JP6274291B1 - 油圧作動式変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両発進用摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機において、該摩擦締結要素への潤滑油の供給量を、簡単な構成で調整できるようにする。【解決手段】上記変速機が、締結油圧室21への作動油の圧力を調整する調圧手段(調圧ソレノイド弁41)と、上記摩擦締結要素に潤滑油を供給する潤滑油供給回路33に配設された潤滑制御弁61とを備え、潤滑制御弁61は、車両の発進時に上記摩擦締結要素を締結させる際において、高圧力と上記調圧手段により調整された調整圧力との差圧に応じて作動するとともに、上記調整圧力が、完全締結状態となる第1所定圧力以上でかつ上記高圧力未満の値に設定された第2所定圧力よりも低いときには、潤滑油供給回路33により上記摩擦締結要素へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときに比べて多くなるように作動する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される油圧作動式変速機に関する技術分野に属する。
従来より、車両の発進時に、締結油圧室への作動油の供給により、解放状態からスリップ状態を経由して完全締結状態になる発進クラッチを備えた油圧作動式変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発進クラッチの冷却及び潤滑のために、発進クラッチに潤滑油が供給されるが、発進クラッチへの潤滑油の供給量を調整しない構成では、信頼性の確保の観点から、発進クラッチが最も厳しい条件下にあるとき(例えば発進クラッチがスリップ状態にあるとき)に対応した潤滑油供給量が常に発進クラッチに供給されることになる。この場合、多くの潤滑油供給量を必要としないとき(例えば発進クラッチが完全締結状態にあるとき)には、発進クラッチの回転部材による潤滑油の攪拌ロスが増大して燃費の悪化を招いてしまう。
そこで、上記特許文献1では、減圧弁の制御により、ギヤ同士の噛み合い部分や回転軸を保持する軸受等といった被潤滑部への潤滑油の供給量を調整するとともに、被潤滑部に供給されない余剰分の潤滑油を、発進クラッチの冷却及び潤滑に用いるようにしている。そして、オイルポンプの吐出量の制御により、発進クラッチへの潤滑油の供給量を調整するようにしている。
特開2003−166558号公報
しかし、上記特許文献1の構成では、発進クラッチへの潤滑油の供給量の調整のために、減圧弁の制御とオイルポンプの吐出量の制御との両方が必要であり、構成及び制御が複雑になるという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発進クラッチのような車両発進用摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機において、該車両発進用摩擦締結要素への潤滑油の供給量を、簡単な構成で調整できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、車両に搭載される油圧作動式変速機を対象として、上記車両の発進時に、締結油圧室への作動油の供給により締結される車両発進用摩擦締結要素と、上記車両発進用摩擦締結要素の締結油圧室に供給される作動油の圧力を調整する調圧手段と、上記車両発進用摩擦締結要素に潤滑油を供給する潤滑油供給回路に配設された潤滑制御弁とを備え、上記車両発進用摩擦締結要素は、上記作動油の圧力が第1所定圧力以上であるときに、完全締結状態となるよう構成され、上記調圧手段は、上記車両の発進時に上記車両発進用摩擦締結要素を締結させる際、上記作動油の圧力を、上記第1所定圧力よりも低い低圧力から該第1所定圧力にまで徐々に上昇させた後に、該第1所定圧力よりも高い高圧力に上昇させるよう構成され、上記潤滑制御弁は、上記車両の発進時に上記車両発進用摩擦締結要素を締結させる際において、上記高圧力と上記調圧手段により調整された調整圧力との差圧に応じて作動するとともに、上記調整圧力が、上記第1所定圧力以上でかつ上記高圧力未満の値に設定された第2所定圧力よりも低いときには、上記潤滑油供給回路により上記車両発進用摩擦締結要素へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときに比べて多くなるように作動するよう構成されている、という構成とした。
