JP6267908B2 - 分散液及びその製造方法並びに薄膜 - Google Patents

分散液及びその製造方法並びに薄膜 Download PDF

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本発明は、分散液及びその製造方法並びにそれを用いて製造した薄膜に関する。
これまでに、1種の金属を含む単一金属化合物又は2種以上の金属を含む複合金属化合物の微粒子を有機溶媒中に分散させてなる分散液を用いて、各種の光学材料、例えば、光学用の薄膜等の形成に用いる技術が知られている。
例えば、特許文献1には、希土類やチタンを含む各種の元素から選ばれる単一金属化合物又は複合金属化合物の微粒子を、有機分散媒中に分散させた分散液が記載されている。同文献には、該分散液を用いて得られた薄膜を、耐プラズマエロージョン性の高い膜、水銀遮蔽膜、赤外線反射膜、透明導電膜、ディスプレイやLEDの光の取り出し効率向上のための高屈折率膜、蛍光膜、磁性膜、光触媒、ガスセンサー及び各種デバイスの保護膜に用いることが記載されている。
特開2007−197296号公報
ところで、光学材料の技術分野においては、高透明性及び高屈折率を有する材料が求められている。このような光学材料を得るために、高屈折率を有する金属化合物の微粒子が高度に分散媒中で分散した分散液が求められている。そのような金属材料の一つとして、LnTi(式中、Lnは希土類元素を表す。)で表される希土類チタン酸塩が挙げられる。
しかしながら、粒子は一般に微粒になるほど粒子間の凝集が起こりやすくなる。したがって、従来の技術では、LnTiの微粒子を用いて高い分散性を有する分散液を得ることが困難であった。この点に対し、特許文献1には上述した通り複合金属化合物の微粒子を分散させた分散液を高屈折率膜に用いることが記載されているが、具体的な複合金属化合物について何ら言及がなく、同文献の実施例では、いずれも単一金属の化合物の粒子を用いて分散液を製造しており、複合金属化合物を用いていない。複合金属化合物の微粒子としてLnTiを用い、特許文献1の実施例と同様の条件で分散液を製造しようとしても、得られる分散液はLnTiの凝集により白濁してしまう。このような分散液は光学用途としては不適である。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る分散液を提供することにある。
本発明者らは、高屈折率を有する複合金属化合物であるLnTiを、特定の分散剤と組み合わせて用いることにより、驚くべきことに、LnTi粒子が有機溶媒中に高度に分散した分散液が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、LnTi(式中、Lnは希土類元素を表す。)で表される希土類チタン酸塩からなる粉体と、有機溶媒と、アニオン界面活性剤とを含む分散液を提供するものである。
また、本発明は、前記分散液の製造方法であって、LnTiで表される希土類チタン酸塩からなりBET比表面積が30m2/g以上120m2/g以下である粒子と、有機溶媒と、アニオン界面活性剤とを含むスラリーを湿式粉砕する工程を有する分散液の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記分散液を基材の表面に塗布して得られた塗膜を、乾燥して得られた薄膜を提供するものである。
また、本発明は、分散液と樹脂とをブレンドする工程を有するナノコンポジットレンズの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、LnTi粒子が高度に分散した高屈折率の分散液が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の分散液は、有機溶媒を分散媒とし、分散質としてLnTi(Lnは希土類元素を表す。以下「Ln」というときには、この意味で用いられる。)で表される希土類チタン酸塩(以下、単にLnTiともいう)からなる粒子が含まれているものである。LnTiは一般に高屈折率を有する材料なので、かかる材料を含む本発明の分散液は、光学レンズ等の光学材料を製造するための原料として好適なものである。本発明の分散液は、希土類チタン酸塩を1種含むものであってもよく、必要に応じ2種以上含むものであってもよい。なお以下では、本発明の分散液のように分散媒として有機溶媒を使用する分散液を、油性分散液ともいう。
LnTiで表される希土類チタン酸塩における希土類元素には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuがある。これらのうち、チタン酸塩の屈折率が特に高いことや着色がなくナノ粒子化することで無色透明となる白色粉であること等から、Y、La、Eu、Gd、Yb、Luから選択される希土類元素を用いることが好ましい。
本発明で用いる希土類チタン酸塩は、結晶性のものであってもよく、あるいはアモルファス(非晶質)のものであってもよい。希土類チタン酸塩が結晶性である場合、LnTiで表されるパイロクロアの結晶構造を有するものと、LnTiOで表されるペロブスカイトの結晶構造を有するものとが知られている。これらのうち、本発明で用いる希土類チタン酸塩は、LnTiで表され、結晶性のものである場合、パイロクロア構造を有する。パイロクロア構造を有するLnTiは、ペロブスカイト構造を有するLnTiOに比べて、構造安定性の高いものである。
