JP6278395B2 - 磁性体含有樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂の分子量を均一に制御することができ、磁性体粒子の含有量が多く、含有量のバラツキが少ない磁性体含有樹脂粒子を製造することが可能な磁性体含有樹脂粒子の製造方法に関する。
磁性体含有樹脂粒子は、磁力により容易に捕集される特性に着目し、主に生化学分野において、診断薬担体、細菌あるいは細胞分離担体、核酸あるいは蛋白分離・精製担体、ドラッグデリバリー担体、酵素反応担体、細胞培養担体等としての用途が期待されている。
このような磁性体含有樹脂粒子を合成する方法として、例えば、特許文献1には、親油化処理した磁性体を重合性モノマー中に分散させ、これを懸濁重合することで、磁性体が主にポリマー粒子内部に存在する磁性体含有樹脂粒子を製造する方法が記載されている。
しかしながら、この方法では、重合性モノマーの重合が急激に行われるため、ポリマーと磁性体とが相分離し、得られる磁性体含有樹脂粒子の磁性体含有量が低下するという問題があった。
また、特許文献2には、特定の官能基を有する多孔ポリマー粒子の存在下で、鉄化合物を析出させた後、酸化することにより、多孔ポリマー粒子内部に磁性体を入り込ませ、大粒径かつ均一径の磁性粒子を得る方法が記載されている。
しかしながら、この方法で得られる磁性粒子は、鉄が脱離しやすく、例えば、診断薬等に使用した場合に、鉄イオンが溶出して検出結果に影響を及ぼすことがあった。
特開昭59−221302号公報 特公平05−10808号公報
本発明は、樹脂の分子量を均一に制御することができ、磁性体粒子の含有量が多く、含有量のバラツキが少ない磁性体含有樹脂粒子を製造することが可能な磁性体含有樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、重量平均分子量/数平均分子量で示される分子量分布が、1.5以下のポリマー中に、磁性体粒子が分散された磁性体含有樹脂粒子を製造する方法であって、磁性体粒子の存在下、アレンモノマーを用いてリビング重合を行う工程を有し、上記アレンモノマーは、SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーである磁性体含有樹脂粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、磁性体粒子の存在下でアレンモノマーを用いてリビング重合を行い、磁性体含有樹脂粒子を作製することにより、樹脂の分子量を均一に制御することができ、かつ、磁性体粒子の含有量が多く、含有量のバラツキが少ない磁性体含有樹脂粒子が作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の磁性体含有樹脂粒子の製造方法は、磁性体粒子の存在下、アレンモノマーを用いてリビング重合を行う工程を有する。
上記リビング重合とは、開始剤を起点とする重合反応が停止反応や連鎖移動反応などの副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合のことをいう。
特に、本発明では、上記リビング重合を析出重合で行う方法が好ましい。
本発明では、このようなリビング重合を用いることで、重合反応が同時に開始すれば分子量が均一な重合体を得ることができ、例えば析出重合を用いた場合、粒子核が発生するタイミングを揃えることができるので、分子量や一次構造の規制された高分子鎖からなる粒子径が揃った磁性体含有樹脂粒子を得ることができる。
上記リビング重合としては、特に限定されず、例えば、リビングアニオン重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビング配位重合等を採用することができる。
なかでも、リビング配位重合が好ましい。
上記リビング配位重合を用いることで、水系媒体中での重合反応が可能となり、種々の置換基を有するポリマーを得ることが可能となる。
上記リビング重合において使用する開始剤としては、例えば、π−アリルニッケル触媒をはじめとする各種遷移金属触媒が使用できる。
