JP6273827B2 - 穿刺器具およびその製造方法 - Google Patents

穿刺器具およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6273827B2
JP6273827B2 JP2013264934A JP2013264934A JP6273827B2 JP 6273827 B2 JP6273827 B2 JP 6273827B2 JP 2013264934 A JP2013264934 A JP 2013264934A JP 2013264934 A JP2013264934 A JP 2013264934A JP 6273827 B2 JP6273827 B2 JP 6273827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
apex
puncture device
base
vertex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013264934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014140642A (ja
Inventor
永田 昌博
昌博 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013264934A priority Critical patent/JP6273827B2/ja
Publication of JP2014140642A publication Critical patent/JP2014140642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6273827B2 publication Critical patent/JP6273827B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/15Devices for taking samples of blood
    • A61B5/150007Details
    • A61B5/150015Source of blood
    • A61B5/150022Source of blood for capillary blood or interstitial fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/15Devices for taking samples of blood
    • A61B5/150007Details
    • A61B5/150206Construction or design features not otherwise provided for; manufacturing or production; packages; sterilisation of piercing element, piercing device or sampling device
    • A61B5/150274Manufacture or production processes or steps for blood sampling devices
    • A61B5/150282Manufacture or production processes or steps for blood sampling devices for piercing elements, e.g. blade, lancet, canula, needle
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/15Devices for taking samples of blood
    • A61B5/150007Details
    • A61B5/150374Details of piercing elements or protective means for preventing accidental injuries by such piercing elements
    • A61B5/150381Design of piercing elements
    • A61B5/150412Pointed piercing elements, e.g. needles, lancets for piercing the skin
    • A61B5/150427Specific tip design, e.g. for improved penetration characteristics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/15Devices for taking samples of blood
    • A61B5/150977Arrays of piercing elements for simultaneous piercing
    • A61B5/150984Microneedles or microblades

Description

本発明は、試料や血管等を穿刺するための突出した針を備える穿刺器具に係り、穿刺性および強度に優れた針を備える穿刺器具、ならびに加工精度や生産性に優れる穿刺器具の製造方法に関する。
基部とその基部から突出した単数あるいは複数の針を備えるいわゆる医療用や試料固定用の針具であって、微細構造からなる針具は種々の技術分野での適用が期待されている。
例えば、特開2012−34944号公報(特許文献1)には、複雑な形状を有する微細針を作製するための鋳型の製造方法およびその鋳型を用いた微細針の作製方法の提案がなされている。すなわち、当該公報には、先鋭状の先端部を有する形状に形成されたシリコンからなる針模型を、シリコン基板に固定し、シリコン基板の針模型を固定した面側に鋳型材料を堆積させ、鋳型材料が堆積された後に、シリコン基板および針模型を除去することによって針模型の形状が鋳型材料に転写された微細針の鋳型が形成される旨の記載がなされている。さらには、この鋳型内部に針材料を充填することによって複雑な形状を有する微細針を作製することができる旨の開示がなされている。
また、特開2011−183076号公報(特許文献2)には、生体内に侵入可能な穿刺部を備える医療用針の開示がなされ、その製造方法例として、上型および下型からなる成形型を用いて穿刺部および保持部を一体に成形することが可能である旨の提案がなされている。
特開2012−34944号公報 特開2011−183076号公報
しかしながら、鋳型等の成形型を用いて微細針を作製する場合には、成形型の製造コストが高く、しかも成形時間が比較的長くてかつ歩留まりが悪くなる傾向があるために総じて製造コストが高くなる傾向がある。
また、上記従来の特許文献1では、鋳型を製造する際、基板の上に載置される針模型の先端部はシリコン基板と密着していないので、出来上がった先端鋳型部190は、鋳型160の面のうち、除去されたシリコン基板140が存在していた面側に、片持ち梁状の屋根を有する構造となってしまい、型構造の強度が十分とは言えない(特許文献1段落〔0042〕)。また、片持ち梁状の屋根の端部は、もう一方の型と接合されて針先端部と胴部との境近傍の接合がなされるが、この部分での製品に残る段差の原因となるパーティングラインの形成は、穿刺性に問題が生じ得る。
また、針胴部から針先端の穿刺部に行くにつれてその径は漸減的に小さくなっていくために、鋳型成形では、鋭利な先端形状を忠実に再現して形成することは極めて困難であり、出来上がった針の穿刺性は、満足のいくものとは言い難い。
上記従来の特許文献2においても、上型および下型からなる成形型を用いて先端鋭利な穿刺部を成形する場合には、やはり、上記特許文献1と同様の問題が生じ得る。
このような実情のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、加工精度や生産性に優れる穿刺器具の製造方法を提供することにある。さらには、穿刺性に優れた針を備える穿刺器具を提供すること、さらには強度に優れた針を備える穿刺器具を提供することにある。
