JP6274597B2 - 電子機器および腕時計 - Google Patents

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Description

この発明は、時計などの電子機器および腕時計に関する。
例えば、腕時計においては、特許文献1に記載されているように、ケース内に設けられたモジュールを操作する操作部材を、弾性部材によってケースに保持し、このケースとモジュールとの間で位置ずれが生じた際に、弾性部材が弾性変形するように構成されたものが知られている。
特開2010−249716号公報
この場合、操作部材は、モジュール内に挿入されてモジュールを操作する巻真と、この巻真の端部に連結されてケースの外部に突出する竜頭である操作頭部と、この操作頭部の軸部が回転可能に挿入される巻真パイプとを有し、この巻真パイプが弾性部材によってケースに弾力的に保持されるように構成されている。
このような腕時計では、ケースとモジュールとの間で位置ずれが生じた際に、弾性部材を弾性変形させるために、操作部材をケースに対して変位させる必要がある。このため、この腕時計では、ケースにその上下方向にスライドするスライダを設け、このスライダに巻真パイプを取り付けることにより、ケースとモジュールとの間で位置ずれが生じた際に、スライダが巻真パイプと共にスライドして、弾性部材を弾性変形させるように構成されている。
しかしながら、このような腕時計においては、ケースが衝撃を受けてケースとモジュールとの間で位置ずれが生じた際に、巻真に大きな負荷が加わらないように緩衝することができても、操作部材が弾性部材およびスライダによって変位可能に保持されているため、巻真を操作する際に、操作部材が上下方向に変位し易く、操作部材の操作性が悪いという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、操作部材の操作性を損なわずに、衝撃を良好に緩衝することができる電子機器および腕時計を提供することである。
この発明は、ケースと、このケース内に配置されたモジュールと、前記ケースにその内部から外部に突出して設けられ、前記モジュールを操作する操作部材と、前記操作部材の軸方向に沿う延長線上に位置し、前記モジュールを前記ケースに対して前記操作部材の軸線と一致した直線を中心にして回転可能な状態で支持する支持部材と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
この発明によれば、操作部材と支持部材との各軸線を一致させることができるので、ケースが衝撃を受けた際に、操作部材と支持部材との各軸線が一致した直線を中心にモジュールを回転させることができ、これにより衝撃を効率良く緩衝することができる。このため、操作部材の操作性を損なわずに、衝撃を良好に緩衝して耐衝撃性を向上させることができる。
この発明を指針式の腕時計に適用した一実施形態を示した拡大正面図である。 図1に示された腕時計のA−A矢視における拡大断面図である。 図1に示された腕時計のB−B矢視における拡大断面図である。 図2に示された腕時計の支持部材を示した拡大側面図である。 図2に示された腕時計の押え部材を示し、(a)はその拡大正面図、(b)はその拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
以下、図1〜図5を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1〜図3に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2とベゼル3とを有している。ケース本体2は、硬質の合成樹脂に金属製の補強部材2aをインサート成型によって一体に形成された構成になっている。ベゼル3は、ウレタンなどの軟質の合成樹脂からなり、ケース本体2の外周面に取り付けられるように構成されている。
この腕時計ケース1の上部開口部、つまりケース本体2の上部開口部には、図2および図3に示すように、時計ガラス4がバッキン4aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1の下部、つまりケース本体2の下部には、裏蓋5が防水パッキン5aを介して取り付けられている。この腕時計ケース1の内部、つまりケース本体2の内部には、時計モジュール6が組み込まれている。
この時計モジュール6は、図2および図3に示すように、その外周に中枠7が配置されている。この中枠7の外周には、ゴムなどの第1緩衝部材8が配置されている。これにより、時計モジュール6は、外周に第1緩衝部材8が設けられた中枠7内に配置された状態で、腕時計ケース1のケース本体2内に組み込まれるように構成されている。
