JP6277936B2 - 電池スタックの検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池スタックの検査方法に関し、より特定的には、複数のセルを用いて形成される電池スタックの異常を検査する方法に関する。
電動車両等に搭載される蓄電装置は、複数のセルが組み付けられた電池スタック(以下、スタックと略す場合がある)を含んで構成される。このようなスタックにおいては、一般に、まずセル単体の状態で各セルの短絡検査が実施される。検査の結果、不良品と判定されたセルは排除され、良品と判定されたセルのみを組み付けることによってスタックが形成される。スタックを形成する際にも短絡が生じる可能性があるため、スタックを構成する各セルについて再び短絡検査が実施される。この短絡検査は各セルの自己放電量を測定し、その測定結果をセル間で比較することによって行なわれる。
短絡検査の精度を向上させるために様々な手法が提案されている。たとえば特開2013−165029号公報(特許文献1)に開示された検査方法では、同じ製造ロットに属する全てのセルを短絡検査の比較対象とするのではなく、製造ロットを製造条件および検査条件に基づいて細分化して、検査ロットを形成する。検査ロット毎に短絡検査を実施することにより、セルの良品と不良品とを精度よく判別することができる(特許文献1の段落[0010],[0011]参照)。
特開2013−165029号公報 特開2013−84508号公報 特開2012−221648号公報
セル単体の検査工程において、設備に異常が発生したり、長期休暇に伴い工場の操業が休止されたりする場合がある。検査工程の中断期間がある程度長期に渡ると、中断前から処理が開始されていたセルと、再開後に新たに処理が開始されたセルとの間では、検査条件に差異が生じる場合がある。たとえば中断前からエージング処理が開始されていたセルと、再開後に新たにエージング処理が開始されたセルとの間では、エージング期間等の検査条件が異なり得る。このように検査条件が互いに異なる複数のセルを同一スタック内に混在させると、自己放電量がセル間で異なることになる。そうすると、スタック内の全てのセルの検査条件が等しい場合と比べて短絡検査の精度が低くなり、誤判定が起こる可能性が高くなってしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のセルを用いて電池スタックを形成し、当該電池スタックの異常を検査する検査方法において、同一電池スタック内に検査条件が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても検査精度を向上させることである。
本発明のある局面に従う電池スタックの検査方法は、複数のセルを用いて形成される電池スタックを検査するための検査方法である。上記検査方法は、複数のセルの各々に高温エージング処理を施すステップと、複数のセルの各々に低温エージング処理を施すステップと、複数のセルの各々の容量を検査するステップと、複数のセルの各々の電圧を調整するステップと、高温エージング処理を施すステップ、低温エージング処理を施すステップ、容量を検査するステップ、および電圧を調整するステップの実行後に、複数のセルを用いて電池スタックを形成するステップと、放置期間の間、電池スタックを放置するステップと、放置期間の経過後に、電池スタックを構成する複数のセルの各々について、初期電圧を測定するステップと、初期電圧の測定から所定の期間経過後に、電池スタックを構成する複数のセルの各々について、放置後電圧を測定するステップと、電池スタックを構成する複数のセルの各々について初期電圧から放置後電圧への電圧低下量を算出し、電圧低下量を複数のセル間で比較することによって、電池スタックの異常の有無を判定するステップとを備える。上記放置期間は、高温エージング処理を施すステップの所要期間、低温エージング処理を施すステップの所要期間、および容量を検査するステップの終了時から電圧を調整するステップの開始時までの所要期間に基づいて決定される。
上記方法によれば、初期電圧の測定に先立って、放置期間の間、電池スタック全体を放置するステップが設けられる。本発明者は、後に詳細に説明するように、高温エージング処理を施すステップの所要期間、低温エージング処理を施すステップの所要期間、および容量を検査するステップの終了時から電圧を調整するステップの開始時までの所要期間に応じて適切な放置期間を設定することにより、放置期間経過後においては、同一電池スタック内の各セルの電圧低下量の単位時間当たりの減少量(減少速度)が互いに等しくなることを見出した。したがって、電池スタック内の全てのセルについて、初期電圧を測定するステップと放置後電圧を測定するステップとの間の時間間隔を共通にすることで、電圧低下量を互いに等しくすることができる。これにより、電池スタック内に検査条件が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても検査精度を向上させることができる。