上記の構成により、潤滑制御弁は、調圧手段により調整された調整圧力が第2所定圧力よりも低いとき(つまり、車両発進用摩擦締結要素が基本的にスリップ状態にあるとき)には、潤滑油供給回路により車両発進用摩擦締結要素へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるとき(つまり、車両発進用摩擦締結要素が完全締結状態にあるとき)に比べて多くなるように作動する。これにより、車両発進用摩擦締結要素がスリップ状態にあるときには、該車両発進用摩擦締結要素において冷却及び潤滑に必要とされる十分な量の潤滑油を該車両発進用摩擦締結要素に供給することができる。一方、車両発進用摩擦締結要素が完全締結状態になった以降は、潤滑制御弁が、上記調整圧力の上昇に伴って、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油の流量を自動的に少なくする。この結果、車両発進用摩擦締結要素の回転部材による潤滑油の攪拌ロスを低減して、燃費の悪化を防止することができる。このように、潤滑制御弁が、調圧手段による調整圧力を利用して、適切なタイミングで車両発進用摩擦締結要素に供給される潤滑油の流量を自動的に切り換えるので、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油の供給量を、簡単な構成で調整することができる。
上記油圧作動式変速機において、上記潤滑油供給回路は、互いに並列に接続されかつオリフィス径が互いに異なる大径オリフィス及び小径オリフィスがそれぞれ設けられた大径オリフィス配設油路及び小径オリフィス配設油路を有し、上記潤滑制御弁は、上記大径オリフィス配設油路に配設されていて、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、上記大径オリフィス配設油路を連通状態にする一方、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときには、上記大径オリフィス配設油路を遮断状態にするよう構成されている、ことが好ましい。
このことにより、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときには、上記大径オリフィス配設油路が遮断状態にあるので、潤滑油は小径オリフィス配設油路のみを通って車両発進用摩擦締結要素へと流れる。これにより、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油供給量は少量となる。一方、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、上記大径オリフィス配設油路が連通状態になるので、潤滑油は大径オリフィス配設油路及び小径オリフィス配設油路の両方を通って車両発進用摩擦締結要素へと流れる。これにより、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油供給量は多くなる。よって、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油の供給量の調整を、具体的にかつ簡単に実現することができる。
上記油圧作動式変速機において、上記車両発進用摩擦締結要素は、ブレーキで構成されている、ことが好ましい。
このことで、車両発進用摩擦締結要素がクラッチで構成されている場合よりも、車両発進用摩擦締結要素に対して多くの量の潤滑油を供給し易くなる。すなわち、車両発進用摩擦締結要素がクラッチで構成されている場合には、変速機の軸方向に延びる入力軸、該入力軸の周囲に設けられた回転部材等を経由して、潤滑油を車両発進用摩擦締結要素に供給する必要があるので、油路の断面積には制約が生じる。これに対し、車両発進用摩擦締結要素がブレーキで構成されている場合には、変速機ケースの壁部から車両発進用摩擦締結要素(ブレーキ)に潤滑油を直接供給することができるので、油路の径を比較的大きくすることができる。この結果、車両発進用摩擦締結要素がスリップ状態にあるときに、十分な量の潤滑油を車両発進用摩擦締結要素に供給し易くなる。また、ブレーキは、クラッチとは異なり、車両発進用摩擦締結要素の締結油圧室に供給された作動油の遠心油圧を考慮する必要がないので、遠心バランス室を設けて該遠心油圧を相殺するような構成が不要になる。
以上説明したように、本発明の油圧作動式変速機によると、潤滑制御弁が、調圧手段による調整圧力を利用して、適切なタイミングで車両発進用摩擦締結要素に供給される潤滑油の流量を自動的に切り換えるので、車両発進用摩擦締結要素への潤滑油の供給量を、簡単な構成で調整することができる。
本発明の実施形態に係る油圧作動式変速機の骨子図である。 上記油圧作動式変速機の各変速段時における摩擦締結要素の締結状態を示す締結表である。 上記油圧作動式変速機の油圧制御回路の一部を示す回路図である。 潤滑制御弁の第1制御ポートにライン圧の作動油が供給され、かつ、潤滑制御弁の第2制御ポートに、調圧ソレノイド弁による調整圧力(第2所定圧力よりも低い圧力)の作動油が供給されている状態を示す図3相当図である。 潤滑制御弁の第1制御ポートにライン圧の作動油が供給され、かつ、潤滑制御弁の第2制御ポートに、調圧ソレノイド弁による調整圧力(第2所定圧力以上の圧力)の作動油が供給されている状態を示す図3相当図である。 第1及び第2制御ポートに作動油が供給されていない状態を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る油圧作動式変速機1(以下、変速機1という)を示す。この変速機1は、車両に搭載される自動変速機であって、前進8段及び後退1段を達成するものである。変速機1は、筒状の変速機ケース11と、該変速機ケース11内に配設され、不図示の駆動源(エンジン、モータ等)からの動力が入力される変速機構10とを有している。
