JP6282486B2 - 電力変換器 - Google Patents

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本発明の実施形態は、交流と直流との間で相互に電力を変換する電力変換器に関する。
近年、風力発電や太陽光発電、太陽熱発電などの再生可能エネルギーの普及が促進されているが、これらのエネルギーの系統への連系や、直流での大電力送電、そして変動の大きな再生可能エネルギーを多数連系した際に問題となる系統変動の抑制のために、交流と直流を変換する電力変換器の必要性が高まっている。
太陽光発電のような直流電源を電力系統に連系する際には、直流から交流への電力変換器が必要である。また直流送電においては、発電された交流電力を直流送電用の直流に変換するコンバータや、送電されてきた直流を都市内の交流に変換するインバータなどの電力変換器が必要になる。そして系統変動抑制には無効電力補償装置が用いられ、これもまた交流と直流の電力変換器である。
半導体技術の発展と共に、電力変換器に用いるスイッチング素子も進歩してきた。その成果の1つとして、電力変換器の多レベル化がある。従来は、電力変換器が高圧系統に連系する際に2〜3の電圧レベルの変換器出力をトランスで昇圧するのが一般的であったが、その場合、電圧高調波低減のために三相交流出力にリアクトルやコンデンサで構成されるフィルタを挿入する必要があった。出力電圧レベル数が少ないと電力系統に流れ出す電圧高調波成分も大きいため、他の機器に悪影響を及ぼさないレベルまで低減するためには前記フィルタを大きくする必要があり、結果としてコスト増大と重量増加を招いていた。
この課題の解決策として、細かい電圧を出力する単位変換器を複数台直接接続することにより、多レベルの階段状の電圧波形を出力できる電力変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)の開発が進められている。このMMCの場合、多レベル化により出力電圧波形が正弦波に近づくため、重量・体積・コストが大きい高調波フィルタを小型化、または不要にできるメリットがある。
このMMC回路にPWM(Pulse Width Modulation)制御を適用する場合、各単位変換器の三角波キャリアの位相を均等にずらして高調波を低減する。この場合、三角波キャリア周波数を電源周波数より大きくする必要があるため、スイッチング回数の低減には限界がある。これはスイッチング損失低減の限界、すなわち効率の限界を意味している。
そこで、1周期に各単位変換器を1回スイッチングする1パルス制御を適用すれば、スイッチング損失を低減できる。1パルス制御は、レベル数の少ない回路ならば電圧高調波は大きいが、多レベル回路ならば電圧高調波を低減できるため、低損失と低高調波を両立できる。多レベル回路を1パルス制御で駆動した場合の電圧指令値Vr*と出力電圧Vrの例を図10に示す。
特表2010−512134号公報
F.Z. Peng, J.S. Lai, J. McKeever, J. VanCoevering, "A multilevel voltage source inverter with separate dc sources for static Var generation," IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, VOL 32, NO 5, 1996, pp.1130-1138
上記多レベル回路では、図10のθ1〜θ8、π−θ8〜π−θ1のように各単位変換器の出力が変化する位相が予め決められていてテーブル化されている。このテーブルに従い単位変換器のパルス電圧出力を変化させていくことで、変換器として瞬時出力電圧Vrのような多レベル電圧波形が出力される。このような手法では、電圧指令値Vr*が理想的な正弦波の場合は、電流高調波が最低限に抑制可能である。しかしながら、系統連系機器で系統電圧が理想的な正弦波でない場合、系統電圧の変化に係らず位相のみで電圧出力変化が決定されるため、電流高調波が増大してしまうという課題がある。また、系統電圧の急変に変換器出力が対応できないため、急変時に過大な電流が流れてしまうという課題もあった。
本発明の実施形態は、電流高調波を低減できるとともに、電圧指令値の急変時にも対応した電圧が出力できる電力変換器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態の電力変換器は、複数の半導体スイッチング素子と直流電圧源とにより構成された単相フルブリッジ変換器を単位変換器とし、該単位変換器を各相において1つ以上直列接続した回路と、前記単位変換器の前記半導体スイッチング素子に、出力電圧の基本波1周期あたり正負それぞれ1回ずつパルス電圧を出力する1パルス制御ゲート信号を与える制御装置と、を備え、前記制御装置は、電圧指令値V*とパルス出力を変化させる閾値Vthとを比較し、前記単位変換器の出力電圧Vを変化させるタイミングを判定することにより、前記単位変換器の前記出力電圧Vを変化させ、前記単位変換器の直流電圧源の電圧値がVdcであって、制御対象相において、パルス電圧を出力している単位変換器がn個である場合、前記制御装置は、前記電圧指令値V*が正の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを次式、Vth=(2n+1)Vdc/2で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、正のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ増加させ、前記電圧指令値V*が正の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、Vth=(2n−1)Vdc/2(ただし、n=0の時、Vth=0)で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または下回った時に、正のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ減少させ、前記電圧指令値V*が負の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、Vth=−(2n+1)Vdc/2で与え、前記電圧指令値が前記閾値Vthに一致または下回った時に、負のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ増加させ、前記電圧指令値V*が負の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを、Vth=−(2n−1)Vdc/2(ただし、n=0の時、Vth=0)で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、負のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ減少させることを特徴とする。
