JP6271976B2 - 不織布シート - Google Patents

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Description

本発明は、不織布シートに関する。
一定方向やランダム方向に集積させた繊維ウェブを結合させることによって得られる不織布は、繊維によって予め形成された糸を織り込んだり編み込んだりして得られる布に比べ、良好な通気性やろ過性及び優れた保温性等を有していることから、種々の分野において利用されている。かかる不織布は、様々な方法で製造することができるが、通常、集積させた繊維同士を高温下で圧着または融着することでシート状にする。この際、繊維とともに所望の成分を含ませることができれば、様々な機能を付与した不織布シートを得ることができる。
例えば、特許文献1には、清掃剤としてアルカリ性無機塩類の粉末或いは粉末状の有機酸を含有させた洗浄用不織布シートが開示されている。かかるシートは、繊維と清掃剤とを絡合させてウェブ層を形成した後、高温下での熱処理を介することによって一体化されたシートであり、使用時における水の存在下、これらの粉末が洗浄作用を発揮させるものである。
一方、特許文献2には、炭酸塩を封入したマイクロカプセルと有機酸を封入したマイクロカプセルを水解性繊維シートに含有させたトイレ掃除用シートが開示されており、上記特許文献1に記載のシートと同様、繊維の層を高温下で圧着して一体化されたシートである。かかるシートは、使用時において圧力が付加されることによってマイクロカプセルを破裂させ、マイクロカプセル内の炭酸塩又は有機酸を外に放出させて反応させることで、炭酸ガスを発生させるものである。
国際公開第2007/86162号 特開2006−307389号公報
しかしながら、上記文献に記載のシートは、いずれも製造段階において高温下での処理によって繊維を融着させて得るものであるため、炭酸ガスを発生させる成分である酸と炭酸塩が共存する状況下では、熱によってこれらの反応が促進され、製造段階で炭酸ガスが発生してしまうおそれがある。また、これらのシートは、シート内に含有される酸や炭酸塩の量が不十分であるため、シートを皮膚に貼付して水や湯をかけたり、貼付時の押圧等により圧力を付加したりしても、炭酸ガスを満足な量で瞬時に発生させることができず、さらに良好な柔軟性を確保して貼付する皮膚への追従性を高めるには、依然として改善の余地がある。
したがって、本発明は、皮膚に貼付して水や湯をかけることによって、皮膚上で炭酸ガスの発泡を十分に堪能できる不織布シートに関する。
そこで本発明者らは、特定の固体の物質を用いることにより、炭酸ガス発生物である有機酸や無機酸、及び炭酸塩を含有しながら、製造段階で炭酸ガスが発生してしまうのを有効に防止できる不織布シートが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)有機酸及び無機酸から選ばれる粉体、
(B)炭酸塩である粉体、
(C)融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質、及び
(D)繊維
を含有する不織布シートを提供するものである。
また、本発明は、有機酸及び無機酸から選ばれる粉体(A)、炭酸塩である粉体(B)、融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質(C)、並びに繊維(D)の少なくとも一部を用いてウェブ層を形成する工程(I)
を1又は2以上含み、
得られた単一又は複数のウェブ層を用いて積層体を形成した後、110℃以下の温度で圧着又は融着する工程(II)
を経ることによって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する不織布シートを得る不織布シートの製造方法を提供するものである。
本発明の不織布シートによれば、有機酸及び無機酸から選ばれる粉体、並びに炭酸塩なる粉体を良好に担持することができるので、皮膚に貼付した不織布シートに水や湯をかけるのみで、シートを貼付した皮膚上において十分な量の炭酸ガスを発生させることができ、高い血行促進効果が期待できる。
なお、ウェブ層とは、成分(D)の繊維、或いは成分(A)〜(C)の少なくとも一部を含む成分(D)の繊維を、一定方向又はランダム方向に集積させた繊維の層であって、不織布シートを得るために繊維を結合する前の状態の層を意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の不織布シートは、成分(A)として有機酸及び無機酸から選ばれる粉体を含有する。かかる成分(A)は、使用時において本発明の不織布シートに水や湯がかけられることにより、後述する成分(B)の炭酸塩である粉体と反応して炭酸ガスを発生させることができる。
有機酸としては、具体的には、例えば、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また無機酸としては、具体的には、例えば、リン酸、ホウ酸、メタケイ酸及び無水ケイ酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(A)としては、炭酸ガス発生量を確保する観点から、有機酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、及び酒石酸から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、クエン酸、リンゴ酸及びフマル酸から選ばれる1種又は2種であることがさらに好ましい。
成分(A)の粉体の平均粒径は、本発明の不織布シート内に成分(A)を十分な量で含有させる観点から、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは80μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上である。成分(B)の粉体の平均粒径は、後述する成分(B)とともに成分(A)による水や湯との反応によって容易に炭酸ガスを発生させる観点から、好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは2000μm以下であり、さらに好ましくは1000μm以下である。また、成分(A)の粉体の平均粒径は、好ましくは50〜3000μmであり、より好ましくは80〜2000μmであり、さらに好ましくは100〜1000μmである。
