JP6277519B2 - 透過型有機el素子及びそれを備えた照明装置 - Google Patents
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Description
<1−1.本実施形態に係る発光装置の概略>
本実施形態に係る発光装置1の概略構成について説明する。
発光装置1は、図1に示すように、一例として略矩形板状の外観形状を有する。発光装置1は、図2(a)に示すように、第1基板10、第2基板30及び、封止部40(封止部40を構成する4つの平板部のうち平板部41及び42のみ図示)で囲まれた内部空間2内に発光素子20が封止されてなる。発光装置1は、第1基板10、発光素子20、第2基板30、封止部40、絶縁層50、第1引出し配線60、第2引出し配線70、第1導電部80及び第2導電部90を備える。
第2基板30は、例えば、矩形平板状のガラス基板であって、発光素子20の上方に第1基板10と対向して配置されている。
封止部40は、図3に示すように、4つの平板部41〜44から構成され、第1基板10と第2基板30との間に発光素子20を囲繞するように設けられている。
絶縁層50は、図2(a)及び図3に示すように、電気的に接続された第1電極21及び第1引出し配線60と、それらとは別途に電気的に接続された第2電極22及び第2引出し配線70とを電気的に絶縁するための部材であって、発光素子20の側方を囲繞するように設けられている。
第2引出し配線70は、第2電極22と電気的に接続されており、図2(a)に示すように、絶縁層50の上面50a及び側面50b、並びに、第1基板10の上面に亘って帯状に形成されており、平板部42を貫通している。
第2導電部90は、図2(a)に示すように、第2引出し配線70のうち封止部40(図2(a)の平板部42に相当)の外部に引き出された部分と電気的に接続されている。第2導電部90は、発光装置1の外部から第2引出し配線70を介して第2電極22に給電を行うための電極として機能する。
ここで、発光装置1において、発光した光が射出される面を発光面という。具体的には、第1基板10が有する面のうち、面積が最大であり、発光装置1の外側を向いている面、すなわち図2(a)の発光面10aが、発光面である。なお、第2基板30が有する面のうち、面積が最大であり、発光装置1の外側を向いている面を非発光面30aという。
<1−2.発光装置1の構成>
以下、発光装置1の各構成要素について詳細に説明する。
第1基板10は、例えば、矩形板状のガラス基板である。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。第1基板10は、リジッドなものでもよいし、フレキシブルなものでもよい。また、第1基板10は矩形板状に限定されず、例えば、多角形、円形又は楕円形等の矩形状以外の形の板状であってもよい。第1基板10の縦又は横の寸法は、例えば、数十ミリメートルから数十インチ程度で、必要な発光面の広さ、用途、製造設備のサイズ等に応じて適宜選択すればよい。
第1電極21は、光透過性を有し、発光素子20の陰極として機能する。第1電極21の材料は、発光層で発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよい。第1電極21の材料としては、仕事関数の小さい導電性光透過性材料を用いることが好ましく、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。このような導電性光透過性材料としては、例えば、金やAlなどの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO2、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム−亜鉛酸化物)等、カーボンナノチューブなどが挙げられる。第1電極21は、例えば、これらの電極材料を、第1基板10の表面に真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。この第1電極21の透過率は、70%以上となるようにすることが好ましい。
<1−2−3.機能層23>
以下、機能層23に含まれる第1キャリア注入層23a、第1キャリア輸送層23b、発光層23c、インターレイヤー23d、第2キャリア輸送層23e、第2キャリア注入層23fのそれぞれについて説明する。
発光層23cは、可視光の波長の成分を含む光を放出する機能を有する。例えば、発光層23cから放出される光は、実質的に白色光である。発光層23cは、赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングして構成してもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層とを積層して構成してもよい。
また、発光層23cの材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体など、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したものなどや、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、ピラン、キナクリドン、ルブレン、およびこれらの誘導体、あるいは、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、スチリルアミン誘導体、およびこれらの発光性化合物からなる基を分子の一部分に有する化合物などが挙げられる。