本発明の各実施形態で用いる電力変換器の構成を示す回路図。 第1の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第2の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第3の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第4の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第6の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第6の実施形態の他の変形例における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第6の実施形態のさらに他の変形例における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフ。 第7の実施形態における、電圧指令値Vr*の位相から電圧指令値Vr*の傾きを判断する手法を示すグラフ。 多レベル回路を1パルス制御で駆動した場合の電圧指令値Vr*と出力電圧Vrの例を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施形態]
(電力変換器の構成)
図1は、本発明の各実施形態で用いる電力変換器の構成を示す図である。
この電力変換器10は、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。ここで、単位変換器11は、4つの半導体スイッチング素子12と、直流電圧源としてのコンデンサ13とにより構成された単相フルブリッジ構成としている。また、本実施形態ではデルタ結線の無効電力補償装置を例としているため、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
制御装置2は、系統電圧Vsr,Vss,Vst、変換器電流Irs,Ist,Itr、コンデンサ電圧Vcr1〜Vcrn,Vcs1〜Vcsn,Vct1〜Vctnを基にして各相の電圧指令値Vr*,Vs*,Vt*を演算し、それに基づき実際に各スイッチング素子を駆動するゲート信号を出力する。以降は例としてr相の制御のみを説明するが、制御方法は全相とも同じであり、それぞれについて同様に行われる。
(作用)
図2は、第1の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフである。
制御装置2は、電圧指令値Vr*を基に、各単位変換器11の1パルス制御するゲート信号を生成し、各単位変換器11を駆動して電圧を出力する。1パルスの変化するタイミングは、図2のように電圧指令値Vr*と閾値Vrthを比較することで判定する。閾値Vrthは、コンデンサ電圧定格値Vc*と、パルス電圧を出力している単位変換器11の数によって定められる。
電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向であり、パルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時は、閾値Vrthは(Vc*)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に正のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は0から1に変化するため、閾値Vrthは(3Vc*)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、r相の場合、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n+1)Vc*}/2・・・(1)
次に、電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合を説明する。この場合、いくつか単位変換器11がパルス電圧を出力している所から始まる。パルス電圧を出力している単位変換器11が3個の時、閾値Vrthは(5Vc*)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は3から2に変化するため、閾値Vrthは(3Vc*)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。
パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n−1)Vc*}/2・・・(2)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ減少傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よって、パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n+1)Vc*}/2・・・(3)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に負のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ増加傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n−1)Vc*}/2・・・(4)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、第1の実施形態との差異は、制御装置2がコンデンサ電圧定格値Vc*の代わりに、制御対象相のコンデンサ電圧の平均値を用いる点である。それ以外の動作は第1の実施形態と同様である。例えば、r相の制御の場合は、r相の単位変換器11が備えるコンデンサ電圧の平均値Vcrを用いる。単位変換器11の直列数がn段である場合、r相のコンデンサ電圧平均値Vcrは以下の式で演算される。
・・・(5)
図3は、第2の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフである。
制御装置2は、電圧指令値Vr*を基に、各単位変換器11の1パルス制御するゲート信号を生成し、各単位変換器11を駆動して電圧を出力する。1パルスの変化するタイミングは、図3のように電圧指令値Vr*と閾値Vthを比較することで判定する。閾値Vthは、コンデンサ電圧平均値Vcrと、パルス電圧を出力している単位変換器11の数によって定められる。
