JP6281898B2 - ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物 - Google Patents

ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物 Download PDF

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Description

本発明は、ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物に関する。より詳しくは、酸素貯蔵物質や電極材料として利用可能なヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物に関する。
逆ホタル石型の構造を有するアルカリ金属化合物は、酸化物、水酸化物、炭酸塩等の種々の化合物が広く知られており、様々な工業分野で広く用いられている。特に近年では、蓄電池やキャパシタ等の蓄電装置の材料としてリチウム化合物の使用量が急速に大きくなる等、その重要性に改めて注目が集まっている。
蓄電装置の中で、現在最も広く普及しているのがリチウムイオン電池であり、携帯電話やノートパソコンのバッテリー等として使用されている。しかしながら、リチウムイオン電池は充放電容量が充分とはいえないため、より充放電容量の大きい新たな電池の開発が求められており、近年では、リチウムイオン電池よりも理論容量の大きいリチウム空気電池が注目を集めてきている。リチウム空気電池については、有機系の電解質を用いる方式が報告されている(非特許文献1参照)。
小久見善八編著、「革新型蓄電池のすべて」、工業調査会、2010年、59−61頁
しかしながら、リチウム空気電池は、空気電池である為、開放型電池システムが必要であり、大気中の水分や二酸化炭素の混入等課題が多い。この為、より充放電容量が大きく密閉型の電池の開発が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の電極活物質よりも高い容量を有し、密閉型の蓄電池を構成する材料として使用できる電極活物質を提供することを目的とする。
本発明者は、蓄電池の材料について種々検討し、アルカリ金属化合物に着目した。そして、逆ホタル石構造のアルカリ金属酸化物の結晶構造内の4配位サイトの一部にヘテロ原子が固溶した構造を有する化合物が、高い容量を発現すること、及び、この活物質を用いて密閉型蓄電池を構成することが可能であることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、逆ホタル石構造のアルカリ金属酸化物の結晶構造内の4配位サイトの一部にヘテロ原子が固溶した構造を有するヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物(以下、単に本発明の金属酸化物ともいう)は、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が固溶した構造を有する。
アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が固溶した構造とは、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子がランダムに入りこんだ構造であり、この点において、本発明の金属酸化物は、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が一定の割合で規則的に配列した複合酸化物とは異なる。複合酸化物の場合、アルカリ金属酸化物の結晶構造内に規則的に配列したヘテロ原子の影響により、結晶構造内にもとのアルカリ金属酸化物の結晶とは全く別の反射面が生まれ、その結果、XRDパターンはもとのアルカリ金属酸化物とは全く異なるものとなる。これに対し、本発明の金属酸化物は、ヘテロ原子がアルカリ金属酸化物の結晶構造内にランダムに入り込みつつ、ヘテロ原子が固溶する前のアルカリ金属酸化物のXRDパターンを保持している。また、本発明の金属酸化物では、アルカリ金属に対する固溶するヘテロ原子の割合は決まっておらず、任意の割合で固溶し得る点も、複合酸化物とは異なっている。
本発明の金属酸化物は、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が固溶した構造は、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子がドーピングした構造ともいうことができる。
本発明の金属酸化物を電極材料として用いた場合に、低い電圧で酸化容量が発現する理由は明らかではないが、以下のように推定される。
アルカリ金属酸化物中にヘテロ原子が固溶した場合、電荷補償による格子欠陥が生じると推察される。アルカリ金属としてリチウム、ヘテロ原子として鉄を用いた場合を例にとると、以下のとおりである。
(1)Fe/Li=0.2のとき
LiO + 0.2Fe → 1.6(Li1.25Fe0.250.5)O
(2)Fe/Li=0.1のとき
LiO + 0.1Fe → 1.3(Li1.54Fe0.1540.31)O
□:格子欠陥
このようにアルカリ金属酸化物の結晶構造中に、多価金属である遷移金属等のヘテロ原子を固溶させることで格子欠陥が生成し、この格子欠陥によって導電性が向上し低い過電圧で酸化電流が流れる、と推定される。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を構成するアルカリ金属原子としては、アルカリ金属に分類されるいずれの金属の原子であってもよく、1種又は2種以上を用いることができるが、リチウム、ナトリウム、カリウムのいずれかであることが好ましい。より好ましくは、リチウムである。アルカリ金属として、リチウムからなるものを用いると、本発明の金属酸化物が電極材料としてより好適なものとなる。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を構成するヘテロ原子としては、遷移金属原子が好ましい。遷移金属原子としては、遷移金属に分類されるいずれの金属の原子であってもよく、1種又は2種以上を用いることができるが、周期表の第7〜11族に属する遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の原子であることが好ましい。より好ましくは、Mn、Fe、Co、Ni等の周期表の第7〜10族の遷移金属原子であり、更に好ましくは、Fe、Coのいずれかである。