上記π−アリルニッケル触媒は、ハロゲン化アリル、アリルアセテート等のアリル化合物に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(以下Ni(COD)とする)等の有機ニッケル、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト等のホスフィンを添加して得られる。
上記リビング重合において使用する分散安定剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビング重合において使用する重合溶媒としては特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒のほか、塩化メチレン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、1種類又は2種類以上用いてもよい。上記極性溶媒を用いることで、磁性体粒子の分散性を高め、磁性体粒子の含有量を増加させることが可能となる。
これらの中では、塩化メチレン、水およびメタノール、エタノールを適宜混合して使用するのが好ましい。
また、重合温度は、反応速度の観点から0〜90℃が好ましい。
更に、上記リビング重合においては、貧溶媒中でリビング析出重合を行うことが好ましい。このような方法を用いることで、粒子を構成する樹脂の分子量が揃っている特徴を生かしつつ、極めて粒子径分布の狭いポリマーを有する磁性体含有樹脂粒子を得ることができる。
上記貧溶媒としては、使用するアレンモノマーによって異なるが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の比較的SP値の小さい溶媒が挙げられる。
上記リビング重合の具体的方法としては、例えば、窒素置換した重合容器に予め調製したπ−アリルニッケル触媒に溶媒、アレンモノマーを添加し、室温で数時間攪拌する方法が挙げられる。
上記アレンモノマーとしては、特に限定されないが、SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーを用いることが好ましい。SP値が高い極性官能基含有アレンモノマーを用いることにより、得られる磁性体含有樹脂粒子は、高い親水性を有するとともに、リビング重合を経て重合したときに、分子量が均一な重合体を得ることができる。また、リビング重合を経て重合することで、親水性基を均一に粒子表面に導入することが可能となる。
上記極性官能基含有アレンモノマーのSP値の好ましい下限は10である。10未満であると、通常親水性媒体が使用されるX線造影剤等に用いた場合、分散媒体への親和性が小さく、保存安定性のある薬剤として使用することができないことがある。好ましい下限は12、好ましい上限は20である。
なお、本明細書においてSP値とは、Fedorsの式δ=ΣE/ΣV(δはSP値、Eは蒸発エネルギー、Vはモル体積を意味する。)により算出される計算値を意味する。なお、SP値の単位は(cal/cm0.5である。Fedorsの方法については、日本接着協会誌、1986年22巻566ページに記載されている。
上記SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーとしては、例えば、カルボキシメチルアレン、2−カルボキシエチルアレン、ジカルボキシルメチルアレン、2,2−ジカルボキシエチルアレン、アミノメチルアレン、2−アミノエチルアレン、シアノメチルアレン、2−シアノエチルアレン等が挙げられる。また、後述するSP値が10以上の水酸基含有アレンモノマーも上記SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーに含まれる。
上記SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーのなかでも、SP値が10以上の水酸基含有アレンモノマーを用いることが、重合時に凝集を招くことなく、分散安定性が優れた磁性体含有樹脂粒子を得る上でさらに好ましい。上記SP値が10以上の水酸基含有アレンモノマーとしては、例えば、ヒドロキシメチルアレン、ヒドロキシエチルアレン、ヒドロキシプロピルアレン、ヒドロキシブチルアレン、ジヒドロキシメチルアレン、ビス(ヒドロキシメチル)アレン、ビス(ヒドロキシエチル)アレン、ジヒドロキシエチルアレン、ジヒドロキシプロピルアレン、ジヒドロキシブチルアレン、ヒドロキシフェニルアレン、ヒドロキシフェノキシアレン、ヒドロキシメトキシアレン、ヒドロキシエトキシアレン、ヒドロキシプロピオキシアレン、ジヒドロキシエトキシアレン、ジヒドロキシプロピオキシアレン等が挙げられる。
