JP6282316B2 - 水中杭の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、杭芯位置決め部材および杭の施工方法に関する。
港湾工事や防波堤工事において海底地盤などの水底地盤に水中杭を施工する工法としては、特許文献1などに開示された工法があった。特許文献1の工法は、海底地盤上に、鋼材で格子状に形成されたテンプレート装置を、水中杭の打設前に予め沈設しておき、テンプレート装置の格子部分に形成された杭挿入部に、基礎杭を貫通させるようになっている。これによって、水中杭の位置精度を高めることができる。
特開平9−310352号公報
しかしながら、従来の水中杭の施工方法では、潮流や河川の流れなどの水流、波や海水のうねりの影響を受けることなく水中杭の打設を行うには、ガイド杭を打設してテンプレート装置を水底地盤に固定して、テンプレート装置の位置ずれを防止する必要があった。このようにガイド杭を設けると、多くの工期と工費を要するといった問題があった。
このような観点から、本発明は、工期と工費の短縮を図りつつ、水中杭の位置決め精度を高めることができる杭芯位置決め部材および杭の施工方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明による水底地盤に打設される杭の杭芯位置決め部材、平板状に形成されたプレキャストコンクリート造のテンプレート本体部を有し、前記テンプレート本体部には、前記杭を位置決めするためのガイド管が設けられていることを特徴とする杭芯位置決め部材であることが好ましい。
このような構成によれば、コンクリート造のテンプレート本体部を備えているので、杭芯位置決め部材の重量が大きい。したがって、杭芯位置決め部材を水底地盤上に沈設するだけで安定した設置状態を確保できる。よって、水中での作業を少なくでき、従来のようなテンプレートを固定するためのガイド杭を設ける必要がないので、その分の工期と工費の短縮を図ることができる。また、設置後の杭芯位置決め部材は、その重量で水流に対抗できるので、水流の影響を受けない。さらに、ガイド管が杭の位置を規制するので、杭の位置決め精度を高めることができる。
また、本発明の杭芯位置決め部材は、前記テンプレート本体部が、複数設けられており、前記テンプレート本体部の外周縁部には、フランジを備えた鋼製の縁部枠組が形成され、隣り合う前記テンプレート本体部の前記フランジに連結プレート部材を重ね合わせて架け渡すとともに、それぞれの前記フランジと前記連結プレート部材同士を取付治具にて挟持することで、前記テンプレート本体部同士が固定されていることが好ましい。このような構成によれば、隣り合うテンプレート本体部同士を容易に固定することができる。
請求項1に係る発明は、水底地盤に打設する水中杭の施工方法であって、水底地盤に打設される杭の設置位置を水平にする地盤均し工程と、平板状に形成されたコンクリート造のテンプレート本体部を有する杭芯位置決め部材を前記水底地盤上に着底させるテンプレート沈設工程と、前記テンプレート本体部に設けられたガイド管をガイドにして前記杭の位置決めを行い、前記杭を打設する杭打設工程とを備えており、前記杭打設工程では、杭芯位置に杭穴を削孔し、前記杭穴に挿入管を挿入した後、前記挿入管の内部に杭を建込む工程を有しており、水中に設置される前記テンプレート本体部は、複数の前記杭を位置決めするための前記ガイド管と、複数の当該ガイド管を固定するためのフランジを備えた鋼製の縁部枠組で形成されていることを特徴とする。
このような方法によれば、重量が大きい杭芯位置決め部材を水底地盤上に沈設するだけで安定した設置状態を確保できるので、水中での作業を少なくできる。したがって、従来のようなガイド杭を設ける必要がないので、その分の工期と工費の短縮を図ることができる。また、設置後の杭芯位置決め部材は、その重量で水流に対抗できるので、水流の影響を受けない。さらに、ガイド管が杭の位置を規制するので、杭の位置決め精度を高めることができる。
