JP6271848B2 - 不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法 - Google Patents

不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法 Download PDF

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本発明は、不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法に関するものである。
ドップラーレーダは、測定対象物に向かって電波を送信して、その反射波を受信アンテナで受信する。そして、ドップラーレーダは、受信した反射波の周波数、位相、及び振幅の変化を測定することによって、例えば人等の動体の動きを検知できる。
さらに、ドップラーレーダは、例えば、動体である人の呼吸に起因する数Hz又は1Hz以下や数cmの振幅の動きを検知するので、壁等の障害物を挟んだ向こう側に居る人を検知することも可能である。受信アンテナで受信した反射波には、動体からの反射成分と動体以外の壁等の障害物からの反射成分(以下「不要波」という。)とが混在しているため、反射波から不要波を除去する必要がある。
より具体的には、壁等の障害物を透過して人に反射した電波は、呼吸や歩行等の人らしき動きに合わせて、位相が変化する。一方で、障害物に反射した電波は、位相が変化しない。そこで、不要波に対して直交する正弦波を受信した反射波に乗算することで、不要波を除去することが可能である。なお、一般的に、人等の動体からの反射成分よりも壁等の障害物からの不要波の方が、強度がより大きい。
また、特許文献1に記載の埋没生命体探知方法では、竿状の送信アンテナ具と受信アンテナ具を、それらの少なくとも一方を複数個用意し、これらを堆積物の異なる箇所に埋設させる。そして、埋没生命体探知方法は、送信アンテナ具が複数本の場合、送信アンテナ具から逐次に電波を送出して、それらの反射波の検波出力を総合評価し、受信アンテナ具が複数本の場合、それらの受信波を逐次又は並列に検波して出力し、これらの出力を総合評価して、埋没生存者の姿勢や電波障害物の影響を除く。
特開平11−6874号公報
しかしながら、不要波の位相は、壁等の障害物と受信アンテナとの位置関係に依存するため、測定場所が変わるたびに手動で正弦波の位相を変化させ、不要波に直交させる必要がある。
また、特許文献1に記載の埋没生命体探知方法では、可変移相器と可変減衰器からなる不要反射波相殺信号発生器によって、位相と振幅がそれぞれ調節された不要反射波相殺信号が生成され減算器へ出力される。減算器は、不要反射波相殺信号を受信信号から差し引く。しかしながら、不要反射波相殺信号発生器は、可変移相器と可変減衰器で構成されており、複雑である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物からの反射成分を除去できる、不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、障害物に起因する位相を設定する位相比較器と、前記送信波の位相から前記障害物に起因する位相分ずらした分離波を出力する可変移相器と、前記反射波前記分離波を乗算する乗算と、前記乗算からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、を備え、前記障害物に起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする。
本構成は、分離波を生成し、反射波に乗算した後に高調波成分を除去するので、測定場所に応じた分離波を新たに生成するだけで、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物からの反射成分を除去できる。
本発明の第二態様に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、前記反射波の位相から90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、前記反射波と前記分離波とを乗算する乗算器と、前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、を備える
本構成は、反射波から不要波を簡易に除去できる。
本発明の第三態様に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、ドップラーシフトに起因する位相を設定する位相比較器と、前記反射波の位相から前記ドップラーシフトに起因する位相を90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、前記反射波と前記分離波とを乗算する乗算器と、前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、を備え、前記ドップラーシフトに起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする。
