JP6283916B2 - 機能性フィルム、この機能性フィルムの製造方法、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品及びこの一体成形品の製造方法 - Google Patents

機能性フィルム、この機能性フィルムの製造方法、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品及びこの一体成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、光触媒粒子を含む機能性フィルム、この機能性フィルムの製造方法、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品及びこの一体成形品の製造方法に関するものである。
従来、成形品に抗菌性や防藻性を付与するため、銀化合物及び第四級アンモニウム塩が抗菌剤や防藻剤として用いられている。これらの抗菌剤や防藻剤が樹脂ペレットに混練され、この樹脂ペレットが成形されることで、抗菌剤や防藻剤を含有する成形品が製造される。しかし、このようにして製造される成形品では、銀化合物及び第四級アンモニウム塩が、経時的にブリードアウトしたり、形態変化したりすることにより、抗菌性能や防藻性能が低下していくという問題がある。また、抗菌剤や防藻剤を成形品中の全体に亘って含有させるため、抗菌剤や防藻剤の量が多くなり、成形品を製造するコストの増加を招いている。
そこで、酸化チタンなどの光触媒活性物質を含有させたコーティング剤をガラス等の表面に塗布することにより、親水性硬化物を備える積層体を得ることで、光触媒作用により積層体に抗菌性や防汚性などを付与することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、多孔性の無機材料及び酸化チタンを含有した光硬化性樹脂組成物より形成される光硬化性被覆用シートも開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−169755号公報 特開平4−202335号公報
しかし、成形品が凹凸や曲面を有する複雑な形状の場合、成形品の表面に均一に光触媒活性物質を含む塗膜を形成するのは困難である。このため、成形品の表面に塗膜の欠損部分が生じたり、所定の厚みを有する塗膜を得ることができないなど、成形品の外観品質の不安定化を招くという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、成形品と容易に一体化されることで、成形品の表面に光触媒活性を容易に付与するとともに、外観が良好な機能性フィルム、及びこの機能性フィルムの製造方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品、及びこの一体成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る機能性フィルムの製造方法は、可とう性を有する基材に光硬化性樹脂組成物を塗工し、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることで基材上に塗膜層を形成するものである。さらに、光硬化性樹脂組成物に、光硬化性樹脂前駆体と、溶媒と、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有させる。そして、塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態になるように、光硬化性樹脂組成物を乾燥させる。
本発明の他の態様に係る機能性フィルムは、可とう性を有する基材と、この基材上に積層している塗膜層とを備える。さらに、塗膜層が、光硬化性樹脂前駆体と、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1〜200nmである光触媒粒子とを含有する。そして、塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態にある。
本発明の機能性フィルムは、成形品と容易に一体化されることで、この表面に光触媒活性を容易に付与し、さらに外観も良好となる。そして、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品は、安定生産や品質確保が可能となる。
以下、本実施形態に係る機能性フィルム、この機能性フィルムの製造方法、この機能性フィルムを成形品と一体化させた一体成形品及びこの一体成形品の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態で製造される機能性フィルムは、可とう性を有する基材と、この基材上に積層している塗膜層とを備える。塗膜層は、JIS K5500に規定する指触乾燥状態にある。塗膜層は、基材に光硬化性樹脂組成物を塗工し、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることで形成されるものである。
基材としては、熱可塑性樹脂から形成されるフィルム又はシートを使用することができる。基材の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アクリル樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。基材の厚みは、成形品の材料及び成形方法によって適宜設定される。
基材には、必要に応じて、公知の方法により公知の添加剤を含有させてもよい。添加剤の好ましい具体例としては、染料、顔料等の着色アニリド類のような紫外線吸収剤;リン酸エステルのような難燃剤;パルミチン酸、ステアリルアルコールのような滑剤;有機系及び無機系の抗菌剤;帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
