JP2019171493A - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】加工精度を良好に維持しつつ、切刃の欠損を抑制できるドリルを提供する。【解決手段】中心軸Oを有し、中心軸O回りのドリル回転方向Tに回転させられるドリル本体1と、ドリル本体1の外周に配置され、軸方向の先端から後端側へ向けて延びる切屑排出溝2と、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとドリル本体1の先端面3との交差稜線に沿って延びる切刃4と、壁面2aに配置され、切刃4と繋がるすくい面21と、を備え、切刃4は、主切刃13と、主切刃13の径方向内側に位置するシンニング切刃9と、を有し、すくい面21は、主切刃13と繋がる主切刃すくい面部22と、シンニング切刃9と繋がるシンニング切刃すくい面部23と、を有し、主切刃すくい面部22は、主切刃13から軸方向に沿って延び、シンニング切刃すくい面部23は、シンニング切刃9から軸方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向Tに向けて延びる。【選択図】図3

Description

本発明は、例えばCFRP(炭素繊維強化樹脂)、および、CFRPにアルミニウムやチタン等の金属板が積層された重ね板構造を有する被削材に、穴あけ加工を行うのに適したドリルに関する。
従来、例えば特許文献1に記載のドリルが知られる。特許文献1のドリルは、例えば、航空機部品等に用いられるCFRPや、CFRPにアルミニウムやチタン等の金属板が積層されてなる複合材料や、伸展性の高い金属材料等の被削材を穴あけ加工する。
このドリルは、先端刃(切刃)のすくい面となるギャッシュすくい面が、ドリル本体の軸線に平行となるように形成されている。つまり、先端刃のアキシャルレーキ(軸方向すくい角)が、0°である。
特開2017−24168号公報
従来のドリルでは、例えばCFRPと金属板が積層された重ね板構造を有する被削材に対して穴あけ加工を行う場合などにおいて、切刃が欠損するおそれがあった。例えば、切刃のアキシャルレーキをネガティブ(負)角にすることで、切刃の欠損を抑制することができるが、CFRP等の被削材に対して、単純に切刃をネガティブ角にすると、加工穴の加工出口側においてバリや層間剥離(デラミネーション)が生じやすくなり、加工精度に影響する。
本発明は、上記事情に鑑み、加工精度を良好に維持しつつ、切刃の欠損を抑制できるドリルを提供することを目的の一つとする。
本発明のドリルの一つの態様は、中心軸を有し、前記中心軸回りのドリル回転方向に回転させられるドリル本体と、前記ドリル本体の外周に配置され、軸方向の先端から後端側へ向けて延びる切屑排出溝と、前記切屑排出溝の前記ドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線に沿って延びる切刃と、前記壁面に配置され、前記切刃と繋がるすくい面と、を備え、前記切刃は、主切刃と、前記主切刃の径方向内側に位置するシンニング切刃と、を有し、前記すくい面は、前記主切刃と繋がる主切刃すくい面部と、前記シンニング切刃と繋がるシンニング切刃すくい面部と、を有し、前記主切刃すくい面部は、前記主切刃から軸方向に沿って延び、前記シンニング切刃すくい面部は、前記シンニング切刃から軸方向の後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向に向けて延びる。
本発明のドリルの一つの態様によれば、主切刃すくい面部が、主切刃から軸方向に沿って延びる。つまり、主切刃のアキシャルレーキが、略0°である。このため、例えばCFRP、および、CFRPにアルミニウムやチタン等の金属板が積層された重ね板構造を有する被削材に穴あけ加工を行う場合において、加工穴の加工入口側および加工出口側に、バリや層間剥離等が生じることを抑制できる。
なお、上記アキシャルレーキとは、ドリル本体の中心軸と、切刃上の所定の点とを含む基準面に対する、切刃のすくい面の傾きを表す角度であり、軸方向すくい角である。
具体的に、主切刃のアキシャルレーキがポジティブ(正)角の場合には、加工穴の加工入口側に、バリ等が生じるおそれがある。
また、主切刃のアキシャルレーキがネガティブ(負)角の場合には、加工穴の加工出口側に、バリや層間剥離等が生じるおそれがある。またこの場合、主切刃の切れ味が低下する結果、穴あけ加工時の切削熱が上昇しやすくなって、加工穴の穴品質(穴内壁面の面粗さ)を低下させるおそれも生じる。