本発明によれば、複数のセルを用いて電池スタックを形成し、当該電池スタックの異常を検査する検査方法において、同一電池スタック内に検査条件が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても検査精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る検査方法の対象となるスタックを概略的に示す図である。 比較例に係るスタックの検査方法を説明するためのフローチャートである。 複数のセルからスタックを形成する手法を説明するための図である。 実施の形態1に係るスタックの検査方法を説明するためのフローチャートである。 図4に示す検査方法における情報の流れを説明するための図である。 低温エージング期間に応じたセルの電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。 高温エージング期間に応じたセルの電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。 電圧調整期間に応じたセルの電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。 図4に示すグルーピング処理を説明するためのフローチャートである。 図9に示すグループ番号決定処理を説明するためのフローチャートである。 スタック番号に応じて定められる放置期間を説明するための図である。 スタック番号の決定手法の一例を示す図である。 実施の形態1の変形例に係る処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係るスタックの検査方法を説明するためのフローチャートである。 図14に示す検査方法における情報の流れを説明するための図である。 図14に示すグルーピング処理を説明するためのフローチャートである。 図16に示すグループ番号決定処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
<スタックの構成>
図1は、実施の形態1に係る検査方法の対象となるスタックを概略的に示す図である。図1を参照して、スタック100は、配列された複数のセル1を含む。セル1は再充電が可能に構成された蓄電素子である。セル1の種類は特に限定されないが、本実施の形態ではリチウムイオン二次電池が採用される例について説明する。なお、セル1の構成は典型的なリチウムイオン二次電池の構成と同等であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。本実施の形態においては、スタック100を構成するセル数n=n1の場合を例として説明する。一般に、電動車両に搭載される蓄電装置には、数十〜100個程度のセルを含んで構成されたスタックが用いられるが、セル数nは2以上であれば特に限定されるものではない。
<スタック検査方法の概要>
以下、まず比較例に係るスタックの検査方法について説明し、続いてその対比において、実施の形態1に係るスタック100の検査方法について説明する。なお、比較例に係るスタックの構成は、実施の形態1に係るスタック100の構成(図1参照)と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図2は、比較例に係るスタックの検査方法を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび後述する図4に示すフローチャートは、スタックに組み付けられる前のセルの初期充電が完了した後に実行される。
図2を参照して、ステップ(以下、Sと略す)10において、室温よりも高温(たとえば40℃〜80℃)に維持された雰囲気中に各セルを配置して、高温エージング処理が実施される。さらに、S20において、高温エージング処理の雰囲気温度よりも低温(たとえば20℃〜30℃)に維持された雰囲気中に各セルを配置して、低温エージング処理が実施される。
S30において、各セルについて、セル単体の状態での電池性能として、各セルの容量および内部抵抗が測定される。容量および内部抵抗の測定後の各セルについて、SOC(State Of Charge)が所定の範囲内となるように電圧が調整される(S40)。以下、容量測定の終了時から電圧調整の開始時までの期間を電圧調整期間T3と呼ぶ。また、高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3に関する情報を「時間履歴」(検査条件)と呼ぶ場合がある。
S50において、所定の数n(本実施の形態ではn1)ずつセルを組付けることにより、スタックが形成される。スタックを形成する際にも、たとえばセルの正極と負極との間に金属異物が混入して短絡が生じる可能性があるため、スタック内の各セルについて、下記S60〜S100に示すように再び短絡検査が実施される。
スタックを構成する各セルの電圧は、電圧調整後、比較的急速に低下する。そのため、スタックは、各セルの電圧低下量の挙動がある程度安定するまで所定の期間だけ放置される(S60)。放置期間における電圧低下量の挙動は時間履歴に応じて異なる。
放置後のスタックを構成する各セルについて、セル電圧V1(初期電圧)が測定される(S70)。その後、各セルでは自己放電に起因する電圧低下が生じる(S80)。セル電圧V1の測定から所定期間経過後に、自己放電後の各セルについてセル電圧V2(放電後電圧)が測定される(S90)。
S100において、セル電圧V1,V2に基づいて、スタック内の各セルについて、異常の有無が判定される。より具体的には、各セルについて、セル電圧V1からセル電圧V2への電圧低下量ΔV(k)が算出される。ただし、kは、当該セルの番号を表す自然数であり、本実施の形態では1から28までのいずれかの自然数である(下記式(1)参照)。
