JP6271834B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、目標に反射されて戻ってきたパルスの散乱波を受信し、その受信信号をパルス圧縮するレーダ装置に関するものである。
レーダ装置では、周波数あるいは位相変調等が施されているパルスを空中に放射し、目標に反射されて戻ってきたパルスの散乱波を受信する際、送信パルスと相関が高いリファレンス信号を用いて、その散乱波の受信信号に対する相関処理を実施することで、その受信信号をパルス圧縮する技術が広く採用されている。
受信信号をパルス圧縮することで、送信パルス幅の増長による送信エネルギーの増大と、パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の狭小化が可能になり、レーダの目標探知距離及び距離分解能を同時に向上させることができる。
パルス圧縮後の受信信号には、目標の遅延時間にメインローブが形成されるとともに、その前後の送信パルス幅相当の範囲にレンジサイドローブが形成される。
このとき、レンジサイドローブは、同領域に存在する他の目標のSIR(Signal to Interference Ratio:この場合のInterferenceはメインローブ内の目標となる)を劣化させる。特にSIRが低い場合には、探知を困難にする問題がある。
また、レンジ方向に広がって分布するディストリビュートクラッタ(Distributed Clutter)が存在する場合には、各クラッタ源からのレンジサイドローブが目標の存在するメインローブに重畳されるため、メインローブ内の目標のSIRが劣化してしまう問題がある。
これらの問題を解決するために、LFM(Linear Frequency Modulation)波を用いるパルス圧縮では、窓関数を利用してレンジサイドローブの低減を行うものがある(例えば、非特許文献1を参照)。
しかし、窓関数を用いることで、距離分解能を劣化させるパルス幅の拡大(パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の拡大)や、探知距離を縮退させるミスマッチ損失が原理的に発生する。
これらの特性は、互いにトレードオフの関係があり、レーダを設計する際、レーダの要求性能を満足する範囲で、最も適した窓関数が選択される。
このように窓関数を利用するパルス圧縮では、低レンジサイドローブ特性を達成することができるが、パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の拡大や、ミスマッチ損失を避けることができないため、距離分解能の劣化や探知距離が縮退する問題があった。
この問題を解決するために、以下の特許文献1に開示されているレーダ装置では、AD変換のサンプル点毎のサイドローブレベルをゼロにする拘束条件において、ミスマッチ損失が最小化するようなパルス圧縮を実現している。
このレーダ装置のパルス圧縮では、目標やクラッタの距離がAD変換のサンプル点に一致する場合には、以下の非特許文献2に記載されているように、サイドローブレベルがゼロになるが、一致しない場合には、サイドローブレベルが劣化する。
以下の非特許文献3には、AD変換のサンプリング周波数を高めるオーバーサンプリングを実施すれば、サイドローブレベルの劣化を緩和することができることが明示されている。
非特許文献3からは、送信パルスの占有帯域幅に対して、4倍程度のオーバーサンプリングを実施すれば、ハミング窓関数やテイラー窓関数を用いる場合よりも小さいミスマッチ損失、圧縮後パルス幅及び良好なピークサイドローブ特性を達成することができるが、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングでは、ミスマッチ損失がハミング窓関数やテイラー窓関数を用いる場合よりも大きくなることがわかる。
ここで、サンプリング周波数の上昇は、レンジビン数の増加によるパルス圧縮を含むレーダ信号処理の負荷が上昇するため、実用化されているレーダ装置のオーバーサンプリングは、例えば、非特許文献4のように1.2倍程度とする場合が少なくない。
特開2005−128011号公報
M.A. Richards, J.A. Scheer, W.A. Holms, Principles of Modern Radar Basic Principles, Scitech Publishing Inc., Raleigh, NC, 2010. 篠永ら,"信号損が最小となるサイドローブフリーパルス圧縮処理の導出,"信学論(B),vol.J87-B, no.7, pp.1000-1008, July 2004. 篠永ら,"信号損最小のサイドローブフリーパルス圧縮処理の特性評価,"信学論(B),vol.J87-B, no.12, pp.2026-2070, Dec. 2004. T. Jeffrey, Phased-Array Radar Design: Application of Radar Fundamentals, SciTech Publishing, Raleigh, NC, 2009.
従来のレーダ装置は以上のように構成されているので、レーダ信号処理の負荷の上昇を抑えるために、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングを実施するようにすると、ミスマッチ損失がハミング窓関数やテイラー窓関数を用いる場合よりも大きくなってしまう課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングであっても、低レンジサイドローブ特性を達成することができるとともに、窓関数を用いる場合よりも、パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の拡大や、ミスマッチ損失を低減することができるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、パルス送受信手段の受信信号の周波数スペクトルを算出する第1の周波数スペクトル算出手段と、ファレンス信号の周波数スペクトルを算出する第2の周波数スペクトル算出手段と、第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、その時間範囲を含んでおり、その時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、サイドローブで受信される干渉波であるサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出し、アレーマニフォルドからサイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を算出する複素窓関数算出手段と、第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、複素窓関数算出手段により算出された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める複素窓関数乗算手段と、第1の周波数スペクトル算出手段により算出された受信信号の周波数スペクトルと複素窓関数乗算手段により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を算出するスペクトル積算出手段と、スペクトル積算出手段により算出されたスペクトル積からパルス圧縮後の受信信号を算出するパルス圧縮信号算出手段とから、パルス圧縮手段を構成したものである。
