JP5126710B2 - 頭蓋内電極構造体およびその製造方法 - Google Patents

頭蓋内電極構造体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、頭蓋内電極構造体およびその製造方法に関するものであり、特に、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する頭蓋内電極構造体およびその製造方法に関するものである。
従来、頭蓋内電極は、頭蓋内で脳信号を直接計測したり、脳を電気刺激して脳機能を検査したり、難治性疼痛や不随意運動を治療したりするために用いられている。一般的に頭蓋内電極としては、(1)脳実質内深部に刺入する脳深部電極と、(2)脳表面に留置する硬膜下電極とがある。
上記脳深部電極は、通常、細いチューブに電極が等間隔に配置されている。このような脳深部電極は、脳深部実質の信号計測や電気刺激に用いられている。一方、上記硬膜下電極は、通常、シリコーン等で形成された電極シートの片面に白金等の電極が複数固定されている。このような硬膜下電極は、脳表面の信号計測や電気刺激に用いられている。
より具体的には、脳深部電極としては、例えば、パーキンソン病に対して行われるdeep brain stimulationに使われるリード線タイプの電極を挙げることができる。また、硬膜下電極としては、例えば、特許文献1には、厚みが1mm以下のシリコーン二重膜の間に電極が挟持された頭蓋内埋め込み用診断電極が開示されている。
また、別の頭蓋内電極としては、シリコーンシートの両面に電極が設けられた両面電極が市販されている。該両面電極は、半球間裂(左右の大脳半球の間)に挿入し、左右の大脳半球の脳信号を計測するために用いられている。
ところで、大脳皮質は、表面の脳回と溝の中の脳溝にある。脳溝の部分は、脳回の部分の約3倍の面積を有する。そのため、脳機能においても、脳溝は、重要な役割を果たしていると考えられている。
また、近年、脳溝内の脳信号は、脳回上(表面に出ている部分)の脳信号とはかなり異なる特性をもつ場合があることが実験的に証明されている(非特許文献1を参照)。非特許文献1には、特に、一次運動野では、運動種別に特異的な部位特性をもつことが記載されている。
米国特許第5044368号(1991年9月3日公開) M.Hirata et al., Hierarchical network of the human sensorimotor cortex: coherence analysis using supragyral and intrasulcal surface electrodes. 第29回日本神経科学大会抄録集(2006年) Y.Saitoh et al., Primary motor cortex stimulation within the central sulcus for treating deafferentation pain., Acta Neurochir [Suppl.]87:149-152, (2003).
上述したように、近年、脳機能における脳溝の重要性が明らかになってきている。脳機能における脳溝の役割をより詳細に解析するためには、脳溝内の脳信号を計測したり、脳溝内を局所的に電気刺激したりする必要がある。例えば、非特許文献2には、難治性疼痛に対して、中心溝内運動野を、脳溝内に配置した電極で刺激することが記載されている。
しかし、脳溝内の脳信号計測や電気刺激は現在ほとんどなされておらず、また、そのための効果的な電極も存在しない。例えば、上記特許文献1や非特許文献2に開示されるような電極は、平面状形状で硬いため、脳溝内に留置すると脳を圧迫して脳機能障害を生じる危険性がある。また、脳表に電極を留置する場合でも、電極シートが大きい場合には、脳を圧迫する危険性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、脳への圧迫を軽減して、頭蓋内に留置可能な電極構造体およびその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる電極構造体は、頭蓋内に留置するための電極構造体であって、生体適合性物質からなり、かつ、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体に、電極が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記電極構造体は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する。そのため、該電極構造体を、頭蓋内の脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置しても、脳への圧迫が軽減される。それゆえ、上記構成によれば、脳に障害や損傷を与えることなく、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面からの脳信号を検知することができる。
また、上記電極構造体のベース基材となる構造体は、生体適合性物質からなる。それゆえ、上記電極構造体を頭蓋内に留置しても、生体に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
