以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
[実施形態1]以下、本発明の撮像装置および通信機器としてデジタルカメラとスマートフォンを適用し、通信機器により撮像装置を外部から操作してリモート撮影を行うシステムについて説明する。なお、本実施形態では、通信機器として携帯電話の一種であるスマートフォンを想定しているが、他のカメラ付き携帯電話やタブレット端末などの携帯型電子機器にも適用可能である。また、カメラ付きのパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であっても良い。
<撮影モードの説明>まず、図1を参照して、本実施形態による通常撮影モードとリモート撮影モードについて説明する。
図1において、(a)は通常撮影モードの場合、(b)はリモート撮影モードの場合をそれぞれ示している。
通常撮影モードでは、図1(a)に示すように、撮影者101と被写体102は異なっており、撮影者101はデジタルカメラ200を直接操作することで被写体102を撮影する。
これに対して、リモート撮影モードでは、図1(b)に示すように、撮影者101は被写体102にもなり、撮影者101が所持するスマートフォン300を使用してデジタルカメラ200を遠隔操作することで撮影を行う。
このように、リモート撮影モードでは、撮影者101はスマートフォン300をデジタルカメラ200と無線接続して、スマートフォン300によりデジタルカメラ200を外部から操作する。撮影者101を被写体102として撮影を行う場合、撮影者101はスマートフォン300の表示画面を見ながら、自身がフレーム内に収まるようにデジタルカメラ200の画角を調節し、デジタルカメラ200へ撮影指示を送信して撮影を実施する。
<撮像装置の構成>図2を参照して、本発明に係る実施形態の撮像装置の構成及び機能の概略について説明する。
図1において、制御部201は、デジタルカメラ200の全体を統括して制御する演算処理装置(CPU)であって、後述する不揮発性メモリ204に格納されたプログラムを実行することで、後述するフローチャートの各処理を実現する。なお、制御部201が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
撮像部202は、ズームレンズやフォーカスレンズを含むレンズ群、絞り機能を備えるシャッターを含む。また、撮像部202は、被写体像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子、撮像素子から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を有する。
画像処理部203は、撮像部202により撮像された画像データに、ホワイトバランスや色、明るさ等を調整する画質調整処理を施し、また、表示用サイズへのリサイズ処理などを行う。また、画像処理部203は、画質調整処理が施された画像データをJPEG等により圧縮符号化して画像ファイルを生成し、記録媒体210に記録する。また、画像処理部203は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づき制御部201が撮像部202のフォーカスレンズや絞り、シャッターを制御することで、AF(オートフォーカス)処理やAE(自動露出)処理を行う。
不揮発性メモリ204は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ204には、制御部201の動作用の定数、プログラム等が記録される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
作業用メモリ205は、制御部201の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ204から読み出したプログラムなどを展開する作業領域として使用される。また、作業用メモリ205は、撮像部202で撮像された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部207の画像表示用メモリとして使用される。
操作部206は、ユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材からなり、例えば、電源スイッチ、シャッタースイッチ、モード切替スイッチなどを含む。モード切替スイッチは回転式のダイヤルスイッチからなり、制御部201の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モードなどに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード(M)、プログラムAEモード(P)、カスタムモード、リモート撮影モードなどがある。また、シャッタースイッチは、デジタルカメラ200に設けられたシャッターボタンの操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1を受けて、制御部201は撮像部202を制御することによりAF(オートフォーカス)処理やAE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理などの動作を開始する。また、シャッタースイッチは、シャッターボタンの操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2を受けて、撮像部202からの信号読み出しから記録媒体210に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
