JP6280993B2 - 無線通信システムおよびその利用システム - Google Patents

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Description

本発明は、高信頼な無線通信を実現する無線機を使用する無線通信システムおよびその利用システムに係り、特に無線機の置かれる環境が電波を反射・散乱する障害物を具備し障害物により発生する多重波を用いて、送受信点間に複数の識別可能な無線伝送路を形成し、それらを得率に用いて情報を伝送可能な無線通信システムおよびその利用システムに関する。
持続的成長可能な産業を実現する為に、エネルギ消費の高効率化と産業廃棄物削減を両立させる新しい、エネルギの発生・分配システムの実現が社会的に要請されている。そのようなエネルギ発生・分配を目的とした、新たなエネルギ・通信融合ネットワークの構築が世界各地で進んでいる。
このエネルギ・通信融合ネットワークは、エネルギの発生・分配そして消費に預かる各種機器を同ネットワークで繋ぎ、各種機器の稼働状況および周囲環境に関する情報をすべてあるいは特定の機器で共用し、同情報を用いてネットワークで繋がれた機器の稼働状態を制御して、ネットワークで結合したすべての機器が達成する性能をシステム全体として最適化することを目標とする。
同ネットワークの実現においては、結合すべき機器の総数が非常に大きいため、ネットワークの導入コストおよび保守コスト低減の為、無線ネットワークの使用が期待されている。
無線ネットワークはその導入・保守コストの低下が期待できる一方で、無線通信の伝送媒体となる電磁波の物理的性質により、ネットワーク上に流れるデータが外部からの雑音、妨害波にさらされる為、同データを用いた各種機器の制御・監視情報の信頼性確保が困難であるという問題がある。
特に、エネルギ・通信融合ネットワークで結合される各種機器が、電力、水道、ガス等の一般市民の生活に直結した資源を生成・分配する場合、同データの劣化および欠落により、市民生活は大きな打撃を受ける事は必至で、各種機器の制御・監視情報の信頼性確保が困難であるという問題は、エネルギ・通信融合ネットワークを無線技術で実現するために必ず解決しなければならない。
無線による通信は、通信の送受信点間に存在する各種機器が電磁波散乱体として作用するので、各種機器による反射により複数の多重反射伝搬路を介して、送信点から受信点に至る複数の異なるパスを通じて行われる。多重反射による複数のパスは送信点と受信点で固有のもので、送受信点以外の他の空間点では、送信点から受信点へと至る複数のパスとは異なるパスを経由して送信点からの信号が他の空間点に到達し、他の空間点から発生する信号も、送信点から受信点へと至る複数のパスとは異なるパスを経由して受信点に到達する。
従って、送信点から受信点へと至る複数のパスを選択あるいは組み合わせることによって、送受信点間で他の空間点では獲得できない情報を伝送する可能性が生じる。このような原理を用いた背景技術として、特許文献1がある。特許文献1では、伝送すべき情報信号をデジタル化し平衡変調器と直交2アンテナを送信機に用い、偏波の回転/固定の2状態をデジタル信号に対応させてデータ伝送を行う。また、特許文献2では、伝送すべき情報信号を元に2つの系列のデータを生成し、各々を異なる回転方向の回転偏波で送信する。
特開平10−135919号公報 特開2006−254112号公報
これら背景技術では、送受信間で伝送中の信号が受ける雑音および妨害に対し、前者では偏波に対する擾乱を回避し、後者では2つの異なる偏波によって単一偏波に比べて偏波に対する擾乱を軽減して、送受信間の信頼性を向上させている。
いずれの技術においても送受信間に存在する複数の伝搬路を纏めて一つの伝送路として通信を行い、送受信間に発生する異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対して、個々の該雑音および妨害に対する対応は出来ず、送受信間の通信信頼性確保に問題が生じている。
以上のことから本発明が解決しようとする課題は、送信機と受信機の間に電磁波の散乱体が複数存在し、送信機から発射された電磁波が散乱体により多重反射を受けそれらがお互いに干渉して受信機に到達する電波環境において、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して、送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムおよびその利用システムの提供にある。
以上のことから本発明においては、偏波が回転する搬送波に強相関符号を重畳して搬送波を送信する送信機と、送信機からの受信偏波における強相関符号を用いて送受信機の同期を確立する受信機とで構成された無線通信システムであって、受信機は、複数の異なる偏波で信号を受信し、複数の受信偏波のそれぞれについて、受信偏波に対応する受信信号と強相関符号の相関値を用いて送受信機の同期を確立し、相関値と閾値を比較して特定の受信偏波および同偏波に対応する受信信号を抽出し、同期タイミングのずれから送信偏波角度を計算し、複数の送信偏波角度に対応する特定の受信偏波および同偏波に対する受信信号を用いて、異なる伝播路により伝送された信号を分離・選択する。
本発明によれば、送信機と受信機の間に電磁波の散乱体が複数存在し、送信機から発射された電磁波が該散乱体により多重反射を受けそれらがお互いに干渉して受信機に到達する電波環境において、送受信間に刻々と変化する複数の伝送路を実現でき、これら複数の伝送路を経て受信機に到来する信号を選択あるいは重み付け合成することで同信号に含まれる情報を高信頼に復元することが可能となり、高信頼無線通信を実現する効果がある。
