JP6282226B2 - バイオセンサ及びバイオセンサの製造方法 - Google Patents

バイオセンサ及びバイオセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば血糖値を測定するためのバイオセンサ及びバイオセンサの製造方法に関するものである。
従来のこの種、バイオセンサの構成は、以下のようになっていた。
すなわち、試薬と、この試薬に対する生体試料の供給時に、この試薬を介して導通状態になる第1、第2の電極とを備え、前記試薬は、メディエータと、酸化還元酵素と、接着剤とを備えた構成となっていた。
つまり、試薬に生体試料を供給すると生体試料と酸化還元酵素が反応し、その際に生じる電子をメディエータが伝達することとなり、この時に第1、第2の電極間に流れる酸化還元電流を測定することにより、血糖値を測定していた。
試薬(特に、メディエータ)は、光(可視光)の影響を受け、測定精度に影響を及ぼす事が知られている。
このため、従来は、バイオセンサを収容する収容容器の壁面に光影響軽減剤を設ける対応も図られている(たとえば、特許文献1)。
国際公開第2004/092720号
前記従来例においては、バイオセンサを収容する収容容器の壁面に光影響軽減剤を設ける構成としていたので、バイオセンサが収容容器内に収容された状態では、バイオセンサの劣化が防止出来る。
しかしながら、収容容器から取り出されたバイオセンサは、直ちに光による影響を受けることとなる。
勿論、収容容器から取り出したバイオセンサを直ちに使用する場合には、その影響度合も軽微なものに留めることが出来るが、使用までの間に長時間放置された場合には、劣化が問題となる。
また、収容容器内に収容された他の多くのバイオセンサも収容容器からバイオセンサを取り出すたびに、光による影響を受けることとなり、これも劣化が問題となる。
そこで本発明は、バイオセンサの光による劣化を抑制することを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明は、第1の電極と、第2の電極と、試薬部とを備える。試薬部は、第1の電極及び記第2の電極の近傍に設けられている。試薬部は、メディエータと、酸化還元酵素と、光波長400nm〜500nmを吸収する物質とを含む。
また、本発明は、第1の電極と、第2の電極と、試薬部とを備える。試薬部は、メディエータと、酸化還元酵素と、メディエータに対する光の影響を軽減する光影響軽減剤とを含む。
本発明によれば、光による劣化を抑制することが可能なバイオセンサ及びバイオセンサの製造方法を提供することが出来る。
本発明の一実施形態にかかるバイオセンサを測定器に装着した状態の生体試料測定システムを示す斜視図 図1の生体試料測定システムの制御ブロックを示す図 (a)図1のバイオセンサの分解斜視図、(b)図1のバイオセンサの正面図(c)図1のバイオセンサの平面図 (a)図1の生体試料測定システムの測定器における動作状態を示す図(b)図1の生体試料測定システムの測定器における動作状態を示す図 図1のバイオセンサの試薬部を示す断面図 図1のバイオセンサの試薬部に含まれている光影響軽減剤の一例である青色1号(ブリリアントブルーFCF)の化学構造式を示す図 図1のバイオセンサの試薬部に含まれている光影響軽減剤の一例である緑色3号(ファストグリーンFCF)の化学構造式を示す図 図1のバイオセンサの試薬部に含まれている光影響軽減剤の一例である黄色4号(タートラジン)の化学構造式を示す図 青色1号が添加されていない場合と添加されている場合の試薬部の状態を示す模式図 青色1号、緑色3号及び黄色4号のそれぞれの最大吸収波長(nm)、その波長における吸光度(Abs)、その吸光度を示す濃度(M)、モル吸光係数(ε)、及びメディエータの一例であるPQSAに対するモル吸光係数との比をPQSAとともに載せた表を示す図 (a)緑色3号とPQSAの吸光スペクトルを示す図、(b)青色1号とPQSAの吸光スペクトルを示す図、(c)黄色4号とPQSAの吸光スペクトルを示す図 本実施の形態のバイオセンサの製造方法を示す工程図 (a)緑色3号を用いた際の太陽光曝露影響のグラフを示す図、(b)青色1号を用いた際の太陽光曝露影響のグラフを示す図、(c)黄色4号を用いた際の太陽光曝露影響のグラフを示す図 (a)、(b)緑色3号を用いた場合の試薬溶液及び試薬部の組成表を示す図 (a)、(b)青色1号を用いた場合の試薬溶液及び試薬部の組成表を示す図 (a)〜(c)黄色4号を用いた場合の試薬溶液及び試薬部の組成表を示す図 (a)〜(c)他のメディエータの吸光スペクトルを示す図
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明にかかる実施の形態の生体試料測定システム100について以下に説明する。
(生体試料測定システム100の概要)
図1に示すように、本実施の形態の生体試料測定システム100は、バイオセンサ2と、測定装置30を備えている。
図1及び図2において、本発明の一実施形態を示し、測定装置30を構成する本体ケース1の一端には、バイオセンサ2の挿入口3が設けられている。
(バイオセンサ2)
バイオセンサ2には、図3に示すように、長方形状である絶縁基板4の上に、3個の電極が設けられている。3個の電極は、血液成分測定作用極(第1の電極の一例)5、血液成分測定対極(第2の電極の一例)6及び血液成分検知極(第3の電極の一例)7であり、所定の間隔を置いて対向配置されている。
また、絶縁基板4の一端側(図3(a)の右側参照)における血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7は、図1に示す挿入口3から本体ケース1内に挿入され、入力端子部8(図3参照)に接触する事で測定装置に電気的に接続されるようになっている。
さらに、図3に示すように、バイオセンサ2の他端側(挿入口3への挿入部とは反対側)においては、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7にわたり、試薬部9が配置されている。
この状態により、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7が、試薬部9を介して接続された状態となっている。試薬部9は、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、メディエータ及び光影響軽減剤を含み、任意成分として、緩衝剤、高分子材料、酵素安定化剤及び結晶均質化剤等を選択的に含む構成となっている。
また、図3(a)〜図3(c)に示すように、絶縁基板4および試薬部9の上には、スペーサー10を介してカバー11が配置されている。しかしながら、絶縁基板4の一端側(図3の右側)においては、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7が、これらスペーサー10及びカバー11では覆われず、露出した状態となっている。
そして、この露出した血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7が上述のように、入力端子部8に電気的に接続されるようにバイオセンサ2及び測定装置が構成されている。
また、図3に示すように、バイオセンサ2のスペーサー10には、血液を導入するための生体試料導入路12が形成されている。この生体試料導入路12は、バイオセンサ2の他端側(図3の左側)から試薬部9の上方まで延びており、外部に対し開口する他端部側が、血液供給口(生体試料供給口ともいう)13となっている。すなわち、この血液供給口13に点着された生体試料が、毛細管現象により生体試料導入路12を通じて試薬部9へと到達する。