光硬化性樹脂組成物には、光硬化性樹脂前駆体と、溶媒と、光触媒粒子とを含有させる。
光硬化性樹脂前駆体は、不飽和結合を有する炭化水素化合物であることが好ましく、多官能(メタ)アクリレートなどの炭化水素化合物であることがより好ましい。不飽和結合を有する炭化水素化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール類;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のメチロール類;ビスフェノールAジエポキシアクリレート等のエポキシアクリレート類からなる群より選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。これらの中でも、不飽和結合を有する炭化水素化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、光硬化性樹脂前駆体の重量平均分子量は、100〜100000であることが好ましい。光硬化性樹脂前駆体の重量平均分子量が100以上であると、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることによって形成される塗膜層が、指触乾燥状態に成り易くなる。また、光硬化性樹脂前駆体の重量平均分子量が100000以下であると、光硬化性樹脂組成物がゲル化したり、不透明化したりする可能性が低くなる。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による測定結果から導出される。
溶媒の好ましい具体例としては、キシレン、トルエン、酢酸エチル、ベンゼン、ジブチルフタレート、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸、エタノール等が挙げられる。これらの溶媒のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
光触媒粒子を構成する光触媒は、伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーの光が照射された場合に、価電子帯中の電子が励起して伝導電子と正孔を生成する物質であれば、特に限定されない。光触媒としては、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化インジウムなどの酸化物;これら複数の金属の酸化物;窒素や金属イオンがドープされた金属酸化物;表面に金属や金属塩などの助触媒や光増感色素などが担持されている金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。
光硬化性樹脂組成物中における光触媒粒子の割合は、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜1000質量部の範囲である。光触媒粒子の割合が10質量部以上であることで、塗膜層から形成される硬化層に高い光触媒活性が付与される。光触媒粒子の割合が1000質量部以下であることで、塗膜層及び硬化層の透明性が高くなると共に、これらにクラックが生じることが抑制され、これにより、塗膜層及び硬化層の外観が良好になる。
光触媒粒子の平均粒子径(D50)は、1nm〜200nmであることが好ましい。光触媒粒子の平均粒子径が1nm以上であることで、光触媒粒子の分散性が良好になる。また、光触媒粒子の平均粒子径が200nm以下であることで、塗膜層及び硬化層の透明性が向上し、これらの外観が良好になる。この平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
また、光硬化性樹脂組成物には、重量平均分子量が10000〜100000であり、且つ、ガラス転移温度が30〜120℃であるアクリル樹脂を含有させることが好ましい。この場合、指触乾燥状態の塗膜層が容易に形成される。アクリル樹脂の重量平均分子量が10000以上であると、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることによって形成される塗膜層が、指触乾燥状態に成り易い。また、アクリル樹脂の重量平均分子量が100000以下であると、光硬化性樹脂前駆体との相溶性が良好となるため、光硬化性樹脂組成物がゲル化したり、不透明化したりする可能性が低くなる。
また、アクリル樹脂のガラス転移温度が30℃以上であると、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることによって形成される塗膜層が、指触乾燥状態に成り易くなる。また、アクリル樹脂のガラス転移温度が120℃以下であると、成形時にアクリル樹脂が十分に軟化し、光硬化性樹脂組成物にクラックや剥離が発生する可能性が低くなる。
アクリル樹脂としては、例えば、アクリルポリウレタン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂、電子線硬化型アクリル樹脂、熱可塑型アクリル樹脂、常乾型アクリル樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。これらの中でも、アクリルポリウレタン樹脂は、アクリル樹脂の持つ剛直性とウレタン結合の持つ柔軟性とを併せ持つことにより、硬化層に優れた機械強度を付与することができるため好ましい。なお、アクリル樹脂が光硬化性を有していても、このアクリル樹脂は、本実施形態においては光硬化性樹脂前駆体には含まれない。