本発明の分散液に含まれるLnTi粒子は、微粒であることによって特徴づけられる。詳細には、分散液中でのLnTi粒子の累積体積99容量%の体積累積粒径D99は好ましくは500nm以下であり、更に好ましくは450nm以下、一層好ましくは100nm以下である。D99を500nm以下とすることで、可視光の散乱に起因する分散液の透明性の低下を効果的に防止できる。D99の下限値に特に制限はなく、小さければ小さいほど好ましいが、30nm程度にD99が小さくなれば、分散液の透明性は十分に高くなる。LnTi粒子のD99は、光子相関法を利用した動的光散乱法によって測定される。例えば日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置やスペクトリス社製Zetasizerを用いて測定される。
分散液中でのLnTiの粒子のD99は上述のとおりであるところ、分散液中での該粒子の累積体積50容量%の体積累積粒径D50は5nm以上300nm以下であることが好ましく、5nm以上200nm以下であることが更に好ましく、5nm以上150nm以下であることが一層好ましい。D99が上述の範囲であることに加えて、D50がこの範囲であることによって、分散液の透明性が一層向上する。D50は、D99と同様の方法で測定される。
分散液に含まれるLnTiの粒子は、その形状として、例えば球状、多面体状、針状などの形状を採用し得る。特に、希土類チタン酸塩粒子が球状であると、該粒子を含む本発明の分散液から光学レンズを製造する場合に、該光学レンズに複屈折が生じにくくなる点から好ましい。
本発明の分散液に含まれるLnTiの粒子の好ましい粒径は上述した通りであるところ、本発明の分散液を調製する際に用いるLnTi粒子は、BET比表面積が30m2/g以上120m2/g以下であることが好ましい。分散液の製造原料となるLnTi粒子のBET比表面積がこの範囲であると、該LnTi粒子と分散媒とを用いた湿式粉砕により、LnTiが分散媒中で一層高度に分散した分散液を容易に得ることができ、また分散液中でのLnTi粒子の粒径を容易に前記範囲内とすることができる。これらの観点から、分散液を調製する際に用いるLnTi粒子のBET比表面積は35m2/g以上120m2/g以下であることがより好ましく、35m2/g以上110m2/g以下であることが更に好ましい。このようなBET比表面積を有するLnTi粒子は、後述するLnTi粒子の製造方法により得ることができる。
本発明において前記のBET比表面積は、分散液の調製に供する粉末を測定対象とし、例えば、BET比表面積測定装置として島津製作所製の「マイクロメリティックス フローソーブII2300」を用い、JIS R 1626「ファインセラミック粉体の気体吸着BET法による比表面積測定方法」の「6.2流動法」における「(3.5)一点法」に従って測定することができる。測定に使用する気体としては、吸着ガスである窒素を30容量%、キャリアガスであるヘリウムを70容量%含有する窒素−ヘリウム混合ガスを用いる。
後述する特定の分散剤を用いることで、本発明の分散液は、LnTiからなる粒子を高濃度に含有しても分散性の高いものとなる。具体的には、本発明の分散液におけるLnTi粒子の濃度は0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましい。かかる高濃度の分散液は、該分散液の塗布によって例えば光学レンズを製造する場合に、塗布の回数を少なくしても所望の厚みを有する薄膜を形成できる点から有利である。
本発明者らは、LnTiの粉体の有機溶媒中における分散性に、分散剤の種類が大きく影響することを見出した。分散媒として有機溶媒を用いた分散液の分散性を高めるために一般に用いられる分散剤としては、各種の界面活性剤、カップリング剤、キレート化剤等の多種多様のものが知られているところ、本発明では、アニオン界面活性剤を用いることが重要である。これにより、本発明の分散液は、LnTi粒子が有機溶媒中に高度に分散したものとなる。
アニオン界面活性剤としては、例えばカルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、リン酸系界面活性剤、およびそれらのエステル系界面活性剤等を挙げることができる。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、ロジン酸又はその塩、ダイマー酸又はその塩、ポリマー酸又はその塩、トール油脂肪酸又はその塩等が挙げられる。脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれも用いることができる。また脂肪酸又はその塩としては、炭素原子数3〜18のものを用いることが好ましく、3〜16のものを用いることがより好ましい。好ましい脂肪酸の具体例としては、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を挙げることができる。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキルスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸又はその塩、ジフェニルエーテルスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物又はその塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物又はその塩等が挙げられる。また、アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸又はその塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル又はその塩等の硫酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