上述のように、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7は、入力端子部8に電気的に接続されるようになっているが、具体的には、血液成分測定作用極5は、入力端子部8の第1の入力端子(図示せず)、さらに、血液成分測定対極6は、入力端子部8の第2の入力端子(図示せず)、血液成分検知極7は、入力端子部8の第3の入力端子(図示せず)にそれぞれ接続されるようになっている。
また、図3からも理解されるように、血液供給口13に最も近く配置されているのは、血液成分測定対極6で、その次に、血液成分測定作用極5、最後に、血液成分検知極7が配置されている。
つまり、血液供給口13側から順に、血液成分測定対極(第2の電極の一例)6、血液成分測定作用極(第1の電極の一例)5及び血液成分検知極(第3の電極の一例)7が配置された状態となっている。
なお、前記バイオセンサ2のカバー11には、血液が血液供給口13に点着された際に毛細管現象を促進させ、血液成分測定対極6の血液成分測定作用極5を越した部分(血液成分検知極7)まで浸入させるための空気孔14が形成されている。
次に、バイオセンサ2の構成についてさらに詳細に述べる。
(絶縁基板4)
絶縁基板4の材質は特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキシメチレン(POM)、モノマーキャストナイロン(MC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、メタクリル樹脂(PMMA)、ABS樹脂(ABS)、ガラス等が使用できる。このなかで、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)が好ましく、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
また、絶縁基板4の大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅2〜50mm、厚み0.05〜2mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.1〜1mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.1〜0.6mmである。
絶縁基板4上の各電極は、例えば、金、白金、パラジウム等を材料として、スパッタリング法あるいは蒸着法により導電層を形成し、これをレーザーにより特定の電極パターンに加工することで形成できる。レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等が使用できる。電極パターンについては、本発明において開示されたもののみには限定されず、本発明における効果を実現できるものであればどのような構成でも構わない。電極の表面の被覆は、例えば、高分子材料の溶液を調製し、これを電極表面に滴下若しくは塗布し、ついで乾燥させることにより実施できる。乾燥は、例えば、自然乾燥、風乾、熱風乾燥、加熱乾燥などがある。
(試薬部9)
試薬部9は、上述のように、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、メディエータ、光影響軽減剤を、含み、任意成分として、緩衝剤、高分子材料、酵素安定化剤、結晶均質化剤等を選択的に含む構成となっている。
なお、試薬部9を形成するための試薬溶液を、水を用いて調合する時には、それぞれの含有量は、水が最も多くなっている。そして、水には、モル数において、メディエータが最も多く含まれ、光影響軽減剤はメディエータよりも少ない。
また、乾燥後の試薬部9においては、水が蒸発している。そのため、それぞれの含有量は、モル数において、メディエータが最も多く含まれ、光影響軽減剤はメディエータよりも少ない。
(メディエータ)
使用されるバイオセンサ2のメディエータは、特に制限されず、例えば、フェリシアン化物、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン、フェロセン誘導体、フェノチアジンおよびその誘導体などが挙げられる。
また、キノン類化合物とは、キノンを含有する化合物である。キノン類化合物には、キノン及びキノン誘導体が含まれる。キノン誘導体としては、キノンに種々の官能基(置換基と言い換えてもよい)が付加された化合物が挙げられる。
キノン類化合物におけるキノンとしては、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、フェナンスレンキノン、及びフェナントロリンキノン等が挙げられる。フェナンスレンキノンとして、特に具体的には、9,10‐フェナンスレンキノンが挙げられる。より具体的には、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸ナトリウム(以下、PQSA)が挙げられる。
尚、後述する光影響軽減剤を用いることにより、光曝露によって測定値に生じる影響をより低減できるメディエータとしては、波長400nm〜500nmの領域に吸収帯を有するものが挙げられる。例えば、後述する図11に示すPQSA、図17(a)〜(c)に示すフェリシアン化カリウム、フェロセニルメチルドデシルジメチルアンモニウムブロミド、及びヘキサクロロオキサメートなどが挙げられる。
メディエータの配合量は、特に制限されず、1回の測定当り若しくはバイオセンサ1個当り、例えば、0.1〜1000mMであり、好ましくは1〜500mMであり、より好ましくは、10〜200mMである。
(酸化還元酵素)
酸化還元酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼなどがある。酸化還元酵素の量は、例えば、センサ1個当り、もしくは1回の測定当り、例えば、0.01〜100Uであり、好ましくは、0.05〜10Uであり、より好ましくは、0.1〜5Uである。このなかでも、グルコースを測定対象にすることが好ましく、この場合の酸化還元酵素は、グルコースオキシダーゼおよびグルコースデヒドロゲナーゼが好ましい。
試薬部9は、上述のように、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、メディエータ、光影響軽減剤を含み、任意成分として、緩衝剤、高分子材料、酵素安定化剤、結晶均質化剤等を選択的に含む構成となっているが、それを調合するためには、全体の略80%の水内にこれらの各物質を溶解させる。各物質を溶解させた試薬溶液を、絶縁基板4の血液成分測定対極(第2の電極の一例)6、血液成分測定作用極(第1の電極の一例)5及び血液成分検知極(第3の電極の一例)7の上に滴下し、乾燥させることで試薬部9が形成できる。
なお、調合時には、水分が最も多く、次にメディエータ、次に光影響軽減剤、次に他の物質が多く含有された状態となっているが、乾燥した状態では、水が全量蒸発するので、メディエータが最も多く、次に光影響軽減剤で、次に他の物質が多く含有された状態となっている。
(スペーサー10)
次に、スペーサー10の材質は、特に制限されず、例えば、絶縁基板4と同様の材料が使用できる。また、スペーサー10の大きさ(ホットメルト等の接着剤層も含む)は、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅3〜50mm、厚み0.01〜1mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.5mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.05〜0.25mmである。スペーサー10には、血液導入のための生体試料導入路12となるI字形状の切欠部が形成されている。
(カバー11)