このため、主切刃のアキシャルレーキを0°とすることにより、主切刃の切れ味を良好に維持できる。
なお、穴あけ加工時においては、軸方向の負荷の大半をドリル先端の中心部近傍で受けることになる。そこで本発明の一つの態様では、切刃のうち、ドリル先端の中心部近傍に位置するシンニング切刃については、アキシャルレーキをネガティブ角とした。すなわち、加工時に特に大きな切削負荷が作用しやすいシンニング切刃については、アキシャルレーキをネガティブ角として、刃先強度を高めた。これにより、従来では切刃の中でも特に欠損しやすかったシンニング切刃の欠損を、効果的に抑制できる。
なお、シンニング切刃をネガティブ角とした場合でも、加工穴の穴品質には影響しにくい。シンニング切刃は、加工穴の穴内壁面から径方向内側に離れた位置を加工する切刃だからである。
以上より、本発明の一つの態様のドリルによれば、加工精度を良好に維持しつつ、切刃の欠損を抑制できる。
上記ドリルにおいて、前記シンニング切刃は、前記主切刃と繋がる凸曲線状の部分と、前記凸曲線状の部分よりも径方向内側に位置する直線状の部分と、を有し、前記凸曲線状の部分のアキシャルレーキが、刃長に沿って前記直線状の部分から前記主切刃へ向かうにしたがい徐々に正角側に大きくなることが好ましい。
この場合、シンニング切刃の凸曲線状の部分によって、シンニング切刃すくい面部と、主切刃すくい面部とを、滑らかに接続できる。すなわち、アキシャルレーキがネガティブ角とされたシンニング切刃と、アキシャルレーキが0°とされた主切刃との間で、凸曲線状の部分においてアキシャルレーキが徐々に変化する。
したがって、シンニング切刃と主切刃との接続箇所の近傍において、アキシャルレーキが大きく変化することが抑えられ、切刃の強度が低くなる部分が形成されにくくなる結果、刃先強度が安定して高められる。また、すくい面上を流れる切屑の排出性が良好に維持される。
上記ドリルにおいて、前記直線状の部分のアキシャルレーキが、刃長に沿って一定であることが好ましい。
この場合、穴あけ加工時に特に大きな切削負荷が作用しやすいシンニング切刃の直線状の部分において、刃先強度が刃長に沿って変化することを抑制できる。したがって、切刃の欠損がより抑制される。
上記ドリルにおいて、前記シンニング切刃がホーニング刃であることにより、前記シンニング切刃すくい面部は、軸方向の後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向に向けて延びることが好ましい。
この場合、シンニング切刃がホーニング刃であり、これにより、シンニング切刃のアキシャルレーキがネガティブ角とされる。すなわち、シンニング切刃が、チャンファホーニングや丸ホーニング等のホーニングを有する。したがって、ドリルの構造を複雑にすることなく、製造を容易化しつつ、上述の作用効果を得ることができる。
上記ドリルにおいて、前記切屑排出溝は、軸方向の先端から後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向とは反対方向に向けて延びてもよい。
上記ドリルにおいて、前記切屑排出溝は、前記中心軸と平行に延びてもよい。
上記ドリルにおいて、前記ドリル本体の内部を延び、前記ドリル本体の先端面または前記切屑排出溝に開口するクーラント孔を備えてもよい。
上記ドリルにおいて、前記ドリル本体は、ソリッドドリルの少なくとも先端部であってもよい。
上記ドリルにおいて、前記ドリル本体は、刃先交換式ドリルのドリルヘッドであってもよい。
本発明の一つの態様のドリルによれば、加工精度を良好に維持しつつ、切刃の欠損を抑制できる。
本実施形態のドリルを示す正面図である。 本実施形態のドリルを図1のII方向から見た側面図である。 本実施形態のドリルを図1のIII方向から見た側面図である。 本実施形態のドリルの変形例を示す正面図である。 本実施形態のドリルの変形例を図4のV方向から見た側面図である。 図4のVI部を拡大して示す図である。
以下、本発明の一実施形態のドリル10について、図面を参照して説明する。
〔ドリルの概略構成〕
本実施形態のドリル10は、例えば、CFRP、および、CFRPにアルミニウムやチタン等の金属板が積層された重ね板構造を有する被削材に穴あけ加工を行う際に使用される。本実施形態の例では、ドリル10は、ソリッドドリルである。