実施例1に係る無線通信システムの構成例を示す図。 電波を反射・散乱する障害物を具備する環境における通信の一例を示す図。 実施例2に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図。 実施例3に係る無線通信システムの受信機および強相関符号の構成例を示す図。 実施例4に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図。 実施例5に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図。 実施例6に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図。 実施例7に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図。 実施例8に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図。 実施例9に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図。 実施例10に係る無線通信システムを適用した昇降機システムの構成例を示す図。 実施例11に係る無線通信システムを適用した変電設備監視システムの構成例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
実施例1では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの構成例を説明する。
図2は、電波を反射・散乱する障害物を具備する環境における通信の一例を示す図である。この例では、通信の送受信点(送信点TX、受信点RX)間に存在する各種機器Dが電磁波散乱体として作用するので、各種機器Dによる反射により複数の多重反射伝搬路を介して、送信点TXから受信点RXに至る複数の異なるパスPを通じて通信が行われる。またここでは回転偏波通信を実施しており、送信点TXと受信点RXには、90度直交する2つのアンテナをそれぞれ備えている。回転偏波通信とは、偏波が搬送波周波数以下の任意の周波数で進行方向に直交して回転する電波を用いる通信である。なお回転偏波は偏波面が図示のように回転しており、時間Tの経過とともに偏波面の位相が変化している。このため一般的には送信点における位相(送信側位相φ)と、受信点における位相(受信側位相θ)が相違することになる。
図1は、実施例1に係る無線通信システムの構成例を示す図である。実施例1の無線通信システムでは、送受信間の異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対して、これらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現するものである。
図1の無線通信システムでは回転偏波通信を採用している。このため、送信機Tと受信機Rには、90度直交する2つのアンテナをそれぞれ備えている。送信機T側のアンテナAT1、AT2は互いに直交位置にあり、また受信機R側のアンテナAR1、AR2も互いに直交位置にある。送出される電波Wは、図2に示したように、偏波面が回転し、時間Tの経過とともに位相が変化する回転偏波である。
回転偏波送信を実現すべく、送信機T側ではデジタル信号処理デバイス4において生成した、2つの異なる周波数の信号によってビートを形成する送信信号を送信アンテナの一方AT1に与え、同じ送信信号をビート周波数90度移相回路3経由で送信アンテナの他方AT2に与えている。
送信機T内のデジタル信号処理デバイス4は、強相関符号発生器5と2つの周波数成分をもつビート波形発生器6とデジタルデータ生成回路11から構成されている。ここでは、デジタルデータ生成回路11で作成された信号が強相関符号発生5で作成された強相関符号と重畳され、ビート波形発生器6で作成された搬送波信号に変調を施している。
デジタル信号処理デバイス4は変調信号(ビート波形発生器6出力)を2系統出力し、一方は直接第1の送信アンテナAT1から、他方は90度移相回路3を介して第2の送信アンテナAT2から、電波として空間に放射する。放射された電波は、ビート周波数で偏波が回転して受信機Rへと到達する。
受信機Rでは、互いに直交する第1の受信アンテナAR1と第2の受信アンテナAR2により、送信機Tから放射された電波を受信しているが、この場合の受信は電波が反射・散乱する障害物の影響により送信点TXから受信点RXに至る複数の異なるパスPを通じて得られたものである。このため、受信信号は複数パスからの複数の受信側位相θ(以下単に受信角という)のものであり、また複数パスからの複数の遅延時間Tのものであると考えられる。図2において、未知の受信角θと未知の遅延時間Tの組み合わせになる受信信号が複数受信されていると考えられる。
このため図1の受信機R側には複数の受信回路を備えている。第1の受信回路R1は、受信角がθ1であり、複数の遅延時間T(T、2T、3T・・)を有する。第Nの受信回路RNは、受信角がθNであり、複数の遅延時間T(T、2T、3T・・)を有する。この結果、特定の受信角と特定の遅延時間の組み合わせにおいて高感度の受信が検知される。かつ高感度の受信は、複数パスに対応した複数組のものが得られていてもよい。
