以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態における印刷設定変換システム1の構成概念を示す図である。この印刷設定変換システム1は、複数の情報処理装置2,3と、プリンタ5とを備えて構成されるネットワークシステムであり、例えばオフィスなどにおいて印刷出力を行うために構築されるシステムである。この印刷設定変換システム1では、複数の情報処理装置2,9及びプリンタ5のそれぞれが、LAN(Local Area Network)などのネットワーク4を介して有線又は無線によるデータ通信を行うことが可能である。情報処理装置2,3は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ(PC)によって構成される。情報処理装置2は管理者によって使用される装置であり、管理者による指示操作に基づいて他の情報処理装置3にインストールするプリンタドライバを作成する。また情報処理装置3はユーザーによって使用される装置であり、情報処理装置2において作成されたプリンタドライバをインストールし、そのプリンタドライバを起動することにより、プリンタ5に対して出力する印刷ジョブを生成する。そしてプリンタ5は、ネットワーク4を介して受信する印刷ジョブに基づいて印刷出力を行う。尚、図例では、ネットワーク4に接続される出力デバイスとしてMFPなどで構成されるプリンタ5を例示しているが、これに限定されるものではなく、プリンタ専用装置であっても構わない。
印刷設定変換システム1において、管理者は、情報処理装置2を操作することによりプリンタ5において印刷出力が行われる際の印刷設定に制限を課したプリンタドライバを作成し、ネットワーク4を介してユーザーの情報処理装置3にそのプリンタドライバをインストールする。そして、プリンタドライバがインストールされた情報処理装置3は、管理者によって制限された特定印刷設定によってのみプリンタ5から出力することができる。
管理者は、前記プリンタドライバ作成において、印刷出力が行われる際の制限を課した特定印刷設定を入力する。特定印刷設定とは、プリンタ5での印刷ジョブの実行を許可する印刷設定である。例えばコスト管理等を目的として、プリンタ5においてA4サイズの用紙のみでの印刷出力を許可し、他の用紙サイズでの印刷出力を禁止する場合には、管理者は、特定印刷設定としてA4サイズだけを入力し、他の用紙サイズでの印刷出力を制限する。また、管理者は、ユーザーがドキュメント等を作成、編集する際のドキュメント設定として選択可能なドキュメント設定を入力する。このとき、管理者は、特定印刷設定に対応するドキュメント設定と、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定とを含む複数のドキュメント設定を入力する。例えば、上述のように特定印刷設定としてA4サイズを指定した場合、管理者は、ユーザーが選択可能なドキュメント設定として、A4サイズと他の用紙サイズとを含む複数の用紙サイズを入力する。これらの設定は、例えば管理者が情報処理装置2のドライバプロパティ画面上で入力することができる。そして、情報処理装置2は、プリンタドライバを送信するとき、特定印刷設定に対応するドキュメント設定を含む複数のドキュメント設定を選択候補設定として、特定印刷設定とともに、ネットワーク4を介してユーザーの情報処理装置3に送信する。これにより、情報処理装置3は、情報処理装置2から送信されるプリンタドライバをインストールし、特定印刷設定および選択候補設定をそのプリンタドライバとともに保存する。
情報処理装置3は、情報処理装置2から送信される特定印刷設定および選択候補設定に基づき、選択候補設定に含まれる複数のドキュメント設定のそれぞれから特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成するための変換情報を生成し、選択候補設定に付加する。これについては、後ほど詳説する。
図2は、本実施形態における印刷設定変換システム1のハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。尚、図2では、管理者が使用する情報処理装置2の図示を省略しているが、情報処理装置3と同様の構成を備えるものである。
図2に示すように、情報処理装置3は、ハードウェア構成として、CPU10と、記憶部11と、表示装置30と、操作入力装置31とを備えている。CPU10は、情報処理装置3にインストールされているプログラムを読み出して実行する。記憶部11はハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶手段である。表示装置30は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、各種情報を表示する。操作入力装置31は、キーボードやマウスなどを備えて構成され、ユーザーによる各種操作入力を受け付けるものである。
記憶部11には、情報処理装置3に予めインストールされる各種プログラムが記憶されている。すなわち、記憶部11には、ドキュメントアプリケーションやプレゼンテーションアプリケーション、電子メールアプリケーションなどのアプリケーションプログラム25と、登録情報27と、変換テーブル28とが予めインストールされている。また、管理者により印刷設定に制限が課され、ネットワーク4を介して情報処理装置3にインストールされる上記プリンタドライバに対応するドライバプログラム26も記憶部11にインストールされている。
