JP5754392B2 - 電池の検査方法 - Google Patents
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Description
二次電池の良品および不良品を判別するために、従来実施されている一般的な検査方法は、図20に示す如く、自己放電前の電圧V0と、自己放電後の電圧V1を測定するとともに、その電圧差(即ち、自己放電量)ΔV(=V0−V1)が所定の閾値未満であるか否かにより、良品・不良品の判別を行う構成としている。
そして、製造条件がより等しい各二次電池を比較対象とすることによって、良品・不良品の検査精度を向上させる構成としている。
そして、以下において「製造ロット」と言う場合には、これらの1)〜5)の条件を含むものとしている。
尚、以下では、検査ロットを形成するための層別に用いる条件を、層別条件と呼ぶ。
即ち、特許文献1に開示された従来技術で採用している層別条件により形成した検査ロットでは、自己放電量を左右する諸条件の整合が十分でなく、このため自己放電量にばらつきが生じていると考えられる。
また言い換えれば、二次電池においては、特許文献1に示される層別条件以外にも、自己放電量のばらつきを生じさせる寄与因子が存在しているものと考えられる。
このため、従来技術に係る特許文献1に開示されている検査方法では、二次電池の良品・不良品の判別を正確に行うことができなかった。
まず始めに、二次電池の初充電から出荷までの概略手順について、図1および図2を用いて説明をする。
電極およびセパレータからなる捲回体を収容した容体内に電解液を注入し、封口した状態の二次電池に対して、まず初充電(コンデショニング)を行う(STEP−1)。
次に、二次電池を所定の高温に保持された雰囲気中に配置して、高温エージングを行う(STEP−2)。
次に、高温エージングが完了した時点における二次電池の電圧V0を測定する(STEP−3)。
次に、二次電池を所定の低温に保持された雰囲気中に配置して、低温エージングを行う(STEP−4)。
次に、低温エージングが完了した時点における二次電池の電圧V1を測定する(STEP−5)。
そして二次電池は、電気容量の確認(STEP−6)と、内部抵抗値の確認(STEP−7)を行った後に、出荷される。
そして、本発明の一実施形態に係る検査方法では、図2に示すように、検査ロットを形成するために用いる層別条件に特徴を有している。
ここでは、図3(b)に示すような、三個の拘束部材(1)・(2)・(3)を用いて電池を拘束する場合において、自己放電量を測定した実験結果に基づいて説明をする。
尚、各拘束部材(1)・(2)・(3)は、同じ部材であるため、拘束時に電池に接触する面積(拘束面積)は共通している。
また、拘束部材(1)は、電池の上端部における側面を拘束する部材であり、拘束部材(3)は、電池の下端部における側面を拘束する部材である。さらに、拘束部材(2)は、各拘束部材(1)・(3)の中間にあたる電池の中央部における側面を拘束する部材である。
また、図3(b)に示す拘束部材(1)・(2)を用いるパターンCと拘束部材(2)のみを用いるパターンDは、拘束面積が異なっており、拘束面積の差異による自己放電量の差異を確認するための比較対象としている。
さらに、図3(b)に示す拘束圧力を圧力PとするパターンEと圧力QとするパターンDは、ともに拘束部材(1)・(2)・(3)を用いているため、拘束位置および拘束面積は共通しているが、拘束圧力が異なっており(ここではP<Q)、拘束圧力の差異による自己放電量の差異を確認するための比較対象としている。
二次電池は、複数の単電池を積層して構成されるものであるが、その複数の単電池を積層する際における拘束箇所や拘束面積、あるいは拘束圧力の差異によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、電池の中央部(拘束部材(2)による拘束位置)を拘束するほうが、電池の端部(拘束位置(1)および拘束部材(3)による拘束位置)を拘束する場合よりも、自己放電量が小さくなる傾向があり、また、拘束面積および拘束圧力が大きいほうが、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、自己放電検査中における、1)拘束場所、2)拘束面積、3)拘束圧力、を層別条件とし、1)〜3)の層別条件が等しい各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第二の層別条件は、二次電池に対する高温エージングの条件の差異により、二次電池を層別するものである。
二次電池には、初充電(図1における(STEP−1))を行った後に、所定の高温を保持した状態で所定の時間保持される、所謂高温エージング(図1における(STEP−2))が施されるが、その高温エージングを行う際の温度や保持時間の差異によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
そして、図4によれば、高温エージング時の条件が異なる二次電池では、自己放電量に有意差が認められることが確認できる。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、高温エージング時の温度が高いほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また、高温エージングの保持時間が長いほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、高温エージングの温度、および保持時間を層別条件としており、これらの層別条件が等しい各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第三の層別条件は、二次電池に対する高温エージングを行う際の保管棚における配置位置の差異により、二次電池を層別するものである。
しかしながら、保管室10の温湿度条件等を一定に保持したとしても、気流のよどみ等に起因して、保管棚11における配置位置によって、温湿度条件に若干のばらつきが生じる。
そこで、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、保管棚11における配置位置によって温湿度条件が異なってくるという事実に着目して、高温エージング時の各二次電池1・1・・・の保管棚11における配置位置によって、各二次電池1・1・・・を層別して検査ロットを形成する構成としている。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、高温エージング時の保管棚11における保管位置を層別条件とし、高温エージング時の保管棚11における保管位置が近い(即ち、温湿度条件のばらつきが小さい)各二次電池1・1・・・で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第四の層別条件は、二次電池自体の温度の差異により、二次電池を層別するものである。
ここでは、電池温度が20℃である二次電池を基準として、電池温度を15℃、25℃に変化させた場合の電圧変化を確認した結果を示している。
このため、低温エージングの直後に電圧V1を測定する場合、各二次電池における低温エージング時の温度条件が一定でないと、測定電圧V1の測定結果には電池温度の差異に起因したばらつきが生じると考えられる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、低温エージング時の温度を層別条件とし、低温エージング時の温度が略等しい各二次電池1・1・・・で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第五の層別条件は、二次電池に対する低温エージングを行う際の保管棚の位置の差異により、二次電池を層別するものである。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、低温エージング時の保管棚11における保管位置を層別条件とし、低温エージング時の保管棚11における保管位置が略等しい各二次電池1・1・・・で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第六の層別条件は、二次電池に使用するセパレータの製造ロットにより、二次電池を層別するものである。