請求項2に係る水中杭の施工方法に係る発明では、水底地盤に打設する水中杭の施工方法であって、水底地盤に打設される杭の設置位置を水平にする地盤均し工程と、平板状に形成されたプレキャストコンクリート造のテンプレート本体部を有する杭芯位置決め部材を前記水底地盤上に着底させるテンプレート沈設工程と、前記テンプレート本体部に設けられたガイド管をガイドにして前記杭の位置決めを行い、前記杭を打設する杭打設工程と、を備えており、水中に設置される前記テンプレート本体部は、複数の前記杭を位置決めするための前記ガイド管と、複数の当該ガイド管を固定するためのフランジを備えた鋼製の縁部枠組で形成されており、隣り合う前記テンプレート本体部は、前記フランジに連結プレート部材を重ね合わせて架け渡すとともに、それぞれの前記フランジと前記連結プレート部材同士を取付治具にて挟持させて、前記テンプレート本体部同士が固定されていることを特徴とする。
このような方法によれば、テンプレート本体部の資源の再利用が可能となり、工費のさらなる低減を図れる。
本発明によれば、工期と工費の短縮を図りつつ、水流の影響を受けることなく水中杭の位置決め精度を高めることができる。
本発明の実施形態に係る杭芯位置決め部材を示した図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 隣り合うテンプレート本体部同士の接合状態を示した斜視図である。 挿入管を示した図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 本発明の実施形態に係る杭の施工方法を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る杭の施工方法のテンプレート沈設工程を説明するための平面図である。 本発明の実施形態に係る杭の施工方法のテンプレート沈設工程を説明するための断面である。 本発明の実施形態に係る杭の施工方法の杭打設工程の削孔工程を説明するための断面図である。 挿入管を杭穴に挿入した状態を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る杭の施工方法の杭打設工程の杭建込み工程を説明するための断面図である。
本発明の実施形態に係る杭芯位置決め部材1は、海底地盤に打設される杭(水中杭)の位置決めを行うためのものであって、図5および図6に示すように、海底地盤上に設置される。かかる杭芯位置決め部材1は、複数のテンプレート本体部10,10・・・と、隣り合うテンプレート本体部10,10に架け渡される連結プレート部材33(図2参照)と、テンプレート本体部10と連結プレート部材33とを固定する取付治具30(図2参照)とを備えている。複数のテンプレート本体部10,10・・・は、長手方向に沿って直列状態に配列されている(図5参照)。
図1に示すように、テンプレート本体部10は、平面視長方形の平板状に形成されたコンクリート造のテンプレート本体部10を有しており、テンプレート本体部10には、杭70を位置決めするためのガイド管21が設けられている。具体的には、テンプレート本体部10には、杭穴69(図8参照)に挿入される挿入管80(図3および図8参照)を貫通させるための挿通部20が形成されている。テンプレート本体部10は、縁部枠組11と固定部材12と鉄筋コンクリートスラブ13とガイド管21とを備えている。
縁部枠組11は、テンプレート本体部10の外周縁部に設けられている。縁部枠組11は、複数のH型鋼を矩形枠状に組み合わせて形成されている。H型鋼は、上下にフランジが位置するように配列されている。縁部枠組11の上面(上フランジ11aの上面)には、テンプレート本体部10を吊り下げるワイヤーを係止するためのブラケット15が設けられている。
固定部材12は、ガイド管21を固定するための部材であって、縁部枠組11の内側に配置されている。固定部材12は、テンプレート本体部10の長手方向に延在する第一部材12aと短手方向に延在する第二部材12bとからなる。第一部材12aは、縁部枠組11のうち長手方向に延在するH型鋼と平行に配置されている。第一部材12aは、H型鋼と間隔をあけて配置されており、第一部材12aとH型鋼とで、ガイド管21を挟んで固定している。第二部材12bは、並列して一対設けられており、縁部枠組11のうち短手方向に延在するH型鋼と平行に配置されている。第二部材12b,12bは、テンプレート本体部10の長手方向中間部に設けられている。第二部材12b,12bは、間隔をあけて配置されており、これら一対の第二部材12b,12bで、ガイド管21を挟んで固定している。