本発明の金属酸化物におけるアルカリ金属原子の数とヘテロ原子の数との比(ヘテロ原子数/アルカリ金属原子数)は、0.00001〜0.6であることが好ましい。このような範囲であると、本発明の金属酸化物が、ヘテロ原子が固溶したことによる効果をより充分に発揮することができる。アルカリ金属原子の数とヘテロ原子の数との比は、より好ましくは、0.0001〜0.4であり、更に好ましくは、0.001〜0.3である。
本発明の遷移金属固溶アルカリ金属酸化物は、下記式(1);
[A2−x]O (1)
(式中、Aは、アルカリ金属原子を表す。Bは、遷移金属原子を表す。xは、0<x<2の数を表す。)で表されるものであることが好ましい。本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物は、逆蛍石構造のアルカリ金属酸化物のアルカリ金属サイトが遷移金属原子で置換された構造のものであることが好ましく、そのような構造の金属酸化物は、上記式(1)で表すことができる。
上記式(1)においてAで表されるアルカリ金属原子、Bで表される遷移金属原子は、1種の原子であってもよく、2種以上の原子であってもよい。Aで表されるアルカリ金属原子、Bで表される遷移金属原子の具体例及び好ましい原子は、上述したアルカリ金属原子や遷移金属原子の具体例及び好ましい原子と同様である。
上記式(1)におけるxは、0.00002〜0.75であることが好ましい。より好ましくは、0.0002〜0.57であり、更に好ましくは0.002〜0.46である。
本発明はまた、逆ホタル石構造のアルカリ金属酸化物の結晶構造内の4配位サイトにヘテロ原子が固溶した構造を有するヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を製造する方法であって、上記製造方法は、メカノケミカル処理によりアルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子を固溶させる工程を含むヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物の製造方法でもある。
このような製造方法が本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を製造する方法として簡便であり好ましい。また、ヘテロ原子としては、遷移金属原子が好ましい。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物の製造方法は、メカノケミカル処理によりアルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子を固溶させる工程(以下においては、メカノケミカル処理工程ともいう)を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記メカノケミカル処理の具体的な方法は、メカノケミカル反応を起こす方法であれば特に制限されず、遊星ボールミル処理、ビーズミル処理、ボールミル処理やカッターミル処理、ディスクミル処理、スタンプミル処理、ハンマーミル処理、ジェットミル処理等のメカノケミカル反応を起こしうるミリング操作のいずれか1つ又は複数の方法が挙げられる。これらの中でも、メカノケミカル処理を充分に行う点から、遊星ボールミル処理が特に好ましい。
上記メカノケミカル処理を遊星ボールミル処理により行う場合、湿式、乾式のいずれで行ってもよいが、乾式で行うことが好ましい。
また、遊星ボールミル処理に用いる粉砕メディアは、質量の大きいものを用いることが好ましく、具体的には、0.00001g以上のものが好ましい。より好ましくは、0.001g以上のものであり、更に好ましくは、0.1g以上のものである。また、粉砕メディアは、通常、50000g以下のものを用いる。
粉砕メディアとしては、0.01〜500mmφの、ジルコニアボール、メノウボール、アルミナボール、タングステンカーバイドボール、鉄球、ステンレス球等を用いることができる。
遊星ボールミル処理に用いる粉砕メディアは、遊星ボールミル処理に用いる容器の体積と遊星ボールミルに供される化合物の量を考慮し、メカノケミカル処理が充分に行われるよう、適宜最適な数を選択して用いればよい。
更に、遊星ボールミル処理の回転数は、高いほうが好ましく、具体的には、10rpm以上の回転数が好ましい。より好ましくは、50rpm以上の回転数であり、更に好ましくは、100rpm以上の回転数である。また、遊星ボールミル処理の回転数は、通常、100000rpm以下で行われる。
このように、質量の大きい粉砕メディアを用い、高回転数で遊星ボールミル処理を行うことにより、メカノケミカル処理を充分に進めることができ、ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物をより高い収率で得ることができる。
上記ミリング操作を行う雰囲気は特に制限されず、空気下、不活性ガス下等、いずれの雰囲気下行ってもよいが、不活性ガス雰囲気下で行うことが不純物生成抑制の点から好ましい。不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴン等を用いることができる。
上記ミリング操作を行う時間は、0.1〜100000000時間が好ましい。より好ましくは、0.2〜10000000時間であり、更に好ましくは、0.3〜100000時間である。
上記メカノケミカル処理工程に供されるアルカリ金属成分、ヘテロ原子の成分は、それぞれ原子の単体であってもよく、酸化物等の化合物であってもよいが、アルカリ金属成分、ヘテロ原子の成分ともに酸化物が好ましい。すなわち、上記メカノケミカル処理工程は、アルカリ金属酸化物とヘテロ原子の酸化物とをメカノケミカル処理する工程であることが好ましい。アルカリ金属酸化物とヘテロ原子の酸化物とを用いることで、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が固溶した構造の化合物をより高い収率で製造することができる。