変速機構10は、変速機1の入力部に相当する入力軸12と、変速機1の出力部に相当する出力ギヤ13とを有している。入力軸12は、上記駆動源の出力軸に直接接続される。すなわち、本実施形態では、上記駆動源の出力軸と変速機1の入力軸12との間にトルクコンバータは設けられていない。また、本実施形態では、上記駆動源及び変速機1は、該駆動源の出力軸及び入力軸12が上記車両の車幅方向に延びるように、互いに結合された状態で上記車両に搭載される。出力ギヤ13は、変速機ケース11内における反駆動源側(図1の右側)の部分に配設されている。出力ギヤ13に伝達された上記動力は、入力軸12と平行に延びるカウンタ軸上に配設された入力ギヤ及び出力ギヤを介して、デファレンシャル機構の入力ギヤに伝達される。
また、変速機構10は、入力軸12の軸方向(変速機1の軸方向でもある)に並ぶ、第1プラネタリギヤセットPG1(以下、第1ギヤセットPG1という)、第2プラネタリギヤセットPG2(以下、第2ギヤセットPG2という)、第3プラネタリギヤセットPG3(以下、第3ギヤセットPG3という)、及び、第4プラネタリギヤセットPG4(以下、第4ギヤセットPG4という)を有している。これら第1ギヤセットPG1、第2ギヤセットPG2、第3ギヤセットPG3及び第4ギヤセットPG4は、入力軸12と出力ギヤ13との間において、駆動源側からこの順に並んでいて、入力軸12から出力ギヤ13への複数の動力伝達経路を形成する。入力軸12、出力ギヤ13及び第1〜第4ギヤセットPG1〜PG4は、同一軸線上に配置されている。
さらに、変速機構10は、第1〜第4ギヤセットPG1〜PG4により形成される上記複数の動力伝達経路の中から1つを選択して動力伝達経路を切り換えるための5つの摩擦締結要素(第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1及び第2ブレーキBR2)を有している。
第1ギヤセットPG1は、回転要素として、第1サンギヤS1、第1リングギヤR1及び第1キャリヤC1を有する。第1ギヤセットPG1は、シングルピニオン型であって、第1キャリヤC1に支持されかつ第1ギヤセットPG1の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のピニオンP1が第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1の両方に噛み合わされている。
第2ギヤセットPG2は、回転要素として、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2及び第2キャリヤC2を有する。第2ギヤセットPG2も、シングルピニオン型であって、第2キャリヤC2に支持されかつ第2ギヤセットPG2の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のピニオンP2が第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2の両方に噛み合わされている。
第3ギヤセットPG3は、回転要素として、第3サンギヤS3、第3リングギヤR3及び第3キャリヤC3を有する。第3ギヤセットPG3も、シングルピニオン型であって、第3キャリヤC3に支持されかつ第3ギヤセットPG3の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のピニオンP3が第3サンギヤS3及び第3リングギヤR3の両方に噛み合わされている。
第4ギヤセットPG4は、回転要素として、第4サンギヤS4、第4リングギヤR4及び第4キャリヤC4を有する。第4ギヤセットPG4も、シングルピニオン型であって、第4キャリヤC4に支持されかつ第4ギヤセットPG4の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のピニオンP4が第4サンギヤS4及び第4リングギヤR4の両方に噛み合わされている。
第1サンギヤS1と第4サンギヤS4とが常時連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが常時連結され、第2キャリヤC2と第4キャリヤC4とが常時連結され、第3キャリヤC3と第4リングギヤR4とが常時連結されている。入力軸12は、第1キャリヤC1と常時連結され、出力ギヤ13は、第2キャリヤC2及び第4キャリヤC4と常時連結されている。