成分(A)の含有量は、炭酸ガス発生量を確保する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50g以上であり、より好ましくは150g以上であり、さらに好ましくは200g以上である。成分(A)の含有量は、成分(A)が不織布シート内に良好に担持されて不織布シートからの脱落を抑制する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは1000g以下であり、より好ましくは900g以下であり、さらに好ましくは800g以下である。また、成分(A)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50〜1000gであり、より好ましくは150〜900gであり、さらに好ましくは200〜800gである。
本発明の不織布シートは、成分(B)として炭酸塩である粉体を含有する。かかる成分(B)は、使用時において本発明の不織布シートに水や湯がかけられることにより、成分(A)の有機酸及び無機酸から選ばれる粉体と反応して炭酸ガスを発生させることができる。
炭酸塩としては、具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及びセスキ炭酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩としては、炭酸ガス発生量を確保する観点から、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
成分(B)の粉体の平均粒径は、本発明の不織布シート内に成分(B)を十分な量で含有させる観点から、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは80μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上である。成分(B)の粉体の平均粒径は、成分(A)とともに成分(B)による水や湯との反応によって容易に炭酸ガスを発生させる観点から、好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは2000μm以下であり、さらに好ましくは1000μm以下である。また、成分(B)の粉体の平均粒径は、好ましくは50〜3000μmであり、より好ましくは80〜2000μmであり、さらに好ましくは100〜1000μmである。
成分(B)の含有量は、炭酸ガス発生量を確保する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50g以上であり、より好ましくは150g以上であり、さらに好ましくは200g以上である。成分(B)の含有量は、成分(B)が不織布シート内に良好に担持されて不織布シートからの脱落を抑制する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは1000g以下であり、より好ましくは900g以下であり、さらに好ましくは800g以下である。また、成分(B)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50〜1000gであり、より好ましくは150〜900gであり、さらに好ましくは200〜800gである。
本発明の不織布シートは、成分(C)として、融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質を含有する。かかる成分(C)を含有することにより、後述する成分(D)の繊維から形成されるウェブ層を低い温度で圧着又は融着させることが可能となり、成分(A)と成分(B)が製造段階で反応して炭酸ガスが発生してしまうのを有効に防止することができる。また、これら成分(A)及び成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させることができるので、これら成分(A)及び成分(B)の不織布シートからの脱落を有効に防止してシート内に含有させ、使用時における炭酸ガスの発生量を高めることが可能となる。
成分(C)の融点は、後述する成分(D)の繊維から形成されるウェブ層を良好に圧着又は融着させる観点から、50℃以上であって、好ましくは53℃以上であり、より好ましくは55℃以上である。成分(C)の融点は、成分(A)と成分(B)が製造段階で反応して炭酸ガスが発生してしまうのを有効に防止する観点から、110℃以下であって、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下である。また、成分(C)の融点は、50℃以上110℃以下であって、好ましくは53〜100℃であり、より好ましくは55〜90℃である。
成分(C)の融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質としては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール等のポリエーテルやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体のような高分子化合物;ミリスチン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸;セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;グルコース、マルトース等の糖類から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(C)としては、成分(A)及び成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点、及び成分(A)及び成分(B)の反応を抑制する観点から、高分子化合物であることが好ましく、ポリエチレングリコールであることがさらに好ましい。
ポリエチレングリコールとしては、ウェブ層を良好に圧着又は融着させる観点、成分(A)や成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点、成分(A)及び成分(B)の反応を抑制する観点から、数平均分子量2000〜30000のものが好ましく、数平均分子量3000〜25000のものがより好ましい。