また、この時計モジュール6の上面には、図2および図3に示すように、文字板10が配置されている。この文字板10は、その周縁部が腕時計ケース1のケース本体2の内周部に設けられた見切り部材11によって時計モジュール6上に押えられている。また、時計モジュール6の下面には、ゴムシートなどの第2緩衝部材12を介して押え部材13が配置されている。この押え部材13は、裏蓋5によって下側から押えられている。
さらに、この時計モジュール6は、図2および図3に示すように、指針14を運針するための時計ムーブメント、およびこの時計ムーブメントを駆動するための回路基板(いずれも図示せず)などの時計機能に必要な各種の部品を備えている。この場合、時計ムーブメントは、ステッピングモータの回転を輪列機構によって指針軸14aに伝達して、この指針軸14aを回転させることにより、この指針軸14aに取り付けられた指針14を文字板10の上方で運針させるように構成されている。
ところで、腕時計ケース1の3時側に位置する個所には、図1および図2に示すように、時計モジュール6の時計ムーブメントを操作して時刻修正などのスイッチ操作をするための操作部材15が設けられている。この操作部材15は、腕時計ケース1の側壁部にその内外に貫通して設けられた筒状部材16と、外側端部が筒状部材16内に配置され、内側端部が時計モジュール6内に挿入されて時計ムーブメントの輪列機構を操作する巻真17と、この巻真17の外側端部に連結されて筒状部材16から腕時計ケース1の外部に突出する操作頭部18とを有している。
この場合、腕時計ケース1の側壁部には、図2に示すように、その内外に貫通する貫通孔1aが設けられている。筒状部材16は、その内端部がケース本体2内に突出し、外端部が腕時計ケース1の外部に突出した状態で、腕時計ケース1の貫通孔1a内に防水リング16aを介して嵌着されている。操作頭部18は、筒状部材16内に挿入する筒状の操作軸18aと、筒状部材16の外端部を覆うキャップ形状の頭部18bとを有している。
すなわち、筒状の操作軸18aは、図2に示すように、その外径が筒状部材16の内径よりも小さく形成されている。この操作軸18aは、その外周に防水リング18cを介して筒状部材16内にスライド可能に挿入されている。また、この操作軸18aの内部には、巻真連結部17aがスライドおよび回転可能な状態で設けられている。この巻真連結部17aは、操作軸18aのスライド動作に応じてスライドすると共に、操作軸18aの回転動作と共に回転するように構成されている。
この巻真連結部17aの内端部には、図2に示すように、巻真17の外端部が連結されている。これにより、巻真17は、巻真連結部17aのスライド動作に伴ってスライドすると共に、巻真連結部17aの回転動作と共に回転するように構成されている。また、頭部18bは、その中心部に操作軸18aの外端部が一体に形成されている。この頭部18bは、その内径が筒状部材16の外径よりも大きく形成されている。
これにより、操作部材15は、図2に示すように、操作頭部18が腕時計ケース1に向けて押し込まれた際に、巻真17および巻真連結部17aがニュートラル状態になり、この状態で操作軸18aが腕時計ケース1の内部に向けて移動することにより、巻真17の外端部がばね部材(図示せず)のばね力に抗して操作軸18a内に相対的に押し込まれて、頭部18bが筒状部材16にロックされるように構成されている。
また、この操作部材15は、図2において、筒状部材16に対する操作頭部18のロックが解除されて、頭部18bがばね部材のばね力によって腕時計ケース1の外部に向けて引き出された際に、巻真17および巻真連結部17aが移動せずにニュートラル状態を維持し、操作軸18aが引き出されて、頭部18bが回転可能な状態になるように構成されている。この場合、操作部材15は、頭部18bが回転して操作軸18aおよび巻真連結部17aが巻真17を回転させても、巻真17がニュートラル状態を維持していることにより、時計ムーブメントが操作されないように構成されている。
さらに、この操作部材18は、図2において、頭部18bが腕時計ケース1の外部に向けて引き出された状態で、更に頭部18bが操作軸18aと共に引き出されると、この操作軸18aに伴って巻真連結部17aが巻真17と共に引き出され、この巻真17による時計ムーブメントの操作が可能な状態になるように構成されている。この場合、操作部材15は、頭部18bを回転させると、その回転が操作軸18aおよび巻真連結部17aを介して巻真17に伝達され、この巻真17の回転に応じて時計ムーブメントの輪列機構が操作され、時刻修正などのスイッチ操作が行われるように構成されている。
一方、腕時計ケース1の9時側に位置する個所には、図2に示すように、時計モジュール6を腕時計ケース1に対して回転可能な状態で、操作部材15と共に支持する支持部材20が設けられている。この支持部材20は、図2および図4に示すように、操作部材15の軸方向に沿う延長線、つまり巻真17の軸線の延長線上に位置するピン部材21と、このピン部材21を時計モジュール6内から引き出す方向に向けて付勢するばね部材22とを備えている。