第1クラッチCL1は、入力軸12及び第1キャリヤC1と第3サンギヤS3との間を断接するよう構成されている。第1クラッチCL1は、変速機ケース11内における駆動源側の端部でかつ変速機ケース11の周壁11aの近傍に配置されている。
第2クラッチCL2は、第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第3サンギヤS3との間を断接するよう構成されている。第2クラッチCL1は、第1リングギヤR1の径方向外側でかつ変速機ケース11の周壁11aの近傍に配置されている。
第3クラッチCL3は、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3との間を断接するよう構成されている。第3クラッチCL3は、第2リングギヤR2の径方向外側でかつ変速機ケース11の周壁11aの近傍に配置されている。
第1ブレーキBR1は、第1サンギヤS1及び第4サンギヤS4と変速機ケース11との間を断接するよう構成されている。第1ブレーキBR1は、変速機ケース11内における反駆動源側の端部でかつ変速機ケース11の周壁11aの近傍に配置されている。
第2ブレーキBR2は、第3リングギヤR3と変速機ケース11との間を断接するよう構成されている。第2ブレーキBR2は、第3リングギヤR3の径方向外側でかつ変速機ケース11の周壁11aの近傍に配置されている。
上記各摩擦締結要素は、該各摩擦締結要素の締結油圧室への作動油の供給により締結される。図2の締結表に示すように、5つの摩擦締結要素から3つの摩擦締結要素を選択的に締結することにより、前進の1速〜8速及び後退速が形成される。尚、図2の締結表では、○印が、摩擦締結要素が締結していることを示し、空欄が、摩擦締結要素が締結を解除(解放)していることを示す。
具体的には、第1クラッチCL1、第1ブレーキBR1及び第2ブレーキBR2の締結により、1速が形成される。第2クラッチCL2、第1ブレーキBR1及び第2ブレーキBR2の締結により、2速が形成される。第1クラッチCL1、第2クラッチCL2及び第2ブレーキBR2の締結により、3速が形成される。第2クラッチCL2、第3クラッチCL3及び第2ブレーキBR2の締結により、4速が形成される。第1クラッチCL1、第3クラッチCL3及び第2ブレーキBR2の締結により、5速が形成される。第1クラッチCL1、第2クラッチCL2及び第3クラッチCL3の締結により、6速が形成される。第1クラッチCL1、第3クラッチCL3及び第1ブレーキBR1の締結により、7速が形成される。第2クラッチCL2、第3クラッチCL3及び第1ブレーキBR1の締結により、8速が形成される。第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1及び第2ブレーキBR2の締結により、後退速が形成される。6速では、入力軸12の回転速度と出力ギヤ13の回転速度が同じになる。
本実施形態では、第2ブレーキBR2が、車両発進用摩擦締結要素に相当する。すなわち、車両の発進時には、第1クラッチCL1及び第1ブレーキBR1が締結された後に、第2ブレーキBR2の締結油圧室21(図3参照)への作動油の供給により、第2ブレーキBR2を、解放状態からスリップ状態を経由して完全締結状態にする。
図3は、変速機1の油圧制御回路の一部を示す。この油圧制御回路31は、第2ブレーキBR2(締結油圧室21及び後述の解放油圧室22)に作動油を供給する作動油供給回路32と、第2ブレーキBR2に潤滑油を供給する潤滑油供給回路33とを有している。上記作動油及び上記潤滑油は、不図示のオイルポンプから吐出されたオイルである。尚、第2ブレーキBR2以外の摩擦締結要素への作動油供給回路及び潤滑油供給回路の記載は省略する。
図3に簡略化して示すように、第2ブレーキBR2は、変速機1の軸方向に並んで配設された複数の摩擦板23と、ピストン24と、該ピストン24を挟んで両側にそれぞれ設けられた締結油圧室21及び解放油圧室22とを有している。複数の摩擦板23のうち1つおきに配置された摩擦板23aは、変速機ケース11に連結され、残りの摩擦板23bは第3リングギヤR3に連結されている。第2ブレーキBR2がスリップ状態にあるとき、摩擦板23aと摩擦板23bとが互いに摺動する。ピストン24は、第2ブレーキBR2を締結する際に、締結油圧室21への作動油の供給により、摩擦板23a及び摩擦板23bを互いに係合するように変速機1の軸方向に押圧する。
本実施形態では、第2ブレーキBR2の締結(摩擦板23aと摩擦板23bとの係合)を早くするために、第2ブレーキBR2は、摩擦板23aと摩擦板23bとを互いに接触する程度の付勢力でもって付勢するスプリング25を更に有している。このスプリング25の付勢力のみでは、摩擦板23aと摩擦板23bとを、動力の伝達が可能になるように係合することはできない。そして、締結油圧室21に作動油が供給されることにより、摩擦板23aと摩擦板23bとが互いに係合されて、第2ブレーキBR2が締結状態になる。この締結油圧室21に供給される作動油の圧力が第1所定圧力以上であれば、第2ブレーキBR2が完全締結状態になる。上記第1所定圧力は、ライン圧よりも低い圧力に設定される。一方、締結油圧室21から作動油がドレンされかつ解放油圧室22に作動油(ライン圧)が供給されると、第2ブレーキBR2が解放状態になる。
