JP6271525B2 - 電極および電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極および電極の製造方法に関する。
本願は、2014年2月6日に、日本に出願された特願2014−021782に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
医療の分野では、生体組織が出す脳波などの電気信号を検出するために、生体に貼付したり、あるいは生体内に埋め込んだりして使用する電極が利用されている。このような電極として、プラチナや金からなる複数の電極素子を生体組織に刺し込む剣山形状の電極アレイが知られている(例えば、特許文献1)。しかし、このような高侵襲な方法は生体への負担が大きいため、より負担の少ない測定方法が求められていた。
そこで、生体に電極素子を挿し込まない低侵襲な方法が開発されてきている。例えば、特許文献2では、微小金属ワイヤーを電極素子に用いることで低侵襲化を実現した電極が記載されている。例えばプラチナや金のような金属からなる電極素子は、基本的には人体に無害ではあるが、体内組織や細胞に直接触れると、生体細胞の抗体反応により、電極素子と組織との間に防御反応(炎症反応)が生じる。そのため、長期的な生体情報観測を行うことが難しい。また硬い金属が、軟らかい生体内で擦れた際の、摩擦による生体へのダメージが大きいという問題がある。
このような問題を防ぐために、電極素子と生体組織との間に生体適合性を有する材料を配置し、電極素子が生体組織と直接触れることを防ぐことが考えられる。
しかしながら、電極素子が複数配置された電極においては、電極素子間での信号の漏れ(クロストーク)が発生することにより感度が低下する問題がある。そのため、体内の電気的信号を高感度で、かつ高精度に得るためには、電極素子間に絶縁壁を設ける必要がある。このような絶縁壁もまた生体と接触するため、生体適合性の高い材料で形成することが好ましく、シリコーンエラストマーを用いた絶縁壁が検討されている。
例えば、非特許文献1には、電極素子の周囲にシリコーン製絶縁壁を形成する技術が知られている。このシリコーン製絶縁壁は、電極基材上の電極素子上の部分をフォトレジストで被覆し、その上から熱硬化型のシリコーンプレポリマーをスピンコートした後加熱してポリシロキサン化合物を硬化し、その後フォトレジストを除去することで得られている。非特許文献2には末端にビニルエーテル基を有するポリシロキサン化合物を電極基材上にスピンコートし、光重合を用いたフォトリソグラフィー法により電極の絶縁部を形成することも記載されている。
特表2013−512062号公報 特開2006−212133号公報
J Micromech Microeng. 2009 May 20; 19: 65016. Neural Engineering (NER), 2011 5th International IEEE/EMBS Conference on Date April 27 2011-May 1 2011 P,490-494.
しかしながら、非特許文献1に記載の熱硬化型のポリシロキサン化合物は、硬化までに長時間を要するため生産性の点で問題がある。非特許文献2に記載の末端にビニルエーテル基を有するポリシロキサン化合物は、ラジカル重合反応が進みにくい点から、パターニング性に問題があると考えられる。
本発明は、パターニング性に優れるとともに、生体適合性にも優れた絶縁壁を備えた電極を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様に係る電極は、基材上に、電極素子と、前記電極素子の周囲に形成され1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)を構成成分とし、当該官能基の重合によって得られる重合体から形成された絶縁壁とを有する。
本発明の一態様に係る電極の製造方法は、基板上に電極素子を配置する工程と、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群から選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)および光ラジカル重合開始剤を含む光硬化性材料を、前記電極素子の周囲に配置する工程と、前記光硬化性材料に電磁波を照射して硬化させ、前記絶縁壁を形成する工程とを有する。
本発明の一態様に係る電極によれば、パターニング性に優れ、また生体適合性にも優れた絶縁壁を備える電極を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電極の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電極の断面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る電極の斜視模式図である。 絶縁壁を有しない電極の作用を模式的に示すための電極の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る絶縁壁を有する電極の作用を模式的に示すための電極の断面模式図である。 本発明の実施例1で作製した電極の平面視写真である。 本発明の実施例1の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果を示したグラフである。 本発明の比較例3の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果を示したグラフである。 本発明の実施例1の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果をシミュレーションしたグラフである。 本発明の比較例3の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果をシミュレーションしたグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係る電極の断面を模式的に示した図である。図1で示され電極10は、基材1上に、電極素子2と、電極素子2の周囲に形成された絶縁壁4とを備える。
電極10の基材1は、特に限定されるものではないが、電極10の土台となる強度を有し、かつフレキシブル性を維持することが好ましい。具体的には、ヤング率が0.1GPa〜10GPaであることが好ましい。基材としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等を用いることができる。
