JP6280240B2 - 砥石工具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、砥石工具及びその製造方法に関する。
砥石工具は、円板状や円柱状等の台金の外周面に砥粒を多数電着したものである。そして、図3に示すように、このような砥石工具Tを回転方向Rへ高速で回転させながら、ワークWに対し、送り方向Fへ一定量の切り込み及び送りを与えることにより、ワークWを研削加工する。
特開2014−046368号公報 実開昭63−110313号公報
砥粒を電着した砥石工具として、ディンプルや貫通孔等のチップポケットを設けたものがある。例えば、図4(a)、(b)に示すように、ディンプルタイプの砥石工具30は、円柱状の台金31の外周面に多数のディンプル32を設けると共に多数の砥粒33を電着している。この場合、研削加工時には、ディンプル32が切屑Cの逃げ場(チップポケット)となるが、切屑Cを除去するためには、砥石工具30の外側からディンプル32への研削油の供給やエアーブローBが必要となる。
又、図5(a)、(b)に示すように、貫通孔タイプの砥石工具40は、内部が流路42となる円筒状の台金41に径方向を貫通する多数の貫通孔43を設けると共に、その外周面に多数の砥粒44を電着している。この場合、研削加工時には、貫通孔43が切屑Cの逃げ場(チップポケット)となるが、切屑Cを除去するためには、流路42を介して、砥石工具40の内側から貫通孔43へ研削油の供給やエアーブローBが必要となる。
従って、上記タイプの工具を使用して、エアーブロー等の外部供給無しに完全ドライカットを行う場合には、上記チップポケットの切屑を除去することができず、切屑詰まりが発生し、研削加工を継続して行えないおそれがある。又、上記タイプの工具の作製には、多数のディンプルや多数の貫通孔の加工が必要であるので、多大な時間とコストが掛かってしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ドライ状態での加工を継続することができ、又、短時間、低コストで作製することができる砥石工具及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る砥石工具は、
金属製の円柱の外周面に形成されたねじ状の螺旋溝と、
前記螺旋溝の形成により台形断面状に突設されて形成された山頂面と、
前記山頂面に砥粒を固着して形成された砥粒面とを有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る砥石工具は、
上記第1の発明に記載の砥石工具において、
当該砥石工具の軸方向に対し、前記螺旋溝のねじれ角を80°以上、かつ、90°未満とした
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る砥石工具の製造方法は、
金属製の円柱の外周面にねじ状の螺旋溝を形成し、
前記螺旋溝の形成により台形断面状に突設して山頂面を形成し、
前記螺旋溝の内側をマスキングし、前記山頂面に砥粒を固着して、砥粒面を形成する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る砥石工具の製造方法は、
上記第3の発明に記載の砥石工具の製造方法において、
当該砥石工具の軸方向に対し、前記螺旋溝のねじれ角が80°以上、かつ、90°未満となるように、前記螺旋溝を形成する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る砥石工具の製造方法は、
上記第3又は第4の発明に記載の砥石工具の製造方法において、
前記螺旋溝の内側に絶縁性の樹脂ロープを巻き付けて、前記螺旋溝の内側をマスキングする
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る砥石工具は、
上記第1又は第2の発明に記載の砥石工具において、
前記円柱の軸心部分を軸方向に貫通する軸心穴と、
前記螺旋溝の底面と前記軸心穴とを連通する連通穴とを設けた
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る砥石工具は、
上記第6の発明に記載の砥石工具において、
前記螺旋溝の底面まで到達する深さを有すると共に前記軸方向に沿う直線溝を前記軸心穴の内周面に設け、前記直線溝と前記螺旋溝の底面とが重なる位置を前記連通穴とした
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る砥石工具は、
上記第6の発明に記載の砥石工具において、
前記連通穴の中心線は前記円柱の軸心に垂直である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る砥石工具は、
上記第6の発明に記載の砥石工具において、
前記軸心穴側の開口部が前記螺旋溝の底面の側の開口部より先端側の位置となるように、前記連通穴の中心線が前記円柱の軸心に対して傾斜している
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第10の発明に係る砥石工具は、
上記第9の発明に記載の砥石工具において、
前記螺旋溝の底面から前記軸心穴の内周面に向かうに従って前記円柱の軸心に対する前記中心線の傾斜が小さくなるように、前記連通穴は湾曲している