本発明にかかる電極構造体において、上記構造体は、第1層および第2層を少なくとも備え、第1層および第2層を最外層とする多層構造からなり、上記構造体の第1層および第2層のうち、少なくとも一方には、少なくとも1つの孔が形成されており、上記電極は、上記孔の領域に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記構造体は、上記第1層および第2層を少なくとも備える多層構造からなっている。上記第1層および第2層は、上記多層構造からなる構造体において、最外層に位置している。さらに、上記第1層および第2層のうち、少なくとも一方には孔が形成されている。
上記電極は、上記第1層および第2層において、孔が形成されている領域に配置されている。そのため、上記電極構造体を脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置した際、上記電極は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面と接触することができる。それゆえ、上記構成によれば、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面からの脳信号を検知することができる。
また、上記構成によれば、電極に接続される配線を、上記多層構造からなる構造体のいずれかの層間に配置することができる。それゆえ、電極に接続される配線により、脳が障害を受けたり、損傷したりすることを防止することができる。
本発明にかかる電極構造体において、上記電極は、上記構造体の両面に配置されていてもよい。
上記構成によれば、電極構造体を頭蓋内の脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置したとき、該電極構造体に接触する両側からの脳信号を検知することができる。したがって、1つの電極構造体を脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置するだけで、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の異なる領域の脳信号を効率よく検知することができる。
本発明にかかる電極構造体の製造方法は、頭蓋内に留置するための電極構造体を製造する電極構造体の製造方法であって、脳形状の3次元データを用いて、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体を作製するための型を作製し、該型を用いて、生体適合性物質からなり、かつ、上記脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体を作製し、該構造体に電極を配置することを特徴としている。
上記構成によれば、生体適合性物質からなり、かつ、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体に、電極が設けられた電極構造体を製造することができる。このような電極構造体は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する。
そのため、該電極構造体を、頭蓋内の脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置しても、脳への圧迫が軽減される。それゆえ、上記構成によれば、脳に障害や損傷を与えることなく、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面からの脳信号を検知することが可能な電極構造体を製造することができる。
また、上記構成によれば、上記電極構造体のベース基材となる構造体は、生体適合性物質によって形成される。それゆえ、頭蓋内に留置しても、生体に悪影響を及ぼすことのない電極構造体を製造することができる。
本発明にかかる電極構造体の製造方法は、頭蓋内に留置するための電極構造体を製造する電極構造体の製造方法であって、脳形状の3次元データを用いて、互いに重ね合わせが可能で、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する複数のシート状の構造体を作製するための型を作製し、上記型を用いて、互いに重ね合わせが可能で、生体適合性物質からなり、かつ、上記脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する複数のシート状の構造体を作製し、該複数のシート状の構造体のうち、少なくとも1つのシート状の構造体に、少なくとも1つの孔を形成し、該孔が形成されたシート状の構造体が最外層となるように、上記複数のシート状の構造体を重ね合わせ、さらに、上記孔が形成された領域に上記電極を配置したのち、上記複数のシート状の構造体を貼り合わせることを特徴としている。
上記構成によれば、複数のシート状の構造体を互いに重ね合わせたときに最外層に位置する構造体のうち、少なくとも一方に形成された孔の領域に、上記電極は配置される。それゆえ、頭蓋内の脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置したときに、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面と接触することが可能な電極構造体を製造することができる。