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量とは、化粧品原料基準第二版(昭和57年12月厚生省告示第211号)の測定方法に則った呈色反応に基づく値を意味する。
成分(C)の含有量は、ウェブ層を良好に圧着又は融着させる観点、成分(A)や成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点、成分(A)及び成分(B)の反応を抑制する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは10g以上であり、より好ましくは20g以上であり、さらに好ましくは40g以上である。成分(C)の含有量は、貼付する皮膚への追従性を確保し、良好な柔軟性を保持する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは500g以下であり、より好ましくは400g以下であり、さらに好ましくは200g以下である。また、成分(C)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは10〜500gであり、より好ましくは20〜400gであり、さらに好ましくは40〜200gである。
成分(A)及び成分(B)の合計含有量と、成分(C)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))は、成分(A)及び成分(B)による炭酸ガスの発生量を十分に確保する観点、貼付する皮膚への追従性を確保し、良好な柔軟性を保持する観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは3以上である。成分(A)及び成分(B)の合計含有量と、成分(C)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))は、ウェブ層を良好に圧着又は融着させる観点、成分(A)や成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点、成分(A)及び成分(B)の反応を抑制する観点から、好ましくは12以下であり、より好ましくは9以下であり、さらに好ましくは7以下である。また、成分(A)及び成分(B)の合計含有量と、成分(C)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは2〜9であり、さらに好ましくは3〜7である。
本発明の不織布シートは、成分(D)として、繊維を含有する。かかる成分(D)を含有することによって、製造時において一定方向又はランダム方向に集積されたウェブ層を形成することができ、かかるウェブ層内で繊維と成分(A)〜成分(C)とが良好に絡合するので、圧着又は融着することによってシート状に形成した際、これら成分(A)〜成分(C)を不織布シート内に堅固に担持させることができる。
成分(D)の繊維の素材としては、例えば、レーヨン、キュプラ等のセルロース系繊維;ナイロン等のポリアミド系繊維;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;アクリル等のポリアクリロニトリル系繊維;ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維などが挙げられるほか、綿、毛、麻、パルプ及び絹等の天然繊維、ガラス繊維等の無機繊維から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(D)の繊維の素材としては、繊維をウェブ層内に良好に分散させる観点から、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維及びポリビニルアルコール系繊維から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、より具体的には、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。ポリビニルアルコール系繊維等の水溶性繊維は、使用後に不織布シートを剥離する手間を省けるという利点があるので好ましい。
成分(D)の繊維の繊維長は、ウェブ層内において成分(A)〜(C)と成分(D)とを良好に絡合させる観点から、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは1.5mm以上であり、さらに好ましくは2mm以上である。成分(D)の繊維の繊維長は、繊維をウェブ層内で良好に分散させる観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは9mm以下であり、さらに好ましくは8mm以下である。また、成分(D)の繊維の繊維長は、好ましくは1〜10mmであり、より好ましくは1.5〜9mmであり、さらに好ましくは2〜8mmである。
成分(D)の繊維の繊維径は、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持させる観点から、好ましくは1〜20dtexであり、より好ましくは1.1〜10dtexであり、さらに好ましくは1.2〜5dtexである。
成分(D)の含有量は、成分(A)や成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは5g以上であり、より好ましくは20g以上であり、さらに好ましくは40g以上である。成分(D)の含有量は、貼付する皮膚への追従性を確保し、良好な柔軟性を保持する観点から、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは400g以下であり、より好ましくは300g以下であり、さらに好ましくは150g以下である。また、成分(D)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは5〜400gであり、より好ましくは20〜300gであり、さらに好ましくは40〜150gである。