固定部材12(第一部材12aと第二部材12b)は、溝型鋼にて構成されており、断面コ字状の背の部分がガイド管21の外周面に接触するように配置されている。固定部材12は、縁部枠組11のH型鋼より小さい高さ寸法となっており、固定部材12の上端面は、縁部枠組11の上端面と面一になっている。
なお、縁部枠組11および固定部材12の形状や高さ寸法等は、前記構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である。固定部材12は、縁部枠組11と下端面同士が面一になるように配置してもよい。
コンクリートスラブ13は、縁部枠組11の内側で、ガイド管21を除く部分に形成されている。コンクリートスラブ13は、縁部枠組11の高さと同じ厚さで構築されている。コンクリートスラブ13内には、スラブ筋14が設けられている。スラブ筋14は、鉄筋を格子状に組み付けて形成されており、固定部材12の下側フランジ上に係止される高さに敷設されている。
挿通部20は、テンプレート本体部10に複数形成されている。挿通部20は、テンプレート本体部10を上下に貫通する孔であり、当該孔の孔壁は、ガイド管21にて形成されている。ガイド管21は、直径が一定の円筒部と、直径が上方に向かって拡径するテーパ部とを備えている。ガイド管21の円筒部は、縁部枠組11と同等の高さ寸法を有しており、上端および下端が露出下状態でコンクリートスラブ13内に埋設されている。ガイド管21は、コンクリート打設前に円筒部の外周面を縁部枠組11または固定部材12に溶接することで仮固定されている。ガイド管21のテーパ部は、コンクリートスラブ13の上面から突出しており、挿入管80を挿通部20に誘導するガイドの役目を果たす。
隣り合うテンプレート本体部10,10同士は、図2に示すように、取付治具30と連結プレート部材33を用いて接続されている。連結プレート部材33は、フラットバーにて構成されている。連結プレート部材33は、縁部枠組11,11の突合せ面を跨いでおり、隣り合う縁部枠組11,11上に重ね合わされている。取付治具30は、側面視でC字状を呈しており、その開口先端部31に締付け手段となるボルト32が螺合されている。取付治具30のC字の開口先端部31は、上フランジ11aと連結プレート部材33を上下から挟んでおり、ボルト32で上フランジ11aと連結プレート部材33が締め付けてられている。取付治具30は、隣り合う縁部枠組11,11毎に2つずつの合計4つ設けられている。
挿入管80は、テンプレート本体部10のガイド管21をガイドにして杭70の打設位置に挿入され、杭70を打設する際の案内管の役目を果たす(図9参照)。挿入管80は、図3に示すように、胴部81と鍔部82と吊金具83とを備えて構成されている。
胴部81は、鋼管にて構成されている。胴部81の外径は杭穴69の内径より小さく、胴部81が杭穴69に挿入可能になっている。胴部81の内径は杭70の外径より大きく、胴部81の内側に杭70が挿通可能になっている。
鍔部82は、杭穴69の上端部に係止される部分であって、挿入管80を杭穴69に固定する役目を果たす。鍔部82は、リングプレートにて構成されており、胴部81の上端に形成されている。リングプレートの外周径は、杭穴69の内径より大きく、杭穴69の上端部に係止されるようになっている。リングプレートは、鋼管の上端に溶接されている。リングプレートの下面には、補強プレート84が所定角度ピッチ(例えば45度ピッチ)で放射状に設けられている。補強プレート84は、リングプレートの下面と鋼管の外面に溶接されている。
吊金具83は、挿入管80を杭穴69に挿入する際にフックを掛ける部分である。吊金具83は、スチール製のブラケットにて構成されており、リングプレートの上面に溶接されている。ブラケットの上部には、フックを掛ける穴83aが形成されている。
次に、前記構成の杭芯位置決め部材1を用いて杭を施工する方法を説明する。本実施形態に係る杭の施工方法は、図4に示すように、準備工程と、テンプレート製作工程と、地盤均し工程と、テンプレート沈設工程と、杭打設工程とを備えている。
(準備工程)
準備工程は、工事に先立って現場の測量を行う工程である。まず、トランシット、光波測距儀を用いて基本測量を実施する。さらに、基準点、既設岸壁およびアンローダ中心線を基準線として、現況測量を実施し、杭芯位置決め部材1の形状および設置位置を決定する。
(テンプレート製作工程)
