以下、本発明の実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。また、発光装置は、説明の便宜上、直交座標系XYZを定義するとともに、Z方向の正側を上方として、適宜、上面(表面)もしくは下面の語を用いるものとする。
また、実施形態等の説明において、既に説明した構成と同一若しくは類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態に係る発光装置10について、図1乃至図6を参照しながら以下に説明する。
本発明の一つの実施の形態に係る発光装置10は、図1乃至図6に示すような構成であり、内部に放電空間Sとなる凹部2bが設けられたパッケージ2と凹部2bを塞ぐように接合材7からなる接着層7aを介してパッケージ2に接合された透光性部材3とを有する容器部材1と、放電空間S内に封入された不活性ガス6と、パッケージ2の対向する側壁2aに設けられているとともに、互いに対向するように配置された対向部を有する一対の放電用電極4と、を備えており、パッケージ2は、互いに対向する側壁2aの内壁側面2aaが凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かって拡がる傾斜面を有しており、該傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されている。なお、なお、パッケージ2は、4つの側壁2aにより凹部2bが設けられており、一対の放電用電極4が互いに対向する側壁2aに設けられており、該側壁2aとは異なる、互いに対向する側壁2aの内壁側
面2aaが傾斜面を有している。
また、発光装置10は、放電空間Sにおいて放電の始動を容易にするために、放電誘発用電極5をパッケージ2内に備えていてもよい。発光装置10は、環状の放電誘発用電極5が、一対の放電用電極4の下方に位置するとともに、平面透視において凹部2bの底面を囲むようにパッケージ2の内部に設けられている。また、一対の放電用電極4は、平面透視において対向部4bが放電誘発用電極5の内周よりも内側に位置している。
このような構成によって、発光装置10は、小型化を図りつつ、一対の放電用電極4間において放電が発生しやすくなり、さらに、容器部材1がパッケージ2の内部に放電空間Sを十分に確保きるとともに、放電用電極4の電極面積を大きくできるので、一対の放電用電極4間で放電を効果的に生じさせることができる。
また、発光装置10は、環状の放電誘発用電極5を備えることによって、不活性ガス6全体をイオン化することができる、特に、放電用電極4付近の不活性ガス6をイオン化することができるので、一対の放電用電極4間で放電が発生しやすくなる。このように、発光装置10は、放電誘発用電極5が放電の始動を容易にするとともに、一対の放電用電極4が効果的に放電を起こすことができる。
発光装置10は、放電灯であり、一対の放電用電極4間での不活性ガス6の放電による発光を利用するものである。また、パッケージ2とパッケージ2の側壁2aに接合された透光性部材3とを含む容器部材1と、容器部材1の内部の対向する一対の放電用電極4および放電誘発用電極5とが、発光管(放電管)を構成している。例えば、スマートフォン等の携帯端末装置は、被写体を撮影するためにカメラ機能を有しており。夜間等の暗所での撮影時の照明光源を備えており、発光装置10は、発光管(放電管)を放電させて閃光を発生させるように構成されており、スマートフォン等の携帯端末装置に用いることができる。また、発光装置10は、用途が照明光源に限定されず、例えば、急速加熱等の短時間で高出力のエネルギーを必要とする用途等に用いることができる。
容器部材1は、パッケージ2と、パッケージ2の側壁2aに接合材7からなる接着層7aを介して接合された透光性部材3を含んでいる。容器部材1は、放電空間Sを有しており、放電空間Sはパッケージ2と透光性部材3とによって規定されている。
また、放電用電極とは、電位差によって気体に絶縁破壊を生じさせて、気体に電流を流すために用いられる電極のことをいい、陽極または陰極である。また、放電誘発用電極とは、放電空間に放電を開始させるために、放電用電極に追加して設けられる電極であり、一対の放電用電極間の気体(不活性ガス)をイオン化させることにより、放電の始動を容易にする電極のことをいう。なお、放電誘発用電極は、トリガー電極ともいう。
発光装置10は、図1乃至図6に示すように、パッケージ2が、対向する側壁2aに一対の段差部2cを有しており、この一対の段差部2cに一対の放電用電極4が設けられている。また、発光装置10は、長手方向(X方向)の長さが、例えば、3.2(mm)〜50(mm)であり、短手方向(Y方向)の長さが、例えば、1.2(mm)〜30(mm)であり、高さが、例えば、0.3(mm)〜5(mm)であり、図1乃至図5に示すような構成を備えており、小型化、薄型化または低背化を図ることができる。
発光装置10は、容器部材1のパッケージ2が対向する側壁2aに一対の段差部2cを有し、この一対の段差部2cに一対の放電用電極4が設けられており、この構成について以下に説明する。なお、後述するように、発光装置において、一対の放電用電極4は、一部が放電空間S内に露出して、一対の放電用電極4間で放電が生じるように設けられてい
ればよい。