基材1の厚みは、後述する絶縁壁4の厚みよりも薄いことが好ましい。後述する絶縁壁4は一般的にヤング率が低く軟らかいため、基材1の厚みを絶縁壁4の厚みよりも薄くすることにより、電極10のフレキシブル性を確保することができる。基材1の厚みは具体的には、1μm以上50μm以下であることが好ましい。基材1の厚みが、1μmより薄いと、電極10の土台として強度が十分では無く、全体の機械的強度が落ちてしまう。基材1の厚みが、50μmより厚いと、電極の十分なフレキシブル性を確保することが難しくなる。そのため、例えば脳のような複雑な形状への追従性が落ちてしまう。
電極素子2の材料は、特に限定されるものではないが、金やプラチナ等の金属、有機導電材料のPEDOT/PSS、カーボンナノ材料、または生体適合性を有する導電性の物質などを用いることができる。
ここで、カーボンナノ材料とは、カーボン原子で構成され、ナノメートルサイズで構造化している構成要素(例えば、1本のCNT)のカーボン原子同士がファンデルワールス力でくっついているもの、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー(炭素繊維のうち、径が10nm以下のもの)、カーボンナノホーン、フラーレンをいう。10nm以下の微細なカーボンナノ材料であれば、水中で良好な分散性を発揮する。
電極素子2の感度を高めるためには、導電性の高い金やプラチナ等の金属を用いることが好ましい。防御反応や摩擦等による生体への悪影響を防止するためには、後述するように、電極素子2を、生体適合性を有する生体バッファ層3で被覆することが好ましい。
絶縁壁4は、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を有するポリシロキサン化合物を構成成分とし、当該官能基の重合によって得られる重合体から形成されたものである。以下、本明細書においては、「(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基」を総称して「重合性官能基」と呼ぶ。また、「1分子あたり2個の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を有するポリシロキサン化合物」を「成分A」と呼ぶ。
ポリシロキサン化合物とは、以下の化学式(r)で表記される繰り返し構造(r)を有する化合物を表す(R、Rは1価の有機基であり、繰り返し構造(r)ごとにRおよびRは同一であっても異なっていてもよい)。
成分Aの重合性官能基の数は、1分子あたり2個以上であれば特に限定されないが、より柔軟(低ヤング率)な重合体が得られやすいという観点からは、1分子あたり2個であることが好ましい。成分Aは、重合性官能基を分子鎖のいずれの位置に有していてもよいが、分子鎖の両末端に重合性官能基を有する構造が特に好ましい。成分A分子が有する2個以上の重合性官能基は、同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。
重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。(メタ)アクリロイル基は、高い重合性を有するためである。
成分Aの数平均分子量は6000以上であることが好ましい。成分Aの数平均分子量がこの範囲にあると、特にフレキシブル性に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた重合体が得られる。成分Aの数平均分子量は、耐折り曲げ性などの機械物性により優れた重合体が得られることから、8000以上が好ましく、8000〜100000の範囲にあることがより好ましく、9000〜70000の範囲にあることがさらに好ましく、10000〜50000の範囲にあることが最も好ましい。成分Aの数平均分子量が小さすぎる場合には耐折り曲げ性などの機械物性が低くなる傾向がある。成分Aの数平均分子量が大きすぎる場合には、柔軟性や透明性が低下する傾向がある。
ここで、化合物の数平均分子量は、クロロホルムを溶媒として用いたゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量とする。質量平均分子量および分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値)も同様の方法で測定された値を用いる。
成分Aの分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値)は、6以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましく、1.5以下が最も好ましい。成分Aの分散度が小さい場合、他の成分との相溶性が向上し、得られる重合体に含まれる不純物が減る、重合体成型に伴う収縮率が小さくなるなどの利点が生じる。
成分Aとしては、下記一般式(A1)の構造を有する化合物が好ましい。
一般式(A1)中、XおよびXはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基を表す。LおよびLは、それぞれ独立に2価の基を表す。aは、シロキサン単位の繰り返し数であり、1〜3000の整数を表す。
一般式(A1)中、XおよびXとしては、(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
一般式(A1)中、R〜Rの好適な具体例は、水素、アルキル基、フルオロアルキル基を用いることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基及びオクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。フルオロアルキル基としては、フェニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基が挙げられる。重合体に良好な機械物性を与えるという観点から、水素およびメチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。すなわち、A1としてはポリジメチルシロキサン構造を有する化合物が最も好ましい。