この発明によれば、第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、その時間範囲を含んでおり、その時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、サイドローブで受信される干渉波であるサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出し、アレーマニフォルドからサイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を算出する複素窓関数算出手段と、第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、複素窓関数算出手段により算出された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める複素窓関数乗算手段と、第1の周波数スペクトル算出手段により算出された受信信号の周波数スペクトルと複素窓関数乗算手段により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を算出するスペクトル積算出手段とを設け、パルス圧縮信号算出手段が、スペクトル積算出手段により算出されたスペクトル積からパルス圧縮後の受信信号を算出するように構成したので、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングであっても、低レンジサイドローブ特性を達成することができるとともに、窓関数を用いる場合よりも、パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の拡大や、ミスマッチ損失を低減することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーダ装置のパルス圧縮器6を示す構成図である。 図2の複素窓関数計算部13の内部を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーダ装置のサンプリングを示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置の複素窓関数計算部13の内部を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ装置のパルス圧縮器43−1〜43−Mtを示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。
図1において、送信機1はPRI(Pulse Repetition Interval)周期で所定の送信周波数信号を生成し、その送信周波数信号を用いて、所定の変調方式に基づく所定のパルス幅の送信パルスを生成する処理を実施する。
デュプレクサ2は送信機1から出力された送信パルスをアンテナ3に出力する一方、アンテナ3により受信された信号を受信機4に出力する信号切換器である。
アンテナ3はデュプレクサ2から出力された送信パルスを所定のビーム指向方向の空中に向けて放射する一方、目標やクラッタに反射されて戻ってきた送信パルスの散乱波を受信する部材である。
受信機4はデュプレクサ2から出力されたアンテナ3の受信信号をベースバンド帯の周波数に変換して、アナログ受信信号を生成する処理を実施する。
AD変換器5は受信機4により生成されたアナログ受信信号をディジタル化して、ディジタルの受信信号を出力する処理を実施する。
なお、送信機1、デュプレクサ2、アンテナ3、受信機4及びAD変換器5からパルス送受信手段が構成されている。
パルス圧縮器6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、PRI周期で、送信機1により生成される送信パルスのリファレンス信号を用いて、AD変換器5から出力された受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号(以降、「パルス圧縮後受信信号」と称する)を出力する処理を実施する。なお、パルス圧縮器6はパルス圧縮手段を構成している。
図2はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置のパルス圧縮器6を示す構成図である。
図2において、離散フーリエ変換部11はAD変換器5から出力された受信信号を離散フーリエ変換して、その受信信号の周波数スペクトルを算出する処理を実施する。なお、離散フーリエ変換部11は第1の周波数スペクトル算出手段を構成している。
離散フーリエ変換部12は送信機1により生成される送信パルスのリファレンス信号を離散フーリエ変換して、そのファレンス信号の周波数スペクトルを算出する処理を実施する。なお、離散フーリエ変換部12は第2の周波数スペクトル算出手段を構成している。
複素窓関数計算部13は離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトル、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅から複素窓関数を計算する処理を実施する。なお、複素窓関数計算部13は複素窓関数算出手段を構成している。
複素窓関数乗算部14は離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、複素窓関数計算部13により計算された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める処理を実施する。なお、複素窓関数乗算部14は複素窓関数算出手段を構成している。
スペクトル乗算計算部15は離散フーリエ変換部11により算出された受信信号の周波数スペクトルと複素窓関数乗算部14により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を計算する処理を実施する。なお、スペクトル乗算計算部15はスペクトル積算出手段を構成している。
逆離散フーリエ変換部16はスペクトル乗算計算部15により計算されたスペクトル積を逆離散フーリエ変換し、その変換結果であるパルス圧縮後受信信号を出力する処理を実施する。なお、逆離散フーリエ変換部16はパルス圧縮信号算出手段を構成している。
図2の例では、レーダ装置の構成要素であるパルス圧縮器6が専用のハードウェア(CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、パルス圧縮器6がコンピュータで構成されていてもよい。
パルス圧縮器6がコンピュータで構成されている場合、パルス圧縮器6の構成要素である離散フーリエ変換部11、離散フーリエ変換部12、複素窓関数計算部13、複素窓関数乗算部14、スペクトル乗算計算部15及び逆離散フーリエ変換部16の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図3は図2の複素窓関数計算部13の内部を示す構成図である。
図3において、サイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21は離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトル、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅からサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを計算する処理を実施する。なお、サイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21はアレーマニフォルド算出手段を構成している。
サイドローブ干渉波相関行列計算部22はサイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21により計算されたアレーマニフォルドと予め設定されている対角荷重(DLL:Diagnal Loading Level)からサイドローブ干渉波の相関行列を計算する処理を実施する。なお、サイドローブ干渉波相関行列計算部22は相関行列算出手段を構成している。
逆行列計算部23はサイドローブ干渉波相関行列計算部22により計算された相関行列の逆行列を計算する処理を実施する。なお、逆行列計算部23は逆行列算出手段を構成している。
最適ウェイト計算部24は逆行列計算部23により計算された逆行列から最適ウェイトを計算することで、複素窓関数を算出する処理を実施する。なお、最適ウェイト計算部24は窓関数算出処理手段を構成している。
次に動作について説明する。
まず、送信機1は、所定のPRI周期で、所定の送信周波数信号を生成し、その送信周波数信号を用いて、所定の変調方式に基づく所定のパルス幅の送信パルスを生成する。
即ち、送信機1は、所定のPRI間隔で、中心周波数fc,変調帯域幅B,送信パルス幅τTXの送信パルスr(tm)を生成し、その送信パルスr(tm)をデュプレクサ2に出力する。
デュプレクサ2は、送信機1から送信パルスr(tm)を受けると、その送信パルスr(tm)をアンテナ3に出力する。
これにより、アンテナ3から送信パルスr(tm)が所定のビーム指向方向の空中に向けて放射される。
空中に放射された送信パルスr(tm)の一部は、目標やクラッタに反射され、送信パルスr(tm)の散乱波がアンテナ3に戻ってくる。
デュプレクサ2は、アンテナ3が目標やクラッタに反射されて戻ってきた送信パルスr(tm)の散乱波を受信すると、その受信信号を受信機4に出力する。
受信機4は、デュプレクサ2からアンテナ3の受信信号を受けると、その受信信号をベースバンド帯の周波数に変換して、アナログ受信信号を生成する。
AD変換器5は、受信機4がアナログ受信信号を生成すると、そのアナログ受信信号をディジタル化して、ディジタルの受信信号をパルス圧縮器6に出力する。
パルス圧縮器6は、AD変換器5からディジタルの受信信号を受けると、PRI周期で、送信機1により生成される送信パルスr(tm)のリファレンス信号(送信パルスr(tm)と相関が高い信号)を用いて、そのディジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号であるパルス圧縮後受信信号を出力する。