パッケージ2は、図1に示すように、側壁2aに囲まれて放電空間Sとなる凹部2bが内部に設けられている。このように、パッケージ2は、内部に放電空間Sとなる凹部2bが設けられており、パッケージ2は、図2および図5に示すように、互いに対向するパッケージ2の長手方向に平行な内壁側面2aa(X方向に平行な内壁側面)が、凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かって拡がる傾斜面を有しており、この傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されている。第1の凹凸パターン8は、凹部2bの底部2ba(下方)から凹部2bの開口(上方)に向かう方向にそって配列されている。このように、凹部2bの内壁側面2aaは、凹部2bの底部2baに向かうにしたがって漸次内側に傾斜するように設けられており、凹部2bは、断面視形状がパッケージ2の上方側から下方側に向かって開口の幅が漸次狭くなるようなV型の形状になっている。
また、傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されているとは、図2に示すように、凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かう方向にそって第1の凹凸パターン8の凹部と凸部が交互に配列されている状態であり、X方向から内壁側面2aaを断面視した場合に、傾斜面は断面視形状が凹凸形状となっている。
また、発光装置10では、パッケージ2の長手方向に平行な内壁側面2aa(X方向に平行な内壁側面)が凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かって拡がる傾斜面を有しており、この傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されているが、これに限らない。
例えば、容器部材1は、パッケージ2に一対の放電用電極4を設けるために、短手方向(Y方向)において、互いに対向する側壁2a(Y方向において互いに対向する側壁2a)に一対の段差部2cを設けて、短手方向(Y方向)に一対の放電用電極4を設けることができる。そして、互いに対向するパッケージ2の短手方向(Y方向)に平行な内壁側面(Y方向に平行な内壁側面)を凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かって拡がる傾斜面として、この傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8を配列してもよい。この場合には、一対の放電用電極4間の距離が短くなるので、放電空間Sにおいて放電が生じやすくなる。
このように、パッケージ2は、互いに対向する内壁側面2aaがパッケージ2の凹部2bの開口から凹部2bの底部2baに向かって開口断面が減少するようなテーパ状の傾斜斜面を有しており、この傾斜面には傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されている。なお、パッケージ2の内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8の詳細については後述する。
容器部材1は、パッケージ2に一対の放電用電極4を設けるために、対向する側壁2a(X方向の対向する側壁2a)のそれぞれに段差部2cが設けられており、これらの段差部2cが一対の段差部2cをなしている。すなわち、パッケージ2は、周縁部の4つの側壁2aで中央部を含む領域を囲むようにして凹部2bが設けられており、長手方向(X方向)において、互いに対向する一対の側壁2aの内周側に一対の段差部2cが設けられている。このように、容器部材1は、長手方向(X方向)の一対の段差部2c上に一対の放電用電極4を設けることによって、放電空間Sにおいて距離の長い長手方向(X方向)で放電が起り、より多くの不活性ガス6が励起されるので、発光効率を向上させることができる。
図5に示すように、放電用電極4は段差部2cに設けられており、断面視において、段差部2cの上面は、凹部2bの底部2ba(X軸)に対して略平行に設けられている。ま
た、略平行とは、段差部2cの上面と凹部2bの底部2baとの成す角度が、0(°)〜10(°)の範囲内であることをいう。なお、角度0(°)が段差部2cの上面と底部2baとが平行の場合である。
また、段差部2cの上面は、凹部2bの底部2baに向かって傾斜していてもよい。すなわち、段差部2cは、上面が、凹部2bの底部2ba(X軸)に対して、10(°)〜60(°)の範囲内で傾いていてもよい。傾いた段差部2cの上面に一対の放電用電極4を設けることによって、擬似的ではあるが、一対の放電用電極4は互いに向き合う面積が増加することになる。このように、一対の放電用電極4は、対向する放電用電極4の面積が増加するので、電極寿命の低下を抑制することができる。
また、一対の段差部2cは、凹部2bの底面2baからの高さが略同等となるようにパッケージ2の側壁2aの内周側に設けられている。一対の段差部2cの底部2baからの高さ(側面2caの高さ)は、例えば、10(μm)〜500(μm)である。また、略同等とは、他方の段差部2cの底部2baからの高さが、一方の段差部2cの底部2baからの高さに対して、65(%)〜135(%)の範囲内にあることをいう。