一般式(A1)中、LおよびLとしては、炭素数1〜20のアルキル基またはフルオロアルキル基が好ましい。中でも下記式(LE1)〜(LE12)のいずれかで表される基が好ましく、中でも下記式(LE1)、(LE3)、(LE9)または(LE11)で表される基がより好ましく、下記式(LE1)または(LE3)で表される基がさらに好ましく、下記式(LE1)で表される基が最も好ましい。これらの化学式で表記される基は、一般式(A1)の化合物が高純度で得られやすい。下記式(LE1)〜(LE12)は、左側が重合性官能基XまたはXに結合する末端、右側がケイ素原子に結合する末端として描かれている。
一般式(A1)中、aの値は、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。R〜Rが全てメチル基の場合、aは、80〜1500が好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。
絶縁壁4を形成する重合体は、1分子あたり1個の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基(重合性官能基)を有するポリシロキサン化合物である成分Mと、成分Aとの共重合体であってもよい。1分子あたり1個のみ重合性官能基を有する成分Mとの共重合体とすることで、架橋密度が減少してポリマーの自由度が大きくなり、よりフレキシブル性の高い低ヤング率の絶縁壁を形成することができる。
成分Mの数平均分子量は、300〜120000であることが好ましい。成分Mの数平均分子量がこの範囲にあることで、フレキシブル性に優れ、かつ耐折り曲げ性などの機械物性にも優れた重合体が得られる。成分Mの数平均分子量は、500以上が好ましく、1000〜25000の範囲にあることがより好ましく、5000〜15000の範囲にあることがさらに好ましい。成分Mの数平均分子量が小さすぎると、耐折り曲げ性や形状回復性などの機械物性が低くなる傾向がある。成分Mの数平均分子量が大きすぎる場合には、柔軟性が低下する傾向がある。
成分Mは、下記一般記式(M1)の構造を有するものが好ましい。
一般式(M1)中、Xは(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を表す。R〜R13はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基を表す。Lは2価の基を表す。bはシロキサン単位の繰り返し数であり、0〜1400の整数を表す。
一般式(M1)中、Xとしては、(メタ)アクリロイル基が最も高い重合性を有することから、最も好ましい。
一般式(M1)中、R〜R13の好適な具体例は、前述の一般式(1)のR〜Rの好適な例として列挙したものと同様である。Lの好適な具体例は、前述の一般式(1)のLおよびLの好適な例として列挙したものと同様である。
一般式(M1)中、bは1〜1400の整数を表す。bは3以上が好ましく、10以上がより好ましく、10〜500がさらに好ましく、30〜300が一層好ましく、50〜200が最も好ましい。特に、R〜R13が全てメチル基の場合、bは3〜700が好ましく、10〜500がより好ましく、30〜300がさらに好ましく、50〜200が一層好ましい。
成分Mの重合性官能基は、良好な機械物性の重合体が得られやすいことから、成分Aの重合性官能基と共重合可能であることがより好ましい。成分Mと成分Aが均一に共重合されることで良好な表面特性を有する重合体が得られやすいことから、成分Mは成分Aと共通の重合性官能基を有していることがさらに好ましい。
絶縁壁4を構成する重合体に含まれる成分Aと成分Mとの質量比は、成分Aを100質量部に対して成分Mが5〜200質量部が好ましく、7〜150質量部がより好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。重合体が適当な量の成分Mを含有することにより、架橋密度が減少してポリマーの自由度が大きくなり、適度に柔らかい低ヤング率の重合体を実現することができる。これに対し、成分Mの含有量が、成分A100質量部に対し5質量部を下まわると、架橋密度が高くなり、重合体が硬くなる傾向がある。成分Mの含有量が、成分A100質量部に対し200質量部を超えると、軟らかくなりすぎる傾向がある。
絶縁壁4を構成する重合体において、成分Mは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
絶縁壁4を形成する重合体は、成分A又は成分Aと成分Mの共重合体に対して、フルオロアルキル基と、1分子あたり1個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基(重合性官能基)とを有する化合物である成分Bが共重合した共重合体であることも好ましい。成分Bはフルオロアルキル基に起因する臨界表面張力の低下により、撥水撥油性の性質を持ち、これにより、重合体表面が脂質などの成分によって汚染されることを抑える効果がある。
成分Bは、柔軟でしかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた電極を与える効果がある。成分Bのフルオロアルキル基の好適な具体例は、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。より好ましくは、炭素数2〜8のフルオロアルキル基、例えば、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、オクタフルオロペンチル基、およびドデカフルオロオクチル基であり、最も好ましくはトリフルオロエチル基である。
成分Bの重合性官能基としては(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
柔軟で装着感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた電極が得られる効果が大きいことから、成分Bとして最も好ましいのは(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルである。かかる(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルの具体例としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、およびトリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレートが挙げられる。トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。最も好ましくはトリフルオロエチル(メタ)アクリレートである。