図1〜図3に示すように、本実施形態のドリル10は、略円柱状のドリル本体1を備える。ドリル本体1は、中心軸Oを有する。ドリル本体1は、中心軸Oに沿う方向の第1の端部が刃部とされ、中心軸Oに沿う方向の第2の端部を含む前記第1の端部以外の部位(つまり刃部以外の部位)が、図示しないシャンク部とされる。
ドリル本体1のシャンク部は、例えば工作機械の主軸やボール盤等に着脱可能に装着される。ドリル本体1は、被削材に対して中心軸O回りの周方向のうちドリル回転方向Tに回転させられ、軸方向の先端側へ送り出されて、刃部により被削材に切り込んで穴あけ加工を行う。
〔本実施形態で用いる方向(向き)の定義〕
ドリル本体1の中心軸Oに沿う方向(中心軸Oが延在する方向)を、軸方向と呼ぶ。軸方向のうち、ドリル本体1のシャンク部から刃部へ向かう方向(図2および図3における下側)を先端側と呼び、刃部からシャンク部へ向かう方向(図2および図3における上側)を後端側と呼ぶ。
中心軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Oに接近する方向を径方向の内側と呼び、中心軸Oから離れる方向を径方向の外側と呼ぶ。
中心軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。周方向のうち、穴あけ加工時にドリル本体1が回転させられる向きをドリル回転方向Tと呼び、これとは反対の回転方向を、ドリル回転方向Tとは反対方向(反ドリル回転方向)と呼ぶ。
〔ドリル本体、切屑排出溝〕
ドリル本体1の外周には、軸方向の先端から後端側へ向けて延びる切屑排出溝2が、周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。切屑排出溝2は、ドリル本体1の先端に開口し、該先端から軸方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向Tとは反対方向に向けてねじれて、螺旋状に延びる。
複数の切屑排出溝2は、中心軸Oに関して回転対称位置となるように、ドリル本体1の外周において周方向に等間隔をあけて(等ピッチで)配置されている。図1に示すように、切屑排出溝2は、溝の内周が凹曲面状をなしている。
本実施形態の例では、ドリル10がツイストドリルであり、ドリル本体1の外周には、2つの切屑排出溝2が形成されている。またこれにともなって、ドリル本体1の後述する先端面3、切刃4、シンニング面5およびランド部15についても、それぞれ2つずつ形成されている。
図示を省略するが、切屑排出溝2は、例えばドリル本体1の軸方向の中央部付近から後端側に位置する領域において、径方向外側へ向けてドリル本体1の外周面に切れ上がっている。そしてドリル本体1において、軸方向に沿う切屑排出溝2が位置する範囲が刃部とされ、この範囲よりも後端側の範囲がシャンク部とされる。
図1〜図3において、ドリル本体1には、ドリル10の先端側(ドリル送り方向)を向く先端面(先端逃げ面)3と、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aと先端面3との交差稜線に沿って延びる切刃4と、先端面3と該先端面3のドリル回転方向Tとは反対方向(反ドリル回転方向)に隣り合う切屑排出溝2との間に形成されたシンニング面5と、が備えられる。シンニング面5は、ドリル本体1における切屑排出溝2の先端部を切り欠くように形成されたシンニング部のうち、軸方向の先端側および反ドリル回転方向を向く面(傾斜面)である。
〔先端面〕
先端面3は、切刃4のドリル回転方向Tとは反対方向に隣接配置された第1先端逃げ面6と、第1先端逃げ面6のドリル回転方向Tとは反対方向に隣接配置された第2先端逃げ面7と、を有する。
第1先端逃げ面6は、切刃4からドリル回転方向Tとは反対方向に向かうにしたがい徐々に軸方向の後端側へ向けて傾斜している。第2先端逃げ面7は、第1先端逃げ面6からドリル回転方向Tとは反対方向に向かうにしたがい徐々に軸方向の後端側へ向けて傾斜しており、第1先端逃げ面6よりも大きな逃げ角を有している。つまり、第2先端逃げ面7におけるドリル周方向に沿う単位長さあたりの軸方向への変位量(逃げ角に相当する傾き)は、第1先端逃げ面6における前記変位量よりも大きい。
図1に示すように、ドリル本体1を軸方向の先端から後端側へ向けて見たドリル正面視において、第1先端逃げ面6は、径方向に延びる帯状(径方向に長い略四角形状)をなしており、第2先端逃げ面7は、扇形状をなしている。