上述してきた課題を解決するために、本発明の穿刺器具の製造方法は、金属薄板を準備する工程と、前記金属薄板の主平面にマスクを形成した後、前記金属薄板の露出部分をエッチングして平板状の基部とその基部から一体的に突出した針を備える針状物部材を形成する針状物部材加工工程と、前記針状物部材加工工程により形成された前記針状物部材に対して研磨処理を行い、少なくとも前記針の先端部を構成する角部を丸める研磨処理工程とを有し、前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部は、前記基部から最も離れた頂点と、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して連続する2つの第1の稜線とを含む前記角部を有し、前記研磨処理工程において、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記頂点および前記第1の稜線を丸めるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記研磨処理が、化学研磨処理および/または電解研磨処理であるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、2〜75μmとなるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、前記研磨処理工程後の前記基部の板厚の1/2以上となるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、75μm超125μm以下となるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針状物部材は、前記頂点および前記2つの第1の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と平行となるように形成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針状物部材は、前記針の先端部における頂点が、前記針の胴部を構成する対向する平面の間の中位点を通る平面に存在するように形成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部を構成する前記角部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して連続する2つの第2の稜線をさらに含み、前記針状物部材は、前記頂点および前記2つの第2の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交するように形成され、前記研磨処理工程において、前記頂点および前記第1の稜線とともに、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記第2の稜線を丸める。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針状物部材は、前記針の先端部における頂点が、前記平板状の基部を構成する対向する平面のうちの一方の平面側に存在するように形成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部を構成する前記角部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに、前記頂点から前記平板状の基部を構成する前記対向する平面のうちの他方の平面側に向かって延びる1つの第3の稜線をさらに含み、前記針状物部材は、前記頂点および前記第3の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交するように形成され、前記研磨処理工程において、前記頂点および前記第1の稜線とともに、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記第3の稜線を丸める。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記針の先端部は、断面の外周線が外側に凸となる線のみで形成されるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記準備された金属薄板は、圧延加工により薄板形状に形成されたものであり、当該圧延加工の圧延方向に対して前記針の長手方向が直角方向に向くように、前記針状物部材加工工程が行われるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の製造方法の好ましい態様として、前記研磨処理工程の後に、さらに針表面をコーティングするコーティング工程が設けられるように構成される。
本発明の穿刺器具は、圧延加工された金属薄板をエッチング加工して形成した針状物部材を有する穿刺器具であり、前記針状物部材は、平板状の基部と、その基部から一体的に突出形成された針と、を有し、前記針の先端部は、前記基部から最も離れた頂点と、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して不連続の2つの第1の稜線とを有し、前記頂点および前記2つの第1の稜線は、丸められた形状を有し、前記頂点および前記2つの第1の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と平行となるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記針の先端部における頂点は、前記針の胴部を構成する対向する平面の間の中位点を通る平面に存在するように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記針の先端部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して不連続の2つの第2の稜線を有し、前記2つの第2の稜線は、丸められた形状を有し、前記頂点および前記2つの第2の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交するように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記針の先端部における頂点は、前記平板状の基部を構成する対向する平面のうちの一方の平面側に存在するように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに、前記頂点から前記平板状の基部を構成する前記対向する平面のうちの他方の平面側に向かって延びる1つの第3の稜線を有し、前記第3の稜線は、丸められた形状を有し、前記頂点および前記第3の稜線により規定される平面が、平板状の基部の主平面と直交するように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、2〜75μmであるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、前記基部の板厚の1/2以上であるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、75μm超125μm以下であるように構成される。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記針は、その長手方向が、前記圧延加工の圧延方向に対して直角方向となるように形成されている。
また、本発明の穿刺器具の好ましい態様として、前記針は、その表面にコーティング層を有するように構成される。
本発明の穿刺器具の製造方法によれば、穿刺器具の加工精度や生産性が極めて優れたものとなる。さらに、出来上がった穿刺器具が備える針は、穿刺性および強度を優れたものとすることができる。
図1は、穿刺器具を構成する針状物部材の平面図であって、平板状の基部と、その基部から一体的に突出形成された針と、を有する針状物部材の平面図である。 図2は、図1に示される針状物部材の側面図である。 図3は、図1および図2に示される針状物部材の概略斜視図であり、特に針の先端形状に注目した斜視図である。 図4は、針状物部材の他の形態を示す側面図であって、図2に類する側面図である。 図5は、図4に示される針状物部材の概略斜視図であり、特に針の先端形状に注目した斜視図である。 図6(A−1)〜(E−1)は、針状物部材を製造する過程を経時的に説明するための平面図であり、図6(A−2)〜(E−2)は、それぞれ、図6(A−1)〜(E−1)に対応した正面図(肉厚側から見た正面図)えある。 図7(A)は、針状物部材をエッチングで形成する場合、金属薄板の対向面上にそれぞれ形成されたマスクのパターンを示した平面図であり、図7(B)は、図7(A)におけるα4−α4線断面矢視図である。 図8は、針状物部材の他の形態を示す側面図であって、図2に類する側面図である。 図9は、図8に示される針状物部材の概略斜視図であり、特に針の先端形状に注目した斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。また、添付の図面においては、説明のために上下、左右の縮尺を誇張して図示することがあり、実際のものとは縮尺が異なる場合がある。
図1〜図5を参照しつつ、本発明の好適な実施形態に係る穿刺器具1について説明する。
図1は、穿刺器具を構成する針状物部材の平面図であって、平板状の基部と、その基部から一体的に突出形成された針と、を有する針状物部材の平面図であり、図2は、図1に示される針状物部材の側面図であり、図3は、図1および図2に示される針状物部材の概略斜視図であり、特に針の先端形状に注目した斜視図であり、図4は、針状物部材の他の形態を示す側面図であって、図2に類する側面図であり、図5は、図4に示される針状物部材の概略斜視図であり、特に針の先端形状に注目した斜視図である。