また、パッケージ2は、実質的に絶縁材料からなり、平面視において略矩形形状を有している。パッケージ2の絶縁材料の例としては、例えば、セラミックス材料またはエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂等の樹脂材料である。また、パッケージ2は、例えば、セラミックス材料の絶縁性の白色を呈する材料からなり、放電で発生した光をパッケージ2内部で効率よく反射させるために、例えば、可視光領域(およそ400(nm)から800(nm)の波長範囲)のすべての波長において反射率が70(%)以上の白色を呈する材料からなることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナ)または低温同時焼成セラミックス等である。このように、パッケージ2が白色を呈することによって、パッケージ2内部の内壁面の反射率を高くすることができるので、発光量の低下を抑制することができる。また、容器部材1は、セラミックスからなるパッケージ2を含むことにより、使用耐性に関して改善される。
図1および図2に示すように、略矩形状とは、例えば、搬送時または実装時などにおける損傷の可能性を低減させることを目的に、パッケージ2の4つの角部分に内側方向へ曲線状に窪んだ構造を有する形状、また、4つの角部分がC面取りまたはR面取りされた構造を有する形状を含んでいる。また、平面視とは、図1において、上方からZ軸の負方向への視線によるものである。この曲線状の窪みは、パッケージ2の角部において、パッケージ2の上面から下面にかけて溝状に設けられている。この窪みの横断面形状は、曲面形状を有しており、例えば、半円形状となっている。なお、この窪みの横断面形状は、半円形状に限らず、半長円形状または半楕円形状等であってもよく、形状は特に限定されない。
また、略矩形状とは、図1および図2に示すように、容器部材1の下面側に、放電用電極4および放電誘発用電極5に接続された外部電極(放電用電極4に接続された外部電極4aおよび放電誘発用電極5に接続された外部電極5a)を設けることを目的に、容器部材1の側面に内側方向へ曲線状に凹んだ構造を有する形状を含んでいる。この曲線状の凹みの壁面に外部電極4aおよび外部電極5aがそれぞれ設けられている。また、発光装置10は、このように、容器部材1の下面に外部電極を有する表面実装型にすることにより、省スペース化を図ることができる。発光装置10は、小型化、薄型化または低背化が可能であり、例えば、電子機器などに搭載されることが可能となる。電子機器は、例えば、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話、カメラ付きスマートフォン等である。
また、曲線状の凹みは、上述の曲線状の窪みと同様に、パッケージ2の側面において、
パッケージ2の上面から下面にかけて溝状に設けられている。この凹みの横断面形状は、曲面形状を有しており、例えば、半円形状となっている。なお、この凹みの横断面形状は、半円形状に限らず、半長円形状または半楕円形状等であってもよく、形状は特に限定されない。
透光性部材3は、平面視において略矩形状を有しており、パッケージ2の凹部2bを塞ぐように接合材7からなる接着層7aを介してパッケージ2の側壁2aの上面に接合されている。透光性部材3において、略矩形状とは、例えば、組み立て時などにおける損傷の可能性を低減させることを目的に、4つの角部分に外側方向へ曲線状に膨らんだ構造を有する形状を含んでいる。
また、発光装置10においては、透光性部材3は、図3乃至図5に示すように、パッケージ2の上面側に位置する側壁2aの内周側に全周にわたって段差部2dを設けて、この全周の段差部2dにパッケージ2の凹部2bを塞ぐように接合材7からなる接着層7aを介して接合されていてもよい。このように、容器部材1は、パッケージ2と、パッケージ2の側壁2aに凹部2bを塞ぐように接合材7からなる接着層7aを介して接合された透光性部材3とで形成された中空の放電空間Sを内部に有することになる。
ここで、透光性部材3における透光性とは、放電空間S内における発光によって放射された光の少なくとも一部の波長が透過できることをいう。透光性部材3は、実質的に絶縁材料からなり、絶縁材料の例としては、ガラスであり、例えば、ホウケイ酸ガラスまたは石英ガラス等である。
放電空間Sは、平面視において略矩形状を有している。放電空間Sにおいて、略矩形状とは、例えば、組み立て時などにおける損傷の可能性を低減させることを目的に、4つの角部分に外側方向へ曲線状に膨らんだ構造を有する形状を含んでいる。また、容器部材1において、放電空間Sは、縦断面においてパッケージ2の段差部2cを有する側壁2aで形成される凹部2bと透光性部材3とによって規定される。
放電空間S内には、不活性ガス6が封入されている。不活性ガス6は、例えば、キセノン(Xe)を主成分とするものである。
一対の放電用電極4は、図3に示すように、一端部側(側面2ca側)が段差部2cに設けられて、上面の一部が放電空間S内に露出しており、他端部側の残りの部分がパッケージ2の側壁2aの内部に設けられている。一対の放電用電極4は、図4においては、先端が段差部2cの側面2caと面同一となるように設けられている。また、一対の放電用電極4は、対向部4bが放電誘発用電極5の内周よりも内側に位置していれば、段差部2cの側面2caよりも外側に位置するように段差部2cの上面に設けられていてもよい。