表示部207は、撮影時のビューファインダー画像の表示、撮影した画像の表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。表示部207は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部207は、デジタルカメラ200と一体化された構成であっても、デジタルカメラ200と接続された外部機器であっても良い。
記録媒体210は、画像処理部203により符号化された画像ファイルが記録されたり、制御部201により既に記録されている画像ファイルが読み出される。記録媒体210は、デジタルカメラ200に装着されるメモリカードやハードディスクドライブなどであっても良いし、デジタルカメラ200に内蔵されたフラッシュメモリやハードディスクドライブであっても良い。
接続部211は、スマートフォン300などの外部装置と接続するためのインターフェースである。本実施形態のデジタルカメラ200は、接続部211を介して、外部装置とデータの授受を行うことができる。なお、本実施形態では、接続部211は外部装置と無線LANで通信するためのインターフェースを含む。制御部201は、接続部211を制御することで外部装置との無線通信を実現する。なお、通信方式は無線LANに限定されるものではなく、例えばUSB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)などを用いることができる。なお、NFC(Near Field Communication)など、通信距離が10cm前後の近接無線通信を用いることもできるが、リモート撮影のメリットを享受するためにはある程度の通信距離(数m以上)を有する通信方法が望ましい。
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ200は、無線LANのインフラストラクチャモードにおけるスレーブ装置として動作することが可能である。スレーブ装置として動作する場合、周辺のアクセスポイント(以下、AP)に接続することで、APが形成するネットワークに参加することが可能である。また、本実施形態におけるデジタルカメラ200は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作することも可能である。なお、本実施形態におけるAPは中継装置の一例である。デジタルカメラ200が簡易APとして動作すると、デジタルカメラ200は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ200の周辺の装置は、デジタルカメラ200をAPと認識し、デジタルカメラ200が形成したネットワークに参加することが可能となる。上記のようにデジタルカメラ200を動作させるためのプログラムは不揮発性メモリ204に保持されているものとする。
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ200はAPの一種であるものの、スレーブ装置から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能は有していない簡易APである。したがって、自機が形成したネットワークに参加している他の装置からデータを受信しても、それをインターネットなどのネットワークに転送することはできない。
<通信機器の構成>次に、図3を参照して、本発明の通信機器を適用した一実施形態のスマートフォン300の構成及び機能について説明する。なお、以下では、本発明の通信機器の一例としてスマートフォンについて述べるが、これに限られない。本発明は、例えば携帯電話、無線機能付きのデジタルカメラ、携帯型のメディアプレーヤやいわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置にも適用できる。
本実施形態のスマートフォン300は、制御部301、撮像部302、不揮発性メモリ303、作業用メモリ304、操作部305、表示部306、記録媒体310、接続部311を備える。上記各要素の基本的な機能はデジタルカメラ200と同様であり、詳細な説明は省略する。なお、通信機器をPCとした場合、PCは表示部を備えている必要はなく、表示部の表示を制御する表示制御機能を有していれば良い。
なお、不揮発性メモリ303には、デジタルカメラ200と通信するためのプログラムが保持され、カメラアプリケーションとしてインストールされているものとする。なお、本実施形態におけるスマートフォン300の処理は、カメラアプリケーションにより提供されるプログラムを読み込むことにより実現される。なお、カメラアプリケーションはスマートフォン300にインストールされたOSの基本的な機能を利用するためのプログラムを有しているものとする。なお、スマートフォン300のOSが本実施形態における処理を実現するためのプログラムを有していても良い。
公衆網接続部312は、公衆無線通信を行う際に用いられるインターフェースである。スマートフォン300は、公衆網接続部312を介して、他の機器と通話をしたり、データ通信をすることができる。通話の際には、制御部301はマイク313およびスピーカ314を介して音声信号の入力と出力を行う。本実施形態では、公衆網接続部312は3Gを用いた通信を行うためのインターフェースを含むものとする。なお、3Gに限らず、LTEやWiMAX、ADSL、FTTH、いわゆる4Gといった他の通信方式を用いても良い。また、接続部311および公衆網接続部312は必ずしも独立したハードウェアで構成する必要はなく、例えば1つのアンテナで兼用することも可能である。