本実施形態の例では、先端面3が、互いに異なる2つの傾斜面(第1先端逃げ面6および第2先端逃げ面7)を有しているが、これに限定されない。先端面3は、単一の傾斜面により形成されていてもよく、あるいは、ドリル周方向に並ぶ3つ以上の傾斜面を備えていてもよい。
〔クーラント孔〕
特に図示しないが、ドリル本体1には、クーラント孔が形成されていてもよい。クーラント孔は、ドリル本体1の内部を延びる。クーラント孔は、ドリル本体1の内部を切屑排出溝2に沿うようにねじれて延びる。クーラント孔は、ドリル本体1の先端面3または切屑排出溝2に開口する。クーラント孔内には、例えば工作機械の主軸等を通して、クーラント(エア、セミドライ、切削油等)が供給される。クーラントは、クーラント孔を通して、ドリル本体1の刃部および被削材の加工部位に向けて噴出する。
〔シンニング面〕
図1に示すドリル正面視で、シンニング面5は、ドリル本体1の先端部のうち、切屑排出溝2のドリル回転方向Tとは反対方向を向く壁面2bと、該壁面2bのドリル回転方向Tに隣り合う先端面3(第2先端逃げ面7)と、の間に形成されている。シンニング面5は、中心軸Oに対して傾斜する平面状である。シンニング面5は、軸方向の先端側およびドリル回転方向Tとは反対方向を向く。
シンニング面5は、先端面3(第1先端逃げ面6および第2先端逃げ面7)よりも大きな逃げ角を有する。つまり、シンニング面5におけるドリル周方向に沿う単位長さあたりの軸方向への変位量(逃げ角に相当する傾き)は、先端面3における前記変位量よりも大きい。
〔切刃〕
切刃(先端刃)4は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aにおける先端部と、先端面3における第1先端逃げ面6と、の交差稜線部に形成されている。切刃4は、径方向外側へ向かうにしたがい軸方向の後端側へ向けて延びる。切刃4は、壁面2aのうち切刃4と繋がる部分をすくい面21とし、先端面3のうち切刃4と繋がる部分(第1先端逃げ面6)を逃げ面とする。本実施形態の例では、切刃4は、ホーニング刃ではない。つまり切刃4は、チャンファホーニングや丸ホーニング等のホーニングを有さない。
切刃4は、切刃4のうち径方向の内側の端部(内端部)に位置するシンニング切刃9と、切刃4のうちシンニング切刃9以外の部分である主切刃13と、を有する。つまり切刃4は、主切刃13と、主切刃13の径方向内側に位置するシンニング切刃9と、を有する。
シンニング切刃9は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aの先端内周部に位置するシンニング壁面14と、先端面3(第1先端逃げ面6)との交差稜線部に形成されている。シンニング壁面14は、ドリル本体1における切屑排出溝2の先端部を切り欠くように形成されたシンニング部のうち、ドリル回転方向Tを向く面(立壁面)である。シンニング壁面14は、例えば三角形面状をなしている。
図1に示すように、シンニング切刃9は、主切刃13と繋がる凸曲線状の部分9aと、凸曲線状の部分9aよりも径方向内側に位置する直線状の部分9bと、を有する。凸曲線状の部分9aは、ドリル回転方向Tに向けて凸となる曲線状をなす。凸曲線状の部分9aは、主切刃13と滑らかに段差なく接続する。直線状の部分9bは、略径方向に沿って延びる直線状である。シンニング切刃9において、凸曲線状の部分9aと、直線状の部分9bとは、互いに滑らかに段差なく接続する。
主切刃13は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aのうち、シンニング壁面14よりも径方向外側に位置する部分と、先端面3(第1先端逃げ面6)との交差稜線部に形成されている。主切刃13は、シンニング切刃9の径方向外端に接続し、この接続部から径方向外側へ向かうように延びている。
本実施形態の例では、図1に示すドリル正面視で、主切刃13が直線状をなしている。ただしこれに限らず、図1において主切刃13が、ドリル回転方向Tとは反対方向に向けて窪む凹曲線状をなしていてもよい。主切刃13の刃長は、シンニング切刃9の刃長よりも長い。主切刃13の刃長は、切刃4の全刃長のうち半分以上を占める。
〔すくい面、切刃のアキシャルレーキ〕
図3に示すように、すくい面21は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aに配置されて、切刃4と繋がる。すくい面21は、壁面2aのうち先端部に位置する。すくい面21は、切刃4に隣接配置される。
