JP6273946B2 - 流量制御装置およびそれを備える給湯装置 - Google Patents

流量制御装置およびそれを備える給湯装置 Download PDF

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Description

この発明は、流量制御装置およびそれを備える給湯装置に関し、より特定的には、流量センサの出力に基づく通水路の流量制御に関する。
通水路に介挿接続された調整弁の開度調整によって、通水路の流量を制御する構成が一般的に用いられている。特許第3862809号公報(以下、特許文献1)には、バイパス弁付給湯装置のミキシング制御において、目標流量比が得られるように少なくとも2つのフローセンサによる検出流量に基づいてバイパス弁の開度を制御することが記載されている。
また、特開2011−127897号公報(以下、特許文献2)には、自動給湯装置において、湯および水を混合するための混合弁の制御量(開度)を、現在の開度と、混合弁から給湯される流体の温水流量比に基づいて補正することが記載されている。
特許第3862809号公報 特開2011−127897号公報
特許文献1にも記載されるように、流量センサによる検出値に基づいて流量調整弁の開度を制御することにより、流量を目標値に従って制御することができる。
しかしながら、一般的に用いられる羽根車式センサのように、流量に応じて周波数が変化する信号を出力する流量センサでは、周波数の検出に要する時間が、出力信号の周波数が低い小流量時には長くなる。この結果、小流量時には、流量変化の検出速度が低下する。
したがって、このような流量センサの出力に基づいて流量調整弁の開度を制御する場合には、検出遅れの影響によって、流量のハンチングによる制御安定性の低下が懸念される。一方で、ハンチング防止のために弁開度の制御ゲインを小さくすると、高流量時における流量制御の速応性の低下が懸念される。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、流量センサの出力に基づいて流量調整弁の開度を調整する流量制御において、流量を安定的かつ速やかに目標値に追従させることである。
この発明に従う流量制御装置は、通水路における流量を検出するための流量センサと、通水路に介挿接続された流量調整弁と、制御装置とを備える。制御装置は、流量センサの出力に基づき、流量の目標値に従って流量調整弁の開度を制御する。制御装置は、流量検出部と、開度変化量演算部と、パラメータ演算部と、弁開度設定部とを含む。流量検出部は、流量センサの出力信号を平滑化処理することによって流量の検出値を取得するように構成される。開度変化量演算部は、流量調整弁の現在の開度および検出値に基づく流量調整弁の一次関数モデルの傾きに従って、流量の目標値および検出値の差分に応じて流量調整弁の開度変化量を演算するように構成される。パラメータ演算部は、検出部による検出値に応じて、流量パラメータγを0<γ≦1.0の範囲内で設定するように構成される。弁開度設定部は、開度変化量演算部によって演算された開度変化量とγとの積に従って、流量調整弁の開度を現在の開度から変化させるように構成される。パラメータ演算部は、検出値が小さいほどγを小さい値に設定する。
上記流量制御装置によれば、流量を流量目標値まで変化させるのに必要な流量調整弁の開度変化量に対する弁開度設定部による実際の開度変化量の割合を、流量パラメータγに応じて変化させることができる。この結果、流量センサの検出遅れが大きくなる小流量時には実際の開度変化量を抑制することによって、ハンチング発生の防止により制御安定性を高めることができる。さらに、大流量時には、小流量時よりも流量パラメータγを大きく設定することによって流量目標値への追従性を高めることができる。したがって、流量を安定的かつ速やかに目標値に追従させることができる。
好ましくは、流量制御装置において、一次関数モデルの傾きは、流量調整弁の予め定められた基準開度と現在の開度との差分に対する、流量調整弁の基準開度における基準流量と、流量の現在の検出値との差分の比によって求められる。さらに好ましくは、基準開度は、通水路における水圧が変わっても流量が同等であると近似できる流量調整弁の開度領域に設定される。
このようにすると、開度−流量座標平面上において、基準開度および基準流量の組み合わせによる基準点を通過する一次関数モデルに基づいて、流量を流量目標値まで変化させるのに必要な流量調整弁の開度変化量を正確に演算することができる。特に、通水路の水圧に応じて傾きが変化するような一次関数モデルを定義できるので、水圧を実際に測定することなく、現在の水圧下での開度−流量特性を示す一次関数モデルに基づく開度変化量の演算が可能となる。