複数準備された受信回路は基本的に同一構成とされるので、ここでは第1の受信回路R1の例で説明する。受信回路R1では、まず第1の受信アンテナAR1からの信号に余弦重みを与える余弦重み回路13と、第2の受信アンテナAR2からの信号に正弦重みを与える正弦重み回路14とを備え合成器16でこれらを加算する。この場合に、受信回路R1で与える重みは受信角がθ1である。なお重みを決定する受信角θ1は、それぞれの受信回路に設けられた偏角制御回路15で指定した偏波角度に対応して設定されている。
この一連の処理により、受信した信号の実際の受信角と想定した角が合致する受信回路では、大きな感度で信号が得られ、不一致の受信回路では、小さな感度で信号が得られることになる。
次に合成器16からの合成出力は、強相関符号発生回路19で生成される強相関符号と可変遅延回路18および乗算器17および復調回路20により、スライディング相関計算が行われる。強相関符号発生回路19で生成される強相関符号は、送信側における強相関符号発生5で作成された強相関符号と基本的に同じものである。これにより、復調回路20からは、最も相関の高いビット位置での信号が再現される。復調回路20の出力は、各閾値発生回路22の閾値と比較器21で比較され、その比較結果δがベースバンド回路24に入力され、保持される。
また乗算器17の出力は、複数の遅延器23の縦続接続回路によって異なる遅延が与えられ、送信機Tが送信する各送信偏波角度φに対応して、等間隔でずれた時間タイミングの複数の信号eがベースバンド回路24に入力される。
このようにして、偏波が回転する送信信号は、送受信間に存在する複数の電波散乱体により、異なる複数の伝搬路を経由して異なる固有の偏波角度シフトを蒙り受信機に到達し、受信機に到達した異なる偏波角度シフトを受けた複数の受信信号は、偏波角度シフト毎に偏波を回転させながら受信機で再生され、更にそれぞれの再生信号は異なる遅延Tを受けて分離後ベースバンド回路24の入力となる。
かくしてベースバンド回路24の入力としては、各受信回路Rから相関比較結果δ、時間タイミングの複数の信号e、偏角制御回路15で指定した偏波角度θの各信号が与えられ、この組み合わせは受信回路の数の分だけ得られる。この組み合わせは、電波が反射・散乱する障害物の影響により送信点TXから受信点RXに至る複数の異なるパスPを反映したものであり、偏角制御回路15で指定した偏波角度θと合致しない受信回路からの組み合わせ出力と、合致する受信回路からの組み合わせ出力は明確に区別される。
この結果を用いてベースバンド回路24は、異なる送信偏波に対応する異なる受信偏波を有する信号の和を用いて異なる偏波シフトを受けた個別の受信信号をデジタル信号処理によって再構成することが出来る。
図1に示すように送信偏波の計算は、偏波の回転周期をTpとして、送受信間で信号の同期を強相関符号を用いてとった後は、特定の送信信号の開始タイミングから遅延器23の遅延量Tを用いてnT/Tp(n:整数)により実行される。
受信機Rが受信する複数の異なる偏波角度シフトを受けた信号の和の、異なる受信偏波における値は、互いに直交する2つの受信アンテナAR1およびAR2と余弦重み回路13と正弦重み回路14によって計算でき、その値は重み回路13および14を制御する偏角制御回路の出力θiに等しい。
ベースバンド回路24はこれらの値と、受信機Rが異なる受信偏波で得た受信信号の値eを用いて(1)式、(2)式に従うデジタル信号処理によって送信機から異なる偏波角度シフトを受けた異なる伝搬路を経由した信号を個別に再生可能となる。
Figure 0006280993
Figure 0006280993
まず(1)式の考え方について説明する。受信機Rには複数の偏波角度θで到来する電磁波を受信する。この受信波は受信アンテナARを機械的に回転させて受信すればよいが、二つの直交するアンテナAR1、AR2の出力を用いてこれらに余弦重み回路13、正弦重み回路14においてcos、sinの重み付けをして足すことで電気的に実現可能である。
各偏波角度θで到来した電磁波のうち、あるものはその電界強度が低く電波に重畳されている信号を復元できない場合がある。(1)式では、この弱い信号を、相関比較結果δを用いて判別している。(1)式は、複数の偏波角度θごとに、そのときの相関比較結果δを乗じた結果を表している。受信した電界強度をある閾値で比較した答えは、電界強度が低い場合は「0」、電界強度が高い場合は「1」となる。従って、相関比較結果δがゼロに相当するある偏波角度θで受信された電波は除去する。これによってもともと異なるN種の偏波角度で受信された電波のうちL(L<N)種の受信電波のみを使って信号処理を行えばよいことになる。
次に(2)式の考え方について説明する。上記処理により、受信機Rでは相関比較結果δによりN種の偏波角度θからL種の偏波角度θに対応する受信信号のみを選んで信号処理を行うことになる。
ここで、送受信間にL種の異なる伝送路を数学的に作り出すことを考える。まず送信偏波角度φと受信偏波角度θは、独立に変化できる。即ち、送信偏波角度φは、回転偏波を用いているので回転偏波の一周期中の異なるL個の時間点を取れば良く、ここでは同周期をN分割した差分を1からL倍することで実現することができる。受信偏波角度θは、直交する二つのアンテナAR1、AR2にL種の異なる位相重みを付けることで実現できるので、相関比較結果δ=1となるすべての位相重みの種類を用いればよいことになる。
この条件の下、送信機Tから同一の信号sを送信して、受信機Rでは異なるL種のタイミング(t=T/Tp、2T/Tp、・・・LT/Tp)ごとに信号を異なる受信偏波角度について足し合わせる。ここでL種の伝搬路ごとに特定の係数hi(i=1、2、・・・L)があると想定して、同一の信号に対して異なる足し合わせた信号を対応させれば、L種の伝搬路ごとに特定の係数hiに対する方程式が作り出せる。