また、カバー11の材質は、特に制限されず、例えば、絶縁基板4と同様の材料が使用できる。カバー11の生体試料導入路12の天井部に相当する部分は、親水性処理することが、更に好ましい。親水性処理としては、例えば、界面活性剤を塗布する方法、又はプラズマ処理などによりカバー11の表面に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入する方法がある。
カバー11の大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅3〜50mm、厚み0.01〜0.5mmであり、好ましくは、全長10〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.25mmであり、より好ましくは、全長15〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.05〜0.1mmである。
カバー11には、空気孔14が形成されていることが好ましく、形状は、例えば、円形、楕円形、多角形などであり、その大きさは、例えば、最大直径0.01〜10mm、好ましくは、最大直径0.05〜5mm、より好ましくは、最大直径0.1〜2mmである。この空気孔14は、例えば、レーザーやドリル等で穿孔して形成してもよいし、カバー11の形成時に、空気抜き部が形成できるような金型を使用して形成してもよい。次に、このバイオセンサ2は、図3のように、絶縁基板4、スペーサー10およびカバー11をこの順序で積層し、一体化することにより製造できる。一体化には、3つの部材を接着剤で貼付けたり、もしくは熱融着してもよい。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、また熱硬化性接着剤(ホットメルト接着剤等)、UV硬化性接着剤等が使用できる。
なお、カバー11は、生体試料導入路12への血液進入を目視することが出来るように透明または半透明に形成されている。
(測定装置30)
上述したように、測定装置30は、本体ケース1を有し、本体ケース1には、バイオセンサ2の挿入口3が形成されている(図1参照)。そして、挿入口3の奥には、バイオセンサ2と接触する入力端子部8が設けられている。
又、図2に示すように、入力端子部8には、電圧を印加する電圧印加部15と、電流−電圧変換部16が、切替回路17を介して接続されている。
具体的には、電圧印加部15の印加電圧部18は、切替回路17、入力端子部8、バイオセンサ2の血液成分測定作用極5、試薬部9、血液成分測定対極6、血液成分検知極7、及び電圧印加部15の基準電圧部19へと接続されている。
たとえば、印加電圧部18の電圧を300mVとし、基準電圧部19の電圧を200mVとした場合には、血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6の間には、100mVの電圧が印加された状態となる。
本実施形態においては、基準電圧部19の電圧は、一定とし、印加電圧部18の電圧を変動させることで、電圧波形を得るようにしている。
なお、基準電圧部19を設ける理由は、電源部20からの供給電圧のノイズによる影響を小さくするためである。
いずれにせよ、血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6の間の電位差にもとづく電流が血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6の間に流れ、そこに流れる電流を、電圧に変換するものが、この図2においては、電流−電圧変換部(たとえば、血液成分測定対極6と基準電圧部19間に設けた抵抗体)16として表現されている。
つまり、電圧印加部15には、制御部21を介して電圧が印加され、その時、バイオセンサ2に流れる電流は、電流−電圧変換部16にて電圧に変換される。その後、この電圧はA/D変換部22でデジタル変換され、このデジタル変換された電圧が判定手段23によって閾値と比較される。
また、制御部21に接続された表示部24には、バイオセンサ2で検出したグルコース値や、前記判定手段23による判定結果が表示される。
なお、図2の電源部20は、前記各部に電源を供給するためのものである。
また、25は、ヘマトクリット値やグルコース測定時の印加電圧、印加時間等からなるテーブルや環境温度から予め作成した検量線および検量テーブルを備えたメモリ部である。
また、制御部21には、時計26が接続され、制御部21は、この時計26の時刻、時間を活用して、各種制御動作を実行するように構成されている。
さらに、制御部21内には、補正手段27が設けられ、測定した血糖値をヘマトクリット値や各種妨害物質の影響を考慮して補正することで、血糖値の測定精度を高めるものである。
(生体試料測定システム100の使用)
バイオセンサ2が挿入口3に差し込まれると、入力端子部8が、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7に接続される。また、挿入口3内のスイッチ(図示せず)がバイオセンサ2に押下される。スイッチの押下により、制御部21はバイオセンサ2が装着されたと判断し、測定器30を試料待機状態とする。試料待機状態とは、制御部21の制御の下、印加電圧部18が入力端子部8を介して、血液成分測定作用極5及び血液成分検知極7間への電圧印加を開始し、かつ電流―電圧変換部16が電流測定を開始した後であって、液体試料がまだ測定に供されていない状態である。
使用者が、バイオセンサ2の血液供給口13に液体試料を付着させると、毛細管現象によって、血液供給口13から生体試料導入路12に液体試料が引き込まれる。
液体試料としては、例えば、血液、汗、尿等の生体由来の液体試料や、環境由来の液体試料、食品由来の液体試料等が用いられる。例えば、バイオセンサ2を血糖値センサとして用いる場合、使用者は、自身の指、掌、又は腕等を穿刺して、少量の血液を搾り出し、この血液を液体試料として、バイオセンサ2での測定に供する。
液体試料が血液成分測定作用極5及び血液成分検知極7に到達すると、制御部21が、電流―電圧変換部16を介して受け取る電流値が変化する。この変化から、制御部21は、液体試料がバイオセンサ2に吸引されたと判断する。こうして液体試料の吸引が検知されると、測定が開始される。
バイオセンサ2内では、液体試料中に試薬部9中の酵素及びメディエータ等の成分が溶解する。こうして、バイオセンサ2の血液成分測定作用極5及び血液成分測定対極6上で、液体試料、酵素、及びメディエータが互いに接触する。
制御部21の制御により、切替回路17は、基準電圧部19及び電流―電圧変換部16に接続する。こうして、血液成分測定作用極5及び血液成分測定対極6との間に電圧が印加される。ここで印加される電圧については、図4(a)及び図4(b)を用いて以下に詳細に説明するが、後述する第2の印加期間において血液成分測定作用極5及び血液成分測定対極6との間に生じた電流が、電流―電圧変換部16に伝達される。
電流―電圧変換部16へ流れた電流は電圧へ変換される。そして、この電圧はA/D変換部22によりさらにパルスへと変換される。制御部21は、このパルスから、補正手段27による補正を行い特定成分の濃度を算出する。制御部21により算出された値は、表示部24に表示される。その際、使用者へのその他の情報が共に表示されることもある。
測定終了後は、使用者はバイオセンサ2を挿入口3から取り外すことができる。
(測定における印加電圧)
次に、測定における印加電圧について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。図4(a)は、印加電圧を示す図である。図4(b)は、電圧を印加することによって生じる信号を示す図である。
図4(a)の印加においては、休止時間(例えば、1秒間)を挟んで、第1の印加期間と第2の印加期間の2つの印加パターンを示している。