好ましくは、流量センサは、羽根車式流量センサである。
このようにすると、流量検出のために一般的に用いられる羽根車式流量センサにおける流量に応じて検出特性の違いに対応して、流量を安定的かつ速やかに目標値に追従させるように制御することができる。
この発明に従う給湯装置は、上記のいずれかの流量制御装置を備える。
上記給湯装置によれば、給湯装置内の流量(たとえば、出湯流量)を、速やかに目標値に追従させるように制御することができる。
この発明によれば、流量センサの出力に基づいて流量調整弁の開度を調整する流量制御において、流量を安定的かつ速やかに目標値に追従させることができる。
本発明の実施の形態に従う流量制御装置が適用された給湯装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態に従う流量制御装置の構成を示すブロック図である。 図2に示された流量センサの出力信号の概略的な波形図である。 図2に示された流量制御弁の静特性を説明するためのグラフが示される。 図2に示された弁開度制御部による流量制御を説明するための機能ブロック図である。 流量パラメータの算出を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に従う流量制御装置による流量調整弁の開度制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に従う流量制御装置による制御動作波形例である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従う流量制御装置が適用された給湯装置の概略構成図である。
図1を参照して、給湯装置100は、一次熱交換器11、二次熱交換器21および燃焼バーナ30等が格納された燃焼缶体(以下、単に「缶体」とも称する)10と、送風ファン40と、入水管50と、バイパス管60と、出湯管70と、コントローラ300とを備える。
入水管50および出湯管70の間にはバイパス管60が配置される。入水管50には、バイパス管60への分流を制御するための分配弁80が介挿接続される。さらに、入水管50には、温度センサ110および流量センサ150が配置される。温度センサ110は、入水温度Twを検出する。 入水管50には、水道水等が給水される。分配弁80の開度に応じて、給水量の一部が入水管50からバイパス管60へ分流される。全体給水量に対する分流の割合は、分配弁80の開度に応じて制御される。
流量センサ150は、分配弁80よりも下流側(缶体側)に配置される。したがって、流量センサ150によって検出される流量Qは、缶体10を通過する流量(缶体流量)を示している。流量センサ150は、代表的には、羽根車式流量センサによって構成される。
入水管50の水は、まず二次熱交換器21によって予熱された後、一次熱交換器11において主加熱される。一次熱交換器11および二次熱交換器21によって所定温度まで加熱された湯は、出湯管70から出湯される。
出湯管70は、合流点75においてバイパス管60と接続される。したがって、給湯装置100からは、缶体10から出力された高温湯と、バイパス管60からの水を混合した適温の湯が、台所や浴室等の給湯栓190や、図示しない風呂への注湯回路などの所定の給湯箇所に供給される。
出湯管70には、流量調整弁90および温度センサ120,130が設けられる。温度センサ120は、出湯管70のバイパス管60との合流点75よりも上流側(缶体側)に配置されて、缶体10からの出力湯温(以下、缶体温度)を検出する。温度センサ130は、合流点75よりも下流側(出湯側)に設けられて、バイパス管60からの水が混合された後の出湯温度Thを検出する。流量調整弁90は、出湯流量を制御するために設けられる。
缶体10において、燃焼バーナ30から出力された燃料ガスは、送風ファン40からの燃焼用空気と混合される。図示しない点火装置によって混合気が着火されることにより、燃料ガスが燃焼されて火炎が生じる。燃焼バーナ30からの火炎によって生じる燃焼熱は、缶体10内で一次熱交換器11および二次熱交換器21へ与えられる。