但し、受信信号は各受信偏波角度θに対する異なる時間についての総和になっているので、受信機Rに到来する複数の電磁波の位相がランダムに分布していると、このままでは方程式の定数ベクトルの値が等しくなり、L種の伝搬路ごとに特定の係数hiを求める方程式が不安定になる。
これ避けるために定数ベクトルに何らかの重みを付けることになるが、ここでは、各受信偏波角度θの余弦値の逆数を選んでいる。その理由は、該方程式の係数行列を送信偏波角度θと受信偏波角度φの差の正弦値としているためである。正弦値とする根拠は、送受信間で反射が発生すると、そこで偏波角度のシフトが起こり、そのシフトは送信偏波角度φと受信偏波角度θの差と強い相関を持つと考えられるからである。ここでは正弦値を用いているが、余弦値を用いることでも実現可能である。
さて、係数行列の要素が偏波角度の正弦値であることから、L種の伝搬路ごとに特定の係数hiを求める演算(上記行列方程式)では、正弦値の逆数と類似した性質をもつ関数が定数ベクトルの要素に掛け合わされる。この値の変動を小さくする為に定数ベクトルの重み付けを余弦値の逆数としている。定数ベクトルの要素を送信偏波角度φと受信偏波角度θの差の余弦値とした場合は、定数ベクトルの重み付けは正弦値の逆数とする。
(2)式では、以上のように、送信偏波角度φと受信偏波角度θをそれぞれ可変の変数とすることで、送受信間に定量的な計算可能な係数で表される仮想的な複数の伝搬路の形成を数式表現している。伝搬路の特性を定量的に計算可能な係数で表すことにより、同係数を用いて、形成した伝搬路を数学的に独立して扱うことが出来、仮想空間でのことではあるが、送受信間に複数の識別・選択可能な伝搬路を実現することができる。
本デジタル信号処理は逆行列演算を含むので、(2)式の行列の条件が悪い場合は計算が不能となり、異なる伝搬路を経由した信号の個別再生困難となる。行列の条件が悪いということは性質が似通う伝搬路を識別しようとすることに他ならない。
この問題の解決は、受信機が異なる受信偏波で得た受信信号の性質を確かめておいて似通った性質の受信信号は用いないことで実現できる。伝搬路が何らかの雑音付加あるいは妨害経験を受ければ、送信機が送信した強相関符号に何らかの外乱が加わり受信機で同強相関符号のレプリカとの相関計算結果は変化するので、受信信号と強相関符号との相関をとり、その相関値の違いにより異なる伝搬路の識別が可能となる。
具体的には相関値の計算結果をあらかじめ定めておいた複数の閾値によって、逆行列計算が可能な程度に性格が異なる伝搬路を取捨選択して、異なる伝搬路を経由した信号を個別に再生可能とする。
なお図1のベースバンド回路24に入力された、各受信回路Rからの相関比較結果δ、時間タイミングの複数の信号e、偏角制御回路15で指定した偏波角度θの各信号は、それぞれ以下の意味合いを有している。まず相関比較結果δは、受信信号が識別可能か否かを判断する識別可否信号である。時間タイミングの複数の信号eからは、図2の送信側の角度φを推定できる。偏波角度θは図2の受信側偏波角度である。つまり、図2における送り側と受け側の位相の関係と、この関係の時に受信が可能か否かの情報を含んだものになっている。
実施例1によれば、送受信機間に存在する異なる複数の伝搬路を経由して伝達される信号を、複数の伝搬路ごとに個別に再生可能であるから、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する効果がある。
実施例2では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図3は、実施例2に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図である。図1の実施例1の受信機Rと異なる点は、異なる伝搬路を経由した信号を個別に再生するための行列計算に必要となる、異なる受信偏波で得られた受信信号の識別を、復調信号の品質で行うことである。実施例1では、相関計算の最大値で受信信号の識別を行っていた。
図3の実施例2では、各受信偏波に対応する復調回路20の復調結果が信号品質閾値発生回路49の生成する信号品質閾値と比較器21で比較されベースバンド回路24に入力される。
送受信間に形成される伝搬路に雑音が加えられた場合、受信信号と強相関信号のレプリカによる相関値の計算結果が低くなくても、受信信号の信号対雑音比が大きく劣化する可能性がある。本実施例によれば、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加が妨害に対して主体的な場合、この雑音付加に対する送受信間の通信信頼性を向上させる効果を向上させることができる。
実施例3では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図4は、実施例3に係る無線通信システムの受信機および強相関符号の構成例を示す図である。図1の実施例1の受信機と異なる点は、実施例3で用いる強相関符号は等分割され、各分割された部分間の相関値が高く設定されていることである。
具体的には、乗算器17の出力が強相関符号を分割した数だけ分岐される。そして分岐部分ごとに、強相関符号部分符号発生回路25と第2の可変遅延回路27と第2の乗算器28と第2の復調回路26によって回路構成する。そのうえで第1の分岐部分の第2の復調回路26は、強相関符号CCの一部C1を割り当て、第2の分岐部分の第2の復調回路26は、強相関符号CCの一部C2を割り当てるように分割する。
この分岐部分の構成は、強相関符号発生回路19と可変遅延回路18と乗算器17と復調回路20による回路構成と同一の回路構成であり、この分岐部分の構成により、各受信偏波で受信された信号が強相関符号の各部分と、強相関符号の部分符号とそれぞれスライディング相関計算を行い、受信信号を時間軸上で分割した各部分ごとに抽出してベースバンド回路24に入力することができる。