アクリル樹脂として、アクリルポリオールの縮合物からなるアクリルポリウレタン樹脂を用いる場合、アクリルポリオールとしては特に制限はなく、公知のものから適宜選択することができる。また、架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、非黄変型のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族イソシアネート、およびジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)や水添MDI等のポリイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。ポリイソシアネート化合物としては、特にHMDIが好ましい。アクリルポリウレタン樹脂のアクリルポリオールとポリイソシアネート化合物の配合比率は、NCO/OH比で0.8〜1.5の範囲であることが好ましく、1.0〜1.2の範囲であれば更に好ましい。アクリルポリウレタン樹脂を用いる場合は、架橋時に触媒を用いることができる。触媒としては、ジブチル錫ジラウレートが挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリル系モノマー単独で、または他の共重合可能なモノマーと共に、溶液重合、乳化重合、分散重合等によりラジカル(共)重合することで得られるホモポリマーまたはコポリマーを用いることもできる。ここで、アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、共重合可能なモノマーとしては、スチレン系化合物、ラジカル重合性不飽和結合を有するカルボン酸やジカルボン酸、ビニル基などのアルケニル基を有したシラン化合物、その他のビニルモノマーなどが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物中におけるアクリル樹脂の割合は、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜500質量部の範囲であることが好ましい。この場合、指触乾燥状態の塗膜層が容易に形成される。
また、光硬化性樹脂組成物には、熱硬化性樹脂を含有させることも好ましい。光硬化性樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の割合は、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜100質量部の範囲であることが好ましい。熱硬化性樹脂の割合が10質量部以上であると、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることによって形成される塗膜層が、指触乾燥状態に成り易くなる。また、熱硬化性樹脂の割合が100質量部以下であることで、塗膜層の良好な柔軟性が確保され、一体成形品の成形時に塗膜層が延伸されても、塗膜層における割れ、クラック等の発生が効果的に抑制される。また、塗膜層の伸びが20%に達する場合であっても、塗膜層の割れ、クラック等の発生を防止することも可能となる。このため、塗膜層を硬化させることで形成される硬化層によって一体成形品にハードコートを施したり、一体成形品の意匠性を向上したりする場合に、硬化層の機能を効果的に発揮させることができる。なお、塗膜層の伸びが20%に達するとは、塗膜層が二次元のX方向及びY方向に引き延ばされることで、X方向の長さ及びY方向の長さが共に20%増加すること(1cmの長さが1.2cmになること)をいう。
熱硬化性樹脂には、フッ素含有樹脂と多価イソシアネート類とを含有させることが好ましい。
フッ素含有樹脂は、フッ素含有オレフィン成分単位と反応性水酸基とを有する。フッ素含有オレフィン成分単位とは、樹脂の主鎖における、−(CF2−X−CF2−y)−で表される構成単位(x及びyは、1又は2の整数である)である。このフッ素含有樹脂は、フッ素基を含有するため表面エネルギーが低く、このため、塗膜層内でその表面側に向けて傾斜配向しやすい。これにより、塗膜層表面に速乾性、平滑性、離型性及び防汚性を付与することができる。また、塗膜層において、フッ素含有オレフィン成分単位は、フッ素含有樹脂における反応性水酸基と、多価イソシアネートとが反応することにより、樹脂骨格に取り込まれる。これにより、フッ素含有オレフィン成分単位が、塗膜層表面へ過度にブリードすることが抑制されて、一体成形品の外観低下が抑制され、また、長期の防汚性の確保などを図ることができる。
多価イソシアネート類としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物はさらに必要に応じて、希釈溶媒を含有してもよい。希釈溶媒としては特に制限はなく、市販又は合成、蒸留した溶媒などが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて適宜の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、顔料、耐酸化剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、結晶化促進剤、安定剤、抗菌剤などが挙げられる。
塗膜層に光硬化性を付与し、あるいは塗膜層の光硬化性を向上させるためには、光硬化性樹脂組成物に、ラジカル発生剤を含有させることが好ましい。ラジカル発生剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類等が挙げられる。また、ラジカル発生剤の好ましい具体例としては、チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア907(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)、BASF社製ルシリンTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等が挙げられる。本実施形態においては、アセトフェノン類が好ましい。これらのラジカル発生剤のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記の成分が適宜の手法で混合されることで、光硬化性樹脂組成物が得られる。