すくい面21は、主切刃13と繋がる主切刃すくい面部22と、シンニング切刃9と繋がるシンニング切刃すくい面部23と、を有する。
図2に示すように、主切刃すくい面部22は、主切刃13から軸方向に沿って延びる。すなわち、主切刃すくい面部22は、主切刃13から軸方向の後端側へ向けて、中心軸Oと略平行に延びる。このため、主切刃13のアキシャルレーキ(角度θ1)は、略0°である。具体的に、主切刃13のアキシャルレーキは、0°である。主切刃13のアキシャルレーキは、主切刃13の刃長に沿って一定である。つまり主切刃13は、主切刃13の刃長全域において、アキシャルレーキが一定である。
なお、本実施形態でいう「アキシャルレーキ」とは、ドリル本体1の中心軸Oと、切刃4上の所定の点とを含む基準面に対する、切刃4のすくい面21の傾きを表す角度に相当し、軸方向すくい角とも呼ばれる。
図3に示すように、シンニング切刃すくい面部23は、シンニング切刃9から軸方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向Tに向けて延びる。すなわち、シンニング切刃すくい面部23は、中心軸Oに対して傾斜して延びる。このため、シンニング切刃9のアキシャルレーキ(角度θ2)は、ネガティブ(負)角である。シンニング切刃すくい面部23は、シンニング壁面14に配置される。すなわち、本実施形態では、シンニング壁面14についても、シンニング切刃9から軸方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向Tに向けて延びる。
シンニング切刃9のうち、直線状の部分9bのアキシャルレーキは、刃長に沿って一定である。つまり直線状の部分9bは、直線状の部分9bの刃長全域において、アキシャルレーキが一定である。
シンニング切刃9のうち、凸曲線状の部分9aのアキシャルレーキは、刃長に沿って直線状の部分9bから主切刃13へ向かうにしたがい徐々にポジティブ(正)角側に大きくなる。すなわち、凸曲線状の部分9aは、刃長方向に沿って径方向外側へ向かうにしたがい、アキシャルレーキがポジティブ角側に徐々に大きくなる。
〔ランド部〕
ドリル本体1の外周のうち、周方向に隣り合う切屑排出溝2同士の間には、ランド部15が形成されている。
ランド部15は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aのドリル回転方向Tとは反対方向に隣接配置された第1マージン部11と、第1マージン部11よりもドリル回転方向Tとは反対方向に該第1マージン部11から離れて配置された第2マージン部12と、を有する。つまり本実施形態の例では、ドリル10が、ダブルマージンタイプである。
第1マージン部11および第2マージン部12は、切刃(先端刃)4の最外径(切刃4の径方向の外端が中心軸O回りに回転して形成される回転軌跡の円の直径)と略等しい外径を有する中心軸Oを中心とした仮想円筒面上に位置している。これらのマージン部11、12は、切屑排出溝2が螺旋状にねじれて延びているのにともなって、軸方向の先端から後端側へ向かうにしたがい徐々にドリル回転方向Tとは反対方向へ向けてねじれて、螺旋状に延びている。
またランド部15のうち、第1マージン部11および第2マージン部12以外の部位は、これらのマージン部11、12よりも径方向内側に位置する二番取り面とされている。
〔リーディングエッジ〕
切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aと、第1マージン部11との交差稜線部のうち、少なくとも軸方向の先端部には、リーディングエッジ(外周刃)が形成されている。本実施形態の例では、ドリル本体1の刃部の外径が、軸方向の先端から後端側へ向かうにしたがい徐々に小さくされており、バックテーパが与えられている。これに応じて、リーディングエッジの外径も、ドリル本体1の先端から後端側へ向けて徐々に小さくされている。ただしこれに限らず、ドリル本体1の刃部には、バックテーパが付与されていなくてもよい。つまりドリル本体1の外周刃は、軸方向に沿って一定の外径とされていてもよい。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態のドリル10によれば、主切刃すくい面部22が、主切刃13から軸方向に沿って延びる。つまり、主切刃13のアキシャルレーキが、略0°である。このため、例えばCFRP、および、CFRPにアルミニウムやチタン等の金属板が積層された重ね板構造を有する被削材に穴あけ加工を行う場合において、加工穴の加工入口側および加工出口側に、バリや層間剥離等が生じることを抑制できる。