テンプレート製作工程は、テンプレート本体部10を陸上作業にて製作する工程である。テンプレート製作工程では、複数のテンプレート本体部10を同時に製作する。テンプレート本体部10の製作は、テンプレート工場製作工程とテンプレート現地製作工程と養生工程の三工程を備えている。
テンプレート工場製作工程では、先に決定された杭芯位置決め部材1の形状に基づいて、縁部枠組11、固定部材12、ガイド管21などの各部材を作成する。各部材には組立て用の番号を記して、現地での配置ミスを防止する。各部材は工場からトラックで現地へ搬送した後に、トラッククレーン等で吊り降ろす。
テンプレート現地製作工程では、まず、現場付近の平らなエプロン(アスファルト舗装)上に合板を敷設し底型枠を形成する。この底型枠上で、縁部枠組11を形成した後、その内側に、決定された杭芯位置決め部材1の形状に基づいて、ガイド管21を配置して固定部材12で固定してフレーム体を形成する。なお、フレーム体は、工場などで別途組み立てて一体化してから搬送してもよい。その後、縁部枠組11の内側に、スラブ筋14を敷設し、コンクリートを打設してコンクリートスラブ13を構築する。コンクリートは、バイブレータにより入念に締め固める。
養生工程では、コンクリートの必要強度が発現するまで、所定時間の養生を行う。養生が完了したならば、テンプレート本体部10が完成する。完成したテンプレート本体部10は、海に隣接する保管場所に保管しておく。
(地盤均し工程)
地盤均し工程は、海上から現地調査および測量を行った後に、海底地盤の杭の設置位置を水平にする工程である。地盤均し工程は、テンプレート製作工程と並行または前後して行う。地盤均し工程は、現地調査・測定工程と浚渫工程と均し工程の三工程を備えている。
現地調査・測定工程では、設計図面に基づいて、現場における杭の設置位置を特定する。
浚渫工程では、GPS測量システム(Global Positioning System)により浚渫位置を確定し、海底地盤の杭の設置位置が所定の深さになるように、海上から浚渫船を使用して平バケットで堆積土を浚渫する(図6の海底部の二点鎖線が浚渫前の海底面を示す)。掘削高さ(浚渫高さ)も、浚渫位置と同様に、GPS測量システムにより管理する。浚渫された堆積土(浚渫土)は、土運船で揚土場所まで運搬し捨土する。平バケットによる浚渫が完了した後、海中にダイバーが潜り、海底面のレベル測定および異物の除去等を行う。
均し工程では、設置されるテンプレート本体部10の水平度を確保するために、設置位置の表面を水平にする。具体的には、浚渫した海底面上に砕石や袋詰セメントなどを投入して、ダイバーが均し作業を行う。砕石や袋詰セメントの投入は、バケットまたはトンパックを用いて、クレーンで行う。投入後の砕石や袋詰セメントは、ダイバーが水中で作業を行い、人力またはジェットポンプによる水圧で敷き均す。砕石(または袋詰セメント)仕上がりの基準高さは±5cmを目標として、水中で丁張を設置してこれを均し高さの基準とする。
(テンプレート沈設工程)
テンプレート沈設工程は、複数のテンプレート本体部10を有する杭芯位置決め部材1を沈めて、設置位置に設置する工程である。テンプレート沈設工程は、テンプレート設置工程とテンプレート固定工程とを備えている。
テンプレート設置工程では、図5および図6に示すように、起重機船50を使用して、水中のダイバーの誘導で、テンプレート本体部10を所定の設置位置に設置する。テンプレート本体部10を設置するに際しては、正確な位置測量を行い、杭芯位置決め部材1の設置方向中心から両端に向かって順次設置を行う。設置位置は、海の潮止りのタイミングを利用して、海上から下げ振りを用いて、通り出し測量を行っておき、これに基づいて位置ポイントを決定しておく。
位置ポイントの決定と並行して、起重機船50と台船51を、テンプレート本体部10 の保管場所の岸壁(図示せず)に接岸して係留する。その後、起重機船50のクレーン52を用いて、保管場所からテンプレート本体部10を吊り上げ、台船51上に移動させて載置する。