ここで登録情報27とは、情報処理装置2から受信する特定印刷設定や選択候補設定などを登録した情報である。この登録情報27には、ユーザーによって指定されたドキュメント設定を特定印刷設定に適合する印刷ジョブに変換するための情報なども登録される。例えば図3に示すように、登録情報27は、ユーザーがドキュメント等の作成、編集に際して選択できる印刷設定である選択候補設定27aと、選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定を特定印刷設定に変換する変換処理を定義した変換情報27bと、変換情報に定義された変換処理の内容をアプリケーション15により表示装置30の表示画面上に表示する表示情報27cを備える。そして、選択候補設定27aは、特定印刷設定に対応するドキュメント設定と特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定を有する。尚、図3では、用紙サイズに関するドキュメント設定が登録された登録情報を例示している。このような登録情報27の生成、変更等については、後ほど選択候補登録部21を説明する際に合わせて説明する。
また変換テーブル28は、任意のドキュメント設定を他のドキュメント設定に変換するための変換処理が多数登録されたテーブル情報である。例えばA4サイズのドキュメント設定を他の用紙サイズ(例えばA1サイズやA2サイズなど)に変換する変換処理や、他の用紙サイズ(例えばA1サイズやA2サイズなど)のドキュメント設定をA4サイズのドキュメント設定に変換する変換処理などが変換テーブル28に予め登録されている。このような変換テーブル28は、例えば管理者が操作する情報処理装置2から予め取得することにより記憶部11に保存されている。変換テーブル28を情報処理装置2から取得するタイミングは、プリンタドライバのインストール時、又は、特定印刷設定や選択候補設定の受信時であっても良い。
図2に戻り、記憶部11にインストールされているアプリケーションプログラム25及びドライバプログラム26がCPU10によって実行されることにより、CPU10は、アプリケーション15及びドライバ16として機能する。
アプリケーション15は、アプリケーションプログラム25の起動に伴って作動し、ユーザーの指示操作に基づいて印刷対象となるドキュメントやプレゼンテーション資料、電子メールなどの作成、編集又は閲覧などの処理を行うものである。このアプリケーション15は、ドキュメントの編集を行う画面を表示装置30に表示し、操作入力装置31に対して行われるユーザーの操作に基づいて様々な編集処理を実行する。このとき、アプリケーション15は、ユーザーによって指定されたドキュメント設定でドキュメントの編集処理を実行する。そしてユーザーによる印刷指示を検知すると、アプリケーション15は、ドライバ16に対し、ユーザーによって指定されたドキュメントを添付した印刷指示を出力する。
ドライバ16は、例えば情報処理装置3の起動に伴ってCPU10がドライバプログラム26を起動することにより機能し、情報処理装置3作動中はCPU10に常駐する。ドライバ16は、特定印刷設定登録部20と、選択候補登録部21と、通知部22と、印刷設定変換部23とを備えている。
特定印刷設定登録部20は、プリンタ5へ出力するための印刷ジョブ生成時に適用される特定印刷設定を印刷設定変換部23に登録する処理部である。この特定印刷設定は管理者により設定されており、各ユーザーが自由に設定、変更できるものではない。
選択候補登録部21は、図3に示す登録情報27を生成し、記憶部11に格納する処理部である。まず、選択候補登録部21は、管理者の操作する情報処理装置2から特定印刷設定および選択候補設定を受信すると、アプリケーション15が起動されたときにユーザーが選択可能となる複数のドキュメント設定を選択候補設定27aとして登録する。このとき、選択候補登録部21は、特定印刷設定に対応するドキュメント設定と、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定とを選択候補設定27aに登録する。
次に、選択候補登録部21は、選択候補設定27aのうち特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定に対して、それらのドキュメント設定から特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成するための変換情報27bを付す。例えば選択候補登録部21は、変換テーブル28に予め多数登録された変換処理から、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定から特定印刷設定に対応するドキュメント設定に変換する変換処理を読み出し、変換情報27bに登録する。尚、特定印刷設定に対応するドキュメント設定については、印刷ジョブ生成時に、ドキュメント設定の変換を行う必要がないため、変換情報27bは付加しない。
さらに、選択候補登録部21は、例えば変換情報27bの定義を解析し、アプリケーション15において表示する表示情報27cを生成し、登録情報27に付加する。この表示情報27cは、特定印刷設定に対応するドキュメント設定とは異なるドキュメント設定を選択した場合に、どのような印刷態様での印刷出力が行われるかをユーザーに提示するための表示情報である。選択候補登録部21は、選択候補設定27a並びにこれに付される変換情報27b及び表示情報27cを、登録情報27として記憶部11に格納する。