共重合体中における成分Bの好ましい含有量は、成分Aを100質量部に対して、10〜500質量部が好ましく、20〜400質量部がより好ましく、20〜200質量部がさらに好ましい。
絶縁壁4を構成する重合体において、成分Bは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
絶縁壁4に用いる共重合体としては、前述の成分A、成分Mおよび成分B同様の重合性官能基を有するさらに別の成分(以下「成分C」という)をさらに共重合させたものを用いてもよい。成分Cとしては、共重合体のガラス転移点を室温あるいは0℃以下に下げるものがよい。これらは凝集エネルギ−を低下させるので、共重合体にゴム弾性と柔らかさを与える効果がある。
成分Cとして、共重合体のガラス転移点を室温あるいは0℃以下に下げるものの例は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびn−ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレートがより好ましい。これらの中で、アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは更に好ましい。
機械的性質を向上させるためには、例えばスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物を成分Cとして共重合させることが好ましい。
重合体の寸法安定性を向上させるためには、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレート、アクリルメタクリレートおよびこれらのメタクリレート類に対応するアクリレート類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等を成分Cとして共重合させることが好ましい。
絶縁壁4を構成する重合体において、成分Cは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
絶縁壁4は、架橋度が2.0〜18.3の範囲であることが好ましい。架橋度は、下記式(Q1)で表される。
上記式(Q1)において、Qnは1分子あたりn個の重合性官能基を有するモノマーの合計ミリモル量、Wnは1分子あたりn個の重合性基を有するモノマーの合計質量(kg)を表す。モノマーの分子量が分布を有する場合は、数平均分子量を用いてミリモル量を計算することとする。
絶縁壁4の架橋度が、2.0より小さくなると、柔らかすぎて損傷しやすくなり、18.3より大きくなると硬すぎて生体への密着性が悪くなる傾向がある。架橋度は、3.5〜16.0であることがより好ましく、8.0〜15.0であることがさらに好ましく、9.0〜14.0であることが最も好ましい。
絶縁壁4は、ヤング率が0.5MPa〜2000MPaであることが好ましく、1MPa〜1000MPaであるものが好ましい。絶縁壁4がこの程度の硬さを有することで、基材1や生体バッファ層3を絶縁壁4が骨格のように支持することができ、電極の機械的強度を高めることができる。
絶縁壁4の引張伸度(破断伸度)は50%以上が好ましく、150%以上がより好ましく、170%以上がさらに好ましく、200%以上が一層好ましく、300%以上がより一層好ましく、400%以上が特に好ましい。絶縁壁4の引張伸度は3000%以下が好ましく、2500%以下がより好ましく、2000%以下がさらに好ましく、1500%以下が一層好ましく、1000%以下が最も好ましい。引張伸度が小さいと、絶縁壁が壊れやすくなるので好ましくない。引張伸度が大きすぎる場合には、絶縁壁が変形しやすくなる傾向があり好ましくない。
電極10を装着する生体への大気からの酸素供給の観点から、絶縁壁4の材料は高い酸素透過性を有することが好ましい。酸素透過係数[×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)]は、50以上が好ましく、100以上がより好ましく、200以上がさらに好ましく、300以上が最も好ましい。酸素透過係数は、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましく、700以下が最も好ましい。酸素透過性を大きくしすぎると機械物性などの他の物性に悪影響が出る場合がある。
絶縁壁4の抵抗率は、1kΩm以上が好ましく、10kΩm以上がより好ましく、100kΩm以上がさらに好ましい。絶縁壁4は、このような高い抵抗値が求められるため、含水率が低いことが好ましい。絶縁壁4の含水率は10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。ここで、含水率は、フィルム形状の試験片の乾燥状態の質量と、ホウ酸緩衝液による湿潤状態の質量とから、[{(湿潤状態での質量)−(乾燥状態での質量)}/(湿潤状態での質量)]×100により与えられる。
ここで、湿潤状態とは、試料を室温(25℃)の純水あるいはホウ酸緩衝液中に24時間以上浸漬した状態を意味する。湿潤状態での物性値の測定は、試料を純水中あるいはホウ酸緩衝液中から取り出し、表面水分を拭き取った後、可及的速やかに実施される。乾燥状態とは、湿潤状態の試料を40℃で16時間真空乾燥した状態を意味する。前記真空乾燥における真空度は2hPa以下とする。乾燥状態での物性値の測定は、上記真空乾燥の後、可及的速やかに実施される。ホウ酸緩衝液とは、特表2004−517163号公報の実施例1中に記載の「塩溶液」である。具体的には塩化ナトリウム8.48g、ホウ酸9.26g、ホウ酸ナトリウム(四ホウ酸ナトリウム十水和物)1.0g、およびエチレンジアミン四酢酸0.10gを純水に溶かして1000mLとした水溶液である。
絶縁壁4の配置は、個々の電極素子を囲んでいればよく、正方格子配置、ハニカム格子配置、ランダム配置、矩形格子配置等、特にその配置は問わない。作製しやすさの面からは正方格子配置が好ましい。機械的強度の面からは、ハニカム格子配置であることが好ましい。絶縁壁は基材に対して垂直に起立している必要は無く、傾斜していてもよい。