上記水酸基含有アレンモノマーは、1分子あたり2個以上の水酸基を有することが好ましい。このように水酸基を複数有することで、少ない水酸基含有アレンユニットの導入量で粒子表面の水酸基密度を上げ、効果的に親水性を付与することができる。
上記1分子あたり2個以上の水酸基を有する水酸基含有アレンモノマーとしては、例えば、ジヒドロキシメチルアレン、ジヒドロキシエチルアレン、ジヒドロキシプロピルアレン、ジヒドロキシブチルアレン、ジヒドロキシエトキシアレン、ジヒドロキシプロピオキシアレン等が挙げられる。
上記水酸基含有アレンモノマーは、炭素数が2以上のヒドロキシアルキル基を側鎖に有することが好ましい。このようなヒドロキシアルキル基を有することで、水酸基がポリマー主鎖に対して自由に立体配座することができ、その結果、水酸基と相互作用を及ぼす物質に対し、より強固な相互作用を及ぼすことができる。よって本発明で得られる磁性体含有樹脂粒子をクロマトグラフィー充填剤として用いた場合、標的物質の捕捉性を向上することができる。
上記炭素数が2以上のヒドロキシアルキル基を側鎖に有する水酸基含有アレンモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアレン、ヒドロキシプロピルアレン、ヒドロキシブチルアレン、ジヒドロキシエチルアレン、ジヒドロキシプロピルアレン、ジヒドロキシブチルアレン、ヒドロキシプロピオキシアレン、ジヒドロキシプロピオキシアレン等が挙げられる。
本発明では、上記アレンモノマーとして、極性官能基含有アレンモノマーのほかに炭化水素系アレンモノマーを用いてもよい。
上記炭化水素系アレンモノマーとしては、例えば、フェノキシアレン、メトキシアレン、エトキシアレン、プロピオキシアレン、ブトキシアレン、アレン(1,2−プロパジエン)、メチルアレン、エチルアレン、プロピルアレン、ブチルアレン、イソプロピルアレン、ヘキシルアレン、フェニルアレン、ベンジルアレン、ジメチルアレン、ジエチルアレン、ジヘキシルアレン、ジフェニルアレン、置換アルキルブタジニエルエーテル、アレン酸エステル、ポリオキシエチレンアレニルアルキルエーテル等が挙げられる。
上記フェノキシアレンとしては、例えば、フェノキシアレン、(4−tert−ブチルフェノキシ)アレン、(4−アセチルフェノキシ)アレン等が挙げられる。
なお、炭化水素系アレンモノマーとは、アレン基以外に炭化水素基を有し、かつ、上記極性官能基含有アレンモノマー以外のアレンモノマーをいう。
また、上記炭化水素系アレンモノマーとしては、SP値が9以下の炭化水素系アレンモノマーを用いることが好ましい。これにより、比較的高極性の溶媒中で、核材となる樹脂コア粒子を生成することができるという利点がある。
上記SP値が9以下の炭化水素系アレンモノマーとしては、例えば、メトキシアレン、エトキシアレン、プロポキシアレン、ブトキシアレン、(4−tert−ブチルフェノキシ)アレン、アレン、メチルアレン、エチルアレン、プロピルアレン、ブチルアレン、イソプロピルアレン、ヘキシルアレン、フェニルアレン、ベンジルアレン、ジメチルアレン、ジエチルアレン、ジヘキシルアレン、ジフェニルアレン等が挙げられる。
本発明において、上記アレンモノマーとして複数のアレンモノマーを使用する場合、その平均SP値は、10〜18であることが好ましい。
なお、上記平均SP値は、各アレンモノマーについて、SP値に混合モル比率を掛けた数値を算出した後、その数値を足し合わせることで計算することができる。
本発明では、上記アレンモノマー以外のモノマーを使用してもよいが、その場合であっても、上記アレンモノマーの添加量は、使用モノマーの全量に対して好ましい下限は10重量%である。上記アレンモノマーの添加量が10重量%未満であると磁性体含有樹脂粒子が生成しにくくなることがある。上記アレンモノマーの添加量のより好ましい下限は30重量%である。