成分(D)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((D)/(C))は、貼付する皮膚への追従性を確保し、良好な柔軟性を保持する観点、ウェブ層内で成分(A)〜(C)を良好に絡合させる観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.15以上であり、さらに好ましくは0.2以上である。成分(D)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((D)/(C))は、ウェブ層を良好に圧着または融着させる観点、及び成分(A)や成分(B)を本発明の不織布シート内に良好に担持させる観点から、好ましくは3以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.7以下である。また、成分(D)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((D)/(C))は、好ましくは0.1〜3であり、より好ましくは0.15〜1であり、さらに好ましくは0.2〜0.7である。
本発明の不織布シートの総目付は、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持して、炭酸ガスの発生量を十分に確保する観点から、好ましくは120g/m2以上であり、より好ましくは300g/m2以上であり、さらに好ましくは400g/m2以上である。本発明の不織布シートの総目付は、貼付する皮膚への追従性を十分に確保し得る柔軟性を付与する観点から、好ましくは3000g/m2以下であり、より好ましくは2000g/m2以下であり、さらに好ましくは1000g/m2以下である。また、本発明の不織布シートの総目付は、好ましくは120〜3000g/m2であり、より好ましくは300〜2000g/m2であり、さらに好ましくは400〜1000g/m2である。
なお、本発明の不織布シートの総目付とは、不織布シート1m2あたりにおける、不織布シートに含有される成分(A)〜成分(D)の合計含有量(質量:g)を意味する。
本発明の不織布シートは、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持して、炭酸ガスの発生量を十分に確保する観点から、成分(A)及び成分(B)は、成分(D)の間に粉体状態で存在することが好ましい。例えば、成分(A)及び成分(B)は、成分(D)の2つの層の間に粉体で存在しても良く、成分(A)及び成分(B)の粉体が成分(D)の間に絡まっていても良い。
本発明の不織布シートは、成分(A)と成分(B)が製造時又は保存時に反応して炭酸ガスが発生してしまうのを防止する観点から、シート中に水分を含有しないことが好ましく、含有していたとしても原料由来の水分のみであり、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の不織布シートには、上記成分以外の成分として、本発明の効果に影響をもたらさない範囲内で、通常皮膚化粧料や、浴用剤に用いられる成分を適宜含有させてもよい。皮膚化粧料成分としては、例えば、防腐剤、着色剤、界面活性剤、収斂剤、保湿剤、エモリエント剤、美白剤、皮脂分泌抑制剤、抗酸化剤、抗炎症剤、キレート剤、香料等が挙げられる。浴用剤成分としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の、上記炭酸ガス発生物に用いられ得る炭酸塩以外の無機塩;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ケイ酸カルシウム、ブドウ糖等の賦形剤;生薬等の薬効成分等が挙げられる。
本発明の不織布シートの総厚みは、良好な柔軟性を保持する観点から、好ましくは0.2〜10mmであり、より好ましくは0.5〜8mmである。
本発明の不織布シートは、有機酸及び無機酸から選ばれる粉体(A)、炭酸塩である粉体(B)、融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質(C)、並びに繊維(D)の少なくとも一部を用いてウェブ層を形成する工程(I)
を1又は2以上含み、
得られた単一又は複数のウェブ層を用いて積層体を形成した後、110℃以下の温度で圧着又は融着する工程(II)
を経ることによって得られる。
このように、工程(I)において、成分(A)〜(D)を含むウェブ層を形成し、工程(II)において、得られたウェブ層を単一又は複数含む積層体を110℃以下のように低い温度で圧着又は融着することにより、製造段階で成分(A)と成分(B)の反応が進行して炭酸ガスが発生してしまうのを有効に防止することができる。また、不織布シート内における成分(A)及び成分(B)の含有量を効果的に高めることができるので、皮膚に貼付した不織布シートに水や湯をかけるのみで、シートを貼付した皮膚上において十分な量の炭酸ガスを発生させることが可能となる。
工程(I)は、1又は2以上含まれる。すなわち、1の工程(I)のみを含む場合は、単一のウェブ層が得られる。具体的には、まず、成分(A)〜(D)を全て混合して単一のウェブ層を形成する方法がある(手段a)。また、好ましい具体例としては、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持させる観点、及び製造段階における炭酸ガスの発生を有効に防止する観点から、成分(A)〜成分(C)を予め混合した後、成分(D)と混合してウェブ層を形成するか(手段b)、或いは成分(C)と成分(D)を予め混合した後、成分(A)と成分(B)を混合してウェブ層を形成するか(手段c)、或いは成分(A)と成分(D)、成分(B)と成分(D)を予め混合した後、これらと成分(C)を混合してウェブ層を形成する(手段d)等の方法がある。なかでも、成分(C)と成分(D)を予め混合した後、成分(A)と成分(B)を混合してウェブ層を形成する(手段c)のがより好ましい。
