装置(34)とを備えたことを特徴とするバ
    ッテリフォークリフトの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバッテリフォークリフト
    の制御装置において、記憶媒体(36)に記憶された各消耗
    部品毎のストレス累積値に基づいてそれぞれの部品の寿
    命を推定する部品寿命推定装置(38)を設けたことを特徴
    とするバッテリフォークリフトの制御装置。
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