なお、上述したとおり、選択候補設定27aは、管理者が操作する情報処理装置2により選択可能なドキュメント設定が入力され、ネットワーク4を介してユーザーの情報処理装置3にデータが保存されることによって、選択候補登録部21により登録される。これに加え、ユーザーは、例えば情報処理装置3のドライバプロパティ画面上にて、選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定の一部を削除し、又は新たなドキュメント設定を追加することが可能である。ユーザーによってドキュメント設定の削除が指示された場合、選択候補登録部21は、登録情報27からユーザーによって指定されたドキュメント設定を選択候補設定27aから削除すると共に、そのドキュメント設定に対応する変換情報27b及び表示情報27cの項目を削除する。ただし、ユーザーは、特定印刷設定に対応するドキュメント設定については削除することができない。またユーザーによってドキュメント設定の追加が指示された場合、選択候補登録部21は、ユーザーによって指定されたドキュメント設定を選択候補設定27aに追加すると共に、変換テーブル28を参照することにより、その追加したドキュメント設定に対応する変換情報27bを読み出して登録情報27に登録すると共に、その変換情報27bに基づいて表示情報27cの項目を追加する。したがって、ユーザーによってドキュメント設定の削除又は追加が行われる都度、選択候補登録部21は、登録情報27を更新する。さらに、ユーザーは、例えば情報処理装置3のドライバプロパティ画面上にて、表示情報27cに含まれる表示情報を変更することも可能である。変更された表示情報は、選択候補登録部21により表示情報27cに反映され、登録情報27が更新される。
通知部22は、アプリケーションプログラム25が実行され、CPU10においてアプリケーション15が機能する時、登録情報27のうち、選択候補設定27a及び表示情報27cをアプリケーション15に通知する処理部である。これにより、アプリケーション15は、その起動時に選択候補設定27a及び表示情報27cをドライバ16から取得することができ、それら選択候補設定27a及び表示情報27cに基づいてユーザーがドキュメント設定を行う際のページ設定画面を表示することができる。また、通知部22は、アプリケーション15により印刷指示が行われ、後述する印刷設定変換部23により該印刷指示に含まれるドキュメント設定が特定印刷設定に適合するよう変換された印刷ジョブが生成された場合、その変換結果をアプリケーション15に通知する処理も行う。
印刷設定変換部23は、アプリケーション15から印刷指示を入力することに伴って機能し、プリンタ5に出力するための印刷ジョブを生成する。この印刷設定変換部23は、アプリケーション15から入力する印刷指示に添付されたドキュメントが、特定印刷設定登録部20によって予め登録された特定印刷設定に対応するドキュメント設定で作成されたものであるか否かを判定する。その結果、特定印刷設定に対応するドキュメント設定とは異なるドキュメント設定でドキュメントが作成されている場合、印刷設定変換部23は、当該ドキュメント設定を特定印刷設定に対応するドキュメント設定に変換して印刷ジョブを生成する。このとき、印刷設定変換部23は、記憶部11から登録情報27を読み出し、ユーザーによって指定されたドキュメント設定に対応する変換情報27bを読み出し、その変換情報27bに基づく変換処理を実行して印刷ジョブを生成することにより、特定印刷設定に対応する印刷ジョブを生成する。尚、特定印刷設定に対応するドキュメント設定でドキュメントが作成されている場合、印刷設定変換部23は、上記のような変換処理を行わず、印刷指示に添付されたドキュメントに基づいて印刷ジョブを生成する。
図4は、情報処理装置3において表示されるアプリケーション15で作成するドキュメントのページ設定画面P1の一例を示す図である。CPU10においてアプリケーションプログラム25が実行され、アプリケーション15として機能すると、通知部22からアプリケーション15に対して、選択候補設定27a及び表示情報27cが通知される。アプリケーション15は該通知を受けると、これらを反映したページ設定画面P1を形成し、表示装置30に表示する。このページ設定画面P1は、印刷の向きを調整するレイアウトR1と、ドキュメント等の拡大印刷又は縮小印刷の設定を行うレイアウトR2と、選択候補設定27a及び表示情報27cに基づく表示を行うレイアウトR3を備える。
レイアウトR1において、ユーザーは、プリンタ5によりドキュメント等が印刷される際の用紙の向きを、縦方向又は横方向のいずれか所望の方向を選択できる。
レイアウトR2において、ユーザーはドキュメント等を拡大又は縮小して印刷するための調整が可能である。ページ設定画面P1のデフォルト画面において、拡大印刷又は縮小印刷を指示するボタンB5が選択されており、印刷用紙に対してドキュメント等を100%の大きさで印刷するよう設定されている。ユーザーは、ボタンB7を連続してクリックすることにより、所望の拡大率又は縮小率を設定することができる。
レイアウトR3は、ドキュメント作成、編集時において用紙サイズに関するドキュメント設定を選択可能とするものである。このレイアウトR3では、例えばデフォルトの用紙サイズとして特定印刷設定に対応するA4サイズが指定された状態となっている。ユーザーは、この用紙サイズを変更したい場合、レイアウトR3の右端に表示されているプルダウンボタンB8をクリックすると、アプリケーション15によりレイアウトR3の下方に、図4に示すようなプルダウンメニューPMが表示される。アプリケーション15は、このプルダウンメニューPMを表示するとき、ドライバ16から取得した選択候補設定27a及び表示情報27cに基づき、ユーザーが選択可能なドキュメント設定として複数のドキュメント設定を表示すると共に、各ドキュメント設定で印刷指示を行った場合にドライバ16で行われる変換処理の内容を表示する。すなわち、アプリケーション15は、プルダウンメニューPMとして、選択候補表示欄D1と、表示情報欄D2とを含むメニューを表示装置30に表示する。選択候補表示欄D1には、登録情報27の選択候補設定27aに予め登録されている複数のドキュメント設定が選択候補としてリスト形式で表示される。また表示情報欄D2には、選択候補表示欄D1に表示された複数のドキュメント設定のうち、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定を特定印刷設定に変換する際にどのような処理が行われるかを示した表示情報27cが表示される。したがって、ユーザーは、ドキュメントの作成、編集を開始するとき、印刷出力時にはどのような出力態様で印刷が行われるかを把握しながら、編集対象のドキュメント設定を行うことが可能である。尚、ユーザーによってA4サイズ以外の用紙サイズが選択されると、レイアウトR3において表示される現在の設定値がユーザーによって選択されたドキュメント設定に変更される。