実施例3によれば、送信信号の強相関符号を分割した各時間領域で異なる情報を送信し、受信機は各時間領域に対応する異なる時間で信号を分離して情報を再生できるので、異なる時間領域で情報を多重化して伝送することが出来、送受信間の情報伝送容量拡大あるいは情報伝送信頼性向上に効果がある。
実施例では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図5は、実施例4に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図である。図1の実施例1の送信機Tと異なる点は、用いる強相関符号としてCPとCSの2種類がある点である。図5では、送受信間の同期を取る為の同期捕捉用強相関符号発生回路7と同期維持用強相関符号発生回路8を具備し、強相関符号発生5にそれぞれ異なる符号を選択的に伝送する。
送受信間に存在する電磁波を散乱する物体の動きが小さい場合、受信機Rが一度同期を捕捉した後は、その同期が外れることが少ない可能性が大きい。実施例4によれば、そのような状況で、同期捕捉用強相関符号発生回路7が生成する符号として相関値が極大となる符号を用いて、同期維持用強相関符号発生回路8が生成する符号として相関値以外の特性、たとえば強相関特性が周期性を持つ特性を持つもの用いれば、一度同期が捕捉された後に通信に他の機能を付与することができる。
図5の実施例4の構成は、アナログ回路で送信機を構成する場合に好適である。
実施例5では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図6は、実施例5に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図である。図1の実施例1の送信機と異なる点は、直交アンテナAT1、AT2に90度位相の相違する信号を与えるための回路構成が相違している。直交アンテナAT1側に対しては余弦処理を行い、直交アンテナAT2側に対しては正弦処理を行うことで、90度位相の相違する信号を与えている。
実施例5では、デジタル信号処理デバイス4において強相関符号発生器5とデジタルデータ生成回路11の重畳信号を出力する。この点は実施例1と同じである。図6の構成ではこの後段に、第1の周波数の余弦発信機30と第1の周波数の正弦発信機35と第2の周波数の余弦発信機33と第2の周波数の正弦発信機38と第1の送信ミキサ31と第2の送信ミキサ32と第3の送信ミキサ36と第4の送信ミキサ37と送信加算回路34と送信減算回路39を具備している。
具体的には、デジタル信号処理デバイス4の出力が4系統に分岐され、第1の系統ではデジタル信号処理デバイス4の出力に第1の周波数の余弦発信機30の出力が第1の送信ミキサ31において掛け合わされ、第2の系統ではデジタル信号処理デバイス4の出力に第2の周波数の余弦発信機33の出力が第2の送信ミキサ32において掛け合わされる。第3の系統ではデジタル信号処理デバイス4の出力に第1の周波数の正弦発信機35の出力が第3の送信ミキサ36において掛け合わされ、第4の系統ではデジタル信号処理デバイス4の出力に第2の周波数の正弦発信機38の出力が第4の送信ミキサ37において掛け合わされる。
さらに第1の送信ミキサ31の出力と第2の送信ミキサ32の出力が送信加算回路34において加算されて第1の送信アンテナAT1より放射され、第3の送信ミキサ36の出力と第4の送信ミキサ37の出力が送信減算回路39において減算されて第2の送信アンテナAT2より放射される。
実施例5によれば、偏波が回転する送信波を4つの発信機と4つのミキサと加算回路と減算回路によって実現可能であり、これらはデジタル信号処理にて置き換えることが出来るので装置の小型化および製造コスト低減に効果がある。
実施例6では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図7は、実施例6に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図である。図1の実施例1と異なる点は、受信信号に対する重みづけの部分を工夫した点である。
複数の余弦重み回路13と正弦重み回路14と偏角制御回路15と合成器16の代わりに、第1の周波数の余弦局部発信機41と第1の周波数の正弦局部発信機51と第2の周波数の余弦局部発信機45と第2の周波数の正弦局部発信機55と第1の受信ミキサ42と第2の受信ミキサ43と第3の受信ミキサ52と第4の受信ミキサ53と加算分配回路46と減算分配回路56と余弦移相回路44と正弦移相回路54と総和回路40を具備した点である。
第1の送信アンテナAR1より受信された信号は、加算分配回路46により同相で2分岐され、一方は第1の周波数の余弦局部発信機41の出力と第1の受信ミキサ42により掛け合わされ、他方は余弦移相回路44を介した第2の周波数の余弦局部発信機45の出力と第2の受信ミキサ43において掛け合わされ、両者は総和回路44の入力となる。
同様に、第2の送信アンテナAR2より受信された信号は、減算分配回路56において逆相で2分岐され、一方は第1の周波数の正弦局部発信機51の出力と第3の受信ミキサ52において掛け合わされ、他方は正弦移相回路54を介した第2の周波数の正弦局部発信機55の出力と第4の受信ミキサ53において掛け合わされ、両者は総和回路40の入力となる。総和回路44の出力が乗算器17の入力となり、正弦移相回路54はその移相量をベースバンド回路24に入力する。上記の構成は、図1の実施例1と同様に異なる移相量によって複数並列に設置される。