一次熱交換器11は、燃焼バーナ30による燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する。二次熱交換器21は、燃焼バーナ30からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する。缶体10の燃焼ガスの流れ方向下流側には熱交換後の燃焼排ガスを排出処理するための排気経路15が設けられる。このように、缶体10では、燃焼バーナ30での燃焼による発生熱量により、一次熱交換器11および二次熱交換器21で、入水管50から供給された水を加熱する。
燃焼バーナ30へのガス供給管31には、元ガス電磁弁32、ガス比例弁33および、能力切換弁35a〜35cが配置される。元ガス電磁弁32は、燃焼バーナ30への燃料ガスの供給をオンオフする機能を有する。ガス供給管31のガス流量は、ガス比例弁33の開度に応じて制御される。
能力切換弁35a〜35cは、複数の燃焼バーナ30のうちの、燃料ガスの供給対象となるバーナ本数を切換えるために開閉制御される。缶体10での発生熱量は、バーナ本数およびガス流量の組み合わせによって決まる、燃焼バーナ30全体からの供給ガス量に比例する。したがって、要求発生熱量に対応させて、能力切換弁35a〜35cの開閉パターン(バーナ本数)およびガス比例弁33の開度(ガス流量)の組み合わせを決定する設定マップを予め作成することができる。
送風ファン40による送風量は、燃焼バーナ30全体からの供給ガス量との空燃比が所定値(たとえば、理想空燃比)となるように制御される。送風ファン40の送風量は、ファン回転数と比例するので、送風ファン40の回転数は、供給ガス量の変化に応じて設定される目標回転数に従って制御される。送風ファン40には、ファン回転数を検出するための回転数センサ45が設けられる。回転数センサ45は、電磁ピックアップ式のセンサによって構成される。
コントローラ300は、各センサからの出力信号(検出値)およびユーザ操作を受けて、給湯装置100の全体動作を制御するために、各機器への制御指令を発生する。ユーザ操作には、給湯装置100の運転オン/オフ指令および設定湯温(Tr*)指令が含まれる。制御指令には、各弁の開閉および開度指令、送風ファン40への電気的入力指令(ファン駆動電圧指令)が含まれる。
コントローラ300は、給湯装置100の運転指令がオンされると、流量センサ150によって検出される流量Qが最低作動流量(MOQ)を超えるのに応じて、缶体10での燃焼動作をオンする。燃焼動作がオンされると、元ガス電磁弁32が開放されて、燃焼バーナ30への燃料ガスの供給が開始される。
給湯装置100では、合流点75よりも下流側(出湯側)に配置された流量調整弁90からは、缶体10からの加熱水(温度Tw+ΔT)と、バイパス管60からの非加熱水(温度Tw)とを混合した湯が出力される。
コントローラ300は、燃焼オン時には、缶体10での要求発生熱量P*を算出する。具体的には、設定湯温Tr*および分配弁80による分流率から缶体温度の目標値が算出される。缶体10での昇温量をΔTとすると缶体温度はTw+ΔTとなるため、缶体温度の上記目標値から入水温度Twを減算することによって、昇温量ΔTを求めることができる。
コントローラ300は、缶体10での要求発生熱量P*を、流量Qおよび昇温量ΔTから算出する(P*=Q・ΔT)。さらに、コントローラ300は、要求発生熱量P*に応じて、燃焼バーナ30全体からの供給ガス量を設定する。具体的には、当該供給ガス量を実現するようなバーナ本数およびガス流量の組合せが、上記設定マップに従って定められる。コントローラ300は、当該設定マップに従ったバーナ本数およびガス流量が実現されるように、ガス比例弁33の開度および能力切換弁35a〜35cの開閉を制御する。
コントローラ300は、流量調整弁90の開度を制御することによって、流量Q(缶体流量)および出湯管70からの出湯流量を制御することができる。なお、図1に示された給湯装置において、流量Qは、給水圧力と流量調整弁90の開度によって決まる。なお、全体の給水量に対する、分配弁80の開度に応じたバイパス管60への分流率を(1−r)とすると(0<r≦1.0)、流量調整弁90からの出湯流量は、Q/rで示される。
コントローラ300は、流量制御の一環として、たとえば、燃焼開始直後の加熱能力が不足する期間中において、出湯流量を絞るように流量調整弁90の開度を制御することによって、出湯温度Thが低下することを防止することができる。また、コントローラ300は、燃焼開始直後以外でも、最大号数で運転する場合や、最大許容流量で運転する場合等に、設定湯温Tr*に従って出湯するために、流量調整弁90によって出湯流量を絞る制御を実行することができる。