ピン部材21は、図2および図4に示すように、剛性の高い金属からなるほぼ丸棒状に形成されている。このピン部材21は、その外端部が腕時計ケース1のケース本体2に配置され、内端部が時計モジュール6内に挿入されるように構成されている。また、このピン部材21は、その中間部の外周に防水リング23がスライド可能な状態で圧接して取り付けられている。
この場合、腕時計ケース1のケース本体2には、図2に示すように、ピン部材21の防水リング23が挿入する大径孔部およびピン部材21の内端部が挿入する小径孔部を有する段差状のピン挿入孔24が、操作部材15の巻真17における軸線の延長線上に位置して設けられている。また、時計モジュール6には、ピン部材21の内端部が挿入する小径孔25が、操作部材15の巻真17における軸線の延長線上に位置して設けられている。
これにより、ピン部材21は、図2に示すように、ケース本体2のピン挿入孔24に外側から挿入されて、防水リング23がピン挿入孔24の大径孔部内に配置されると共に、防水リング23の内端部がピン挿入孔24の小径孔部の段差部に当接し、この状態で防水リング23の外周面がピン挿入孔24の大径孔部における内周面に圧接して防水性を図るように構成されている。
また、このピン部材21は、図2および図4に示すように、防水リング23がケース本体2のピン挿入孔24の大径孔部内に配置された状態で、ピン部材21の内端部がピン挿入孔24の小径孔部を通して、時計モジュール6内の小径孔25にスライド可能に挿入するように構成されている。
これにより、ピン部材21は、図2に示すように、操作部材15の巻真17における軸線の延長線上に位置した状態で、ケース本体2と時計モジュール6との両方に跨った状態で、腕時計ケース1の内外に向けてスライド可能に取り付けられるように構成されている。このため、時計モジュール6は、操作部材15の巻真17と支持部材20のピン部材21との各軸線が一致する直線を中心に、上下方向に回転動作(つまり揺動動作)するように構成されている。
一方、ばね部材22は、図2および図4に示すように、コイルばねであり、ピン部材21の外端部側に位置する外周に配置されている。また、このばね部材22は、その内端部がピン部材21の防水リング23に弾接した状態で、外端部がピン部材21の外端面に設けられた取付片22aに取り付けられている。この場合、取付片22aは、その外径がケース本体2のピン挿入孔24の大径孔部の内径よりも大きく形成されている。
これにより、ばね部材22は、図2に示すように、ケース本体2のピン挿入孔24の大径孔部内に防水リング23と共に配置され、この状態で内端部がピン部材21の防水リング23をばね力によって押圧するように構成されている。このため、このばね部材22は、そのばね力によって防水リング23を押圧した際の反発力によって、取付片22aを押し出す方向に付勢し、これによりピン部材21を時計モジュール6内からケース本体2の外部に向けて押し出すように構成されている。
また、このばね部材22は、図2に示すように、そのばね力に抗してピン部材21の外端部に設けられた取付片22aが、後述する裏蓋5の押込み部26によって外部から押圧された際に、ピン部材21がケース本体2内に押し込まれることにより、防水リング23と押込み部26との間で圧縮変形するように構成されている。
この場合、裏蓋5の押込み部26は、図2に示すように、裏蓋5の外周部に起立して形成され、裏蓋5がケース本体2の下面に取り付けられた際に、ケース本体2とベゼル3との間に挿入されて取付片22aの外端面に配置されるように構成されている。これにより、押込み部26は、取付片22aをケース本体2の外面に押し付けて、ピン部材21を腕時計ケース1内に押し込み、ケース本体2のピン挿入孔24を外部から塞ぐように構成されている。
すなわち、この押込み部26は、図2に示すように、ピン部材21の外端面に設けられた取付片22aを押圧しながらガイドする押圧ガイド部26aと、ピン部材21の外端面を押圧して押し込むピン押圧部26bとを有している。押圧ガイド部26aは、押込み部26の上端部からケース本体2の外周面に向けて傾斜する傾斜部に形成され、この傾斜部に沿ってピン部材21の取付片22aを徐々にケース本体2に向けて押し込むように構成されている。
また、ピン押圧部26bは、図2に示すように、押圧ガイド部26aの下部に設けられ、裏蓋5がケース本体2の下面に取り付けられた際に、取付片22aをケース本体2の外周面に押し付けるように構成されている。これにより、ピン押圧部26bは、ピン部材21をケース本体2の内部に押し込んだ状態で、取付片22aがケース本体2のピン挿入孔24を塞ぐように構成されている。