その後、起重機船50と台船51を、設置位置の岸壁53に回航した後、接岸して係留する。起重機船50の係留は、海側を錨アンカー54で行い、陸上側を既設係留柱からの係留ロープ55にて行う。そして、起重機船50のクレーン52にて、台船上のテンプレート本体部10を吊り上げる。吊上げ作業は、まず、クレーン52の吊ワイヤー56でテンプレート本体部10を吊り上げ、0.5m程度地切りして吊上げ状態を確認する。ここでテンプレート本体部10が水平になっていない場合は、吊りチェーンで水平調整を行う。テンプレート本体部10が水平になったなら、既設岸壁を目安に沈設位置の位置決めを行い、クレーン52を巻き下げて、テンプレート本体部10を海中に沈める。ここで海中での巻き下げ高さが判別できるように、吊ワイヤー56(図6参照)には予めマーキングしておき、これを目印としてクレーン52の巻き下げを行う。これによって、海上からテンプレート本体部10の海中での深さを管理できる。テンプレート本体部10が設置位置に着底する2m程度手前で、一旦巻き下げを停止し、ダイバーにより再度位置確認を行う。ダイバーは、予め設置した位置ポイントから計測して位置確認を行う。テンプレート本体部10が設置位置からずれている場合は、ダイバーが誘導する。
その後、さらに巻き下げを行い、テンプレート本体部10を着底させる。着底は、起重機船のクレーン52の荷重計により判断し、テンプレート本体部10の水中荷重が70%負荷となった時点で巻き下げを停止し、再度位置の確認を行う。ここでの位置確認も、2m地点での位置確認と同様にダイバーが行う。位置ずれがある場合は、所定長さ巻上げを行った後に位置修正を行い、再度巻き下げて位置確認を行う。位置ずれがないことが確認できれば、荷重計の値が0%になるまで巻き下げを行い、テンプレート本体部10を完全に着底させる。
テンプレート本体部10が完全に着底した後には、ダイバーがテンプレート本体部10の位置および水平度を確認する。着底状態に異常がなければ、吊ワイヤー56を緩めて吊り金具をテンプレート本体部10から取り外す。このような手順を繰り返して、全てのテンプレート本体部10を設置していく。テンプレート本体部10は、その長手方向に沿って直列状態で並べられる。なお、台船上の全てのテンプレート本体部10の沈設が完了したならば、起重機船50と台船51を、テンプレート本体部10の保管場所の岸壁に回航して、テンプレート本体部10を台船51上に載置して、設置場所に戻り、前記工程を繰り返す。
テンプレート固定工程では、隣り合って設置されたテンプレート本体部10,10同士を固定する。テンプレート本体部10,10同士の固定は、テンプレート本体部10の幅方向両端部のそれぞれで行う。図2に示すように、まず、隣り合うテンプレート本体部10,10の、端面同士を突き合わせられた縁部枠組11,11のH型鋼の上フランジ11aの上面に連結プレート部材33を重ね合わせる。連結プレート部材33は、縁部枠組11,11の突合せ面を跨ぐように配置する。その後、上フランジ11aと連結プレート部材33を取付治具30にて挟持する。取付治具30は、隣り合う縁部枠組11,11毎に2つずつの合計4つ設ける。これによって、連結プレート部材33を介して、隣り合う縁部枠組11,11が固定されることとなる。なお、隣り合うテンプレート本体部10,10の幅寸法が等しいときで、テンプレート本体部10の長手方向に延在する上フランジ11a,11a同士が直線状に突き合わさる場合は、平面視直線状の連結プレート部材33を用いる(図2参照)が、隣り合うテンプレート本体部10,10の形状に応じて、連結プレート部材の形状は適宜変更してもよい。たとえば、図5の杭芯位置決め部材1の長手方向中央部付近に示すように、隣り合うテンプレート本体部10の幅寸法が異なるときで 、一方のテンプレート本体部10の短手方向に延在する上フランジ11aの側部に、他方のテンプレート本体部10の長手方向に延在する上フランジ11aの長手方向端部が突き合わさせられる(直交して突き合せられる)場合は、平面視L字状の連結プレート部材(図示せず)を用いるとよい。
(杭打設工程)
杭打設工程は、図7から図9に示すように、テンプレート本体部10に形成された挿通部20をガイドにして挿入管80を杭芯位置に挿入し、挿入管80に杭70を挿入して打設する工程である。杭打設工程は、削孔工程と挿入管設置工程とテンプレート撤去工程と杭建込み工程とを備えている(図4参照)。