本発明の穿刺器具1は、金属薄板をエッチング加工して形成した針状物部材10を有して構成される。加工前のベースとなる金属薄板としては、圧延加工により圧延処理された金属薄板が好適に用いられる。以下、圧延加工により圧延処理された金属薄板の使用をベースとして説明する。
針状物部材10は、図1に示されるように、平板状の基部20と、その基部20から一体的に突出形成された針30と、を有し構成されている。ここでいう「一体的に突出形成された」とは、基部20と針30とが同一材質から構成されており、かつ基部20と針30とが一度も分離された状態で存在したことがない状態を言う。
特に、基部20から突出する針30は、その長手方向Nd(図1参照)が、圧延により形成される圧延金属組織の配列方向に対して、直角方向となるように形成される。ここでいう圧延金属組織の配列方向とは、図1に示されるように圧延された金属組織を確認して認識される圧延方向Eと同方向である。
なお、この圧延金属組織を簡易的に、かつ容易に確認する手段としては、例えば、100倍以上の倍率(総合倍率)を有する金属顕微鏡等を挙げることができる。
直角方向とは、厳密に直角である場合のみならず、90°±15°間での範囲を許容することができる。
このようにして、圧延金属組織の配列方向(圧延方向E)に対して針30の長手方向Ndを直角方向に形成することによって、針30の軸方向の強度が向上する。従って、針30の折れや針30の曲がり発生等の欠陥が少なくなる。
圧延加工とは、金属素材を高温、常温、低温等で圧延機の回転するロールを通して、板材等を形成する手法である。板剤を引っ張る方向が圧延方向に相当する。
図1〜図3には、針30の先端部35の具体的な第1の実施形態の構成例が示されている。
<第1の実施形態における針30の先端部35の説明>
図1〜図3に示されるように、針30の先端部35における尖った頂点35aは、基部20から最も離れて位置しており、針30の胴部31の対向する第1平面31aと第2平面31bとの間(厚さtの間)の中位点に存在している。ここでいう中位点とは、厳密な意味での厚さtの中位点から±25%の範囲を含むものである。頂点35aが針の断面中央に位置するようになるため穿刺性が良好となる。
第1の実施形態における針30の先端部35は、図1や図3に示されるように尖った頂点35aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点35aを見たときに頂点35aを挟むようにして対向し、頂点35aを介して連続する2つの第1の稜線35b,35bを有し、頂点35aを含む稜線35b,35bにより規定される平面が、平板状の基部20の対向する平面20a,20b(主平面)と平行となるように構成されている。このような形態とすることにより穿刺性が良好となる。ここでいう平行とは、基準となる片方の平面に対する角度が0°〜15°の範囲を許容するものとして定義することができる。
なお、第1の実施形態では、針30の胴部31の第1平面31aと第2平面31bは、それぞれ、基部20の平面20a,20bと同一平面を構成している。
また、第1の実施形態における針30の先端部35は、図2や図3に示されるように尖った頂点35aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点35aを見たときに頂点35aを挟むようにして対向し、頂点35aを介して連続する2つの第2の稜線35c,35cを有し、頂点35aを含む当該稜線35c,35cにより規定される平面が、平板状の基部20の平面20a,20bと直交するように形成される。ここでいう直交するとは、交わる平面角度が90°±15°間での範囲を許容するものとして定義することができる。
また、第1の実施形態においては、針の先端部35を構成する頂点35aや、第1および第2の稜線35b,35cなどのエッチング加工により生じた角部は、研磨処理により丸められていてもよい。より具体的には、針30の先端部35における角部は、例えば、曲率半径R=2〜75μm程度の湾曲形状(湾曲凸形状)を有して構成されている。
上記曲率半径Rの値が上記の下限値よりも小さくなると、先端部があまりに鋭利になり過ぎて外部からのわずかな衝撃に対して先端部が簡単に変形する問題や、欠損してしまうといった問題が生じる恐れがある。曲率半径Rの値が上記範囲内であることで、針の穿刺性が良好であり、かつ十分な強度を有するものとすることができる。
なお、針の先端部35を構成する頂点35aや、第1および第2の稜線35b,35cなどの角部が研磨処理により丸められている場合、頂点35aから基部20に向かって針30の長手方向Ndに沿って頂点35aを見たときに、頂点35aを間に挟むようにして対向する2つの第1の稜線35b,35bや2つの第2の稜線35c,35cは、互いに不連続であってもよい。
さらに、上記の針30の先端部35以外に、針30の胴部31を構成している角部(図面では四角形状の角部)も研磨処理により丸められていることが望ましい。この場合、針30の胴部31における角部は、例えば、曲率半径R=2〜75μm程度の湾曲形状(湾曲凸形状)を有して構成されている。上記曲率半径Rの値が上記の下限値未満となり小さくなり過ぎると、針を穿刺した際、胴部の角部によって、被穿刺体の組織等の穿刺口を切り広げてしまうという問題が生じる恐れがある。
なお、第1の実施形態においては、研磨加工により研磨量を多くして先端部35に存在する角部を完全に減肉(研磨)して、断面として丸くなるところまで研磨をするようにしてもよい。例えば、先端部35を断面でみた場合、断面の外周線が外側に凸となる線のみで形成されるような形状としてもよい。このような研磨加工としては、後述する電解研磨を用いるのがよい。角部を集中的に研磨することができるからである。
平板状の基部20は、この基部20にホルダー等を取り付けて角部が覆われた状態で角部が露出しないような使用の仕方であれば、特に基部20の角部の研磨加工は必要ないが、使用に際して角部が露出している場合には、研磨加工により角部を丸めておくことが望ましい。また、研磨加工操作の簡便さを図るために、平板状の基部20および針30を含む針状物部材10の全体を一括的に研磨加工して、すべての角部を丸めておくようにしてもよい。
図1〜図3を参照しつつ第1の実施形態における針状物部材10の平板状の基部20の大きさについて説明すると、その厚さT(図2、図3:対向する平面20aと平面20bとの間で規定)は、例えば、50〜250μm程度とされ、高さH(図1のy方向で規定)は、2〜30mm程度とされ、幅L(図1のx方向で規定)は、5〜50mm程度とされる。
また、第2の稜線35c,35cの最上点(頂点35aが該当)と最下点との高低差G1(図2参照)は、5〜20μm程度の範囲内とされる。
また、図1や図3に示される針30の針先角度θは、15〜120°程度とされる。
針状物部材10は、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金等の金属から構成される。
また、針30は、その表面にコーティング層を有することが好ましい。コーティング層は、PVD法若しくはCVD法のようなドライプロセス、或いはめっき法やコーティング法のようなウェットプロセスによって形成することができる。PVD法で形成されるコーティング層としては、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、TiAlN(窒化チタンアルミ)、CrN(窒化クロム)などが挙げられる。CVD法で形成されるコーティング層としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などが挙げられる。めっき法で形成されるコーティング層としては、ニッケル、金、銀、パラジウム、クロムなどが挙げられる。コーティング法で形成されるコーティング層としては、フッ素樹脂などが挙げられる。
このようなコーティング層を設けることによって、針の強度や耐久性を向上させることができる。コーティング層は針30の先端部35のみでもよいし、胴部31を含む針30全体に形成してもよい。さらに、平板状の基部20に亘って針状物部材10全体にコーティング層を設けるようにしてもよい。
次いで、図4〜図5を参照しつつ、第2の実施形態における針30の先端部36の具体的構成例について説明する。
<第2の実施形態における針30の先端部36の説明>
図4〜図5に示されるように、針30の先端部36における尖った頂点36aは、基部20から最も離れて位置しており、針30の胴部31の対向する第1平面31aと第2平面31bの一方の平面側である第2平面31bに存在する。これにより頂点36aをより鋭利な形状とすることができる。
第2の実施形態における針30の先端部36は、図5に示されるように尖った頂点36aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点36aを見たときに頂点36aを挟むようにして対向し、頂点36aを介して連続する2つの第1の稜線36b,36bを有し、頂点36aを含む第1の稜線36b,36bにより規定される平面が、平板状の基部20の平面20a,20b(主平面)と平行となるように構成されている。ここでいう平行とは、基準となる片方の平面に対する角度が0°〜15°の範囲を許容するものとして定義することができ、また、双方の平面が重なる同一面となっている場合も含まれる。