実施例5によれば、図1の実施例1の受信機の機能を、余弦重み回路および正弦重み回路不要で実現できるので、両重み回路の重み量のアンバランスによる受信偏波の偏波角度精度劣化の問題を解決し、受信信号の偏波角度の違いを用いる異なる伝搬路の識別を容易とする効果がある。
実施例7では、本発明の送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図8は、実施例7に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図である。図1の実施例1の送信機と異なる点は、実施例7で用いる強相関符号は等分割され、各分割された部分(C1、C2、C3、C4)間の相関値が高く設定されていることである。
実施例7によれば、送信信号の強相関符号を分割した各時間領域で異なる情報を送信し、受信機は各時間領域に対応する異なる時間で信号を分離して情報を伝送できるので、異なる時間領域で情報を多重化して伝送することが出来、送受信間の情報伝送容量拡大あるいは情報伝送信頼性向上に効果がある。
実施例8では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図9は、実施例8に係る無線通信システムの送信機の構成例を示す図である。図6の実施例5の送信機と異なる点は、デジタル信号処理デバイス4を2系統4A、4Bに分割した点である。
第1のデジタル信号処理デバイス4Aは、第1の強相関符号発生器5Aと第1のデジタルデータ生成回路11Aの重畳信号を出力し、第2のデジタル信号処理デバイス4Bは、第2の強相関符号発生器5Bと第2のデジタルデータ生成回路11Bの重畳信号を出力する。
また2系統4A、4Bのデジタル信号処理デバイス4からの出力を直交アンテナAT1、AT2に90度位相の相違する信号として与えるための回路構成として、以下の構成を採用している。具体的には、第1の周波数の余弦発信機30と第1の周波数の正弦発信機35と第2の周波数の余弦発信機33と第2の周波数の正弦発信機38と第1の送信ミキサ31と第2の送信ミキサ32と第3の送信ミキサ36と第4の送信ミキサ37と送信加算回路34と送信減算回路39を具備している。
この回路構成では、第1のデジタル信号処理デバイス4Aの出力が2系統に分岐され、分岐の一方では第1のデジタル信号処理デバイス4Aの出力に第1の周波数の余弦発信機30の出力が第1の送信ミキサ31において掛け合わされる。また分岐の他方では第1のデジタル信号処理デバイス4Aの出力に第1の周波数の正弦発信機35の出力が第3の送信ミキサ36において掛け合わされる。
また第2のデジタル信号処理デバイス4Bの出力が2系統に分岐され、分岐の一方では第2のデジタル信号処理デバイス4Bの出力に第2の周波数の余弦発信機33の出力が第2の送信ミキサ32において掛け合わされる。また分岐の他方では第2のデジタル信号処理デバイス4Bの出力に第2の周波数の正弦発信機38の出力が第4の送信ミキサ37において掛け合わされる。
その後、第1の送信ミキサ31の出力と第2の送信ミキサ32の出力が送信加算回路34において加算されて第1の送信アンテナAT1より放射される。また第3の送信ミキサ36の出力と第4の送信ミキサ37の出力が送信減算回路39において減算されて第2の送信アンテナAT2より放射される。
本実施例によれば、偏波が回転する送信波を構成する2つの周波数の信号に異なるデジタルデータにより変調をかけて同信号を伝送することが出来るので、送受信間の通信容量あるいは通信信頼性を倍化させる効果がある。
実施例9では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図10は、実施例9に係る無線通信システムの受信機の構成例を示す図である。図7の実施例6と異なる点は、受信回路部分RA(乗算器17と強相関符号発生回路19と可変遅延回路18と復調回路20と比較器21と閾値発生回路22と遅延器23と総和回路40からなる構成要素)と同様の構成RNが複数追加設置された点である。追加設置された受信回路部分RNは、第2の乗算器67と第2の強相関符号発生回路69と第2の可変遅延回路68と第2の復調回路70と第2の比較器71と第2の閾値発生回路72と第2の遅延器73と第2の総和回路60により構成されている。
追加設置された受信回路部分RNでは、第1の受信ミキサ42の出力と第3の受信ミキサ52の出力が総和回路40の入力となり、第2の受信ミキサ43の出力と第4の受信ミキサ53の出力が第2の総和回路60の入力となり、それぞれの総和回路の出力および正弦移相回路54の移相量がベースバンド回路24の入力となる。
実施例9によれば、図7の実施例6に記した手段により、2つの周波数成分を含む偏波が回転する電磁波によって伝送される異なる2つの周波数成分に含まれる情報を個別に抽出可能となるので、送受信間の通信容量あるいは通信信頼性を倍化させる効果がある。
実施例10では、本発明の送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図11は、実施例10に係る無線通信システムを適用した昇降機システムの構成例を示す図である。実施例10の昇降機システム1100は、昇降機が設置される建物1101の内部を昇降カゴ1111が昇降する。建物1101の内部の床部および天井部には、無線通信システムの送信機および受信機を具備する基地局無線機1103基地局2直交偏波1体アンテナ1102が結合し設置される。
また昇降機1111の外部天井と外部床面には、其々無線通信システムの送信機および受信機を具備する端末局2直交偏波1体アンテナ1112が設置され、高周波ケーブル1114を用いて端末無線機1113に結合している。