図1から理解されるように、流量調整弁90は、入水管50から缶体10を通過して出湯管70へ至る通水路に介挿接続される。そして、流量センサ150は、当該通水路における「水」の流量を検出することができる。上述のように、バイパス管60が設けられた構成によっても、分配弁80の開度によって決まる分流比を用いて、流量センサ150による検出値によって、流量調整弁90からの出力流量を検出することができる。
給湯装置100において、流量調整弁90による流量(出湯流量)の制御に、本実施の形態に従う流量制御装置が適用される。なお、本実施の形態に従う通水路の流量制御装置による流量制御の対象となる「水」は、その水温を問わず、非加熱状態、冷却状態および加熱状態のいずれであってもよい。
図2は、本実施の形態に従う流量制御装置の概略構成を説明するブロック図である。
図2を参照して、本実施の形態に従う流量制御装置200は、通水路230に介挿接続された流量調整弁210と、通水路230の流量を検出するための流量センサ220と、弁開度制御部250とを含む。通水路230は、図1の給湯装置100では、給水口から出湯口へ至る、入水管50から缶体10を通過して出湯管70へ至る通水路に対応する。同様に、流量調整弁210は、図1の給湯装置100での流量調整弁90に対応し、流量センサ220は、図1中の流量センサ150に対応する。
弁開度制御部250は、流量センサ220の出力信号Sqおよび流量目標値q*とを受けて、流量調整弁210の開度指令Svを設定する。流量目標値q*は、流量センサ220による流量検出値Qdの目標値に相当する。たとえば、図1の構成例では、流量調整弁90からの出湯量目標値に上記rを乗じることによって、流量目標値q*を設定することができる。
流量調整弁210の開度Xは、開度指令Svに応じて、全閉状態(X=0)から、全開状態(開度最大状態:X=Xmax)までの間で制御される。弁開度制御部250は、コントローラ300によるソフトウェア処理および/またはハードウェア処理によって実現される機能を有する機能ブロックである。
図3には、流量センサ220の出力信号の概略的な波形図が示される。
図3を参照して、代表的には羽根車式センサで構成される流量センサ220は、流量に応じた周波数を有するパルス信号を生成する。大流量時には、出力信号Sqは高周波数のパルス信号となり、その一方で小流量時には、出力信号Sqは、低周波数のパルス信号となる。
パルス信号の周波数を検出するためには、少なくとも1周期分のパルス信号を取得することが必要である。したがって、パルス信号の周期が長くなる小流量時には、大流量時よりも、流量センサ220による流量変化の検出が遅れる。実際には、複数周期分のパルス信号分の平均周波数を移動平均する等の平滑化処理(フィルタ処理)が必要となるので、大流量時と比較した小流量時における検出遅れは、さらに大きくなる。
図4には、流量調整弁210の静特性を説明するためのグラフが示される。図4の横軸には、流量調整弁210の開度が示される。縦軸には、流量調整弁210の流量が示される。
流量は、上述のように、通水路における水圧および流量調整弁90の開度によって決まる。通水路における水圧は、図1に示された給湯装置100では水道水圧に相当する。水道水圧は、給湯装置100の設置場所によって変わることが知られている。たとえば、マンションの高層階では、水道水圧が低下する傾向にある。
図4には、開度−流量座標平面上に、異なる水圧での特性線201〜203が示される。特性線201は、水圧P1のときの開度−流量特性を示し、特性線202は、水圧P2(P2>P1)のときの開度−流量特性を示し、特性線203は、水圧P3(P3>P2>P1)のときの開度−流量特性を示す。特性線201〜203の比較から明らかなように、同一の開度Xにおいて、水圧が大きいほど流量調整弁210の流量も大きくなる。たとえば、同一の流量q1を得るための流量調整弁210の開度は、水圧P1のときにはX=X1であり、水圧P2のときはX=X2(X2<X1)であり、水圧P3のときはX=X3(X3<X2<X1)である。
一方で、流量調整弁90の開度Xを全閉状態(X=0)に近づけていくと、開度X0において、水圧が異なっても、流量がほぼ一定値に近似される。以下では、開度X0を基準開度X0とも称し、基準開度X0における一定流量の近似値を基準流量q0とも称する。