リン酸系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル又はその塩、アルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、フェニルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンフェニルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、アルキルフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、ホスファチジルコリン又はその塩、ホスファチジルエタノールイミン又はその塩および縮合燐酸(例えばトリポリリン酸等)等の燐酸エステル又はその塩等が挙げられる。
前記の各化合物の塩としては、例えば金属塩(Na,K,Ca,Mg,Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。これらの化合物は一種又は複数種を組み合わせて使用することができる。
本発明の分散液の分散性を一層向上させる観点から、アニオン界面活性剤がカルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤又はリン酸系界面活性剤であることが好ましく、カルボン酸系界面活性剤又はリン酸系界面活性剤であることがより好ましく、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩であるリン酸系界面活性剤であることが特に好ましい。
(式中、Xは置換されていてもよいアルキル基又はフェニル基を表し、Yは置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0以上の整数を表し、nは1、2又は3を表す。nが2又は3である場合、複数のXは同一であっても異なっていてもよく、複数のYは同一であっても異なっていてもよく、複数のmは同一であっても異なっていてもよい。)
Xで表されるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられ、Yで表されるアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状のものが挙げられる。Xで表されるアルキル基及びフェニル基並びにYで表されるアルキレン基を置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基などが挙げられる。
一般式(1)で表されるリン酸界面活性剤の具体例としては、以下の市販の化合物が挙げられる。一般式(1)においてnが1である化合物とnが2である化合物の混合物:フォスファノールBH−650、フォスファノールSM−172、フォスファノールED−200、フォスファノールGF−339、フォスファノールRA−600、フォスファノールGF199、フォスファノールML−200、フォスファノールML−220、フォスファノールML−240、フォスファノールRD−510Y、フォスファノールGF−185、フォスファノールRS−410、フォスファノールRS−610、フォスファノールRS−710、フォスファノールRL−210、フォスファノールRL−310、フォスファノールRB−410、フォスファノールRP−710、フォスファノールAK−25、フォスファノールGF702、フォスファノールRS−610NA、フォスファノールSC−6103、フォスファノールRD−720、フォスファノールLP−700、フォスファノールLS−500、フォスファノールLB−400(以上、東邦化学工業(株)製)や、プライサーフA208B、プライサーフA219B、プライサーフA208S、プライサーフA212S、プライサーフA215C(以上、第一工業製薬(株)製)、一般式(1)においてnが2である化合物:NIKKOL DLP−10、NIKKOL DOP−8NV、NIKKOL DDP−2、NIKKOL DDP−4、NIKKOL DDP−6、NIKKOL DDP−8、NIKKOL DDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)、一般式(1)においてnが3である化合物:NIKKOL TLP−4、NIKKOL TCP−5、NIKKOL TOP−0V、NIKKOL TDP−2、NIKKOL TDP−6、NIKKOL TDP−8、NIKKOL TDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)。
本発明の分散液を更に一層分散性の高いものとする観点から、一般式(1)で表されるリン酸系界面活性剤のうち、特に以下の条件を1又は2以上満たすものが好ましい。
Xが置換されていてもよいフェニル基又は炭素原子数4〜24、特に8〜18のアルキル基であるもの;Yが置換されていてもよい炭素原子数2〜6、特に2〜4のアルキレン基であるもの;nが1又は2であるもの;mが1〜30、特に1〜20であるもの。