電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向であり、パルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時は、閾値Vrthは(Vcr)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に正のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は0から1に変化するため、閾値Vrthは(3Vcr)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、r相の場合、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n+1)Vcr}/2・・・(6)
次に、電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合を説明する。この場合、いくつか単位変換器11がパルス電圧を出力している所から始まる。パルス電圧を出力している単位変換器11が3個の時、閾値Vrthは(5Vcr)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は3から2に変化するため、閾値Vrthは(3Vcr)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n−1)Vcr}/2・・・(7)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ減少傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n+1)Vcr}/2・・・(8)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に負のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ増加傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n−1)Vcr}/2・・・(9)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
また、本実施形態によれば、閾値Vrthの演算に相のコンデンサ電圧平均値を用いているため、より正確な閾値を与え、より正確な電圧出力とすることができ、電流高調波を低減することができる。
[第3の実施形態]
(構成)
第3の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、第1の実施形態との差異は、制御装置2がコンデンサ電圧定格値Vc*の代わりに、全相のコンデンサ電圧の平均値Vcを用いる点である。それ以外の動作は第1の実施形態と同様である。単位変換器11の直列数がn段で、相数がr、s、tの3相である場合、全コンデンサ電圧平均値Vcは以下の式で演算される。
・・・(10)
図4は、第3の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフである。
制御装置2は、電圧指令値Vr*を基に、各単位変換器11の1パルス制御するゲート信号を生成し、各単位変換器11を駆動して電圧を出力する。1パルスの変化するタイミングは、図4のように電圧指令値Vr*と閾値Vrthを比較することで判定する。閾値Vrthは、全コンデンサ電圧平均値Vcと、パルス電圧を出力している単位変換器11の数によって定められる。
電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向であり、パルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時は、閾値Vrthは(Vc)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に正のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は0から1に変化するため、閾値Vrthは(3Vc)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、r相の場合、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n+1)Vc}/2・・・(11)
次に、電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合を説明する。この場合、いくつか単位変換器11がパルス電圧を出力している所から始まる。パルス電圧を出力している単位変換器11が3個の時、閾値Vrthは(5Vc)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は3から2に変化するため、閾値Vrthは(3Vc)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n−1)Vc}/2・・・(12)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ減少傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n+1)Vc}/2・・・(13)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に負のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ増加傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n−1)Vc}/2・・・(14)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
また、本実施形態によれば、閾値Vrthの演算に全コンデンサ電圧平均値を用いることにより、実際の値を近似しつつ、各相のコンデンサ電圧平均値をそれぞれ求める演算時間を短縮することができる。
[第4の実施形態]
(構成)
第4の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、第1の実施形態との差異は、制御装置2が各相または全相のコンデンサ電圧平均値にローパスフィルタをかけた値Vc’を用いてVrthを演算する点である。それ以外の動作は第1の実施形態と同様である。
図5は、第4の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフである。
制御装置2は、電圧指令値Vr*を基に、各単位変換器11の1パルス制御するゲート信号を生成し、各単位変換器11を駆動して電圧を出力する。1パルスの変化するタイミングは、図5のように電圧指令値Vr*と閾値Vrthを比較することで判定する。閾値Vrthは、各相または全相のコンデンサ電圧平均値にローパスフィルタをかけた値Vc’と、パルス電圧を出力している単位変換器11の数によって定められる。
