JP6277737B2 - 電線被覆劣化診断装置および電線被覆劣化診断方法 - Google Patents

電線被覆劣化診断装置および電線被覆劣化診断方法 Download PDF

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この発明は、電線の絶縁被覆の劣化を診断する電線被覆劣化診断装置および電線被覆劣化診断方法に関する。
例えば、柱上変圧器から需要家宅に引き込まれる引込線には、絶縁被覆電線が使用されており、この絶縁被覆電線は、長期間紫外線や風雨などにさらされることで絶縁被覆に変色や亀裂、あるいは被覆厚の減少などが生じてくる。そして、絶縁被覆が劣化して亀裂が発生すると、電線間での短絡によって火花が発生し(トラッキングが生じ)、火災などの障害、問題を引き起こすおそれがある。従って、亀裂が発生する前に、絶縁被覆の劣化状態を確認して引込線を取り替える必要がある。
そこで、電線の絶縁被覆の劣化状態などを機械的に診断する装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この装置は、電線の絶縁被覆に接触針や加圧子を押し当て、接触針や加圧子が絶縁被覆に食い込む量によって、絶縁被覆の亀裂を発見したり絶縁被覆の劣化を診断したりするものである。
特開平07−092128号公報 特開2001−099776号公報
ところで、引込線は、3本の電線・素線をよったより線であるため、特許文献1、2に記載の装置で診断する場合、接触針や加圧子がより部に食い込んでしまう。このため、接触針などの食い込み量の変化が、絶縁被覆の劣化、亀裂によるものか、あるいは、より線のより部によるものかを判断することが困難で、適正な測定、診断ができない。また、接触針などを絶縁被覆に押し当てることで、健全な絶縁被覆を損傷させるおそれがある。
さらに、引込線の3本の素線の絶縁被覆は、例えば、黒色、青色、緑色のように、それぞれ異なる色が施され、紫外線などによる劣化傾向(亀裂の発生傾向)が色によって異なっている。例えば、青色や緑色の絶縁被覆は、亀裂が発生しやすく、黒色の絶縁被覆は、亀裂が発生しにくい。このため、特許文献1、2に記載の装置では、接触針などを押し当てる素線によって、診断結果が異なることになる。
そこでこの発明は、損傷を与えることなく電線の絶縁被覆の劣化を適正に診断可能な、電線被覆劣化診断装置および電線被覆劣化診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、電線の絶縁被覆の劣化を診断する電線被覆劣化診断装置であって、接触子が診断対象の電線の絶縁被覆に面接触して、該絶縁被覆の摩擦係数を測定する摩擦係数測定手段と、所定の劣化状態における電線の絶縁被覆の摩擦係数を記憶した記憶手段と、前記摩擦係数測定手段で測定された摩擦係数と前記記憶手段に記憶された摩擦係数とに基づいて、前記診断対象の電線の絶縁被覆が前記所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定する判定手段と、を備え、前記接触子は、弾性変形自在で、前記電線の外形に沿って前記絶縁被覆に密着するように面接触した状態で横滑り振動し、前記摩擦係数測定手段は、前記接触子の横滑り振動によって前記摩擦係数を測定する、ことを特徴とする。
この発明によれば、摩擦係数測定手段によって診断対象の電線の絶縁被覆の摩擦係数が測定され、測定された摩擦係数と、記憶手段に記憶された所定の劣化状態の絶縁被覆の摩擦係数とに基づいて、判定手段によって診断対象の電線の絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かが判定される。
請求項の発明は、請求項1に記載の電線被覆劣化診断装置において、前記判定手段は、前記摩擦係数測定手段によって複数箇所測定された摩擦係数に基づいて、前記判定を行う、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1または2に記載の電線被覆劣化診断装置において、棒状の測定竿の先端部に前記摩擦係数測定手段が設けられている、ことを特徴とする。
請求項の発明は、電線の絶縁被覆の劣化を診断する電線被覆劣化診断方法であって、所定の劣化状態における電線の絶縁被覆の摩擦係数を記憶し、診断対象の電線の絶縁被覆に、弾性変形自在で、前記電線の外形に沿って前記絶縁被覆に密着するように横滑り振動する接触子を面接触させて、前記絶縁被覆の摩擦係数を測定し、測定した摩擦係数と前記記憶した摩擦係数とに基づいて、前記診断対象の電線の絶縁被覆が前記所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定する、ことを特徴とする。