<ズーミング時の通信手順の説明>次に、図4および図5を参照して、本実施形態のスマートフォン300とデジタルカメラ200のズーミング時の通信手順について説明する。
本実施形態のデジタルカメラ200は、無線接続したスマートフォン300からのズーム指示に応じてズーミングを行う。デジタルカメラ200は、撮像部202に含まれるモータの駆動力をギアを介してズームレンズを移動させるためのカム筒に伝達することで、ズームレンズを所定のズーム位置に駆動制御している。ここで、ギア同士の噛み合いによるバックラッシュ(隙間)のため、ワイド側からテレ側に駆動した後で、テレ側からワイド側に駆動する場合には、ギアを上記隙間を解消する量以上に移動しなければ、カム筒が回転せず、画角が変更されない。以下、画角を変更するために最低限必要となるギアなどの駆動要素の移動量を最小移動量と呼ぶ。また、撮像部202に含まれるレンズ鏡筒ごとに、ズーム位置ごとの被写体距離にピントが合うフォーカス位置を調整し、その位置情報を不揮発性メモリ204に記憶している。タクトタイムを短縮するなどの目的で、フォーカス位置をズーム位置ごとに記憶していないシステムでは、フォーカス位置を記憶していない領域について補間演算によってフォーカス位置を決定する必要がある。ワイド端付近やテレ端付近には、カム筒が回転しても、レンズが光軸方向に動かない領域があり、この領域近傍では補間演算との誤差が大きくなる。このような補間演算との誤差が大きくなる領域を停止禁止領域とする。なお、前述の最小移動量および停止禁止領域は撮像部202に含まれるレンズ鏡筒によって異なる。
<ズーミング時の通信手順>次に、図4および図5を参照して、本実施形態のデジタルカメラ200とスマートフォン300の間でのズーミング時の通信手順について説明する。
以下の処理は、デジタルカメラ200とスマートフォン300との接続が確立されると開始される。
まず、ステップS401では、スマートフォン300は、デジタルカメラ200に対して、ズームステップ数の取得要求を送信する。このズームステップ数は、デジタルカメラ200がズームレンズを移動する際の移動先位置として何段階の位置を指定可能かを示す総ステップ数のことである。例えば、デジタルカメラ200のズーム指定可能位置として、100通りの位置を指定可能な場合、ズームステップ数は100となる。
ステップS402では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300にズームステップ数を返信する。
ステップS403では、スマートフォン300は、図5(a)に示すような画面を表示する。図5(a)において、501は、ワイド側にズーミングするよう指示するボタン、502は、テレ側にズーミングするよう指示するボタンである。ユーザがこれらのボタン501、502を押すことにより、スマートフォン300はデジタルカメラ200にズームレンズをある位置(x)に移動させるよう指示を送信する。
ステップS404では、デジタルカメラ200は、指定された位置(x)に停止可能か否かを判定する。停止できない場合は、ステップS405にて、停止可能位置(y)に移動先を変更する。
ステップS406では、デジタルカメラ200は、指定された位置(x)もしくは停止可能位置(y)までズームレンズを駆動する。
ステップS407では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300に対して、ズーミングが完了したことを通知する。このズーム完了通知により、スマートフォン300はデジタルカメラ200でズーミングが完了したと判断する。ところが、スマートフォン300は、デジタルカメラ200が指定位置(x)までズーミングを行ったのか、それとも指定位置(x)が停止禁止領域であって変更された位置にズーミングを行ったのかを判断することはできない。そこで、ステップS408において、スマートフォン300は、デジタルカメラ200にズーム位置の取得要求を行う。
ステップS409では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300にズーム位置として、位置(y)を通知する。指定位置(x)が停止禁止領域であれば、位置(y)は位置(x)とは異なる値として通知されることになる。一方、指定位置(x)が停止禁止領域でなければ、位置(y)は位置(x)と同じ値として通知される。
本実施形態では、スマートフォン300が、デジタルカメラ200にズーム位置の取得要求を送信することで、デジタルカメラ200からズーム位置を取得しているが、デジタルカメラ200からズーム完了通知を行うときに実際のズーム位置を送信しても良い。
<デジタルカメラのズーミング動作>次に、図6を参照して、スマートフォン300と無線接続されたデジタルカメラ200によるズーミング動作について説明する。
なお、図6の処理は、不揮発性メモリ204に格納されたプログラムを、作業用メモリ205に読み出して制御部201が実行することにより実現される。また、図6の処理は、撮影モードに設定された状態でデジタルカメラ200が起動されると開始される。
ステップS601では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300との接続を確立したか否かを判定し、接続が確立されるまで待機する。
ステップS602では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300から能力取得要求を受信したか否かを判定し、受信するまで待機する。