このように、一対の放電用電極4は、図3に示すように、パッケージ2の互いに対向する側壁2aの段差部2cに設けられているとともに、互いに対向するように配置された対向部4bを有している。このように、一対の放電用電極4は、対向部4bが放電空間S内に互いに対向して位置するように設けられている。すなわち、一対の放電用電極4は、放電空間S内で放電を発生させるために、放電空間S内に少なくとも一部が露出するように、パッケージ2の側壁2aの段差部2cの上面に設けられている。
また、放電用電極4は、図3に示すように、段差部2cの上面の全てを覆うように設けられている。また、放電用電極4は、段差部2cの上面のY方向の両側の一部が露出するように段差部2cの上面に設けられていてもよい。
一対の放電用電極4は、段差部2cの上面に設けられているので、放電用電極4とパッケージ2の底部2baとの間での放電、所謂沿面放電が生じにくく、発光効率の低下を抑制することができる。
また、図3に示すように、一対の放電用電極4は、互いの先端部が対向部4bであり、先端同士が互いに対向するように放電空間S内に配置されている。また、一対の放電用電極4の対向部4b間の間隔は、例えば、3(mm)〜20(mm)である。
また、対向する一対の段差部2cのそれぞれの高さ(側面2caの側面の高さ)は、他方の段差部2cの底面2baからの高さが、一方の段差部2cの底面2baからの高さに対して、65(%)〜135(%)の範囲内になるように設けられる。したがって、Z方向において、一対の段差部2cのそれぞれの高さは上記の範囲内にあり、この段差部2cに一対の放電用電極4が設けられる場合には、一対の放電用電極4は、互いに対向するように配置された対向部4bを有しているものとする。すなわち、Z方向において、一対の放電用電極4は、対向部4bが上記の範囲内でずれていてもよい。また、一対の放電用電極4は、Z方向において互いに対向するように配置された対向部4bを有していれば、放電用電極4がY方向にずれていてもよい。
一対の放電用電極4は、図1乃至図3に示すように、パッケージ2の長手方向(X方向)のそれぞれの側面において、容器部材1の放電空間S内から外部電極4aによって容器部材1の下面側に引き出されており、放電用電極4と外部電極4aとは、電気的および物理的に接合されている。なお、外部電極4aは、容器部材1の下面に設けられている電極も含んでいる。また、外部電極4aの材料例は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、ストロンチウム、ランタンまたは白金等である。
また、一対の放電用電極4のうち、一方の放電用電極4が陽極であり、他方の放電用電極4が陰極である。放電用電極4が陽極の場合には、放電用電極4の材料例は、タングステンなどを含む高融点金属である。
また、放電用電極4が陰極の場合には、放電用電極4の材料例は、主成分であるタングステンの他に、電子放出特性に優れた酸化ランタン、酸化イットリウムまたは酸化セリウムを含むことが好ましい。放電用電極4は、電極の厚みが、例えば、5(μm)〜500(μm)である。
放電誘発用電極5は、図3および図4に示すように、環状の形状を有しており、一対の放電用電極4の下方に位置するとともに、平面透視において凹部2bを囲むようにパッケージ2の内部に設けられている。また、放電誘発用電極5は、図1および図3に示すように、環状の形状を有しており、凹部2bの底部2baを囲むように設けられている。放電誘発用電極5は、凹部2bが底部2baに底面2eを有する場合には、一対の放電用電極4の下方に位置するとともに、凹部2bの底部2baの底面2eを囲むようにパッケージ2の内部に設けることができる。
このように、環状の放電誘発用電極5は、凹部2bの底部を囲むとともに放電空間Sに露出しないようにパッケージ2の内部に設けられているので、発光装置10は、放電空間S内で放電誘発用電極5が起因となるような発光の乱反射が生じにくくなる。また、発光装置10は、発光の妨げにならないように、環状の放電誘発用電極5が放電空間Sに露出しないように一対の放電用電極4の下方のパッケージ2の内部に設けられているので、発光量の低下が抑制される。
また、放電誘発用電極5は、一対の放電用電極4の下方に位置しており、放電空間S内
に露出しないように、容器部材1のパッケージ2の内部に設けられている。すなわち、放電誘発用電極5は、図3および図4に示すように、パッケージ2の内部の側壁2aの周辺部に設けられているので、X方向またはZ方向において、放電用電極4と放電誘発用電極5との距離を短くすることができるので、放電誘発用電極5によって放電空間S内での放電が誘発されやすくなる。また、一対の放電用電極4は、図3に示すように、平面透視において対向部4bが環状の放電誘発用電極5の内周よりも内側に位置している。
また、放電誘発用電極5は、電極の厚みが、例えば、5(μm)〜300(μm)であり、電極の幅が、例えば、30(μm)〜500(μm)である。
また、図3に示すように、放電用電極4は、平面視において、放電誘発用電極5の内周と放電用電極4の先端との距離は、例えば、10(μm)〜500(μm)である。また、一対の放電用電極4は、X方向において、対向部4b同士が環状の放電誘発用電極5の内周よりも内側に位置していれば、距離は、同じであっても異なっていてもよい。
また、平面透視で放電用電極5と放電誘発用電極5とが重なっている領域において、Z方向における放電用電極4と放電誘発用電極5との間隔は、例えば、25(μm)〜300(μm)である。環状の放電誘発用電極5が放電用電極4に接触しない範囲であれば、放電を誘発しやすくするために、距離は短いほうが好ましい。