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第11の発明に係る砥石工具は、
上記第9又は第10の発明に記載の砥石工具において、
前記円柱の先端に向かうに従って前記軸心穴の先端側の大きさが大きくなる
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第12の発明に係る砥石工具は、
上記第9から第11の発明のいずれか1つに記載の砥石工具において、
前記連通穴は、前記円柱の径方向に対し、前記円柱の回転方向前方側へ傾斜角度を有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第13の発明に係る砥石工具は、
上記第12の発明に記載の砥石工具において、
前記傾斜角度が前記軸心穴の内周面から前記螺旋溝の底面に向かうに従って大きくなるように、前記連通穴は湾曲している
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第14の発明に係る砥石工具は、
上記第6から第13の発明のいずれか1つに記載の砥石工具において、
前記螺旋溝の底面から前記軸心穴の内周面に向かうに従って前記連通穴の大きさが大きくなる
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第15の発明に係る砥石工具の製造方法は、
上記第3から第5の発明のいずれか1つに記載の砥石工具の製造方法において、
前記砥粒面を形成する前に、
前記円柱の軸心部分を軸方向に貫通する軸心穴を形成し、
前記螺旋溝の底面まで到達する深さを有すると共に前記軸方向に沿う直線溝を前記軸心穴の内周面に形成して、前記直線溝と前記螺旋溝の底面とが重なる位置に前記螺旋溝の底面と前記軸心穴とを連通する連通穴を形成する
ことを特徴とする。
第1、第2の発明によれば、砥石工具を回転させると、砥粒のない螺旋溝に沿って、切屑を強制的に排除することになるので、ドライ状態での加工を継続することができる。
第3〜第5の発明によれば、螺旋溝が旋削により短時間かつ簡単に作製でき、又、螺旋溝の内側をマスキングすることにより、短時間かつ簡単に山頂面に砥粒を固着できるので、砥石工具を短時間かつ低コストで作製することができる。
第6〜第14の発明によれば、円柱の軸心部分を軸方向に貫通する軸心穴を設けると共に、螺旋溝の底面と軸心穴とを連通する連通穴を設けたので、連通穴を通じて、切屑を排出することができ、切屑排出性を向上させることができる。
第15の発明によれば、螺旋溝の底面まで到達する深さを有する直線溝を軸方向に沿って軸心穴の内周面に形成することにより、螺旋溝の底面と軸心穴とを連通する連通穴を比較的容易に作製することができる。
本発明に係る砥石工具の実施形態の一例(実施例1)を示す図であり、(a)は、その斜視図、(b)は、(a)のA1部分を破断し拡大して示す拡大図である。 本発明に係る砥石工具の製造方法の実施形態の一例(実施例1)を説明する図であり、(a)〜(h)は、その手順を示す断面図である。 砥石工具による研削加工を説明する斜視図である。 ディンプルタイプの砥石工具を説明する図であり、(a)は、右半分を断面図とした全体図、(b)は、(a)のA2部分を拡大した拡大図である。 貫通孔タイプの砥石工具を説明する図であり、(a)は、右半分を断面図とした全体図、(b)は、(a)のA3部分を拡大した拡大図である。 本発明に係る砥石工具の実施形態の他の一例(実施例2)を示す斜視図である。 図6に示した砥石工具を示す断面図であり、(a)は、その軸方向の断面図、(b)は、その径方向の断面図である。 本発明に係る砥石工具の実施形態の他の一例(実施例3)を示す図であり、一部を拡大した拡大図である。 図8に示した砥石工具を示す断面図であり、(a)は、その軸方向の断面図、(b)は、その径方向の断面図である。 本発明に係る砥石工具の実施形態の他の一例(実施例4)を示す図であり、(a)は、その軸方向の断面図、(b)は、その径方向の断面図である。 本発明に係る砥石工具の実施形態の他の一例(実施例5)を示す図であり、(a)は、その軸方向の断面図、(b)は、その径方向の断面図である。 本発明に係る砥石工具の実施形態の他の一例(実施例6)を示す図であり、(a)は、その軸方向の断面図、(b)は、その径方向の断面図である。
以下、図1及び図2を参照して、本発明に係る砥石工具及びその製造方法の実施形態を説明する。
(実施例1)
図1(a)は、本実施例の砥石工具を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA1部分を破断し拡大して示す拡大図である。
本実施例の砥石工具10−1は、工作機械等の主軸に保持されて、高速回転される軸部10aと、ワークに研削加工を行うヘッド部10bとからなる。
軸部10aは、炭素鋼等の金属製からなり、その表面には、後述するNiも砥粒も電着していない。
又、ヘッド部10bは、軸部10aと同じく、炭素鋼等の金属製からなる台金11と、台金11の表面にネジ状に形成された螺旋溝12と、螺旋溝12の形成により台形断面状に突設されて形成された山頂面15に多数の砥粒18a(後述の図2参照)が固着された砥粒面18を有する。
螺旋溝12のねじれ角θは、砥石工具10−1の軸方向に対し、80°以上、かつ、90°未満となるように形成されている。つまり、螺旋溝12のねじれ角θは、砥石工具10−1の軸方向に対し、略垂直になっており、砥石工具10−1の回転方向Rに対し、略水平となっている。