さらに、上記構成によれば、上記電極に接続される配線を、上記複数のシート状の構造体が重ね合わされた積層構造のいずれかの層間に配置することができる。それゆえ、上記電極に接続された配線により脳が障害を受けたり、損傷を受けたりすることのない電極構造体を製造することができる。
本発明にかかる電極構造体の製造方法において、上記脳形状の3次元データは、磁気共鳴撮像法により得られた脳画像に基づいて取得されたものであることが好ましい。
上記構成によれば、上記脳形状の3次元データを取得するための脳画像として、磁気共鳴撮像法により取得された画像を用いる。磁気共鳴撮像法によれば、高解像度の脳画像を取得することができる。つまり、上記脳形状の3次元データの精度をより高いものとすることができる。
その結果、上記型は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状をより忠実に再現した形状の構造体を作製可能なものとなる。そのため、得られる電極構造体は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面のより正確な3次元形状を有するものとなる。それゆえ、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置したときに、脳への圧迫をより確実に軽減することが可能な電極構造体を製造することができる。
本発明にかかる電極構造体は、以上のように、頭蓋内に留置するための電極構造体であって、生体適合性物質からなり、かつ、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体に、電極が設けられているため、該電極構造体は脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置しても脳への圧迫が軽減される。それゆえ、脳に障害や損傷を与えることなく、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面からの脳信号を検知することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1、図2、および図4に基づいて説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態にかかる電極構造体1は、図1に示すように、シリコーン構造物2(構造体)と、電極3とを備えている。シリコーン構造体2は、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体である。
なお、説明の便宜上、本明細書では、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面を総称して、「脳表面」と称することもある。
本実施形態では、シリコーン構造体2をベース基材となる構造体として用いているが、本発明はこれに限定されない。具体的には、上記構造体は、シリコーンポリマー(すなわち、ジメチルポリシロキサンをはじめとする有機シロキサン類)以外の生体適合性物質からなるものであってもよい。なお、上記生体適合性物質は、柔らかい生体適合性物質であることが好ましい。
上記生体適合性物質としては、具体的には、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、パリレン、例えばテフロン(登録商標)などのフッ素重合体、ポリエチレン、およびポリプロピレンなどのポリオレフィン、コラーゲン、キチン、アルギン酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリグリコール乳酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアミノ酸、例えばカルボキシメチルセルロースなどのヒドロゲルを挙げることができる。
また、シリコーン構造体2は、シート状の構造体であるが、その厚みは特に限定されるものではないが、実用に耐えうる範囲で、できるだけ薄いことが好ましい。一般的には、上記厚みは、0.05mm〜1.0mmであることが好ましい。このような薄いシート状の構造体であれば、電極構造体1を頭蓋内の脳表面に留置した場合であっても、電極構造体1による脳への圧迫は軽減される。また、シリコーン構造体2は、柔らかいシリコーンポリマーであることが好ましい。
電極3は、図2に示すように、シリコーン構造体2の一方の面に配置されている。本実施形態では、図2に示すように、シリコーン構造体2の一方の面にのみ電極3を配置しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、電極3は、シリコーン構造体2の少なくとも一方の面に配置されていればよい。換言すれば、電極3は、シート状のシリコーン構造体2の片面のみに配置されていてもよいし、シリコーン構造体2の両面に配置されていてもよい。また、シリコーン構造体2上に配置する電極3の数は、特に限定されるものではない。
また、シリコーン構造体2上に電極3を複数配置する場合、その電極3間の間隔は特に限定されるものではないが、具体的には、1mm〜10mm間隔、好ましくは2mm〜5mm間隔で、電極3を、シリコーン構造体2上に配置することが好ましい。上記間隔で電極3を配置すれば、脳表面からの脳信号を効率よく検出することができる。