上記メカノケミカル処理工程に供するアルカリ金属成分とヘテロ原子の成分との割合は、アルカリ金属成分に含まれるアルカリ金属原子数とヘテロ原子の成分に含まれるヘテロ原子の数との比(ヘテロ原子数/アルカリ金属原子数)が、0.00001〜0.6なるような割合であることが好ましい。このような割合とすることで、アルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子が好ましい割合で固溶した構造の金属酸化物を得ることができる。より好ましくは、上記比が0.0001〜0.4なるような割合であることであり、更に好ましくは、0.001〜0.3なるような割合であることである。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物は、ヘテロ原子を固溶していないアルカリ金属酸化物に比べて、非常に低い電圧で酸化電流が流れることから、この化合物を用いて電極を形成した場合、低い電圧で充電することが可能となる。更に、高い電流密度で充放電を行うことも可能であるため、高速充放電が可能な点でも優位性を有している。
このため、本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物は、電極材料として好適な化合物である。また、この化合物は、酸素原子の含有割合が高いことから、酸素発生材料(酸素貯蔵物質)としての応用も期待される有用な化合物である。
このような、本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を含む電極材料もまた、本発明の1つである。また、本発明の電極材料を用いて形成される電極、及び、該電極を用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。
更に、このような、本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を含む酸素発生材料もまた、本発明の1つである。
本発明の電極材料(電極合剤)は、本発明の遷移金属固溶アルカリ金属酸化物を必須成分とし、導電助剤、有機化合物を含んで構成されることが好ましく、その他の成分を必要に応じて含んでいてもよい。
上記導電助剤としては、特願2013−162663号に記載のものと同様のものが挙げられる。上記導電助剤は、より好ましくは、グラフェン、ファイバー状カーボン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、金属である。
上記導電助剤は、電極における導電性を向上させる作用を有するものであり、1種又は2種以上を用いることが出来る。
上記導電助剤の配合量としては、電極材料(電極合剤)中のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物100質量%に対して、0.001〜300質量%であることが好ましい。導電助剤の配合量がこのような範囲であると、本発明の電極材料から形成される電極がより良好な電池性能を発揮することとなる。より好ましくは、0.01〜200質量%であり、更に好ましくは、0.05〜120質量%である。
上記有機化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン含有ポリマーの他、特願2013−162663号に記載のものと同様のものが挙げられる。
上記有機化合物、有機化合物塩の配合量としては、電極材料中のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物100質量%に対して、0.01〜50質量%であることが好ましい。これら有機化合物、有機化合物塩の配合量がこのような範囲であると、本発明の電極材料から形成される電極が、より良好な電池性能を発揮することとなる。より好ましくは、0.01〜45質量%であり、更に好ましくは、0.1〜40質量%である。
本発明の電極材料は、ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物、導電助剤、有機化合物以外の成分を含む場合、その配合量は、電極材料中のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜7質量%であり、更に好ましくは、0.1〜5質量%である。
本発明の電極は、遷移金属固溶アルカリ金属酸化物を必要により水及び/又は有機溶媒と、導電助剤や有機化合物と共に混練し、ペースト状としたものをアルミ箔等の金属箔やニッケルメッシュ等の金属メッシュ上に、できる限り膜厚が一定になるように塗工して乾燥する方法や、遷移金属固溶アルカリ金属酸化物、導電助剤、有機化合物を混練して粘土状にし、これを金属箔や金属メッシュに圧着する方法等を用いることができる。
本発明の電極は、正極、負極のいずれに用いてもよいが、正極として用いることが好ましい。したがって、本発明の電極材料は、正極材料として用いられることが好ましい。
本発明の電極を正極として用いた場合、負極としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属の他、特願2013−162663号に記載のものと同様のものが挙げられる。
本発明の電池を構成する電解液としては、特に制限されないが、アセトニトリルの他、特願2013−162663号に記載のものと同様のものが挙げられる。
本発明の電池を構成する電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOF)、LiN(SOCF、LiN(SO、Li(BC)、LiF、LiB(CN)等が挙げられる。
本発明の電池がセパレータを使用する場合、特願2013−162663号に記載のものと同様のものを用いることができる。
本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物は、上述の構成よりなり、アルカリ金属酸化物と比較して非常に低い電圧で酸化電流が流れるとともに、高い電流密度で充放電することが可能であることから、電極材料として好適であり、また、酸素原子の含有割合が高いことから、酸素発生材料(酸素貯蔵物質)としての応用も期待される有用な化合物である。