なお、第2の実施形態では、第1平面31aと第2平面31bは、それぞれ基部20の平面20a,20bと同一平面を構成している。
また、第2の実施形態における針30の先端部36は、図5に示されるように尖った頂点36aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点36aを見たときに、頂点36aから基部20の他方の平面20a側に向かって延びる1つの第3の稜線36cを有し、頂点36aを含む湾曲した第3の稜線36cにより規定される平面が、平板状の基部20の平面20a,20bと直交するように形成される。ここでいう直交するとは、交わる平面角度が90°±15°までの範囲を許容するものとして定義することができる。
また、第2の実施形態においても前述した第1の実施形態と同様に、針の先端部36を構成する頂点36aや、第1および第3の稜線36b,36cなどのエッチング加工により生じた角部は、研磨処理により丸められていてもよい。より具体的には、各角部は、例えば、曲率半径R=2〜75μm程度の湾曲形状を有して構成されている。
上記曲率半径Rの値が上記の下限値よりも小さくなると、先端部があまりに鋭利になり過ぎて外部からのわずかな衝撃に対して先端部が簡単に変形する問題や、欠損してしまうといった問題が生じる恐れがある。曲率半径Rの値が上記範囲内であることで、針の穿刺性が良好であり、かつ十分な強度を有するものとすることができる。
なお、針の先端部36を構成する頂点36aや、第1および第3の稜線36b,36cなどの角部が研磨処理により丸められている場合、頂点36aから基部20に向かって針30の長手方向Ndに沿って頂点36aを見たときに、頂点36aを間に挟むようにして対向する2つの第1の稜線36b,36bは、互いに不連続であってもよい。
さらに、上述したように針30の先端部36以外に、針30の胴部31を構成している角部(図面では四角形状の角部)も研磨処理により丸められていることが望ましい。曲率半径Rはやはり上述した範囲内程度とすることが好ましい。上記曲率半径Rの値が上記の下限値未満となり小さくなり過ぎると、針を穿刺した際、胴部の角部によって、被穿刺体の組織等の穿刺口を切り広げてしまうという問題が生じる恐れがある。
上述したように平板状の基部20は、この基部20にホルダー等を取り付けて角部が覆われた状態で角部が露出しないような使用の仕方であれば、特に基部20の角部の研磨処理は必要ないが、使用に際して角部が露出している場合には、研磨処理により角部を丸めておくことが望ましい。また、研磨処理操作の簡便さを図るために、平板状の基部20および針30を含む針状物部材10の全体を一括的に研磨処理して、すべての角部を丸めておくようにしてもよい。
第2の実施形態における針状物部材10の平板状の基部20の大きさや、針状物部材10の針30の大きさ等については、上述した第1の実施形態の場合と同様にすればよい。コーティング層等の形成についても同様である。ただし、第2の実施形態における第3の稜線36cの最上点(頂点36aが該当)と最下点との高低差G2は、5〜20μm程度の範囲とされる(図4参照)。
続いて、図8〜図9を参照しつつ、第3の実施形態における針30の先端部37の具体的構成例について説明する。
<第3の実施形態における針30の先端部37の説明>
図8〜図9に示されるように、針30の先端部37における頂点37aは、基部20から最も離れて位置しており、針30の胴部31の対向する第1平面31aと第2平面31bとの間(厚さtの間)の中位点に存在している。ここでいう中位点とは、厳密な意味での厚さtの中位点から±25%の範囲を含むものである。頂点37aが針の断面中央に位置するようになるため穿刺性が良好となる。
第3の実施形態における針30の先端部37は、頂点37aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点37aを見たときに、頂点37aを挟むようにして対向し、互いに不連続の2つの第1の稜線37b,37bを有し、頂点37aと稜線37b,37bとにより規定される平面が、平板状の基部20の対向する平面20a,20b(主平面)と平行となるように構成されている。このような形態とすることにより穿刺性が良好となる。ここでいう平行とは、基準となる片方の平面に対する角度が0°〜15°の範囲を許容するものとして定義することができる。
なお、第3の実施形態では、針30の胴部31の第1平面31aと第2平面31bは、それぞれ、基部20の平面20a,20bと同一平面を構成している。
また、第3の実施形態における針30の先端部37は、頂点37aから基部20に向かって針30の長手方向に沿って頂点37aを見たときに頂点37aを挟むようにして対向し、互いに不連続の2つの第2の稜線37c,37cを有し、頂点37aを含む当該稜線37c,37cにより規定される平面が、平板状の基部20の平面20a,20bと直交するように形成される。ここでいう直交するとは、交わる平面角度が90°±15°間での範囲を許容するものとして定義することができる。
第3の実施形態においては、針の先端部37を構成する頂点37aや、第1および第2の稜線37b,37cなどのエッチング加工により生じた角部は、研磨加工により丸められている。針30の先端部37における角部の曲率半径Rは、基部20の厚さの1/2以上であることが好ましく、特に3/5以上であることが好ましい。より具体的には、上記角部は、曲率半径Rが75μm超125μm以下程度の湾曲形状(湾曲凸形状)を有して構成されていることが好ましい。
上記曲率半径Rの値が上記の範囲内であることで、針30に被穿刺体を穿刺したときに角部の欠損が生じ難くなるとともに、針の穿刺性を良好とすることができる。
さらに、上記の針30の先端部37以外に、針30の胴部31を構成している角部(図面では四角形状の角部)も研磨加工により丸められていることが望ましい。この場合、針30の胴部31における角部は、曲率半径Rが75μm超125μm以下程度の湾曲形状(湾曲凸形状)を有して構成されていることが好ましい。上記曲率半径Rの値が上記範囲内であれば、角部の欠損をより防止することができる。
平板状の基部20は、この基部20にホルダー等を取り付けて角部が覆われた状態で角部が露出しないような使用の仕方であれば、特に基部20の角部の研磨加工は必要ないが、使用に際して角部が露出する場合には、研磨加工により角部を丸めておくことが望ましい。また、研磨加工操作の簡便さを図るために、平板状の基部20および針30を含む針状物部材10の全体を一括的に研磨加工して、すべての角部を丸めておくようにしてもよい。
第3の実施形態における針状物部材10の平板状の基部20の大きさや、針状物部材10の針30の大きさ等については、上述した第1の実施形態の場合と同様にすればよい。コーティング層等の形成についても同様である。
なお、上述してきた第1〜第3の実施形態における針状物部材10は、針30を1本のみ形成する場合について説明してきたが、この形態に限定されることなく2本以上の複数本の針30を備える針状物部材10の形態であってもよい。また、複数本の針30を備える針状物部材10を複数枚、直接あるいはスペーサを介して積層・一体化させて用いることもできる。
また、上述してきた第1〜第3の実施形態における針状物部材10は、通常、1枚の金属薄板から多数個取りできるようにパターン形成されエッチング加工される。
次いで、上述してきた針30および基部20を有する針状物部材10の製造例について説明する。
まず、上述した第1の実施形態における針状物部材10の製造方法について図6を参照しつつ説明する。図6(A−1)〜(E−1)は、針状物部材を製造する過程を経時的に説明するための平面図(X−Y面)であり、図6(A−2)〜(E−2)は、それぞれ、図6(A−1)〜(E−1)に対応した正面図(X−Z面)である。
(第1の実施形態における針状物部材10の製造方法)
本発明において、基部20から突出した針30を有する針状物部材10は、好適には、以下の工程を経て製造される。すなわち、(1)金属薄板を準備する工程と、(2)金属薄板の主平面にマスクを形成した後、金属薄板の露出部分をエッチングして平板状の基部とその基部から一体的に突出した針を備える針状物部材を形成する針状物部材加工工程と、(3)針状物部材加工工程により形成された針状物部材に対して角部を丸めることができる研磨処理工程と、を有し構成される。
<金属薄板を準備する工程>
図6(A−1)および図6(A−2)に示されるように、囲う前のベースとなる金属薄板として、圧延加工により圧延処理された金属薄板19が準備される。
図6(A−1)に示される平面図において、金属薄板19の主平面19aが現われており、図6(A−2)に示される正面図において、金属薄板の厚さTpが現われている(対向する主平面19a,19b間距離が相当)。金属薄板の厚さTpは、一般に、針状物部材10の基部20の厚さTや針30の胴部31の厚さtと同じとされる(図1参照)。金属薄板19は、予め脱脂洗浄処理しておくことが望ましい。次工程におけるフォトレジスト膜の密着性を向上させ、品質・仕上がりを向上させるためである。