なお、上記アレンモノマー以外のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、スチレンおよびその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマー、アクリルアミド等のアミド系モノマー、ビニルエーテルモノマー、アリルモノマー等が挙げられる。
上記磁性体粒子の材質としては、特に限定されず、例えば、四三酸化鉄(Fe)、γ−重三二酸化鉄(γ−Fe)等の各種フェライト類;鉄、マンガン、コバルト等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。なかでもフェライト類が好適であり、なかでも四三酸化鉄(Fe)が好適である。
このような磁性体としては、Fe2+とFe3+を1:2の割合で含む混合液を塩基性の溶液に滴下することでFeが得られる共沈反応法により調製したもの等を用いることができる。また、フェリコロイドHC−50(タイホー工業社製)、HX―20(シグマハイケミカル社製)等の市販品も用いることができる。
本発明の磁性体含有樹脂粒子中における磁性体粒子の平均粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は1000nmである。1nm未満であると、磁性体粒子の製造自体が困難であることに加え、磁性体の磁性応答特性が減少し、標識として用いたときの感度が低下することがある。1000nmを超えると、残留磁気を生じやすくなり、自己凝集しやすくなることがある。
本発明の磁性体含有樹脂粒子中における磁性体粒子の含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は90重量%である。5重量%未満であると、磁性量が低く、極微量の測定対象成分を分析する際に検出が困難となることがある。90重量%を超えると、自己凝集しやすくなったり、磁性体含有樹脂粒子全体の重量が大きくなり過ぎたりすることがある。
本発明において、「磁性体粒子の存在下」とは、アレンモノマーと磁性体粒子を同時に添加する方法のほか、磁性体粒子が予め添加された系中にアレンモノマーを追添加し重合する方法、またアレンモノマーの重合と共に磁性体粒子が析出してくる方法等を用いてもよい。
本発明の磁性体含有樹脂粒子は、平均粒子径の好ましい下限が0.001μm、好ましい上限が1000μmである。平均粒子径が0.001μm未満であると、重合系の粘度が上昇して粒子を溶媒と分離できないことがある。平均粒子径が1000μmを超えると、重合中に粒子が凝集することがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は0.005μm、より好ましい上限は100μmである。
なお、上記磁性体含有樹脂粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の磁性体含有樹脂粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
また、上記磁性体含有樹脂粒子の平均粒子径は、CV値の好ましい上限が10%である。CV値が10%を超えると、粒子径分布が広くなり過ぎる。CV値のより好ましい上限は7%である。なお、CV値は、標準偏差を平均粒子径で割った値の百分率(%)で示される数値である。
本発明の磁性体含有樹脂粒子の製造方法で得られる磁性体含有樹脂粒子を構成するポリマーの分子量分布(=重量平均分子量/数平均分子量)は1.5以下である。
上記分子量分布が1.5より大きくなると、粒子径分布が広くなり、樹脂粒子中で磁性体粒子の局在化が起こるほか、2種類以上のモノマーを用いてブロックポリマーを合成する際、各ブロックの組成比のばらつきが大きくなる。
好ましくは1.0〜1.4である。
本発明の磁性体含有樹脂粒子の製造方法としては、上記磁性体粒子の存在下、アレンモノマーを用いてリビング重合を行う工程を有するものであれば、特に限定されないが、更に、表面に被覆層を形成する工程を行う方法を用いてもよい。