また、本発明のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物の製造方法は、このようなヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を簡便に製造することができる有用な方法である。
調製例1で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例2で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例3で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例4で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例5で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例6で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例7で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例8で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例9で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例10で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例11で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例12で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例13で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例14で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例15で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 調製例16で調製した固体粉末のXRD測定結果の図である。 実施例1の充放電試験の結果の図である。 実施例2の充放電試験の結果の図である。 実施例3の充放電試験の結果の図である。 実施例4の充放電試験の結果の図である。 実施例5の充放電試験の結果の図である。 実施例6の充放電試験の結果の図である。 実施例7の充放電試験の結果の図である。 実施例8の充放電試験の結果の図である。 実施例9の充放電試験の結果の図である。 実施例10の充放電試験の結果の図である。 実施例11の充放電試験の結果の図である。 実施例12の充放電試験の結果の図である。 実施例13の充放電試験の結果の図である。 実施例14の充放電試験の結果の図である。 実施例15の充放電試験の結果の図である。 実施例16の充放電試験の結果の図である。 実施例17の充放電試験の結果の図である。 実施例18の充放電試験の結果の図である。 比較例1の充放電試験の結果の図である。 比較例2の充放電試験の結果の図である。 実施例1〜4のCoK端XAFS測定の結果の図である。 実施例5〜8のCoK端XAFS測定の結果の図である。 実施例9〜12のCoK端XAFS測定の結果の図である。 標準試料のCoK端XAFS測定の結果の図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
(XRD測定)
XRD測定は、全自動水平型X線回折装置(リガク社製、SMART LAB)を用いて、以下の条件により行った。
CuKα1線:0.15406nm
走査範囲:10°−90°
X線出力設定:45kV−200mA
ステップサイズ:0.020°
スキャン速度:0.5°min−1−4°min−1
なお、XRD測定は、試料をグローブボックス中にて気密試料台に装填することにより、不活性雰囲気を保った状態で行った。
(XAFS測定)
CoのK端XAFS測定は透過放法にてSPring−8のBL14B2にて実施した。標準試料としてCoホイルについてCoのK端XAFS測定を行い、吸収端位置が7715eVとなるように、測定されたスペクトルのエネルギーを較正した。またCoのXAFSスペクトルにおける7709eV付近に現れるプレエッジピーク強度から各種元素の配位数を算出する方法が報告されている(山本孝著,X線分析の進歩, 38, 45-65 (2007)
調製例1(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料として酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.09gと酸化コバルト(Co、和光純薬工業社製)2.23gを遊星ボールミル用のポットに入れ、遊星ボールミル混合(混合条件;10mmφのジルコニアボール25個を用いて回転数600rpmにて180時間処理)を行った。作業は全てアルゴン置換された水分濃度1ppm以下のグローブボックス中で行った。得られた固体粉末のXRD測定結果を図1に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOとLiCoOの存在を確認した。得られた固体粉末57mg、導電助剤としてのアセチレンブラック68mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末6mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例2(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.19gと酸化コバルト(Co、和光純薬工業社製)1.16gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図2に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOとLiCoOの存在を確認した。