電極10は、基板1上に電極素子2を配置する工程と、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群から選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)および光ラジカル重合開始剤を含む光硬化性材料を電極素子2の周囲に配置する工程と、光硬化性材料に電磁波を照射して硬化させ、絶縁壁4を形成する工程とを有する製造方法により製造することができる。
光硬化性材料は、少なくとも重合性官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)および光ラジカル重合開始剤を含むが、前述の成分M、成分Bまたは成分Cをさらに含んでいてもよい。これらの成分の詳細は前述の通りである。
光ラジカル重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられる。重合開始剤の量は、重合混合物に対し最大で5質量%までが好ましい。
光硬化性材料は、さらに重合溶媒を含むことが好ましい。重合溶媒としては、有機系、無機系いずれの溶媒も適用可能である。重合溶媒の例としては、水、アルコール系溶媒、グリコールエーテル溶媒、エステル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及び石油系溶媒を用いることができる。アルコール系溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、テトラヒドロリナロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコール等を用いることができる。グリコールエーテル系溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることができる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチルおよび安息香酸メチル等を用いることができる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンおよびノルマルオクタン等を用いることができる。脂環族炭化水素系溶媒としては、シクロへキサンおよびエチルシクロへキサン等を用いることができる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等を用いることができる。芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等を用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
絶縁壁4は、光硬化性材料に、紫外線、可視光線またはこれらの組み合わせなどの電磁波を照射することにより形成することができる。照射する電磁波としては、200〜500nmの波長の電磁波が好ましい。電磁波照射重合の具体的態様としては、例えば水銀ランプや紫外線ランプ(例えばFL15BL、東芝)の光のような紫外線を含む光を短時間(通常は1時間以下)照射することが挙げられる。
電磁波照射により絶縁壁4を形成する好ましい方法は、下記の通りである。まず、基材1上の電極素子2を囲むようにスペーサーを設置し、スペーサーに囲まれた空間内に光硬化性材料を充填する。そして、充填した光硬化性材料に、電極素子2上への電磁波照射を阻止するようにパターン形成されたマスクを配置した後に電磁波を照射し、その後未硬化の光硬化性材料を洗い流すことで、電磁波が照射された部分、すなわち電極素子の上部以外の部分のみに硬化した絶縁壁を形成することができる。
基材1上の電極素子2配置予定箇所を被覆するよう設計されたマスクを配置した後に電磁波を照射し、その後未硬化の光硬化性材料を洗い流すことで絶縁壁4を形成した後、電極素子2を基材上に配置することで電極10を作成することもできる。
電磁波照射による光重合の後にさらに加熱重合を行ったり、光重合の前に補助的に加熱重合を行ったりしてもよい。
光硬化性材料を配置する前に、基材にプラズマアッシングを行うと、基材の表面が改質され、絶縁壁との密着性がより向上するため好ましい。
電極10は、さらに電極素子2と生体との接触を妨げるよう電極素子2上に形成された生体バッファ層3を有するものであることが好ましい。図2Aは生体バッファ層を有する電極の断面を模式的に示した図であり、図2Bは生体バッファ層を有する電極の斜視模式図である。
図2A及び図2Bに示される電極20は、基材1上に、同一平面上に配置された複数の電極素子2と、生体バッファ層3と、電極素子2の周囲に配置された絶縁壁4を備える。生体バッファ層3は、導電性を有し生体からの電気信号を電極素子に伝えることができ、かつ生体適合性を有する層であり、電極素子と生体の直接的接触による生体の防御反応を抑制するための層である。絶縁壁4は、その内部又は下部にアース配線5を備えていてもよい。
生体バッファ層3としては、親水性ゲル材料、生体適合性を有する高分子媒体等に導電性材料を均一に分散させたものを用いることができる。親水性ゲル材料としては、ハイドロゲル、例えばポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート(通称:ポリヘマ)、シリコーンハイドロゲル、ポリロタキサン、ポリビニルアルコールハイドロゲル等の多様な高含水ゲルがある。導電性材料としては、金属微粒子、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノ材料等を用いることができる。また例えば、親水性のイオン液体を構成する分子と水溶性高分子とで二重に被覆されたカーボンナノ材料が水溶性高分子媒体中に分散され、該水溶性高分子が架橋されてなるゲル状の導電性材料(導電ゲル)を用いてもよい。
生体バッファ層3が軟らかいことで、生体の複雑な形状にも接触面が追従することができ、電極の感度を高めることができる。基材1と生体バッファ層3との積層構造において、生体の複雑な形状表面への接触面の追従性を、極めて高いレベルで実現するには、基材が柔軟性と強度を両立するだけの厚さとヤング率であること、生体バッファ層が生体と同程度のヤング率と接触面に追従する厚さであることが重要である。そのため、基材1の厚さ<生体バッファ層3の厚さ、基材1のヤング率>生体バッファ層3のヤング率、の関係が好適な条件となる。
生体バッファ層3のヤング率は用途に応じて適宜決定し得るが、一般的には1kPa〜100kPaが好ましい。脳のヤング率がおおよそこの範囲であり、生体バッファ層3のヤング率を当該範囲とすることで、脳のような柔らかく、各複雑な形状にも適用することができる。