また、パッケージ2の側壁2aの内周面(側面2ca)と放電誘発用電極の内周との距離は、例えば、10(μm)〜500(μm)である。距離は、環状の放電誘発用電極5が側壁2aの内周面に露出しない範囲であれば、放電を誘発しやすくするために、距離は短いほうが好ましい。
放電誘発用電極5は、図1乃至図3に示すように、パッケージ2の短手方向(Y方向)のそれぞれの側面において、容器部材1の内部から外部電極5aによって容器部材1の下面側に引き出されており、放電誘発用電極5と外部電極5aとは、電気的および物理的に接合されている。なお、外部電極5aは、容器部材1の下面に設けられている電極も含んでいる。また、外部電極5aの材料例は、例えば、タングステン、モリブデン、ストロンチウム、ランタン、マンガンまたは白金等である。
また、放電誘発用電極5の材料例は、タングステン、モリブデン、ストロンチウム、ランタン、マンガンまたは白金などの高融点金属である。発光装置10は、放電誘発用電極5を含んでいることにより、予備放電を有することになる。したがって、発光装置10は、一対の放電用電極4および放電誘発用電極5によって、主放電の開始が安定することになる。
上述のように、透光性部材3は、図3乃至図5に示すように、接合材7からなる接着層7aを介してパッケージ2の側壁2aに接合されており、発光装置10は、図4および図5に示すように、段差部2dがパッケージ2の側壁2aの内周側に全周にわたって設けられており、その段差部2dに透光性部材3が接合材7からなる接着層7aを介して接合されている。このように、発光装置10は、パッケージ2と透光性部材3とが接合材7からなる接着層7aを介して接合されており、接着層7aが段差部2dと透光性部材3との間に位置しており、接着層7aの一部が放電空間S内に面している。また、パッケージ2は、側壁2aに段差部2dを設けずに、側壁2aの上面にパッケージ2と透光性部材3とが接合材7からなる接着層7aを介して接合されていてもよい。
接合材7は、低融点ガラスであり、低融点ガラスとは、融点が、400(℃)〜650(℃)の範囲にあるものをいう。低融点ガラスは、例えば、酸化ビスマスを主成分とする
もの、酸化亜鉛を主成分とするものまたは酸化ケイ素を主成分とするものである。パッケージ2と透光性部材3とは、例えば、加熱温度が、500(℃)〜700(℃)で接合される。
また、接合材7は、低融点ガラスに白色性を有する金属酸化物が含まれているものであってもよい。白色性を有する金属酸化物は、アルミナ(Al2O3)またはジルコニア(Zro2)等である。白色性を有する金属酸化物は、例えば、可視光領域(およそ400(nm)から800(nm)の波長範囲)のすべての波長において反射率が70(%)以上の白色性を呈する材料のことをいう。このように、低融点ガラスに添加される金属酸化物は白色性を有しており、低融点ガラスに添加することによって接着層7aの反射率を高めることができるので、発光装置10は、発光量を向上させることができる。
ここで、パッケージ2の内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8について以下に説明する。
パッケージ2は、図2に示すように、互いに対向するパッケージ2の長手方向に平行な内壁側面2aaが傾斜面になっており、この傾斜面は凹部2bの底部から凹部2bの開口に向かって拡がっている。このように、内壁側面2aaは、図2に示すように、パッケージ2の段差部2dから凹部2bの低部に向かって内側に傾斜しており、この傾斜面には第1の凹凸パターン8が傾斜面に沿って配列されている。
第1の凹凸パターン8は、図2に示すように、傾斜面においてパッケージ2の長手方向(X方向)に延在する凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部で構成されている。すなわち、第1の凹凸パターン8は、パッケージ2の長手方向(X方向)に延びる複数の凹部と複数の凸部とからなり、凹部および凸部が内壁側面2aaの傾斜面に沿ってパッケージ2の下方から上方に向かって交互に配置されている。
発光装置10は、容器部材1内の放電空間S内において一対の放電用電極4間の放電によって光が発生し、発生した光が凹凸パターン8の形状を有する内壁側面2aaに入射されることになる。発光装置10は、パッケージ2の長手方向において、互いに対向する内壁側面2aaが凹部2bの底部2baから凹部2bの開口に向かって拡がる傾斜面を有しており、この傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されている。したがって、発光装置10は、一対の放電用電極4間の放電によって発生した光が内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8に入射して、この入射した光が内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8で反射されて反射光となる。そして、発光装置10は、この第1の凹凸パターン8での反射光が透光性部材3を透過して外部に放射されることになる。