得られた固体粉末67mg、導電助剤としてのアセチレンブラック77mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末6mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例3(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.43gと酸化コバルト(Co、和光純薬工業社製)0.66gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図3に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末51mg、導電助剤としてのアセチレンブラック60mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末6mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例4(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.63gと酸化コバルト(Co、和光純薬工業社製)0.36gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図4に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末57mg、導電助剤としてのアセチレンブラック60mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末5mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例5(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.30gと酸化コバルト(CoO、和光純薬工業社製)2.31gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図5に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末75mg、導電助剤としてのアセチレンブラック85mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末8mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例6(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.30gと酸化コバルト(CoO、和光純薬工業社製)1.15gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図6に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末59mg、導電助剤としてのアセチレンブラック61mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末5mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例7(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.94gと酸化コバルト(CoO、和光純薬工業社製)0.75gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図7に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末89mg、導電助剤としてのアセチレンブラック100mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末9mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例8(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)3.09gと酸化コバルト(CoO、和光純薬工業社製)0.39gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図8に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末87mg、導電助剤としてのアセチレンブラック93mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末9mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例9(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)2.42gとコバルト酸リチウム(LiCoO、STREM CHEMICAL社製)3.16gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図9に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOとLiCoOの存在を確認した。得られた固体粉末107mg、導電助剤としてのアセチレンブラック105mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末8mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例10(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)3.10gとコバルト酸リチウム(LiCoO、STREM CHEMICAL社製)2.03gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図10に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOとLiCoOの存在を確認した。