本構成は、反射波がドップラーシフト等の影響により変動していても、反射波から不要波を簡易に除去できる。
本発明の第四態様に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、前記反射波と前記送信波とを乗算する乗算器と、前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、前記乗算器からの出力信号の一定期間の積分値を出力する参照信号生成器と、前記LPFからの出力値と前記参照信号生成器からの出力値との差分を出力する差動アンプと、を備える。
本構成によれば、送信波又は反射波が移相器を用いることが困難な大電力の電波である場合でも、動体を検知することができる。
本発明の第五態様に係るレーダ装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナと、前記送信波の反射波を受信する受信アンテナと、上記記載の不要波除去装置と、を備える。
本発明の参考例としての第一態様に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、前記受信アンテナで受信された前記反射波に乗算することで、障害物で反射した不要波を含む高調波成分と前記不要波を含まない低調波成分とに、前記反射波を分離させる分離波を生成する分離波生成手段と、前記反射波に前記分離波を乗算する乗算手段と、前記乗算手段から出力された出力波の高調波成分を除去する高周波除去手段と、を備える。
本構成に係る不要波除去装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる。
分離波生成手段は、受信アンテナで受信された反射波に乗算することで、障害物で反射した不要波を含む高調波成分と不要波を含まない低調波成分とに、反射波を分離させる分離波を生成する。
障害物とは壁等であり、壁等からの反射波は、送信波と略同等の周波数、すなわち数百MHzから数GHzの高い周波数を有している。一方、壁を挟んだ向こう側に居る人等の動体からの反射波は、人等の呼吸や動き(1Hz以下から数Hz)に合わせて位相が変化する。そして、レーダ装置による測定対象物を動体とする場合、障害物からの反射波は不要波となる。上述したように、不要波は高調波成分である一方、動体からの反射波は低調波成分である。
そして、乗算手段によって反射波に分離波が乗算される。乗算手段から出力された出力波は、高調波除去手段によって数百MHzから数GHz高調波成分が除去される。この結果、高調波除去手段からの出力波は、動体からの反射波だけとなるので、レーダ装置で動体を検知できる。
このように、本構成は、分離波を生成し、反射波に乗算した後に高調波成分を除去するので、測定場所に応じた分離波を新たに生成するだけで、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物からの反射成分を除去できる。
上記参考例としての第一態様では、前記分離波が、前記不要波の位相の直交成分に応じて前記送信波の位相をずらした波であることが好ましい。
本構成は、反射波から不要波を簡易に除去できる。
上記参考例としての第一態様では、前記分離波が、前記反射波の位相を90度遅延させた波であることが好ましい。
本構成は、反射波から不要波を簡易に除去できる。
上記参考例としての第一態様では、前記分離波が、変動した前記反射波の位相を90度遅延させた波であることが好ましい。
本構成は、反射波がドップラーシフト等の影響により変動していても、反射波から不要波を簡易に除去できる。
上記参考例としての第一態様では、前記分離波が、前記送信波であり、前記乗算器からの出力波が有するオフセット値を生成するオフセット値生成手段と、前記高周波除去手段からの出力波と前記参照信号生成手段によって生成されたオフセット値との差分を出力する差分出力手段と、を備えることが好ましい。
本構成によれば、送信波又は反射波が移相器を用いることが困難な大電力の電波である場合でも、動体を検知することができる。
本発明の参考例としての第二態様に係るレーダ装置は、電波である送信波を送信する送信アンテナと、前記送信波の反射波を受信する受信アンテナと、上記記載の不要波除去装置と、を備える。
本発明の参考例としての第三態様に係る不要波除去方法は、電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置の不要波除去方法であって、前記受信アンテナで受信された前記反射波に乗算することで、障害物で反射した不要波を含む高調波成分と前記不要波を含まない低調波成分とに、前記反射波を分離させる分離波を生成する第1工程と、前記反射波に前記分離波を乗算する第2工程と、前記乗算手段から出力された出力波の高調波成分を除去する第3工程と、を含む。
本発明によれば、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物からの反射成分を除去できる、という優れた効果を有する。