又、螺旋溝12は、底面13と側面14からなり、これらが形成する溝断面は逆台形状に形成されて、外周側に向かって広がっている。そして、山頂面15には多数の砥粒18aを電着しているのに対し、底面13及び側面14には、つまり、螺旋溝12の内側には、砥粒18aを電着していない。
上述した構成の砥石工具10−1を使用し、回転方向Rへ高速で回転させながら、ワークを研削加工すると、砥粒面18に研削されて発生した切屑Cは、チップポケットとなる螺旋溝12に入り、この螺旋溝12に沿って排出されることになる。
この際、砥石工具10−1の軸方向に対し、螺旋溝12のねじれ角θを略垂直にして、大きくしているので、砥石工具10−1の回転力に対する反力が、螺旋溝12に入り込んだ切屑Cに対して働き、その結果、螺旋溝12に沿って、回転方向Rとは反対の方向に、切屑Cが強制的に排除されることになる。しかも、螺旋溝12の内側には砥粒18aを電着していないので、螺旋溝12に入り込んだ切屑Cは、砥粒18aに邪魔されることなく、スムーズに排出されることになる。このように、螺旋溝12に入り込んだ切屑Cが容易に排出されるので、研削油の供給やエアーブローが無くても、加工を継続することができる。
次に、本実施例の砥石工具10−1の製造方法を、図2を参照して説明する。ここで、図2(a)〜(h)は、本実施例の砥石工具の製造方法の手順を示す断面図である。
まず、炭素鋼等の金属製からなる円柱状の部材に、旋削加工により、上述した構成の螺旋溝12を形成する。この螺旋溝12を形成した部分が上述したヘッド部10bとなり、それ以外の部分が軸部10aとなる。このような螺旋溝12を形成することにより、台金11の表面に底面13、側面14が形成されると共に山頂面15が台形断面状に突設されて形成される(図2(a)参照)。この山頂面15も螺旋溝12に沿って螺旋状に形成されることになる。山頂面15の部分は、エンドミルのような刃として機能するのではなく、研削のための砥石面として機能する。
図4に示した砥石工具30でのディンプル32によるチップポケットや図5に示した砥石工具40での貫通孔43によるチップポケットとは異なり、本実施例でのチップポケットとなる螺旋溝12は、上述したように、旋削で加工するので、短時間かつ簡単に作製することができ、砥石工具10−1の作製時間の短時間化、そして、低コスト化を図ることができる。
次に、Niめっきを行わない部分にマスキング部21を形成する(図2(b)参照)。例えば、Niめっきを行わない軸部10aの部分にマスキング部21が形成される。このように、マスキング部21は、電着及びめっきを付けたくない部分、例えば、シャンク部等に施している。マスキング部21を形成することにより、後述する砥粒等が工具全面に電着されてしまうことを防止し、工具保持部等の基準面が無くなる(精度が悪くなる)ことを防止することができる。このマスキング部21としては、例えば、絶縁性の樹脂溶剤を塗布し、乾燥しても良いし、絶縁性の樹脂シールや樹脂テープ等を用いても良い。
次に、前処理が行われる。具体的には、マスキング部21が形成されていないヘッド部10bに対して、(1)アルカリ脱脂、(2)電解脱脂、(3)酸活性が行われ、めっきが行われる表面がクリーニングされる。
次に、マスキング部21が形成されていないヘッド部10bに対して、電着による下地めっきとして、Niストライクめっき処理によるめっき層16が形成される。つまり、マスキング部21が形成されていない螺旋溝12(底面13、側面14)及び山頂面15にめっき層16が形成される(図2(c)参照)。ここでは、電解Niめっきが好適であり、このめっき層16により、密着性が確保できる。
次に、螺旋溝12(底面13、側面14)の内側のマスキングを行う。具体的には、絶縁性の樹脂ロープ22を螺旋溝12の内側に巻き付けて、マスキングしている(図2(d)参照)。これにより、螺旋溝12の内側(底面13、側面14)への砥粒18aの電着を回避している。なお、ここでは、樹脂ロープ22を用いているが、螺旋溝12をマスキングできる絶縁性のものであれば他のものでも良い。
次に、ダイヤモンド等からなる砥粒18aを電着で仮固定するため、担持めっき処理によるめっき層17が形成される。このとき、軸部10aはマスキング部21でマスキングされ、螺旋溝12の内側(底面13、側面14)は樹脂ロープ22でマスキングされているので、軸部10a、螺旋溝12(底面13、側面14)への砥粒18aの電着を回避する一方、マスキングのない山頂面15には、多数の砥粒18aがめっき層17で仮固定される(図2(e)参照)。ここでも、電解Niめっきが好適である。なお、砥粒18aは、チップポケットなる螺旋溝12の谷底部分への電着を回避できれば、山頂面15の周辺、例えば、側面14の山頂面15側に電着していても良い。
このように、螺旋溝12の内側を樹脂ロープ22でマスキングして、山頂面15に多数の砥粒18aを電着するので、砥石工具10−1の作製時間の短時間化、そして、低コスト化を図ることができる。又、本実施例の砥石工具10−1では、エアーブロー等の外部供給無しにチップポケットである螺旋溝12にストックされた切屑Cを除去する必要があり、螺旋溝12の内部(底面13、側面14)に砥粒18aが電着されていると、切屑Cを排出する際の抵抗となり、排出性が落ちてしまうが、上述したように、樹脂ロープ22で螺旋溝12の内部をマスキングすることにより、螺旋溝12の内部への砥粒18aの電着を回避して、切屑Cの排出性の悪化を防止することができる。