得られた固体粉末92mg、導電助剤としてのアセチレンブラック94mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末7mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例11(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)3.40gとコバルト酸リチウム(LiCoO、STREM CHEMICAL社製)1.12gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図11に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末56mg、導電助剤としてのアセチレンブラック61mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末5mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例12(Co固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)4.95gとコバルト酸リチウム(LiCoO、STREM CHEMICAL社製)0.70gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図12に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末86mg、導電助剤としてのアセチレンブラック100mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末10mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例13(Mn固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)4.23gと酸化マンガン(MnO2、和光純薬工業社製)2.45gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図13に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末69mg、導電助剤としてのアセチレンブラック71mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末6mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例14(Fe固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)4.40gとα−酸化鉄(Fe3、和光純薬工業社製)2.34gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図14に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOの存在を確認した。得られた固体粉末45mg、導電助剤としてのアセチレンブラック47mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末4mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例15(Ni固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)4.11gと酸化ニッケル(NiO和光純薬工業社製)2.01gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図15に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOと酸化ニッケルの存在を確認した。得られた固体粉末57mg、導電助剤としてのアセチレンブラック60mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末4mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例16(Mo固溶LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)3.21gと酸化モリブデン(MoO3、和光純薬工業社製)3.10gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末のXRD測定結果を図16に示す。得られた固体粉末中、遷移金属固溶LiOと酸化モリブデンの存在を確認した。得られた固体粉末58mg、導電助剤としてのアセチレンブラック60mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末4mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
比較調製例1(LiO正極の調製工程)
正極活物質の原料を酸化リチウム(株式会社高純度化学研究所製)4.59gに変更した以外は調製例1と同様にして固体粉末を得た。得られた固体粉末71mg、導電助剤としてのアセチレンブラック78mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末8mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
比較調製例2 (LiCoO正極の調製工程)
正極活物質としてコバルト酸リチウム(STREM CHEMICAL社製)56mgと導電助剤としてのアセチレンブラック68mg、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末7mgをメノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合剤を得た。得られた正極合剤を60mgのアルミニウムメッシュに圧着して正極とした。
調製例1〜16及び比較調製例1、2における固体粉末中のアルカリ金属含有量と遷移金属/アルカリ金属モル比を以下の表1に示す。
Figure 0006281898
実施例1(2極式セルによる充放電試験)