上記被覆層は、被覆層形成用アレンモノマーを重合してなるポリマーからなるものとすることが好ましい。
上記被覆層形成用アレンモノマーとしては、磁性体粒子と容易に混合しない特定の官能基を含有するアレンモノマー、反応性官能基を含有するアレンモノマーが好ましい。
このような方法を用いることで、粒子の凝集を招くことなく合成し、粒子径の制御を容易にできるという利点がある。すなわち、溶媒中で磁性体含有樹脂粒子を析出させて核材(コア粒子)を形成し、後に所定の被覆層形成用アレンモノマーを重合して、コア粒子上に被覆層を形成させれば、表面上に所定の官能基を有する磁性体含有樹脂粒子を収率良く合成することができる。
上記磁性体粒子と容易に混合しない特定の官能基を含有するアレンモノマーとしては、特に限定されず、2−(パーフルオロオクチル)エチル2,3−ブタジエニルエーテル等のフッ素含有アレンモノマーや、1−トリエトキシシリル−1−メトキシアレン、1−トリメトキシシリル−1−メトキシアレン、1−トリエトキシシリル−1−エトキシアレン、1−トリメトキシシリル−1−エトキシアレン、1−トリエトキシシリルアレン、1−トリメトキシシリルアレン、1−トリエトキシシリル−1−メチルアレン、1−トリメトキシシリル−1−メチルアレン等のアルコキシシリル基置換アレンモノマー等が挙げられる。
また、上記反応性官能基を含有するアレンモノマーとしては、特に、上記極性官能基含有アレンモノマーを使用することが好ましい。
上記表面に被覆層を形成する工程としては、特に限定されないが、上記被覆層形成用アレンモノマーを用いてリビング重合を行うことで、被覆層を形成することが好ましい。
上記リビング重合を用いることで、磁性体含有樹脂粒子を構成するポリマーに被覆層形成用アレンモノマーを更に重合させることができ、その結果、均一な厚みを有する極性官能基含有アレンポリマー層を形成することができる。また、上記極性官能基含有アレンポリマー層の厚みを所望の厚みに制御することが可能となる。
上記表面に被覆層を形成する工程における上記被覆層形成用アレンモノマーの添加量としては、形成する極性官能基含有アレンポリマー層の厚みに応じて決定されるが、コア粒子100重量部に対して0.1〜700重量部であることが好ましい。上記範囲内とすることで、適度な厚みを有する被覆層形成用アレンモノマーからなるポリマー層を形成することが可能となる。より好ましくは、磁性体含有樹脂コア粒子100重量部に対して0.5〜400重量部である。さらにより好ましくは、磁性体含有樹脂コア粒子100重量部に対して1〜100重量部である。
上記表面に被覆層を形成する工程において形成される被覆層の厚みの好ましい下限は0.0001μm、好ましい上限100μmである。厚みが0.0001μm未満であると、上記被覆層形成用アレンモノマーに由来する反応性等の効果が十分得られないことがある。厚みが100μmを超えると、厚みの均一性が失われることがある。上記厚みのより好ましい下限は0.001μm、より好ましい上限は10μmである。
本発明で得られる磁性体含有樹脂粒子は、診断薬担体、細菌あるいは細胞分離担体、核酸あるいは蛋白分離・精製担体、ドラッグデリバリー担体、酵素反応担体、細胞培養担体、X線造影剤等として好適に用いることができる。
本発明によれば、樹脂の分子量を均一に制御することができ、粒子径分布が狭いうえに、磁性体粒子の含有量が多く、含有量のバラツキが少ない磁性体含有樹脂粒子を製造することが可能な磁性体含有樹脂粒子の製造方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(磁性体粒子の作製)
ナスフラスコに、塩化鉄(III)水溶液(2.0M、4.0mL)と硫酸鉄(II)水溶液(1.0M、16mL)とを添加した後、混合し、60℃に加熱した。そこにアンモニア水溶液(0.70M、200mL)、オレイン酸(5.0mmol)を加え60℃で30分撹拌した。その後、反応系を室温まで冷却し室温で更に6時間撹拌することにより黒色の懸濁液を得た。
得られた懸濁液を遠心分離(3000rpm)により沈降させ上澄み液を除去し、メタノールへの再分散と遠心分離を3回繰り返し黒色の固体として目的のマグネタイト(Fe)からなる磁性体粒子を得た(収量0.94g、平均粒子径96nm)。