本発明の第1実施形態に係るレーダ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るレーダ装置による人の検知の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るレーダ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るレーダ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係るレーダ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係るLPFにより高調波成分が除去された出力波を示すグラフである。
以下に、本発明に係る不要波除去装置、レーダ装置、及び不要波除去方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係るレーダ装置10の電気的構成を示すブロック図である。
レーダ装置10は、所謂ドップラーレーダであり、アンテナ部12、送受信部14、及び信号処理部16を備える。
アンテナ部12は、電波である送信波を送信する送信アンテナ20、及び送信波の反射波を受信する受信アンテナ22を備える。すなわち、送信アンテナ20は、測定対象物へ電波を送信し、受信アンテナ22は、測定対象物で反射した電波を受信する。
送受信部14は、送信アンテナ20から送信する電波を信号発生器24によって発生させ、分配器26を介して送信アンテナ20へ出力する。また、送受信部14は、受信アンテナ22で受信した反射波をアンプ28によって増幅してから、不要波除去装置30によって不要波除去処理を行い、DCアンプ32で再び増幅して信号処理部16へ出力する。
信号処理部16は、レーダ装置10の使用者が測定結果として認識し易いように、送受信部14から出力された信号波を処理する。
ここで、図2に示されるように、レーダ装置10は、壁等の障害物40を挟んだ向こう側に居る人等の動体を検知することが可能である。送信アンテナ20から送信され電波の一部は、障害物40を透過し動体に反射するためである。
障害物40とは壁等であり、壁等からの反射波は、送信波と略同等の周波数、すなわち数百MHzから数GHzの高い周波数を有している。一方、壁を挟んだ向こう側に居る人等の動体からの反射波は、人等の呼吸や動き(1Hz以下から数Hz)に合わせて位相が変化する。そして、レーダ装置10での測定対象物を動体とする場合、障害物40からの反射波は不要波となる。上述したように、不要波は高調波成分である一方、動体からの反射波は低調波成分である。
このため、レーダ装置10が動体を検知するためには、受信アンテナ22で受信した反射波から、不要波を除去する必要がある。
そこで、送受信部14は、不要波除去装置30によって、不要波を除去する。
不要波除去装置30は、受信アンテナ22で受信された反射波に乗算することで、不要波を含む高調波成分と不要波を含まない低調波成分とに、反射波を分離させる分離波を生成する分離波生成手段を備える。
第1実施形態に係る送受信部14では、不要波除去装置30が備える可変移相器52及び位相比較器54が分離波生成手段に相当する。
可変移相器52は、分配器26と乗算器56との間に設けられ、送信波に対して所定の位相(位相a)でずらした信号波を分離波として出力する。
位相比較器54は、位相aの値を決定する。
そして、不要波除去装置30は、乗算器56によって反射波に分離波を乗算する。さらに、不要波除去装置30は、高周波除去手段であるLPF(Low Pass Filter)58によって、乗算器56から出力された出力波の高調波成分を除去し、DCアンプ32へ出力する。
次に、本第1実施形態に係る不要波除去装置30によって行われる不要波除去処理について説明する。
ここで、本第1実施形態では、送信波をsinωtとし、反射波をsin(ωt-θ-φ(t))とする。周波数ωは、数百MHzから数GHzである。θは、不要波に起因する位相であり、φ(t)は動体からの反射波に起因する位相であり、周波数としては数Hzである。そして、可変移相器52は、位相比較器54によって決定された位相aを送信波に与えて分離波とし、乗算器56へ出力する。
乗算器56からの出力波fは、下記(1)式で表わされる。
Figure 0006271848
なお、(1)式における第1項の正弦波に含まれる2ωtは、送信波に起因するため周波数としては数百MHzから数GHzである。一方、第2項の正弦波に含まれるφ(t)は動体である人の動きに起因するため数Hzであり、2ωtに比べて十分に小さい。すなわち、第1項の正弦波に、第2項の正弦波はDCオフセット成分として加算されていると考えることができる。
ここで、位相比較器54で決定される位相aを下記(2)式とする。すなわち、分離波は、不要波の位相θの直交成分に応じて送信波の位相をずらした波とされる。
Figure 0006271848
(2)式を(1)式に代入すると、下記(3)式が求まる。
Figure 0006271848