ところで、裏蓋5と時計モジュール6との間に配置された押え部材13は、図5(a)〜図5(c)に示すように、円板状に形成されている。この押え部材13の下面には、図2に示すように、裏蓋5の上面に当接して時計モジュール6を押し上げるための一対の押圧突起部27が、下側に突出して設けられている。すなわち、これら一対の押圧突起部27は、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所に設けられている。
これにより、一対の押圧突起部27は、図2に示すように、裏蓋5がケース本体2の下部に取り付けられた際に、この裏蓋5の上面に当接して押え部材13を押し上げるように構成されている。すなわち、一対の押圧突起部27は、押え部材13を押し上げることにより、第2緩衝部材12を介して時計モジュール6を押し上げて操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所の時計モジュール6を弾力的に押圧するように構成されている。
また、この押え部材13の下面には、図5(a)〜図5(c)に示すように、複数の補助突起部28が一対の押圧突起部27から離れた位置に設けられている。すなわち、これら複数の補助突起部28は、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所以外に位置する個所における押え部材13の下面にそれぞれ設けられている。
また、これら複数の補助突起部28は、図5(b)に示すように、押え部材13の下面から突出する長さが、一対の押圧突起部27の突出長さよりも短く形成されている。このため、複数の補助突起部28は、図2、図3および図5に示すように、ケース本体2の下部に取り付けられた裏蓋5の上面に一対の押圧突起部27が当接して押え部材13を押し上げて変形させた際に、裏蓋5の上面に当接するように構成されている。
これにより、複数の補助突起部28は、図3に示すように、裏蓋5の上面に当接した際に、押え部材13を補助的に押し上げるように構成されている。すなわち、複数の補助突起部28は、押え部材13を補助的に押し上げることにより、第2緩衝部材12を介して操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所以外に位置する個所の時計モジュール6を弾力的に押し上げるように構成されている。
次に、このような腕時計の作用について説明する。
この腕時計を組み立てる場合には、まず、腕時計ケース1の上部開口部に時計ガラス4をパッキン4aを介して取り付ける。この状態で、腕時計ケース1内に見切り部材11を下側から挿入して取り付けると共に、腕時計ケース1の貫通孔1a内に筒状部材16を外部から嵌め込んで取り付ける。
そして、腕時計ケース1内に時計モジュール6を組み込む。このときには、予め、時計モジュール6を中枠7内に嵌め込み、この中枠7の外周にゴムなどの第1緩衝部材8を取り付ける。また、時計モジュール6上に文字板10を配置すると共に、操作部材15の巻真17を時計モジュール6内に差し込み、この差し込んだ巻真17の先端部を時計ムーブメントに連結させる。
この状態で、時計モジュール6を腕時計ケース1内に下側から挿入しながら、巻真17の外端部を腕時計ケース1に設けられた筒状部材16内に腕時計ケース1の内部側から挿入させて配置する。これにより、図2に示すように、腕時計ケース1内に時計モジュール6が組み込まれる。
この後、操作部材15および支持部材20を組み付ける。このときには、まず、操作部材15の巻真連結部17aを腕時計ケース1の外部から筒状部材16に挿入させて、巻真17の外端部に取り付ける。この状態で、操作部材15の操作頭部18の操作軸18aを筒状部材16に挿入させて巻真連結部17aの外端部に連結させる。
これにより、図2に示すように、操作頭部18の頭部18bが腕時計ケース1の外部に突出した状態で、操作部材15が組み付けられる。この状態では、操作頭部18の頭部18bを引き出して回転操作すると、その回転が操作軸18aおよび巻真連結部17aによって巻真17に伝達され、この巻真17の回転に応じて時計ムーブメントが操作されて時刻修正などのスイッチ操作が行わる。
一方、支持部材20を組み付ける場合には、予め、ピン部材21に防水リング23を取り付けると共に、このピン部材21の外端側の外周面にばね部材22を配置してピン部材21の外端部に取付片22aを取り付ける。この状態で、ピン部材21を腕時計ケース1および時計モジュール6に組み付ける。
このときには、ピン部材21を腕時計ケース1の外部からケース本体2のピン挿入孔24内に挿入させて、ピン挿入孔24の大径孔部内に防水リング23およびばね部材22を配置させると共に、ピン部材21の内端部をピン挿入孔24の小径孔部から時計モジュール6の小径孔25内に挿入させる。これにより、ピン部材21がケース本体2と時計モジュール6との両方に跨った状態で配置される。
そして、時計モジュール6の下面に第2緩衝部材12を介して押え部材13を配置し、この状態で裏蓋5をケース本体2の下部に取り付ける。このときには、押え部材13の下面に設けられた一対の押圧突起部27を操作部材15の巻真17および支持部材20のピン部材21に対応させ、この状態で押え部材13を第2緩衝部材12の下面に配置する。