(磁性体含有樹脂粒子の作製)
まず、Ni(COD)のトルエン溶液(0.10M、0.13mL)、アリルトリフルオロアセテートのトルエン溶液(1.0M、15μL)、トリフェニルホスフィンのトルエン溶液(1.0M、20μL)から調製したπ−アリルニッケル触媒を予め反応溶媒である乾燥塩化メチレン(2.0mL)で溶媒置換することでπ−アリルニッケル触媒溶液を作製した。
次いで、三方コックを有するすり付き二口試験管に、得られた磁性体粒子(0.0021g)、分散安定剤としてポリメチルメタクリレート(Mw=120,000、0.0021g)、を添加し、窒素置換を行った。その後、得られたπ−アリルニッケル触媒溶液を添加して、超音波照射下で磁性体粒子を分散させた。ここにヒドロキシエチルアレン(0.042g、0.50mmol、SP値:10.4)を加え、室温で24時間、350rpmで撹拌しつつ重合を行った。重合の進行に伴い約数分で系が懸濁し、重合系は不均一系へと移行した。ヒドロキシエチルアレンの完全な消費をガスクロマトグラフィーにより確認した後、空気中で触媒を不活性化し、遠心分離による上澄み液の除去操作を2回繰り返し精製した。溶媒除去後、茶褐色の粉末として磁性体含有樹脂粒子(収率:73%、0.032g)を得た。
(実施例2)
(被覆層の形成)
実施例1と同様の方法で磁性体含有樹脂粒子を作製した後、コア粒子として磁性体含有樹脂粒子0.032gに、2−(パーフルオロオクチル)エチル2,3−ブタジエニルエーテル(0.10g、0.20mmol)を加え共重合を行い、2−(パーフルオロオクチル)エチル2,3−ブタジエニルエーテルの消費をガスクロマトグラフィーにより確認した後、重合系を空気中で放置し生長末端を不活性化させ、磁気デカンテーションにより上澄み液を除去する操作を2回繰り返し精製した。また、溶媒除去後、茶褐色の粉末として被覆層が形成された磁性体含有樹脂粒子(収量:67%、0.096g)を得た。
参考例3
(磁性体含有樹脂粒子の作製)
乾燥塩化メチレンに代えてエタノール、分散安定剤としてポリメチルメタクリレートに代えてポリビニルピロリドン(Mw=40,000、0.0021g)、ヒドロキシエチルアレン(0.042g、0.50mmol)に代えて、フェノキシアレン(0.066g、0.50mmol、SP値:9.0)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、磁性体含有樹脂粒子(収率89%、0.061g)を得た。
参考例4
(被覆層の形成)
被覆層の形成)
参考例3と同様の方法で磁性体含有樹脂粒子を作製した後、コア粒子として磁性体含有樹脂粒子0.032gに、ヒドロキシエチルアレン(0.0084g、0.10mmol)を加え、共重合を行い、ヒドロキシエチルアレンの消費をガスクロマトグラフィーにより確認した後、重合系を空気中で放置し生長末端を不活性化させ、磁気デカンテーションにより上澄み液を除去する操作を2回繰り返し精製した。また、溶媒除去後、茶褐色の粉末として被覆層が形成された磁性体含有樹脂粒子(収率77%、0.031g)を得た。
参考例5
(被覆層の形成)
ヒドロキシエチルアレン(0.0084g、0.10mmol)に代えて、2−(パーフルオロオクチル)エチル−2,3−ブタジエニルエーテル(0.10g、0.20mmol)を用いた以外は参考例4と同様にして、被覆層が形成された磁性体含有樹脂粒子(収率60%、0.065g)を得た。
(比較例1)
三方コックを有するすり付き二口試験管に、得られた磁性体粒子(0.0021g)、分散安定剤としてポリメチルメタクリレート(Mw=120,000、0.0021g)、を添加し、窒素置換を行った。その後、重合溶媒である乾燥塩化メチレン(2.0mL)添加して、超音波照射下で磁性体粒子を分散させた。ここにN,N−ジエチルジチオカルバメート、(0.0030g、0.01mmol)ヒドロキシエチルメタクリレート(0.065g、0.50mmol)を加え、高圧水銀ランプHL400BH−8(46mW/cm、波長365nmセン特殊光源株式会社製)で光照射させることにより重合を開始させた。室温で4時間、350rpmで撹拌しつつ重合を行ったところ、ポリマーが凝集し、樹脂粒子を得ることができなかった。