電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向であり、パルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時は、閾値Vrthは(Vc’)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に正のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は0から1に変化するため、閾値Vrthは(3Vc’)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、r相の場合、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n+1)Vc’}/2・・・(15)
次に、電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合を説明する。この場合、いくつか単位変換器11がパルス電圧を出力している所から始まる。パルス電圧を出力している単位変換器11が3個の時、閾値Vrthは(5Vc’)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。この瞬間、パルス電圧を出力している単位変換器11の数は3から2に変化するため、閾値Vrthは(3Vc’)/2に変化する。そして電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較を同様に繰り返す。パルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth={(2n−1)Vc’}/2・・・(16)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ減少傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n+1)Vc’}/2・・・(17)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、いずれかの単位変換器11に負のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ増加傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よってパルス電圧を出力している単位変換器11の数をnとすると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{(2n−1)Vc’}/2・・・(18)
(ただし、n=0の場合、Vrth=0)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、既にパルス電圧を出力しているいずれかの単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
また、本実施形態によれば、ローパスフィルタを入れることで、コンデンサ電圧平均値からノイズやコンデンサ電圧リプルの影響を排除することにより、閾値Vrthの変動を抑制し、制御を安定化することができる。
[第5の実施形態]
(構成)
第5の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、第1の実施形態との差異は、制御装置2が閾値Vrthを演算する際に、制御対象相でパルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonと、次に出力が変化する単位変換器11のコンデンサ電圧値Vxを用いる点である。それ以外の動作は第1の実施形態と同様である。これらの値は、r相においてはVonr、Vxrと表す。なお、Vonrは実質的に、r相の出力電圧Vrに等しい。
図6は、第5の実施形態における、電圧指令値Vr*と、パルス出力を変化させる閾値Vrthと、出力電圧Vrとの関係を示すグラフである。
電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向であり、パルス電圧を出力している単位変換器11が0個で、次に出力が変化する単位変換器11のコンデンサ電圧値がVxr1である時は、閾値Vrthは(Vxr1)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、次の出力変化が予定されていた単位変換器11に正のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。この瞬間、r相でパルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonrは0からVxr1に変化する。すると閾値Vrthは、更にその次に変化する単位変換器11のコンデンサ電圧Vxr2を用いて、Vrth=Vonr+(Vxr2)/2=Vxr1+(Vxr2)/2と与えられる。式を一般化すると、r相の場合、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=Vonr+(Vxr)/2・・・(19)
ここで、Vxrは、次に出力が変化する単位変換器11のコンデンサ電圧値なので、単位変換器11が変化する度に値が変わる。図6の例であれば、Vxr1,Vxr2,Vxr3,Vxr4が用いられている。
次に、電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合を説明する。この場合、いくつか単位変換器11がパルス電圧を出力している所から始まる。その出力電圧の合計値がVonrで、次に出力が変化する単位変換器11のコンデンサ電圧値がVxr3である時は、閾値VrthはVonr−(Vxr3)/2で与えられる。電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、次の出力変化が予定されていた単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。この瞬間、r相でパルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonrが変化するため、閾値Vrthは、更にその次に変化する単位変換器11のコンデンサ電圧Vxr2を用いて、Vrth=Vonr−(Vxr2)/2と与えられる。式を一般化すると、閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=Vonr−(Vxr)/2・・・(20)
(ただしパルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時、Vrth=0)