また、裏蓋5をケース本体2に取り付ける際には、裏蓋5の押込み部26を支持部材20のピン部材21の外端部に対応させて、ケース本体2の下側からケース本体2とベゼル3との間に挿入させる。すると、押込み部26の上端部に設けられた押圧ガイド部26aがピン部材21の取付片22aに当接する。この状態で、裏蓋5がケース本体2の下面に向けて押し上げられると、これに伴って押圧ガイド部26aが上方に移動する。
このため、押圧ガイド部26aの傾斜部に沿ってピン部材21の取付片22aが徐々にケース本体2の内部側に向けて押される。このときには、防水リング23がケース本体2のピン挿入孔24の小径孔部の段差部に当接した状態で、ピン部材21がケース本体2の内部に向けて押し込まれることにより、ばね部材22がケース本体2のピン挿入孔24の大径孔部内において徐々に圧縮される。
そして、押込み部26が更に押上げられて、ピン部材21の取付片22aが押圧ガイド部26aを乗り越えると、ピン押圧部26bがピン部材21の取付片22aに当接する。このときには、ピン押圧部26bによってピン部材21がばね部材22のばね力に抗して最も押し込まれて、ピン部材21の内端部が時計モジュール6の小径孔25内に最も押し込まれる。
この状態では、ばね部材22が最も圧縮された状態で、ピン部材21がケース本体2と時計モジュール6との両方に跨って配置される。これにより、時計モジュール6は、操作部材15の巻真17と支持部材20のピン部材21との各軸線が一致する直線を中心として、上下方向に回転動作可能な状態、つまり直線を中心に上下方向に揺動動作可能な状態で保持される。
そして、裏蓋5をケース本体2の下部にビスなどによって取り付けると、裏蓋5が押さえ部材13を押し上げ、この押え部材13がゴムシートなどの第2緩衝部材12を介して時計モジュール6を弾力的に押し上げる。これにより、時計モジュール6がケース本体2内に弾力的に保持される。このときには、押え部材13の下面に設けられた一対の押圧突起部27が裏蓋5の上面に押し当てられて押え部材13を押し上げる。
このため、一対の押圧突起部27に対応する箇所の押え部材13が第2緩衝部材12を介して時計モジュール6を押し上げるので、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所の時計モジュール6が弾力的に強く押し上げられる。これにより、時計モジュール6が操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所の時計モジュール6がケース本体2内に弾力的に保持される。
また、一対の押圧突起部27が裏蓋5の上面に当接して、押え部材13を押し上げて変形させた際には、押え部材13の下面に設けられた複数の補助突起部28が、裏蓋5の上面に当接して、押え部材13を補助的に押し上げる。これにより、第2緩衝部材12を介して操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所以外の個所の時計モジュール6が弾力的に押し上げられる。これにより、時計モジュール6全体がケース本体2内にガタツクことなく弾力的に保持される。
ところで、時計モジュール6を腕時計ケース1内から取り外す場合には、裏蓋5を腕時計ケース1の下部から取り外すことにより、時計モジュール6を腕時計ケース1内から取り外すことができる。すなわち、裏蓋5を腕時計ケース1の下部から取り外すと、腕時計ケース1の下部側が開放され、この開放された個所から押え部材13および第2緩衝部材12を取り出すことができる。
また、裏蓋5を腕時計ケース1の下部から取り外した際には、裏蓋5の押込み部26が腕時計ケース1のケース本体2の外周面から離脱する。このため、ピン部材21がばね部材22のばね力によって時計モジュール6の小径孔25内から引き出される。すなわち、ばね部材22は、裏蓋5が腕時計ケース1に取り付けられているときに、裏蓋5の押込み部26によって押されて圧縮されている。
このため、ばね部材22は、裏蓋5が腕時計ケース1から取り外されて、押込み部26がケース本体2の外周面から離脱すると、圧縮されたばね力、つまり圧縮による反発力によってピン部材21を時計モジュール6の小径孔25内から引き出す。これにより、ピン部材21が邪魔にならず、時計モジュール6を腕時計ケース1内から容易に取り出すことができる。
このように、この腕時計によれば、腕時計ケース1と、この腕時計ケース1内に配置された時計モジュール6と、腕時計ケース1にその内部から外部に突出して設けられて時計モジュール6を操作する操作部材15と、この操作部材15の軸方向に沿う延長線上に位置し、時計モジュール6を腕時計ケース1に対して回転可能な状態で操作部材15と共に支持する支持部材20と、を備えていることにより、操作部材15の操作性を損なわずに、衝撃を良好に緩衝して耐衝撃性を向上させることができる。