ΔV(k)=V1−V2 (k=1,2,・・・28) ・・・(1)
次に、全てのセルの電圧低下量ΔV(k)の和をセル数nで割ることによって、電圧低下量の平均値ΔVaveが算出される(下記式(2)参照)。
ΔVave=ΣΔV(k)/n ・・・(2)
そして、各セルについて、電圧低下量ΔV(k)および平均値ΔVaveに基づいて、異常の有無が判定される。具体的には、電圧低下量ΔV(k)と平均値ΔVaveとの差の絶対値が所定の基準値P未満の場合(下記式(3)参照)、そのセルは正常と判定される一方で、上記絶対値が基準値P以上の場合(下記式(4)参照)、そのセルは異常と判定される。
|ΔV(k)−ΔVave|<P (正常と判定) ・・・(3)
|ΔV(k)−ΔVave|≧P (異常と判定) ・・・(4)
スタック内の全セルが正常と判定された場合、そのスタックは正常と判定される。これに対し、スタック内に異常と判定されたセルが1つでも含まれる場合、そのスタックは異常と判定される。この場合、スタックごと廃棄してもよいし、あるいは異常のセルを他のセルと交換し、再び短絡検査を実施してもよい。
<セル単体の検査工程の中断>
設備に停電等の異常が発生したり、長期休暇に伴い工場の操業が休止されたりするなどの理由によって、セル単体の検査工程(図2に示す一連の工程)が一時的に中断または放置される場合がある。図3は、複数のセルからスタックを形成する手法を説明するための図である。図3(A)は正常稼働時の様子を表し、図3(B)は中断発生時の様子を表す。
図3(A)を参照して、一般に、セルは所定の単位(いわゆる製造ロット)毎に製造される。図3に示す例においては、製造ロットA〜Cの各々はn2個のセルを含む。各製造ロット内のセル数n2は、スタックを構成するセル数n1の倍数でないため、製造ロット間でセルを組み合わせてスタックを形成する必要がある。正常稼働時においては、製造ロット間の時間履歴はほぼ等しいため、製造ロット間でセルを組み合わせてスタックが形成することが可能である。
次に図3(B)を参照して、スタックの検査工程が中断される場合について説明する。一例として、製造ロットA,Bの低温エージング処理(図2のS20)が開始された後に工場の操業が休止された場合を想定する。低温エージング処理中の雰囲気温度(たとえば20℃〜30℃)は室温とほぼ等しいので、低温エージング処理は中断期間中にも進行し得る。このため、製造ロットA,Bの低温エージング期間T2は、中断前に実施された期間と中断期間との和として表される。その結果、中断期間が長期に渡ると、低温エージング期間T2は、正常稼働時と比べて大幅に長くなり得る。一方、再開後に新たに低温エージング処理が開始された製造ロットCの低温エージング期間T2は相対的に短いので、製造ロットA,Bと製造ロットCとの間では、低温エージング期間T2に差異が生じる。
このような場合に、製造ロットA,Bからのセルと、製造ロットCからのセルとを用いてスタックを形成すると、そのスタックには、低温エージング期間T2が互いに異なる複数のセルが含まれることになる。しかし、上述のように、時間履歴(高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3)が互いに異なるセル間では自己放電量が異なり得る。異常の有無の判定は、上記式(1)〜(4)にて説明したように、各セルの電圧低下量ΔV(k)を全セルの電圧低下量の平均値ΔVaveと比較することによって行なわれるため、時間履歴が互いに異なるセルが同一スタックに混在すると、スタック内の全セルの時間履歴が等しい場合と比較して、短絡検査の検査精度が低くなる。その結果として、誤判定が起こる可能性が高くなってしまう。
あるいは、逆の観点から説明すると、検査精度が向上させるためには、時間履歴が互いに異なる複数のセルが同一スタック内に混在しないようにする必要がある。しかし、この場合、中断前後に生じた端数のセルは廃棄せざるを得なくなり、そうすると歩留りが低下して製造コストが増大してしまう。
そこで、本実施の形態によれば、スタック100を組付けた後、時間履歴に関する情報を取得し、各セル1の時間履歴に基づいて、スタック100内のセル1をいくつかのグループに分ける(グルーピング処理)。同一グループに属するセル1には同一のグループ番号が付される。そして、スタック100内の全てのセル1のグループ番号に応じて、スタック100全体の放置期間が決定される。
本発明者は、後に詳細に説明するように、時間履歴に応じて適切な放置期間を設定することにより、放置期間経過後における各セル1の電圧低下量の単位時間当たりの減少量(減少速度)が互いに等しくなることを見出した。つまり、放置期間経過後においては、セル電圧V1を測定するステップ(S70)とセル電圧V2を測定するステップ(S90)との間の時間間隔(すなわちS80の所要期間)をスタック100内の全セル1について共通にすることで、電圧低下量を互いに等しくすることができる。これにより、スタック100内に時間履歴が互いに異なる複数のセル1が含まれている場合であっても検査精度を向上させることができる。