ここで、Vxrは、次に出力が変化する単位変換器11のコンデンサ電圧値なので、単位変換器11が変化する度に値が変わる。図6の例であれば、Vxr4,Vxr3,Vxr2,Vxr1が用いられている。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ減少傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ増加傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よって閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{Vonr+(Vxr)/2}・・・(21)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか下回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、次の出力変化が予定されていた単位変換器11に負のパルス電圧を出力するゲート信号を与える。
次に、電圧指令値Vr*が負の数かつ増加傾向の場合を説明する。これは電圧指令値Vr*が正の数かつ減少傾向の場合の、正負を反転した状態に相当する。よって閾値Vrthは下記式で与えられる。
Vrth=−{Vonr−(Vxr)/2}・・・(22)
(ただしパルス電圧を出力している単位変換器11が0個の時、Vrth=0)
電圧指令値Vr*がこの閾値Vrthに一致するか上回った時がパルス電圧出力の変化タイミングであり、次の出力変化が予定されていた単位変換器11に出力をオフにするゲート信号を与える。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
また、本実施形態によれば、定格値やコンデンサ電圧平均値の代わりに、実際の電圧出力値を用いることにより、より正確な閾値を与え、より正確な電圧出力をすることができ、電流高調波を低減することができる。
[第6の実施形態]
(構成)
第6の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、制御装置2の動作を示す図は、第5の実施形態と同様、図6である。本実施形態において、第5の実施形態との差異は、制御装置2が、パルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonの代わりに、制御対象相または全相のコンデンサ電圧の平均値と、制御対象相でパルス電圧を出力している単位変換器11の個数との積を用いる点である。それ以外の動作は第5の実施形態と同様である。
図6を参照すると、第5の実施形態では、閾値Vrthの算出にVonr(Vr)を用いていたが、本実施形態では、相コンデンサ電圧平均値Vcrまたは全相コンデンサ電圧平均値Vcと、制御対象相でパルス電圧を出力している単位変換器11の個数との積でVonrを近似し、それに次に変化する単位変換器11のコンデンサ電圧Vxrを2分の1にした値を加減算してVrthを演算する。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値Vr*と閾値Vrthの比較に基づき1パルス出力を変化させることで、電圧指令値Vr*の振幅変化に応じた出力電圧変化が可能となり、正確な電流制御が実現され、電流高調波は低減される。また、電圧指令値Vr*の急変にも対応できるため、系統連系機器の場合は過電流を生じることもない。
また、本実施形態によれば、パルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonまたは、次に変化する単位変換器11のコンデンサ電圧Vxを、コンデンサ電圧平均値で近似することにより、コンデンサ電圧を合計する演算が不要になり、演算の単純化による演算時間の短縮を図ることができる。
(本実施形態の変形例)
Vrthの演算に、図7に示すように、パルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonrと、r相コンデンサ電圧平均値Vcrを2分の1にした値を用いても良い。図7では、図6のVxr1〜Vxr4の代わりにr相コンデンサ電圧平均値Vcr1〜Vcr4を用いるものである。
また、Vrthの演算に、図8に示すように、パルス電圧を出力している単位変換器11のコンデンサ電圧の合計Vonrと、全相コンデンサ電圧平均値Vcを2分の1した値を用いても良い。図8では、図6のVxr1〜Vxr4の代わりに全相コンデンサ電圧平均値Vc1〜Vc4を用いるものである。
[第7の実施形態]
(構成)
第7の実施形態における電力変換器の構成は、第1の実施形態の電力変換器10と同様であり、図1に示すように、単位変換器11を各相(r、s、t)あたりn段直列接続したものと、これらを1パルス制御する制御装置2とを備えている。また、本電力変換器10では、各相にバッファリアクトル3を直列に備え、各相の変換器はデルタ結線で接続され、トランス4を介して電力系統に連系されている。
(作用)
本実施形態において、制御装置2の動作は、第1〜5の実施形態のいずれであっても良い。本実施形態では、図9のように、制御装置2が電圧指令値Vr*の傾きを、電圧指令値Vr*の位相から判断する。図9では電圧指令値Vr*は1周期が2πとしている。これを4分割し、位相0〜π/2では電圧指令値Vr*は正かつ傾きが正、位相π/2〜πでは電圧指令値Vr*は正かつ傾きが負、位相π〜3π/2では電圧指令値Vr*は負かつ傾きが負、位相3π/2〜2πでは電圧指令値Vr*は負かつ傾きが正、と対応付ける。そして電圧指令値の正負と傾きを判断する際には、指令値の位相を判定することで、電圧指令値の正負と傾きを判定できる。
(効果)
本実施形態によれば、電圧指令値に大きな高調波が無い場合には、電圧指令値の正負と傾きを正確に判断でき、また傾きが緩やかな点での誤判定を防止することができる。
[他の実施形態]
(1)上記の各実施形態においては、図1に示すように、各相において直列接続された単位変換器11をデルタ結線したが、Y結線であってもよい。
(2)上記の各実施形態においては、図1に示すように、直流電圧源にコンデンサを用いているが、直流電源でも構わない。
(3)上記の各実施形態においては、図1に示すように、バッファリアクトル3を各相に入れているが、これを用いることなくトランス4の漏れインダクタンスで代用することもできる。
(4)上記の各実施形態においては、図1に示すように、トランス4を介して電力系統に連系しているが、トランス無しで連系してもよい。
(5)上記の各実施形態においては、図1に示すように、制御装置2が変換器電流Irs,Ist,Itrに基づいて制御したが、系統電流Ir,Is,Itに基づいて制御してもよい。
(6)以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…電力変換器
11…単位変換器
12…半導体スイッチング素子
13…コンデンサ
2…制御装置
3…バッファリアクトル
4…トランス

Claims (9)