第1の印加期間は、前処理電圧印加モードまたはプリ印加モードとも言われている。この第1の印加期間は、制御部21からの指示により、入力端子部8を経由して、血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6の間に、図4(a)に示す印加電圧V1(例えば、0.35V)を印加時間T1(例えば、2秒間)、前処理電圧として印加する期間である。
また、休止期間(休止モード)は、前処理電圧印加期間(第1の印加期間)の後に、入力端子部8を経由して血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6間に印加していた前処理電圧印加を停止する期間である。つまり、血液中のグルコースと酸化還元酵素とが一定時間反応させられる事になる。
第2の印加期間は、測定電圧印加モードであり、前記休止期間の後、入力端子部8を経由して、血液成分測定作用極5と血液成分測定対極6の間に、図4(a)に示す印加電圧V2(例えば、0.25V)を印加時間T2(例えば、測定開始から3秒後の2秒間)印加し、血糖値などの生体情報を測定する期間である。
上記のように、第1の印加期間、休止期間及び第2の印加期間の図4(a)に示す電圧印加パターンを印加した場合、酵素反応により血液成分測定作用極5及び血液成分測定対極6の上に生じた還元状態の電子伝達体(メディエータ)が酸化され、その酸化電流が検出される。この生体試料測定システム100で検出された酸化電流は、図4(b)に示すような信号波形として出力されることになる。
このバイオセンサ2からの信号(図4(b)の右側の波形)から、目的の生体情報(グルコース濃度である血糖値など)の測定を行なう。
ここで、図4(a)では、印加時間T1とT2の間に印加しない休止期間を設けているが、本発明は、これに限られない。
また、図4(a)及び図4(b)においては、印加電圧V1を印加電圧V2より高い電圧にしているが、これに限られることはなく、印加電圧V1の方が印加電圧V2よりも高くても良く、印加電圧V1と印加電圧V2の電圧は同じでもよい。
(試薬部9及びそれに含まれる光影響軽減剤)
以上の構成において、本実施の形態における最も特徴的な事は、試薬部9に光影響軽減剤を混入させたことである。
この試薬部9は、図3から理解されるように、平面視が円形状のものであり、それを中心部分で切断すると、図5に示す状態となっている。すなわち、試薬部9は略円柱形状に形成されている。
つまり、試薬部9は、図3に示すように絶縁基板4上における平面視の状態で、内周部分の肉厚d1よりも外周部分の肉厚d2が厚くなった状態となっている。
このように、試薬部9を、絶縁基板4上における平面視の状態で、内周部分の肉厚d1よりも外周部分の肉厚d2を厚くする事は、その製造時において簡単に実現することが出来る。
すなわち、この試薬部9は、上述のように、全体の略80%の水内に、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、メディエータ及び光影響軽減剤を含ませ、任意成分として、緩衝剤、高分子材料及び酵素安定化剤、結晶均質化剤等を選択的に含ませた状態となっている試薬溶液を、絶縁基板4上に滴下させ、その後、乾燥させることにより形成される。
この時、試薬溶液が滴下された状態では、外周部分から乾燥が行われるので、その内方部分は、外周方向へと移動しながら全体の乾燥が行われ、その結果として、所謂、コーヒーリング状態となる。
つまり、乾燥した状態における試薬部9は、絶縁基板4上における平面視の状態で、内周部分の肉厚d1よりも外周部分の肉厚d2が厚くなっているのである。
そして、このような乾燥状態においては、光影響軽減剤は、試薬部9の内部よりも表面部分(カバー11側)に多く偏在した状態となる。
その理由は、いまだ十分に解明出来ていない部分もあるが、使用される光影響軽減剤の化学構造式が影響していると考えられる。光影響軽減剤としては、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、緑3号(ファストグリーンFCF)、及び黄色4号(タートラジン)等を用いることが出来る。
図6は、光影響軽減剤として、青色1号(ブリリアントブルーFCF)の化学構造式を示し、図7は、緑3号(ファストグリーンFCF)の化学構造式を示し、図8は、黄色4号(タートラジン)の化学構造式を示している。これら青色1号、緑3号及び黄色4号は、いずれも化学構造式として、疎水性ベンゼン環部分および親水性ベンゼン環部分を有している。尚、ベンゼン環部分とは、ベンゼン環の置換体、還元体、誘導体等を含んでいるものであり、置換基が2つ以上であっても良い。
ここで、図6に示す青色1号では、親水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうちスルフォフェニル基の部分を示し、疎水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうち4−エチルアミノフェニル−メチリデニルシクロヘキサジエンの部分(点線で囲われているα部分)を示している。又、図7に示す緑色3号では、親水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうちスルフォフェニル基、又は4-ヒドロキシ-2-スルホフェニル基の部分を示し、疎水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうち4−エチルアミノフェニル−メチリデニルシクロヘキサジエンの部分(点線で囲われているα部分)を示している。又、図8に示す黄色4号では、親水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうちスルフォフェニル基の部分を示し、疎水性ベンゼン環部分とは、化学構造式のうち4−ヒドラゾノピラゾールの部分(点線で囲われているα部分)を示している。
このため、乾燥時には、上述した内方部分が、外周方向へと移動しながらの乾燥状況において、疎水性ベンゼン環部分が表面側(カバー11側)に表出する状態、つまり、試薬部9の表面側へと浮き出る状況で乾燥が進むこととなり、その結果として、光影響軽減剤は、試薬部9の内部よりも表面部分(カバー11側)に多く偏在した状態となる。図9は、青色1号を添加していない状態の試薬と、青色1号を添加した状態の試薬を示す模式図である。図9に示すように、青色1号が添加されている試薬部9では、光影響軽減剤の一例である青色1号が試薬部9の表面に多く偏在した状態となる。
なお、この状態は、光影響軽減剤の疎水性ベンゼン環部分が、試薬部9の表層側に向けて配置された状態とも表現される。
この事は、極めて重要なこととなり、上述のように、光影響軽減剤は、メディエータよりも少量しか混入させていないにもかかわらず、試薬部9の表面部分においては、内部よりも多く偏在することで、この試薬部9に対する光の影響を効果的に軽減することが出来るものとなる。
このような点についてさらに説明を続けると、試薬部9は、光の影響を受け、特にメディエータの機能が劣化してしまうので、これを抑制することが本実施形態における最も大きな特徴点である。
本実施形態で用いた試薬部9のメディエータは、たとえば400〜500nmの光による影響を受けるものであるので、用いる光影響軽減剤は、上述のように、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、緑3号(ファストグリーンFCF)または黄色4号(タートラジン)とした。
これらの青色1号(ブリリアントブルーFCF)、緑3号(ファストグリーンFCF)及び黄色4号(タートラジン)は、400〜500nmの光を吸収し、それ自体は劣化(たとえば、これは色が薄くなってしまう状態でも表現される)するが、メディエータには、その分、この400〜500nmの光が到達しにくくなり、この結果として、メディエータの機能が劣化しにくくなる。