図4は、実施の形態1に係るスタック100の検査方法を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、グルーピング処理(S55)をさらに含む点において、比較例に係るフローチャート(図2参照)と異なる。図4を参照して、n1個のセルからスタック100が形成されると(S50)、S55において、スタック100内の各セル1にグループ番号が付される。そして、スタック100内の全てのセル1のグループ番号に応じて、スタック100全体の放置期間が決定される(S60)。グルーピング処理に基づく放置期間の決定手法(S55,S60)の詳細については図5〜図9を参照して後述する。それ以外の処理は、比較例に係るフローチャートの対応する処理と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図5は、図4に示す検査方法における情報の流れを説明するための図である。図4および図5を参照して、高温エージング処理(S10)、低温エージング処理(S20)、性能検査(容量検査)処理(S30)および電圧調整処理(S40)のいずれもが終了したセル1を用いてスタック100が組み付けられると(S50)、スタック100を構成するセル1の各々について、高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3に関する情報(時間履歴)に基づいてグループ番号が決定される。さらに、各セル1のグループ番号に応じて、スタック100全体の放置期間が決定される。この放置期間は、放置期間の前後でそれぞれセル電圧V1,V2を測定する場合(S70,S90)に、同一スタック100内に時間履歴が互いに異なる複数のセル1が混在していたとしても、電圧低下量の減少速度がセル1間でほぼ等しくなるように、予め実験的に決定される。このように放置期間を決定する理由については、以下に図6〜図8を用いて詳細に説明する。放置期間を適切に設定することにより、同一スタック100内に時間履歴が互いに異なる複数のセル1が含まれている場合であっても検査精度を向上させることができる。
<時間履歴の影響>
時間履歴に基づいて放置期間が決定される理由について、低温エージング期間T2、高温エージング期間T1、および電圧調整期間T3の順に以下に詳細に説明する。
図6は、低温エージング期間T2に応じたセル1の電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。図6ならびに後述する図7および図8に示す横軸は経過時間を表し、縦軸はセル1の電圧低下量を表す。各曲線は、互いに異なるセル1の電圧低下量の挙動を表す。
図6を参照して、曲線C1の各々は、低温エージング期間T2が境界値未満の場合の各セル1の電圧低下量の挙動を示す。曲線C2の各々は、低温エージング期間T2が境界値以上の場合の各セル1の電圧低下量の挙動を示す。境界値はセル1の構成や低温エージング処理の条件等に応じて定まるものであるが、本実施の形態ではTa(単位:時間)である。
低温エージング期間T2がTa未満である曲線C1は、正常稼働時の低温エージング処理に対応し、低温エージング期間T2がTa以上である曲線C2は、中断発生時の低温エージング処理に対応するということもできる。なお、以下、低温エージング期間T2がTa未満のセル1を「低温エージング期間T2が短いセル」と略し、低温エージング期間T2がTa以上のセル1を「低温エージング期間T2が長いセル」と略す。
時刻t0において電圧調整処理(図4のS30)が終了すると、時刻t0以降、各セル1の電圧低下量は急速に減少する。その後、曲線C1にて示されるように、低温エージング期間T2が短いセルの電圧低下量は、電圧低下量の減少速度が比較的大きい(言い換えると電圧低下量が小さくなりやすい)点において互いによく似た挙動を示す。これに対し、曲線C2にて示されるように、低温エージング期間T2が長いセルの電圧低下量は、低温エージング期間T2が短いセルの電圧低下量と比べて、電圧低下量の減少速度が小さい(言い換えると電圧低下量が小さくなりにくい)傾向がある。
別の観点から説明すると、低温エージング期間T2が短いセルでは、低温エージング期間T2が長いセルと比べて、電圧低下量ΔV(k)(式(1)参照)が大きい。一方、低温エージング期間T2が長いセルでは、電圧低下量ΔV(k)が相対的に小さい。
低温エージング期間T2が短いセルが大多数を占めるスタック100内に少数の低温エージング期間T2が長いセルが混在する場合、電圧低下量の平均値ΔVaveは相対的に大きくなる。この場合に、低温エージング期間T2が長いセルについて、上記式(3),(4)に従って電圧低下量ΔV(k)と電圧低下量の平均値ΔVaveとを比較すると、実際には異常(短絡)が生じているわけではないにもかかわらず、異常と判定される可能性が高くなる。したがって、同一スタック内の全てのセルを、低温エージング期間T2が短いセルのみ(正常稼働時のセルのみ)で構成する必要がある。
図7は、高温エージング期間T1に応じたセル1の電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。図7(A)は、高温エージング期間T1がTb(単位:時間)(T1<Tb)未満の場合のセル1の電圧低下量の挙動の一例(曲線C3参照)を示す。図7(B)は、高温エージング期間T1がTb以上の場合のセル1の電圧低下量の挙動の一例(曲線C4参照)を示す。曲線C3と曲線C4との間では、高温エージング期間T1以外の検査条件(低温エージング期間T2等)は、互いに等しい。