  1. 複数の半導体スイッチング素子と直流電圧源とにより構成された単相フルブリッジ変換器を単位変換器とし、該単位変換器を各相において1つ以上直列接続した回路と、
    前記単位変換器の前記半導体スイッチング素子に、出力電圧の基本波1周期あたり正負それぞれ1回ずつパルス電圧を出力する1パルス制御ゲート信号を与える制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、電圧指令値V*と、パルス出力を変化させる閾値Vthとを比較し、前記単位変換器の出力電圧Vを変化させるタイミングを判定することにより、前記単位変換器の前記出力電圧Vを変化させ
    前記単位変換器の直流電圧源の電圧値がVdcであって、制御対象相において、パルス電圧を出力している単位変換器がn個である場合、前記制御装置は、前記電圧指令値V*が正の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを次式、
    Vth=(2n+1)Vdc/2
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、正のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ増加させ、
    前記電圧指令値V*が正の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=(2n−1)Vdc/2 (ただし、n=0の時、Vth=0)
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または下回った時に、正のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ減少させ、
    前記電圧指令値V*が負の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=−(2n+1)Vdc/2
    で与え、前記電圧指令値が前記閾値Vthに一致または下回った時に、負のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ増加させ、
    前記電圧指令値V*が負の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=−(2n−1)Vdc/2 (ただし、n=0の時、Vth=0)
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、負のパルス電圧を出力している単位変換器を1つ減少させることを特徴とする電力変換器。
  2. 前記直流電圧源の電圧値Vdcは、前記単位変換器の電圧定格値であることを特徴とする請求項記載の電力変換器。
  3. 前記直流電圧源の電圧値Vdcは、前記単位変換器の備える直流電圧源電圧の制御対象相における平均値であることを特徴とする請求項記載の電力変換器。
  4. 前記直流電圧源の電圧値Vdcは、前記単位変換器の備える直流電圧源電圧の全相における平均値であることを特徴とする請求項記載の電力変換器。
  5. 前記直流電圧源の電圧値Vdcは、前記単位変換器の備える直流電圧源電圧の制御対象相または全相における平均値に、ローパスフィルタをかけた値であることを特徴とする請求項又は記載の電力変換器。
  6. 複数の半導体スイッチング素子と直流電圧源とにより構成された単相フルブリッジ変換器を単位変換器とし、該単位変換器を各相において1つ以上直列接続した回路と、
    前記単位変換器の前記半導体スイッチング素子に、出力電圧の基本波1周期あたり正負それぞれ1回ずつパルス電圧を出力する1パルス制御ゲート信号を与える制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、電圧指令値V*と、パルス出力を変化させる閾値Vthとを比較し、前記単位変換器の出力電圧Vを変化させるタイミングを判定することにより、前記単位変換器の前記出力電圧Vを変化させ、
    制御対象相において、パルス電圧を出力している前記単位変換器の直流電圧源電圧の合計がVonであり、次に出力が変化する単位変換器の直流電圧源電圧値がVxである場合、前記制御装置は、前記電圧指令値V*が正の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=Von+Vx/2
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、次の出力変化が予定されていた前記単位変換器に正のパルス電圧を出力させ、
    前記電圧指令値V*が正の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=Von−Vx/2 (ただし、パルス電圧を出力している単位変換器が0個である場合、Vth=0)
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または下回った時に、次の出力変化が予定されていた前記単位変換器のパルス出力をオフさせ、
    前記電圧指令値V*が負の数かつ減少傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=−(Von+Vx/2)
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または下回った時に、次の出力変化が予定されていた前記単位変換器に負のパルス電圧を出力させ、
    前記電圧指令値V*が負の数かつ増加傾向である時、前記閾値Vthを、
    Vth=−(Von−Vx/2) (ただし、パルス電圧を出力している単位変換器が0個である場合、Vth=0)
    で与え、前記電圧指令値V*が前記閾値Vthに一致または上回った時に、次の出力変化が予定されていた前記単位変換器のパルス出力をオフさせることを特徴とする電力変換器。
  7. パルス電圧を出力している前記単位変換器の直流電圧源電圧の合計Vonの代わりに、制御対象相または全相の直流電圧源電圧の平均値と、前記制御対象相でパルス電圧を出力している前記単位変換器の個数の積を用いることを特徴とする請求項記載の電力変換器。
  8. 次に出力が変化する単位変換器の直流電圧源電圧値Vxの代わりに、制御対象相または全相の直流電圧源電圧の平均値を用いることを特徴とする請求項記載の電力変換器。
  9. 前記制御装置は、前記電圧指令値V*の基本波周期を4分割し、分割した1/4周期毎に前記電圧指令値V*の正負と増加または減少方向を対応させ、前記電圧指令値V*の位相と前記4分割した基本波周期を比較することにより、前記電圧指令値V*の正負と増加・減少方向を判断することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の電力変換器。
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