なお、準備される金属薄板の厚さTpは、50〜250μm程度とされる。
また、この金属薄板19を準備する工程において、後に形成する針30の軸方向Nd(長手方向)が、金属薄板19の圧延加工の圧延方向に対して実質的に直角方向に向くように、配慮しておくことが望ましい。
<基部から一体的に突出した針を備える針状物部材を形成する針状物部材加工工程>
図6(B−1)および(B−2)に示されるように、金属薄板の両主平面19aにそれぞれマスク形成のためのフォトレジスト膜80が形成される。フォトレジスト膜80は塗布形成してもよいし、フィルム状のフォトレジスト膜80を貼り付けるようにしてもよい(いわゆるラミネート)。フォトレジスト膜80はネガ型、ポジ型、いずれであってもよい。
フォトレジスト膜80がネガ型の場合、露光部分が現像液に対して不溶解性となり、現像後に露光部分が残る。フォトレジスト膜80がポジ型の場合、露光部分が現像液に対して溶解し、現像後に未露光部分が残る。図示例では、ネガ型の場合を示している。
次いで、図示していないが、フォトレジスト膜80の上に、露光用のパターンが形成されたパターンフィルム原版を配置し、露光処理が行われる。次いで、現像処理を行うことによって、図6(C−1)および(C−2)に示されるマスクパターンが形成される。すなわち、フォトレジストの現像処理が行われ、現像後、露光部分が所定のパターンの(レジスト)マスク85として残り、露光されていない箇所は、レジストが除去されて金属薄板19の表面19aが露出する。なお、図6(C−2)に示されるマスクパターンは、図6(C−1)のα1−α1線矢視断面であり針30が位置する断面図として見て頂きたい。
次いで、図6(D−1)および(D−2)に示されるように、エッチング処理が行われる。すなわち、マスキングされた金属薄板19をエッチング液に浸漬させることによって、上記の現像操作で露出された金属薄板19の部分だけがエッチングされて、所望の形状に金属薄板が加工される。エッチング液は、使用する金属薄板の種類に応じて適宜選定するようにすればよい。なお、図6(D−2)は、図6(D−1)のα2−α2線矢視断面であり針30が位置する断面図として見て頂きたい。
このようなエッチング加工の際、図1〜図3に示されるような針先端形状を形成するためには、金属薄板19の対向する面を別々にエッチング加工して、板の中位点を張り出すように残肉させることが必要になる。初めに一方の面側からエッチング加工を行い、その際にもう一方の面側までエッチングが進行しないようにする。次いで、初めにエッチング加工した面側に、液体レジストコーティング或いはドライフィルムレジストによる耐エッチング皮膜を予め形成させる。その後、もう一方の面側からエッチングを行うことで、初めにエッチング加工された形状を当該耐エッチング皮膜によって維持しながら、もう一方の面側のエッチング加工を行うことができる。
なお、針胴部31の側面や基部20の側面においては、必ずしも板の中位点を張り出すように形成する必要はない。この場合、前記パターンフィルム原版として、例えば、針胴部31や基部20のパターンの外周を取り囲むようにして島状のダミーパターンを形成したものを使用すれば、針胴部31の側面や基部20の側面でエッチングの進行が抑制され、当該部分において板の中位点が張り出さないようにすることができる。
次いで、図6(E−1)および(E−2)に示されるように、エッチング処理後に金属薄板19に残っているレジスト(マスク)85を除去し、洗浄・乾燥することによって、針状物部材10の原物(オリジナル)が形成される(例えば、図3の針状物部材10の原物(オリジナル)が形成される)。なお、図6(E−2)は、図6(E−1)のα3−α3線矢視断面であり針30が位置する断面図として見て頂きたい。
なお、上記の針状物部材形成工程におけるエッチングは、好適例としてウェットエッチングを挙げて説明したが、金属薄板の肉厚が極めて薄いものであれば、反応性気体やイオン、ラジカルを用いたドライエッチングを採用することもできる。
<研磨処理工程>
針状物部材形成工程を経てエッチング形成された針状物部材10の原物(オリジナル)に対して研磨処理が行われる。この研磨処理によって、金属薄板の減肉がなされるとともに針状物部材の角部を丸めることができる。
研磨処理の好適例としては、化学研磨処理および電解研磨処理を挙げることができ、上記研磨処理として化学研磨処理および電解研磨処理のいずれか一方が行われてもよいし、両方が行なわれてもよい。化学研磨処理および電解研磨処理の両方が行われる場合、それらの処理の順番は特に限定されるものではないが、電解研磨処理が行われた後に、化学研磨処理が行われることが好ましい。
化学研磨処理は、被研磨物をある特定の酸、アルカリ、塩類により構成された研磨液に浸漬し、その溶解作用により、被研磨物表面を平滑化、光沢化させる処理である。電解研磨処理は、被研磨物をプラス側にして電解液を介して直流電流を流し、金属表面を溶解させることで研磨効果を得る方法である。
化学研磨処理は、電解研磨処理に比べて、重量、厚みなどの変化量のコントロールが容易であり、減肉量(研磨量)の均一化が図りやすいというメリットがある。この一方で、電解研磨では、角部を集中的に研磨できるというメリットがある。
このような研磨処理工程による減肉量(研磨量)は、目的とする針先端形状に応じて適宜設定することができ、特に、限定されるものではない。
このような研磨処理工程の後に、さらに針表面をコーティングするコーティング工程が設けられてもよい。コーティング工程により形成されるコーティング層は、PVD法若しくはCVD法のようなドライプロセス、或いはめっき法やコーティング法のようなウェットプロセスによって形成することができる。PVD法で形成されるコーティング層としては、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、TiAlN(窒化チタンアルミ)、CrN(窒化クロム)などが挙げられる。CVD法で形成されるコーティング層としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などが挙げられる。めっき法で形成されるコーティング層としては、ニッケル、金、銀、パラジウム、クロムなどが挙げられる。コーティング法で形成されるコーティング層としては、フッ素樹脂などが挙げられる。
次いで、図4〜図5に示されるような第2の実施形態における針状物部材10の製造方法について説明する。
(第2の実施形態における針状物部材10の製造方法)
図4〜図5に示されるような第2の実施形態における針状物部材10の製造方法において、基本的な一連の製造方法の流れは、上述した第1の実施形態における針状物部材10の製造方法に準ずるものである。
しかしながら、図5に示されるように、第2の実施形態における針状物部材10の針30の先端部36における尖った頂点36aは、針30の胴部31における対向平面31a,31bの一方の平面31b側に存在するように形成される。図5に示されるごとく針先端形状は、予めフォトリソグラフィーによってパターニング形成された金属薄板の両側から、同時にエッチングを行うことで形成することができる。この際、フォトリソグラフィーによってパターニングする際に使うマスクの設計値を適宜調整することにより、第3の稜線36cの最上点(頂点36a)と最下点との高低差G2(図4参照)を所望の値とすることができる。より具体的には、図5に示される形状をエッチングにより形成するには、図7(A),(B)に示されるように、針30の先端部に形成するマスクの先端位置を互いにずらすようにすればよい。これにより、針の先端部においてマスクが形成された領域の大きい側に尖った頂点36aが形成される。
このような加工操作によって、図5に示されるように第2の実施形態における針状物部材10の針30の先端部36の形状を形成することができる。
続いて、図8〜図9に示されるような第3の実施形態における針状物部材10の製造方法について説明する。
(第3の実施形態における針状物部材10の製造方法)
図8〜図9に示されるような第3の実施形態における針状物部材10の製造方法において、基本的な一連の製造方法の流れは、上述した第1の実施形態における針状物部材10の製造方法に準ずるものである。
第3の実施形態においては、研磨処理工程にて、針30の先端部37における角部の曲率半径Rが、基部20の厚さの1/2以上、特に3/5以上となるように研磨加工を行うのが好ましい。より具体的には、上記角部が曲率半径R75μm超125μm以下程度の湾曲形状(湾曲凸形状)となるように研磨処理を行うのが好ましい。このような研磨処理としては、電解研磨処理後に、化学研磨処理を行うのが好ましい。これにより、図8〜図9に示されるように第3の実施形態における針状物部材10の針30の先端部36の形状を形成することができる。
以下に具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
〔実施例1〕第1の実施形態における針状物部材10の作製