特性線201〜203は、開度−流量座標平面上において、基準開度X0および基準流量q0の組み合わせによって定義される基準点(X0,Q0)を通る一次関数モデルとして近似することができる。したがって、現在の開度および流量の組み合せによって定義される動作点と、基準点(X0,Q0)との2点を通る一次関数モデルは、現在の水圧における開度−流量特性を示すことになる。これにより、水圧をパラメータとすることなく、現在の水圧の下での流量調整弁210の開度−流量特性の一次関数モデル(開度−流量座標平面上)を求めることができる。すなわち、流量制御における水圧の検出が不要となる。
図5は、弁開度制御部250による流量制御の機能ブロック図である。図5中に示された各機能ブロックについても、コントローラ300によるハードウェア処理および/またはソフトウェア処理によってその機能が実現される。
図5を参照して、弁開度制御部250は、流量検出部260と、流量パラメータ演算部270と、開度変化量演算部280と、乗算部285と、弁開度設定部290とを有する。
流量検出部260は、流量センサ220の出力信号Sqに基づいて、流量検出値Qdを出力する。流量検出値Qdは、たとえば、時系列データとして得られた、出力信号Sqの周波数検出値を、移動平均等によって平滑化処理することによって得ることができる。したがって、流量検出値Qdは、実際の流量変化に対して平滑化処理により一定の時間遅れを含んでしまう。さらに、図3で説明したように、この検出遅れは、大流量時には小さい一方で、小流量時には大きくなる。
開度変化量演算部280は、流量検出値Qdと、流量目標値q*と、流量調整弁210の実際の弁開度Xdとに基づいて、流量検出値Qdを流量目標値q*と一致させるために必要な、流量調整弁210の開度変化量ΔX*を算出する。開度変化量ΔX*は、下記(1)式に従って算出される。
ΔX*=(q*−Qd)・(Qd−q0)/(Xd−X0) …(1)
式(1)中において、開度Xdは、流量調整弁210の開度Xの過去の実績値に基づいて求められる。たとえば、開度Xdは、前回の制御周期における開度Xとすることができる。あるいは、開度Xdは、フィルタ処理によって得られた流量検出値Qdに対応する流量調整弁210の開度であるので、開度Xの過去の実績値(時系列データ)に同等のフィルタ処理を施すこと等により、流量検出部260での平滑化処理による時間遅れを考慮して開度Xdを求めてもよい。
式(1)中において、k=(Qd−q0)/(Xd−X0)は、図4に示した開度−流量特性線の傾きを算出していることと等価である。図4で説明したように、流量検出値Qdおよび開度Xdから、現在の水圧における開度−流量特性線(一次関数モデル)の傾きkを求めることができる。なお、図1に示したように、分配弁80による分流によって、流量センサ150での流量と流量調整弁90の流量とが同一ではなく、両者が比例関係にある構成では、(1)式中の基準流量q0についても、分配弁80の開度によって決まる両者の比(上記r)を乗じたものを用いる必要がある。
式(1)において、傾きkと、流量目標値q*に対する流量検出値Qdの偏差(q*−Qd)とを乗算することによって、推定された開度−流量特性線に従って、流量検出値Qdを流量目標値q*まで変化させるために必要な開度変化量ΔX*が算出される。
流量パラメータ演算部270は、流量検出部260による流量検出値Qdに基づいて、下記(2)式に従って流量パラメータγを算出する。式(2)において、αは、調整パラメータである。
γ=Qd/(Qd+α) …(2)
図6は、流量パラメータγの算出を説明するための概念図である。
図6を参照して、流量パラメータγは、流量が大きくなるほど高い値に設定される一方で、流量が小さくなるほど小さい値に設定される。
調整パラメータαを大きくすると、流量パラメータγは同一の流量(Qd)に対して小さくなる.一方で、α=0とすると、固定的にγ=1.0とされる。
再び図5を参照して、乗算部285は、開度変化量演算部280によって算出された開度変化量ΔX*と流量パラメータγとを乗算して、開度変化指令値ΔXを算出する。
弁開度設定部290は、第n番目(n:自然数)の制御周期における流量調整弁210の開度X(n)を、前回の制御周期における流量調整弁210の開度X(n−1)と、乗算部285からの開度変化指令値ΔXとの加算によって算出する。設定された開度X(n)は、開度変化量演算部280に記憶されて、以降の制御周期における(1)式の演算に用いられる。
図7は、本発明の実施の形態に従う流量制御装置による流量調整弁210の開度制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図7に示した制御処理は、弁開度制御部250(コントローラ300)によって制御周期毎に実行される。図7には、第n番目の制御周期における制御処理手順が示される。