充放電試験は市販の2極式セル(HSセル、宝泉社製)を用いて行った。ワーキング電極に調製例1において作成した正極合剤電極、カウンター電極にはリチウム金属を使用し、電解液には4.0M LiFSI アセトニトリル電解液(LiFSI:リチウムビスフルオロスルホニルイミド〔LiN(SOF)〕)を使用した。正極活物質に対して13.5mA/gの電流密度で充電を行った後に同様の電流密度にて放電を行った。電圧範囲は3.45V−2.0Vの範囲にて行った。充放電試験の結果を図17に示す。図17に示すように正極活物質として充放電が可能であることが示された。
実施例2〜16(2極式セルによる充放電試験)
ワーキング電極にそれぞれ調製例2〜16において作成した正極合剤電極を使用した以外は実施例1と同じ条件にて充放電試験を行った。充放電試験の結果を図18〜32に示す。図18〜32に示すように正極活物質として充放電が可能であることが示された。
実施例17(2極式セルによる充放電試験;電流密度依存性)
ワーキング電極に調製例2において作成した正極合剤電極を使用し、カウンター電極にはリチウム金属を使用し、電解液には4.0M LiFSI アセトニトリル電解液(LiFSI:リチウムビスフルオロスルホニルイミド〔LiN(SOF)〕)を使用した。正極活物質に対して様々な電流密度で充電を行った後に同様の電流密度にて放電を行った。充電深度は270mAh/gにて実施した。放電容量の電流密度依存性を図33に示す。図33に示すように、1000mAh/gを超える非常に高い電流密度においても充放電が可能であった。
実施例18(2極式セルによる充放電試験;サイクル特性)
ワーキング電極に調製例2において作成した正極合剤電極を使用し、カウンター電極にはリチウム金属を使用し、電解液には4.0M LiFSI アセトニトリル電解液(LiFSI:リチウムビスフルオロスルホニルイミド〔LiN(SOF)〕)を使用した。正極活物質に対して45mA/gの電流密度で充電を行った後に同様の電流密度にて放電を行った。充電深度は200mAh/gにて実施した。放電容量保持率の充放電サイクル数依存性を図34に示す。図34に示すように、15サイクル以上に渡って非常に安定した充放電が可能であった。
比較例1、2(2極式セルによる充放電試験)
ワーキング電極にそれぞれ比較調製例1、2において作成した正極合剤電極を使用した以外は実施例1と同じ条件にて充放電試験を行った。充放電試験の結果を図35、36に示す。図35、36に示すように比較調製例1、2において作成した正極合剤電極では充放電が不可能であることが示された。
実施例19
実施例1〜12と比較例2において得られた正極合剤についてCoK端XAFS測定を行い、そこから得られるCoK端XAFSにおけるプレエッジ強度を算出した結果を表2に示す。標準試料としてCoO(一酸化コバルト、平均配位数:6)、Co(酸化コバルト、平均配位数:5.33(33%が4配位、67%が6配位))、CoAl(平均配位数4)を用いた。実施例1〜4までについて実際のスペクトルを図37に図示した。実施例5〜8までについて実際のスペクトル、実施例9〜12までについて実際のスペクトル、及び、標準試料について実際のスペクトルをそれぞれ図38〜40に示した。
Figure 0006281898
標準試料のプレエッジ強度から分かるとおり、Coの配位数が小さくなるほどプレエッジ強度は増大する。実施例1〜12におけるプレエッジ強度はいずれの場合もそれぞれのCo前駆体のプレエッジ強度から大きく増大しており、標準試料との比較から実施例1〜12において大部分のCoは逆ホタル石構造のLiOの4配位サイトに部分的に固溶した状態であることが明らかとなった。一方で比較例2におけるプレエッジ高さは標準試料との比較からCoが6配位構造であることを示しており、本実施例にあるような特異的な構造を有していないことが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 逆ホタル石構造のアルカリ金属酸化物の結晶構造内の4配位サイトの一部にヘテロ原子が固溶した構造を有し、
    該アルカリ金属酸化物は酸化リチウムであり、
    該ヘテロ原子は、Fe、Co又はNiのいずれかであり、
    アルカリ金属原子の数とヘテロ原子の数との比(ヘテロ原子数/アルカリ金属原子数)が0.00001〜0.4である
    ことを特徴とするヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物。
  2. 前記ヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物は、下記式(1);
    [A2−x]O (1)
    (式中、Aは、リチウム原子を表す。Bは、Fe、Co又はNiのいずれかを表す。xは、0.00002〜0.57の数を表す。)で表されることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物。
  3. 請求項1又は2に記載のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を含むことを特徴とする酸素発生材料。
  4. 請求項1又は2に記載のヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を含むことを特徴とする電極材料。
  5. 請求項4に記載の電極材料を用いて形成されることを特徴とする電極。
  6. 請求項5に記載の電極を用いて構成されることを特徴とする電池。
  7. 逆ホタル石構造のアルカリ金属酸化物の結晶構造内の4配位サイトにヘテロ原子が固溶した構造を有するヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物を製造する方法であって、
    該製造方法は、メカノケミカル処理によりアルカリ金属酸化物の結晶構造内にヘテロ原子を固溶させる工程を含み、
    該メカノケミカル処理工程に供するアルカリ金属成分とヘテロ原子の成分との割合は、アルカリ金属成分に含まれるアルカリ金属原子数とヘテロ原子の成分に含まれるヘテロ原子の数との比(ヘテロ原子数/アルカリ金属原子数)が、0.00001〜0.4となる割合であり、
    該アルカリ金属酸化物は酸化リチウムであり、
    該ヘテロ原子は、Fe、Co又はNiのいずれかである
    ことを特徴とするヘテロ原子固溶アルカリ金属酸化物の製造方法。
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