このように昇降機システムにおける無線通信は、建物内の空間を利用し、かつ移動体との間での通信を行う環境で行われ、基地局無線機1103と端末局無線機1113は、建物1101の内部を無線伝送媒体とするので、建物1101の内壁および昇降機の外壁により電磁波は多重反射を受け、多重波干渉環境が形成される。
本発明による無線通信システムの送信機および受信機を具備する基地局によれば、外部者からの伝搬路改変行為を検出し同改変に対して送受信間の通信品質の低下を補償する高品質の無線伝送が実現可能となるので、同無線機を用いた無線接続手段を用いて、昇降機1111の制御・監視を建物1101より有線接続手段を用いずに遠隔で実施できる。この結果、ケーブル等の有線接続手段を削除可能で、同一の輸送能力をより小さい建物体積で実現でき、あるいは同一の建物体積で昇降機寸法を増大させることによる輸送能力向上を実現できる。
実施例11では、送受信間で異なる複数の場所において発生する信号に対する雑音付加および妨害に対してこれらを除去あるいは低減して送受信間で高信頼の通信を実現する無線通信システムの他の構成例を説明する。
図12は、実施例11に係る無線通信システムの送信機および受信機を具備する無線機を適用した変電設備監視システムの構成例を示す図である。
変電設備監視システム1200は、複数の変電機1201で構成されている。各変電機1201には、本発明の無線通信システムの送信機および受信機を具備する端末局無線機1203と、端末局2直交偏波1体アンテナ1202が結合し設置されている。また複数の変電機1201の近傍には、変電機1201の数よりも少ない数の複数の無線通信システムの送信機および受信機を具備する基地局装置1211が設営されている。基地局装置1211には、基地局無線機1213と基地局2直交偏波1体アンテナ1212が結合し設置される。
この場合に、変電機の寸法は数mのオーダーであり無線機が使用する電磁波の周波数である数百MHzから数GHzに対応する波長に比べ圧倒的に大きいため、複数の変電機1201により電磁波は多重反射を受け、多重波干渉環境が形成される。
実施例11では、多重波干渉環境下で外部者からの伝搬路改変行為を検出し同改変に対して送受信間の通信品質の低下を補償する高品質の無線伝送が実現可能となるので、同無線機を用いた無線接続手段を用いて、変電機1201の制御・監視を複数の基地局装置1211により有線接続手段を用いずに遠隔で実施できる。この結果、ケーブル等の有線接続手段を用いる場合に問題となる高圧誘導電力の問題を解決でき、同ケーブルの敷設コストを削除できるので、変電機1201の制御・監視システムの安全性向上およびコスト削減に効果がある。
以上説明した本発明によれば、送信機は偏波が回転する電磁波に同回転周期を持つ強相関符号を重畳し、同符号に信号を変調して送信し、受信機は強相関信号のレプリカを具備し偏波が回転する信号を受信し、強相関符号により送受信間の同期を取り送信機が送信した偏波毎に複数の信号を分離し、各偏波毎に受信信号と強相関信号の相関を計算し相関値を得、同相関値をあらかじめ設定された閾値と比較し比較値を得、同比較値を用いて各偏波毎の受信波を選択し、同選択された受信波から信号を復調する。
送信機は回転する偏波を用いて信号を送信し、信号は送受信間に存在する複数の電波散乱体となる構造物により多重反射を受け異なる経路を経て異なる偏波角度のシフトを受けて受信機に到達する。
これにより、受信機は強相関符号を用いて送信機がどのタイミングでどの偏波角度を送信したかを知ることができ、同一の時刻で、同一の送信偏波に対応する受信信号を異なる偏波角度シフトを受けた受信信号毎に分離することが出来る。
分離された信号の受信品質を受信信号と該強相関信号との相関計算により計算することができ、受信品質毎に分離された受信信号をグループ分けすることができる。受信機はグループ分けされた受信信号を選択あるいは適当な重みを付けて合成することで、送受信間に複数の伝搬路が存在しそれを選択・合成して通信を行う高信頼通信を実現することができる。
101:第1の送信アンテナ(AT1)102:第2の送信アンテナ(AT2)、3:ビート周波数90度移相回路、4:デジタル信号処理デバイス、5:強相関符号発生器、6:ビート波形発生器、7:同期補足用強相関符号発生器、:同期維持用強相関符号発生器、201:第1の受信アンテナ(AR1)202:第2の受信アンテナ(AR2)、13:余弦重み回路、14:正弦重み回路、15:偏角制御回路、16:合成器、17:乗算器、18:可変遅延回路、19:強相関符号発生回路、20:復調回路、21:比較器、22:閾値発生回路、23:遅延器、24:ベースバンド回路、25:強相関符号部分符号発生回路、26:第2の復調回路、27:第2の可変遅延回路、28:第2の乗算器、30:第1の周波数の余弦発信機、31:第1の送信ミキサ、32:第2の送信ミキサ、33:第2の周波数の余弦発信機、34:送信加算回路、35:第1の周波数の正弦発信機、36:第3の送信ミキサ、37:第4の送信ミキサ、38:第2の周波数の正弦発信機、39:送信減算回路、40:総和回路、41:第1の周波数の余弦局部発信機、42:第1の受信ミキサ、43:第2の受信ミキサ、44:余弦移相回路、45:第2の周波数の余弦局部発信機、46:加算分配回路、51:第1の周波数の正弦局部発信機、52:第3の受信ミキサ、53:第4の受信ミキサ、54:正弦移相回路、55:第2の周波数の正弦局部発信機、56:減算分配回路、60:第2の総和回路、61:強相関符号発生器(5A)、62:第1のデジタルデータ生成回路(5A)、63:第1のデジタル信号処理デバイス(4A)、64:強相関符号発生器(5B)、65:第2のデジタルデータ生成回路(11A)、66:第2のデジタル信号処理デバイス(4B)、67:乗算器、68:可変遅延回路、69:強相関符号発生回路、70:復調回路、71:比較器、72:閾値発生回路、73:遅延器、1100:昇降機システム、1101:建物、1111:昇降カゴ、110:基地局無線機、110:基地局2直交偏波一体アンテナ、1112:端末局2直交偏波一体アンテナ、1114:高周波ケーブル、1113:端末無線機、1200:変電設備監視システム、1201:変電機、1203:端末局無線機、1202:端末局2直交偏波一体アンテナ、1211:基地局装置、1213:基地局無線機、1212:基地局2直交偏波一体アンテナ

