JP6271848B2 - 不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法 - Google Patents
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より具体的には、壁等の障害物を透過して人に反射した電波は、呼吸や歩行等の人らしき動きに合わせて、位相が変化する。一方で、障害物に反射した電波は、位相が変化しない。そこで、不要波に対して直交する正弦波を受信した反射波に乗算することで、不要波を除去することが可能である。なお、一般的に、人等の動体からの反射成分よりも壁等の障害物からの不要波の方が、強度がより大きい。
また、特許文献1に記載の埋没生命体探知方法では、可変移相器と可変減衰器からなる不要反射波相殺信号発生器によって、位相と振幅がそれぞれ調節された不要反射波相殺信号が生成され減算器へ出力される。減算器は、不要反射波相殺信号を受信信号から差し引く。しかしながら、不要反射波相殺信号発生器は、可変移相器と可変減衰器で構成されており、複雑である。
本構成に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる。
分離波生成手段は、受信アンテナで受信された反射波に乗算することで、障害物で反射した不要波を含む高調波成分と不要波を含まない低調波成分とに、反射波を分離させる分離波を生成する。
障害物とは壁等であり、壁等からの反射波は、送信波と略同等の周波数、すなわち数百MHzから数GHzの高い周波数を有している。一方、壁を挟んだ向こう側に居る人等の動体からの反射波は、人等の呼吸や動き(1Hz以下から数Hz)に合わせて位相が変化する。そして、レーダ装置による測定対象物を動体とする場合、障害物からの反射波は不要波となる。上述したように、不要波は高調波成分である一方、動体からの反射波は低調波成分である。
そして、乗算手段によって反射波に分離波が乗算される。乗算手段から出力された出力波は、高調波除去手段によって数百MHzから数GHz高調波成分が除去される。この結果、高調波除去手段からの出力波は、動体からの反射波だけとなるので、レーダ装置で動体を検知できる。
このように、本構成は、分離波を生成し、反射波に乗算した後に高調波成分を除去するので、測定場所に応じた分離波を新たに生成するだけで、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物からの反射成分を除去できる。
本構成は、反射波から不要波を簡易に除去できる。
本構成は、反射波から不要波を簡易に除去できる。
本構成は、反射波がドップラーシフト等の影響により変動していても、反射波から不要波を簡易に除去できる。
本構成によれば、送信波又は反射波が移相器を用いることが困難な大電力の電波である場合でも、動体を検知することができる。
本発明の参考例としての第三態様に係る不要波除去方法は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置の不要波除去方法であって、前記受信アンテナで受信された前記反射波に乗算することで、障害物で反射した不要波を含む高調波成分と前記不要波を含まない低調波成分とに、前記反射波を分離させる分離波を生成する第1工程と、前記反射波に前記分離波を乗算する第2工程と、前記乗算手段から出力された出力波の高調波成分を除去する第3工程と、を含む。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
レーダ装置10は、所謂ドップラーレーダであり、アンテナ部12、送受信部14、及び信号処理部16を備える。
このため、レーダ装置10が動体を検知するためには、受信アンテナ22で受信した反射波から、不要波を除去する必要がある。
不要波除去装置30は、受信アンテナ22で受信された反射波に乗算することで、不要波を含む高調波成分と不要波を含まない低調波成分とに、反射波を分離させる分離波を生成する分離波生成手段を備える。
第1実施形態に係る送受信部14では、不要波除去装置30が備える可変移相器52及び位相比較器54が分離波生成手段に相当する。
位相比較器54は、位相aの値を決定する。
すなわち、較正時には動体からの反射波は受信していないので、DCオフセット成分は最小となればよい。このため、位相比較器54は、較正時に位相aの値を0から360度に変化させて、DCオフセット成分が最小となる値を、測定に用いる位相aの値として決定する。位相aの値を0から360度に変化させることは、自動的に行える。
このため、動体を測定する場合は、位相比較器54は機能しない。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
90度位相遅延器60は、受信アンテナ22で受信した反射波の位相を90度遅延させ、乗算器56に出力する。すなわち、本第2実施形態では、90度位相遅延器60が分離波生成手段に相当し、反射波の位相を90度遅延させた波が分離波である。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
可変移相器62は、受信アンテナ22で受信した反射波の位相を位相比較器64から出力される位相量で遅延させ、乗算器56に出力する。すなわち、本第3実施形態では、可変移相器62及び位相比較器64が分離波生成手段に相当し、ドップラーシフトによって変動した反射波の位相を90度遅延させた波が分離波である。
すなわち、較正時には動体からの反射波は受信していないので、DCオフセット成分は最小となればよい。このため、位相比較器64は、較正時に位相ωdpΔtの値を0から360度に変化させて、DCオフセット成分が最小となる値を、測定に用いる位相ωdpΔtの値として決定する。
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、第1実施形態から第3実施形態に係る不要波除去装置30は、可変移相器や位相比較器を備えていたが、第4実施形態に係る不要波除去装置30は、可変移相器や位相比較器を備えない。これにより、本第4実施形態に係るレーダ装置10は、送信波又は反射波が移相器を用いることが困難な大電力の電波である場合でも、動体を検知することができる。
具体的には、参照信号生成器66は、乗算器56からの出力波の平均値を一定時間求める。その結果、(16)式の第1項は、正弦波であるため平均値は0となる。一方、第2項は、θ>>φ(t)であるため平均値は0とならずに、cosθとなる。
その結果、差動アンプ68からの出力波は、下記(19)式で表わされる。なお、(19)式におけるAは、増幅率である。
20 送信アンテナ
22 受信アンテナ
26 分配器
30 不要波除去装置
52 可変移相器
54 位相比較器
56 乗算器
58 LPF
60 90度位相遅延器
62 可変移相器
64 位相比較器
66 参照信号生成器
68 差動アンプ
Claims (5)
- 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
障害物に起因する位相を設定する位相比較器と、
前記送信波の位相から前記障害物に起因する位相分ずらした分離波を出力する可変移相器と、
前記反射波と前記分離波とを乗算する乗算器と、
前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
を備え、
前記障害物に起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする不要波除去装置。 - 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
前記反射波の位相から90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、
前記反射波と前記分離波とを乗算する乗算器と、
前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
を備える不要波除去装置。 - 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
ドップラーシフトに起因する位相を設定する位相比較器と、
前記反射波の位相から前記ドップラーシフトに起因する位相を90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、
前記反射波と前記分離波とを乗算する乗算器と、
前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
を備え、
前記ドップラーシフトに起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする不要波除去装置。 - 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
前記反射波と前記送信波とを乗算する乗算器と、
前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
前記乗算器からの出力信号の一定期間の積分値を出力する参照信号生成器と、
前記LPFからの出力値と前記参照信号生成器からの出力値との差分を出力する差動アンプと、
を備える不要波除去装置。 - 電波である送信波を送信する送信アンテナと、
前記送信波の反射波を受信する受信アンテナと、
請求項1から請求項4の何れか1項記載の不要波除去装置と、
を備えるレーダ装置。
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JP2013060233A JP6271848B2 (ja) | 2013-03-22 | 2013-03-22 | 不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法 |
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JP2014185911A JP2014185911A (ja) | 2014-10-02 |
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