すなわち、この腕時計では、操作部材15と支持部材20との各軸線を一致させることができるので、腕時計ケース1が衝撃を受けた際に、操作部材15と支持部材20との各軸線が一致する直線を中心として、時計モジュール6を腕時計ケース1に対して上下方向に回転させることができ、これにより衝撃を効率良く緩衝することができる。このため、操作部材15の操作性を損なわずに、衝撃を良好に緩衝して耐衝撃性を向上させることができる。
この場合、支持部材20は、一端部である外端部が腕時計ケース1に配置され、他端部である内端部が時計モジュール6内に挿入されたピン部材21を備えていることにより、ピン部材21を操作部材15の軸方向に沿う延長線上に位置させた状態で、腕時計ケース1と時計モジュール6との両方に跨って配置することができる。このため、簡単な構造で、時計モジュール6を腕時計ケース1に対して効率良く確実に支持することができる。
すなわち、ピン部材21が腕時計ケース1と時計モジュール6との両方に跨って配置されていることにより、時計モジュール6を腕時計ケース1の上下方向に対して確実に位置規制することができると共に、時計モジュール6を腕時計ケース1の円周方向に対しても確実に位置規制することができる。
また、ピン部材21は、腕時計ケース1および時計モジュール6に対して、その内外方向にスライド可能に設けられていることにより、時計モジュール6を腕時計ケース1内に組み込んだ状態で、ピン部材21を腕時計ケース1のピン挿入孔24に腕時計ケース1の外部から挿入させて時計モジュール6の小径孔25に挿入させることができる。これにより、ピン部材21の外端部を腕時計ケース1のピン挿入孔24に配置し、ピン部材21の内端部を時計モジュール6の小径孔25に挿入することができる。
このため、ピン部材21を簡単にかつ容易に腕時計ケース1と時計モジュール6との両方に跨って配置することができる共に、このピン部材21を腕時計ケース1の外部に引き抜くだけで、容易にピン部材21を取り外すことができるので、腕時計ケース1に対する時計モジュール6の取付作業および分解作業が簡単で容易にできる。
この場合、ピン部材21の外周には、防水リング23がスライド可能な状態で圧接して取り付けられていると共に、この防水リング23が腕時計ケース1のピン挿入孔24の大径孔部内に配置されてその内周面に弾接する構成であるから、ピン部材21が腕時計ケース1のピン挿入孔24内にスライド可能に取り付けられていても、腕時計ケース1の防水性を確保することができる。
また、この腕時計の支持部材20によれば、ピン部材21を時計モジュール6内から腕時計ケース1の外部に向けて引き出す方向に付勢するばね部材22を備えているので、時計モジュール6を腕時計ケース1内に組み込む際、または腕時計ケース1内から取り出す際に、ばね部材22のばね力によってピン部材21を時計モジュール6内から腕時計ケース1の外部に向けて引き出すことができる。このため、ピン部材21が邪魔にならずに、時計モジュール6を腕時計ケース1に対して容易にかつ良好に着脱することができる。
また、ピン部材21を取り付ける際には、ピン部材21を腕時計ケース1の外部から腕時計ケース1のピン挿入孔24に挿入させてばね部材22をピン挿入孔24の大径孔部に配置させた状態で、ばね部材22のばね力に抗してピン部材21を時計モジュール6内に押し込むだけで、簡単にかつ容易にピン部材21を腕時計ケース1と時計モジュール6との両方に跨って配置することができる。
さらに、支持部材20は、腕時計ケース1の裏面に取り付けられた裏蓋5に、ピン部材21を腕時計ケース1の内部に向けて押し込む押込み部26が設けられていることにより、裏蓋5を腕時計ケース1の下部に配置した際に、裏蓋5の押込み部26がピン部材21を腕時計ケース1の内部に向けて押し込むことができる。これにより、ピン部材21を腕時計ケース1と時計モジュール6との両方に跨った状態で、操作部材15の軸方向に沿う延長線上に簡単にかつ容易に取り付けることができるので、ピン部材21の取付作業を向上させることができる。
この場合、裏蓋5の押込み部26は、ピン部材21の外端面を押圧しながらガイドする押圧ガイド部26aと、ピン部材21の外端面を押圧して押し込むピン押圧部26bとを有しているので、裏蓋5をケース本体2に取り付ける際に、押圧ガイド部26aによってピン部材21の取付片22aを徐々にケース本体2の内部に向けて押し込むことができると共に、ピン押圧部26bによってピン部材21の取付片22aをケース本体2の外周面に確実に押し付けて、ケース本体2のピン挿入孔24を良好に塞ぐことができる。
また、腕時計ケース1の裏面に取り付けられた裏蓋5と腕時計ケース1内の時計モジュール6との間に配置され、時計モジュール6を押し上げる押え部材13を備えているので、裏蓋5をケース本体2に取り付けると、この裏蓋5によって押え部材13を押し上げることができ、これにより押し上げられた押え部材13によって時計モジュール6を腕時計ケース1内に良好に押えることができる。