(比較例2)
三方コックを有するすり付き二口試験管に、イオン交換水2.0mL、得られた磁性体粒子(0.0021g)、分散安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.02g)、を添加し、窒素置換を行った。その後、超音波照射下で磁性体粒子を分散させ、ここに過硫酸カリウム、(0.0014g、0.01mmol)、メチルメタクリレート(0.050g、0.50mmol)を加え、350rpmで撹拌しつつ、65℃に昇温することにより重合を開始させた。65℃で4時間重合後冷却し、遠心分離による上澄み液の除去操作を2回繰り返し精製した。溶媒除去後、茶褐色の粉末として磁性体含有樹脂粒子(収率:80%、0.041g)を得た。
(評価)
(1)平均粒子径の測定
動的光散乱式粒度分布計(Particle Sizing Systems社製、「NICOMP model 380 ZLS−S」)を用いて、各実施例及び比較例で得られた磁性体含有樹脂粒子の体積平均粒子径及び粒子径のCV値を測定した。
(2)重量平均分子量及び分子量分布の測定
磁性体含有樹脂粒子又はコア粒子を構成する樹脂の重量平均分子量及び分子量分布は下記の方法により測定した。水酸基をもつ樹脂粒子に関しては、無水酢酸とピリジンにより35℃で5時間反応させ、アセチル化した後に評価を行った。カラムとしてTOSOH社製カラムGMH−HRを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn))を測定した。
(3)磁性体粒子の含有状態の評価
磁性体含有樹脂粒子中の磁性体粒子含有状態については、重合後得られた粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像より評価した。粒子中の磁性体粒子部分は黒く、樹脂部分は半透明に撮影されるため、画像を画像処理ソフトによって黒白二値化し、黒色部分の占める割合を磁性体粒子の含有率として評価した。TEM画像中で任意に選らんだ粒子100個について、磁性体粒子含有率の平均値とCV値を計算し、含有率の均一性についてCV値で評価した。
(4)粒子の親水性評価
イオン交換水1gとエタノール1gの混合溶媒へ、得られた粒子の乾燥粉体0.01gを添加、攪拌した後、10分間静置してスラリーの状態を観察した。粒子が溶媒になじみ、分散又は沈降したものは○、粒子が水になじまず凝集又は容器壁面への付着、液面近傍での浮遊が観察されたものは×とした。
(5)被覆層の厚み測定
被覆層が形成された磁性体含有樹脂粒子について、被覆層を被覆前の平均粒子径をφ1、被覆後の平均粒子径をφ2として、下記式から被覆層の厚みtを算出した。
t=(φ2−φ1)/2
Figure 0006278395
本発明によれば、樹脂の分子量を均一に制御することができ、磁性体粒子の含有量が多く、含有量のバラツキが少ない磁性体含有樹脂粒子を製造することが可能な磁性体含有樹脂粒子の製造方法を提供できる。

Claims (4)

  1. 重量平均分子量/数平均分子量で示される分子量分布が、1.5以下のポリマー中に、磁性体粒子が分散された磁性体含有樹脂粒子を製造する方法であって、
    磁性体粒子の存在下、アレンモノマーを用いてリビング重合を行う工程を有し、
    前記アレンモノマーは、SP値が10以上の極性官能基含有アレンモノマーであることを特徴とする磁性体含有樹脂粒子の製造方法。
  2. アレンモノマーは、SP値が10以上の水酸基含有アレンモノマーであることを特徴とする請求項記載の磁性体含有樹脂粒子の製造方法。
  3. 極性溶媒中でリビング重合を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の磁性体含有樹脂粒子の製造方法。
  4. 更に、表面に被覆層を形成する工程を行う
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁性体含有樹脂粒子の製造方法。
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