作動油供給回路32は、第2ブレーキBR2の締結油圧室21に供給される作動油の圧力を調整する調圧手段としての調圧ソレノイド弁41を有している。この調圧ソレノイド弁41は、リニアソレノイド弁で構成されている。
調圧ソレノイド弁41の入力ポート41aには、上記オイルポンプからのライン圧の作動油が入力され、ライン圧から減圧された圧力(0を含む)又はそのままライン圧の作動油が出力ポートから出力される。調圧ソレノイド弁41での上記減圧時における余剰分の作動油は、ドレンポート41cからドレンされる。調圧ソレノイド弁41の出力ポート41bから出力された作動油が、締結油圧室21に供給されることになる。この出力ポート41bから出力された作動油の圧力(調圧ソレノイド弁41により調整された調整圧力)は、0からライン圧までの範囲内で変化する。また、出力ポート41aから出力された作動油は、後述の潤滑制御弁61の第2制御ポート63にも供給される。尚、ライン圧は、上記オイルポンプによる吐出圧をレギュレータバルブ(図示せず)により調整した後の圧力であって、変速機1で必要とされる全ての作動油及び潤滑油の元圧となるものである。
調圧ソレノイド弁41は、第2ブレーキBR2の締結油圧室21への作動油の供給及び非供給を切り換えるとともに、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際には、締結油圧室21への作動油の圧力(上記調整圧力)を、上記第1所定圧力よりも低い低圧力から該第1所定圧力にまで徐々に上昇させた後に、該第1所定圧力よりも高い高圧力に上昇させるよう構成されている。本実施形態では、上記低圧力は0であり、上記高圧力はライン圧である。調圧ソレノイド弁41は、締結油圧室21に作動油を供給しないときには、上記調整圧力を0にする。このとき、締結油圧室21の作動油はドレンされる。また、調圧ソレノイド弁41は、上記発進時以外で第2ブレーキBR2を締結させる際には、上記調整圧力を0から一気にライン圧にする。
尚、本実施形態では、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記第1所定圧力からライン圧への上昇は一気に行われるが、上記第1所定圧力への上昇に続けて徐々に行われるようにしてもよい。また、上記調整圧力を0から上記低圧力(ここでは、0よりも高い圧力であって0に近い値)まで一気に上昇させた後に、該低圧力から上記第1所定圧力にまで徐々に上昇させるようにしてもよい。
作動油供給回路32は、第2ブレーキBR2の解放油圧室22への作動油の供給及び非供給を切り換える切換弁43を更に有している。この切換弁43は、ON/OFFソレノイド弁55の作動に応じて作動して、解放油圧室22への作動油の供給及び非供給を切り換える。
具体的に、ON/OFFソレノイド弁55の入力ポート55aには、ライン圧の作動油が入力され、ON/OFFソレノイド弁55がONされると、ライン圧の作動油がそのまま出力ポート55bから出力される。一方、ON/OFFソレノイド弁55がOFFされると、作動油の流通が遮断されて、出力ポート55bから作動油が出力されない。第2ブレーキBR2を締結する変速段(1速乃至5速及び後退速)では、ON/OFFソレノイド弁55がOFFされ、第2ブレーキBR2を解放する変速段(6速乃至8速)では、ON/OFFソレノイド弁55がONされる。
切換弁43は、スリーブ44内に収容されたスプール45を有している。このスプール45は、スリーブ44の一側の端壁部44a(図3の左側の端壁部)に当接する第1位置と、スリーブ44の他側の端壁部44b(図3の右側の端壁部)に当接する第2位置との間で、スプール45の軸方向に移動可能となっている。スリーブ44内における上記第2位置側の端部には、スプール45を上記第1位置側へと付勢する圧縮コイルスプリング46が設けられている。
スリーブ44における上記第1位置側の端部には、ON/OFFソレノイド弁55の出力ポート55bと接続された制御ポート47が設けられている。ON/OFFソレノイド弁55がOFFされているときには、制御ポート47にライン圧の作動油が供給されず、これにより、スプール45は、圧縮コイルスプリング46の付勢力により、上記第1位置に位置する。一方、ON/OFFソレノイド弁55がONされているときには、制御ポート47にライン圧の作動油が供給されることで、スプール45は、圧縮コイルスプリング46の付勢力に抗して、上記第2位置に位置する。
スプール45が上記第2位置に位置するとき(ON/OFFソレノイド弁55がONされているとき)には、第2ブレーキBR2の解放油圧室22と接続されたポート48が、ライン圧の作動油が供給されるポート49と連通することになり、これにより、解放油圧室22にライン圧の作動油が供給される。一方、スプール45が上記第1位置に位置するとき(ON/OFFソレノイド弁55がOFFされているとき)には、解放油圧室22と接続されたポート48が、ドレンポート50と連通することになり、これにより、解放油圧室22の作動油がドレンされる。