この場合、押え部材13と時計モジュール6との間には、ゴムシートなどからなる第2緩衝部材12が配置されているので、裏蓋5によって押え部材13が押し上げられた際に、この押え部材13が第2緩衝部材12を時計モジュール6に弾力的に押し付けることができ、これにより時計モジュール6を腕時計ケース1内に弾力的に押えることができる。
また、この押え部材13の裏面には、時計モジュール6を操作部材15とピン部材21とに対応する個所の時計モジュール6を押し付ける一対の押圧突起部27が設けられていることにより、裏蓋5がケース本体2に取り付けられると、この裏蓋5の上面に一対の押圧突起部27が当接して押え部材13を確実に押し上げることができるので、時計モジュール6を良好に押えることができる。
すなわち、この押え部材13は、裏蓋5がケース本体2に取り付けられた際に、一対の押圧突起部27が裏蓋5の上面に当接して押え部材13を押し上げるので、この押し上げられた押え部材13によって第2緩衝部材12を介して時計モジュール6を押し上げることができ、これにより操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所の時計モジュール6を確実に押えることができる。
このため、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所の時計モジュール6を腕時計ケース1内に良好に押えることができるので、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21の各軸線の一致する直線を中心に、時計モジュール6を腕時計ケース本体2内において上下方向に揺動回転させ易くすることができる。
また、押え部材13の下面には、複数の補助突起部28が、操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所以外の個所に設けられていることにより、一対の押圧突起部27が裏蓋5の上面に当接して押え部材13を押し上げて変形させた際に、複数の補助突起部28を裏蓋5の上面に当接させて、押え部材13を補助的に押し上げることができる。
これにより、押え部材13は、第2緩衝部材12を介して操作部材18の巻真17および支持部材20のピン部材21にそれぞれ対応する個所以外の個所の時計モジュール6を弾力的に押し上げることができるので、腕時計ケース1に対する時計モジュール6全体の上下方向への変動を良好に抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、ピン部材21を腕時計ケース1の外部に向けて付勢する付勢部材として、コイルばねなどのばね部材を用いた場合について述べたが、必ずしもコイルばねなどのばね部材を用いる必要はなく、例えば板ばねなどのばね部材を用いても良く、またゴムなどの弾性部材を用いても良い。
また、上述した実施形態では、支持部材20のピン部材21が腕時計ケース1のピン挿入孔24および時計モジュール6の小径孔25にスライド可能に設けられている場合について述べたが、これに限らず、例えば腕時計ケース1のピン挿入孔24を通して時計モジュール6の小径孔25に螺着するねじ部材を用いても良い。このようなねじ部材を用いれば、より一層、構造の簡素化を図ることができる。
さらに、上述した実施形態では、指針式の腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも指針式の腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、必ずしも時計に限らず、モジュールを操作するスイッチ部材などの操作部材を備えた携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器に広く適用することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、ケースと、このケース内に配置されたモジュールと、前記ケースにその内部から外部に突出して設けられ、前記モジュールを操作する操作部材と、前記操作部材の軸方向に沿う延長線上に位置し、前記モジュールを前記ケースに対して回転可能な状態で支持する支持部材と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、前記支持部材は、一端部が前記ケースに配置され、他端部が前記モジュール内に挿入されたピン部材を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、前記ピン部材は、前記ケースおよび前記モジュールに対して、その内外方向にスライド可能に設けられていることを特徴とする電子機器である