(3)式において、第1項の正弦波に含まれる2ωtは周波数として数百MHzから数GHzであるため、第1項の正弦波は高調波成分である。一方、第2項の正弦波に含まれるφ(t)は周波数として数Hzであるので2ωdptよりも十分に小さく、第2項の正弦波は低調波成分である。
そして、(3)式で表わされる出力波がLPF58に入力される。LPF58によって高調波成分が除去された出力波は、下記(4)式となり、動体に起因する位相φ(t)のみの出力波となる。
Figure 0006271848
(4)式における位相φ(t)は、動体である人とレーダ装置10との距離に起因する値である。このため、レーダ装置10は、この変化を測定することにより、簡易に動体である人を検知できる。
なお、位相比較器54による位相aの決定は、動体を検知する前の較正(キャリブレーション)時に行われる。
すなわち、較正時には動体からの反射波は受信していないので、DCオフセット成分は最小となればよい。このため、位相比較器54は、較正時に位相aの値を0から360度に変化させて、DCオフセット成分が最小となる値を、測定に用いる位相aの値として決定する。位相aの値を0から360度に変化させることは、自動的に行える。
このため、動体を測定する場合は、位相比較器54は機能しない。
以上説明したように、本第1実施形態に係るレーダ装置10は、電波である送信波を送信する送信アンテナ20、及び送信波の反射波を受信する受信アンテナ22を備える。そして、レーダ装置10に用いられる不要波除去装置30は、受信アンテナ22で受信された反射波に乗算することで、障害物40で反射した不要波を含む高調波成分と不要波を含まない低調波成分とに、反射波を分離させる分離波を生成し、乗算器56によって反射波に分離波を乗算し、乗算器56から出力された出力波の高調波成分をLPF58によって除去する。
このように、レーダ装置10は、分離波を生成し、反射波に乗算した後に高調波成分を除去するので、測定場所に応じた分離波を新たに生成するだけで、動体の測定場所が変更されても、簡易な構成で障害物40からの反射成分を除去できる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、本第2実施形態に係るレーダ装置10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図3における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る不要波除去装置30は、90度位相遅延器60、乗算器56、及びLPF58を備える。
90度位相遅延器60は、受信アンテナ22で受信した反射波の位相を90度遅延させ、乗算器56に出力する。すなわち、本第2実施形態では、90度位相遅延器60が分離波生成手段に相当し、反射波の位相を90度遅延させた波が分離波である。
次に、本第2実施形態に係る不要波除去装置30によって行われる不要波除去処理について説明する。
90度位相遅延器60からの出力波の時間遅延量をΔtとすると、乗算器56からの出力波fは、下記(5)式で表わされる。
Figure 0006271848
そして、90度位相遅延器60によって、反射波から90度位相が遅延された分離波が生成されることとなるため、時間遅延量Δtは、(6)式で表わされる。
Figure 0006271848
(6)式を(5)式に代入すると、(7)式が求まる。
Figure 0006271848
(7)式において、第1項の正弦波は、高調波成分である。一方、第2項の正弦波は、低調波成分である。
そして、(7)式で表わされる出力波がLPF58に入力される。LPF58によって高調波成分が除去された出力波は、下記(8)式となり、動体に起因する位相φ(t)のみの出力波となる。
Figure 0006271848
(8)式における位相φ(t−π/2ω)−φ(t)は、動体である人とレーダ装置10との距離のΔt=π/2ωあたりの変化、すなわち動体の動く速度に起因する値である。このため、レーダ装置10は、この変化を測定することにより、簡易に動体である人を検知できる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
図4は、本第3実施形態に係るレーダ装置10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図4における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、本第3実施形態に係るレーダ装置10は、反射波の周波数がドップラーシフト等の影響により変動する場合に、不要波を除去する。
本第3実施形態に係る不要波除去装置30は、可変移相器62、位相比較器64、乗算器56、及びLPF58を備える。
可変移相器62は、受信アンテナ22で受信した反射波の位相を位相比較器64から出力される位相量で遅延させ、乗算器56に出力する。すなわち、本第3実施形態では、可変移相器62及び位相比較器64が分離波生成手段に相当し、ドップラーシフトによって変動した反射波の位相を90度遅延させた波が分離波である。