本実施形態に係る機能性フィルムは、可とう性を有する基材と、この基材上に積層している塗膜層とを備える。そして、塗膜層が、光硬化性樹脂前駆体と、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり、且つ、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1〜200nmである光触媒粒子とを含有する。さらに、塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態にある。このような機能性フィルムは、光触媒粒子に起因して高い光触媒活性を有している。また、当該機能性フィルムは、透明性を有しつつもクラックの発生が抑制されているため、外観も良好となる。
本実施形態の機能性フィルムの製造にあたっては、まず、可とう性を有する基材上に光硬化性樹脂組成物が塗工される。光硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されるものではない。塗工方法としては、例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、バーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の通常の各種方法を選択することができる。
光硬化性樹脂組成物を塗工した後、この光硬化性樹脂組成物の乾燥を行うことで、指触乾燥状態にある塗膜層が形成される。ここで本実施形態では、光硬化性樹脂組成物が、光硬化性樹脂前駆体と、溶媒と、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり、且つ、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1〜200nmである光触媒粒子とを含有する。そのため、光硬化性樹脂組成物を加熱し、乾燥させることによって、溶媒が揮発し、光硬化性樹脂前駆体と光触媒粒子とを含有する指触乾燥状態の塗膜層が容易に形成される。光硬化性樹脂組成物の乾燥温度、乾燥時間、乾燥方法等の乾燥条件は、基材上に形成される塗膜層が、JIS K5500に規定される指触乾燥状態になるように、適宜設定される。
塗膜層の厚みは、0.2μm〜20μmであることが好ましい。塗膜層の厚みが0.2μm以上であると、塗膜層を基材全面に略均一に被覆させ、塗膜層の物性を良好なものとすることができる。また、塗膜層の厚みが20μm以下であると、塗膜層に含有させた光触媒粒子の影響で膜の深部にまで紫外線や電子線が到達し難くなり、塗膜層の硬化が不十分となる恐れが低減する。
本実施形態に係る機能性フィルムの製造方法は、可とう性を有する基材に光硬化性樹脂組成物を塗工し、光硬化性樹脂組成物を乾燥させることで、基材上に塗膜層を形成するものである。そして、光硬化性樹脂組成物に、光硬化性樹脂前駆体と、溶媒と、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり、且つ、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有させる。さらに、塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態になるように、光硬化性樹脂組成物を乾燥させる。このような方法により、上述の機能性フィルムを容易に得ることが可能となる。
本実施形態において、光硬化性樹脂前駆体は、不飽和結合を有する炭化水素化合物であることが好ましい。また、光硬化性樹脂組成物に、さらに重量平均分子量が10000〜100000であり、且つ、ガラス転移温度が30〜120℃であるアクリル樹脂を、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜500質量部の割合で含有させることが好ましい。これにより、指触乾燥状態の塗膜層が容易に形成することが可能となると共に、透明性の高い塗膜層を得ることができる。
上記のようにして得られた本実施形態の機能性フィルムを、成形品と一体化させることで、中間品を得る。中間品は、成形品と、この成形品に積層している可とう性を有する基材と、可とう性を有する基材に積層している塗膜層とを備える。これにより、光触媒粒子を含有する塗膜層と成形品とを容易に一体化させることができるため、成形品の表面に光触媒活性を容易に付与できる。機能性フィルムと成形品とを一体化させる成形方法としては、ラミネート加工あるいはインモールドラミネーション加工が挙げられる。
成形品の形状は、平板状であってもよいし、凹凸や曲面を有する複雑な形状であってもよい。本実施形態に係る機能性フィルムを用いれば、指触乾燥状態にある塗膜層が、成形品の形状に容易に追従するため、成形品が凹凸や曲面を有する複雑な形状であっても、成形品の表面を覆うように光触媒活性物質を含む塗膜層を均一に設けることができる。
一体成形品は、中間品における塗膜層を光硬化させることによって得ることができる。塗膜層を光硬化させるには、例えば、塗膜層に紫外線の照射を行う。紫外線により塗膜層を硬化させる場合、光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを有する紫外線照射装置などが挙げられる。紫外線の照射にあたって、必要に応じて光量、光源の配置などを調整することが好ましい。また、塗膜層を硬化させるために、電子線などを用いてもよい。このように、塗膜層を光硬化させることによって、一体成形品の表面に硬化層が形成される。