以下、パルス圧縮器6の処理内容を具体的に説明する。
パルス圧縮器6の離散フーリエ変換部11は、AD変換器5からディジタルの受信信号を受けると、その受信信号を離散フーリエ変換して、その受信信号の周波数スペクトルを算出する。
ここで、周波数変調等が施された送信パルスr(tm)に対する遅延時間がtk (s)、ドップラ周波数fk (D)を伴うK波の目標信号が下記の式(1)で表されるとすると、AD変換器5から出力されるK波の目標信号を含む受信信号z(tm)は、下記の式(2)のように表される。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
式(2)において、tmは送信開始時刻を基準とする受信ゲート内の第m番目の時間サンプルである(即ち、t1=τTXであり、τTXは送信パルス幅である。送受切替時間は無視している)。
時間サンプルtmのサンプリング時間間隔はADサンプリング間隔であり、Δtとしている。
また、αkは距離等による減衰係数、n(tm)は受信機雑音、fcは搬送波の中心周波数である。
なお、この実施の形態1では、1PRI中の受信ゲート内の受信信号を考えるものとする。
離散フーリエ変換部11により算出される受信信号z(tm)の周波数スペクトルZ(fm)は、下記の式(3)のように表される。
Figure 0006271834
ここで、受信ゲート内の受信信号z(tm)のゼロ埋め後の総サンプル点をM点とした上で、以下のようなM点で構成されるスペクトル乗算前の受信信号ベクトルz(離散フーリエ変換部11の出力)を定義する。
Figure 0006271834
ただし、第m(m=1,2,・・・,M)番目の周波数fmは、下記の式(5)のように与えるものとする。
また、Bはリファレンス信号の帯域幅、Δfはサンプル周波数間隔であり、B≦M≦Δfを満たすものとする。
Figure 0006271834
式(4)に式(3)を代入すると、スペクトル乗算前の受信信号ベクトルzは、下記の式(6)のように変形することができる。
Figure 0006271834
式(6)において、rkは下記の式(7)のように第k番目の目標信号の周波数スペクトルを並べたベクトルである。
また、R(sig)は下記の式(8)のようにK個のスペクトル乗算前の目標信号ベクトルrkを並べた行列、sは下記の式(9)のような複素振幅ベクトルである。
0は下記の式(10)のような受信機雑音の周波数スペクトルを並べたベクトルである。
Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834
即ち、離散フーリエ変換部11では、式(2)で表される受信信号z(tm)の離散フーリエ変換を実施して、式(6)で表されるスペクトル乗算前の受信信号ベクトルzを算出する処理を行う。
パルス圧縮器6の離散フーリエ変換部12は、送信機1により生成される送信パルスのリファレンス信号r(tm)を入力すると、そのリファレンス信号r(tm)を離散フーリエ変換して、そのファレンス信号r(tm)の周波数スペクトルR(fm)を算出する。
なお、離散フーリエ変換部12の出力は、周波数スペクトルR(fm)の複素共役を対角項に並べた下記の式(11)に示すような行列Rrefである。
Figure 0006271834
ここで、以降の議論で扱うサンプリングについて説明する。
図4はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置のサンプリングを示す説明図である。
図4において、インデックス番号mは受信開始時刻(=送信完了時刻:送受切替時間は無視している)τTXを基準とするインデックスである。
よって、第m番目のサンプルのインデックス番号に対応する受信ゲート内の遅延時間tmは、下記の式(12)で表される。
Figure 0006271834
式(12)において、ΔtはAD変換器5のサンプリング時間間隔である。また、図4中のMは受信ゲート内の受信信号のゼロ埋め後の総サンプル数である。いずれも既述している。
インデックス番号i(i=1,2,・・・,M)についても、受信開始時刻τTXを基準とするインデックスである。
さらに、サンプリング時間間隔ΔtをJ分割(Jは正の整数)する場合の時間間隔をdtとする。
このときの受信ゲート内の第i番目に対応する遅延時間をti (AM)とすると、インデックス番号i、遅延時間ti (AM)及びM(AM)は次式で表される。ただし、j=1,2,・・・,Jである。
Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834
ここで、j=1の場合は、インデックス番号i及び遅延時間tmは、以下のように表すことができる。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
以上がサンプリングに関する説明である。
パルス圧縮器6の複素窓関数計算部13は、離散フーリエ変換部12がリファレンス信号の周波数スペクトルR(fm)を算出すると、そのリファレンス信号の周波数スペクトルR(fm)、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅から複素窓関数を計算する。
以下、複素窓関数計算部13の処理内容を具体的に説明する。
複素窓関数計算部13のサイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21は、離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルR(fm)、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅からサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを計算する。
ここで、サイドローブ干渉波のアレーマニフォルドの理論について述べる。
遅延時間ti (AM)に対応する散乱波の信号ベクトルci (AM)を考える。
散乱波の信号ベクトルci (AM)は、提案法のウェイト算出に用いるものであり、散乱波自体は受信信号に含まれるものではなく、仮想的に考えるものである。
いま、散乱波の強度を1として、散乱波の信号ベクトルci (AM)を下記の式(18)のように与える。
Figure 0006271834
式(18)において、Diは遅延時間ti (AM)に関する位相回転行列であり、下記の式(19)で表される。また、r1 (AM)は下記の式(20)で表される。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
ここでは、遅延時間ti (AM)にメインローブピークが現れて、その前後のti (AM)−TLからti (AM)+TLの範囲(距離換算した同範囲を「干渉波のレンジ範囲」と称する)に、2L+1個の散乱点(ただし、強度1とする)が時間間隔dtで分布するものとする。
ただし、Lは時刻ti (AM)の前側あるいは後側の時間領域TLに分布する散乱波の点数である。時刻ti (AM)の前側あるいは後側の遅延時間ti-l (AM),ti+l (AM)(l=1,2,・・・,L)は、それぞれ次式で表わされる。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
遅延時間ti-l (AM),ti+l (AM)に対応する散乱波の受信信号ベクトルci-l (AM),ci+l (AM)は、式(18)を利用すると、下記の式(23)(24)で与えられる。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
次に、2L+1個の散乱点ベクトルを並べたアレーマニフォルドを考える。
Figure 0006271834
さらに、式(25)に含まれているri (AM)と、その前後のLG個のステアリングベクトルをゼロベクトル0にするため、下記の式(26)に示すようなガード行列Gを定義する。
Figure 0006271834
式(26)のガード行列Gにより、パルス圧縮のメインローブピーク及びその近傍領域(ガード時間あるいはガード距離と呼ぶ)の遅延時間ti (AM)に対応するステアリングベクトルはゼロベクトルとなる。
そこで、式(25)のアレーマニフォルドにガード行列Gを乗じたアレーマニフォルドAi (AM)を定義する。
アレーマニフォルドAi (AM)の列ベクトルのうち、ガード行列Gによってゼロベクトルになる以外の列ベクトルを「サイドローブ干渉波のステアリングベクトル」と呼ぶことにして、Ai (AM)を「サイドローブ干渉波のアレーマニフォルド」と呼ぶことにする。
Figure 0006271834