二次電池には、正極と負極の間にセパレータが介設されているが、セパレータの特性が変わると、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
そして、図7によれば、セパレータのロットが異なる二次電池では、自己放電量に有意差が認められることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、セパレータのロットを層別条件とし、セパレータのロットが同じ各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第七の層別条件は、二次電池に使用する正極における活物質の塗工量の差異により、二次電池を層別するものである。
二次電池には、正極と負極およびセパレータを捲回した捲回体を備えているが、その捲回体を構成する正極における活物質の塗工量の差異によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
より詳しくは、負極Xの囲み中には、活物質の塗工量が所定の一定量である負極Xと塗工量を変化させた各正極とを組み合わせた場合における自己放電量の測定結果をプロットしている。
また同様に、負極Yの囲み中には、活物質の塗工量が所定の一定量である負極Yと塗工量を変化させた各正極とを組み合わせた場合における自己放電量の測定結果をプロットしている。
このため、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、正極における活物質の単位面積当たりの塗工量の差異により、各二次電池を層別して検査ロットを形成する構成としている。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、正極における活物質の単位面積当たりの塗工量を層別条件とし、正極における活物質の単位面積当たりの塗工量が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第八の層別条件は、二次電池に使用する負極における活物質の塗工量の差異により、二次電池を層別するものである。
二次電池には、正極と負極およびセパレータを捲回した捲回体を備えているが、その捲回体を構成する負極における活物質の塗工量によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
このため、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、負極における活物質の単位面積当たりの塗工量の差異により、各二次電池を層別して検査ロットを形成する構成としている。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、負極における活物質の単位面積当たりの塗工量を層別条件とし、負極における活物質の単位面積当たりの塗工量が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第九の層別条件は、二次電池に使用する正極と負極における活物質の塗工量の比の差異を、二次電池を層別するための条件とするものである。
そして、図9に基づく計算によれば、正極塗工量と負極塗工量の比と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、正極塗工量と負極塗工量の比と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、正極塗工量と負極塗工量の比(正極塗工量/負極塗工量)が小さいほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また反対に、正極塗工量と負極塗工量の比(正極塗工量/負極塗工量)が大きいほど、自己放電量が大きくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、正極塗工量と負極塗工量の比を層別条件とし、正極塗工量と負極塗工量の比が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十の層別条件は、二次電池に使用する正極における活物質の膜厚の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図10に基づく計算によれば、正極における活物質の膜厚と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、正極における活物質の膜厚と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、正極における活物質の膜厚が小さいほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、膜厚が大きいほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、正極における活物質の膜厚を層別条件とし、正極における活物質の膜厚が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十一の層別条件は、二次電池に使用する負極における活物質の膜厚の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図11に基づく計算によれば、負極における活物質の膜厚と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、負極における活物質の膜厚と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、負極における活物質の膜厚が小さいほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、膜厚が大きいほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、負極における活物質の膜厚を層別条件とし、負極における活物質の膜厚が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十二の層別条件は、二次電池に封入される電解液量の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図12に基づく計算によれば、二次電池に封入する電解液量と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、二次電池に封入する電解液量と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、二次電池に封入する電解液量が少ないほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また反対に、二次電池に封入する電解液量が多いほど、自己放電量が大きくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、二次電池に封入する電解液量を層別条件とし、電解液量が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十三の層別条件は、二次電池の製造時における浸透時間の差異により、二次電池を層別するものである。
尚、ここで言う「浸透時間」とは、電解液を注入してから初充電を開始するまでの時間として規定している。
二次電池には、正極と負極およびセパレータを捲回した捲回体を容体に入れ、該容体内に電解液を注入する構成としているが、その電解液を注入してから初充電を行うまでの時間の差異によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