生体バッファ層3の厚みは、0.002mm以上5mm以下であることが好ましい。生体バッファ層3の厚みが0.002mmより薄いと、電極素子の剛性を十分に吸収できず、生体バッファ層の表面の剛直性が高くなるという問題がある。一方、5mmより厚いと空間分解能が高くできないという問題と狭い隙間に挿入できないという問題がある。
絶縁壁4の高さは、生体バッファ層3の厚みとほぼ同じであることが好ましいが、生体バッファ層3より僅かに高くても低くてもよい。絶縁壁4の高さが僅かに生体バッファ層3の厚みより低い場合でも、十分に電流の漏れを防ぐことができる。絶縁壁4の高さが僅かに生体バッファ層3の厚みより高い場合でも、生体に電極を押し付けることで、生体バッファ層3が十分生体に追従することができるため、生体からの電気信号を十分電極素子に伝えることができる。ここでいう「僅かに」とは、生体バッファ層の厚みの3割以内の範囲をいう。一般に、生体バッファ層と電極素子は強い密着を得ることができないため、基材から生体バッファ層が剥がれてしまうことがある。しかし、絶縁壁4と生体バッファ層3の両方がほぼ同じ高さであることにより、生体バッファ層3と絶縁壁4の接触面が増え、生体バッファ4層の剥離を防止できる効果もある。
生体バッファ層3を有する電極10は、前述の電極10の製造方法に、さらに生体バッファ層3を積層する工程を経ることで製造することができる。
複数の電極素子2が基材1上に規則的に配置されており、前述の重合体により形成される絶縁壁4が当該複数の電極素子2同士を絶縁するよう形成されている電極10は、本発明の電極の好適な実施態様である。このような複数の電極素子を含む電極を指して「電極アレイ」と呼ぶ場合がある。
図3Aは絶縁壁を有しない電極アレイの作用を模式的に示した図であり、図3Bは本発明の一実施形態に係る絶縁壁を有する電極アレイについての作用を模式的に示した図である。図3A及び図3Bに示すように、電極アレイは生体バッファ層3を介して生体と接触している。
図3Aに示すように、絶縁壁を有しない電極アレイ30の場合、例えば神経細胞6から発せられた電気信号は、電流という形で導電性を有する生体バッファ層3を介して、周囲に拡散する。神経細胞6から最も近い電極素子2が、この電流を最も強く計測するが、その周囲の電極素子2にも電流は漏れ出る。この現象をクロストークと呼ぶ。そのため、神経細胞6から発せられた電気信号は、電極アレイ30全体ではぼやけた状態で受信されることとなり、電極アレイ30は十分な空間分解能を得ることができない。
一方、図3Bで示すように、絶縁壁4を有する本発明の実施形態に係る電極アレイ20の場合、絶縁壁4が絶縁性を有する為、生体バッファ層を介して電流が周囲に拡散することを阻害する。そのため、神経細胞6から発せられた電気信号は、神経細胞6に最も近い電極素子2でより強く受信され、周囲の電極素子2に漏れ出ることが抑制される。そのため、電極アレイ20は高い空間分解能と感度を示すことができる。
図3Bで示すように、電極アレイは絶縁壁4内部または絶縁壁4下部に、アース配線5を備えていることが好ましい。生体からの電気信号の量(電流量)が大きい場合、絶縁壁4だけでは十分に絶縁しきれなくなり、クロストークが発生してしまう。そのため、絶縁壁4内部または絶縁壁4下部にアース配線5を備えることで、絶縁壁4を介して漏れ出ていた電気信号もカットすることができ、クロストークをより抑制することができる。すなわち、電極アレイ20の感度をより高めることができる。またアース配線5は導電性を有していればよく、金属、インジウムスズ酸化物(ITO)等を用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(分析方法および評価方法)
(1)ヤング率、引張伸度(破断伸度)
フィルム形状重合体から規定の打抜型を用いて幅(最小部分)5.0mm、長さ14.0mmの試験片を切り出した。該試験片を用い、オリエンテック社製のRTG−1210型試験機(ロードセルUR−10N−D型)を用いて引張試験を実施した。引張速度は100mm/分で、グリップ間の距離(初期)は5mmであった。
(実験例1)
成分Aとして両末端にメタクリレート基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、JNC株式会社、質量平均分子量2.9万、数平均分子量2.6万)(28質量部)、成分Mとして片末端にメタクリレート基を有するポリジメチルシロキサン(FM0721、JNC株式会社、分子量5000)(7質量部)、成分Bとしてトリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)(59.5質量部)、その他成分として2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA、東京化成工業株式会社)(5.0質量部)、イルガキュア(IC、登録商標)819(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ、0.5質量部)およびt-アミルアルコール(TAA、東京化成工業株式会社、10質量部)を混合し撹拌した。均一で透明な光硬化性材料が得られた。
この光硬化性材料を試験管に入れ、タッチミキサーで攪拌しながら減圧20Torr(27hPa)にして脱気を行い、その後アルゴンガスで大気圧に戻した。この操作を3回繰り返した。
基材として、ガラス板を準備した。基材上にOHPシートを設置し、さらに0.5mm厚のスペーサーを設置した。そのスペーサーに囲まれた領域に、前記光硬化性材料を充填した。前記光硬化性材料に、ガラス板を介して、UV露光して硬化させた。このときのUV露光は、UV波長300nm〜400nmのNEC社のBlack light FL15BL(商品名)を光源として、SUNHAYATO社のLight box(W532×D450×H100mm)を用いて行った。
その結果、フィルム形状の重合体をガラス基材上に形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表1の通りであり、非常にフレキシブルであり、かつ機械的強度に優れていた。
(実験例2〜8)
組成を表1の通りに変える以外は実験例1と同様にして、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表1の通りであった。
(実験例9)