原材料となる厚さt=150μmのステンレス製金属薄板19を準備し、この金属薄板19の両主平面に、それぞれ、厚さ15μmのネガ型フォトレジストフィルムを貼り付けた。
次いで、フォトレジストフィルムの上に、露光用のパターンが形成されたパターンフィルム原版を配置し、露光処理を行った。なお、針の長手方向が金属薄板の圧延方向に対して直角方向を向くように、針状物部材の針(針の長手方向長さ=10mm)を配置した。また、金属薄板の圧延方向に沿って24本の針(ピッチ=0.4mm)を配置した。
次いで、現像処理して所定パターンのマスクを形成した後、エッチング液として、塩化鉄(II)溶液を用いて、エッチング処理を行った後、残余のレジスト(マスク)を除去し、洗浄・乾燥することによって、図1〜3に示されるごとく形態を有する針状物部材10の原物(オリジナル)を得た。
なお、エッチング処理に際しては、第1の実施形態における針状物部材10の特殊な針先形状を形成するために、下記の操作を行なった。
まず、金属薄板上のマスクが形成された面のうち、一方の面側からエッチングを行い、もう一方の面側に貫通する前にエッチングを中止した。その後、既に形成されたエッチング部である、パーシャルエッチング部を被覆するようにドライフィルムレジストを貼付した。この際、当該パーシャルエッチング部への気泡が残留しないように、真空ラミネート方式を採用した。
その後、金属薄板のもう一方の面側からエッチングを行った。これにより、すでにドライフィルムレジストで被覆されている前記パーシャルエッチング形状は維持されながら、前記もう一方の面側から形成されたエッチング形状との接続部において貫通孔が形成され、最終的に、金属薄板の板厚方向中位点に金属張り出しのある断面形状を得ることができた。
このようにして形成した、針状物部材10の原物(オリジナル)に対して下記の要領で電解研磨処理を行った。減肉量は厚さにして5μmとした。
(研磨液および研磨処理条件)
陰極側に白金部材を取り付け、陽極側に当該針状物部材10を取り付け、塩酸10%、30℃の水溶液に浸漬し、電流密度dk=3で、電解研磨処理を行った。処理時間としては、3分程度とした。
このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=5μm程度、針の胴部の曲率半径R=7μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例2〕
実施例1により形成した針状物部材10の原物(オリジナル)に対し、電解研磨処理時間を短くし(1分50秒程度)、減肉量を厚さにして3μmとした以外は、実施例1と同様にして電解研磨処理を行った。このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=2μm程度、針の胴部の曲率半径R=5μm程度)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例3〕
実施例1により形成した針状物部材10の原物(オリジナル)に対し、電解研磨処理時間を長くし(6分程度)、減肉量を厚さにして10μmとした以外は、実施例1と同様にして電解研磨処理を行った。このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=12μm程度、針の胴部の曲率半径R=20μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例4〕
実施例1により形成した針状物部材10の原物(オリジナル)に対し、電解研磨処理時間を長くし(18分程度)、減肉量を厚さにして30μmとした以外は、実施例1と同様にして電解研磨処理を行った。このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=50μm程度、針の胴部の曲率半径R=70μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例5〕第2の実施形態における針状物部材10の作製
原材料となる厚さt=150μmのステンレス製金属薄板19を準備し、この金属薄板19の両主平面に、それぞれ、厚さ15μmのネガ型フォトレジストフィルムを貼り付けた。
次いで、フォトレジストフィルムの上に、露光用のパターンが形成されたパターンフィルム原版を配置し、露光処理を行った。なお、針の長手方向が金属薄板の圧延方向に対して直角方向を向くように、針状物部材の針(針の長手方向長さ=10mm)を配置した。また、針先に形成したマスク位置を図7(A),(B)に示すごとく、5μmずらした。さらに、金属薄板の圧延方向に沿って24本の針(ピッチ=0.4mm)を配置した。
次いで、現像処理をして所定パターンのマスクを形成した後、エッチング液として、塩化鉄(II)溶液を用いて、エッチング処理を行った後、残余のレジスト(マスク)を除去し、洗浄・乾燥することによって、図4〜5に示されるごとく形態を有する針状物部材10の原物(オリジナル)を得た。
なお、第2の実施形態における針状物部材10の特殊な針先形状を形成するために、マスク上の所定パターンを転写するための露光工程において、針状物部材の針先方向に、マスクを5μmずらすように露光装置のアライメント位置を意図的にずらすことで形成が可能となった。
このようにして形成した、針状物部材10の原物(オリジナル)に対して下記の要領で電解研磨処理を行った。減肉量は厚さにして5μmとした。
(研磨液および研磨処理条件)
陰極側に白金部材を取り付け、陽極側に当該針状物部材10を取り付け、塩酸10%、30℃の水溶液に浸漬し、電流密度dk=3で、電解研磨処理を行った。処理時間としては、3分程度とした。
このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=7μm程度、針の胴部の曲率半径R=15μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例6〕第3の実施形態における針状物部材10の作製
原材料となる厚さt=200μmのステンレス製金属薄板19を準備し、この金属薄板19の両主平面に、それぞれ、厚さ15μmのネガ型フォトレジストフィルムを貼り付けた。
次いで、フォトレジストフィルムの上に、露光用のパターンが形成されたパターンフィルム原版を配置し、露光処理を行った。なお、針の長手方向が金属薄板の圧延方向に対して直角方向を向くように、針状物部材の針(針の長手方向長さ=10mm)を配置した。また、金属薄板の圧延方向に沿って24本の針(ピッチ=0.4mm)を配置した。
次いで、現像処理して所定パターンのマスクを形成した後、エッチング液として、塩化鉄(II)溶液を用いて、エッチング処理を行った後、残余のレジスト(マスク)を除去し、洗浄・乾燥することによって、針状物部材10の原物(オリジナル)を得た。
なお、エッチング処理に際しては、第3の実施形態における針状物部材10の特殊な針先形状を形成するために、下記の操作を行なった。
まず、金属薄板上のマスクが形成された面のうち、一方の面側からエッチングを行い、もう一方の面側に貫通する前にエッチングを中止した。その後、既に形成されたエッチング部である、パーシャルエッチング部を被覆するようにドライフィルムレジストを貼付した。この際、当該パーシャルエッチング部への気泡が残留しないように、真空ラミネート方式を採用した。
その後、金属薄板のもう一方の面側からエッチングを行った。これにより、すでにドライフィルムレジストで被覆されている前記パーシャルエッチング形状は維持されながら、前記もう一方の面側から形成されたエッチング形状との接続部において貫通孔が形成され、最終的に、金属薄板の板厚方向中位点に金属張り出しのある断面形状を得ることができた。
このようにして形成した、針状物部材10の原物(オリジナル)に対して下記の要領で電解研磨処理を行った後、化学研磨処理を行った。2段階の研磨処理による減肉量は厚さにして50μmとした。
(研磨液および研磨処理条件)
陰極側に白金部材を取り付け、陽極側に当該針状物部材10を取り付け、塩酸10%、30℃の水溶液に浸漬し、電流密度dk=3で、電解研磨処理を行った。処理時間としては、3分程度とした。その後、硫酸10%、35℃の水溶液に浸漬し、化学研磨処理を行った、処理時間としては、10分程度とした。
このようにして形成した針状物部材10は角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=80μm、針の胴部の曲率半径R=100μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔実施例7〕
実施例6により形成した針状物部材10の原物(オリジナル)に対し、電解研磨処理時間及び化学研磨処理時間を長くし(電解研磨処理:6分程度,化学研磨処理:20分程度)、2段階の研磨処理による減肉量を厚さにして60μmとした以外は、実施例6と同様にして電解研磨処理を行った後、化学研磨処理を行った。このようにして形成した針状物部材10は適度に角部が丸められており(針の先端部の曲率半径R=95μm程度、針の胴部の曲率半径R=120μm程度,針の長手方向長さ=10mm,針のピッチ=0.4mm)、しかも穿刺性および強度に優れていることが確認できた。