このため、本実施形態のバイオセンサ2を用いた生体試料の測定、たとえば、血糖値の測定時においては、メディエータによる電子伝達機能が適切に発揮され、その結果として、適切な生体試料の測定が行われることとなる。
本実施の形態で用いる光影響軽減剤である緑色3号、青色1号及び黄色4号について更に詳しく説明する。
図10は、青色1号、緑色3号及び黄色4号のそれぞれの最大吸収波長(nm)、その波長における吸光度(Abs)、その吸光度を示す濃度(c(M))、モル吸光係数(ε)、及びメディエータの一例であるPQSAとのモル吸光係数との比を、PQSAとともに示す表である。尚、Abs=εcl(lはセル長であり、1cmに設定)である。
又、図11(a)は、350nm〜500nm付近の緑色3号とPQSAの吸収スペクトルを示す図である。図11(b)は、350nm〜500nm付近の青色1号とPQSAの吸収スペクトルを示す図である。図11(c)は、350nm〜500nm付近の黄色4号とPQSAの吸収スペクトルを示す図である。尚、図11(a)では、緑色3号の濃度は0.5mMであり、PQSAの濃度は0.1mMである。又、図11(b)では、青色1号の濃度は0.1mMであり、PQSAの濃度は0.1mMである。又、図11(c)では、黄色4号の濃度は0.01mMであり、PQSAの濃度は0.1mMである。
図11(a)、図11(b)及び図11(c)に示すように、PQSAに対して影響を与える波長(414nm)近辺に、緑色3号、青色1号及び黄色4号は吸収を有している。また、図10に示すように、緑色3号、青色1号及び黄色4号は、波長(414nm)近辺で、ε比が少なくとも1よりも高いため、PQSAよりも光を吸収しやすく、PQSAの光吸収による劣化を防ぐことが出来る。
(バイオセンサの製造方法)
以下にバイオセンサの製造方法について説明する。図12は、バイオセンサの製造方法を示す工程図である。
図12のS1に示すように、はじめに、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7が形成された絶縁基板4が作成される。
次に、図12のS2に示すように、試薬溶液が調整される。この試薬溶液としては、水に、少なくとも測定対象物を酸化又は脱水素する酸化還元酵素、酸化還元酵素と電子の授受を行うメディエータ及び光影響軽減剤を溶解させ、任意成分として、緩衝剤、高分子材料、酵素安定化剤、結晶均質化剤等を選択的に溶解させて作成される。
次に、図12のS3に示すように、各電極が形成された絶縁基板4の上に、血液成分測定作用極5、血液成分測定対極6及び血液成分検知極7に渡るように試薬溶液が滴下される(載置工程の一例)。
次に、図12のS4に示すように、絶縁基板4上に載置された試薬溶液が乾燥される(乾燥工程の一例)。
最後に、図12のS5に示すように、絶縁基板4、スペーサー10およびカバー11をこの順序で積層し、一体化し、バイオセンサが製造される。
(実施例)
上記実施の形態について、実施例を用いてより詳細に説明する。
(緑色3号の太陽光暴露影響)
図13(a)は、緑色3号を用いた際の太陽光暴露影響のグラフを示す図である。図13(b)は、青色1号を用いた際の太陽光暴露影響のグラフを示す図である。図13(c)は、黄色4号を用いた際の太陽光暴露影響のグラフを示す図である。
図13(a)では、例えば、図14(a)に示す表の試薬を水に添加して試薬溶液を作成し、その試薬溶液を乾燥させることによって、試薬部を作成した。
試薬溶液の組成は、wt(重量)%で水が91.25%、酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼが7.41%、緑色3号(分子量808.87)が0.08%、緩衝剤としてK2HPO4、KH2PO4並びにNaH2PO4が全部で0.2%、接着剤として高分子材料であるCMC(カルボキシメチルセルロース)が0.13%、酵素安定化剤としてATA(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)が0.04%、保存安定化剤としてマルチトールが0.17%、メディエータとしてPQSAが0.70%、及びその他選択部材が0.03%となっている。これにより、緑色3号の濃度が1.0mMの試薬溶液が作成される。
また、図14(b)に示す組成とすることにより緑色3号の濃度が10mMの試薬溶液が作成される。また、PQSA(分子量309.28)の濃度は、いずれの場合も22.6mMとなる。
一方、比較例として色素を添加していない試薬溶液も作成される。これら3種類の試薬溶液を用いて試薬部が作成され、太陽光の曝露による測定値の影響が確認された。
これら色素なし試薬溶液、緑色3号1mMの試薬溶液、及び緑色3号10mMの試薬容器を用いてそれぞれ試薬部を作成し、その試薬部を用いて、太陽光に1時間暴露した場合と暴露していない場合においてサンプル溶液の測定結果の比較を行う。尚、図14(a)、(b)には、乾燥後の試薬部の各成分の重量(wt)%が示されている。
具体的には、太陽光暴露を行っていない色素なし試薬を用いて、サンプル溶液(グルコース濃度が約48mg/dLのHct42%の溶液)を測定した場合の5回測定の平均値が41.5mg/dLであり、太陽光暴露後の色素なし試薬を用いて、グルコース濃度が約48mg/dLのHct42%のサンプル溶液を測定した場合の5回測定の平均値が87.2mg/dLであった。このため、色素なし試薬を用いた場合の、光暴露を行っていない場合からの測定値の乖離は(87.2-41.5)/41.5=110.1であり、110.1%となる。
すなわち、図13のグラフにおける乖離率は、(太陽光曝露後の測定値―太陽光曝露なしの測定値)/太陽光曝露なしの測定値の式で求められる。
太陽光暴露なしの緑色3号1mM試薬を用いて、上記サンプル溶液を測定した場合の5回の平均値が41.7mg/dLであり、太陽光暴露有りの緑色3号1mM試薬を用いて上記サンプル溶液を測定した場合の5回の平均値が76.4mg/dLであった。このため、緑色3号0.1mM試薬を用いた場合の、光暴露を行っていない場合からの測定値の乖離は(76.4-41.7)/41.7=83.3であり、83.3%となる。
太陽光暴露なしの緑色3号10mM試薬を用いて、上記サンプル溶液を測定した場合の5回の平均値が40.9mg/dLであり、太陽光暴露有りの緑色3号10mM試薬を用いて上記サンプル溶液を測定した場合の5回の平均値が62.5mg/dLであった。このため、緑色3号10mM試薬を用いた場合の、光暴露を行っていない場合からの測定値の乖離は(62.5-40.9)/40.9=0.526であり、52.6%となる。
これらの結果が、図13(a)に示されている。1mMの場合、色素なしの場合と比較して、太陽光暴露なしからの乖離が小さくなっており、太陽光暴露影響の抑制効果が発揮されていることが分かる。また、1mMの場合と10mMの場合を比較すると、色素の添加量を増やすことにより、より抑制効果が発揮されることが分かる。
上述したように、試薬部9を形成するための試薬溶液における緑色3号の濃度が、1mM以上で太陽光曝露影響の抑制効果が発揮されているが、図13(a)から緑色3号が10mMの濃度の試薬溶液を用いた場合に抑制効果が得られていることから、試薬部9を形成するための試薬溶液における緑色3号の濃度が、1mM以上、10mM以下の範囲であるほうがより好ましい。また、このときの緑色3号は、乾燥後におけるメディエータとのモル比では、0.0442(=1/22.6)以上、0.442(=10/22.6)以下となる。すなわち、緑色3号は、メディエータに対してモル比0.0442以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、そのモル比は、更に0.442以下であるほうが好ましい。