また、電極3の配置形態も特に限定されるものではないが、電極構造体1を、脳表面に留置したときに、核磁気共鳴画像より脳血管の位置を同定し、脳血管に電極3が接触しないように、電極3をシリコーン構造体2上に配置することが好ましい。上記構成によれば、脳表面からの脳信号をより正確に検知することができる。
電極3の材質は、電極として用いることができる金属または合金であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、プラチナ(Pt)、チタン(Ti)、およびニチノール(NiTi)等を挙げることができる。
また、電極3の形状や大きさも特に限定されるものではなく、電極間距離等に応じて、適宜設定すればよい。具体的には、例えば、電極3は、φ0.3mm〜3mmの円形の電極、好ましくはφ1mm〜1.5mmの円形の電極を挙げることができる。
ここで、電極構造体1の製造方法について説明する。電極構造体1は、脳形状の3次元データを用いて、脳表面の3次元形状を有するシート状の構造体を作製するための型を作製する工程(以下、「型作製工程(A)」ともいう)と、該型を用いて、シリコーン構造体2を作製する工程(以下、「構造体作製工程(A)」ともいう)と、シリコーン構造体2の少なくとも一方の面に電極3を配置する工程(以下、「電極配置工程(A)」ともいう)とを含む方法により製造することができる。
上記型作製工程(A)では、図4に示すように、脳形状の3次元データを用いて、脳表面の3次元形状を有するシート状の構造体を作製するための型を作製する。上記脳形状の3次元データは、特に限定されるものではないが、電極構造体1を装着する被装着者の脳形状の3次元データであることが好ましい。
このような脳形状の3次元データを用いれば、電極構造体1は、該電極構造体1を装着される被装着者の脳表面の形状と一致する。そのため、被装着者の脳表面に、電極構造体1を留置した際、脳への圧迫をより軽減することができる。
また、上記脳形状の3次元データは、脳画像を取得可能な装置によって撮像された脳画像に基づいて、取得されたものであればよく、該脳画像を取得する方法や、該脳画像から上記脳形状の3次元データを取得する方法は特に限定されるものではない。
本実施形態では、上記脳画像は、磁気共鳴撮像法(MRI法)を用いて取得されたものであることが好ましい。MRI法は、高解像度な脳画像を取得するのに適している。そのため、上記MRI法により得られた脳画像によれば、高精度の脳形状の3次元データを取得することができる。その結果、シリコーン構造体2において、脳表面の3次元形状をより正確に再現することができる。それゆえ、電極構造体1の3次元形状を、脳表面の3次元形状により近いものにすることができる。
また、脳画像をMRI法で取得する場合、0.5mm〜1.5mm程度の間隔で、脳断面の画像を撮像することが好ましい。このような間隔でMRI画像を撮像すれば、精度の高い脳形状の3次元データを取得することができる。
さらに、上記脳画像は、造影剤を血管内に投与した状態で撮像された画像であることが好ましい。造影剤を用いることにより、脳表面に存在する血管を造影することができる。そのため、このような脳画像に基づいて取得された脳形状の3次元データによれば、脳表面に存在する血管の位置を特定することができる。
このようにして特定された血管の位置情報によれば、後述する電極配置工程(A)において、電極構造体1を脳表面に留置したときに、電極3が血管に接触しないように、シリコーン構造体2上に電極3を配置することができる。また、シリコーンの成型をする際にも血管走行に沿ってシリコーン構造体2の形状にオフセットをかけることにより、シリコーン構造体2による血管の圧迫を回避することができる。
上記造影剤は、特に限定されるものではなく、MRI法による撮像において、一般的に用いられる造影剤を用いればよい。具体的には、ガドリニウムが挙げられるが、これに限定されるわけではなく、例えば、有機分子、金属イオン、塩もしくはキレート、粒子(特に、鉄粒子)、または標識されたペプチド、タンパク質、ポリマーもしくはリポソーム等を挙げることができる。また、上記造影剤は、投与後、代謝および/または排出される前に、身体全体に非特異的に拡散される、組織非特異的造影剤であってもよいし、身体の特定の臓器、細胞、器官または組織成分に特異的にターゲティングされる標的造影剤であってもよい。
また、上記脳画像から脳形状の3次元データを取得する方法としては、例えば、CAD/CAM系のようなコンピューターシステムを用いる方法が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、上記脳形状の3次元データを取得した段階で、該脳形状の3次元データを用いて、後述する電極配置工程(A)において電極3を配置する位置決め等を行ってもよい。
上記型は、特に限定されるものではなく、上記脳形状の3次元データを用いて、シリコーン構造体2を作製することができるものであればよい。例えば、(a)シリコーン溶液を流しこんで、脳表面の3次元形状を有するシリコーン構造体2を作製するための型や、(b)平面状のシリコーンシートを、脳表面の3次元形状に成形して、脳表面の3次元形状を有するシリコーン構造体2を作製するための型を挙げることができる。
上記型のうち、(b)の型のほうが、シリコーン構造体2の厚みを薄くすることができるため、好ましい。なお、シリコーン構造体2の厚みが薄いほど、電極構造体1を脳表面に留置したときに、脳への圧迫を軽減することができる。