以下、高温エージング期間T1がTb未満のセル1を「高温エージング期間T1が短いセル」と略し、高温エージング期間T1がTb以上のセル1を「高温エージング期間T1が長いセル」略す。ただし、「Tb」は、上述の低温エージング期間T2の境界値「Ta」と同様に、セル1の構成や高温エージング処理の条件等に応じて定まるものである。
図7(A)を参照して、時刻t0において電圧調整処理(図4のS30)が終了すると、時刻t0以降、電圧低下量は急速に減少する。しかし、高温エージング期間T1が短いセルでは時刻t11以降、電圧低下量の減少速度(曲線C3の接線Ct3の傾き)はほぼ一定になる。電圧調整処理の終了後、電圧低下量の減少速度がほぼ一定になるのに要する最短期間(時刻t0から時刻t11までの期間)を「最短放置期間」と呼ぶ。
一方、図7(B)を参照して、高温エージング期間T1が長いセルでは、時刻t11では電圧低下量の減少速度は一定にならず、時刻t12以降に電圧低下量の減少速度(曲線C4の接線Ct4の傾き)がほぼ一定になる。つまり、高温エージング期間T1が長いセルでは、高温エージング期間T1が短いセルに比べて、最短放置期間が長くなる傾向にある。
本発明者らは、高温エージング期間T1の長短にかかわらず、接線Ct3の傾きと接線Ct4の傾きとがほぼ等しいことを見出した。この特性を利用することにより、スタック100に高温エージング期間T1が長いセルと短いセルとが混在する場合であっても、電圧調整処理の終了後、高温エージング期間T1が長いセルの最短放置期間(曲線C4の最短放置期間)以上の期間、スタック100を放置することで、スタック100内の全てのセル1の電圧低下量の減少速度が互いに等しくなる。したがって、図7に示す例では、時刻t13にセル電圧V1を測定し、時刻t14にセル電圧V2を測定することにより、高温エージング期間T1が長いセルおよび短いセルの電圧低下量ΔV(=V1−V2)が等しくなる。
このように、図4のS50における放置期間を、高温エージング期間T1が長いセルに合わせて充分に長く設定すれば、スタック100内の各セル1の高温エージング期間T1の長短にかかわらず、電圧低下量ΔVを等しくすることができる。その結果として、同一スタック内に高温エージング期間T1が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても、比較例と比べて、精度良く短絡検査を実施することができる。
図8は、電圧調整期間T3に応じたセル1の電圧低下量の挙動の違いを説明するための図である。紙面の都合上、図8(A)〜図8(C)に分割して図示しているが、曲線L1は電圧調整期間T3=Tgに対応し、曲線L2は電圧調整期間T3=Tfに対応する。曲線L3は電圧調整期間T3=Teに対応し、曲線L4は電圧調整期間T3=Tdに対応する。曲線L5は電圧調整期間T3=Tcに対応し、曲線L2は電圧調整期間T3>Tc対応する。ただし、Tc>Td>Te>Tf>Tg(単位:時間)である。
図8(A)を参照して、電圧調整期間T3=Tgの場合、曲線L1に示すように、時刻t31以降において、電圧低下量の減少速度(曲線Ltの接線Lt1の傾き)がほぼ一定になる。つまり、電圧調整期間T3=Tgの場合、スタック100の放置期間が最短放置期間(時刻t0と時刻t31との間の期間)以上であれば、接線Lt1の傾きはほぼ一定になる。
同様に、電圧調整期間T3=Tfの場合、曲線L2に示すように、時刻t32以降において、電圧低下量の減少速度(曲線L2の接線Lt2の傾き)がほぼ一定になる。つまり、電圧調整期間T3=Tfの場合、スタック100の放置期間が最短放置期間(時刻t0と時刻t32との間の期間)以上であれば、接線Lt2の傾きはほぼ一定になる。図8(B)または図8(C)に示す他の曲線L3〜L6についても同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
本発明者らは、高温エージング処理の場合(図7参照)と同様に、接線Lt1〜Lt6の傾きが互いにほぼ等しいことを見出した。この特性を利用することにより、スタック100を構成する複数のセルの最短放置期間のうち最も長いもの以上の放置期間の経過後にセル電圧V1,V2を測定することで、電圧調整期間T3の長短にかかわらず、電圧低下量ΔVを互いに等しくすることができる。
たとえば、電圧調整期間T3=Tgのセルと、電圧調整期間T3=Tfのセルと、電圧調整期間T3=Teのセルとが同一スタック内に含まれる場合、電圧調整期間T3=Teのセルの最短放置期間(曲線L3の最短放置期間)以上にスタック100全体の放置期間を設定することにより、スタック100の全セル1の電圧低下量ΔVをほぼ等しくすることができる。したがって、同一スタック内に電圧調整期間T3が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても、比較例と比べて、精度良く短絡検査を実施することができる。
以上、図6にて説明したように、低温エージング期間T2がTa未満のセル(正常稼働時のセル)に限り、精度良く短絡検査を実施することができる。なお、低温エージング期間T2がTa以上のセル(中断発生時のセル)については、その数がスタックを形成するのに必要な数に対して不足する場合は廃棄してもよい。あるいは、スタックを形成可能な数以上の中断発生時のセルが生じた場合は、実施の形態2にて後述するような手法を用いてスタックを形成するようにしてもよい。