ユーザーがレイアウトR1乃至R3に対する操作を行い、OKボタンB10上にポインタB6を移動させクリックすると、各レイアウトにおいて選択した設定にドキュメント設定が更新され、該更新されたドキュメント設定によりドキュメント等の作成、編集を行うことができる。これに対して、キャンセルボタンB11上にポインタB6を移動させクリックすると、ドキュメント設定が更新されることなくページ設定画面P1は終了する。
そしてユーザーは、上記のようなページ設定画面P1に対する設定操作を行うことにより、ドライバ16での印刷ジョブ生成時に適用される特定印刷設定にかかわらず、アプリケーション15においては所望のドキュメント設定を選択した上で、ドキュメント等の作成、編集を行うことができる。例えば、本実施形態の例ではプリンタ5でA4サイズによる印刷のみ可能な設定がなされている。しかし、ユーザーは、アプリケーション15に対する編集操作などを行うときには、プルダウンメニューPMにおいて表示される選択候補設定27aに含まれる複数の選択候補のいずれかを選択することにより、プリンタ5で印刷出力が行われるA4サイズ以外の用紙サイズを選択してドキュメント等の作成、編集を行うことが可能となる。すなわち、プリンタ5による印刷出力時の印刷設定を特定印刷設定に制限しつつ、ユーザーがアプリケーション15によりドキュメント等を作成、編集する際には、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定が選択可能である。これにより、ユーザーは、他の出力デバイス(例えばA4サイズ以外の用紙でも出力可能なプリンタ)で出力することを想定してドキュメント等を作成、編集できる。また、ポスターなどドキュメントの用途に応じたサイズのドキュメント設定にて作成、編集できるため、例えばA3サイズのポスターに使用するドキュメントをA4サイズの用紙2枚にポスター印刷する場合などであっても、該ドキュメントを特定の用途に用いる場合の外観や雰囲気等を再現しつつ、用途に適うドキュメントを作成、編集することが可能となる。
次に、ドライバ16がユーザーによる操作に基づいて選択候補設定27aの一部を削除又は追加する場合について説明する。図5は、ユーザーによる選択候補設定27aの一部削除の一例を示す図である。上述したとおり、ユーザーは、例えば情報処理装置3のドライバプロパティ画面上にて、選択候補設定27aに含まれる選択候補を削除する操作を行うことが可能である。ユーザーによる削除操作が行われた場合、ドライバ16において選択候補登録部21が動作する。そして選択候補登録部21は、ユーザーによって削除することが指定されたドキュメント設定を登録情報27から削除し、登録情報27を更新する。図5(a)は、このような削除処理が行われる前の登録情報27を示したものである。例えば図5(a)に示す状態において、ユーザーによってA2サイズのドキュメント設定の削除が指示されると、選択候補登録部21は、登録情報27の選択候補設定27aからA2サイズのドキュメント設定を削除する。これに伴い、選択候補登録部21は、A2サイズに対応する変換情報27b及び表示情報27cを登録情報27から削除する。その結果、登録情報27は、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態へと更新される。選択候補登録部21によって削除処理が行われることにより、図5(b)に示すように、登録情報27における選択候補設定27a、変換情報27b及び表示情報27cのそれぞれからA2サイズに対応する情報が消滅する。これによってユーザーは、自己にとって不要なドキュメント設定を選択候補から予め除外することにより、効率的にドキュメント作成、編集のためのドキュメント設定が可能となる。
図6は、ユーザーによる選択候補設定27aの追加の一例を示す図である。ユーザーが、例えば情報処理装置3のドライバプロパティ画面上にて、図6(a)に示す登録情報27の選択候補設定27aに新たなドキュメント設定を追加する操作を行うと、ドライバ16において選択候補登録部21が動作する。選択候補登録部21は、ユーザーによって指定されたドキュメント設定を新たな選択候補として選択候補設定27aに追加して登録情報27を更新する。また、新たなドキュメント設定を選択候補として追加する際、選択候補登録部21は、記憶部11に保存される変換テーブル28から新たなドキュメント設定を特定印刷設定に変換するための変換処理を読み出し、その変換処理に基づいて変換情報27bを生成し、新たなドキュメント設定に対応する変換情報27bとして登録情報27に付加する。さらに、選択候補登録部21は、その変換情報27bに定義された変換処理の内容を示す表示情報27cを自動で生成して新たなドキュメント設定に対応する表示情報27cとして登録情報27に付加する。例えば、図6の例において、ユーザーによりB5サイズのドキュメント設定が追加されると、選択候補登録部21は、B5サイズのドキュメント設定を新たな選択候補として選択候補設定27aに追加して登録する。そして、選択候補登録部21は、変換テーブル28からB5サイズのドキュメント設定をA4サイズに変換する変換処理「B5→A4(拡大率**%)」を読み出し、変換情報27bとしてB5のドキュメント設定に付加する。また、選択候補登録部21は、追加された変換情報27bを解析し、その変換情報27bに定義された変換処理の内容を示す表示情報27cとして「A4に拡大印刷されます」との表示情報を自動で生成し、B5のドキュメント設定に付加する。そして、図6(b)に示すように、選択候補登録部21は、新たにB5のドキュメント設定並びにこれに付加される変換情報と表示情報を追加して登録情報27を更新する。これによって、ユーザーがドキュメント等の作成、編集時に選択可能なドキュメント設定の範囲が拡大し、ユーザーにとってさらに利便性が向上する。