この場合に、発光装置10は、内壁側面2aaへの入射光が第1の凹凸パターン8で反射することによって散乱が生じ、反射光が散乱光となり、透光性部材3を透過して外部に放射されることになる。このように、発光装置10は、放電によって発生した光が第1の凹凸パターン8で反射することによって散乱光となり、第1の凹凸パターン8の配列方向に平行なパッケージ2の短手方向(Y方向)に対する散乱光を増加させることができる。
第1の凹凸パターン8は、図6に示すように、第1の凹凸パターン8の凹部の底部から凸部の頂部までの高さHが、例えば、0.1(μm)〜10(μm)であり、ピッチPが、1(μm)〜100(μm)である。
また、凹部2bは、図6に示すように、開口角度αが、例えば、60(°)〜140(°)である。なお、開口角度αは、パッケージ2の法線方向に対して、所望の角度の範囲内に光が放出されるように調整される。
ここで、発光装置10の製造方法について以下に説明する。
パッケージ2は、互いに積層された複数の絶縁層で構成されている。絶縁層は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミックス等のセラミック材料等の電気絶縁材料から成るものである。パッケージ2は、例えば、セラミックグリーンシート積層法等を用いて、複数層のセラミックグリーンシートを積層することで形成される。
パッケージ2が、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿状となし、これをドクターブレード法等のシート形成方法によってシート状となすことによって絶縁層となるセラミックグリーンシートを得る。
そして、パッケージ2の一対の放電用電極4および放電誘発用電極5等の構成に応じて、例えば、セラミックグリーンシートにスクリーン印刷等を用いて、一対の放電用電極4および放電誘発用電極5となるペースト層を形成する。また、同様にして、セラミックグリーンシートにスクリーン印刷等を用いて、パッケージ2の下面の外部電極4aおよび外部電極5aとなるペースト層を形成する。
また、パッケージ2の側面の外部電極4aおよび外部電極5aは、同様にして、セラミックグリーンシートにスクリーン印刷等を用いて、外部電極4aおよび外部電極5aとなるペースト層を形成する。そして、セラミックグリーンシート積層法等を用いて、外部電極4aおよび外部電極5aの位置に打ち抜き加工された複数層のセラミックグリーンシートを積層することで形成される。
また、パッケージ2の凹部2bを形成するためにセラミックグリーンシートに打ち抜き金型等を用いた孔加工方法により凹部2bとなる貫通孔を形成する。
パッケージ2が、例えば、セラミックス材料からなる場合には、それぞれの電極は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン−マンガン(Mo−Mn)、銅(Cu)、銀(Ag)または銀−パラジウム(Ag−Pd)等の金属材料を用いることができる。
上述したパッケージ2用のセラミックグリーンシートを作製する工程において、ペーストは、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン−マンガン(Mo−Mn)、銅(Cu)、銀(Ag)または銀−パラジウム(Ag−Pd)等の粉末に適当な有機バインダーおよび溶媒等を添加混合して得られ、パッケージ2となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法を用いてペーストを所定のパターンに印刷塗布してペースト層を形成して、パッケージ2となる積層された複数のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、パッケージ2の所定位置に、一対の放電用電極4、放電誘発用電極5、外部電極4および外部電極5が被着形成される。
これらのセラミックグリーンシートを適当な大きさに切断して、パッケージ2の構成となるように複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製して、この積層体を還元雰囲気中で約1600(℃)の温度で焼成することによって複数の絶縁層が積層されたパッケージ2が製作される。また、還元雰囲気中は、例えば、窒素雰囲気中または水素雰囲気中、あるいは、これらの混合ガス雰囲気中である。
上述のようにして、パッケージ2は、一対の放電用電極4および放電誘発用電極5が設けられ、側面および下面には放電用電極4に接続された外部電極4aおよび放電誘発用電極5に接続された外部電極5aが設けられることになる。
このパッケージ2に対して、凹部2bを塞ぐように接合材7からなる接着層7aを介して透光性部材3を接合する。
例えば、非酸素雰囲気において、パッケージ2と透光性部材3とを接合する場合について以下に説明する。パッケージ2と透光性部材3との接合領域の形状に合わせてスクリーン印刷法を用いて、接合材7としてのガラスペースト(アルミナを添加した低融点ガラスに適当なバインダーおよび溶剤等を添加混合して得られたもの)を側壁2aまたは透光性部材3の接合領域に塗布して、透光性部材3またはパッケージの形状に合わせたアライメント治具を用いて、パッケージ2の側壁2aの段差部に透光性部材3を落とし込む。そして、例えば、200(℃)〜300(℃)の加熱温度で、接合材7に含まれる溶剤成分またはバインダー成分の脱溶剤または脱バインダーを行ない、例えば、500(℃)〜700(℃)の加熱温度で、パッケージ2と透光性部材3とを接合することによって、容器部材1となる。また、200(℃)〜300(℃)の加熱温度で、接合材7に含まれる溶剤成分またはバインダー成分の脱溶剤または脱バインダーは、酸素雰囲気中で行なってもよい。