また、図7および図8にて説明したように、スタック内の各セルの最短放置のうち最も長いもの以上に放置期間を設定することにより、高温エージング期間T1および電圧調整期間T3にかかわらず、精度よく短絡検査を実施することができる。そこで、スタック100内の各セルについて、高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3に応じてグループ分け(グルーピング処理)を実施する。
<グルーピング処理>
図9は、図4に示すグルーピング処理(S55)を説明するためのフローチャートである。図9および後述する図10に示すフローチャートの各ステップは、セルの組付け工程(図4のS50)の終了後に、図示しない制御装置(たとえばマイクロコンピュータ)によるソフトウェア処理によって実現される。ただし、制御装置の構成は特に限定されず、専用のハードウェア(電子回路)によって実現されてもよい。図9を参照して、S200において、スタック100内の各セル1について、グループ番号が決定される。
図10は、図9に示すグループ番号決定処理(S200)を説明するためのフローチャートである。以下に説明する各処理は、スタック100内の全てのセル1に対して実施されるが、全セル1に同時に実施してもよいし、順次実施してもよい。
図10を参照して、S210において、スタック100内のあるセル1の時間履歴、すなわち高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3に関する情報が取得される。
S220において、当該セル1の低温エージング期間T2がTa未満であるか否かが判定される。低温エージング期間T2がTa以上の場合(S220においてNO)、図6にて説明したように、低温エージング期間T2がTa未満の場合と比べて電圧調整終了後の電圧低下量の挙動が異なり得る。そのため、そのセル1については短絡検査を精度よく実施することができないとして、グループ番号は「0」に決定される(S225)。一方、低温エージング期間T2がTa未満の場合(S210においてYES)、処理はS230へと進められる。
S230において、当該セル1の高温エージング期間T1がTb未満であるか否かが判定される。高温エージング期間がTb以上の場合(S230においてNO)、そのセル1のグループ番号は「6」に決定される(S235)。一方、高温エージング期間がTb未満の場合(S230においてYES)、処理はS240へと進められる。
S240において、当該セル1の電圧調整期間T3がTc未満であるか否かが判定される。電圧調整期間T3がTc以上の場合(S240においてNO)、そのセル1のグループ番号は「5」に決定される(S245)。一方、電圧調整期間T3がTc未満の場合(S240においてYES)、処理はS250へと進められる。
S250において、当該セル1の電圧調整期間T3がTd未満であるか否かが判定される。電圧調整期間T3がTd以上であり、かつTc未満の場合(S250においてNO)、そのセル1のグループ番号は「4」に決定される(S255)。一方、電圧調整期間T3がTd未満の場合(S250においてYES)、処理はS260へと進められる。
S260において、当該セル1の電圧調整期間T3がTe未満であるか否かが判定される。電圧調整期間T3がTe以上であり、かつTd未満の場合(S260においてNO)、そのセル1のグループ番号は「3」に決定される(S265)。一方、電圧調整期間T3がTe未満の場合(S260においてYES)、処理はS270へと進められる。
S270において、当該セル1の電圧調整期間T3がTf未満であるか否かが判定される。電圧調整期間T3がTf以上であり、かつTe未満の場合(S270においてNO)、そのセル1のグループ番号は「2」に決定される(S275)。一方、電圧調整期間T3がTf未満の場合(S270においてYES)、そのセルのグループ番号は「1」に決定される(S280)。以上のようにして、スタック100内の全てのセル1についてグループ番号が決定されると、処理は図9に示すフローチャートへと戻される。
図9を再び参照して、スタック100内の少なくとも1つのセル1について、図10のS225にて精度良く短絡検査を実施することができないとしてグループ番号「0」が付された場合(S290においてYES)、そのスタック100については、短絡検査を実施せずに一連の処理を終了させる(S295)。
これに対し、グループ番号「0」が付されたセル1がスタック100内に含まれていない場合(S290においてNO)、スタック100内の全てのセル1のグループ番号が同じであるか否かが判定される(S300)。全セル1のグループ番号が同じ場合(S300においてYES)、そのグループ番号を当該スタック100の番号(以下、「スタック番号」と称する)として決定する(S310)。
一方、当該スタック100内にグループ番号が互いに異なる複数のセル1が混在する場合(S300においてNO)、最も大きいグループ番号をスタック番号として決定する(S320)。その後、S310またはS320にて決定されたスタック番号に応じて、放置期間が算出される(S330)。
図11は、スタック番号に応じて定められる放置期間を説明するための図である。図11を参照して、スタック番号が「1」の場合、放置期間は最も短く、たとえばD1(単位:日)に決定される。スタック番号が大きくなるにつれて放置期間は長くなり、スタック番号が「6」の場合、放置期間は最も長く、D6(単位:日)に決定される。つまり、D1<D2<D3<D4<D5<D6である。なお、D6=Taと設定してもよい。