図7は、ユーザーによる表示情報27cの変更の一例を示す図である。ユーザーが、例えば情報処理装置3のドライバプロパティ画面上にて、図7(a)に示す登録情報27のうち、選択候補設定27aに付加された表示情報27cを変更する操作を行うと、ドライバ16において選択候補登録部21が動作する。選択候補登録部21は、ユーザーによって指定された表示情報27cをユーザーによって指定された表示内容に変更し、その変更後の表示情報27cを登録情報27に上書きすることにより、登録情報27を更新して記憶部11に保存する。例えば、図7(a)の例において、表示情報27cのうちA3サイズのドキュメント設定に付加された「A4×2枚にポスター印刷されます」との表示が、ユーザーにとってどのような印刷出力になるのかが判り難いような場合、ユーザーはその表示内容を変更することができる。例えばユーザーが「A4×2枚に分割して印刷されます」という内容に変更する操作を行った場合、選択候補登録部21は、変更前の表示情報27cを削除し、ユーザーによって入力された表示情報27cをA3サイズのドキュメント設定に対応する表示情報27cとして登録情報27に登録する。その結果、登録情報27は、図7(b)に示すように更新され、その更新後の登録情報27が記憶部11に保存される。これによって、予めインストールされた登録情報27における表示情報27cがユーザーにとって容易に理解できないなどの場合に、ユーザーは表示情報27cを容易に理解可能な表示に変更できるので、より利便性が向上する。
次に、ユーザーが使用する情報処理装置3において登録情報27を生成する手順について説明する。図8は、情報処理装置3において行われる登録情報27の生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は主としてドライバ16の特定印刷設定登録部20および選択候補登録部21において行われる処理である。例えば、この処理は、情報処理装置2からドライバプログラム26のインストールが指示されたときにそのインストール処理と並行して行われる処理であると共に、情報処理装置2から登録情報27を変更する指示を受信したときにはその変更指示に基づいて開始される処理である。
まず、特定印刷設定登録部20は、管理者が操作する情報処理装置2から特定印刷設定を入力したかを検知する(ステップS1)。例えば管理者が情報処理装置2を操作することにより特定印刷設定が入力され、これがネットワーク4を介して情報処理装置3に送信されると、特定印刷設定登録部20は、特定印刷設定の入力を検知する(ステップS1でYES)。この場合、特定印刷設定登録部20は、プリンタ5に出力する印刷ジョブの印刷設定を情報処理装置2から入力した特定印刷設定に制限すべく、印刷設定変換部23にその特定印刷設定を登録する(ステップS2)。これに対して、特定印刷設定の入力を検知しない場合(ステップS1でNO)、入力を検知するまで待機する状態となる。
特定印刷設定を登録すると、次に、選択候補登録部21が機能する。選択候補登録部21は、管理者が操作する情報処理装置2より、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定を入力したかを検知するステップに進む(ステップS3)。選択候補登録部21が、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定の入力を検知しない場合(ステップS3でNO)、入力を検知するまで待機する状態となる。これに対して、選択候補登録部21が、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定の入力を検知した場合(ステップS3でYES)、選択候補登録部21は、そのドキュメント設定を特定印刷設定に対応するドキュメント設定とともに選択候補設定27aとして登録情報27に登録する(ステップS4)。
選択候補設定27aを登録すると、選択候補登録部21は、記憶部11から変換テーブル28を読み出し(ステップS5)、選択候補設定27aに登録したドキュメント設定を特定印刷設定に対応するドキュメント設定に変換して特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成するための処理を定義した変換情報27bを生成し、当該ドキュメント設定に対応する変換情報27bとして登録情報27に登録する(ステップS6)。変換情報27bを登録すると、選択候補登録部21は、その変換情報27bに定義された変換処理を解析して表示情報27cを生成し(ステップS7)、生成した表示情報27cを、当該ドキュメント設定に対応する表示情報27cとして登録情報27に登録する(ステップS8)。選択候補設定27a、並びにこれに付加される変換情報27b及び表示情報27cから登録情報27が生成され(ステップS9)、記憶部11に保存される。以上で、情報処理装置2から受信する情報に基づく登録情報27の登録処理が完了する。
続いてユーザーが情報処理装置2から受信する情報に基づいて登録された登録情報27を変更するための処理へと移行する。選択候補登録部21は、例えばステップS9で記憶部11に保存した登録情報27を読み出し、その登録情報27に登録された情報を表示装置30に表示する。これにより、ユーザーは、表示装置30に表示された情報を確認することにより、選択候補設定27aに登録された複数のドキュメント設定から削除すべきドキュメント設定を指定したり、或いは、更に追加すべきドキュメント設定を指示したりできる。そして選択候補登録部21は、ユーザーによる削除又は追加の指示を検知するステップに進む(ステップS10)。選択候補設定27aに含まれる一部のドキュメント設定について、ユーザーによる削除指示を検知した場合(ステップS10でYES)、選択候補登録部21は、削除指示を受けたドキュメント設定を削除し、選択候補設定27aを更新する。また、選択候補登録部21は、削除されたドキュメント設定に付加された変換情報27b及び表示情報27cも削除する。そして、選択候補登録部21は、かかる変更を反映して登録情報27を更新する(ステップS11)。