また、例えば、パッケージ2には容器部材1に不活性ガス6を導入するためのガス導入孔(図示せず)が設けられており、そのガス導入孔を通して、容器部材1の内部に不活性ガス6(Xeガス)が導入される。なお、ガス導入孔は、不活性ガス6の導入後に封止される。
ここで、第1の凹凸パターン8および第2の凹凸パターン9の形成方法について以下に説明する。なお、第2の凹凸パターン9については、後述する。
第1の凹凸パターン8および第2の凹凸パターン9は、表面切削加工等を用いて凹凸形状を施した金型を用いることによって、パッケージ2(2A、2B)に形成することができる。
第1の凹凸パターン8を形成するための金型は、第1凹凸パターン8の凹凸形状を反映させた形状を有している。
まず、上述のセラミックグリーンシート(放電用電極4、放電誘発用電極5となるペースト層、凹部2bとなる貫通孔等が形成されたセラミックグリーンシート)を複数層重ねて積層体とする。次に、第1の凹凸パターン形状を有する金型をセラミックグリーンシート積層体に押しつけて、金型の凹凸形状に合わせてセラミックグリーンシート積層体に第1の凹凸パターン8となる凹凸形状を形成する。そして、金型からセラミックグリーンシート積層体を外して、第1の凹凸パターン8となる形状が形成されたセラミックグリーンシート積層体を還元雰囲気中で約1600(℃)の温度で焼成する。これによって、パッケージ2は、第1の凹凸パターン8が内壁側面2aaに形成される。
また、同様にして、後述する第2の凹凸パターン9も金型を用いて形成することができる。この場合には、第2の凹凸パターン9を形成するための金型は、第2の凹凸パターン9の凹凸形状を反映させた形状を有している。
本発明は、上述の実施の形態1の発光装置10に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、他の実施の形態に
ついて以下に説明する。なお、他の実施の形態に係る発光装置のうち、実施の形態1に係る発光装置10と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2に係る発光装置10Aについて図面を参照しながら以下に説明する。なお、発光装置10Aについては、パッケージ2Aの一部分のみを図7に示している。
発光装置10Aは、図7に示すように、パッケージ2Aは、凹部2bの底部2baの傾斜面間に平坦な底面2eが設けられている。すなわち、パッケージ2Aの底部2baの長手方向に平行な平坦な底面2eが設けられている。底面2eは、対向する内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8が形成された傾斜面間に位置しており、底面2eは、図7に示すように、幅Xが、例えば、10(μm)〜1000(μm)である。
発光装置10Aは、凹部2bの底部2baが底面2eになっているので、底面2eに入射された光のZ方向の反射効率が高くなり、発光量を増加させることができる。
このように、発光装置10Aは、Z方向の発光量が増加することによって、照射光の発光強度を強くすることができる。また、発光装置10Aは、例えば、照明光源として用いる場合には、実施の形態1の発光装置10と同様な効果が得られるとともに、照射光の発光強度が強くなるので、照射範囲を遠い距離まで伸ばすことができる。
また、発光装置10Aは、上述のように、金型を用いて第1の凹凸パターン8と平坦な底面2eとがパッケージ2Aに形成される。なお、この金型は、第1の凹凸パターン8および平坦な底面2eの形状を反映させた形状を有している。
<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3に係る発光装置10Bについて図面を参照しながら以下に説明する。なお、発光装置10Bについては、パッケージ2Bの一部分のみを図8に示している。
発光装置10Bは、底面2eに第1の凹凸パターン8の配列方向に略直交する方向に第2の凹凸パターン形状9が配列されている。すなわち、発光装置10Bは、パッケージ2Bの長手方向に沿って第2の凹凸パターン9が配列されている。第2の凹凸パターン9は、図8に示すように、第2の凹凸パターン9の凹部の底部から凸部の頂部までの高さH1が、例えば、0.1(μm)〜10(μm)であり、ピッチP1が、1(μm)〜100(μm)である。
発光装置10Bは、互いに対向する内壁側面2aaの傾斜面に第1の凹凸パターン8が配列されるとともに、第1の凹凸パターン8の配列方向に略直交する方向(パッケージ2Bの長手方向(X方向))に第2の凹凸パターン9が配列されている。
第2の凹凸パターン9は、底面2eにおいてパッケージ2Bの短手方向に延在する凹部と凸部とが交互に配置された凹凸部で構成されている。すなわち、第2の凹凸パターン9は、底面2eにおいてパッケージ2Bの短手方向(Y方向)に延びる複数の凹部と複数の凸部とからなり、凹部および凸部がパッケージ2Bの長手方向(X方向)に交互に配置されている。
光装置10Bは、入射光が内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8および底面2eの第2の凹凸パターンで反射することによって散乱が生じ、反射光が散乱光となり、透光性部