図12は、スタック番号の決定手法の一例を示す図である。図12を参照して、スタック100を構成するn1個のセル1のうち、na個のセル1のグループ番号が「1」であり、nb個のセル1のグループ番号が「5」であり、nc個のセル1のグループ番号が「3」である場合について説明する(na+nb+nc=n1)。この場合、スタック100のスタック番号は、グループ番号1,3,5のうち最も大きい「5」になり(図9のS320参照)、図11よりスタック100全体の放置期間はD5に決定される。
このように、実施の形態1によれば、スタック内に時間履歴が互いに異なる複数のセルが含まれている場合、各セルの時間履歴に基づいて、スタック全体の放置期間が決定される。より具体的には、上記放置期間は、スタック内の全てのセルのうち、電圧低下量の減少速度(図7および図8に示す各接線の傾き)がほぼ一定になるのに要する期間(最短放置期間)が最も長いセルに合わせて決定される。このようにすることで、図7および図8にて説明したように、スタック内の全セルの電圧低下量の減少速度を等しくすることができる。したがって、スタック内に時間履歴が互いに異なる複数のセルが含まれている場合であっても検査精度を向上させることができる。
さらに、実施の形態1によれば、図3(B)にて説明したような中断期間が生じた場合に、高温エージング期間T1または電圧調整期間T3が互いに異なる複数のセルを含んでスタックを形成することが可能になる。したがって、セルの歩留りが向上するので、製造コストを低減することができる。
[変形例]
実施の形態1ではスタック単位で放置期間を決定する構成について説明したが、スタックの検査工程では、複数のスタックを一括して管理・保管するための保管棚を設け、保管棚単位で短絡検査を実施する場合がある。実施の形態1の変形例においては、スタック番号を決定した後に、スタック番号に基づいて、さらに保管棚の番号(保管棚番号)を決定する構成について説明する。
図13は、実施の形態1の変形例に係る処理を説明するためのフローチャートである。図13を参照して、このフローチャートは、S330に代えてS340〜S370の処理を含む点において、図9に示すフローチャートと異なる。
S310またはS320にて、ある保管棚に設置された全てのスタック100について、スタック番号が決定される。その後、S340において、上記スタック番号がスタック間で同じであるか否かが判定される。全スタック100のスタック番号が同じ場合(S340においてYES)、そのスタック番号を保管棚番号として決定する(S350)。一方、当該保管棚にスタック番号が互いに異なる複数のスタック100が混在する場合(S340においてNO)、最も大きいスタック番号を保管棚番号として決定する(S360)。その後、S350またはS360にて決定されたスタック番号に応じて、放置期間が算出される(S370)。この放置期間の算出方法は、「スタック番号」を「保管棚番号」に置き換えれば図11に示すものと同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
本変形例によれば、保管棚単位で放置期間を決定することにより、放置期間が経過するか否かの管理が保管棚単位で可能になるため、スタック単位で放置期間を決定する場合(実施の形態1)と比べて、管理が煩雑になるのを防止することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1およびその変形例では、低温エージング期間T2が長いセルと短いセルとが混在するスタックについては、異常の有無の判定が高精度にできないと説明した(図9のS295参照)。実施の形態2によれば、上記スタックについても異常の有無の判定を可能にするための構成を説明する。
図6を再び参照して、上述のように、低温エージング期間T2が長いセルの電圧低下量の挙動(曲線C2)は、低温エージング期間T2が短いセルの電圧低下量の挙動(曲線C1)と異なる。しかしながら、低温エージング期間T2が長いセルのみに着目すると、よく似た電圧低下量の挙動を示すことが分かる。したがって、低温エージング期間が長いセルと短いセルとを同一スタック100内に混在させず、スタック100がいずれか一方のセルのみによって構成されるようにすれば、低温エージング期間T2が長いセルについても異常の有無の判定が可能である。そこで、実施の形態2では、低温エージング期間T2が長いセルと短いセルとが同一スタック100内に混在する状態が回避されるように、低温エージング期間T2に応じてセル1の並び替え処理が実施される。