同様に、選択候補登録部21が、ユーザーによる新たなドキュメント設定の追加指示を検知した場合(ステップS10でYES)、追加指示を受けたドキュメント設定を選択候補に追加して選択候補設定27aを更新する。また、選択候補登録部21は、追加されたドキュメント設定を変換して特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成する変換処理の定義を変換テーブル28から読み出し、追加されたドキュメント設定に対応する変換処理の定義を変換情報27bとして追加されたドキュメント設定に付加する。さらに、選択候補登録部21は、該変換情報27bに定義された変換処理を解析し、表示情報27cを生成して追加されたドキュメント設定に付加する。そして、選択候補登録部21は、かかる変更を反映して登録情報27を更新する(ステップS11)。
これに対して、選択候補登録部21が選択候補設定27aの一部のドキュメント設定について、削除指示又は新たなドキュメント設定の追加指示を検知しない場合(ステップS10でNO)、ステップS11をスキップする。
さらに、選択候補登録部21は、ユーザーによる表示情報27cの変更指示を検知するステップに進む(ステップS12)。表示情報27cの変更指示を検知した場合(ステップS12でYES)、選択候補登録部21は、変更前の表示情報27cをユーザーによって入力された表示情報27cに変更して表示情報27cを更新する(ステップS13)。これに対して、表示情報27cに含まれる表示について変更指示を検知しない場合(ステップS12でNO)、ステップS13をスキップして登録情報27の生成処理を終了する。
情報処理装置2において上記のような処理が行われることにより、情報処理装置2から受信する情報に基づいて登録情報27を記憶部11に保存することができると共に、登録情報27の保存に伴い、ユーザーは、登録情報27に登録されるドキュメント設定や表示情報27cなどを所望の状態にカスタマイズすることができる。尚、ユーザーによる登録情報27のカスタマイズは、ドライバプログラム26をインストールするタイミングや、情報処理装置2から登録情報27の変更指示を受信したタイミングに限られず、ユーザーが所望する任意のタイミングで行うことができる。その場合、ユーザーによって登録情報27のカスタマイズが指示されると、図8のフローチャートに示したステップS10〜S13の処理だけが行われることになる。
次に、情報処理装置3において、ドライバ16がアプリケーション15にドキュメント設定に関する情報を通知する処理手順を説明する。
図9は、情報処理装置3におけるドキュメント設定に関する情報の通知の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザーが操作する情報処理装置3においてアプリケーション15が起動することにより開始する処理であり、主としてドライバ16の通知部22によって行われる処理である。上述したようにドライバ16は、情報処理装置3に電源が投入されると、それに伴って起動され、CPU10に常駐した状態となっている。そしてユーザーによる操作に基づき情報処理装置3においてアプリケーション15が起動した場合、ドライバ16は、CPU10におけるアプリケーション15の起動を検知する(ステップS20でYES)。尚、ドライバ16による起動検知対象となるアプリケーション15は、ドライバ16に予め設定されていても良い。この場合、ドライバ16は、予め設定されたアプリケーション15がCPU10において起動すると、それを検知し、それ以外のアプリケーションが起動してもそれを検知しない。したがって、ドライバ16は、例えばユーザーがドキュメント編集操作などを行うことが可能な予め設定されたアプリケーション15が起動した場合にのみ、ステップS20においてYESと判断することができる。このようにしてアプリケーション15の起動を検知すると、ドライバ16は、記憶部11に保存されている登録情報27を読み出す(ステップS21)。尚、アプリケーション15が起動していない場合(ステップS20でNO)には、アプリケーション15が起動するまで待機状態となる。
ドライバ16が登録情報27の読み出しを完了すると、通知部22を機能させる。そして通知部22は、登録情報27に含まれる選択候補設定27aとこれに付加された表示情報27cを、アプリケーション15に対して通知する(ステップS22)。
アプリケーション15は、選択候補設定27aと表示情報27cの通知を受けると、例えば図4に示すようなアプリケーション15で作成するドキュメントのページ設定画面P1上に、これらを表示する(ステップS23)。図4の例の場合、ページ設定画面P1のプルダウンメニューPMに存在する選択候補表示欄D1に、選択候補設定27aに登録されている複数のドキュメント設定が表示され、同じくプルダウンメニューPMに存在する表示情報欄D2に表示情報27cに基づく表示がなされる。ユーザーは、表示装置30にてページ設定画面P1を閲覧でき所望のドキュメント設定を選択することができる。アプリケーション15によりプルダウンメニューPMに選択候補設定27aと表示情報27cに基づく表示がなされると、ドライバ16の通知部22による通知処理は終了する。
次に、情報処理装置3においてユーザーによる印刷指示が検知された場合の処理手順を説明する。図10は、情報処理装置3における印刷実行処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザーが操作する情報処理装置3においてドライバ16がアプリケーション15からの印刷指示を検知することにより開始される処理であり、主としてドライバ16の印刷設定変換部23により行われる処理である。