そして、図13によれば、浸透時間と自己放電量との間には相関があることがわかる。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、浸透時間が短いほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また反対に、浸透時間が長いほど、自己放電量が大きくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、浸透時間を層別条件とし、浸透時間が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十四の層別条件は、二次電池の製造時における初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図14に基づく計算によれば、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間が短いほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間が長いほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間を層別条件とし、初充電を完了した時刻から高温エージングを開始した時刻までの時間が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十五の層別条件は、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図15によれば、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間と自己放電量との間には相関があることがわかる。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間が短いほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間が長いほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間を層別条件とし、高温エージングを完了した時刻から電圧V0を測定した時刻までの時間が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十六の層別条件は、二次電池の電気容量の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図16に基づく計算によれば、二次電池の電気容量と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、二次電池の電気容量と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、電気容量が小さい二次電池ほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また反対に、電気容量が大きい二次電池ほど、自己放電量が大きくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、二次電池の電気容量を層別条件とし、電気容量が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十七の層別条件は、二次電池の製造時における暴露時間の差異により、二次電池を層別するものである。
尚、ここで言う「暴露時間」とは、捲回体を作成してから、該捲回体を収容した容体に電解液を注液するまでの時間として規定している。
二次電池には、正極と負極およびセパレータを捲回した捲回体を容体に入れ、該容体内に電解液を注入する構成としているが、その捲回体が作成して、該捲回体を収容した容体に電解液が注入されるまでの時間の差異によって、自己放電量に差異が生じることに着目するものである。
そして、図17に基づく計算によれば、暴露時間と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、暴露時間と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、暴露時間が短い二次電池ほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、暴露時間が長い二次電池ほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、暴露時間を層別条件とし、暴露時間が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十八の層別条件は、二次電池の自己放電を開始した時点における電圧(初充電圧)の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図18によれば、初充電圧と自己放電量との間には相関があることがわかる。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、初充電圧が大きい二次電池ほど、自己放電量が大きくなる傾向があり、また反対に、初充電圧が小さい二次電池ほど、自己放電量が小さくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、二次電池の初充電圧を層別条件とし、初充電圧が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
本発明の一実施形態に係る電池の検査方法における第十九の層別条件は、二次電池の内部抵抗値の差異により、二次電池を層別するものである。
そして、図19に基づく計算によれば、二次電池の内部抵抗値と自己放電量の差異が有意水準1%において有意であり、二次電池の内部抵抗値と自己放電量との間には相関があることが確認できた。
より詳しくは、製造ロットの条件が同じであっても、内部抵抗値が大きい二次電池ほど、自己放電量が小さくなる傾向があり、また反対に、内部抵抗値が小さい二次電池ほど、自己放電量が大きくなる傾向があることが確認できる。
即ち、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、二次電池の内部抵抗値を層別条件とし、内部抵抗値が略等しい(所定の範囲内にある)各二次電池で検査ロットを形成する構成としている。
これにより、内部短絡に起因する自己放電量の変化をより際立たせることが可能になり、従来に比してより精度よく二次電池の良品・不良品の判別をすることが可能になる。
尚、本発明の一実施形態に係る電池の検査方法においては、これまでに示した(第一から第十九の)各層別条件のすべてを採用する必要はなく、各層別条件のうち、少なくともいずれか一つを採用するものであればよい。
10 保管室
11 保管棚
Claims (2)
- 複数の電池を製造ロットによって層別して検査ロットを形成し、
前記検査ロットごとに自己放電量を測定して内部短絡の有無を検査する電池の検査方法であって、
前記製造ロットを、
正極および負極における活物質の塗工量比を含む詳細な製造条件および検査条件に基づいて層別して、さらに細分化した検査ロットを形成し、
前記細分化した検査ロットごとに内部短絡の有無を検査する、
ことを特徴とする電池の検査方法。 - 前記詳細な製造条件および検査条件において、
さらに、電池の拘束箇所、拘束面積および拘束圧力、高温エージングの条件、エージング時における保管棚の配置位置、電池の温度、セパレータの製造ロット、電極における活物質の塗工量、電極における活物質の膜厚、電解液量、浸透時間、初充電から高温エージング開始までの時間、高温エージング開始から電圧測定までの時間、二次電池の電気容量、暴露時間、電池の初充電圧、電池の内部抵抗値、のうち少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池の検査方法。
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