また、図14に示すように、緑色3号の乾燥後における試薬部全体に対する重量割合が、6.01%以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、その重量割合は更に39.02%以下であるほうが好ましい。
(青色1号の太陽光暴露影響)
図13(b)では、例えば、図15(a)に示す表の試薬を水に添加して試薬溶液を作成し、その試薬溶液を乾燥させることによって、測定用試薬を作成した。
試薬溶液の組成は、wt(重量)%として、水が91.25%、酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼが7.41%、青色1号(分子量792.86)が0.08%、緩衝剤としてK2HPO4、KH2PO4並びにNaH2PO4が全部で0.2%、接着剤として高分子材料であるCMC(カルボキシメチルセルロース)が0.13%、酵素安定化剤としてATA(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)が0.04%、保存安定化剤としてマルチトールが0.17%、メディエータとしてPQSAが0.70%、及びその他選択部材が0.03%となっている。これにより、青色1号の濃度が1mMの試薬溶液が作成される。
また、図15(b)に示す組成とすることにより青色1号の濃度が5mMの試薬溶液が作成される。また、PQSA(分子量309.28)のモル濃度はいずれも22.6mMとなっている。
これら青色1号1mMの試薬溶液、及び青色1号5mMの試薬溶液のそれぞれを用いて試薬部を作成し、その試薬部を用いて、太陽光に1時間暴露した場合と、暴露していない場合において緑色3号と同様のサンプル溶液の測定結果の比較を行う。尚、図15(a)、(b)には、乾燥後の試薬部の各成分の重量(wt)%が示されている。
そして、緑色3号と同様の計算によってそれぞれの試薬部を用いた場合の乖離率を求めると、青色1号1mMの場合、乖離率は84.3%となり、青色1号5mMの場合、乖離率は24.7%となった。
これらの結果が、色素が添加されていない試薬による結果(比較例)とともに図13(b)に示されている。図13(b)に示すように、青色1号を添加することにより太陽光暴露影響の抑制効果が発揮されていることが分かる。また、1mMの場合と5mMの場合を比較すると、色素の添加量を増やすことにより、より抑制効果が発揮されることが分かる。
以上のように、試薬部9を形成するための試薬溶液における青色1号の濃度が、1mM以上で太陽光曝露影響の抑制効果が発揮されている。又、図13(b)から青色1号が5mMの濃度の試薬溶液を用いた場合に抑制効果が得られていることが分かるため、試薬部9を形成するための試薬溶液における青色1号の濃度が、1mM以上、5mM以下の範囲であるほうがより好ましい。また、このときの青色1号は、乾燥後におけるメディエータとのモル比では、0.0442(=1/22.6)以上、0.221(=5/22.6)以下となる。すなわち、青色1号は、メディエータに対してモル比0.0442以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、そのモル比は、更に0.221以下であるほうがより好ましい。
また、図15に示すように、青色1号の乾燥後における試薬部全体に対する重量割合が、5.90%以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、その重量割合は、更に23.87%以下であるほうが好ましい。
(黄色4号の太陽光暴露影響)
図13(c)では、例えば、図16(a)に示す表の試薬を水に添加して溶液を作成し、その溶液を乾燥させることによって、測定用試薬を作成した。
試薬溶液の組成は、wt%で水が91.25%、酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼが7.41%、黄色4号(分子量534.37)が0.01%、緩衝剤としてK2HPO4、KH2PO4並びにNaH2PO4が全部で0.2%、接着剤として高分子材料であるCMC(カルボキシメチルセルロース)が0.13%、酵素安定化剤としてATA(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)が0.04%、保存安定化剤としてマルチトールが0.17%、メディエータとしてPQSAが0.70%、及びその他選択部材が0.03%となっている。これにより、黄色4号の濃度が1mMの試薬溶液が作成される。
また、図16(b)に示す組成とすることにより黄色4号の濃度が5mMの溶液が作成される。更に、図16(c)に示す組成とすることにより黄色4号の濃度が10mMの溶液が作成される。一方、比較として色素を添加していない試薬も作成する。また、PQSA(分子量309.28)の濃度は、いずれの場合も22.6mMとなる。
これら黄色4号1mMの試薬溶液、黄色4号5mMの試薬溶液及び黄色4号10mMの試薬溶液を用いてそれぞれ試薬部を作成し、その試薬部を用いて、太陽光に1時間暴露した場合と暴露していない場合において緑色3号と同様のサンプル溶液の測定結果の比較を行う。尚、図16(a)〜(c)には、乾燥後の試薬部の各成分の重量(wt)%が示されている。
そして、緑色3号と同様の計算によってそれぞれの試薬部を用いた場合の乖離率を求めると、黄色4号1mMの場合、乖離率は66.3%となり、黄色4号5mMの場合、乖離率は28.4%となり、黄色4号10mMの場合、乖離率は19.5%となった。
これらの結果が、色素が添加されていない試薬による結果(比較例)とともに図13(c)に示されている。図13(c)に示すように、黄色4号を添加することにより、色素なしの場合と比較して、太陽光暴露なしからの乖離が小さくなっており、太陽光暴露影響の抑制効果が発揮されていることが分かる。また、1mMの場合、5mMの場合及び10mMの場合を比較すると、色素の添加量を増やすことにより、より抑制効果が発揮されることが分かる。
上述したように、試薬部9を形成するための試薬溶液における黄色4号の濃度が、1mM以上で太陽光曝露影響の抑制効果が発揮されている。また、図13(c)から黄色4号が10mMの濃度の試薬溶液を用いた場合に抑制効果が得られていることが分かるため、試薬部9を形成するための試薬溶液における黄色4号の濃度が、1mM以上、10mM以下の範囲であるほうがより好ましい。また、このときの黄色4号は、乾燥後におけるメディエータとのモル比では、0.0442(=1/22.6)以上、0.442(=10/22.6))以下となる。すなわち、黄色4号は、メディエータに対してモル比0.0442以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、そのモル比は、更に0.442以下であるほうが好ましい。
また、図16に示すように、黄色4号の乾燥後における試薬部全体に対する重量割合が、4.06%以上で太陽光曝露影響の抑制効果を発揮し、その重量割合は、更に29.71%以下であるほうがより好ましい。
本実施形態において特筆すべきは、各バイオセンサ2自体が、光による劣化を抑制できるようになった事である。従来品では、光による影響を受け、実使用が不可能なものとなる場合があったが、例えば、収容容器から取り出したバイオセンサ2を1時間放置したままの状態としても、従来品(光影響軽減剤なし)に比べて、光による影響を受け難く、そのまま実使用が可能なものとなった。
(特徴等)
(1)
上記実施の形態のバイオセンサ2は、血液成分測定作用極5と、血液成分測定対極6と、試薬部9とを備える。試薬部9は、血液成分測定作用極5と、血液成分測定対極6の近傍に設けられている。試薬部9は、メディエータと、酸化還元酵素と、光波長400nm〜500nmを吸収する物質を含む。
これにより、メディエータが光波長400nm〜500nmを吸収して劣化することを低減することが出来る。