調圧ソレノイド弁41及びON/OFFソレノイド弁55の作動は、コントロールユニット81により制御される。このコントロールユニット81は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
コントロールユニット81には、上記車両の走行状態に応じて変速機1の変速段を自動的に切り換えるための各種情報(例えば、上記車両のシフトレバーのレンジ位置の情報、上記車両のアクセル開度の情報、上記車両の車速の情報等)が入力される。そして、コントロールユニット81は、入力した上記情報に基づいて、調圧ソレノイド弁41及びON/OFFソレノイド弁55を制御するとともに、第2ブレーキBR2以外の摩擦締結要素への作動油供給回路及び潤滑油供給回路にそれぞれ設けられた弁の作動を制御する。
本実施形態では、切換弁43のスプール45が上記第1位置に位置するとき、つまり、第2ブレーキBR2を締結する変速段では、ライン圧の作動油が供給されるポート49が、潤滑油供給回路33(詳しくは、後述の大径オリフィス配設油路33a)に配設された潤滑制御弁61の第1制御ポート62と接続されたポート51と連通し、これにより、潤滑制御弁61の第1制御ポート62にライン圧の作動油が供給されることになる。一方、切換弁43のスプール45が上記第2位置に位置するとき、つまり、第2ブレーキBR2を解放する変速段では、潤滑制御弁61の第1制御ポート62に接続されたポート51が、ドレンポート52と連通し、これにより、第1制御ポート62の作動油がドレンされる。
潤滑油供給回路33は、互いに並列に接続された大径オリフィス配設油路33a及び小径オリフィス配設油路33bを有している。大径オリフィス配設油路33a及び小径オリフィス配設油路33bには、オリフィス径が互いに異なる大径オリフィス34及び小径オリフィス35がそれぞれ配設されている。これにより、大径オリフィス配設油路33aを流れる潤滑油の流量の方が、小径オリフィス配設油路33bを流れる潤滑油の流量よりも多くなる。
大径オリフィス配設油路33a及び小径オリフィス配設油路33bには、減圧弁38により、ライン圧から予め設定された設定圧力(潤滑に適した圧力)にまで減圧された潤滑油が供給される。大径オリフィス配設油路33a及び小径オリフィス配設油路33bは、これらの下流端で互いに集合して集合油路33cとされ、この集合油路33cにより、潤滑油が第2ブレーキBR2(特に摩擦板23)に供給される。集合油路33cは、変速機ケース11の周壁11aを通って第2ブレーキBR2に達する。尚、集合油路33cにもオリフィス36が配設されている。このオリフィス36のオリフィス径は、大径オリフィス配設油路33aに配設された大径オリフィス34のオリフィス径よりも大きく、大径オリフィス配設油路33aを流れる潤滑油の流量と、小径オリフィス配設油路33bを流れる潤滑油の流量とを足し合わせた流量と略同じ流量の潤滑油が集合油路33cを流れるようになっている。
大径オリフィス配設油路33aに、潤滑制御弁61が配設されている。この潤滑制御弁61の2つのポート64,65に大径オリフィス配設油路33aの上流側部分と下流側部分とがそれぞれ接続されており、潤滑制御弁61の作動により、これら上流側部分と下流側部分とが連通されるか、又は、遮断される。
潤滑制御弁61は、スリーブ67内に収容されたスプール68を有している。このスプール68は、スリーブ67の一側の端壁部67a(図3の左側の端壁部)に当接する第1位置と、スリーブ67の他側の端壁部67b(図3の右側の端壁部)に当接する第2位置との間で、スプール68の軸方向に移動可能となっている。スリーブ67内における上記第2位置側の端部には、スプール68を上記第1位置側へと付勢する圧縮コイルスプリング69が設けられている。
潤滑制御弁61のスプール68が上記第2位置に位置するときには、2つのポート64,65が互いに連通し、これにより、大径オリフィス配設油路33aの上流側部分と下流側部分とが連通される(大径オリフィス配設油路33aが連通状態となる)。一方、スプール68が上記第1位置に位置するときには、2つのポート64,65が互いに非連通となり、これにより、大径オリフィス配設油路33aの上流側部分と下流側部分とが遮断される(大径オリフィス配設油路33bが遮断状態となる)。
スリーブ67における上記第1位置側の端部に、上記第1制御ポート62が設けられている。一方、スリーブ67における上記第2位置側の端部には、調圧ソレノイド弁41の出力ポート41bと接続された第2制御ポート63が設けられている。潤滑制御弁61(スプール67)は、第1制御ポート62における作動油の圧力と第2制御ポート63における作動油の圧力との差圧に応じて作動する。詳細には、潤滑制御弁61は、第1制御ポート62における作動油の圧力をスプール68の押圧力に換算した値から、第2制御ポート63における作動油の圧力をスプール68の押圧力に換算した値を引いた値と、圧縮コイルスプリング69の付勢力との大小関係に応じて作動する。