次に、螺旋溝12(底面13、側面14)から樹脂ロープ22を取り除く(図2(f)参照)。
次に、多数の砥粒18aを固定するため、固定めっき処理によるめっき層19が形成される(図2(g)参照)。このめっき層19により、多数の砥粒18aが固定されて、砥粒面18が形成されることになる。ここでは、無電解Ni−Pめっきが好適である。
最後に、マスキング部21を除去し、その後、乾燥を行って、砥石工具10−1が完成する(図2(h)参照)。マスキング部21は、樹脂溶剤を乾燥したものであっても、樹脂シールや樹脂テープであっても、剥がせば、簡単に除去することができる。
上述した手順により、螺旋溝12の内側への砥粒18aの電着を回避しつつ、短時間、低コストで、砥石工具10−1を作製することができる。
(実施例2)
図6は、本実施例の砥石工具を示す斜視図である。また、図7は、図6に示した砥石工具を示す断面図であり、図7(a)は、その軸方向の断面図、図7(b)は、その径方向の断面図である。
本実施例の砥石工具10−2は、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするものである。従って、実施例1で説明した砥石工具10−1と同等の構成には同じ符号を付して、本実施例の説明を行う。
実施例1で説明した砥石工具10−1は、従来のものよりは、ドライ状態での加工を長い時間継続することができるが、加工を継続していると、切屑Cを除去できなくなる可能性がある。切屑Cの除去を補助するためには、研削油を供給したり、エアーブローを行ったりすることが考えられるが、ドライ状態での加工には研削油は使用しない。従って、切屑Cの除去を補助するために、エアーブローを行うことになるが、その場合でも、長い時間加工を継続していると、切屑Cを除去できなくなる可能性がある。もし、切屑Cを除去できなくなってしまうと、目詰まりが発生し、継続して加工できなくなることになる。
そこで、本実施例の砥石工具10−2は、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするが、更に、その軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴51を設けると共に、ヘッド部10bの部分の軸心穴51の内周面に、螺旋溝12の底面13まで到達する深さを有すると共に軸方向に沿う直線溝52を1つ以上形成することで、螺旋溝12の底面13に複数の連通穴53を形成している。つまり、螺旋溝12の底面13と直線溝52とが重なる部分が、螺旋溝12の底面13から軸心穴51に連通する連通穴53となっている。
本実施例の場合、直線溝52は、軸方向の断面においては、図7(a)に示すように、軸方向に沿って直線状に形成されている。また、径方向の断面においては、図7(b)に示すように、螺旋溝12の底面13から軸心穴51の内周面に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成されると共に、その中心線が軸心Sに向かうように形成されている。軸心穴51及び直線溝52の形状は、謂わば、内歯車状となっている。なお、直線溝52は、螺旋溝12の底面13から軸心穴51の内周面まで、同じ大きさで形成しても良い。
本実施例の砥石工具10−2において、軸心穴51にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴53を通って、軸心穴51へ吸い込まれ、軸心穴51を通じて外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
なお、本実施例の砥石工具10−2の先端部分において、軸心穴51及び直線溝52を塞ぐ蓋部材(図示省略)を設けても良く、その場合、軸心穴51にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴53から噴出されたエアーにより、外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。この場合、直線溝52は、軸心穴51の内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成する。このような形状とすることにより、直線溝52に蓄えた切屑Cが軸心穴51に入り込んでしまうことを抑制することができると共に、直線溝52に詰まらせることなく、直線溝52に蓄えた切屑Cを確実に外部へ排出することができる。
次に、本実施例の砥石工具10−2の製造方法を、図6及び図7と共に、前述の図2も参照して説明する。
まず、炭素鋼等の金属製からなる円柱状の部材に、旋削加工により、前述した構成の螺旋溝12を形成する。この螺旋溝12を形成した部分が前述したヘッド部10bとなり、それ以外の部分が軸部10aとなる。このような螺旋溝12を形成することにより、台金11の表面に底面13、側面14が形成されると共に山頂面15が台形断面状に突設されて形成される(図2(a)参照)。この山頂面15も螺旋溝12に沿って螺旋状に形成されることになる。山頂面15の部分は、エンドミルのような刃として機能するのではなく、研削のための砥石面として機能する。