ただし、A1 (AM)は以下の通りである。

Figure 0006271834
以上がサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドに関する理論の説明である。
サイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21では、式(28)によって、サイドローブ干渉波のアレーマニフォルドA1 (AM)を求める処理を行う。
複素窓関数計算部13のサイドローブ干渉波相関行列計算部22は、サイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21がサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドA1 (AM)を求めると、そのアレーマニフォルドA1 (AM)と、予め設定されている対角荷重であるDLLからサイドローブ干渉波の相関行列を計算する。
ここで、サイドローブ干渉波の相関行列の理論について述べる。
遅延時間ti (AM)に関するパルス圧縮におけるサイドローブ干渉波を含む相関行列Ri (AM)(以降、「サイドローブ干渉波相関行列」と称する)を下記の式(29)の右辺第1行のように定義して、その式の変形を行う。
式(29)において、ρはDLL、ρIはDiagonal Loadingのための行列であり、仮想する受信機雑音の相関行列と考えることができる。
Figure 0006271834
式(29)において、右辺第2行への変形では、式(27)の関係を利用しており、右辺第3行への変形では、式(19)から求まる下記の式(30)の関係を利用している。
Figure 0006271834
式(29)より、遅延時間ti (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)は、遅延時間t1 (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)を求めておけば、遅延時間ti (AM)に関する位相回転行列Diを適宜利用して、簡単に求められることがわかる。
以上がサイドローブ干渉波相関行列に関する理論の説明である。
サイドローブ干渉波相関行列計算部22では、入力であるアレーマニフォルドA1 (AM)を用いて、サイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)を求める処理を行う。
複素窓関数計算部13の逆行列計算部23は、サイドローブ干渉波相関行列計算部22がサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)を計算すると、そのサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)の逆行列(Ri (AM)-1を計算する。
サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)の逆行列(Ri (AM)-1は、下記の式(31)のように与えられる。
Figure 0006271834
式(31)より、遅延時間ti (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)の逆行列(Ri (AM)-1は、遅延時間ti (AM)に応じて直接求めずに、遅延時間t1 (AM)に関する逆行列(R1 (AM)-1を求めておき、遅延時間ti (AM)に関する位相回転行列Diをその両側から乗じれば求まることがわかる。
逆行列計算部23では、入力であるサイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)の逆行列(R1 (AM)-1を求める処理を行う。
続いて、複素窓関数計算部13の最適ウェイト計算部24の説明に備え、本発明のパルス圧縮出力の定式化について説明する。
本発明のパルス圧縮出力yproは、下記の式(32)のように与えられる。ただし、簡単のために、受信信号ベクトルxに含まれる目標数をK=1とする。
Figure 0006271834

ここで、ypro,Wproは、それぞれ以下の通りである。
Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834
式(34)に含まれているwm (pro)が本発明のパルス圧縮ウェイトである。
このとき、サイドローブ干渉波抑圧に逆行列を利用する場合は、パルス圧縮ウェイトwm (pro)は下記の式(36)の通りである。βmは規格化係数であり、規格化係数βmは下記の式(50)で与えられる。
また、式(36)におけるwm (FFT)は、下記の式(37)に示すようなFFTの第m番目の係数ベクトルである。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
ここで、Rmは第m番目のレンジビンに対応するサイドローブ干渉波相関行列であり、式(16)より、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)との間に以下の関係がある。
Figure 0006271834
よって、wm (FFT)は、下記の式(39)のように表すことができる。
Figure 0006271834
このとき、DJ(m-1)+1は遅延時間ti (AM)i=J(m-1)+1=tmに対応する位相回転行列であるため、式(17)及び式(19)より、以下のように変形することができる。
Figure 0006271834
式(40)を式(39)に代入すると、wm (FFT)は、下記の式(41)のように表される。ただし、式(41)において、太字の「1」はM×1行列である。
Figure 0006271834
式(41)の右辺第2行から第3行の変形では、1=w1 (FFT)の関係を利用しており、右辺第3行は、M×M対角行列diag(wm (FFT))と、M×1行列である(R1 (AM)-11 (FFT)の積であるから、以下の関係が成り立つことを利用して、右辺第4行へ展開している。
Figure 0006271834
右辺第4行から右辺第5行の展開では、対角行列であるdiag((R1 (AM)-11 (FFT))を以下のようにDRで表している。
Figure 0006271834
右辺第5行の結果と式(36)の右辺を比較すると、以下の関係が明らかである。つまり、Rm -1が式(39)のように、R1 (AM)と位相回転行列DJ(m-1)+1により関係付けられる特性を利用することで、最終的にRm -1はmに依存しない対角行列DRとなる。
Figure 0006271834

結局、wm (pro)は、下記の式(45)のように表される。

Figure 0006271834
続いて、式(41)を式(34)に代入すると、下記の式(46)に示すように、WFFTを用いて、Wproを表すことができる。ただし、Dβ=diag(β1,β2,・・・,βM)である。また、WFFTは下記の式(47)である。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
ここで、パルス圧縮の前後で、受信機の雑音電力が一定となるような規格化係数βmを考える。
パルス圧縮出力に含まれる受信機雑音はwm (pro)Hnであるため、その受信機雑音の平均電力はwm (pro)HE[n(i)nH(i)]wm (pro)(iは試行番号であり、平均電力を求めるために導入)となる。同電力は以下のように変形することができる。
Figure 0006271834