材3を透過して外部に放射されることになる。このように、発光装置10Bは、パッケージ2B内に第1の凹凸パターン8および第2の凹凸パターン9が配列されることによって、放電によって発生した光が第1の凹凸パターン8で反射して散乱光となり、また、第2の凹凸パターン9で反射して散乱光となり、第1の凹凸パターン8の配列方向に平行なパッケージ2の短手方向(Y方向)および第2の凹凸パターン9の配列方向(X方向)に平行なパッケージ2Bの長手方向(X方向)に対する散乱光を増加させることができる。
このように、発光装置10Bは、放電によって発生した光が内壁側面2aaの第1の凹凸パターン8に入射して、入射した光が内壁側面2aaで反射されて散乱光となり、また、放電によって発生した光が底面2eの第2の凹凸パターン9に入射して、入射した光が底面2eの第2の凹凸パターン9で反射されて散乱光となり、これらの散乱光が透光性部材3を透過して外部に放射されることになる。このように、内壁側面2aaへの入射光は第1の凹凸パターン8で反射され、また、底面2eへの入射光は第2の凹凸パターン9で反射されて散乱光となり、透光性部材3を通過して外部に放射されることになる。
したがって、発光装置10Bは、放電によって発生した光が第1の凹凸パターン8で反射され、また、放電によって発生した光が第2の凹凸パターン9で反射されるので、第2の凹凸パターン9の配列方向(X方向)に平行なパッケージ2Bの長手方向(X方向)および第1の凹凸パターン8の配列方向に平行なパッケージ2Bの短手方向(Y方向)に対する散乱光が増加して、照射光の光量(明るさ)が増加することになる。
例えば、発光装置10Bがスマートフォン等のカメラ機能を備えている携帯端末装置において、被写体を撮影するための照明光源として用いられる場合について説明する。発光装置10Bは、内壁側面2aaの傾斜面に沿って第1の凹凸パターン8が配列されており、入射光が第1の凹凸パターン8で反射するので、パッケージ2Bの短手方向(Y方向)において散乱光が増加することになり、また、底面2eに第1の凹凸パターン8の配列方向に略直交する方向に第2の凹凸パターン9が配列されており、入射光が第2の凹凸パターン9で反射するので、パッケージ2Bの長手方向(X方向)において散乱光が増加することになる。
したがって、発光装置10Bは、パッケージ2Bの短手方向(Y方向)において、散乱光の増加によって被写体に照射される照射光の光量が増加することになり、また、パッケージ2Bの長手方向(X方向)において、散乱光の増加によって被写体に照射される照射光の光量が増加することになるので、被写体に対する照射光の光量を短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)にわたって確保しやすくなり、強度差の小さい照射光の光量を被写体に対して照射することができる。
本発明は、発光装置10の構成は、上述の実施の形態の発光装置10の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、改良等が可能である。以下に、本発明の発光装置の他の構成について説明する。なお、他の構成に係る発光装置のうち、発光装置10と同様な部分については、同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
発光装置10Cは、図9(a)に示すように、一対の放電用電極4が上面の先端部から側壁2aの内周面に沿って下方側(底面2ba側)に延在するような構成であってもよい。この場合には、一対の放電用電極4は、対向部4bが上面の先端部から下方側に延在して内周面に設けられ、三角形状を有しており、この三角形状の対向部4bは互いに平面状となっている。このように、発光装置10Cにおいて、一対の放電用電極4は、対向部4bが三角形状の平面状を有しているので、陰極の放電用電極4から放出された電子による劣化が低減されて、電極寿命の低下が抑制される。また、発光装置10Cは、放電用電極
4と放電誘発用電極5との距離を短くすることができるので、放電誘発用電極5によって放電空間S内での放電が誘発されやすくなる。
また、発光装置10Dは、図9(b)に示すように、一対の放電用電極4は、側壁2aの内部から内周面に到達するようにパッケージ2の側壁2aに設けられ、内周面に到達した部分から側壁2aの段差部2cの下方の内周面に沿って下方側(底面2ba側)に延在するように設けられた平面状の電極であってもよい。この場合には、一対の放電用電極4は、対向部4bが一対の側壁2aの内周面にそれぞれ設けられ、三角形状を有しており、平面状の電極となっており、この三角形状の平面状の電極同士が互いに対向するように放電空間S内に配置されている。なお、発光装置10Dは、側壁2aに段差部を有していない。
このように、発光装置10Dは、放電用電極4は、互いに対向する対向部4bが平面状を有しているので、陰極の放電用電極4から放出された電子による劣化が低減されて、放電用電極4の電極寿命の低下が抑制される。また、発光装置10Dは、放電誘発用電極5を放電用電極4の周辺のパッケージ2の内部に設けており、X方向またはZ方向において、放電用電極4と放電誘発用電極5との距離を短くすることができるので、放電誘発用電極5によって放電空間S内での放電が誘発されやすくなる。
本発明は、上述した実施の形態および他の実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。