また、2以上の工程(I)を含む場合は、1の工程(I)ごとに成分(D)、並びに成分(A)〜(C)のうち少なくとも一部を用いて各々単一のウェブ層を形成すればよく、工程(II)へ移行するまでに複数のウェブ層を得て、工程(II)において形成されるこれら複数のウェブ層から得られる積層体中に、成分(A)〜(D)を全て含むようにすればよい。その際、2つのウェブ層の間に成分(A)〜(C)のうちの一部を添加しても良い。具体的には、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持させる観点から、少なくとも1の工程(I)において、成分(D)と成分(C)を用いてウェブ層を形成することが好ましい(手段e)。また、製造段階における炭酸ガスの発生を有効に防止する観点から、成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を添加し、次いで0または1以上の工程(I)を経た後に成分(A)及び成分(B)の他方を添加することが好ましい(手段f)。さらに、製造段階における炭酸ガスの発生を有効に防止する観点から、成分(A)又は成分(B)を添加する際、かかる成分(A)又は成分(B)をそれぞれ成分(C)の少なくとも一部とともに予め混合することが好ましい(手段g)。また、成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に良好に担持させる観点から、複数のウェブ層から得られる積層体とし、その積層体の上層又は下層に、成分(D)を用いて形成されたウェブ層を配置する(手段h)ことが好ましい。なかでも、前記手段eとfとhの組み合わせが好ましく、成分(D)と成分(C)を用いて形成したウェブ層に、成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を添加し、次いで成分(A)及び成分(B)の他方を添加し、さらに成分(D)と成分(C)を用いて形成したウェブ層を上層又は下層に積層した積層体とするのが好ましい。この際、成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を添加した後に、成分(C)と成分(D)を用いてウェブ層を形成させてから、成分(A)及び成分(B)の他方を添加しても良い。さらに、前記手段gも組み合わせ、成分(A)又は成分(B)を添加する際にそれぞれ成分(C)を予め混合しても良い。また、手段fとgとhを組み合わせることも好ましく、成分(D)を用いて形成したウェブ層に、成分(A)または成分(B)のいずれか一方を成分(C)と予め混合して添加し、次いで成分(A)または成分(B)の他方を成分(C)と予め混合して添加し、さらに成分(D)を用いて形成したウェブ層を上層又は下層に積層した積層体とするのが好ましい。この際、成分(A)または成分(B)のいずれか一方を混合した後に、成分(D)を用いて形成したウェブ層を積層してから、成分(A)または成分(B)の他方を添加することが好ましい。
工程(II)では、工程(I)を経ることにより得られた単一又は複数のウェブ層が積層されてなる積層体を110℃以下の温度で圧着又は融着する。このように低い温度での圧着又は融着の処理を介することにより、製造段階で成分(A)と成分(B)の反応が進行して炭酸ガスが発生してしまうのを有効に防止しつつ、成分(A)及び成分(B)を良好に担持された不織布シートを得ることができる。積層体を圧着又は融着する温度は、製造段階で成分(A)と成分(B)が反応して炭酸ガスが発生するのを防止する観点から、110℃以下であって、好ましくは105℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。積層体を圧着又は融着する温度は、成分(D)と他の成分とを良好に絡合させつつ有効にシート状に形成する観点から、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上である。また、積層体を圧着又は融着する温度は、110℃以下であって、好ましくは50〜105℃であり、より好ましくは55〜100℃である。
上記工程(I)を1又は2以上含み、上記工程(II)を経て本発明の不織布シートを得るには、具体的には、例えば、ケミカルボンド法、エアスルー法、ヒートロール法、スパンレース法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法等のカード法;エアレイド法等のエアレイ法のような乾式法のほか、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等を用いることができる。なかでも、成分(D)と他の成分とを良好に絡合させつつ、成分(A)及び成分(B)を堅固に担持した不織布シートを得る観点から、エアレイド法を用いることが好ましい。
本発明の不織布シートは、皮膚に貼付して用いる。水や湯が不織布シートにかかることにより、不織布シート内の成分(A)及び成分(B)が反応して炭酸ガスを発生し、血行促進効果をもたらすことができる。また、炭酸ガスの発生を皮膚上からも、また目や耳からも直接実感して、快適感を高めることができる。さらに、水や湯によって膨潤した不織布シートを皮膚上でそのまま揉み込む等することにより、マッサージを行うことも可能である。
上述した実施態様に関し、本発明はさらに以下の不織布シート及びその製造方法を開示する。
[1]次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)有機酸及び無機酸から選ばれる粉体、
(B)炭酸塩である粉体、
(C)融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質、及び
(D)繊維
を含有する不織布シート。
[2]成分(A)は、有機酸であることが好ましく、かかる有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、及び酒石酸から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、クエン酸、リンゴ酸及びフマル酸から選ばれる1種又は2種であることがさらに好ましい上記[1]の不織布シート。
[3]成分(A)の粉体の平均粒径は、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは80μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上であり、好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは2000μm以下であり、さらに好ましくは1000μm以下である上記[1]又は[2]の不織布シート。
[4]成分(A)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50g以上であり、より好ましくは150g以上であり、さらに好ましくは200g以上であり、好ましくは1000g以下であり、より好ましくは900g以下であり、さらに好ましくは800g以下である上記[1]〜[3]いずれか1の不織布シート。
[5]成分(B)は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及びセスキ炭酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい上記[1]〜[4]いずれか1の不織布シート。