架橋剤としてポリエチレングリコール#200ジメタクリレート(4G、新中村化学工業株式会社)(1質量部)、成分AとしてFM7726(質量平均分子量2.9万、数平均分子量2.6万)(28質量部)、成分MとしてFM0721(分子量5000)(7質量部)、成分Bとしてビスコート3F(59.5質量部)、その他成分として2EHA(5.0質量部)、IC819(0.5質量部)およびTAA(10質量部)を混合し撹拌した。均一で透明な光硬化性材料が得られた。それ以外は実験例1と同様にし、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表1の通りであった。
(実験例10〜11)
組成を表1の通りにする以外は、実験例9と同様にし、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表1の通りであった。
(実験例12〜13)
架橋剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTM、和光純薬工業株式会社)を用い、組成を表1の通りにする以外は実験例1と同様にし、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表1の通りであった。
(実験例14〜21)
架橋剤として両末端メタクリル変性ジメチルシリコーンオイル(FM7711、JNC株式会社、分子量1万)を用い、組成を表1及び表2の通りにする以外は実験例1と同様にし、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は、表1及び表2の通りであった。
(実験例22〜23)
組成を表2の通りに変える以外は実験例1と同様にして、フィルム形状の重合体を形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表2の通りであった。
(実験例24)
メチルメタクリレート(MMA、東京化成工業株式会社)(99.5質量部)、IC819(0.5質量部)およびTAA(10質量部)を混合し撹拌し、光硬化性材料が得られた。それ以外は実験例1と同様にし、フィルム形状の重合体をガラス基材上に形成した。得られた重合体のヤング率、引張伸度は表2の通りであり、非常に硬く、伸縮性のないものであった。
(実験例25)
IC819(0.5質量部)およびTAA(20質量部)を混合した。そこに以下の下記式(S1)で表されるビニルエーテル基を有するポリシロキサン化合物であるSylgard184(シグマアルドリッチジャパン株式会社:登録商標)(99.5質量部)を加え、撹拌し、光硬化性材料が得られた。それ以外は実験例1と同様にし、UV露光を行った。露光を30分続けたがフィルム形状の重合体は得られなかった。
(実験例26)
光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(シグマアルドリッチジャパン株式会社、CAS番号7473−98−5)(4.5質量部)を用い、組成を表1の通りにする以外は、実験例25と同様にして、UV露光を行った。露光を30分続けたがフィルム形状の重合体は得られなかった。
(実験例27)
組成を表2の通りにする以外は、実験例26と同様にして、UV露光を行った。露光を30分続けたがフィルム形状の重合体は得られなかった。
(実施例1)
基材として、膜厚12μmのポリイミドフィルムを準備した。当該ポリイミドフィルム上にマスクを介して金を蒸着し、7mm×7mmの正方形の電極素子を1mm間隔で縦8列×横8列、64個形成した。
次に、基材の周囲に1mm厚のスペーサーを設置し、そのスペーサーに囲まれた領域に、実験例1に記載の光硬化性材料を充填した。その上に、幅1mmのラインが7mm間隔で格子状に形成されているマスクを、当該ラインが基材上の電極素子が形成されていない格子状部分と合致するように配置し、UV露光して光硬化性材料を硬化させた。このときのUV露光は、UV波長300nm〜400nmのNEC社のBlack light FL15BL(商品名)を光源として、SUNHAYATO社のLight box(W532×D450×H100mm)を用いて行った。次に、未露光部の光硬化性材料を、イソプロピルアルコールで洗い流し、格子形状の絶縁壁を現像した。その後、絶縁壁にUV露光し、さらに後硬化させた。
その結果、一個のセルが7mm×7mmで、8行8列の格子形状の絶縁壁を基材上に形成した。このとき絶縁壁の高さは1mmであった。図4は、本実施例で作製した電極(電極アレイ)の平面視写真である。
(実施例2)
生体バッファ層として、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート(DEMEBF)を構成する分子に覆われたカーボンナノチューブがポリロタキサンに分散されてなる組成物下記のように調製した。
カーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製、VGCF−X、長さ3μm、直径15nm)30mgと、親水性のイオン液体である、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート(DEMEBF)60mgを混合し、磁気スターラーを用いて700rpm以上の回転数で1週間、25℃、脱イオン水中で撹拌した。得られた懸濁液を、高圧ジェットミルホモジナイザー(60MPa;Nano−jet pal, JN10, Jokoh)によって処理して、黒い物質を得た。得られたCNTゲルを含む溶液を生理食塩水で濯いだ後に、光重合開始剤(IC2959、長瀬産業株式会社製)1mgと、ポリロタキサンゲル(「光架橋性環動ゲル」、アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製)1000mgとを混合し、上記組成物を作製した。
このゲル状の物質を、実施例1と同様に作製した電極の、絶縁壁で囲まれたセルに充填させた。次に、UV露光によってポリロタキサンを架橋して、DEMEBFを構成する分子に覆われたカーボンナノチューブがポリロタキサン媒体中に分散され、該ポリロタキサンが架橋されてなる生体バッファ層を作製した。このときのUV露光は、UV波長300nm〜400nmのNEC社のBlack light FL15BL(商品名)を光源として、SUNHAYATO社のLight box(W532×D450×H100mm)を用いて行った。なお、このとき生体バッファ層の厚さと、絶縁壁の高さは同じ1mmとした。
(比較例1)