ただし、ρ2は入力における受信機雑音電力である。

Figure 0006271834
よって、式(48)の右辺最終行のw1 (pro)Hrefref Hm (pro)が出力における受信機雑音ゲインであるから、入出力での受信機雑音電力を一定にするには、
1 (pro)Hrefref Hm (pro)=1を満たす規格化係数βmを与えればよい。
その規格化係数βmは、下記の式(50)のように与えられる。ただし、式(50)中の小さな○はアダマール積を表している。
Figure 0006271834
式(50)の右辺第6行目から、規格化係数βmはRref HRの対角項の二乗和を求め、その平方根,逆数より求まることがわかる。
さらにmに依存しないため、右辺第7行目でβm=βとしている。
また、βは明らかに実数であり、β=β*となる。よって、Dβは下記の式(51)のように表される。
Figure 0006271834
よって、式(46)及び式(51)を式(32)に代入すると、提案のパルス圧縮出力yproが下記の式(52)のように与えられる。
Figure 0006271834
以上で本発明のパルス圧縮出力の定式化についての説明を終える。
式(52)を用いて、複素窓関数計算部13の最適ウェイト計算部24、複素窓関数乗算部14、スペクトル乗算計算部15及び逆離散フーリエ変換部16の処理内容を説明する。
式(52)の右辺最終行は、スペクトル乗算前の受信信号ベクトルzとスペクトル乗算後の受信信号ベクトルRrefzにサイドローブ干渉波を抑圧する対角行列βDR Hを乗じたβDR Hxに対してIFFTを行うことを示している。
このとき、受信信号ベクトルRrefzに対角行列βDR Hを乗じる処理は、対角行列βDR Hの要素を窓関数として掛ける処理と解釈することができる。
この窓関数は、同要素が一般に複素数なので複素窓関数となる。
さらに、βは式(50)よりDRから求まり、DRは式(44)よりRm -1から求まる。このとき、Rm -1はmによらず一定なので、R1 -1でよい。
即ち、複素窓関数計算部13の最適ウェイト計算部24は、対角行列βDR Hを算出する。
複素窓関数乗算部14は、最適ウェイト計算部24により算出された対角行列βDR Hと離散フーリエ変換部12から出力された行列Rrefとの積であるβDR Hrefを算出する。
ここまでの処理は設計段階で実施することが可能である。また、便宜上、行列同士の乗算で表しているが、実質は対角項同士の乗算にすぎない。
スペクトル乗算計算部15は、複素窓関数乗算部14により算出されたβDR Hrefと離散フーリエ変換部11から出力されたスペクトル乗算前の受信信号ベクトルzとの積であるβDR Hrefzを算出する。
逆離散フーリエ変換部16は、スペクトル乗算計算部15により算出されたβDR Hrefzを逆離散フーリエ変換して、その変換結果であるβWFFT HR Hrefzを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトル、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅から複素窓関数を計算する複素窓関数計算部13と、離散フーリエ変換部12により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、複素窓関数計算部13により計算された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める複素窓関数乗算部14と、離散フーリエ変換部11により算出された受信信号の周波数スペクトルと複素窓関数乗算部14により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を計算するスペクトル乗算計算部15とを設け、逆離散フーリエ変換部16が、スペクトル乗算計算部15により計算されたスペクトル積からパルス圧縮後受信信号を計算するように構成したので、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングであっても、低レンジサイドローブ特性を達成することができるとともに、窓関数を用いる場合よりも、パルス圧縮後の受信信号のパルス幅の拡大や、ミスマッチ損失を低減することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、サイドローブ干渉波をステアリングベクトルによりモデル化し、これより求まるサイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を用いるパルス圧縮を行うものである。特に複素窓関数はDLを行ったサイドローブ干渉波相関行列の逆行列を利用するものである。このため、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングを前提とする場合でも、低レンジサイドローブ特性を達成しながら、窓関数を用いた場合と比べて、圧縮後パルス幅の拡大やミスマッチ損失が小さくすることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、複素窓関数計算部13が、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)の逆行列(Ri (AM)-1を計算し、その逆行列(Ri (AM)-1から最適ウェイトを計算することで、複素窓関数を算出するものを示したが、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)から射影行列Pnulli (AM)を計算し、その射影行列Pnulli (AM)から最適ウェイトを計算することで、複素窓関数を算出するようにしてもよい。
図5はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置の複素窓関数計算部13の内部を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
サイドローブ干渉波相関行列計算部31はサイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部21により計算されたアレーマニフォルドからサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)を計算する処理を実施する。なお、サイドローブ干渉波相関行列計算部31は相関行列算出手段を構成している。
射影行列計算部32はサイドローブ干渉波相関行列計算部31により計算されたサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)と予め設定されているランク(行列の階数)から射影行列Pnulli (AM)を計算する処理を実施する。なお、射影行列計算部32は射影行列算出手段を構成している。
最適ウェイト計算部33は射影行列計算部32により計算された射影行列Pnulli (AM)から最適ウェイトを計算することで、複素窓関数を算出する処理を実施する。なお、最適ウェイト計算部33は窓関数算出処理手段を構成している。
次に動作について説明する。
複素窓関数計算部13の内部以外は、上記実施の形態1と同様であるため、上記実施の形態1と相違している部分だけを説明する。
サイドローブ干渉波相関行列計算部31は、図3のサイドローブ干渉波相関行列計算部22と同様に、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)を計算するが、予め設定されたDLLを用いずに、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)を計算している点で相違している。
したがって、遅延時間t1 (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)(ただし、ρ=0)を求め、遅延時間ti (AM)に関する位相回転行列Diを利用して、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)を計算する。
射影行列計算部32は、サイドローブ干渉波相関行列計算部31がサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)を計算すると、そのサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)と予め設定されているランクから射影行列Pnulli (AM)を計算する。
以下、射影行列の理論について述べる。
まず、遅延時間t1 (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)(ただし、ρ=0)に着目すると、サイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)は、固有値・固有ベクトルにより、下記の式(53)のように表される。ただし、GEは昇順に並べた固有値λmを対角項に有する対角行列であり、E1はこれら固有値に対応する固有ベクトルを列ベクトルとして配した行列である。