上記構造体作製工程(A)では、図4に示すように、上記型作製工程(A)において作製した型を用いて、シリコーン構造体2を作製する。具体的には、例えば、プレス成型、トランスファー成型、射出成型、注型成型などが挙げられる。より具体的には、上記型として、上記(a)の型を用いる場合、該型にシリコーン溶液を流し込み、硬化させることによって、シリコーン構造体2を作製することができる。また、上記型として、上記(b)の型を用いる場合、予め作製された平面状のシリコーンシートを、加熱された上記型にプレス成形するなどして、該シリコーンシートを脳表面の3次元形状に成形することにより、シリコーン構造体2を作製することができる。
上記電極配置工程(A)では、図4に示すように、上記構造体作製工程(A)において作製したシリコーン構造体2に電極3を配置する。シリコーン構造体2上に電極3を配置する方法は特に限定されるものでなく、従来公知の方法を用いればよい。
また、電極3の配置位置の位置決めは、どのように行ってもよい。上記脳形状の3次元データが血管の位置情報を含む場合、その位置情報に基づいて、電極構造体1を脳表面に留置したとき、電極3が血管に接触しない位置に、配置することが好ましい。
また、電極3を、シリコーン構造体2の両面に配置する場合、シリコーン構造体2の両面に電極3を対称に配置してもよいし、非対称に配置してもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図3および図5に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態にかかる電極構造体10は、図3に示すように、シリコーン構造体20(構造体)と、電極3とを備えている。シリコーン構造体20は、第1シリコーンシート4(第1層、構造体)と第2シリコーンシート5(第2層、構造体)とが積層された二層構造を有する。
本実施形態では、シリコーン構造体20は、二層構造からなるが、本発明はこれに限定されず、三層構造以上の多層構造からなってもよい。そのような実施形態では、以下、詳細に説明する第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に対応する層は、最外層に配置する。
第1シリコーンシート4には、孔6が形成されている。同様に、第2シリコーンシート5には、孔7が形成されている。電極3は、第1シリコーンシート4の孔6の領域、および第2シリコーンシート5の孔7の領域に配置されている。
本実施形態では、図3に示すように、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に、それぞれ、孔6および孔7が形成されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5のいずれか一方にのみ孔が形成されている構成とすることができる。
図3に示す断面では、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5には、それぞれ4つずつ、孔6および孔7が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に形成される孔の数は、特に限定されるものではない。
これら第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5への孔の形成は、配置する電極3の配置位置や数に応じて、適宜変更することができる。
また、本実施形態においても、電極3を複数配置する場合、その電極3間の間隔は特に限定されるものではない。具体的には、実施の形態1で説明した通りである。また、電極3のシリコーン構造体20上への配置形態についても、実施の形態1で説明した通りである。
さらに、本実施形態では、ベース基材として、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5からなるシリコーン構造体20を備えているが、本発明はこれに限定されず、シリコーンシート以外の生体適合性物質からなっていてもよい。生体適合性物質については、実施の形態1で説明した通りである。
ここで、電極構造体10の製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、図5は、脳溝に留置する電極構造体10を示しているが、脳表に留置する電極構造体についても、同様の原理により製造することができる。つまり、脳溝に留置する電極構造体10の製造においては、後述する型作成工程(B)において、脳溝の3次元形状データを用いるが、脳表に留置する電極構造体では、後述する型作成工程(B)において、脳表の3次元形状データを用いればよい。このように、電極構造体を留置する位置に応じて、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状データを用いればよい。