このように、本実施形態に係る一体成形品の製造方法は、機能性フィルムを、ラミネート加工あるいはインモールドラミネーション加工によって成形品と一体化させる。これにより、成形品と、この成形品に積層している基材と、基材に積層している塗膜層とを備える中間品を作製する。さらに、当該中間品における塗膜層を光硬化させる。
一体成形品における硬化層について、光触媒活性試験が行われる場合、試験前後での硬化層の色差(ΔE)が、5以上であることが好ましい。光触媒活性試験は、まず硬化層の表面に、両端が開口する内径1.9cmのガラス筒の一端を当接させる。次に、硬化層の表面のガラス筒で囲まれた領域に0.1mol/Lの硝酸銀水溶液を2mL滴下する。そして、この領域に紫外線を10W/mの放射照度で10分間照射した後、硬化層の表面を水で洗浄して硝酸銀水溶液を除去する。
色差(ΔE)の測定にあたっては、試験前の硬化層の表面と、試験後のガラス筒で囲まれた領域での硬化層の表面との、色差(ΔE)を測定する。
硬化層がこのような特性を有すると、硬化層が高い光触媒活性を発揮する。このような高い光触媒活性は、本実施形態において、光硬化性樹脂組成物の組成等を調整することで、容易に達成される。
このように、本実施形態において、塗膜層が、この塗膜層を光硬化させることで硬化層を形成した場合、硬化層の表面に光触媒活性試験を行うと、試験前後の前記領域における色差(ΔE)が、5以上となる特性を有することが好ましい。なお、光触媒活性試験は、まず硬化層の表面に、両端が開口する内径1.9cmのガラス筒の一端を当接させる。次に、硬化層の表面のガラス筒で囲まれた領域に0.1mol/Lの硝酸銀水溶液を2mL滴下する。そして、この領域に紫外線を10W/mの放射照度で10分間照射した後、硬化層の表面を洗浄して硝酸銀水溶液を除去する。
本実施形態に係る一体成形品は、上述の製造方法により得られる一体成形品である。さらに、塗膜層が、この塗膜層を光硬化させることで硬化層を形成した場合、硬化層の表面に光触媒活性試験を行うと、前記試験前後の前記領域における色差(ΔE)が、5以上となる特性を有することが好ましい。
以下、本実施形態を実施例、比較例及び参考例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
アクリル樹脂として、三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂「LR1065」(固形分:43質量%、ガラス転移温度:105℃、重量平均分子量:68000)を用いた。また、光硬化性樹脂前駆体として、アイカ工業株式会社製UVコート剤「Z−606−25」(固形分:40質量%)を用いた。さらに光触媒粒子として、テイカ株式会社製アナタース型酸化チタンスラリー「TKD−701」(一次粒子径:6nm、酸化チタン含有量:17質量%、イソプロピルアルコール分散体)を用いた。
そして、上述のアクリル樹脂10質量部と、UVコート剤25質量部と、酸化チタンスラリー6.4質量部とを混合した。これにより、本例の光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は、分子量分析装置(東ソー株式会社製のGPC 品番;HLC8120GPC)を用いて測定した。
<実施例2>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を65質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例3>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を100質量部、UVコート剤の混合量を10質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例4>
まず、テイカ株式会社製アナタース型酸化チタン「AMT−100」(一次粒子径6nm)10質量部を、メチルエチルケトン88質量部に加え、ビーズミルで分散させた。さらにビックケミー・ジャパン株式会社製の分散剤「DISPERBYK(登録商標)−111」2質量部を徐々に添加していき、メチルエチルケトンに分散した酸化チタンスラリー(固形分:10質量%)を調製した。本実施例では、この酸化チタンスラリーを光触媒粒子として用いた。なお、動的光散乱法で測定した、この酸化チタンスラリーの二次粒子径は120nmであった。
フッ素含有ポリオール樹脂として、旭硝子株式会社製のフッ素含有ポリオール樹脂「ルミフロン(登録商標)LF100」(水酸基価:26mgOH/g、固形分:50質量%)を用いた。多価イソシアネート樹脂として、旭化成ケミカルズ株式会社製の多価イソシアネート樹脂「デュラネート(登録商標)TPA−100」(イソシアヌレート型HDI、固形分:100質量%、NCO:23.1質量%)を用いた。光硬化性樹脂前駆体として、アイカ工業株式会社製UVコート剤「Z−606−25」(固形分:40質量%)を用いた。
そして、この酸化チタンスラリー80質量部と、UVコート剤15質量部と、フッ素含有ポリオール樹脂4.8質量部と、多価イソシアネート樹脂0.2質量部とを混合し、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<実施例5及び6>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を65質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例1>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を0.64質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例2>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を6400質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