〔試験例1〕
一般生菌数測定用の標準寒天培地顆粒(日水製薬社製)を所定量の水に溶解させて得た寒天培地(培地硬度:0.6kg/cm2)に対し、上記実施例1〜7の針状物部材10の針の全長(10mm)を一定速度(穿刺速度:0.5mm/sec)で穿刺し、穿刺開始から穿刺完了までの間に寒天培地にかかる荷重の最大値を、電子天秤を用いて測定した。
また、比較例1として、実施例1にて形成された針状物部材10の原物(オリジナル)を用い、上記と同様にして寒天培地にかかる荷重の最大値を、電子天秤を用いて測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0006273827
表1に示すように、実施例1〜7の針状物部材10においては、寒天培地にかかる最大荷重が1.25〜2.71gであるのに対し、比較例1では当該最大荷重が3.96gであり、針状物部材の針の先端部や胴部の角部を丸めることにより、当該最大荷重を30〜70%程度にまで低減可能であることが確認された。特に、電解研磨処理を行った後に化学研磨処理を行い、針の先端部の角部の曲率半径を75μm超とすることで、寒天培地にかかる最大荷重を30%程度にまで低減可能であることが確認された。このことから、針状物部材の針の先端部や胴部の角部を丸めることにより、当該針状物部材を有して構成される穿刺器具により穿刺されたときに、被穿刺物が変形し難くなることが判明した。
上述してきた本発明の穿刺器具の製造方法は、金属薄板を準備する工程と、金属薄板の主平面にマスクを形成した後、金属薄板の露出部分をエッチングして平板状の基部とその基部から一体的に突出した針を備える針状物部材を形成する針状物部材加工工程と、前記針状物部材加工工程により形成された針状物部材に対して角部を丸めることができる研磨処理工程とを有し、構成されるので、加工精度や生産性に優れ、しかも穿刺性や強度に優れた針を備える穿刺器具を提供することができる。
例えば、医療分野や、電子部品、化学製品等の分野等において、利用可能である。
1…穿刺器具
10…針状物部材
20…基部
30…針
31…針の胴部
35,36…針の先端部

Claims (23)

  1. 金属薄板を準備する工程と、
    前記金属薄板の主平面にマスクを形成した後、前記金属薄板の露出部分をエッチングして平板状の基部とその基部から一体的に突出した針を備える針状物部材を形成する針状物部材加工工程と、
    前記針状物部材加工工程により形成された前記針状物部材に対して研磨処理を行い、少なくとも前記針の先端部を構成する角部を丸める研磨処理工程と
    を有し、
    前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部は、前記基部から最も離れた頂点と、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して連続する2つの第1の稜線とを含む前記角部を有し、
    前記研磨処理工程において、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記頂点および前記第1の稜線を丸めることを特徴とする穿刺器具の製造方法。
  2. 前記研磨処理が、化学研磨処理および/または電解研磨処理である請求項1に記載の穿刺器具の製造方法。
  3. 前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、2〜75μmである請求項1または請求項2に記載の穿刺器具の製造方法。
  4. 前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、前記研磨処理工程後の前記基部の板厚の1/2以上である請求項1または請求項2に記載の穿刺器具の製造方法。
  5. 前記研磨処理工程により丸められた前記角部の曲率半径Rは、75μm超125μm以下である請求項4に記載の穿刺器具の製造方法。
  6. 記針状物部材は、前記頂点および前記2つの第1の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と平行となるように形成される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の穿刺器具の製造方法。
  7. 前記針状物部材は、前記針の先端部における頂点が、前記針の胴部を構成する対向する平面の間の中位点を通る平面に存在するように形成される請求項6に記載の穿刺器具の製造方法。
  8. 前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部を構成する前記角部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して連続する2つの第2の稜線をさらに含み
    前記針状物部材は、前記頂点および前記2つの第2の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交するように形成され
    前記研磨処理工程において、前記頂点および前記第1の稜線とともに、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記第2の稜線を丸める請求項6または請求項7に記載の穿刺器具の製造方法。
  9. 前記針状物部材は、前記針の先端部における頂点が、前記平板状の基部を構成する対向する平面のうちの一方の平面側に存在するように形成される請求項6に記載の穿刺器具の製造方法。
  10. 前記針状物部材加工工程において形成される前記針の先端部を構成する前記角部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに、前記頂点から前記平板状の基部を構成する前記対向する平面のうちの他方の平面側に向かって延びる1つの第3の稜線をさらに含み
    前記針状物部材は、前記頂点および前記第3の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交するように形成され、
    前記研磨処理工程において、前記頂点および前記第1の稜線とともに、前記針の先端部を構成する前記角部としての前記第3の稜線を丸める請求項9に記載の穿刺器具の製造方法。
  11. 前記針の先端部は、断面の外周線が外側に凸となる線のみで形成される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の穿刺器具の製造方法。
  12. 前記準備された金属薄板は、圧延加工により薄板形状に形成されたものであり、当該圧延加工の圧延方向に対して前記針の長手方向が直角方向に向くように、前記針状物部材加工工程が行われる請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の穿刺器具の製造方法。
  13. 前記研磨処理工程の後に、さらに針表面をコーティングするコーティング工程が設けられる請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の穿刺器具の製造方法。
  14. 圧延加工された金属薄板をエッチング加工して形成した針状物部材を有する穿刺器具であり、
    前記針状物部材は、平板状の基部と、その基部から一体的に突出形成された針と、を有し、
    前記針の先端部は、前記基部から最も離れた頂点と、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して不連続の2つの第1の稜線とを有し、
    前記頂点および前記2つの第1の稜線は、丸められた形状を有し、
    前記頂点および前記2つの第1の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と平行であることを特徴とする穿刺器具。
  15. 前記針の先端部における頂点は、前記針の胴部を構成する対向する平面の間の中位点を通る平面に存在する請求項14に記載の穿刺器具。
  16. 前記針の先端部は、前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに前記頂点を間に挟むようにして対向し、前記頂点を介して不連続の2つの第2の稜線を有し、
    前記2つの第2の稜線は、丸められた形状を有し、
    前記頂点および前記2つの第2の稜線により規定される平面が、前記平板状の基部の主平面と直交する請求項14または請求項15に記載の穿刺器具。
  17. 前記針の先端部における頂点は、前記平板状の基部を構成する対向する平面のうちの一方の平面側に存在する請求項14に記載の穿刺器具。
  18. 前記頂点から前記基部に向かって前記針の長手方向に沿って前記頂点を見たときに、前記頂点から前記平板状の基部を構成する前記対向する平面のうちの他方の平面側に向かって延びる1つの第3の稜線を有し、
    前記第3の稜線は、丸められた形状を有し、
    前記頂点および前記第3の稜線により規定される平面が、平板状の基部の主平面と直交する請求項17に記載の穿刺器具。