請求項1、の発明によれば、診断対象の電線の絶縁被覆の摩擦係数と、予め記憶された所定の劣化状態の絶縁被覆の摩擦係数とに基づいて、診断対象の電線の絶縁被覆が所定以上に劣化しているか否かを判定する。すなわち、電線の絶縁被覆の劣化に伴って絶縁被覆の摩擦係数が変化(増加)する、という事象に着目して、電線の絶縁被覆の劣化を診断するため、損傷を与えることなく電線の絶縁被覆の劣化を適正に診断することが可能となる。具体的には、接触子が絶縁被覆に面接触して摩擦係数を測定するため、絶縁被覆に損傷を与えることがなく、また、引込線のようなより線であっても、接触子が絶縁被覆に面接触することで適正に摩擦係数を測定することができる。さらに、より線の各素線の劣化状態が異なっていても、複数の素線にわたって接触子を面接触させて摩擦係数を測定することで、電線全体の絶縁被覆の摩擦係数を測定することができる。これらの結果、電線の絶縁被覆の劣化を適正に診断することが可能となる。
また、接触子が電線の外形に沿って絶縁被覆に密着するように面接触するため、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、断面形状が円形の電線であっても、接触子が電線の外形に密着するように面接触し、断面形状が3つの素線からなる電線(より線)であっても、接触子が複数の素線にまたがって面接触するため、絶縁被覆の摩擦係数をより適正に測定することができる。この結果、絶縁被覆の劣化をより適正に診断することが可能となる。
請求項の発明によれば、複数箇所測定された摩擦係数に基づいて、電線の絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定するため、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、複数の箇所・部位の測定結果に基づいて判定するため、絶縁被覆の部位によって摩擦係数(劣化)にバラツキがあったり、摩擦係数(劣化)が極度に高い部位があったりする場合でも、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。
請求項の発明によれば、棒状の測定竿の先端部に摩擦係数測定手段が設けられているため、高い位置に配設された電線などに対しても、容易かつ安全に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、測定竿の基端部を持って摩擦係数測定手段を診断対象の電線に当接させ、摩擦係数測定手段で絶縁被覆の摩擦係数を測定するだけで、地上などの安定した場所から容易かつ安全に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。
この発明の実施の形態に係る電線被覆劣化診断装置を示す正面図(a)と側面図(b)である。 図1の電線被覆劣化診断装置の概略構成ブロック図である。 図1の電線被覆劣化診断装置の接触子を示す図であり、(a)は、1つの素線と対向する場合を示し、(b)は、2つの素線と対向する場合を示す。 図1の電線被覆劣化診断装置による診断状態を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る電線被覆劣化診断装置1を示す外形図であり、図2は、電線被覆劣化診断装置1の概略構成ブロック図である。この電線被覆劣化診断装置1は、電線Pの絶縁被覆の劣化を診断する装置であり、主として、摩擦計(摩擦係数測定手段)2と、第1のメモリ(記憶手段)31と、第2のメモリ32と、判定部(判定手段)4と、警報部(警報手段)5と、これらを制御などする中央処理部(CPU)6と、を備えている。ここで、この実施の形態では、電線Pが引込線の場合について主として説明し、引込線は、図3に示すように、3本の素線(電線)P1〜P3をよったより線とする。
摩擦計2は、接触子21が診断対象の電線Pの絶縁被覆に面接触して、この絶縁被覆の摩擦係数を測定する測定器である。すなわち、接触子21が電線Pの絶縁被覆に面接触した状態で振動(横滑り動)することで、接触子21と絶縁被覆における動摩擦力、動摩擦係数を測定する携帯型摩擦計である。ここで、摩擦係数は、摩擦力によって求められるものであるため、本発明において、摩擦係数と摩擦力とは同等の意味をなす。従って、摩擦計2で摩擦力を測定し、後述する判定部4において、測定された摩擦力と第1のメモリ31に記憶された摩擦力とに基づいて、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定することも、本発明に含まれる。