[6]成分(B)の粉体の平均粒径は、本発明の不織布シート内に成分(B)を十分な量で含有させる観点から、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは80μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上であり、好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは2000μm以下であり、さらに好ましくは1000μm以下である上記[1]〜[5]いずれか1の不織布シート。
[7]成分(B)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは50g以上であり、より好ましくは150g以上であり、さらに好ましくは200g以上であり、好ましくは1000g以下であり、より好ましくは900g以下であり、さらに好ましくは800g以下である上記[1]〜[6]いずれか1の不織布シート。
[8]成分(C)の融点は50℃以上であって、好ましくは53℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、110℃以下であって、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下である上記[1]〜[7]いずれか1の不織布シート。
[9]成分(C)は、高分子化合物、脂肪酸、高級アルコール及び糖類から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、ポリエチレングリコールであることがより好ましい上記[1]〜[8]いずれか1の不織布シート。
[10]ポリエチレングリコールは、平均分子量2000〜30000のものが好ましく、平均分子量3000〜25000のものがより好ましい上記[9]の不織布シート。
[11]成分(C)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは10g以上であり、より好ましくは20g以上であり、さらに好ましくは40g以上であり、好ましくは500g以下であり、より好ましくは400g以下であり、さらに好ましくは200g以下である上記[1]〜[10]いずれか1の不織布シート。
[12]成分(A)及び成分(B)の合計含有量と、成分(C)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))は、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは3以上であり、好ましくは12以下であり、より好ましくは9以下であり、さらに好ましくは7以下である上記[1]〜[11]いずれか1の不織布シート。
[13]成分(D)は、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリオレフィン系繊維、綿、毛、麻、パルプ、絹及びガラス繊維から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維及びポリビニルアルコール系繊維から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種又は2種以上であることがさらに好ましい上記[1]〜[12]いずれか1の不織布シート。
[14]成分(D)の繊維長は、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは1.5mm以上であり、さらに好ましくは2mm以上であり、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは9mm以下であり、さらに好ましくは8mm以下である上記[1]〜[13]いずれか1の不織布シート。
[15]成分(D)の繊維の繊維径は、好ましくは1〜20dtexであり、より好ましくは1.1〜10dtexであり、さらに好ましくは1.2〜5dtexである上記[1]〜[14]いずれか1の不織布シート。
[16]成分(D)の含有量は、本発明の不織布シート1m2あたり、好ましくは5g以上であり、より好ましくは20g以上であり、さらに好ましくは40g以上であり、好ましくは400g以下であり、より好ましくは300g以下であり、さらに好ましくは150g以下である上記[1]〜[15]いずれか1の不織布シート。
[17]成分(D)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((D)/(C))は、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.15以上であり、さらに好ましくは0.2以上であり、好ましくは3以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.7以下である上記[1]〜[16]いずれか1の不織布シート。
[18]不織布シートの総目付は、好ましくは120g/m2以上であり、より好ましくは300g/m2以上であり、さらに好ましくは400g/m2以上であり、好ましくは3000g/m2以下であり、より好ましくは2000g/m2以下であり、さらに好ましくは1000g/m2以下である上記[1]〜[17]いずれか1の不織布シート。
[19]不織布シートの総厚みは、好ましくは0.2〜10mmであり、より好ましくは0.5〜8mmである上記[1]〜[18]いずれか1の不織布シート。
[20]有機酸及び無機酸から選ばれる粉体(A)、炭酸塩である粉体(B)、融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質(C)、並びに繊維(D)の少なくとも一部を用いてウェブ層を形成する工程(I)
を1又は2以上含み、
得られた単一又は複数のウェブ層を用いて積層体を形成した後、110℃以下の温度で圧着又は融着する工程(II)
を経ることによって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する不織布シートを得る不織布シートの製造方法。
[21]1の工程(I)のみを含み、工程(I)において成分(A)〜(D)を全て混合して単一のウェブ層を形成する上記[20]の不織布シートの製造方法。