ステップS603では、制御部201は、接続部211を介してカメラの能力として、少なくともズームステップ数を含む情報をスマートフォン300に送信する。ここで、スマートフォン300に送信するカメラの能力としてはズームステップ数に限らず、露出補正やISO感度などの設定可能な撮影パラメータの情報や撮影可能枚数やバッテリー残量など、他の情報を含んでいても良い。
ステップS604では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300からズーム指示を受信したか否かを判定し、受信した場合はステップS605に進み、受信していない場合はステップS613に進む。
ステップS605では、制御部201は、ズームレンズの現在位置(以下、現在レンズ位置)をスマートフォン300から指定された位置(ズーム指定位置)に移動することで画角変化があるか否か判定する。判定の結果、画角変化がある場合はステップS607に進み、画角変化がない場合はステップS606に進む。
ステップS606では、制御部201は、ズーム指定位置を画角変化がある位置に変更する。ここで、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもテレ側である場合、ズーム指定位置よりもテレ側で最も現在レンズ位置に近い画角変化がある位置に変更する。一方、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもワイド側である場合、ズーム指定位置よりワイド側で最も現在レンズ位置に近い位置に変更する。
ステップS607では、制御部201は、ズーム指定位置からワイド端またはテレ端まで所定量以上の十分な移動距離があるか否かを判定し、十分な移動距離がない場合はステップS608に進み、十分な移動距離がある場合はステップS609に進む。ここで、十分な移動距離がない位置とは、ワイド端またはテレ端に極近い位置であって、この位置に停止してしまうと、次にズーム指示が行われた際に、ワイド端またはテレ端に停止することができない位置のことである。
ステップS608では、制御部201は、ズーム指定位置をワイド端またはテレ端から十分な距離がある位置に変更する。この際、ズーム指定位置が、現在レンズ位置よりもテレ側である場合、ズーム指定位置よりもテレ側で最も現在レンズ位置に近い画角変化がある位置に変更する。一方、ズーム指定位置が、現在レンズ位置よりもワイド側である場合、ズーム指定位置よりワイド側で最も現在レンズ位置に近い位置に変更する。
ステップS609では、制御部201は、ズーム指定位置でピントが合うか否かを判定し、ピントが合う場合はステップS611に進み、ピントが合わない場合はステップS610に進む。
ステップS610では、制御部201は、ズーム指定位置をピントが合う位置に変更する。
ステップS611では、制御部201は、ズーム指定位置にズームレンズを駆動する。
ステップS612では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300にズーム完了通知を送信する。
ステップS613では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300から、ズーム位置取得要求を受信したか否かを判定し、受信した場合はステップS614に進み、受信していない場合はステップS615に進む。
ステップS614では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300にズーミング後のズーム位置を送信する。なお、本実施形態では、ステップS604からS614の処理について逐次的に行うように説明したが、ズーミング中にズーム指示が行われても良い。この場合には、ズーミング完了後に、次に受けたズーム指示について処理を行うことで、最後に指定された位置にズームレンズが駆動されるように制御する。また、ズーミングが完了する前に、ズーム指示が複数回行われた場合には、ズーミング完了後に、最後に通知されたズーム指定位置についての処理のみを行う。
ステップS615では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300からライブビュー画像取得要求を受信したか否かを判定し、受信した場合はステップS616に進み、受信していない場合はステップS617に進む。
ステップS616では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300にライブビュー画像を送信する。
ステップS617では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300との接続が切断された否かを判定し、接続が切断された場合は本処理を終了し、接続が切断されていない場合は、ステップS604に戻る。
<ズーミング時のスマートフォンの動作説明>次に、図7を参照して、デジタルカメラ200と無線接続されたスマートフォン300によるズーミング時の動作について説明する。
なお、図7の処理は、スマートフォン300のカメラアプリケーションが起動されると開始される。
ステップS701では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200との接続を確立したか否かを判定し、接続が確立されるまで待機する。
ステップS702では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200に能力取得要求を送信する。
ステップS703では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200からカメラの能力に関する情報を取得できたか否かを判定し、取得できるまで待機する。