第1キャリア注入層23aは、電子注入層である。第1キャリア注入層23aの材料としては、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムなどの酸化物、などを用いることができる。これらの材料の場合、第1キャリア注入層23aは、真空蒸着法により形成することができる。また、第1キャリア注入層23aの材料として、例えば、電子注入を促進させるドーパント(アルカリ金属など)を混合した有機半導体材料を用いることもできる。このような材料の場合であれば、第1キャリア注入層23aは、塗布法により形成することができる。
(3)第1キャリア輸送層23b
第1キャリア輸送層23bは、電子輸送層である。第1キャリア輸送層23bの材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などを用いることができるが、これに限らず、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることも可能である。
(4)インターレイヤー23d
インターレイヤー23dは、発光層23c側から第2電極22側への第1キャリアの漏れを抑制する第1キャリア障壁としてのキャリアブロッキング機能を有することが好ましく、更に、第2キャリアを発光層23cへ輸送する機能、発光層23cの励起状態の消光を抑制する機能などを有していることが好ましい。一般的に有機EL素子では、インターレイヤー23dを設けることにより、発光効率の向上および長寿命化を図ることができる。インターレイヤー23dの材料としては、例えば、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などを用いることができる。このような材料を用いる場合、インターレイヤー23dは、塗布法(スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など)のような湿式プロセスによって成膜することができる。
(5)第2キャリア輸送層23e
第2キャリア輸送層23eは、正孔輸送層である。第2キャリア輸送層23eの材料としては、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位が小さい低分子材料や高分子材料を用いることができる。例えば、ポリビニルカルバゾール(PVCz)や、ポリピリジン、ポリアニリンなどの側鎖や主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体などの芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、ホール輸送層の材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを用いることが可能である。
(6)第2キャリア注入層23f
第2キャリア注入層23fは、正孔注入層である。第2キャリア注入層23fの材料としては、例えば、チオフェン、トリフェニルメタン、ヒドラゾリン、アミールアミン、ヒドラゾン、スチルベン、トリフェニルアミンなどを含む有機材料が挙げられる。具体的には、たとえば、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、TPDなどの芳香族アミン誘導体などで、これらの材料を単独で用いてもよいし、2種類以上の材料を組み合わせて用いてもよい。このような材料を用いる場合、第2キャリア注入層23fは、塗布法(スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など)のような湿式プロセスによって成膜することができる。
ここで、上述の説明では、機能層23は、第1キャリア注入層23a、第1キャリア輸送層23b、発光層23c、インターレイヤー23d、第2キャリア輸送層23e、第2キャリア注入層23fを含むとしたが、少なくとも発光層23cを含めば足りる。機能層23は、単層構造でも多層構造でもよく、第1キャリア注入層23a、第1キャリア輸送層23b、インターレイヤー23d、第2キャリア輸送層23e、第2キャリア注入層23fなどの、発光層23c以外の層については必要に応じて設ければよい。
第2電極22は、上述のように機能層23上に格子状に形成された電極である。発光素子20を上から見た場合、図4(a)に部分的に拡大して示すように、格子状の電極(線状の部分電極22a、22b、22c、22d、22eなどを含んで成る)が機能層23上に形成されている領域と、電極が形成されず、機能層23の第2面が部分的に露出している領域(以下「電極不存在領域」という。)とがある。図4(a)において、ハッチが施されている部分(電極不存在領域401〜406など)が、電極不存在領域にあたる。
また、第2電極22を構成する導電性粒子には、形状が球状である球状粒子と、形状がフレーク状であるフレーク状粒子がある。ここで、粒子の粒径は、一例として(最小長さ+最大長さ)/2により算出する。本明細書では、球状粒子とは、粒子の最小長さに対する最大長さの比が0.9以上1.1以下である粒子をいう。また、フレーク状粒子とは、粒子の最小長さに対する最大長さの比が1.1を超える粒子をいう。
第2電極22は、例えば、金属の粉末に有機バインダおよび有機溶剤を混合させたペースト(印刷インク)を、例えばスクリーン印刷法、グラビア印刷法などにより印刷して形成することができる。有機バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ジアクリルフタレート樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、その他の熱可塑性樹脂や、これらの樹脂を構成する単量体の2種以上の共重合体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第1導電部80は、第1引出し配線60を介して第1電極21に給電を行う給電機能を備え、図2(a)に示すように、第1引出し配線60における封止部40の外部に引き出された部分と電気的に接続されている。