電極構造体10は、脳形状の3次元データを用いて、互いに重ね合わせが可能で、脳表面の3次元形状を有する2つのシート状の構造体を作製するための型を作製する工程(以下、「型作製工程(B)」ともいう)と、該型を用いて、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5を作製し、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5のそれぞれに、孔6および孔7を形成する工程(以下、「構造体作製工程(B)」ともいう)と、第1シリコーンシート4において孔6が形成された領域、および第2シリコーンシート5において孔7が形成された領域に電極3を配置し、第1シリコーンシート4と第2シリコーンシート5とを貼り合わせる工程(以下、「電極配置工程(B)」ともいう)とを含む方法により製造することができる。
上記型作製工程(B)では、電極構造体10は、脳形状の3次元データを用いて、互いに重ね合わせが可能で、脳表面の3次元形状を有する2つのシート状の構造体を作製するための型を作製する。例えば、図5に示すように、脳溝の3次元形状データを用いた、互いに重ね合わせが可能で、脳溝の3次元形状を有する2つのシート状の構造体を作成するための型を作製する。
上述したように、電極構造体10において、第1シリコーンシート4と第2シリコーンシート5とは積層されている。すなわち、上記型作製工程(B)では、互いに重ね合わせが可能な第1シリコーンシート4と、第2シリコーンシート5とを作製するための型を作製する。
第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5は、共に、3次元形状を有するため、全く同一の形状では、重ね合わせることができない。したがって、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5は、重ね合わせが可能な程度に大きさが異なるように作製される。
そのため、上記型作製工程(B)では、上記脳形状の3次元データを用いて、脳表面の3次元形状を有する2つのシート状の構造体を作製するために、2つの型を作製することが好ましい。より具体的には、図5に示すように、上記脳形状の3次元データを用いて、第1シリコーンシート4を作製するための型、および第2シリコーンシート5を作製するための型の2つの型を作製することが好ましい。
上記3次元データを用いて、このような互いに重ね合わせが可能な3次元形状を有する2つのシート状の構造体を作製するための2つの型を作製する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いて、当業者であれば容易になしうるものである。なお、上記脳形状の3次元データについては、実施の形態1で説明した通りであるので、ここでは、説明を省略する。
上記構造体作製工程(B)では、まず、図5に示すように、上記型作製工程(B)で作製した型を用いて、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5を作製する。上記型を用いて第1シリコーンシート4や第2シリコーンシート5を作製する方法は、特に限定されないが、実施の形態1で説明した方法により作製することができる。
第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5の厚みは特に限定されるものではないが、一般的には、0.05mm〜0.3mmとすればよい。また、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5の厚みは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本実施形態では、電極構造体10のシリコーン構造体20は二層構造からなるが、三層構造以上の多層構造からなるシリコーン構造体に電極を設けた電極構造体とする場合、上記型作製工程(B)では、互いに重ね合わせが可能で、脳表面の3次元形状を有する複数のシリコーンシートを作製するための型を作製すればよい。
次に、上記構造体作製工程(B)では、図5に示すように、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5のそれぞれに、孔6および孔7を形成する。孔6および孔7は、電極3を配置する領域に形成される。したがって、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5上において、孔6および孔7を形成する位置の位置決めは、電極構造体10における電極3の配置位置に応じて決定される。なお、電極構造体10における電極3の配位位置の位置決めについては、実施の形態1の電極構造体1における電極3の配置位置の位置決めと同様に行えばよい。
図3に示す断面では、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5のそれぞれに4つずつ孔を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1シリコーンシート4または第2シリコーンシート5の一方にのみ、孔を形成してもよい。また、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に形成する孔の数についても特に限定されるものではない。
これら第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5への孔の形成は、電極構造体20に配置する電極3の数や、配置形態に応じて適宜変更すればよい。