Figure 0006271834
このとき、固有ベクトルは互いに直交するので、下記の式(54)が成立する。
Figure 0006271834
式(54)より、サイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)(ただし、ρ=0)に関する射影行列Pnull1 (AM)は、下記の式(55)のように求まる。ただし、E1 (rank)はE1の部分行列であり、E1からrank個の固有ベクトルのみを取り出した行列である。
Figure 0006271834
続いて、式(53)を用いると、遅延時間ti (AM)に関するサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)は、下記の式(56)のように与えられる。
Figure 0006271834

ここで、式(56)の第2行右辺のDi1に関して、式(30)及び式(54)より、下記の式(57)が成立する。
Figure 0006271834
式(57)から、Di1の列ベクトルが互いに直交していることがわかる。即ち、式(56)におけるDi1の列ベクトルは、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)の固有ベクトルとなっており、下記の式(58)が成立する。
ただし、Eiはサイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)の固有ベクトルを列ベクトルとして配した行列である。
Figure 0006271834
よって、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)に関する射影行列Pnulli (AM)は、下記の式(59)のように求まる。
Figure 0006271834
したがって、サイドローブ干渉波相関行列Ri (AM)(ただし、ρ=0)に関する射影行列Pnulli (AM)は、遅延時間ti (AM)に応じて直接求めずに、遅延時間t1 (AM)に関する射影行列Pnull1 (AM)を求めておけば、遅延時間ti (AM)に関する位相回転行列Diをその両側から乗じれば求められることがわかる。
以上が射影行列に関する理論の説明である。
射影行列計算部32では、入力であるサイドローブ干渉波相関行列R1 (AM)の射影行列射影行列Pnull1 (AM)を求める処理を行う。
最適ウェイト計算部33は、射影行列計算部32が射影行列Pnulli (AM)を計算すると、その射影行列Pnulli (AM)から最適ウェイトを計算することで、複素窓関数を算出する。
即ち、最適ウェイト計算部33は、射影行列Pnulli (AM)から対角行列βDR Hを算出し、その対角行列βDR Hを複素窓関数乗算部14に出力する。
ただし、β,DRは、それぞれ式(50)、式(44)において、Rm -1をPnullmに置き換えたものである。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、サイドローブ干渉波をステアリングベクトルによりモデル化し、これより求まるサイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を用いるパルス圧縮を行うものである。特に複素窓関数はランクに基づくサイドローブ干渉波相関行列の射影行列を利用するものである。このため、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングを前提とする場合でも、低レンジサイドローブ特性を達成しながら、窓関数を用いた場合と比べて、圧縮後パルス幅の拡大やミスマッチ損失が小さくすることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、PRI周期毎に、1個の送信パルスを空中に放射するものを示したが、PRI周期毎に、Mt個の送信パルスを同時に空中に放射するようにしてもよい。
図6はこの発明の実施の形態3によるレーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信機41はPRI周期で所定の送信周波数信号を生成するとともに、変調パラメータを変化させることで、その送信周波数信号を用いて、所定の変調方式に基づく所定のパルス幅の送信パルスをアンテナ42の素子アンテナの本数(Mt≧2)と一致する数分だけ生成し、Mt個の送信パルスをデュプレクサ2経由でアンテナ42に出力する処理を実施する。
アンテナ42はMt個の素子アンテナから構成されており、送信機1から出力されたMt個の送信パルスを同時に空中に放射する一方、目標やクラッタに反射されて戻ってきた各送信パルスの散乱波を受信する部材である。
なお、送信機41、デュプレクサ2、アンテナ42、受信機4及びAD変換器5からパルス送受信手段が構成されている。
パルス圧縮器43−1〜43−Mtは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、PRI周期で、送信機41により生成される第1〜Mt番目の送信パルスのリファレンス信号#1〜#Mtを用いて、AD変換器5から出力された受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号を出力する処理を実施する。なお、パルス圧縮器43−1〜43−Mtはパルス圧縮手段を構成している。
送信ビーム合成部44はパルス圧縮器43−1〜43−Mtから出力されたMt個のパルス圧縮後受信信号の合成(所望の送信方向に関する送信ビーム合成)を行う。なお、送信ビーム合成部44は合成手段を構成している。
図7はこの発明の実施の形態3によるレーダ装置のパルス圧縮器43−1〜43−Mtを示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
離散フーリエ変換部51−1〜51−Mtは送信機41により生成される第1〜Mt番目の送信パルスのリファレンス信号#1〜#Mtを離散フーリエ変換して、そのファレンス信号#1〜#Mtの周波数スペクトルを算出する処理を実施する。なお、離散フーリエ変換部51−1〜51−Mtは第2の周波数スペクトル算出手段を構成している。
複素窓関数計算部52はMt個の離散フーリエ変換部51−1〜51−Mtにより算出されたファレンス信号#1〜#Mtの周波数スペクトル、予め設定されている干渉波のレンジ範囲及びガードレンジ幅から複素窓関数を計算する処理を実施する。なお、複素窓関数計算部52は複素窓関数算出手段を構成している。
因みに、複素窓関数乗算部53の内部構成は、図3または図5が示す構成と同様である。
複素窓関数乗算部53はMt個の離散フーリエ変換部51−1〜51−Mtにより算出されたファレンス信号#1〜#Mtの周波数スペクトルの中で、着目するリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、複素窓関数計算部52により計算された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める処理を実施する。なお、複素窓関数乗算部53は複素窓関数算出手段を構成している。
次に動作について説明する。
まず、送信機41は、PRI周期で、所定の送信周波数信号を生成するとともに、変調パラメータを変化させることで、その送信周波数信号を用いて、所定の変調方式に基づく所定のパルス幅の送信パルスをアンテナ42の素子アンテナの本数(Mt≧2)と一致する数分だけ生成する。
即ち、送信機41は、変調パラメータを変化させることで、中心周波数fc,変調帯域幅B,送信パルス幅τTXの送信パルスrj(t)(j=1,2,・・・,Mt)をMt個生成し、Mt個の送信パルスrj(t)をデュプレクサ2に出力する。
デュプレクサ2は、送信機41からMt個の送信パルスrj(t)を受けると、Mt個の送信パルスrj(t)をアンテナ42に出力する。
これにより、アンテナ42からMt個の送信パルスrj(t)が所定のビーム指向方向の空中に向けて放射される。
空中に放射されたMt個の送信パルスrj(t)の一部は、目標やクラッタに反射され、各送信パルスrj(t)の散乱波がアンテナ42に戻ってくる。
デュプレクサ2は、アンテナ42が目標やクラッタに反射されて戻ってきたMt個の送信パルスrj(t)の散乱波を受信すると、その受信信号を受信機4に出力する。
受信機4は、デュプレクサ2からアンテナ42の受信信号を受けると、その受信信号をベースバンド帯の周波数に変換して、アナログ受信信号を生成する。
AD変換器5は、受信機4がアナログ受信信号を生成すると、そのアナログ受信信号をディジタル化して、ディジタルの受信信号をパルス圧縮器43−1〜43−Mtに出力する。
パルス圧縮器43−1〜43−Mtは、AD変換器5からディジタルの受信信号を受けると、PRI周期で、送信機41により生成される第1〜Mt番目の送信パルスのリファレンス信号#1〜#Mtを用いて、そのディジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号であるパルス圧縮後受信信号を出力する。
以下、パルス圧縮器43−1〜43−Mtの処理内容を具体的に説明する。
まず、周波数変調等が施された送信パルスrj(t)(j=1,2,・・・,Mt)に対する遅延時間tk (s)及びドップラ周波数fk (D)を伴うK波の目標信号を含む受信信号z(tm)(AD変換器5から出力されるディジタルの受信信号)は、下記の式(60)のように与えられる。