ここで、送信波をsinωtとし、反射波をsin(ωdpt-θ-φ(t))とする。すなわち、送信波の周波数ωは、ドップラーシフトにより周波数ωdpに変化したものとする。
送信波の周波数がドップラーシフトにより変化した場合に、上記第1実施形態に係る不要波除去処理を用いると、乗算器56からの出力波は、下記(9)式で表わされる。
Figure 0006271848
そして、(2)式で表わされる位相aを(9)式に代入すると下記(10)式となる。
Figure 0006271848
(10)式で表わされる出力波をLPF58に入力すると、不要波に起因する位相θは除去できるものの、ドップラーシフトにより変化した周波数ωdpを含む(ωdp−ω)tが残り、動体を検知できない。
一方、送信波の周波数がドップラーシフトにより変化した場合に、上記第2実施形態に係る不要波除去処理を用いると、乗算器56からの出力波は、下記(11)式で表わされる。
Figure 0006271848
そして、(11)式に(6)式を代入しても、周波数ωdpはドップラーシフトの影響により不定値であり、ω≠ωdpであるため、動体を検知できない。このため、本第3実施形態に係る不要波除去処理では、時間遅延量Δtを周波数ωdpに応じて可変とする必要が生じる。
次に、本第3実施形態に係る不要波除去装置30によって行われる不要波除去処理について説明する。
まず、(11)式を変形すると、下記(12)式となる。
Figure 0006271848
(11)式において、第1項の正弦波に含まれる2ωdptは周波数として数百MHzから数GHzである一方、第2項の正弦波に含まれるφ(t)は周波数として数Hzであるので2ωdptよりも十分に小さい。すなわち、第1項の正弦波に、第2項の正弦波はDCオフセット成分として加算されていると考えることができる。
そして、可変移相器62によって、ドップラーシフトによって変動した反射波の位相を90度遅延させた分離波が生成されることとなるため、時間遅延量Δtは、(13)式で表わされる。
Figure 0006271848
(13)式を(12)式に代入すると、(14)式が求まる。
Figure 0006271848
(13)式において、第1項の正弦波は、高調波成分である。一方、第2項の正弦波は、低調波成分である。
そして、(14)式で表わされる出力波がLPF58に入力さる。LPF58によって高調波成分が除去された出力波は、下記(15)式となり、動体に起因する位相φ(t)のみの出力波となる。
Figure 0006271848
(15)式における位相φ(t−π/2ωdp)−φ(t)は、動体である人とレーダ装置10との距離のΔt=π/2ωdpあたりの変化、すなわち動体の動く速度に起因する値である。このため、レーダ装置10は、この変化を測定することにより、反射波がドップラーシフト等の影響により変動していても、動体である人を検知できる。
なお、位相比較器64による変動させる位相ωdpΔtの決定は、動体を検知する前の較正(キャリブレーション)時に行う。
すなわち、較正時には動体からの反射波は受信していないので、DCオフセット成分は最小となればよい。このため、位相比較器64は、較正時に位相ωdpΔtの値を0から360度に変化させて、DCオフセット成分が最小となる値を、測定に用いる位相ωdpΔtの値として決定する。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
図5は、本第4実施形態に係るレーダ装置10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図5における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、第1実施形態から第3実施形態に係る不要波除去装置30は、可変移相器や位相比較器を備えていたが、第4実施形態に係る不要波除去装置30は、可変移相器や位相比較器を備えない。これにより、本第4実施形態に係るレーダ装置10は、送信波又は反射波が移相器を用いることが困難な大電力の電波である場合でも、動体を検知することができる。
本第4実施形態に係る不要波除去装置30は、分配器26、乗算器56、LPF58、参照信号生成器66、及び差動アンプ68を備える。
乗算器56には、分配器26から出力される送信波が入力される。すなわち、本第4実施形態に係る分配器26が分離波生成手段に相当し、送信波が分離波である。
LPF58は、乗算器56から出力された出力波の高調波成分を除去し、差動アンプ68へ出力する。
参照信号生成器66は、LPF58によって高周波成分が除去された出力波が有するオフセット値を生成し、差動アンプ68へ出力する。
差動アンプ68は、LPF58からの出力波と参照信号生成器66によって生成されたオフセット値との差分を増幅して信号処理部16へ出力する。
次に、本第4実施形態に係る不要波除去装置30によって行われる不要波除去処理について説明する。
分離波ともなる送信波をsinωtとし、反射波をsin(ωt-θ-φ(t))とすると、乗算器56からの出力波は、下記(16)式となる。