[22]好ましくは、成分(A)〜成分(C)を予め混合した後、成分(D)と混合してウェブ層を形成するか、或いは成分(C)と成分(D)を予め混合した後、成分(A)と成分(B)を混合してウェブ層を形成するか、或いは成分(A)と成分(D)、成分(B)と成分(D)を予め混合した後、これらと成分(C)を混合してウェブ層を形成する上記[21]の不織布シートの製造方法。
[23]2以上の工程(I)を含み、1の工程(I)ごとに成分(D)、並びに成分(A)〜(C)のうち少なくとも一部を用いて各々単一のウェブ層を形成する上記[20]の不織布シートの製造方法。
[24]好ましくは、少なくとも1の工程(I)において、成分(D)と成分(C)を用いてウェブ層を形成する上記[23]の不織布シートの製造方法。
[25]好ましくは、成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を添加し、次いで0又は1の工程(I)を経た後、成分(A)及び成分(B)の他方を添加する上記[23]又は[24]の不織布シートの製造方法。
[26]好ましくは、成分(A)又は成分(B)を添加する際、成分(A)又は成分(B)をそれぞれ成分(C)の少なくとも一部とともに予め混合する上記[22]〜[25]いずれか1の不織布シートの製造方法。
[27]複数のウェブ層から得られる積層体とし、積層体の上層又は下層に成分(D)を用いて形成されたウェブ層を配置する上記[22]〜[26]いずれか1の不織布シートの製造方法。
[28]積層体を圧着又は融着する温度は110℃以下であって、好ましくは105℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上である上記[20]〜[27]いずれか1の不織布シートの製造方法。
[29]好ましくは、エアレイド法を用いる上記[20]〜[28]いずれか1の不織布シートの製造方法。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は、不織布シート1m2あたりの質量(g/m2)を示す。
[実施例1]
エアレイド法により、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維(繊維長3mm、繊維径1.5dtex)、及び40g/m2となる量のポリエチレングリコール(PEG)粉末(数平均分子量8500、平均粒径200μm、以下同じ)を予め混合して最下層(第1層)のウェブ層を形成した。次いで、第1層上から360g/m2となる量のリンゴ酸(平均粒径240μm、以下同じ)を添加して第2層を積層した。
続いて、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維、及び40g/m2となる量のPEG粉末を用いて第3層のウェブ層を形成した後、かかる層上から240g/m2となる量の炭酸ナトリウム(平均粒径270μm、以下同じ)を添加して第4層を積層した。
さらに、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維、及び40g/m2となる量のPEG粉末を用いて最上層(第5層)のウェブ層を形成した。次いで、得られた積層体を80℃の温度で融着して不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表2に示す。
[実施例2〜11]
第1層〜第5層における各成分を表1に示す量とし、実施例1と同様にして不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表2に示す。
[実施例12]
エアレイド法により、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維を用いて最下層(第1層)のウェブ層を形成した。次いで、315g/m2となる量のフマル酸(平均粒径140μm)と60g/m2となる量のPEG粉末を予め混合し、これを第1層上から添加して第2層を積層した。
続いて、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維からなる第3層のウェブ層を形成した後、285g/m2となる量の炭酸ナトリウムと60g/m2となる量のPEG粉末を予め混合し、これを第3層上から添加して第4層を積層した。
さらに、20g/m2となる量のポリプロピレン繊維を用いて最上層(第5層)のウェブ層を形成した。次いで、実施例1と同様にして不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表2に示す。
[実施例13]
エアレイド法により、30g/m2となる量のポリプロピレン繊維、及び60g/m2となる量のPEG粉末を予め混合して最下層(第1層)のウェブ層を形成した。次いで、第1層上から360g/m2となる量のリンゴ酸を添加して第2層を積層した。
続いて、かかる層上から炭酸ナトリウムを240g/m2となる量で積層(第3層)した。さらに、30g/m2となる量のポリプロピレン繊維、及び60g/m2となる量のPEG粉末を予め混合して最上層(第4層)のウェブ層を形成した。次いで、実施例1と同様にして不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表2に示す。
[実施例14]
120g/m2となる量のPEG粉末と、60g/m2となる量のポリプロピレン繊維を予め混合した後、360g/m2となる量のリンゴ酸、及び240g/m2となる量の炭酸ナトリウムを混合して、エアレイド法により単層のウェブ層を形成し、得られた積層体を80℃の温度で融着して不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表2に示す。
得られた不織布シートを用い、下記方法及び基準にしたがって、各測定及び評価を行った。
結果を表2に示す。
《不織布の総厚みの測定》
イマダ デジタルフォースゲージ ZP−10Nに直径12mmの円形平型圧縮治具を取り付け、ミツトヨ デジタルハイトゲージと一体化させたものを使用した。圧力がかからない状態で、圧縮治具が測定台に接触する高さをゼロとした。次いで、ある程度の高さまでゲージを上げた後、5cm×5cmに切り出した不織布を測定台に置き、荷重が0.005kgfになるまでゲージを下げた。この時のデジタルハイトゲージが表示する高さを不織布の厚み(mm)とした。
《粉体保持力》