Figure 0006271834
式(60)において、δtjはアンテナ42を構成する第j番目の素子アンテナの送信行路差による時間遅延である。
パルス圧縮器43−1〜43−Mtの離散フーリエ変換部11は、AD変換器5からディジタルの受信信号z(tm)を受けると、下記の式(61)に示すように、その受信信号z(tm)を離散フーリエ変換して、その受信信号の周波数スペクトルZ(fm)を算出する。
Figure 0006271834
式(61)において、Rj(f)は送信パルスrj(t)の周波数スペクトルである。
このとき、スペクトル乗算前の受信信号ベクトルzは、下記の式(62)のように表される。

Figure 0006271834
式(62)において、rk’は下記の式(63)のように第k番目の目標信号の周波数スペクトルを並べたベクトルであり、R’(sig)は下記の式(64)のようにK個のスペクトル乗算前の目標信号ベクトルrk’を並べた行列である。
Figure 0006271834

Figure 0006271834
次に、スペクトル乗算前の受信信号ベクトルzに第mt番目のリファレンス信号rmt(tm)の周波数スペクトルを乗じるものをスペクトル乗算後受信信号ベクトルx(mt)(以降、単に「受信信号ベクトル」と称する)とすると、以下のように表される。
Figure 0006271834
式(65)において、Rref (mt)は下記の式(66)のようにリファレンス信号rmt(tm)の周波数スペクトルの複素共役を対角項に並べた行列である。
k (mt)は下記の式(67)に示すように第k番目の目標に対する遅延時間tk (s)及びドップラ周波数fk (D)から決まるステアリングベクトルである。
(mt)は下記の式(68)に示すようにak (mt)をK個並べた行列である。
(mt)は下記の式(69)に示すような受信機雑音ベクトルである。
k (mt),A(mt),n(mt)はいずれもRref (mt)を含んでおり、スペクトル積に対して定義されるベクトル及び行列である。
Figure 0006271834


Figure 0006271834
Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834
ここまでの定式化により、この実施の形態3でのパラメータは、上記実施の形態1もしくは実施の形態2で示したパラメータを以下のように置き変えた形になることがわかる。
左側が上記実施の形態1,2、右側が実施の形態3に対応することがわかる。

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834

Figure 0006271834
よって、この実施の形態3の処理の流れは、上記実施の形態1,2の処理において、式(70)から式(76)の置き換えを行ったものとなる。
以下、図7に示すパルス圧縮器43−1〜43−Mtの処理の流れを説明する。
離散フーリエ変換部11では、式(60)で表される受信信号z(tm)の離散フーリエ変換を実施して、式(62)で表されるスペクトル乗算前の受信信号ベクトルzを求める処理を行う。
離散フーリエ変換部51−1〜51−Mtでは、入力であるリファレンス信号rj(tm)の離散フーリエ変換を実施して、周波数スペクトルRj(fm)を求める。
特に、第mt番目の離散フーリエ変換部51−mtの出力はRmt(fm)の複素共役を対角項に並べた行列Rref (mt)である。
複素窓関数計算部52では、対角行列βDR Hを計算する処理を行う。
その対角行列βDR Hは、図3もしくは図5からなる複素窓関数計算部13を構成する手段において、式(70)から式(76)を置き換えることにより、上記実施の形態1,2と同様の処理で求められる。
複素窓関数乗算部53では、対角行列βDR Hと行列Rref (mt)の積であるβDR Href (mt)を算出する。
ここまでの処理は設計段階で実施可能である。また、便宜上、行列同士の乗算で表しているが、実質は対角項同士の乗算にすぎない。
スペクトル乗算計算部15では、スペクトル乗算前の受信信号ベクトルzとβDR Href (mt)との積であるβDR Href (mt)zを算出する。
逆離散フーリエ変換部16では、βDR Href (mt)zの逆離散フーリエ変換であるβWFFT HR Href (mt)zを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、サイドローブ干渉波をステアリングベクトルによりモデル化し、これより求まるサイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を用いるパルス圧縮を行うものである。このため、1倍から2倍程度のオーバーサンプリングを前提とする場合でも、異なる送信パルスを送受信する場合に問題となる相互相関による高いレンジサイドローブを抑圧し、低レンジサイドローブ特性を達成しながら、窓関数を用いた場合と比べて、圧縮後パルス幅の拡大やミスマッチ損失が小さくすることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 送信機(パルス送受信手段)、2 デュプレクサ(パルス送受信手段)、3 アンテナ(パルス送受信手段)、4 受信機(パルス送受信手段)、5 AD変換器(パルス送受信手段)、6 パルス圧縮器(パルス圧縮手段)、11 離散フーリエ変換部(第1の周波数スペクトル算出手段)、12 離散フーリエ変換部(第2の周波数スペクトル算出手段)、13 複素窓関数計算部(複素窓関数算出手段)、14 複素窓関数乗算部(複素窓関数算出手段)、15 スペクトル乗算計算部(スペクトル積算出手段)、16 逆離散フーリエ変換部(パルス圧縮信号算出手段)、21 サイドローブ干渉波アレーマニフォルド計算部(アレーマニフォルド算出手段)、22 サイドローブ干渉波相関行列計算部(相関行列算出手段)、23 逆行列計算部(逆行列算出手段)、24 最適ウェイト計算部(窓関数算出処理手段)、31 サイドローブ干渉波相関行列計算部(相関行列算出手段)、32 射影行列計算部(射影行列算出手段)、33 最適ウェイト計算部(窓関数算出処理手段)、41 送信機(パルス送受信手段)、42 アンテナ(パルス送受信手段)、43−1〜43−Mt パルス圧縮器(パルス圧縮手段)、44 送信ビーム合成部(合成手段)、51−1〜51−Mt 離散フーリエ変換部(第2の周波数スペクトル算出手段)、52 複素窓関数計算部(複素窓関数算出手段)、53 複素窓関数乗算部(複素窓関数算出手段)。