さらに、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に形成する孔6および孔7の形状、および大きさは特に限定されるものではなく、電極3の形状や大きさ、および電極間距離等に応じて適宜変更すればよい。具体的には、例えば、φ0.3mm〜3mm、好ましくはφ1mm〜1.5mm程度とすることが好ましい。
また、上記構造体作製工程(B)において、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5に、孔6および孔7を形成する方法は、特に限定されるものではなく、シリコーンシートに孔を形成する従来公知の方法を用いればよい。
なお、三層構造以上の多層構造からなるシリコーン構造体に電極を設けた電極構造体とする実施形態では、上記構造体作製工程(B)において、互いに重ね合わせが可能で、脳表面の3次元形状を有する複数のシリコーンシートを作製すればよい。また、これら複数のシリコーンシートを積層した際、最外層に位置するシリコーンシートに孔を形成すればよい。
上記電極配置工程(B)では、第1シリコーンシート4において孔6が形成された領域、および第2シリコーンシート5において孔7が形成された領域に、電極3を配置して、第1シリコーンシート4と第2シリコーンシート5とを貼り合わせる。
第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5を貼り合わせる方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、接着剤を用いて貼り合わせればよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、第1シリコーンシート4および第5シリコーンシート5を貼り合わせた際、孔6と孔7は、互いに重なり合わないように形成されている。このような実施形態では、孔6の領域に配置された電極3は、第2シリコーンシート5に貼り付けられていてもよい。同様に、孔7の領域に配置された電極3は、第1シリコーンシート4に貼り付けられていてもよい。これにより、電極3をシリコーン構造体20に確実に固定することができる。
また、別の実施形態として、第1シリコーンシート4および第5シリコーンシート5を貼り合わせた際、孔6と孔7は、互いに重なり合っていてもよい。その場合、電極3のサイズを孔6および孔7の孔径よりも大きくし、電極3で孔6および孔7を覆い、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5によって挟持した状態で、第1シリコーンシート4と第2シリコーンシート5とを貼り合わせることが好ましい。
上記第1シリコーンシート4と第2シリコーンシート5とを貼り合わせる方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いればよい。具体的には、例えば、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5の少なくとも一方に、シリコーン接着剤を塗布し、貼り合わせることができる。
こうして得られた電極構造体10の厚みは、特に限定されないが、電極構造体10を脳表面に留置したときに、電極構造体10が脳を圧迫することを軽減するために、できるだけ薄いことが好ましい。具体的には、1.0mm以下とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、電極3に接続された配線(図示せず)は、第1シリコーンシート4および第2シリコーンシート5の間に挟持されている。
また、三層構造以上の多層構造からなるシリコーン構造体に電極を設けた電極構造体とする実施形態では、電極配置工程(B)において、上記孔が形成されたシリコーンシートが最外層となるように、複数のシリコーンシートを重ね合わせ、さらに、上記孔が形成された領域に上記電極を配置したのち、上記複数のシリコーンシートを貼り合わせればよい。
以上、本発明にかかる電極構造体およびその製造方法の一実施形態として、電極構造体1およびその製造方法、並びに電極構造体10およびその製造方法について説明した。
本発明にかかる電極構造体は、脳表面の3次元形状を有するシート状の電極構造体である。そのため、本発明にかかる電極構造体は、頭蓋内の脳表面に留置した場合、脳への圧迫が軽減される。
特に、本発明にかかる電極構造体の製造方法によれば、該電極構造体を装着する被装着者ごとに、オーダーメイドな電極構造体を提供することができる。つまり、本発明によれば、各被装着者の脳表面の形状にフィットする電極構造体を製造することができる。
本発明にかかる電極構造体は、頭蓋内に留置する頭蓋内電極構造体であるが、該電極構造体を、頭蓋内に留置する方法は、特に限定されるものではない。例えば、脳溝内に該電極構造体を留置する場合、図5に示すように、まず、被装着者から、手術により、電極構造体を留置する領域の脳溝を剥離する。次に、その脳溝が剥離された領域に、上記電極構造体を挿入する。これにより、上記電極構造体を、脳溝内に留置することができる。
本発明にかかる電極構造体によれば、例えば、脳溝内に留置して、該電極構造体を用いて脳溝内を電気刺激することにより、脳溝内の脳機能局在検査を行うことができる。