Claims (13)

  1. 偏波が回転する搬送波に強相関符号を重畳して前記搬送波を送信する送信機と、該送信機からの受信偏波における前記強相関符号を用いて送受信機の同期を確立する受信機とで構成された無線通信システムであって、
    前記受信機は、複数の異なる偏波で信号を受信し、複数の受信偏波のそれぞれについて、受信偏波に対応する受信信号と前記強相関符号の相関値を用いて送受信機の同期を確立し、前記相関値と閾値を比較して特定の受信偏波および同偏波に対応する受信信号を抽出し、同期タイミングのずれから送信偏波角度を計算し、複数の送信偏波角度に対応する特定の受信偏波および同偏波に対する受信信号を用いて、異なる伝播路により伝送された信号を分離・選択することを特徴とする無線通信システム。
  2. 偏波が回転する搬送波に強相関符号を重畳して前記搬送波を送信する送信機と、該送信機からの受信偏波における前記強相関符号を用いて送受信機の同期を確立する受信機とで構成された無線通信システムであって、
    前記受信機は、複数の異なる偏波で信号を受信し、複数の受信偏波のそれぞれについて、受信偏波に対応する受信信号と前記強相関符号の相関値を用いて送受信機の同期を確立し、受信偏波に対応する受信信号の品質と閾値を比較し特定の受信偏波および同偏波に対応する受信信号を抽出し、同期タイミングのずれから送信偏波角度を計算し、複数の送信偏波角度に対応する特定の受信偏波および同偏波に対する受信信号を用いて、異なる伝播路により伝送された信号を分離・選択することを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の無線通信システムであって、
    前記送信機は、異なる複数の強相関符号を具備し、前記強相関符号を異なる送信タイミングで切り替えて通信を行うことを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機における前記強相関符号は周期性を持ち、該周期と搬送波の偏波の回転周期が同一であることを特徴とする無線通信システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機における前記強相関符号は等時間間隔で分割され、分割後の強相関符号の部分符号が互いに強い相関を持つことを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機は、前記搬送波の偏波の回転周期を分割して、同一の偏波方向を有する異なる時間間隔毎に、情報を分割して伝送することを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機は、異なる2つの周波数の搬送波を加算してビート信号を形成し、これらをビート周期の1/4ずらして空間的に直交して空間に放射することを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機は、異なる2つの周波数の正弦波と余弦波の計4つの搬送波を用い、異なる周波数の余弦波を同相合成して第1の送信アンテナから放射し、異なる周波数の正弦波を逆相合成して第1の送信アンテナと空間的に直交する第2の送信アンテナから放射することを特徴とする無線通信システム。
  9. 請求項7または請求項8に記載の無線通信システムであって、
    前記送信機は、異なる2つの周波数に異なる情報を載せて通信を行うことを特徴とする無線通信システム。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、
    搬送波の周波数と偏波の回転の周波数と伝送すべき情報の周波数の間に、単調減少の関係があることを特徴とする無線通信システム。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の無線通信システムを適用した昇降機制御システム。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の無線通信システムを適用した変電所制御システム。
  13. 偏波が回転する搬送波に強相関符号を重畳して前記搬送波を送信する送信機と、該送信機からの受信偏波における前記強相関符号を用いて送受信機の同期を確立する受信機とで構成された無線通信システムであって、
    前記受信機は、複数の受信回路と、複数の受信回路からの検出信号を用いて信号処理を行う処理回路とを備え、
    前記複数の受信回路は、受信偏波を互いに相違する偏波角度で受信する受信部と、互いに相違する複数の遅延時間を有する遅延時間保持部とを備え、
    前記処理回路は、複数の受信回路から得られた同期と遅延時間と偏波角度の情報を用いて信号処理を行うことを特徴とする無線通信システム。
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