図7を参照して、コントローラ300は、ステップS100により、流量センサ220の出力信号Sqから、流量検出値Qd(n)を算出する。ステップS100における処理は、図5の流量検出部260の機能に相当する。
コントローラ300は、ステップS110により、ステップS100で算出された流量検出値Qd(n)に基づいて、流量パラメータγ(n)を算出する。ステップS110による演算では、(2)式において、Qd=Qd(n)が代入される。ステップS110による機能は、図5の流量パラメータ演算部270の機能に相当する。
さらに、コントローラ300は、ステップS120により、ステップS100で算出された流量検出値Qd(n)に基づき、今回の制御周期での流量目標値q*(n)に対する流量検出値Qd(n)の偏差を解消するのに必要な開度変化量ΔX*(n)を、上記(1)式に従って算出する。ステップS120による演算では、(1)式において、q*=q*(n)、Qd=Qd(n)、Xd=Xd(n)が代入される。ステップS120による処理は、図5の開度変化量演算部280の機能に相当する。
コントローラ300は、ステップS130では、ステップS120で算出された開度変化量ΔX*(n)と、ステップS110で算出された流量パラメータγ(n)との積に従って、開度変化指令値ΔX(n)を算出する。ステップS130による処理は、図5の乗算部285の機能に相当する。
これにより、流量調整弁210の現在の水圧における開度−流量特性(一次関数モデル)の推定に基づく開度変化量ΔX*(n)に、現在の流量検出値Qd(n)に応じて設定された流量パラメータγ(0≦γ<1.0)が乗算されることによって、開度変化指令値ΔX(n)が算出される。
コントローラ300は、さらにステップS140により、前回の制御周期における開度X(n−1)と、ステップS130で演算された開度変化指令値ΔX(n)とを加算することによって、今回の制御周期(第n番目の制御周期)における流量調整弁210の開度X(n)を設定する。すなわち、ステップS140による処理は、図5の弁開度設定部290の機能に相当する。
図6から理解されるように、流量パラメータγは、流量センサ220による検出遅れが大きい小流量時には、小さい値に設定される。この結果、小流量時には、制御ゲインを低下させるのと等価の効果が得られるため、ハンチングの発生を防止して制御安定性を高めることができる。
これに対して、流量パラメータγは、流量センサ220による流量変化の検出遅れが小さい大流量時には、大きい値に設定される。これにより、流量目標値q*に対する流量制御の追従性を高めることができる。
図8は、本実施の形態に従う流量制御装置による制御動作の波形例が示される。
図8を参照して、時刻t0において、燃焼動作が開始されると、流量を流量目標値q*へ絞るために、弁開度Xが初期開度(たとえば、X=Xmax)から閉方向へ制御される。時刻t0以降では、流量調整弁210の開度Xは、流量検出値Qdが流量目標値q*に一致するように、図2および図5に示された制御構成によって制御される。
図8では、同一の条件下(水圧、流量目標値q*等)で、上記式(2)中の調整パラメータαを変化させたときの波形が、α=0、α=α1(α1>0)、α=α2(α2>α1>0)の間で比較される。
α=0のときは、流量パラメータγ=1.0に固定される。したがって、常に、開度変化指令値ΔX=X*として、流量調整弁210の開度Xは逐次制御される。すなわち、α=0のときには、流量に応じた等価的な制御ゲインの調整が非実行とされる。
α=0の場合には、流量目標値q*を中心に、流量検出値Qdがハンチングしている。これは、流量目標値q*が比較的小さく、上述した流量センサ150による流量変化の検出遅れの影響が無視できなくなっている状態であることを意味する。
一方で、α=α1またはα=α2としたときには、図5に示したように、小流量時に制御ゲインを小さくする制御が等価的に実現される。これにより、流量センサ220による流量変化の検出遅れの影響を抑制して、流量検出値Qdが流量目標値q*へ安定的に制御されていることが理解できる。
α=α1およびα=α2の波形間の比較より、αを大きくした方がハンチング現象は抑制されることが理解される。しかしながら、αが過大になると、流量パラメータγが小さくなるため、開度変化量ΔX*に対して実際の開度変化指令値ΔXが低く抑えられる。このため、流量目標値q*に対する流量検出値Qdの制御応答性は低下する。したがって、調整パラメータαの値は、実機実験やシミュレーション等によって、安定性および応答性が両立できるように、制御対象毎に調整されることが好ましい。