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器において、前記支持部材は、前記モジュール内から前記ケースの外部に向けて引き出す方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、前記ケースの裏面に取り付けられた裏蓋を有し、前記裏蓋は、前記支持部材を前記モジュールの内部に押し込まれていない状態から前記モジュールの内部に向けて押し込む押込み部を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器において、前記ケースの裏面に取り付けられた裏蓋と前記ケース内の前記モジュールとの間に配置され、前記モジュールを押えるための押え部材を備え、前記押え部材には、前記操作部材と前記支持部材とに対応する個所の前記モジュールを押圧する押圧突起部が設けられていることを特徴とする電子機器である。
請求項7に記載の発明は、腕時計ケースと、この腕時計ケース内に配置された時計モジュールと、前記腕時計ケースにその内部から外部に突出して設けられ、前記時計モジュールを操作する操作部材と、前記操作部材の軸方向に沿う延長線上に位置し、前記時計モジュールを前記腕時計ケースに対して回転可能な状態で支持する支持部材と、を備えていることを特徴とする腕時計である。
1 腕時計ケース
2 ケース本体
3 ベゼル
5 裏蓋
6 時計モジュール
12 第2緩衝部材
13 押え部材
15 操作部材
16 筒状部材
17 巻真
18 操作頭部
20 支持部材
21 ピン部材
22 ばね部材
23 防水リング
24 ピン挿入孔
25 小径孔
26 押込み部
27 一対の押圧突起部
28 補助突起部

Claims (9)

  1. ケースと、
    このケース内に配置されたモジュールと、
    前記ケースにその内部から外部に突出して設けられ、前記モジュールを操作する操作部材と、
    前記操作部材の軸方向に沿う延長線上に位置し、前記モジュールを前記ケースに対して前記操作部材の軸線と一致した直線を中心にして回転可能な状態で支持する支持部材と、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、前記支持部材は、一端部が前記ケースに配置され、他端部が前記モジュール内に挿入されたピン部材を備えていることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器において、前記ピン部材は、前記ケースおよび前記モジュールに対して、その内外方向にスライド可能に設けられていることを特徴とする電子機器。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子機器において、前記支持部材は、前記モジュール内から前記ケースの外部に向けて引き出す方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、前記ケースの裏面に取り付けられた裏蓋を有し、
    前記裏蓋は、前記支持部材を前記モジュールの内部に押し込まれていない状態から前記モジュールの内部に向けて押し込む押込み部を備えていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電子機器において、前記ケースの裏面に取り付けられた裏蓋と前記ケース内の前記モジュールとの間に配置され、前記モジュールを押えるための押え部材を備え、
    前記押え部材には、前記操作部材と前記支持部材とに対応する個所の前記モジュールを押圧する押圧突起部が設けられていることを特徴とする電子機器。
  7. 腕時計ケースと、
    この腕時計ケース内に配置された時計モジュールと、
    前記腕時計ケースにその内部から外部に突出して設けられ、前記時計モジュールを操作する操作部材と、
    前記操作部材の軸方向に沿う延長線上に位置し、前記時計モジュールを前記腕時計ケースに対して前記操作部材の軸線と一致した直線を中心にして回転可能な状態で支持する支持部材と、
    を備えていることを特徴とする腕時計。
  8. ケースの内部から外部に突出して設けられ、前記ケース内に配置されたモジュールを操作する操作部材と、
    前記モジュールを前記ケースに対して前記操作部材の軸線と一致した直線を中心にして回転可能な状態で支持する支持部材と、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
  9. ケースの内部から外部に突出して設けられ、前記ケース内に配置されたモジュールを操作する操作部材を備え、
    前記モジュールが前記ケースに対して前記操作部材の軸線と一致した直線を中心にして回転可能な状態で支持されていることを特徴とする電子機器。
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