Claims (4)

  1. パルスを空中に向けて放射する一方、目標に反射されて戻ってきた上記パルスの散乱波を受信するパルス送受信手段と、上記パルス送受信手段から放射されるパルスのリファレンス信号を用いて、上記パルス送受信手段の受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段とを備え、
    上記パルス圧縮手段は、
    上記パルス送受信手段の受信信号の周波数スペクトルを算出する第1の周波数スペクトル算出手段と、
    上記リファレンス信号の周波数スペクトルを算出する第2の周波数スペクトル算出手段と、
    上記第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、上記パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、上記時間範囲を含んでおり、上記時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、サイドローブで受信される干渉波であるサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出し、上記アレーマニフォルドから上記サイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を算出する複素窓関数算出手段と、
    上記第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、上記複素窓関数算出手段により算出された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める複素窓関数乗算手段と、
    上記第1の周波数スペクトル算出手段により算出された受信信号の周波数スペクトルと上記複素窓関数乗算手段により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を算出するスペクトル積算出手段と、
    上記スペクトル積算出手段により算出されたスペクトル積からパルス圧縮後の受信信号を算出するパルス圧縮信号算出手段と
    を備えていることを特徴とするレーダ装置。
  2. 複数のパルスを空中に向けて放射する一方、目標に反射されて戻ってきた各パルスの散乱波を受信するパルス送受信手段と、上記パルス送受信手段から放射される各パルスのリファレンス信号を用いて、上記パルス送受信手段の受信信号をパルス圧縮する複数のパルス圧縮手段と、上記複数のパルス圧縮手段によるパルス圧縮後の受信信号を合成する合成手段とを備え、
    上記パルス圧縮手段は、
    上記パルス送受信手段の受信信号の周波数スペクトルを算出する第1の周波数スペクトル算出手段と、
    各パルスのリファレンス信号の周波数スペクトルを算出する複数の第2の周波数スペクトル算出手段と、
    上記複数の第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、上記パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、上記時間範囲を含んでおり、上記時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、サイドローブで受信される干渉波であるサイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出し、上記アレーマニフォルドから上記サイドローブ干渉波の受信電力を最小化する複素窓関数を算出する複素窓関数算出手段と、
    上記複数の第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルの中で、着目するリファレンス信号の周波数スペクトルに対して、上記複素窓関数算出手段により算出された複素窓関数を乗算して、窓関数付の周波数スペクトルを求める複素窓関数乗算手段と、
    上記第1の周波数スペクトル算出手段により算出された受信信号の周波数スペクトルと上記複素窓関数乗算手段により求められた窓関数付の周波数スペクトルとのスペクトル積を算出するスペクトル積算出手段と、
    上記スペクトル積算出手段により算出されたスペクトル積からパルス圧縮後の受信信号を算出するパルス圧縮信号算出手段と
    を備えていることを特徴とするレーダ装置。
  3. 上記複素窓関数算出手段は、
    上記第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、上記パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、上記時間範囲を含んでおり、上記時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、上記サイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出するアレーマニフォルド算出手段と、
    上記アレーマニフォルド算出手段により算出されたアレーマニフォルドと予め設定されている対角荷重から上記サイドローブ干渉波の相関行列を算出する相関行列算出手段と、
    上記相関行列算出手段により算出された相関行列の逆行列を算出する逆行列算出手段と、
    上記逆行列算出手段により算出された逆行列から上記複素窓関数を算出する窓関数算出処理手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
  4. 上記複素窓関数算出手段は、
    上記第2の周波数スペクトル算出手段により算出されたリファレンス信号の周波数スペクトルと、メインローブピークが現れる遅延時刻を含んでおり、上記パルスの散乱波が複数分布している時間範囲と、上記時間範囲を含んでおり、上記時間範囲よりも広い範囲であるガードレンジ幅とから、上記サイドローブ干渉波のアレーマニフォルドを算出するアレーマニフォルド算出手段と、
    上記アレーマニフォルド算出手段により算出されたアレーマニフォルドから上記サイドローブ干渉波の相関行列を算出する相関行列算出手段と、
    上記相関行列算出手段により算出された相関行列と予め設定されている行列の階数から射影行列を算出する射影行列算出手段と、
    上記射影行列算出手段により算出された射影行列から上記複素窓関数を算出する窓関数算出処理手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
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