上記のように、第2ブレーキBR2を締結する変速段では、潤滑制御弁61の第1制御ポート62に、切換弁43よりライン圧の作動油が供給される。一方、第2制御ポート63には、調圧ソレノイド弁41より上記調整圧力の作動油が供給される。上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際においては、上記調整圧力が0から上記第1所定圧力にまで徐々に上昇した後に、ライン圧に一気に上昇する。このとき、潤滑制御弁61は、上記調整圧力が、上記第1所定圧力以上でかつ上記ライン圧未満の値に設定された第2所定圧力よりも低いときには、図4に示すように、スプール68が上記第2位置に位置する一方、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときには、図5に示すように、スプール68が上記第1位置に位置するよう構成されている。このように潤滑制御弁61は、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、ライン圧と上記調整圧力との差圧に応じて作動することになる。
上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記調整圧力が0から上記第1所定圧力にまで徐々に上昇することにより、第2ブレーキBR2が、解放状態からスリップ状態を経由して完全締結状態になる。この結果、上記駆動源の出力軸と変速機1の入力軸12との間にトルクコンバータが設けられていなくても、スムーズな発進が可能になる。
このように上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、スプール68が上記第2位置に位置するので、大径オリフィス配設油路33aが連通状態となる。これにより、図4に示すように、減圧弁38からの潤滑油は、大径オリフィス配設油路33a及び小径オリフィス配設油路33bの両方を通って第2ブレーキBR2に供給される。尚、図4〜図6では、作動油及び潤滑油が流れる部分を太線で示す。
一方、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上になると、スプール68が上記第1位置に位置することになり、大径オリフィス配設油路33aが遮断状態になる。これにより、図5に示すように、減圧弁38からの潤滑油は、小径オリフィス配設油路33bのみを通って第2ブレーキBR2に供給される。
したがって、潤滑制御弁61は、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、潤滑油供給回路33により第2ブレーキBR2へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときに比べて多くなるように作動することになる。すなわち、第2ブレーキBR2がスリップ状態にあるときに、第2ブレーキBR2(特に摩擦板23)において冷却及び潤滑に必要とされる十分な量の潤滑油を該第2ブレーキBR2に供給する。一方、第2ブレーキBR2が完全締結状態になった以降は、多くの潤滑油を必要としなくなるので、第2ブレーキBR2に供給される潤滑油の流量を少なくする。
尚、上記第2所定圧力は、上記第1所定圧力と同じであってもよいが、第2ブレーキBR2が確実に完全締結状態になった後に、大径オリフィス配設油路33aを遮断状態にするために、上記第1所定圧力よりも大きい値であることが好ましい。この場合、出来る限り早期に大径オリフィス配設油路33aを遮断状態にする観点からは、上記第2所定圧力は、上記第1所定圧力に出来る限り近い値であることが好ましい。
上記車両の発進時以外で第2ブレーキBR2を締結させる際には、上記調整圧力が0から一気にライン圧になり、これにより、スプール68も一気に上記第1位置に位置することになる。この結果、大径オリフィス配設油路33aが連通状態になることは基本的になく、減圧弁38からの潤滑油は、小径オリフィス配設油路33bのみを通って第2ブレーキBR2に供給される(図5参照)。
また、第2ブレーキBR2の非締結時には、第1及び第2制御ポート62,63に作動油が全く供給されずにドレンされる(第1及び第2制御ポート62,63における作動油の圧力が共に0である)ので、図6に示すように、スプール68は圧縮コイルスプリング69により上記第1位置に位置することになり、このときも、減圧弁38からの潤滑油は、小径オリフィス配設油路33bのみを通って第2ブレーキBR2に供給される。第2ブレーキBR2の非締結時には、第2ブレーキBR2の締結油圧室21に作動油が供給されず、解放油圧室22に作動油が供給される。