  19. 前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、2〜75μmである請求項14ないし請求項18のいずれかに記載の穿刺器具。
  20. 前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、前記基部の板厚の1/2以上である請求項14ないし請求項18のいずれかに記載の穿刺器具。
  21. 前記頂点および前記稜線が位置する角部の曲率半径Rは、75μm超125μm以下である請求項20に記載の穿刺器具。
  22. 前記針は、その長手方向が、前記圧延加工の圧延方向に対して直角方向となるように形成されている請求項14ないし請求項21のいずれかに記載の穿刺器具。
  23. 前記針は、その表面にコーティング層を有する請求項14ないし請求項22のいずれかに記載の穿刺器具。
JP2013264934A 2012-12-28 2013-12-24 穿刺器具およびその製造方法 Active JP6273827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013264934A JP6273827B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 穿刺器具およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012288142 2012-12-28
JP2012288142 2012-12-28
JP2013264934A JP6273827B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 穿刺器具およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014140642A JP2014140642A (ja) 2014-08-07
JP6273827B2 true JP6273827B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=51422493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013264934A Active JP6273827B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-24 穿刺器具およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6273827B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6623536B2 (ja) * 2015-03-30 2019-12-25 大日本印刷株式会社 針状物部材及び穿刺器具
WO2017061387A1 (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 学校法人早稲田大学 試料採取システム
CN112547462B (zh) * 2020-11-23 2022-12-09 重庆大学 一种采样针表面耐磨超疏水涂层的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006010421A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Gunma Prefecture 超小型針及びその製造方法
EP1671585A1 (de) * 2004-12-17 2006-06-21 F. Hoffmann-La Roche Ag Verfahren zur Herstellung eines Stechelements
FR2881353B1 (fr) * 2005-02-03 2008-12-05 Vygon Sa Perfectionnement aux embouts de ponction et aux tubes catheters
JP4997456B2 (ja) * 2006-04-27 2012-08-08 有限会社リバー精工 内視鏡用注射具
NL2001718C2 (nl) * 2008-06-24 2009-12-28 Needle Holding B V U Micronaald, micronaaldarray en fabricagewerkwijze daarvoor.
JP2010015113A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Nikon Corp 尖頭形状部の形成方法及び微細構造体の製造方法
JP5668192B2 (ja) * 2010-03-10 2015-02-12 株式会社ライトニックス 医療用針及び穿刺具
JP2012030009A (ja) * 2010-08-03 2012-02-16 Terumo Corp 穿刺針およびその製造方法
JP5613493B2 (ja) * 2010-08-10 2014-10-22 学校法人 関西大学 微細針を作製するための鋳型の製造方法および微細針の作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014140642A (ja) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6939732B2 (ja) 蒸着マスク、蒸着マスク装置、蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク装置の製造方法および蒸着方法
JP6273827B2 (ja) 穿刺器具およびその製造方法
US20200399770A1 (en) Metal mask substrate for vapor deposition, metal mask for vapor deposition, production method for metal mask substrate for vapor deposition, and production method for metal mask for vapor deposition
TWI766114B (zh) 蒸鍍遮罩用基材、蒸鍍遮罩用基材的製造方法、蒸鍍遮罩的製造方法及顯示裝置的製造方法
TWI774702B (zh) 蒸鍍遮罩
CN107208251A (zh) 蒸镀掩模的制造方法和蒸镀掩模
JP2017056289A (ja) 注射針とその製造方法
JP2007046147A (ja) 電鋳型とその製造方法及び電鋳部品の製造方法
TWI491890B (zh) 製造複數個微探針之方法
WO2010087455A1 (ja) スクリーン印刷用メッシュ部材
US20190112699A1 (en) Vapor deposition mask substrate, vapor deposition mask substrate manufacturing method, vapor deposition mask manufacturing method, and display device manufacturing method
CN108910818A (zh) 一种柔性聚合物表面上金属纳米裂纹的制造方法
WO2020217936A1 (ja) ガラス板の製造方法、及びガラス板、並びにガラス板集合体
Zaki et al. Electropolishing and shaping of micro-scale metallic features
KR102038275B1 (ko) 증착 마스크용 기재, 증착 마스크용 기재의 제조 방법, 증착 마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
KR20110094261A (ko) 금속 나노 링 패턴을 이용한 나노 구조물의 제조 방법
TWI378084B (en) Method for flattening glass substrate
JP4650113B2 (ja) 積層構造体、ドナー基板、および積層構造体の製造方法
JP6623536B2 (ja) 針状物部材及び穿刺器具
JP2009256164A (ja) メタルマスクおよびその製造方法、ならびに、ガラス成形型およびその製造方法
JP2016144430A (ja) 細胞培養用冶具
JP2010172841A (ja) 金属フィルタの製造方法および金属フィルタ
JP5579605B2 (ja) 成形金型および成形金型の製造方法
JP2002266094A (ja) めっきもしくは電鋳方法および試験試料の作成方法並びに前記めっきもしくは電鋳方法により作成しためっきの密着性改善方法
TW201325884A (zh) 光學薄膜壓印滾輪及該滾輪之製作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6273827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150