まず、情報処理装置3においてユーザーによる印刷指示が行われると、アプリケーション15からドライバ16に対して印刷指示が出力される。ドライバ16はその印刷指示を検知すると(ステップS30でYES)、印刷設定変換部23を機能させる。印刷設定変換部23は、プリンタ5へ出力する印刷ジョブ生成時に適用すべき特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外の設定が該印刷指示に含まれているか否か判断する(ステップS31)。印刷指示に特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外の設定が含まれていない場合(ステップS31でNO)、印刷設定変換部23は、印刷指示に含まれるドキュメント設定に従い印刷ジョブを生成し(ステップS32)、プリンタ5に対して該印刷ジョブを送信する(ステップS38)。印刷ジョブを受信したプリンタ5は、印刷ジョブに従い印刷を実行して(ステップS39)、印刷実行処理を終了する。
これに対して、アプリケーション15から取得する印刷指示に特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外の設定が含まれている場合(ステップS31でYES)、印刷設定変換部23は、登録情報27に登録されている複数のドキュメント設定の中から、その設定に対応するドキュメント設定を特定し、登録情報27に含まれる変換情報27bに従ってそのドキュメント設定を特定印刷設定に対応するドキュメント設定に変換する(ステップS33)。例えば、特定印刷設定がA4サイズの設定であるのに対し、印刷指示に含まれるドキュメント設定がA3サイズである場合、印刷設定変換部23は、ユーザーの選択に応じて、印刷対象となるドキュメント等をA4サイズに所定の縮小率で縮小印刷する設定に変換するか、或いは前記ドキュメント等の1ページ分を2枚のA4用紙に分割して印刷するポスター印刷の設定に変換するなどの処理を行う。
印刷設定変換部23は、印刷指示に含まれるドキュメント設定を変換情報27bに従って変換した後、特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成する(ステップS34)。次に、印刷設定変換部23は、ドキュメント設定を変換した結果を、通知部22を介してアプリケーション15に対し通知する(ステップS35)。尚、この通知は、印刷ジョブがプリンタ5へ送信される前に行われる。
アプリケーション15は、受信した変換結果に基づく印刷の態様をプレビュー画面として表示装置30へ表示し(ステップS36)、ユーザーがこれを確認した上で最終的な印刷実行指示を送ることができるようにする。例えば、ユーザーが前記ポスター印刷の設定に変換することを選択した場合、図11に示すように、印刷プレビュー画面P10上にポスター印刷の設定による印刷プレビューが表示される。すなわち、印刷プレビュー画面P10にプレビュー画像D10とD11が表示され、ドキュメント等の1ページ分の画像を2枚のA4サイズ用紙に分割して印刷することが示される。
プレビュー画面が表示されると、ドライバ16による処理は、ユーザーによる印刷実行指示を検知するステップに進む(ステップS37)。ユーザーによる印刷実行指示が検知されない場合(ステップS37でNO)、印刷設定変換部23は印刷ジョブをプリンタ5に送信することなく、印刷実行処理を終了する。例えば、図11の印刷プレビュー画面P10に表示されるキャンセルボタンB16上にポインタB17を移動させてクリックすると、印刷が実行されることなく印刷プレビュー画面P10は終了する。
これに対して、ユーザーによる印刷実行指示が検知される場合(ステップS37でYES)、印刷設定変換部23はプリンタ5に印刷ジョブを送信する(ステップS38)。印刷ジョブを受信したプリンタ5は、印刷ジョブに従い印刷を実行して(ステップS39)、印刷実行処理を終了する。例えば、図11の印刷プレビュー画面P10に表示されるOKボタンB15上にポインタB17を移動させてクリックすると、プレビュー画像D10とD11に表示されたとおりの態様で印刷される。
これにより、ユーザーは、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外の設定で作成、編集したドキュメント等が、特定印刷設定に適合するように自動変換されて印刷される態様を確認した上で、最終的な印刷実行指示を行うか否か慎重に判断することが可能となる。そのため、ユーザーの意図していない印刷態様により印刷がなされることを回避し、印刷用紙の無駄を防止できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、管理者が情報処理装置2を操作して特定印刷設定を入力し、ネットワーク4を介してユーザーの情報処理装置3に保存する場合を例示した。また、選択候補登録部21が、選択候補設定27aに変換情報27bを付加するに際し、予め記憶部11にインストールされる変換テーブル28を読み出し、選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定に対し、変換情報27bとして付加する場合を例示した。これに対して、第2実施形態においては、特定印刷設定登録部20が印刷ジョブの出力先であるプリンタ5の印刷設定情報を取得して、特定印刷設定を生成する場合を例示する。また、選択候補登録部21が選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定の設定値と特定印刷設定に対応するドキュメント設定の設定値をそれぞれ読み出して、変換情報27bを生成する場合についても例示する。尚、本実施形態においても、印刷設定変換システム1のハードウェア構成等は第1実施形態と同様である。