(2)
上記実施の形態のバイオセンサ2は、血液成分測定作用極5と、血液成分測定対極6と、試薬部9とを備える。試薬部9は、血液成分測定作用極5と、血液成分測定対極6の近傍に設けられている。試薬部9は、メディエータと、酸化還元酵素と、光影響低減剤を含む。
光影響低減剤は、メディエータの光の影響による劣化を低減するものである。
これにより、メディエータが太陽光などに曝露されて劣化することを低減することが出来る。
(3)
また、上記実施の形態のバイオセンサ2は、血液成分測定作用極5及び血液成分測定対極6のうち少なくとも一方の電極が表面に配置された絶縁基板4(基板の一例)を備えている。試薬部9は、絶縁基板4の少なくとも一方の電極上に配置されている。
これにより、液体試料が供給されることにより電極とメディエータとの間に電子の授受を行うことが出来。液体試料中の対象物を測定することが出来る。
(4)
また、上記実施の形態のバイオセンサ2では、図5に示すように、試薬部9は、絶縁基板4上に配置された状態で、内側部分の肉厚d1よりも外周部分の肉厚d2が厚く形成されている。
(5)
また、上記実施の形態のバイオセンサ2では、図5に示すように、試薬部9は、絶縁基板4に配置された状態で、平面視において円形状である。
(6)
また、上記実施の形態のバイオセンサ2は、図3に示すように、スペーサー10と、カバー11とを備える。スペーサー10は、絶縁基板4の試薬部9が形成された側に積層されている。カバー11は、スペーサー10の絶縁基板4と反対側に積層されており、透明または半透明である。スペーサー10には、試薬部9に対応する部分に生体試料を試薬部9に導く生体試料導入部12が形成されている。
これにより、生体試料は生体試料導入部12に毛細管現象により吸い込まれて測定を行うことができるため、少量の生体試料で測定対象物の濃度を測定することが可能となる。
(7)
上記実施の形態において、光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、化学構造式において、疎水性ベンゼン環部分および親水性ベンゼン環部分を有する。
これにより、試薬部9を形成するために試薬溶液を乾燥させる際、疎水性ベンゼン環部分が表面側(カバー11側)に表出する状態、つまり、試薬部9の表面側へと浮き出る状況で乾燥が進むこととなり、その結果として、光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、試薬部9の内部よりも表面部分(カバー11側)に多く偏在した状態となる。これにより、少量の光影響軽減剤によってメディエータに対する光の影響を効果的に軽減することが出来る。
(8)
上記実施の形態において、光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、疎水性ベンゼン環部分を前記試薬部の表層側に向けて配置される。
これにより、少量の光波長400nm〜500nmを吸収する物質によってメディエータに対する光の影響を効果的に軽減することが出来る。
(9)
上記実施の形態において、光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、ブリリアントブルーFCF(青色1号)ファストグリーンFCF(緑3号)もしくはタートラジン(黄色4号)である。
ブリリアントブルーFCF(青色1号)ファストグリーンFCF(緑3号)もしくはタートラジン(黄色4号)は、光波長400nm〜500nm内の所定の波長におけるモル吸光係数が大きく、そのモル吸光係数よりも小さいメディエータを用いることにより、メディエータよりも光りが吸収しやすいため、効率よくメディエータの光りによる影響を低減することが出来る。
(10)
上記実施の形態において、試薬部9は、光波長400nm〜500nmを吸収する物質のモル数は、メディエータのモル数よりも少ない。
これにより、メディエータよりも少量の光波長400nm〜500nmを吸収する物質によってメディエータに対する光の影響を効果的に軽減することが出来る。
(11)
上記実施の形態において、図13及び図14に示すようにファストグリーンFCFの試薬部9全体に対する重量割合は、6.01%以上、39.02%以下である。
これにより、メディエータに対する光の影響を効果的に軽減することが出来る。
(12)
上記実施の形態において、図13及び図14に示すようにファストグリーンFCFの試薬部9全体に対する重量割合は、メディエータの試薬部9全体に対する重量割合の11.6%以上、116%以下である。
これにより、メディエータに対する光の影響を効果的に軽減することが出来る。
(13)
上記実施の形態において、図13及び図15に示すようにブリリアントブルーFCFの試薬部9全体に対する重量割合は、5.9%以上、23.87%以下である。
(14)
上記実施の形態において、図13及び図15に示すようにブリリアントブルーFCFの試薬部9全体に対する重量割合は、メディエータの試薬部9全体に対する重量割合の11.4%以上、56.8%以下である。
(15)
上記実施の形態において、図13及び図16に示すようにタートラジンの試薬部9全体に対する重量割合は、4.06%以上、29.71%以下である。
(16)
上記実施の形態において、図13及び図16に示すようにタートラジンの試薬部9全体に対する重量割合は、メディエータの試薬部9全体に対する重量割合の7.66%以上、76.6%以下である。
(17)
上記実施の形態において、光影響軽減剤は、光波長400nm〜500nmを吸収する物質である。
これにより、メディエータが光波長400nm〜500nmを吸収して劣化することを低減することが出来る。
(18)
上記実施の形態において、バイオセンサの製造方法は、載置工程と、乾燥工程とを備えている。載置工程は、少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びファストグリーンFCFを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する。乾燥工程は、載置された前記試薬溶液を乾燥させる。試薬溶液におけるファストグリーンFCFの濃度は、1mM以上、10mM以下である。
これにより、メディエータが太陽光などに曝露されて劣化することを低減することが出来る。
(19)
上記実施の形態において、バイオセンサの製造方法は、載置工程と、乾燥工程とを備えている。載置工程は、少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びブリリアントブルーFCFを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する。乾燥工程は、載置された前記試薬溶液を乾燥させる。試薬溶液におけるブリリアントブルーFCFの濃度は、1mM以上、5mM以下である。
これにより、メディエータが太陽光などに曝露されて劣化することを低減することが出来る。
(20)
上記実施の形態において、バイオセンサの製造方法は、載置工程と、乾燥工程とを備える。載置工程は、少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びタートラジンを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する。乾燥工程は、載置された試薬溶液を乾燥させる。試薬溶液におけるタートラジンの濃度は、1mM以上、10mM以下である。
これにより、メディエータが太陽光などに曝露されて劣化することを低減することが出来る。
(他の実施の形態)
(A)
上記実施の形態では、メディエータの一例としてPQSAが用いられたが、これに限らず他のメディエータを用いてもよい。