また、接触子21は、弾性変形自在で、電線Pの外形に沿うように絶縁被覆に面接触するようになっている。すなわち、図1に示すように、摩擦計2の本体側に配設された第1の接触子22と、この第1の接触子22に重なって配設され外部に露出された第2の接触子23とから構成されている。第1の接触子22は、硬質材で構成された平板状の測定子で、第2の接触子23は、スポンジ材などの弾性変形自在な材料で構成されたスペーサである。そして、接触子21の第2の接触子23を電線Pに押し当てることで、図3に示すように、電線Pの外形にならって第2の接触子23が変形し、第2の接触子23が絶縁被覆に密着するように面接触する。この際、電線Pの診断部位に応じて、第2の接触子23が少なくとも2つ以上の素線P1〜P3に面接触するように、第2の接触子23の厚みや変形量などが設定されている。このようにして第2の接触子23が電線Pに面接触した状態で、電線Pの表面状態(粗度)が第2の接触子23から第1の接触子22および摩擦計2の本体(測定部)側に伝達されるようになっている。
このような摩擦計2は、棒状の測定竿7の先端部7aに配設されている。すなわち、図1に示すように、測定竿7の先端部7aには、側面形状が逆J字状のケーシング(筐体)8が配設され、このケーシング8内に摩擦計2が収納されている。そして、接触子21の第2の接触子23がケーシング8の股部(凹部)8aから外部に露出し、股部8aに電線Pを挿入する(引っ掛ける)ことで第2の接触子23が電線Pに面接触するようになっている。
また、測定竿7の長さは、高い位置にある電線Pなどに対して、後述するようにして地上などから測定、診断できるように設定されている。さらに、測定竿7の基端部7bには、摩擦計2を起動したり、測定開始させたり、停止させたりする操作スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1のメモリ31は、所定の劣化状態における電線Pの絶縁被覆の摩擦係数を記憶するメモリである。すなわち、絶縁被覆の各劣化事象とそのときの摩擦係数との相関関係を事前に実験、調査し、その調査結果に基づいて、所定の劣化状態における電線Pの絶縁被覆の摩擦係数が、第1のメモリ31に記憶されている。具体的には、この実施の形態では、心線・導体に達する亀裂が絶縁被覆に生じてトラッキングを発生する可能性があり、電線Pを取り替える必要がある状態を、所定の劣化状態とし、このときの電線Pの絶縁被覆の摩擦係数が、第1のメモリ31に記憶されている。
第2のメモリ32は、摩擦計2で測定された摩擦係数などを記憶するメモリである。すなわち、この実施の形態では、後述するように、1つの診断対象の電線Pに対して摩擦計2で5箇所(複数箇所)測定し、5つの摩擦係数に基づいて判定部4で判定を行う。このため、摩擦計2による測定が行われるごとに、摩擦係数を第2のメモリ32に記憶するものである。また、測定された摩擦係数は、診断対象の電線Pの識別情報や測定日時、後述する判定部4による判定結果とともに、診断情報として第2のメモリ32に記憶され、パーソナルコンピュータなどから診断情報を読み出しできるようになっている。
判定部4は、摩擦計2で測定された摩擦係数と第1のメモリ31に記憶された摩擦係数とに基づいて、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定するタスク・プログラムである。すなわち、摩擦計2で測定され第2のメモリ32に記憶された摩擦係数(測定結果)と、第1のメモリ31に記憶された摩擦係数(基準値)とを比較して、測定結果が基準値以上の場合には、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化している、つまり、取り替えを要する状態にある、と判定するものである。
この際、摩擦計2によって複数箇所測定された摩擦係数に基づいて、判定を行う。すなわち、1つの診断対象の電線Pに対して摩擦計2で5箇所測定された後に、判定部4で判定を行うようになっており、第2のメモリ32に記憶された5つの摩擦係数に基づいて判定を行う。具体的に、この実施の形態では、5つの摩擦係数のなかから最も高い値(ピーク値)の摩擦係数と、第1のメモリ31に記憶された摩擦係数とを比較して、判定を行うものである。