また、脳溝内に留置して、該電極構造体を用いて脳溝内を電気刺激することにより、新しい脳電気刺激療法を提供することができる。具体的には、例えば、難治性遮断性疼痛に対する脳電気刺激療法に用いることができる。より具体的には、上記電極構造体を脳の中心溝を留置し、一次運動野を電気刺激することにより、難治性遮断性疼痛の疼痛緩和治療を効果的に行うことができる。このように、本発明にかかる電極構造体は、疾患治療用電極として用いることができる。
さらに、本発明にかかる電極構造体は、brain machine interface(脳信号から脳活動内容を解読し、これを脳機能代替に用いる技術)に適用する電極として用いることができる。つまり、本発明には、本発明にかかる電極構造体を備える医療機器のようなデバイスも含まれる。
このようなデバイスとしては、具体的には、例えば、(1)運動機能再建装置、(2)視覚機能再建装置、(3)言語機能再建装置を挙げることができる。
上記運動機能再建装置では、上記電極構造体を脳の中心溝を留置する。脳の中心溝には、一次運動感覚野が存在する。したがって、上記電極構造体を用いて、運動感覚野の脳信号を効率的に計測することによって、運動企図および運動内容を解読および再現することができる。
また、上記視覚機能再建装置では、上記電極構造体を、脳の鳥距構内に留置する。脳の鳥距構内には、一次視覚野が存在する。したがって、上記電極構造体を用いて、一次視覚野を効率的に電気刺激することによって、重症視覚障害者に有効視覚を与えることができる。
さらに、上記言語機能再建装置によれば、高位脊髄損傷等による発話不能患者に対するコミュニケーション機能を賦与することができる。
以上のように、本発明は、生体適合性物質からなり、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体に、電極が設けられた電極構造体を提供する。該電極構造体によれば、頭蓋内の脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に留置し、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面からの脳信号を検知したり、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面に電気刺激を与えたりすることができる。
したがって、本発明は、脳機能を解明する医学用途の電極構造体として用いることができるだけではなく、疼痛治療用電極のような疾患治療用電極;運動機能再建装置、視覚機能再建装置、言語機能再建装置、および脳電気刺激療法装置のような電極構造体を備える各種医療機器;並びに、それらの製造分野に広く応用することができる。
図1は、本実施形態にかかる電極構造体の上面図である。 図2は、図1の電極構造体を、A−A’で切断したときの断面を示す断面図である。 図3は、別の実施形態にかかる電極構造体の断面図である。 図4は、本実施形態にかかる電極構造体の製造方法の各工程を示す図である。 図5は、別の実施形態にかかる電極構造体の製造方法の各工程、および該電極構造体の被装着者への挿入方法を示す図である。
符号の説明
1 電極構造体
2 シリコーン構造体(構造体)
3 電極
4 第1シリコーンシート(第1層、構造体)
5 第2シリコーンシート(第2層、構造体)
6 孔
7 孔
10 電極構造体
20 シリコーン構造体(構造体)

Claims (3)

  1. 頭蓋内に留置するための電極構造体であって、
    生体適合性物質からなり、かつ、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有するシート状の構造体に、電極が設けられており、
    上記構造体は、第1層および第2層を少なくとも備え、第1層および第2層を最外層とする多層構造からなり、
    上記構造体の第1層および第2層のうち、少なくとも一方には、少なくとも1つの孔が形成されており、
    上記電極は、上記孔の領域に配置されており、
    上記電極は、上記構造体の両面に配置されていることを特徴とする電極構造体。
  2. 頭蓋内に留置するための電極構造体を製造する電極構造体の製造方法であって、
    脳形状の3次元データを用いて、互いに重ね合わせが可能で、脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する複数のシート状の構造体を作製するための型を作製し、
    上記型を用いて、互いに重ね合わせが可能で、生体適合性物質からなり、かつ、上記脳回もしくは脳溝の表面、または半球間裂もしくは葉間の表面の3次元形状を有する複数のシート状の構造体を作製し、
    該複数のシート状の構造体のうち、少なくとも1つのシート状の構造体に、少なくとも1つの孔を形成し、
    該孔が形成されたシート状の構造体が最外層となるように、上記複数のシート状の構造体を重ね合わせ、さらに、上記孔が形成された領域に上記電極を配置したのち、上記複数のシート状の構造体を貼り合わせ
    上記電極は、上記複数のシート状の構造体が貼り合わされた多層構造体の両面に配置されることを特徴とする電極構造体の製造方法。
  3. 上記脳形状の3次元データは、磁気共鳴撮像法により得られた脳画像に基づいて取得されたものであることを特徴とする請求項に記載の電極構造体の製造方法。
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