実験例25に記載の光硬化性材料を用いる以外は、実施例1と同様にし、UV露光を行った。UV露光を30分行い、非露光部の光硬化性材料を洗浄したが、絶縁壁は形成されなかった。
(比較例2)
実験例26に記載の光硬化性材料を用いる以外は、実施例1と同様にし、UV露光を行った。UV露光を30分行い、非露光部の光硬化性材料を洗浄したが、絶縁壁は形成されなかった。
(比較例3)
基材の周囲に1mm厚のスペーサーを設置し、そのスペーサーに囲まれた領域に、実施例2に記載の組成物を充填し、UV露光によって硬化させ、生体バッファ層を形成した。絶縁壁は形成しなかった。
(電極の評価結果)
図5Aは、実施例の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果を示したグラフである。図5Bは、実施例の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果を示したグラフである。これらのグラフにおいて、縦軸は出力電圧であり、XY軸は位置座標を示す。グラフのXYは7mm×7mmであり、実施例1において絶縁壁で囲まれた一つのセルサイズであり、この出力結果は、入力電圧を印加した点に対向する一つの電極素子が測定した出力結果である。
この結果、実施例1の電極アレイが100mVの入力電圧に対し、45mVの出力結果を示しているのに対し、比較例3の電極アレイが100mVの入力電圧に対し、23mVの出力結果しか示していないことが分かる。またグラフからも明らかに、実施例1の電極アレイの方が、ピークの高い検出結果を示しており、電極アレイの感度が高いことが分かる。
図6Aは実施例の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果をシミュレーションしたグラフである。図6Bは比較例の電極アレイのある一点に、100mVの入力電圧を印加した際の、その入力電圧をした箇所に対向する電極が測定した出力結果をシミュレーションしたグラフである。縦軸は出力電圧であり、XY軸は位置座標を示す。
シミュレーションは、静電場解析を、有限差分法を用いて行った。有限差分格子のサイズは一辺が1mmの立方体とし、基材に平行な方向に58×58の格子、基材に垂直な厚さ方向に1格子である。
この結果、実施例1の電極アレイが100mVの入力電圧に対し、100mVの出力結果を示しているのに対し、比較例3の電極アレイが100mVの入力電圧に対し、30mVの出力結果しか示していないことが分かる。またグラフからも明らかに、実施例1の電極アレイの方が、ピークの高い検出結果を示しており、感度が高いことが分かる。
1…基材、2…電極素子、3…生体バッファ層、4…絶縁壁、5…アース配線、10…電極、20、30…電極(電極アレイ)

Claims (10)

  1. 基材上に、電極素子と、
    前記電極素子の周囲に形成され、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)を構成成分とし、前記官能基の重合によって得られる重合体から形成された絶縁壁とを備える電極。
  2. 前記成分Aが、下記一般式(A1)で表される構造を有する化合物である、請求項1に記載の電極;
    [式(A1)中、XおよびXはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基であり、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基であり、LおよびLは、それぞれ独立に2価の基であり、aは1〜3000の整数からなるシロキサン単位の繰り返し数である。]。
  3. 前記成分(A)の数平均分子量が6000以上である、請求項1または2のいずれかに記載の電極。
  4. 前記重合体は、前記成分Aと、
    1分子あたり1個の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分M)と、が共重合した共重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極。
  5. 前記成分Mが、下記一般式(M1)で表される構造を有する化合物である、請求項4に記載の電極;
    [式中、Xは(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群より選択される官能基であり、R〜R13はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基であり、Lは2価の基であり、bは0〜1400の整数からなるシロキサン単位の繰り返し数である。]。
  6. 前記重合体は、前記成分A又は前記成分Aと前記成分Mの共重合体と、
    フルオロアルキル基と1分子あたり1個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群から選択される官能基より選択される官能基とを有する化合物(成分B)と、
    が共重合した共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極。
  7. 前記成分Bが(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルである、請求項6に記載の電極。
  8. 前記電極素子が前記基材上に複数配置されており、前記絶縁壁は前記複数の電極素子同士を絶縁するよう形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電極。
  9. 前記絶縁壁は、電磁波照射により前記成分(A)、成分(B)および/または成分(M)を重合させて形成されたものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電極。
  10. 基板上に電極素子を配置する工程と、
    1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基、スチレン性ビニル基、ビニルエステル基、マレイン酸エステル基およびマレイミド基からなる群から選択される官能基を有するポリシロキサン化合物(成分A)および光ラジカル重合開始剤を含む光硬化性材料を、前記電極素子の周囲に配置する工程と、
    前記光硬化性材料に電磁波を照射して硬化させ、前記絶縁壁を形成する工程とを有する電極の製造方法。
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