このようなメモリ31、32と判定部4と中央処理部6は、ケーシング8内に収納されている。
警報部5は、判定部4による判定結果を通知するものであり、ブザーとランプから構成されている。すなわち、判定部4によって、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化していると判定された場合には、ブザーから警報音を発するとともにランプが赤色に点灯し、所定の劣化状態以上に劣化していないと判定された場合には、ランプが緑色に点灯するものである。このような警報部5は、図1に示すように、ケーシング8の下面部に設けられ、ケーシング8の下方にいる作業員Mがランプの点灯状態を目視確認しやすいようになっている。
次に、このような構成の電線被覆劣化診断装置1の作用および電線被覆劣化診断装置1による電線被覆劣化診断方法について説明する。ここで、事前に記憶ステップとして、上記のように、所定の劣化状態における電線Pの絶縁被覆の摩擦係数が、第1のメモリ31に記憶されているものとする。
診断を行うには、まず、診断対象の電線Pの絶縁被覆に接触子21を面接触させて、絶縁被覆の摩擦係数を測定する(測定ステップ)。具体的には、図4に示すように、作業員Mが測定竿7の基端部7bを持って、ケーシング8の股部8aに電線Pを挿入させて(引っ掛けて)、接触子21の第2の接触子23を電線Pに面接触させる。この状態で、作業員Mが測定竿7のスイッチを操作して摩擦計2による測定を行う。このとき、作業員Mは測定竿7から手を離すか、測定竿7に手を添える程度とし、同じ力(装置1の自重のみ)で接触子21が電線Pに押し当たるようにする。このような測定を1つの診断対象の電線Pに対して5箇所で行うと、順次各測定結果が診断情報として第2のメモリ32に記憶される。
次に、5箇所の測定が終了すると判定部4が起動され、上記のようにして、測定した摩擦係数と第1のメモリ31に記憶された摩擦係数とに基づいて、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かが判定される(判定ステップ)。そして、所定の劣化状態以上に劣化していると判定されと、警報部5のブザーから警報音が発せられるとともにランプが赤色に点灯し、所定の劣化状態以上に劣化していないと判定されると、ランプが緑色に点灯する。また、判定部4による判定結果(電線Pの取替の要否)は、診断情報として第2のメモリ32に記憶され、このような診断を各診断対象の電線Pに対して行うものである。
以上のように、本電線被覆劣化診断装置1および電線被覆劣化診断方法によれば、診断対象の電線Pの絶縁被覆の摩擦係数と、予め記憶された所定の劣化状態の絶縁被覆の摩擦係数とに基づいて、診断対象の電線Pの絶縁被覆が所定以上に劣化しているか否かを判定する。すなわち、電線Pの絶縁被覆の劣化に伴って絶縁被覆の摩擦係数が変化(増加)する、という事象に着目して、診断対象の電線Pの絶縁被覆の摩擦係数が所定の基準値以上か否かに基づいて劣化を診断するため、損傷を与えることなく電線Pの絶縁被覆の劣化を適正に診断することが可能となる。
具体的には、接触子21が絶縁被覆に面接触して摩擦係数を測定するため、絶縁被覆に損傷を与えることがなく、また、電線Pがより線である引込線であっても、接触子21が絶縁被覆に面接触することで適正に摩擦係数を測定することができる。さらに、電線Pの各素線P1〜P3の劣化状態が異なっていても、複数の素線P1〜P3にわたって接触子21を面接触させて摩擦係数を測定することで、電線P全体の絶縁被覆の摩擦係数を測定することができる。これらの結果、電線Pの絶縁被覆の劣化を適正に診断することが可能となる。
さらに、接触子21の第2の接触子23が電線Pの外形に沿うように絶縁被覆に面接触するため、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、断面形状が3つの素線P1〜P3からなる電線Pであっても、第2の接触子23が複数の素線P1〜P3にまたがって密着して面接触する。このため、複数の素線P1〜P3に対して同時に摩擦係数を測定している状態となり、電線P全体の絶縁被覆の摩擦係数をより適正に測定することができる。この結果、絶縁被覆の劣化をより適正に診断することが可能となる。