<比較例3>
まず、テイカ株式会社製アナタース型酸化チタン「AMT−100」(一次粒子径6nm)10質量部を、メチルエチルケトン88質量部に加え、ホモディスパーで撹拌、分散させた。さらにビックケミー・ジャパン株式会社製の分散剤「DISPERBYK−111」2質量部を徐々に添加していき、メチルエチルケトンに分散した酸化チタンスラリー(固形分:10質量%)を調製した。本比較例では、この酸化チタンスラリーを光触媒粒子として用いた。なお、動的光散乱法で測定した、この酸化チタンスラリーの二次粒子径は、300nmであった。
アクリル樹脂として、三菱レイヨン株式会社製アクリル樹脂「LR1065」(固形分:43質量%、ガラス転移温度:105℃、重量平均分子量:68000)を用いた。光硬化性樹脂前駆体として、アイカ工業株式会社製UVコート剤「Z−606−25」(固形分:40質量%)を用いた。
そして、この酸化チタンスラリー65質量部と、UVコート剤25質量部と、アクリル樹脂10質量部とを混合し、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は、分子量分析装置(東ソー株式会社製のGPC 品番;HLC8120GPC)を用いて測定した。
<参考例1及び2>
実施例1において、酸化チタンスラリーの混合量を65質量部とし、光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を得た。
(機能性フィルム及び一体成形品の作製)
上記の実施例1〜6、比較例1〜3並びに参考例1及び2で得た光触媒粒子を含む光硬化性樹脂組成物を、表1に示すバーコーターを用いて、帝人デュポンフィルム株式会社のPETフィルム(厚み:50μm)に塗布した。これを、80℃で5分間加熱乾燥させ、指触乾燥状態の塗膜層を形成し、この塗膜層を表面に有する機能性フィルムを得た。なお、塗膜層は、表1に示す厚みで形成した。
次に、型温度を50℃に保持した射出成形型の所定位置に、この機能性フィルムを固定した。そして、230℃で溶融させたアクリル樹脂を射出圧力140MPaで型内に射出し、保圧60MPaで30秒間保持させた。その後、脱型して、成形品と、この成形品に積層した機能性フィルムとを備える中間品を得た。なお、射出成型時における、機能性フィルムの最大伸び率は50%であった。
そして、無電極紫外線ランプを用いて、この中間品に紫外線を積算光量200mJ/cmの放射照度で照射することにより、塗膜層を光硬化させ、一体成形品を得た。これらについて、性能評価試験を次に示す通り行った。
[指触乾燥性の評価]
乾燥後のフィルムの塗膜層が、JIS K5500(塗料用語)に規定される、指触乾燥状態であるかどうかを評価した。
○:試料で指先が汚れない状態のもの。
×:試料で指先が汚れる状態のもの。
[外観の評価]
射出成形前のフィルム表面の曇り及びクラックを目視により観察した。
○:外観の異常(曇り又はクラック)がないもの。
△:外観の異常(曇り又はクラック)が若干認められるもの。
×:外観の異常(曇り又はクラック)が多く認められるもの。
[成形追従性の評価]
射出成形後のフィルム表面の曇り及びクラックを目視により観察した。
○:外観の異常(曇り又はクラック)がないもの。
×:外観の異常(曇り又はクラック)が認められるもの。
[光触媒活性の評価]
塗膜層を光硬化させて形成した硬化層の表面に、両端が開口する内径1.9cmのガラス筒の一端を当接させ、硬化層の表面のガラス筒で囲まれた領域に0.1mol/Lの硝酸銀水溶液を2mL滴下した。上記領域にブラックライトを光源として紫外線を10W/mの放射照度で10分間照射した。その後、硬化層の表面を洗浄して余分な硝酸銀水溶液を除去し、乾燥させた。乾燥後の上記領域の色値と、硝酸銀水溶液を滴下する前の上記領域の色値とを測色計により測定し、これらの色差(ΔE)で評価した。
○:色差(ΔE)が5以上であるもの。
×:色差(ΔE)が5未満であるもの。
[耐薬品性の評価]
イソプロピルアルコールを含浸させた綿布で、フィルム表面を10往復擦り、試験後のフィルム表面(塗膜層)の曇り及び塗膜層の剥離を目視観察した。
○:外観の異常(曇り、クラック、剥離)がないもの。
×:外観の異常(曇り、クラック、剥離)が認められるもの。
以上の評価試験の結果を、下記表1に示す。
Figure 0006283916
表1より、実施例1〜6は、光硬化性樹脂組成物に、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり、且つ、平均粒子径が1〜200nmである光触媒粒子を含有させて塗膜層を形成し、この塗膜層の厚みが、0.2〜20μmである。そして、実施例1〜6はいずれも全ての評価において良好であった。
一方、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する光触媒粒子の割合が10質量部未満である比較例1は、光触媒活性が低かった。また、光触媒粒子の割合が1000質量部より大きい比較例2は、外観の異常が認められた。また、光触媒粒子の平均粒子径が200nmより大きい比較例3は、外観の異常が認められた。