第1引出し配線60の材料としては、第1電極21と同じ材料が挙げられるが、これに限定されない。第1引出し配線60の材料が第1電極21の材料と同じである場合、第1引出し配線60を第1電極21と同時に形成することができる。
第1導電部80及び第2導電部90は、導電性を有する材料で構成すれば足り、例えば、導電性を有する金属で構成すればよい。
第2基板30は、カバー基板として機能する。本実施の形態では、第2基板30として、ガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、プラスチック板などを用いてもよい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどを採用することができる。また、プラスチック板の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネートなどを採用することができる。なお、第1基板10が、ガラス基板により構成されている場合には、第2基板30を、第1基板10と同じ材料のガラス基板により構成することが好ましい。
封止部40は、発光素子20を封止するための部材であり、第1基板10の周部と第2基板30の周部との間に介在する。封止部40は、第1基板10の一表面側に対して、封止部40における基板10側との対向面を全周に亘って気密的に接合されている。また、封止部40は、第2基板30に対して、封止部40における第2基板30との対向面を全周に亘って気密的に接合されている。
絶縁層50の材料としては、例えば、ポリイミド、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。それら材料の場合、絶縁層50は、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などによって成膜することができる。または、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの光硬化性樹脂に吸湿剤を含有させたものを用いることができる。吸湿剤としては、アルカリ土類金属の酸化物や硫酸塩が好ましい。
<1−3.発光装置1の発光動作>
以下、上述のように構成された発光装置1の発光動作について、図4(b)及び図5(a)を参照しながら説明する。
ここで、発光層23cの電圧印加部分から第2電極22に向けて発せられた光は、第2電極22で散乱反射されて、一部が発光領域から射出され(一例として、反射光421a、421b、421c)、残りが非発光領域から射出される(一例として、反射光431a、441a、431b、441b、431c、441c)。よって、発光領域から射出される光は、従来のように第2電極22で反射された光が全て発光領域から射出される場合に比べて弱まる。このため、発光装置1では、発光面における発光領域と非発光領域の輝度差が少なくなるので、発光領域と非発光領域の輝度差により生じる輝度ムラを抑制することができる。また、発光装置1は、図4(b)に示すように外部から入射する外光(410a〜410d)は、電極不存在領域を通じて発光面10a側から非発光面30a側へ、また、非発光面30a側から発光面10a側へと通過させる。このため、発光装置1は、透過型片面発光パネルとして機能する。
<1−4.発光装置1を適用した照明装置601>
ここで、発光装置1を有機EL発光パネルとして用いる例として、発光装置1を組み込んだ照明装置601の動作例について図6(a)及び(b)を用いて説明する。
図6(a)に示すように、照明装置601は、組み込まれた発光装置1の発光面10aから発光光、反射光を射出し、発光面10aの前に置かれた対象物611を照らす。一方、非発光面30aは発光光、反射光を射出しないので、非発光面30aの前に置かれた対象物612は照らされない。図6(b)に示すように、照明装置601の非発光面30a側からは、発光面10aの前に置かれ、発光光により照らされた対象物611が、発光装置1の電極不存在領域を通じて見えることになる。
ここで、発光装置1が発光していない場合において、発光面10a側から第2電極22の第1面に向けて入射する外光は、第1面が光を散乱反射することから、第1面で散乱反射される。このため、発光面10a側に存在する外部の物体の像(例えばユーザの顔)が、第2電極22の第1面に反射像として写り込み、ユーザにより視認されてしまうのを抑制できる。このため、ユーザが不快な感じを受けるというようなことはない。
<1−5.発光素子20の製造方法>
次に、発光素子20の製造方法について図7(a)〜(d)、及び図8(a)〜(c)を用いて説明する。
次に、第1電極21上に、塗布法のような湿式プロセスに基づきインクを塗布し溶媒を乾燥させて機能層23を形成する。また、基板10の上面の右方に、第1電極21に電気的に接続するよう第1引き出し配線60を形成する(図7(c))。次に、第1電極21、機能層23の外周と接触するように絶縁層50を、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などに基づきインクを塗布し溶媒を乾燥させて形成する(図7(d))。
<2.変形例1>
以上、実施形態に係る発光素子及び照明装置について説明したが、例示した発光素子及び照明装置を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施の形態で示した例に限られないことは勿論である。
第2電極22としての金属電極910は、例えば、以下のようにして形成する。まず、絶縁性の透明シート上に、金属膜を形成する。次に、金属膜の表面(透明シートと接する面と逆側の面)が凹凸状になるよう表面処理を行う。次に、この表面処理が行われた金属膜をドライエッチング法やウェットエッチング法を用いて、第2電極22と同様の格子状に加工する。そして、透明シートを、格子状の金属が形成されている面が機能層23に対向するように、機能層23に被せて固定する。以上により、散乱反射面を有する格子状の金属電極を機能層23上に配することができる。