次に、砥石工具10−2の軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴51を形成し、その後、ヘッド部10bの部分の軸心穴51の内周面に直線溝52を形成して、連通穴53を形成している。直線溝52は、旋削で加工でき、例えば、一刃での加工であれば、スロッターなどを用いて、直線溝52を一つずつ形成すれば良く、多刃での加工であれば、歯車刃状のシェイパーなどを用いて、複数の直線溝52を一括して形成すれば良い。つまり、砥粒面18を形成する前に、軸心穴51及び直線溝52を形成することで、連通穴53を形成している。
その後は、前述した図2(b)〜図2(h)で説明したように、螺旋溝12の内側への砥粒18aの電着を回避しつつ、山頂面15に多数の砥粒18aを電着して、砥粒面18を形成している。このとき、当然ながら、軸心穴51、直線溝52及び連通穴53への砥粒18aの電着も回避している。
本実施例の砥石工具10−2は、実施例1で説明した砥石工具10−1に加えて、軸心穴51、直線溝52及び連通穴53を形成しているが、上述したように、直線溝52が旋削で加工できるので、低コストで比較的容易に作製することができる。
(実施例3)
図8は、本実施例の砥石工具の一部を拡大した拡大図である。また、図9は、図8に示した砥石工具を示す断面図であり、図9(a)は、その軸方向の断面図、図9(b)は、その径方向の断面図である。
本実施例の砥石工具10−3も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするものであり、実施例1で説明した砥石工具10−1と同等の構成には同じ符号を付して、本実施例の説明を行う。また、本実施例も、実施例2と同様に、切屑排出性の向上を目的としている。
本実施例の砥石工具10−3も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするが、更に、その軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴61を設けると共に、螺旋溝12の底面13から軸心穴61に連通する複数の連通穴62を螺旋溝12の底面13に設けている。連通穴62は、螺旋溝12の底面13において、所定の間隔毎に配置されている。
本実施例の場合、連通穴62は、螺旋溝12の底面13から軸心穴61の内周面に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成されている。そして、連通穴62は、軸方向の断面においては、図9(a)に示すように、その中心線が軸心Sに垂直に形成されている。また、連通穴62は、径方向の断面においては、図9(b)に示すように、その中心線が軸心Sに向かうように形成されている。
本実施例の砥石工具10−3において、軸心穴61にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴62を通って、軸心穴61へ吸い込まれ、軸心穴61を通じて外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
なお、本実施例の砥石工具10−3の先端部分において、軸心穴61を塞ぐ蓋部材(図示省略)を設けても良く、その場合、軸心穴61にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴62から噴出されたエアーにより、外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
この場合、連通穴62は、軸心穴61の内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成する。このような形状とすることにより、連通穴62に蓄えた切屑Cが軸心穴61に入り込んでしまうことを抑制することができると共に、連通穴62に詰まらせることなく、連通穴62に蓄えた切屑Cを確実に外部へ排出することができる。
なお、連通穴62は、螺旋溝12の底面13から軸心穴61の内周面まで、同じ大きさで形成しても良い。
以上説明した本実施例の砥石工具10−3の台金部分は、機械加工や3次元積層法を用いて容易に成形することができる。3次元積層法では、3D‐CADにて設計を行うため、連通穴62の数が多くても、容易に成形することができる。そして、台金部分を成形した後、電着法により砥粒18aを固着することで、本実施例に係る本実施例の砥石工具10−3を製造することができる。
(実施例4)
図10は、本実施例の砥石工具を示す図であり、図10(a)は、その軸方向の断面図、図10(b)は、その径方向の断面図である。なお、本実施例での径方向の断面図は、正確には、後述する連通穴72に沿う方向の断面図であるが、ここでは、便宜的に、径方向の断面図と呼んでいる。
本実施例の砥石工具10−4も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするものであり、実施例1で説明した砥石工具10−1と同等の構成には同じ符号を付して、本実施例の説明を行う。また、本実施例も、実施例2及び実施例3と同様に、切屑排出性の向上を目的としている。