具体的に、主切刃13のアキシャルレーキがポジティブ(正)角の場合には、加工穴の加工入口側に、バリ等が生じるおそれがある。
また、主切刃13のアキシャルレーキがネガティブ(負)角の場合には、加工穴の加工出口側に、バリや層間剥離等が生じるおそれがある。またこの場合、主切刃13の切れ味が低下する結果、穴あけ加工時の切削熱が上昇しやすくなって、加工穴の穴品質(穴内壁面の面粗さ)を低下させるおそれも生じる。
このため、主切刃13のアキシャルレーキを0°とすることにより、主切刃13の切れ味を良好に維持できる。
なお、穴あけ加工時においては、軸方向の負荷の大半をドリル先端の中心部近傍で受けることになる。そこで本実施形態では、切刃4のうち、ドリル先端の中心部近傍に位置するシンニング切刃9については、アキシャルレーキをネガティブ角とした。すなわち、加工時に特に大きな切削負荷が作用しやすいシンニング切刃9については、アキシャルレーキをネガティブ角として、刃先強度を高めた。これにより、従来では切刃の中でも特に欠損しやすかったシンニング切刃の欠損を、効果的に抑制できる。
なお、シンニング切刃9をネガティブ角とした場合でも、加工穴の穴品質には影響しにくい。シンニング切刃9は、加工穴の穴内壁面から径方向内側に離れた位置を加工する切刃だからである。
以上より、本実施形態のドリル10によれば、加工精度を良好に維持しつつ、切刃4の欠損を抑制できる。
また本実施形態では、シンニング切刃9のうち、凸曲線状の部分9aのアキシャルレーキが、刃長に沿って直線状の部分9bから主切刃13へ向かうにしたがい徐々に正角側に大きくなるので、下記の作用効果が得られる。
この場合、シンニング切刃9の凸曲線状の部分9aによって、シンニング切刃すくい面部23と、主切刃すくい面部22とを、滑らかに接続できる。すなわち、アキシャルレーキがネガティブ角とされたシンニング切刃9と、アキシャルレーキが0°とされた主切刃13との間で、凸曲線状の部分9aにおいてアキシャルレーキが徐々に変化する。
したがって、シンニング切刃9と主切刃13との接続箇所の近傍において、アキシャルレーキが大きく変化することが抑えられ、切刃4の強度が低くなる部分が形成されにくくなる結果、刃先強度が安定して高められる。また、すくい面21上を流れる切屑の排出性が良好に維持される。
また本実施形態では、シンニング切刃9のうち、直線状の部分9bのアキシャルレーキが、刃長に沿って一定であるので、下記の作用効果が得られる。
この場合、穴あけ加工時に特に大きな切削負荷が作用しやすいシンニング切刃9の直線状の部分9bにおいて、刃先強度が刃長に沿って変化することを抑制できる。したがって、切刃4の欠損がより抑制される。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
前述の実施形態では、切刃4が、ホーニング刃ではない例を挙げて説明したが、これに限定されない。
図4〜図6は、前述の実施形態で説明したドリル10の変形例を示す。この変形例では、切刃4のうちシンニング切刃9が、ホーニング刃である。これにより、シンニング切刃すくい面部23は、軸方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向Tに向けて延びる。つまり、シンニング切刃9のアキシャルレーキがネガティブ角とされる。具体的に、シンニング切刃9は、チャンファホーニングや丸ホーニング等のホーニングを有する。つまりシンニング切刃9には、ホーニング処理が施されている。なお、この変形例においては、シンニング壁面14は、軸方向に沿って延びていてもよい。
図示の例では、シンニング切刃9のホーニング幅が、直線状の部分9bにおいて略一定である。凸曲線状の部分9aのホーニング幅は、刃長に沿って直線状の部分9bから主切刃13へ向かうにしたがい徐々に小さくなる。
なお、主切刃13は、ホーニング刃ではない。
この変形例によれば、ドリル10の構造を複雑にすることなく、製造を容易化しつつ、上述の作用効果を得ることができる。
また、前述の実施形態では、切屑排出溝2がねじれ溝である例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、切屑排出溝2は、中心軸Oと平行に延びてもよい。