したがって、本実施形態では、潤滑制御弁61が、上記車両の発進時に第2ブレーキBR2を締結させる際において、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、潤滑油供給回路33により第2ブレーキBR2へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときに比べて多くなるように作動するので、第2ブレーキBR2がスリップ状態にあるときには、該第2ブレーキBR2で必要とされる十分な量の潤滑油を該第2ブレーキBR2に供給することができる。一方、第2ブレーキBR2が完全締結状態になった以降は、潤滑制御弁61が、上記調整圧力の上昇に伴って、第2ブレーキBR2への潤滑油の流量を自動的に少なくする。この結果、第2ブレーキBR2の特に摩擦板23bによる潤滑油の攪拌ロスを低減して、燃費の悪化を防止することができる。このように、潤滑制御弁61が、調圧ソレノイド弁41による調整圧力を利用して、適切なタイミングで第2ブレーキBR2に供給される潤滑油の流量を自動的に切り換えるので、第2ブレーキBR2への潤滑油の供給量を、簡単な構成で調整することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、車両発進用摩擦締結要素を第2ブレーキBR2で構成した例を示したが、車両発進用摩擦締結要素は、1速で締結される摩擦締結要素であれば、いずれの摩擦締結要素であってもよい。上記実施形態の変速機1の構成では、車両発進用摩擦締結要素は、第1クラッチCL1又は第1ブレーキBR1であってもよい。但し、車両発進用摩擦締結要素は、クラッチ及びブレーキのうちでは、ブレーキで構成することが好ましい。このように車両発進用摩擦締結要素がブレーキで構成されている場合には、変速機ケース11の周壁11aから車両発進用摩擦締結要素(ブレーキ)に潤滑油を直接供給することができるので、油路の径を比較的大きくすることができる。この結果、車両発進用摩擦締結要素がスリップ状態にあるときに、十分な量の潤滑油を車両発進用摩擦締結要素に供給し易くなる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、車両の発進時に、締結油圧室への作動油の供給により締結される車両発進用摩擦締結要素を備えた油圧作動式変速機に有用である。
1 油圧作動式変速機
33 潤滑油供給回路
33a 大径オリフィス配設油路
33b 小径オリフィス配設油路
34 大径オリフィス
35 小径オリフィス
41 調圧ソレノイド弁(調圧手段)
61 潤滑制御弁
BR2 第2ブレーキ(車両発進用摩擦締結要素)

Claims (3)

  1. 車両に搭載される油圧作動式変速機であって、
    上記車両の発進時に、締結油圧室への作動油の供給により締結される車両発進用摩擦締結要素と、
    上記車両発進用摩擦締結要素の締結油圧室に供給される作動油の圧力を調整する調圧手段と、
    上記車両発進用摩擦締結要素に潤滑油を供給する潤滑油供給回路に配設された潤滑制御弁とを備え、
    上記車両発進用摩擦締結要素は、上記作動油の圧力が第1所定圧力以上であるときに、完全締結状態となるよう構成され、
    上記調圧手段は、上記車両の発進時に上記車両発進用摩擦締結要素を締結させる際、上記作動油の圧力を、上記第1所定圧力よりも低い低圧力から該第1所定圧力にまで徐々に上昇させた後に、該第1所定圧力よりも高い高圧力に上昇させるよう構成され、
    上記潤滑制御弁は、上記車両の発進時に上記車両発進用摩擦締結要素を締結させる際において、上記高圧力と上記調圧手段により調整された調整圧力との差圧に応じて作動するとともに、上記調整圧力が、上記第1所定圧力以上でかつ上記高圧力未満の値に設定された第2所定圧力よりも低いときには、上記潤滑油供給回路により上記車両発進用摩擦締結要素へ供給される潤滑油の流量が、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときに比べて多くなるように作動するよう構成されていることを特徴とする油圧作動式変速機。
  2. 請求項1記載の油圧作動式変速機において、
    上記潤滑油供給回路は、互いに並列に接続されかつオリフィス径が互いに異なる大径オリフィス及び小径オリフィスがそれぞれ設けられた大径オリフィス配設油路及び小径オリフィス配設油路を有し、
    上記潤滑制御弁は、上記大径オリフィス配設油路に配設されていて、上記調整圧力が上記第2所定圧力よりも低いときには、上記大径オリフィス配設油路を連通状態にする一方、上記調整圧力が上記第2所定圧力以上であるときには、上記大径オリフィス配設油路を遮断状態にするよう構成されていることを特徴とする油圧作動式変速機。
  3. 請求項1又は2記載の油圧作動式変速機において、
    上記車両発進用摩擦締結要素は、ブレーキで構成されていることを特徴とする油圧作動式変速機。
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