削孔工程では、テンプレート本体部10の挿通部20をガイドにして杭穴69を削孔する。本実施形態では、ダウンザホールハンマー工法にて杭打設を行う。なお、杭打設は、ダウンザホールハンマー工法に限定されるものではなく、他の工法であってもよいのは勿論である。削孔を行うに際しては、図7に示すように、起重機船60を、所定位置に移動させ、固定杭61を海底に打ち込んで固定しておく。先端にビットが形成されたダウンザホールハンマー63を、起重機船60のクレーン62にて吊り下げるとともに、挿通部20から挿通させて海底地盤の削孔を行う。このとき、ダウンザホールハンマー63は、テンプレート本体部10によって位置決めされ、正確な位置で削孔を行うことができる。削孔が完了したならダウンザホールハンマー63を引き抜く。
挿入管設置工程では、テンプレート本体部10の挿通部20をガイドにして、杭穴69に挿入管80を挿入する。挿入管80を、クレーン62にて吊り上げ、テンプレート本体部10上まで沈める。そして、ダイバーが挿入管80の下端部を挿通部20に誘導し、電子スラント下げ振りなどを用いて挿入管80の傾斜を測定し、垂直に保持しながら杭穴69に挿入する。挿入された挿入管80は、鍔部82が杭穴69の上端部に係止して、固定される。ここで、ダイバーが位置を測定するとともに、傾斜を測定し、杭設置の軸芯位置に挿入されていることを確認する。位置ズレが発生している場合には、挿入管80の上端部が挿通部80の上部に出る程度まで一旦吊り上げて、再度挿入する。
テンプレート撤去工程では、固定されたテンプレート本体部10,10同士を切り離し、起重機船60のクレーン62で吊り上げて回収する。吊り上げたテンプレート本体部10は、台船51に載せて回収する。
杭建込み工程では、挿入管80に杭70を挿入して打設する。杭70は鋼管杭(以下「鋼管杭70」という場合がある)にて構成されている。鋼管杭70はクレーン62に形成されたリーダー64に沿わせて支持されている。リーダー64の下部には鋼管杭70を囲むパイルキーパ65が設けられており、鋼管杭70を垂直にガイドするようになっている。このとき、トータルステーションなどの光波測距儀を用いて二方向から杭位置を測定して、この測定値に応じて鋼管杭70を設置位置に移動させる。鋼管杭70の吊下げ位置が決まったならば、フックを下げ、鋼管杭70を設置位置まで落とし込む。このとき、ダイバーが鋼管杭70の下端部を挿通部20に誘導するとともに、鋼管杭70の足元を挿入管80に挿通可能に固定する。その後、光波測距儀を用いて二方向から鋼管杭70の上部位置を測定して、位置ずれが発生している場合には、位置修正を行う。最終的に、電子スラント下げ振りなどを用いて鋼管杭70の傾斜を測定し、鋼管杭70の角度を垂直に修正した後に、削孔した孔に挿入する。このとき、鋼管杭70は、挿入管80とパイルキーパ65で上下二箇所をガイドされているので、杭芯施工精度が高くなる。具体的には、挿入管80の内径は900mmであり、鋼管杭の外径は800mmであるので、杭芯施工精度は、±50mm(規格値±100mm)を確保できる。さらに、鋼管杭の垂直度も保持できるので、杭上端部の位置精度も高くできる。
以上のような構成の杭芯位置決め部材1および杭の施工方法によれば、以下のような作用効果が得られる。杭芯位置決め部材1は、鉄筋コンクリート造のテンプレート本体部10を備えており、重量が大きいので、海底地盤上に沈設するだけで安定した設置状態を確保できる。したがって、水中での作業を少なくでき、テンプレート本体部10の設置作業が容易になる。また、設置後の杭芯位置決め部材1は、その重量で水流に対抗できるので、水流の影響を受けることはない。このように高い位置精度で安定した状態で設置されたテンプレート本体部10の挿通部20(ガイド管21)が挿入管80の通過位置を規制するので、挿入管80の設置位置の位置精度が高くなり、この挿入管80を基準に打設される杭70の位置決め精度(杭芯施工精度)も大幅に高めることができる。
さらに、杭芯位置決め部材1は、設置位置に沈設するだけでよいので、従来のようなテンプレートを固定するためのガイド杭を設ける必要がなく、その分の工期と工費の短縮を図ることができる。
また、本実施形態において、テンプレート設置工程で設置位置の通り出し測量を行うとき以外は、潮流の影響を受けることは殆んどないので、潮の止まりの待ち時間を大幅に低減できる。したがって、本実施形態では、杭の位置決めのたびに潮が止まるのを待たなければならない従来の施工方法と比較して、大幅な工期の短縮が図れる。
さらに、本実施形態では、テンプレート本体部10を回収しているので、資源の再利用を行うことができ、工費の削減を図れる。