このように本実施の形態による流量制御装置によれば、流量センサの出力に基づいて流量調整弁の開度を調整する流量制御において、流量に応じた流量センサでの検出遅れの挙動を反映して、流量を安定的かつ速やかに目標値に追従させることができる。
なお、本実施の形態に従う流量制御装置では、流量センサ220が羽根車式センサで構成される例を説明したが、流量の変化に応じて、実質的な検出速度が変化するセンサを用いる構成であれば、本実施の形態に従う流量制御を同様に適用することができる。
また、本実施の形態では図1に示した給湯装置100に対して本実施の形態に従う流量制御装置を適用する例を説明した。これにより、たとえば、上述した、加熱能力が不足する燃焼開始直後における出湯流量制限のための流量制御を高精度に実行することができる。ただし、本発明の適用はこのような場合に限定されるものではなく、図1とは異なる構成の給湯装置あるいは給湯装置以外に対しても、流量センサおよび流量調整弁の組合せによって通水路の通水量を制御する系に対して、本発明を共通に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 缶体、11 一次熱交換器、15 排気経路、21 二次熱交換器、30 燃焼バーナ、31 ガス供給管、32 元ガス電磁弁、33 ガス比例弁、35a,35b,35c 能力切換弁、40 送風ファン、45 回転数センサ、50 入水管、60 バイパス管、70 出湯管、75 合流点、80 分配弁、90,210 流量調整弁、100 給湯装置、110,120,130 温度センサ、150,220 流量センサ、190 給湯栓、200 流量制御装置、201,202,203 特性線(弁開度−流量)、230 通水路、250 弁開度制御部、260 流量検出部、270 流量パラメータ演算部、280 開度変化量演算部、285 乗算部、290 弁開度設定部、300 コントローラ、q0 基準流量、q* 流量目標値、Q 流量、Qd 流量検出値(流量センサ)、Sq 出力信号(流量センサ)、Sv 開度指令(流量調整弁)、Th 出湯温度、Tr* 設定湯温、Tw 入水温度、X 開度(流量調整弁)、X0 基準開度(流量調整弁)。

Claims (5)

  1. 通水路における流量を検出するための流量センサと、
    前記通水路に介挿接続された流量調整弁と、
    前記流量センサの出力に基づき、前記流量の目標値に従って前記流量調整弁の開度を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記流量センサの出力信号を平滑化処理することによって前記流量の検出値を取得するための流量検出部と、
    前記流量調整弁の現在の開度および前記検出値に基づく前記流量調整弁の一次関数モデルの傾きに従って、前記流量の前記目標値および前記検出値の差分に応じて前記流量調整弁の開度変化量を演算するための開度変化量演算部と、
    前記検出部による検出値に応じて、流量パラメータγを0<γ≦1.0の範囲内で設定するためのパラメータ演算部と、
    前記開度変化量演算部によって演算された前記開度変化量と前記γとの積に従って、前記流量調整弁の開度を前記現在の開度から変化させるための弁開度設定部とを含み、
    前記パラメータ演算部は、前記検出値が小さいほど前記γを小さい値に設定する、流量制御装置。
  2. 前記一次関数モデルの傾きは、前記流量調整弁の予め定められた基準開度と前記現在の開度との差分に対する、前記流量調整弁の前記基準開度における基準流量と、前記流量の現在の前記検出値との差分の比によって求められる、請求項1記載の流量制御装置。
  3. 前記基準開度は、前記通水路における水圧が変わっても前記流量が同等であると近似できる前記流量調整弁の開度領域に設定される、請求項2記載の流量制御装置。
  4. 前記流量センサは、羽根車式流量センサである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流量制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の流量制御装置を備えた、給湯装置。
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