第2電極22としての金属細線920は、例えば、以下のようにして形成する。まず、絶縁性の透明シート上に、格子状になるよう複数の金属細線920を固定する。次に、透明シートを、金属細線920が固定されている面が機能層23に対向するように機能層23に被せて、金属細線920が機能層23にめり込むように圧力を加えて固定する。以上により、散乱反射面を有する格子状の金属電極を機能層23上に形成することができる。
第2電極22は、各開口の平面視形状が正三角形状の場合、三角格子状の形状となり、各開口の平面視形状が正六角形状の場合、六角格子状の形状となる。
(5)上述の実施形態では、照明装置601は、矩形の平板パネル状の照明装置であったが、これに限らず、他の形式としてもよい。例えば、照明装置601は、透明な箱形の水槽であって、上面、下面、側面などとして配する透明パネルを発光装置1で構成してもよい。この場合、発光装置1は、水槽内部に向け発光し、水槽内部の物体が照らされることになる。また、箱型に限らず、球形、金魚鉢状など他の形状であってもよい。
<3.補足1>
以下、更に本発明の一実施形態としての透過型有機EL素子及び照明装置の構成、その変形例及び効果について説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る透過型有機EL素子は、透光性を有する第1電極と、光反射性を有する第2電極と、発光層を含み前記第1電極と前記第2電極との間に配置される機能層とを含み、前記第1電極側から光を射出する透過型有機EL素子であって、前記機能層における前記第2電極側の面には、前記第2電極が配置されていない部分が存在し、前記第2電極における前記機能層側の面が、前記発光層から前記第2電極方向に発せられる光を複数の方向に反射する散乱反射面である。
また、前記第2電極は、複数の粒子状の光散乱体を含んで構成されており、前記複数の光散乱体が、前記散乱反射面を構成しているとしてもよい。
この構成により、外部に光を射出する発光面側から前記透過型有機EL素子を見た場合に、発光面における前記第1電極及び前記第2電極と重ならない部分からも、前記散乱反射面により反射された光が射出されるので、発光面における輝度ムラの発生を抑制することができる。
(2)前記複数の光散乱体は、複数のフレーク状粒子と球状粒子とを含む導電性粒子であり、前記球状粒子の割合が50質量%より多いとしてもよい。
(3)本発明の一実施形態に係る照明装置は、前記透過型有機EL素子を備える。
この構成により、外部に光を射出する発光面側から前記照明装置を見た場合に、発光面における前記第1電極及び前記第2電極と重ならない部分からも、前記散乱反射面により反射された光が射出されるので、発光面における輝度ムラの発生を抑制することができる。
上述の実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
さらに、発光素子、照明装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。なお、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
2 内部空間
10 第1基板
10a 発光面
20 発光素子
21 第1電極
22 第2電極
22a〜22e 部分電極
23 機能層
23a キャリア注入層
23b キャリア輸送層
23c 発光層
23d インターレイヤー
23e キャリア輸送層
23f キャリア注入層
30 第2基板
30a 非発光面
40 封止部
41〜44 平板部
50 絶縁層
60 第1引出し配線
70 第2引出し配線
80 第1導電部
90 第2導電部
401〜406 電極不存在領域
510 電圧印加部分
511、512 電圧非印加部分
521 発光領域
522、523 非発光領域
601 照明装置
611、612 対象物
Claims (5)
- 透光性を有する第1電極と、光反射性を有する第2電極と、発光層を含み前記第1電極
と前記第2電極との間に配置される機能層とを含み、前記第1電極側から光を射出する透過型有機EL素子であって、
前記機能層における前記第2電極側の面には、前記第2電極が配置されていない部分が存在し、
前記第2電極における前記機能層側の面が、前記発光層から前記第2電極方向に発せられる光を複数の方向に反射する散乱反射面であり、
前記第2電極は、複数の粒子状の光散乱体を含んで構成されており、
前記複数の粒子状の光散乱体が、前記散乱反射面を構成しており、
前記複数の粒子状の光散乱体は、複数のフレーク状粒子と球状粒子とを含む導電性粒子であり、前記球状粒子の割合が50質量%より多い
透過型有機EL素子。 - 前記第2電極には、開口が設けられており、
前記機能層における前記第2電極側の面の前記第2電極が配置されていない部分は、前記開口を通じて露出している
請求項1記載の透過型有機EL素子。 - 前記球状粒子は、粒子の最小長さに対する最大長さの比が0.9以上1.1以下であり、
前記フレーク状粒子は、粒子の最小長さに対する最大長さの比が1.1を超えるものであり、
各粒子の粒径を(粒子の最大長さ+粒子の最小長さ)/2とした場合の前記複数の球状粒子の平均粒径、及び前記複数のフレーク状粒子の平均粒径は、0.1μm以上、10μm以下である
請求項1記載の透過型有機EL素子。 - 前記第2電極は、前記機能層を凹凸状に侵食している
請求項1記載の透過型有機EL素子。 - 請求項1記載の透過型有機EL素子を備えることを特徴とする照明装置。
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