テンプレート本体部10は、複数設けられて直列状態に配列されているが、隣り合うテンプレート本体部10,10の縁部枠組11,11の上フランジ11a,11aに連結プレート部材を重ね合わせて架け渡すとともに、それぞれの上フランジと連結プレート部材同士を取付治具にて挟持することで、テンプレート本体部同士が固定されているので、隣り合うテンプレート本体部10,10同士を容易に固定することができる。したがって、水中作業の負担をより一層減らすことができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、テンプレート本体部10を複数設けて、隣り合うテンプレート本体部10,10同士を、取付治具30および連結プレート部材33を用いて連結しているが、これに限定されるものではない。たとえば、テンプレート本体部10が単数であってもよく、この場合は、連結プレート部材および取付治具が不要となる。また、テンプレート本体部10,10同士の連結構造は、本実施形態に限定されるものではなく、水中での連結作業が容易であれば、たとえば、予め互いに係止される凹凸部をテンプレート本体部にそれぞれ形成しておく等、他の連結構造であってもよい。
また、前記実施形態ではコンクリートスラブ13は鉄筋コンクリート造にて構築されているが、これに限定されるものではない。たとえば、鉄骨鉄筋コンクリート造や無筋コンクリート造など、他のコンクリート構造であってもよい。
さらに、前記実施形態におけるテンプレート本体部10内の挿通部20の位置および箇所数も、一例であって、構築される構造物に応じて適宜変更可能であるのは言うまでもない。
また、前記実施形態では、挿入管80を固定し、テンプレート本体部10を回収した後に、挿入管80を基準に杭70を打設しているが、このような工程に限定されるものではない。例えば、テンプレート本体部10は回収せずに残置するものとし、テンプレート本体部10の挿通部20(ガイド管21)を基準に杭70を打設するようにしてもよい。この場合、挿入管80を設けなくて済むので、工期の低減が図れる。さらに、テンプレート本体部10の重量が大きいので、より一層安定した状態で杭70の打設を行うことができる。
1 杭芯位置決め部材
10 テンプレート本体部
11 縁部枠組
11a 上フランジ(フランジ)
13 コンクリートスラブ
20 挿通部
21 ガイド管
30 取付治具
33 連結プレート部材
70 杭

Claims (2)

  1. 水底地盤に打設する水中杭の施工方法であって、
    水底地盤に打設される杭の設置位置を水平にする地盤均し工程と、
    平板状に形成されたプレキャストコンクリート造のテンプレート本体部を有する杭芯位置決め部材を前記水底地盤上に着底させるテンプレート沈設工程と、
    前記テンプレート本体部に設けられたガイド管をガイドにして前記杭の位置決めを行い、前記杭を打設する杭打設工程と、を備えており、
    前記杭打設工程では、杭芯位置に杭穴を削孔し、前記杭穴に挿入管を挿入した後、前記挿入管の内部に杭を建込む工程を有しており、
    水中に設置される前記テンプレート本体部は、複数の前記杭を位置決めするための前記ガイド管と、複数の当該ガイド管を固定するためのフランジを備えた鋼製の縁部枠組で形成されていることを特徴とする水中杭の施工方法。
  2. 水底地盤に打設する水中杭の施工方法であって、
    水底地盤に打設される杭の設置位置を水平にする地盤均し工程と、
    平板状に形成されたプレキャストコンクリート造のテンプレート本体部を有する杭芯位置決め部材を前記水底地盤上に着底させるテンプレート沈設工程と、
    前記テンプレート本体部に設けられたガイド管をガイドにして前記杭の位置決めを行い、前記杭を打設する杭打設工程と、を備えており、
    水中に設置される前記テンプレート本体部は、複数の前記杭を位置決めするための前記ガイド管と、複数の当該ガイド管を固定するためのフランジを備えた鋼製の縁部枠組で形成されており、
    隣り合う前記テンプレート本体部は、前記フランジに連結プレート部材を重ね合わせて架け渡すとともに、それぞれの前記フランジと前記連結プレート部材同士を取付治具にて挟持させて、前記テンプレート本体部同士が固定されていることを特徴とする水中杭の施工方法。
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