図17(a)、図17(b)、及び図17(c)は、それぞれメディエータとして用いられるフェリシアン化カリウム、フェロセニルメチルドデシルアンモニウムブロミド及びヘキサクロロオキサメートの吸光スペクトルを示す図である。
図17(a)〜図17(c)に示すように、フェリシアン化カリウム、フェロセニルメチルドデシルアンモニウムブロミド及びヘキサクロロオキサメートは、400〜500nmの波長の光を吸収するため、太陽光暴露による影響を受けやすい。
従って、これらのメディエータを用いる場合には、本実施の形態の光影響軽減剤を用いることによって、太陽光暴露によって測定値に生じる影響を軽減することが出来る。すなわち、本発明の光影響軽減剤は、400〜500nm付近の波長の光を吸収するメディエータを用いる場合に効果をより発揮できる。
(B)
また、本発明の試薬の組成は、上記実施の形態で用いた組成に限られない。例えば、上記実施の形態では、緩衝剤として、K2HPO40.0016g、KH2PO4並びにNaH2PO4が用いられているが、これらに限らず、HEPES等、他の緩衝剤が用いられても良い。
以上のように、本発明によれば、各バイオセンサ自体が光による影響を受けにくいものとする事ができ、その結果として、バイオセンサの劣化を抑制することが出来るのである。
したがって、例えば、血糖値などの生体情報を検出するバイオセンサとしての活用が期待される。
1 本体ケース
2 バイオセンサ
3 挿入口
4 絶縁基板(基板の一例)
5 血液成分測定作用極(第1の電極の一例)
6 血液成分測定対極(第2の電極の一例)
7 血液成分検知極
8 入力端子部
9 試薬部
10 スペーサー
11 カバー
12 生体試料導入路
13 血液供給口
14 空気孔
15 電圧印加部
16 電流−電圧変換部
17 切替回路
18 印加電圧部
19 基準電圧部
20 電源部
21 制御部
22 A/D変換部
23 判定手段
24 表示部
25 メモリ部
26 時計
27 補正手段

Claims (17)

  1. 第1の電極と、
    第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の近傍に設けられた試薬部と、
    を備え、
    前記試薬部は、
    メディエータと、
    酸化還元酵素と、
    光波長400nm〜500nmを吸収する物質と、
    を含
    前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、ブリリアントブルーFCF、ファストグリーンFCFもしくはタートラジンである、
    バイオセンサ。
  2. 前記第1の電極及び前記第2の電極のうち少なくとも一方の電極が表面に配置された基板を備え、
    前記試薬部は、前記基板上の前記少なくとも一方の電極上に配置された、
    請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 前記試薬部は、前記基板上に配置された状態で、内側部分の肉厚よりも外周部分の肉厚が厚く形成されている、
    請求項に記載のバイオセンサ。
  4. 前記試薬部は、前記基板上に配置された状態で、平面視において円形状である、
    請求項に記載のバイオセンサ。
  5. 前記基板の前記試薬部が形成された側に積層されたスペーサーと、
    前記スペーサーの前記基板と反対側に積層された透明または半透明のカバーとを備え、
    前記スペーサーには、前記試薬部に対応する部分に生体試料を前記試薬部に導く生体試料導入部が形成されている、
    請求項からのいずれか一つに記載のバイオセンサ。
  6. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、化学構造式において、疎水性ベンゼン環部分および親水性ベンゼン環部分を有する、
    請求項1から5のいずれか一つに記載のバイオセンサ。
  7. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記疎水性ベンゼン環部分を前記試薬部の表層側に向けて配置される、
    請求項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質の前記試薬部全体に対するモル数は、前記メディエータのモル数よりも少ない、
    請求項1から7のいずれか一つに記載のバイオセンサ。
  9. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記ファストグリーンFCFであり、
    前記ファストグリーンFCFの前記試薬部全体に対する重量割合は、6.01%以上、39.02%以下である、
    請求項1に記載のバイオセンサ。
  10. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記ファストグリーンFCFであり、
    前記ファストグリーンFCFのモル数の前記メディエータのモル数に対する比は、0.0442以上、0.422以下である、請求項1に記載のバイオセンサ。
  11. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記ブリリアントブルーFCFであり、
    前記ブリリアントブルーFCFの前記試薬部全体に対する重量割合は、5.9%以上、23.87%以下である、
    請求項1に記載のバイオセンサ。
  12. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記ブリリアントブルーFCFであり、
    前記ブリリアントブルーFCFのモル数の前記メディエータのモル数に対する比は、0.0442以上、0.221以下である、請求項1に記載のバイオセンサ。
  13. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記タートラジンであり、
    前記タートラジンの前記試薬部全体に対する重量割合は、4.06%以上、29.71%以下である、
    請求項1に記載のバイオセンサ。
  14. 前記光波長400nm〜500nmを吸収する物質は、前記タートラジンであり、
    前記タートラジンのモル数の前記メディエータのモル数に対する比は、0.0422以上、0.442以下である、請求項1に記載のバイオセンサ。
  15. 少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びファストグリーンFCFを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する載置工程と、
    載置された前記試薬溶液を乾燥させる乾燥工程とを備え、
    前記試薬溶液における前記ファストグリーンFCFの濃度は、1mM以上、10mM以下である、
    バイオセンサの製造方法。
  16. 少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びブリリアントブルーFCFを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する載置工程と、
    載置された前記試薬溶液を乾燥させる乾燥工程とを備え、
    前記試薬溶液における前記ブリリアントブルーFCFの濃度は、1mM以上、5mM以下である、
    バイオセンサの製造方法。
  17. 少なくとも酸化還元酵素、メディエータ及びタートラジンを含む試薬溶液を、基板上に形成された第1の電極及び第2の電極上に載置する載置工程と、
    載置された前記試薬溶液を乾燥させる乾燥工程とを備え、
    前記試薬溶液における前記タートラジンの濃度は、1mM以上、10mM以下である、
    バイオセンサの製造方法。
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