ステップS704では、制御部301は、図5(a)に示すボタン501、502が操作されてズーム指示が行われたか否かを判定し、ズーム指示が行われた場合はステップS705に進み、ズーム指示が行われない場合はステップS706に進む。
ステップS705では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200にズーム指示を送信する。ここで、ズーム指示として、ズーム指定位置をデジタルカメラ200に通知する。ボタン501が押された場合は、現在レンズ位置からワイド側の位置をズーム指定位置とし、ボタン502が押された場合は、現在レンズ位置からテレ側の位置をズーム指定位置とする。また、ズーム指定位置は、ステップS703で取得したカメラの能力に応じたズームステップ数の範囲内に設定される。
ステップS707では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200に現在レンズ位置取得要求を送信する。
ステップS708では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200からズーム完了通知を受信したか否かを判定し、受信するまで待機する。
ステップS709では、制御部301は、図5(b)に示すスライダーバー504の位置表示を更新する。このスライダーバー504は、現在レンズ位置がどの位置にあるかを表示する。
なお、本実施形態では、ステップS709においてデジタルカメラ200から現在レンズ位置を取得することで、スライダーバー504の位置表示の更新を行っているが、ステップS704においてユーザがズーム指示を行ったときにスライダーバーの位置表示を更新しても良い。また、本実施形態では、スライダーバー504を位置表示のみを行う手段としているが、ステップS704においてスライダーバー504を操作可能にしてズーム位置を指定しても良い。これらの場合は、ステップS704でのユーザ操作に基づき一度スライダーバー504が移動するが、その位置が停止禁止領域の場合、ステップS709において自動的にスライダーバー504の位置が調整される。なお、1ステップ分あたりのスライダーバーの移動量は、ステップS402で受信されるデジタルカメラ200のズームステップ数に基づく。例えば、デジタルカメラ200のズームステップ数が100の場合、制御部301はスライダーバー504を100等分し、ズームステップの単位とする。同様にズームステップ数が200の場合、制御部301はスライダーバー504を200等分し、ズームステップの単位とする。このようにすることで、スマートフォン300はズーム特性の異なる複数種類のデジタルカメラに対応することが可能となる。
ステップS710では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200にライブビュー画像取得要求を送信する。
ステップS711では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200からライブビュー画像を取得できたか否かを判定し、ライブビュー画像を取得するまで待機する。
ステップS712では、制御部301は表示部306に、図5(b)に示すようなライブビュー画像503を表示する。ユーザはこのライブビュー画像を見てズーミング後の画角変化を確認し、撮影ボタン505を操作することで撮影処理を行うことができる。なお、撮影処理の詳細については説明を省略する。
ステップS713では、制御部301は、接続部311を介してデジタルカメラ200との接続が切断されたか否かを判定し、接続が切断された場合は本処理を終了し、接続が切断されていない場合はステップS704に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、スマートフォン300から指示されたズーム指定位置がズーム駆動できない停止禁止領域であった場合、ズーム位置を変更することで、適切な撮影が可能となる。
[実施形態2]次に、実施形態2として、スマートフォン300から、停止禁止領域を回避したズーム指示を行う構成について説明する。
なお、本実施形態のデジタルカメラやスマートフォンの構成は実施形態1と同様である。
<ズーミング時の通信手順>まず、図8を参照して、本実施形態のデジタルカメラ200とスマートフォン300の間でのズーミング時の通信手順について説明する。
以下の処理は、デジタルカメラ200とスマートフォン300との接続が確立されると開始される。
ステップS801、S802では、図4のステップS401、S402と同様に、スマートフォン300は、デジタルカメラ200にズームステップ数の取得要求を送信し、デジタルカメラ200は、スマートフォン300にズームステップ数を返信する。
ステップS803では、スマートフォン300は、デジタルカメラ200に対して、停止禁止領域情報取得要求を行う。
ステップS804では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300に停止禁止領域情報を返信する。
ステップS805では、スマートフォン300は、デジタルカメラ200に対して、最小移動量取得要求を行う。
ステップS806では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300に最小移動量を返信する。
上記のように、本実施形態のスマートフォン300は、ズームステップ数の取得と併せて、停止禁止領域等の情報も受信することとした。このようにすることで、スマートフォンは停止禁止領域等にズームする指示をデジタルカメラ200に送信しないよう制御することができる。