図14は、実施の形態2に係るスタック100の検査方法を説明するためのフローチャートである。図14を参照して、このフローチャートは、図4に示すグルーピング処理(S55)に代えてS55Aを含む点、および並び替え処理(S45)をさらに含む点において、実施の形態1に係るフローチャート(図4参照)と異なる。それ以外の処理は、図4に示すフローチャートの対応する処理と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図15は、図14に示す検査方法における情報の流れを説明するための図である。図14および図15を参照して、セル1の並び替え処理(S45)は、スタック100へと組み付けられる前のセル単体の段階で、低温エージング期間T2の情報に基づいて実施される。より具体的には、たとえばスタック100へと組み付けられるべきn1個のセルのうち、低温エージング期間T2が長いセルがnd個であり、低温エージング期間T2が短いセルが残りのne個である場合、上記nd個のセルは、低温エージング期間T2が短いセルによって置き換えられる。これにより、スタック100は、低温エージング期間T2が短いセルのみを含んで構成されることになる。あるいは反対に、スタック100は、低温エージング期間T2が長いセルのみを含んで構成されてもよい。このように、実施の形態2によれば、低温エージング期間T2長いセルおよび短いセルのうち、いずれか一方のみによってスタック100が構成されるように、セル1の並び替え処理が実施される。
なお、実施の形態2におけるグルーピング処理では、低温エージング期間T2の情報は用いなくてもよい。すなわち、上述の並び替え処理の実施後には、スタック100内の全てのセル1について低温エージング期間T2が共通になるため、グルーピング処理は、実質的に高温エージング期間T1および電圧調整期間T3の情報に基づいて実施される。
図16は、図14に示すグルーピング処理(S55A)を説明するためのフローチャートである。図16を参照して、このフローチャートは、図10に示すグループ番号決定処理(S200)に代えてS201を含む点、および、グループ番号が「0」のセル1の有無を判定する処理(図9のS290,S295)を含まない点において、実施の形態1に係るフローチャート(図9参照)と異なる。それ以外の処理は、図9に示すフローチャートの対応する処理と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図17は、図16に示すグループ番号決定処理(S201)を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、低温エージング期間T2に基づいてグループ番号「0」を付す処理(図10のS220,S225)を含まない点において、実施の形態1に係るフローチャート(図10参照)と異なる。図14、図16、および図17を参照して、S210において、高温エージング期間T1、低温エージング期間T2、および電圧調整期間T3に関する情報が取得されると、S230以降、各セル1のグループ番号が決定される。S230〜S280の各処理は、実施の形態1にて説明した各処理(図10参照)と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
このように、実施の形態2によれば、低温エージング期間T2が長いセルおよび短いセルのうちのいずれか一方しか同一スタック内には含まれないように、低温エージング期間T2に関する情報に基づいて、スタックに組み付けられる前のセルを並び替える。これにより、スタック内の全セルの電圧低下量の挙動がほぼ等しくなるため、低温エージング期間T2の長短にかかわらず、各セルの異常の有無の判定を精度良く行なうことが可能になる。その結果、スタックに組み付け可能なセルが増えることで実施の形態1と比べてさらに歩留りが向上するので、製造コストを一層低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 セル、100 スタック。

Claims (2)

  1. 複数のセルを用いて形成される電池スタックの異常を検査するための検査方法であって、
    前記複数のセルの各々に室温よりも高い雰囲気温度での高温エージング処理を施すステップと、
    前記複数のセルの各々に前記室温とほぼ等しい雰囲気温度での低温エージング処理を施すステップと、
    前記複数のセルの各々の容量を検査するステップと、
    前記複数のセルの各々の電圧を調整するステップと、
    前記高温エージング処理を施すステップ、前記低温エージング処理を施すステップ、前記容量を検査するステップ、および前記電圧を調整するステップの実行後に、前記複数のセルを用いて前記電池スタックを形成するステップと、
    放置期間の間、前記電池スタックを放置するステップと、
    前記放置期間の経過後に、前記電池スタックを構成する前記複数のセルの各々について、初期電圧を測定するステップと、
    前記初期電圧の測定から所定の期間経過後に、前記電池スタックを構成する前記複数のセルの各々について、放置後電圧を測定するステップと、
    前記電池スタックを構成する前記複数のセルの各々について前記初期電圧から前記放置後電圧への電圧低下量を算出し、前記電圧低下量を前記複数のセル間で比較することによって、前記電池スタックの異常の有無を判定するステップとを備え、
    前記放置期間は、前記高温エージング処理を施すステップの所要期間、前記低温エージング処理を施すステップの所要期間、および前記容量を検査するステップの終了時から前記電圧を調整するステップの開始時までの所要期間に基づいて、前記電圧低下量の減少速度が前記複数のセル間でほぼ等しくなるように決定される、電池スタックの検査方法。
  2. 前記高温エージング処理の雰囲気温度は、40℃〜80℃であり、
    前記低温エージング処理の雰囲気温度は、20℃〜30℃である、請求項1に記載の電池スタックの検査方法。
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