AS ONE RACOM SHAKER SB-400に、縦6cm横6cm深さ6cmの箱を固定し、幅5cm長さ5cmに切り出した不織布シートを、不織布シートの平面に対して垂直方向に振動を与えられる向きにして箱の壁面に設置した後、30秒間振盪した。その後、不織布シートを90度回転させて、別の切断面が下になるようにし、同様に30秒間振盪した。この操作を全ての切断面が1回ずつ下になるまで計4回、合計で2分間繰り返し、振盪後の不織布シートの質量を測定した。振盪は、振幅1.9cmとし、1分間に218往復させた。切り出す操作でも粉体が落下することを考慮し、不織布シートの成分(A)〜(C)の合計理論質量を基準とした減量割合(%)を算出し、粉体保持力の評価の指標とした。
AA:0〜10%減量した
A:10〜20%減量した
B:20〜30%減量した
C:30%以上減量した
《柔軟性》
水平な台の上に、直径8.5cm高さ5cm以上の円筒を、弧が台に接触する向きに配置して固定した。その上に、幅5cm長さ22cmに切り出した不織布シートを、長尺方向を円筒の弧に沿わせるように置いた時の、不織布シートの状態を観察した。
AA:自重により弧に沿って変形し、両端が台に接触した
A:自重では少ししか変形しないが、軽い力を加えると両端が台に接触した
B:自重ではほとんど変形しないが、力を加えると両端が台に接触した
C:力を加えても両端が台に接触しなかったか、或いは力を加えると折れ曲がった
《発泡性》
不織布シートを5cm×5cmに切り出し、25℃±1℃の水道水5mLを一度に添加した時の発泡時間を観察した。
AA:はっきりした発泡音が1分以上持続した
A:はっきりした発泡音が30秒から1分持続した
B:はっきりした発泡音が1〜30秒持続した
C:はっきりした発泡音がしなかったか、或いは発泡音が1秒以上持続しなかった。
Figure 0006271976
Figure 0006271976
[比較例1〜3]
第1層〜第5層における各成分を表3に示す量とし、実施例1と同様にして不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表4に示す。
なお、比較例3はシート状に形成することができなかった。
[比較例4]
ポリエチレングリコール(PEG)粉末の代わりにポリエチレン(PE)粉末を用い、第1層〜第5層における各成分を表3に示す量とし、得られたウェブ層を150℃の温度で融着した以外、実施例1と同様にして不織布シートを得た。
得られた不織布シートの物性を表4に示す。
得られた不織布シートを用い、実施例1と同様の方法及び基準にしたがって、各評価を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0006271976
Figure 0006271976
上記結果より、成分(A)を含有しない比較例1及び成分(B)を含有しない比較例2は、炭酸ガスを発泡するに至らず、成分(C)を含有しない比較例3は積層体をシート状に形成することができなかった。また、成分(C)の代わりにポリエチレンを用いて150℃で積層体を融着した比較例4では、製造段階で炭酸ガスが発生してしまい、使用時に十分な量の炭酸ガスを発生させるに至らなかった。
これらに比して、実施例1〜14は、十分な量の成分(A)及び成分(B)を不織布シート内に担持させることができ、皮膚に追従する良好な柔軟性を有しつつ、使用時において十分な量の炭酸ガスを発生させることができた。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)有機酸及び無機酸から選ばれる粉体、
    (B)炭酸塩である粉体、
    (C)融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質、及び
    (D)繊維長が1mm以上10mm以下である繊維
    を含有する不織布シート。
  2. 成分(A)及び成分(B)の合計含有量と、成分(C)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(C))が、1以上12以下である請求項1に記載の不織布シート。
  3. 成分(D)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((D)/(C))が、0.1以上3以下である請求項1又は2に記載の不織布シート。
  4. 成分(A)の含有量が、不織布シート1m2あたり50g以上1000g以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布シート。
  5. 成分(B)の含有量が、不織布シート1m2あたり50g以上1000g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布シート。
  6. 成分(A)の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、及び酒石酸から選ばれる1種又は2種以上であり、かつ
    成分(A)の無機酸が、リン酸、ホウ酸、メタケイ酸及び無水ケイ酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布シート。
  7. 成分(B)が、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の粉体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の不織布シート。
  8. 成分(C)が、ポリエチレングリコールである請求項1〜7のいずれか1項に記載の不織布シート。
  9. 総目付が、120g/m2以上3000g/m2以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の不織布シート。
  10. 有機酸及び無機酸から選ばれる粉体(A)、炭酸塩である粉体(B)、融点が50℃以上110℃以下であり、かつ25℃で固体である物質(C)、並びに繊維長が1mm以上10mm以下である繊維(D)の少なくとも一部を用いてウェブ層を形成する工程(I)
    を1又は2以上含み、
    得られた単一又は複数のウェブ層を用いて積層体を形成した後、110℃以下の温度で圧着又は融着する工程(II)
    を経ることによって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する不織布シートを得る不織布シートの製造方法。
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