また、前述の実施形態で説明したドリル10は、2枚刃のツイストドリルであるが、これに限定されない。ドリル10は、3枚刃以上のドリルであってもよい。
また、前述の実施形態で説明したドリル10は、ソリッドドリルであり、ドリル本体1がソリッドドリルの全体を構成する。ただしこれに限らず、例えば、ドリル本体1が、ソリッドドリルの少なくとも先端部であってもよい。この場合、ドリル本体1は、図示しないシャンク部の先端部に、ロウ付け等により一体に接合される。
また、ドリル本体1が、刃先交換式ドリルのドリルヘッドであってもよい。この場合、ドリル本体1は、刃先交換式ドリルのホルダの先端部に、着脱可能に装着される。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明のドリルによれば、加工精度を良好に維持しつつ、切刃の欠損を抑制できる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
1…ドリル本体
2…切屑排出溝
2a…壁面
3…先端面
4…切刃
9…シンニング切刃
9a…凸曲線状の部分
9b…直線状の部分
10…ドリル
13…主切刃
21…すくい面
22…主切刃すくい面部
23…シンニング切刃すくい面部
O…中心軸
T…ドリル回転方向

Claims (9)

  1. 中心軸を有し、前記中心軸回りのドリル回転方向に回転させられるドリル本体と、
    前記ドリル本体の外周に配置され、軸方向の先端から後端側へ向けて延びる切屑排出溝と、
    前記切屑排出溝の前記ドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線に沿って延びる切刃と、
    前記壁面に配置され、前記切刃と繋がるすくい面と、を備え、
    前記切刃は、
    主切刃と、
    前記主切刃の径方向内側に位置するシンニング切刃と、を有し、
    前記すくい面は、
    前記主切刃と繋がる主切刃すくい面部と、
    前記シンニング切刃と繋がるシンニング切刃すくい面部と、を有し、
    前記主切刃すくい面部は、前記主切刃から軸方向に沿って延び、
    前記シンニング切刃すくい面部は、前記シンニング切刃から軸方向の後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向に向けて延びる、ドリル。
  2. 請求項1に記載のドリルであって、
    前記シンニング切刃は、
    前記主切刃と繋がる凸曲線状の部分と、
    前記凸曲線状の部分よりも径方向内側に位置する直線状の部分と、を有し、
    前記凸曲線状の部分のアキシャルレーキが、刃長に沿って前記直線状の部分から前記主切刃へ向かうにしたがい徐々に正角側に大きくなる、ドリル。
  3. 請求項2に記載のドリルであって、
    前記直線状の部分のアキシャルレーキが、刃長に沿って一定である、ドリル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記シンニング切刃がホーニング刃であることにより、前記シンニング切刃すくい面部は、軸方向の後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向に向けて延びる、ドリル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記切屑排出溝は、軸方向の先端から後端側へ向かうにしたがい前記ドリル回転方向とは反対方向に向けて延びる、ドリル。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記切屑排出溝は、前記中心軸と平行に延びる、ドリル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記ドリル本体の内部を延び、前記ドリル本体の先端面または前記切屑排出溝に開口するクーラント孔を備える、ドリル。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記ドリル本体は、ソリッドドリルの少なくとも先端部である、ドリル。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記ドリル本体は、刃先交換式ドリルのドリルヘッドである、ドリル。
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