図12は、情報処理装置3において行われる登録情報27の生成手順の一例を示すフローチャートである。この処理は主としてドライバ16の特定印刷設定登録部20と選択候補登録部21にて行われる処理である。尚、本フローチャートのステップS59乃至ステップS65の各ステップは、第1実施形態における登録情報27の生成手順を示した図8のフローチャートにおけるステップS7乃至ステップS13の各ステップと同様であるため、説明を省略する。
まず、情報処理装置3におけるドライバ16の特定印刷設定登録部20は、ネットワーク4を介してプリンタ5にプリンタ5の印刷設定情報を要求する(ステップS50)。プリンタ5が該要求に応じて印刷設定情報を特定印刷設定登録部20に送信することにより、特定印刷設定登録部20はプリンタ5の印刷設定情報を取得する(ステップS51)。特定印刷設定登録部20は、取得したプリンタ5の印刷設定情報を解析し、これを反映した特定印刷設定を生成し(ステップS52)、生成された特定印刷設定を印刷設定変換部23に登録する(ステップS53)。例えば、プリンタ5の給紙カセットにA4サイズの印刷用紙だけがセットされている場合、特定印刷設定登録部20は、プリンタ5から印刷設定情報としてA4サイズだけでの印刷出力が可能な情報を取得するので、印刷設定変換部23に対し、A4サイズのドキュメント設定を特定印刷設定として登録する。
次に、選択候補登録部21において、管理者が操作する情報処理装置2から特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定が入力されたか検知するステップに進む(ステップS54)。選択候補登録部21が、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定の入力を検知しない場合(ステップS54でNO)、入力を検知するまで待機する状態となる。これに対して、選択候補登録部21が、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定の入力を検知した場合(ステップS54でYES)、選択候補登録部21は、検知されたドキュメント設定を、特定印刷設定に対応するドキュメント設定とともに選択候補設定27aとして登録情報27に登録する(ステップS55)。尚、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定については、管理者の情報処理装置2から入力するものではなく、ユーザーが操作入力装置31を操作することにより入力するものであっても構わない。
選択候補設定27aが登録情報27に登録されると、選択候補登録部21は、選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定の設定値をそれぞれ読み出す(ステップS56)。そして、選択候補登録部21は、特定印刷設定に対応するドキュメント設定の設定値と特定印刷設定以外のドキュメント設定の設定値とを比較し、特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外の設定を変換して特定印刷設定に適合する印刷ジョブを生成するための変換情報27bを生成する(ステップS57)。例えば、選択候補登録部21が、両者の用紙サイズに関する数値を比較して縮小率又は拡大率を計算することで、縮小印刷又は拡大印刷を行う変換情報27bを生成し、或いは、Nin1印刷(印刷対象に含まれる複数のページに含まれる画像等を1枚の印刷用紙に印刷すること)やポスター印刷を行う変換情報27bを生成することが考えられる。
変換情報27bが生成されると、選択候補登録部21は、生成した変換情報27bを選択候補設定27aに含まれる特定印刷設定に対応するドキュメント設定以外のドキュメント設定にそれぞれ付加する(ステップS58)。
このように本実施形態では、情報処理装置3におけるドライバ16の特定印刷設定登録部20が、プリンタ5より印刷設定情報を取得し、取得した印刷設定情報に基づき特定印刷設定を生成する構成である。これにより、情報処理装置3からプリンタ5に対して送信される印刷実行指示は、常にプリンタ5に適合した印刷設定に基づく指示となるため、印刷時における不具合を回避して効率的に印刷を実行できる。
また、本実施形態では、選択候補登録部21は、選択候補設定27aに含まれるドキュメント設定の設定値を読み出し、このうち特定印刷設定に対応するドキュメント設定の設定値と、それ以外のドキュメント設定の設定値とをそれぞれ比較した上で、特定印刷設定に適合する印刷ジョブに変換する変換情報27bを生成する構成である。これにより、予め変換テーブル28を情報処理装置3に予めインストールするというステップを省くことができ、登録情報27をより効率的に生成することが可能となる。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態では、ドライバ16がプリンタドライバとして機能し、ネットワーク4に接続されているプリンタ5に対して印刷ジョブを送信するものである場合を例示した。しかし、本発明のドライバは、プリンタドライバに限定されるものではない。例えば、ネットワーク4にファクシミリ装置が設けられている場合には、そのファクシミリ装置に対してファクシミリ送信用のジョブを生成して送信するものであっても構わない。したがって、本発明におけるドライバは、プリンタドライバに限られるものではなく、プリンタ以外の他の出力デバイスを駆動制御するものであれば良く、任意のデバイスドライバとして実現可能なものである。
また上記実施形態では、特定印刷設定及びドキュメント設定の例として、用紙サイズが設定される場合を例示したが、用紙サイズ以外の設定が含まれるものであっても構わない。すなわち、上述した特定印刷設定及びドキュメント設定は、解像度、色彩、印刷面、用紙種類など印刷態様を特定する設定の全てに適用することが可能である。