また、塗膜層の厚みが20μmより大きい参考例1は、高い光触媒活性を有する。ただ、塗膜層の厚みが大きいため、光触媒粒子自体の色や光触媒粒子による光の散乱により、塗膜層に若干の曇りが見られた。しかし、光触媒粒子が過多の比較例2や光触媒粒子の粒子径が過大の比較例3と比べると、参考例1の塗膜層の曇りは抑制されている。また、塗膜層の厚みが0.2μm未満の参考例2は、高い光触媒活性を有し、外観は悪化していないものの、塗膜層が薄く、クラックや剥離が生じやすいため、耐薬品性が不十分となった。
以上、本実施形態を実施例、比較例及び参考例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

Claims (11)

  1. 可とう性を有する基材に光硬化性樹脂組成物を塗工し、前記光硬化性樹脂組成物を乾燥させることで前記基材上に塗膜層を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
    前記光硬化性樹脂組成物に、光硬化性樹脂前駆体と、溶媒と、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有させ、
    前記塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態になるように、前記光硬化性樹脂組成物を乾燥させることを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
  2. 前記光硬化性樹脂前駆体が、不飽和結合を有する炭化水素化合物であり、
    前記光硬化性樹脂組成物に、更に、重量平均分子量が10000〜100000であり且つガラス転移温度が30〜120℃であるアクリル樹脂を、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜500質量部の割合で含有させることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  3. 前記光硬化性樹脂前駆体の重量平均分子量が、100〜100000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性フィルムの製造方法。
  4. 前記光硬化性樹脂組成物に、更に、熱硬化性樹脂を、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して10〜100質量部の割合で含有させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、フッ素含有オレフィン成分単位と反応性水酸基とを有するフッ素含有樹脂と、多価イソシアネート類とを含有することを特徴とする請求項4に記載の機能性フィルムの製造方法。
  6. 可とう性を有する基材と、この基材上に積層している塗膜層とを備え、
    前記塗膜層が、光硬化性樹脂前駆体と、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有し、
    前記塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態にあることを特徴とする機能性フィルム。
  7. 前記塗膜層の厚みが0.2μm〜20μmであることを特徴とする請求項6に記載の機能性フィルム。
  8. 前記塗膜層が、この塗膜層を光硬化させることで硬化層を形成した場合、前記硬化層の表面に、両端が開口する内径1.9cmのガラス筒の一端を当接させ、前記硬化層の表面の前記筒で囲まれた領域に0.1mol/Lの硝酸銀水溶液を2mL滴下し、前記領域に紫外線を10W/mの放射照度で10分間照射した後、前記硬化層の表面を洗浄して前記硝酸銀水溶液を除去する光触媒活性試験を行うと、前記試験前後の前記領域における色差(ΔE)が、5以上となる特性を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の機能性フィルム。
  9. 請求項6乃至のいずれか一項に記載の機能性フィルムを、ラミネート加工あるいはインモールドラミネーション加工によって成形品と一体化させることで、前記成形品と、この成形品に積層している前記基材と、前記基材に積層している前記塗膜層とを備える中間品を作製し、前記中間品における前記塗膜層を光硬化させることを特徴とする一体成形品の製造方法。
  10. 成形品と、前記成形品に積層している可とう性を有する基材と、前記基材に積層している塗膜層を光硬化してなる硬化層と、を備え、
    前記塗膜層が、光硬化性樹脂前駆体と、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有し、前記塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態にあり、
    前記硬化層の表面に、両端が開口する内径1.9cmのガラス筒の一端を当接させ、前記硬化層の表面の前記筒で囲まれた領域に0.1mol/Lの硝酸銀水溶液を2mL滴下し、前記領域に紫外線を10W/mの放射照度で10分間照射した後、前記硬化層の表面を洗浄して前記硝酸銀水溶液を除去する光触媒活性試験を行うと、前記試験前後の前記領域における色差(ΔE)が、5以上となる特性を有することを特徴とする一体成形品。
  11. 成形品と、前記成形品に積層している可とう性を有する基材と、前記基材に積層している塗膜層を光硬化してなる硬化層と、を備え、
    前記塗膜層が、光硬化性樹脂前駆体と、前記光硬化性樹脂前駆体100質量部に対する割合が10〜1000質量部であり且つ動的光散乱法により測定される平均粒子径が1nm〜200nmである光触媒粒子とを含有し、前記塗膜層がJIS K5500に示す指触乾燥状態にあることを特徴とする一体成型品。
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