Figure 0006271848
(16)式において、第1項の正弦波は、高調波成分である。一方、第2項の正弦波は、低調波成分である。
そして、(16)式で表わされる出力波がLPF58に入力さる。LPF58によって高調波成分が除去された出力波は、下記(17)式となる。
Figure 0006271848
ここで、反射波に占める不要波の強度>>動体からの反射波の強度であるため、θ>>φ(t)となる。このため、図6に示されるように、(17)式は、−1/2cosθを中心にφ(t)の範囲で変動する。すなわち、−1/2cosθの値がオフセット値となる。
オフセット値である−1/2cosθは、(17)式で示される乗算器56からの出力に基づいて、参照信号生成器66によって生成される。
具体的には、参照信号生成器66は、乗算器56からの出力波の平均値を一定時間求める。その結果、(16)式の第1項は、正弦波であるため平均値は0となる。一方、第2項は、θ>>φ(t)であるため平均値は0とならずに、cosθとなる。
このため、参照信号生成器66から出力される参照信号となる平均値mは、下記(18)式で表わされる。
Figure 0006271848
そして、差動アンプ68に(17)式で表わされる出力波、及び(18)式で表わされる参照信号が入力される。
その結果、差動アンプ68からの出力波は、下記(19)式で表わされる。なお、(19)式におけるAは、増幅率である。
Figure 0006271848
これにより、上述したオフセット値は除去されることとなる。
(19)式における位相cos(θ+φ(t))−cosθは、動体である人とレーダ装置10との距離に起因する値である。このため、レーダ装置10は、この変化を測定することにより動体である人を検知することとなる。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 レーダ装置
20 送信アンテナ
22 受信アンテナ
26 分配器
30 不要波除去装置
52 可変移相器
54 位相比較器
56 乗算器
58 LPF
60 90度位相遅延器
62 可変移相器
64 位相比較器
66 参照信号生成器
68 差動アンプ

Claims (5)

  1. 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
    障害物に起因する位相を設定する位相比較器と、
    前記送信波の位相から前記障害物に起因する位相分ずらした分離波を出力する可変移相器と、
    前記反射波前記分離波を乗算する乗算と、
    前記乗算からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
    を備え
    前記障害物に起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする不要波除去装置。
  2. 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
    前記反射波の位相から90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、
    前記反射波前記分離波を乗算する乗算と、
    前記乗算からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
    を備える不要波除去装置。
  3. 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
    ドップラーシフトに起因する位相を設定する位相比較器と、
    前記反射波の位相から前記ドップラーシフトに起因する位相を90度遅延させた時間遅延を有する分離波を出力する可変移相器と、
    前記反射波前記分離波を乗算する乗算と、
    前記乗算からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
    を備え
    前記ドップラーシフトに起因する位相が較正時に求められるものであることを特徴とする不要波除去装置。
  4. 電波である送信波を送信する送信アンテナ、及び前記送信波の反射波を受信する受信アンテナを備えたレーダ装置に用いられる不要波除去装置であって、
    前記反射波と前記送信波とを乗算する乗算器と、
    前記乗算器からの出力信号を入力し高調波成分を除去するLPFと、
    前記乗算器からの出力信号の一定期間の積分値を出力する参照信号生成器と、
    前記LPFからの出力値と前記参照信号生成器からの出力値との差分を出力する差動アンプと、
    を備える不要波除去装置。
  5. 電波である送信波を送信する送信アンテナと、
    前記送信波の反射波を受信する受信アンテナと、
    請求項1から請求項の何れか1項記載の不要波除去装置と、
    を備えるレーダ装置。
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