本実施例の砥石工具10−4も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするが、更に、その軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴71aを設け、軸心穴71aの先端側(図中下側)に、先端側に向かうに従って拡径するテーパ形状(円錐形状)の中空部71bを設けると共に、螺旋溝12の底面13から中空部71bに連通する複数の連通穴72を螺旋溝12の底面13に設けている。連通穴72は、螺旋溝12の底面13において、所定の間隔毎に配置されている。
本実施例の場合、連通穴72は、螺旋溝12の底面13から中空部71bの内周面に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成されている。そして、連通穴72は、軸方向の断面においては、図10(a)に示すように、中空部71b側の開口部が底面13側の開口部より先端側の位置となるように、軸心Sに対し傾斜して形成されている。また、連通穴72は、径方向の断面においては、図10(b)に示すように、その中心線が軸心Sに向かうように形成されている。
本実施例の砥石工具10−4において、軸心穴71aを介して、中空部71bにエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴72を通って、中空部71bへ吸い込まれ、中空部71bを通じて外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
また、中空部71bが先端側に向かって拡径するテーパ形状となっているので、連通穴72から中空部71bへの吸引力を高めることができ、連通穴72の内部への切屑Cの吸い込み能力を高めることができると共に、切屑Cを中空部71bに詰まらせることなく、ヘッド部10bの先端側から外部へ確実に排出することができる。
また、連通穴72が螺旋溝12の底面13から中空部71bの内周面に向かうテーパ形状となっているので、連通穴72に吸い込んだ切屑Cを詰まらせることなく中空部71bに確実に送出することができる。
また、連通穴72の中心線の軸心S側がヘッド部10bの先端側に向かうように、軸心Sに対し傾斜しているので、中空部71bを先端側へ向けて流れる切屑Cが連通穴72内へ流入することを大きく抑制することができる。
なお、本実施例の砥石工具10−4の先端部分において、中空部71bを塞ぐ蓋部材(図示省略)を設けても良く、その場合、軸心穴71aを介して、中空部71bにエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴72から噴出されたエアーにより、外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
この場合、連通穴72は、中空部71bの内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成する。このような形状とすることにより、連通穴72に蓄えた切屑Cが中空部71bに入り込んでしまうことを抑制することができると共に、連通穴72に詰まらせることなく、連通穴72に蓄えた切屑Cを確実に外部へ排出することができる。
なお、連通穴72は、螺旋溝12の底面13から中空部71bの内周面まで、同じ大きさで形成しても良い。
以上説明した本実施例の砥石工具10−4の台金部分も、3次元積層法を用いて容易に成形することができる。3次元積層法では、3D‐CADにて設計を行うため、連通穴72の数が多くても、形状が複雑でも、容易に成形することができる。そして、台金部分を成形した後、電着法により砥粒18aを固着することで、本実施例に係る本実施例の砥石工具10−4を製造することができる。
(実施例5)
図11は、本実施例の砥石工具を示す図であり、図11(a)は、その軸方向の断面図、図11(b)は、その径方向の断面図である。なお、本実施例での径方向の断面図は、正確には、後述する連通穴82に沿う方向の断面図であるが、ここでは、便宜的に、径方向の断面図と呼んでいる。また、図11中の「R」は、ヘッド部10bの回転方向を示している。
本実施例の砥石工具10−5も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするものであり、実施例1で説明した砥石工具10−1と同等の構成には同じ符号を付して、本実施例の説明を行う。また、本実施例も、実施例2〜実施例4と同様に、切屑排出性の向上を目的としている。
本実施例の砥石工具10−5も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするが、更に、その軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴81を設けると共に、螺旋溝12の底面13から軸心穴81に連通する複数の連通穴82を螺旋溝12の底面13に設けている。連通穴82は、螺旋溝12の底面13において、所定の間隔毎に配置されている。なお、軸心穴81の先端側に、図10(b)に示したような中空部71bを設けても良い。
本実施例の場合、連通穴82は、螺旋溝12の底面13から軸心穴81の内周面に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成されている。そして、連通穴82は、軸方向の断面においては、図11(a)に示すように、軸心穴81側の開口部が底面13側の開口部より先端側の位置となるように、軸心Sに対し傾斜して形成されている。また、連通穴82は、径方向の断面においては、図11(b)に示すように、螺旋溝12の底面13側の開口部を基準にすると、その中心線が軸心Sより回転方向Rの後方側に向かうように形成されている。