ステップS807では、スマートフォン300は、デジタルカメラ200に対して、ズーム位置(x)を指示する。なお、ここでユーザ操作により指定されたズーム位置が停止禁止領域等である場合、スマートフォン300はユーザに指定された位置をズーム位置(x)として指示せず、異なる位置をズーム位置(x)として指示する。この処理については後述する。
ステップS808では、デジタルカメラ200は、指定された位置(x)までズーム動作を行う。
ステップS809では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300にズーミングが完了したことを通知する。
ステップS810では、スマートフォン300は、デジタルカメラ200にズーム位置の取得要求を送信する。
ステップS811では、デジタルカメラ200は、スマートフォン300にズーム位置として、位置(x)を通知する。
本実施形態では、スマートフォン300が、デジタルカメラ200にズーム位置の取得要求を送信することで、デジタルカメラ200からズーム位置を取得しているが、デジタルカメラ200からズーム完了通知を行うときにズーム位置を送信しても良い。
<ズーミング時のデジタルカメラの動作説明>次に、図9を参照して、スマートフォン300と無線接続されたデジタルカメラ200によるズーミング動作について説明する。
なお、図9のステップS901〜S911はそれぞれ、図6のステップS601〜S604、S611〜S617と同様である。よって、以下では、図6と異なる点を中心に説明を進める。
図9において、ステップS903では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300に、カメラの能力として、少なくともズームステップ数、最小移動量、停止禁止領域をスマートフォン300に送信する。
ステップS904では、制御部201は、接続部211を介してスマートフォン300からズーム指示を受信したか否かを判定し、ズーム指示を受信した場合はステップS905に進み、受信していない場合はステップS907に進む。
ステップS905では、制御部201は、スマートフォン300にズーム指定位置にズームレンズを駆動し、ステップS906でズーム完了通知を送信する。
<ズーミング時のスマートフォンの動作説明>次に、図10を参照して、デジタルカメラ200と無線接続されたスマートフォン300によるズーミング時の動作について説明する。
なお、図10のステップS1001〜S1004、S1009〜S1017はそれぞれ、図7のステップS701〜S713と同様である。よって、以下では、図7と異なる点を中心に説明を進める。
図10のステップS1004でズーム指示を受信すると、ステップS1005で、制御部301は、ズーム指定位置が停止禁止領域であるか否かを判定し、停止禁止領域の場合はステップS1006に進み、停止禁止領域でない場合はステップS1007に進む。
ステップS1006では、制御部301は、ズーム指定位置を停止禁止領域外に変更する。ここで、ズーム指定位置を停止禁止領域外に変更する際、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもテレ側である場合は、ズーム指定位置よりもテレ側で最も現在レンズ位置に近い停止禁止領域外の位置に変更する。一方、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもワイド側である場合は、ズーム指定位置よりもワイド側で最も現在レンズ位置に近い停止禁止領域外の位置に変更する。
ステップS1007では、制御部301は、ズーム指定位置と現在レンズ位置との絶対値の差が、最小移動量未満であるか否かを判定し、最小移動量未満である場合はステップS1008に進み、最小移動量以上である場合はステップS1009に進む。
ステップS1008では、制御部301は、ズーム指定位置と現在レンズ位置との差の絶対値が最小移動量以上となるようズーム指定位置を変更する。ここで、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもテレ側である場合は、ズーム指定位置よりもテレ側で最も現在レンズ位置に近い停止禁止領域外の位置に変更する。一方、ズーム指定位置が現在レンズ位置よりもワイド側である場合は、ズーム指定位置よりもワイド側で最も現在レンズ位置に近い停止禁止領域外の位置に変更する。
本実施形態では、ズーム指定位置に対して停止禁止領域を回避し、最小移動量以上となるようズーム指定位置を変更しているが、これに限られず、停止禁止領域を回避し、最小移動量以上となるよう制御できる方法であれば、他の方法を用いても良い。例えば、図5(b)のスライダーバー504を操作して、ズーム指定位置を指定する際に、停止禁止領域を非表示またはユーザが指定できないようにしても良い。
以上説明したように、本実施形態のスマートフォンによれば、ユーザから指示されたズーム指定位置がズーム駆動できない停止禁止領域であっても、停止禁止領域を回避するようにズーム位置の変更を指示することで、適切なズーミングが可能となる。
また、実施形態1とは異なり、ユーザ操作で一度指示したズーム位置が再調整されることがないため、使い勝手のよい操作感を提供することが可能となる。
なお、本実施携帯のスマートフォン300は、ズーム位置の確認のためにステップS1011、S1012においてズーム位置を再度要求することとしたが、必ずしもこの処理は必要ない。なぜならステップS1005〜S1008の処理により、ズーム駆動できる位置をデジタルカメラ200に指示するよう制御しているからである。
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。