また、5箇所測定された摩擦係数に基づいて、電線Pの絶縁被覆が所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定するため、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、複数の箇所・部位の測定結果に基づいて判定するため、絶縁被覆の部位によって摩擦係数(劣化)にバラツキがあったり、摩擦係数(劣化)が極度に高い部位があったりする場合でも、より適正に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。しかも、5つの摩擦係数のなかで最も高い値に基づいて判定を行うため、安全方向の判定がなされ、所定以上に劣化している電線Pを見逃すことが抑制される。
一方、棒状の測定竿7の先端部7aに摩擦計2が設けられているため、高い位置に配設された電線Pなどに対しても、容易かつ安全に絶縁被覆の劣化を診断することが可能となる。すなわち、上記のように、測定竿7の基端部7bを持って摩擦計2を電線Pに当接させ、摩擦計2を作動させるだけで、地上などの安定した場所から容易かつ安全に絶縁被覆の劣化を診断することができ、しかも、熟練を要せず誰でも適正かつ安定した診断結果を得ることができる。このようにして、電線Pの診断・点検業務の効率化、高精度化が図れるものである。
また、第2のメモリ32に記憶された診断情報をパーソナルコンピュータなどに読み取ることで、各電線Pの診断結果の集計、統計や劣化傾向の解析などを適正かつ容易に行うことが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、心線・導体に達する亀裂が絶縁被覆に生じてトラッキングを発生する可能性が高い状態を、所定の劣化状態としているが、管理基準や取替基準などに応じて、その他の状態、例えば、心線に達しない亀裂が絶縁被覆に生じた状態を、所定の劣化状態としてもよい。
また、測定した複数の摩擦係数のなかで最も高い値に基づいて判定、診断を行っているが、複数の摩擦係数の平均値などに基づいて判定、診断してもよい。さらに、複数箇所の摩擦係数を測定する場合に、測定の都度、摩擦係数が基準値以上か否かを判定して警報部5から判定結果を通知するようにしてもよい。また、第1のメモリ31に複数の摩擦係数(基準値)を記憶し、診断対象の電線Pの種類や管理基準、取替基準などに応じて基準値を選択できるようにしてもよい。
1 電線被覆劣化診断装置
2 摩擦計(摩擦係数測定手段)
21 接触子
22 第1の接触子
23 第2の接触子
31 第1のメモリ(記憶手段)
32 第2のメモリ
4 判定部(判定手段)
5 警報部
7 測定竿
8 ケーシング
P 電線
P1〜P3 素線
M 作業員

Claims (4)

  1. 電線の絶縁被覆の劣化を診断する電線被覆劣化診断装置であって、
    接触子が診断対象の電線の絶縁被覆に面接触して、該絶縁被覆の摩擦係数を測定する摩擦係数測定手段と、
    所定の劣化状態における電線の絶縁被覆の摩擦係数を記憶した記憶手段と、
    前記摩擦係数測定手段で測定された摩擦係数と前記記憶手段に記憶された摩擦係数とに基づいて、前記診断対象の電線の絶縁被覆が前記所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
    前記接触子は、弾性変形自在で、前記電線の外形に沿って前記絶縁被覆に密着するように面接触した状態で横滑り振動し、
    前記摩擦係数測定手段は、前記接触子の横滑り振動によって前記摩擦係数を測定する、
    とを特徴とする電線被覆劣化診断装置。
  2. 前記判定手段は、前記摩擦係数測定手段によって複数箇所測定された摩擦係数に基づいて、前記判定を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電線被覆劣化診断装置。
  3. 棒状の測定竿の先端部に前記摩擦係数測定手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電線被覆劣化診断装置。
  4. 電線の絶縁被覆の劣化を診断する電線被覆劣化診断方法であって、
    所定の劣化状態における電線の絶縁被覆の摩擦係数を記憶し、
    診断対象の電線の絶縁被覆に、弾性変形自在で、前記電線の外形に沿って前記絶縁被覆に密着するように横滑り振動する接触子を面接触させて、前記絶縁被覆の摩擦係数を測定し、
    測定した摩擦係数と前記記憶した摩擦係数とに基づいて、前記診断対象の電線の絶縁被覆が前記所定の劣化状態以上に劣化しているか否かを判定する、
    ことを特徴とする電線被覆劣化診断方法。
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