このように、連通穴82は、ヘッド部10bの径方向に対し、回転方向Rの前方側へ傾斜角度を有する直線形状となっている。この傾斜角度は、研削時の砥石工具10−5の回転方向Rや重量を考慮し、流体力学的に軸心穴81に切屑Cをより送出しやすい値とするのが良い。
本実施例の砥石工具10−5において、軸心穴81にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴82を通って、軸心穴81へ吸い込まれ、軸心穴81を通じて外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
また、連通穴82が螺旋溝12の底面13から軸心穴81の内周面に向かうテーパ形状となっているので、連通穴82に吸い込んだ切屑Cを詰まらせることなく軸心穴81に確実に送出することができる。
また、連通穴82の中心線の軸心S側がヘッド部10bの先端側に向かうように、軸心Sに対し傾斜しているので、軸心穴81を先端側へ向けて流れる切屑Cが連通穴82内へ流入することを大きく抑制することができる。
また、ヘッド部10bの径方向に対し、連通穴82が回転方向Rの前方側へ傾斜角度を有する直線形状であるので、砥石工具10−5の回転力を利用して、切屑Cを軸心穴81に確実に送出し、ヘッド部10bの先端側から外部に排出することができる。
なお、本実施例の砥石工具10−5の先端部分において、軸心穴81を塞ぐ蓋部材(図示省略)を設けても良く、その場合、軸心穴81にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴82から噴出されたエアーにより、外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
この場合、連通穴82は、軸心穴81の内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成する。このような形状とすることにより、連通穴82に蓄えた切屑Cが軸心穴81に入り込んでしまうことを抑制することができると共に、連通穴82に詰まらせることなく、連通穴82に蓄えた切屑Cを確実に外部へ排出することができる。
なお、連通穴82は、螺旋溝12の底面13から軸心穴81の内周面まで、同じ大きさで形成しても良い。
以上説明した本実施例の砥石工具10−5の台金部分も、3次元積層法を用いて容易に成形することができる。3次元積層法では、3D‐CADにて設計を行うため、連通穴82の数が多くても、形状が複雑でも、容易に成形することができる。そして、台金部分を成形した後、電着法により砥粒18aを固着することで、本実施例に係る本実施例の砥石工具10−5を製造することができる。
(実施例6)
図12は、本実施例の砥石工具を示す図であり、図12(a)は、軸方向の断面図、図12(b)は、径方向の断面図である。なお、本実施例での径方向の断面図も、正確には、後述する連通穴92に沿う方向の断面図であるが、ここでは、便宜的に、径方向の断面図と呼んでいる。また、図12中の「R」は、ヘッド部10bの回転方向を示している。
本実施例の砥石工具10−6も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするものであり、実施例1で説明した砥石工具10−1と同等の構成には同じ符号を付して、本実施例の説明を行う。また、本実施例も、実施例2〜実施例5と同様に、切屑排出性の向上を目的としている。
本実施例の砥石工具10−6も、実施例1で説明した砥石工具10−1を基本構造とするが、更に、その軸心部分に軸方向に貫通する軸心穴91を設けると共に、螺旋溝12の底面13から軸心穴91に連通する複数の連通穴92を螺旋溝12の底面13に設けている。連通穴92は、螺旋溝12の底面13において、所定の間隔毎に配置されている。なお、軸心穴91の先端側に、図10(b)に示したような中空部71bを設けても良い。
本実施例の場合、連通穴92は、螺旋溝12の底面13から軸心穴91の内周面に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成されている。そして、連通穴92は、軸方向の断面においては、図12(a)に示すように、軸心穴91側の開口部が底面13側の開口部より先端側の位置となるように、軸心S側から見て、後端側に湾曲して形成されて、連通穴92の中心線が軸心Sに対し傾斜している。また、連通穴92は、径方向の断面においては、図12(b)に示すように、螺旋溝12の底面13側の開口部を基準にすると、ヘッド部10bの回転方向Rの後方側に湾曲するように形成されている。
このように、連通穴92は、軸心Sに対し、螺旋溝12の底面13から軸心穴91の内周面に向かうに従って連通穴92の中心線の傾斜が小さくなる円弧形状となっている。また、ヘッド部10bの径方向に対し、回転方向Rの前方側へ傾斜すると共に、軸心穴91の内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、ヘッド部10bの径方向に対する傾斜角度が大きくなる円弧形状となっている。これらの傾斜角度は、研削時の砥石工具10−6の回転方向Rや重量を考慮し、流体力学的に軸心穴91に切屑Cをより送出しやすい値とするのが良い。
本実施例の砥石工具10−6において、軸心穴91にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴92を通って、軸心穴91へ吸い込まれ、軸心穴91を通じて外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
また、連通穴92が螺旋溝12の底面13から軸心穴91の内周面に向かうテーパ形状となっているので、連通穴92に吸い込んだ切屑Cを詰まらせることなく軸心穴91に確実に送出することができる。
また、連通穴92の中心線の軸心S側がヘッド部10bの先端側に向かうように、軸心Sに対し傾斜しているので、軸心穴91を先端側へ向けて流れる切屑Cが連通穴92内へ流入することを大きく抑制することができる。
また、ヘッド部10bの径方向に対し、連通穴92が回転方向Rの前方側へ傾斜角度を有し、ヘッド部10bの外周面側へ向かうほど傾斜角度が大きくなる円弧形状であるので、砥石工具10−6の回転力を利用して、切屑Cを軸心穴91に確実に送出し、ヘッド部10bの先端側から外部に排出することができる。
なお、本実施例の砥石工具10−6の先端部分において、軸心穴91を塞ぐ蓋部材(図示省略)を設けても良く、その場合、軸心穴91にエアーブローBを行うと、除去されずに螺旋溝12の残った切屑Cは、連通穴92から噴出されたエアーにより、外部に強制的に排出されることになり、その結果、切屑排出性が向上することになる。
この場合、連通穴92は、軸心穴91の内周面から螺旋溝12の底面13に向かうに従って、その大きさが大きくなるテーパ形状に形成する。このような形状とすることにより、連通穴92に蓄えた切屑Cが軸心穴91に入り込んでしまうことを抑制することができると共に、連通穴92に詰まらせることなく、連通穴92に蓄えた切屑Cを確実に外部へ排出することができる。
なお、連通穴92は、螺旋溝12の底面13から軸心穴91の内周面まで、同じ大きさで湾曲して形成しても良い。
以上説明した本実施例の砥石工具10−6の台金部分も、3次元積層法を用いて容易に成形することができる。3次元積層法では、3D‐CADにて設計を行うため、連通穴92の数が多くても、形状が複雑でも、容易に成形することができる。そして、台金部分を成形した後、電着法により砥粒18aを固着することで、本実施例に係る本実施例の砥石工具10−6を製造することができる。
本発明は、研削加工を行う砥石工具に好適なものであり、特に、難切削材であるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)等の研削加工に好適である。
10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6 砥石工具
10a 軸部
10b ヘッド部
11 台金
12 螺旋溝
13 底面
14 側面
15 山頂面
18 砥粒面
18a 砥粒
21 マスキング部
22 樹脂ロープ

Claims (6)

  1. 金属製の円柱の外周面に形成されたねじ状の螺旋溝と、
    前記螺旋溝の形成により台形断面状に突設されて形成された山頂面と、
    前記山頂面に砥粒を固着して形成された砥粒面と、
    前記円柱の軸心部分を軸方向に貫通する軸心穴と、
    前記螺旋溝の底面と前記軸心穴とを連通する連通穴とを有し、
    前記螺旋溝の底面まで到達する深さを有すると共に前記軸方向に沿う直線溝を前記軸心穴の内周面に設け、前記直線溝と前記螺旋溝の底面とが重なる位置を前記連通穴とした
    ことを特徴とする砥石工具。
  2. 請求項1に記載の砥石工具において、
    当該砥石工具の軸方向に対し、前記螺旋溝のねじれ角を80°以上、かつ、90°未満とした
    ことを特徴とする砥石工具。
  3. 金属製の円柱の外周面にねじ状の螺旋溝を形成し、
    前記螺旋溝の形成により台形断面状に突設して山頂面を形成し、
    前記円柱の軸心部分を軸方向に貫通する軸心穴を形成し、
    前記螺旋溝の底面まで到達する深さを有すると共に前記軸方向に沿う直線溝を前記軸心穴の内周面に形成して、前記直線溝と前記螺旋溝の底面とが重なる位置に前記螺旋溝の底面と前記軸心穴とを連通する連通穴を形成し、
    前記螺旋溝の内側をマスキングし、前記山頂面に砥粒を固着して、砥粒面を形成する
    ことを特徴とする砥石工具の製造方法。
  4. 請求項3に記載の砥石工具の製造方法において、
    当該砥石工具の軸方向に対し、前記螺旋溝のねじれ角が80°以上、かつ、90°未満となるように、前記螺旋溝を形成する
    ことを特徴とする砥石工具の製造方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の砥石工具の製造方法において、
    前記螺旋溝の内側に絶縁性の樹脂ロープを巻き付けて、前記螺旋溝の内側をマスキングする
    ことを特徴とする砥石工具の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の砥石工具において、
    前記螺旋溝の底面から前記軸心穴の内周面に向かうに従って前記連通穴の大きさが大きくなる
    ことを特徴とする砥石工具。
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