なお、ここでいう炭素原子数は、X又はYが置換基を有する場合、置換基を含めた炭素原子数である。
本発明において、LnTi粒子100質量部に対するアニオン界面活性剤の割合は、分散液の分散性を一層向上させる観点から、1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることが更に好ましい。
前記の有機溶媒としては、水溶性有機溶媒及び非水溶性有機溶媒の双方を用いることができる。水溶性有機溶媒を用いる場合には、水と混合してなる混合溶媒としても用いることができる。
水溶性有機溶媒としては、例えばモノアルコール、多価アルコール、ケトン、エステル、アミン、チオール、ピロリドン系等で水と相溶できる溶媒を用いることができる。前記ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。一方、非水溶性有機溶媒としては、例えば飽和又は不飽和の炭化水素系化合物やハロゲン化炭化水素とその環状化合物、長鎖のモノアルコールや多価アルコール、及び芳香族系化合物等に代表される水と相溶しない有機溶媒を用いることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、分散媒として多価アルコール誘導体及びモノアルコール誘導体を用いると、LnTiの粒子の凝集を効果的に抑制できる点から好ましい。
前記のモノアルコール誘導体としては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。多価アルコール誘導体としては、多価アルコールのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル及びジエステルなどが挙げられる。具体的には1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの二価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの三価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及び1−ブトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散液は、有機溶媒を分散媒とし、1種又は2種以上のLnTi粒子を分散質とし、アニオン界面活性剤を含有する以外は他の成分を極力含んでいないことが望ましい。特に、LnTi粒子以外の固形成分を含んでいないことが望ましい。しかしながら、本発明の効果が損なわれない範囲内において、他の成分を含有することもできる。
例えば、分散液は、希土類チタン酸塩粒子に加え、高屈折率を有する金属酸化物の粒子を更に含んでいてもよい。そのような金属酸化物としては、例えばMg、Ca、Ti、Zn、Zr、Ta、Nb、Ga、Ge、Sn、In、Hf、Y、ランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などの金属の酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの金属酸化物は、分散液に含まれる固形分としての粒子全体に対して、0.1質量%以上50質量%以下用いることができる。
また、本発明の分散液におけるLnTiの粒子の分散性を一層高めることを目的として、分散質であるLnTiの粒子の表面に親油性処理を施すことが可能である。親油性処理としては、例えば有機金属化合物を用いた親油性処理が挙げられる。この親油性処理によってLnTi粒子の表面は有機金属化合物によって被覆されることになる。有機金属化合物の例としては、各種のカップリング剤が挙げられる。カップリング剤としては、例えばチタンカップリング剤、シランカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などを用いることができるが、チタンカップリング剤を用いることが好ましい。
また分散液におけるLnTiの粒子の分散性を一層高めることを目的として、本発明の分散液中に、アニオン界面活性剤以外の界面活性剤(陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤)、又はチタンキレート、ジルコニウムキレート若しくはアルミニウムキレートなどの各種分散剤を配合することもできる。これらの分散剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。チタンキレートとしては、例えばチタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシ−ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)、チタンジイソプロポキシ−ビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートなどを用いることができる。また、これらに加えて、無機物粒子に配位可能な官能基を有する物質、例えばアミン及びイミンや、カルボキシル基、カルボニル基又はチオール基などを有する化合物も使用できる。また、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミン、ポリビニルピロリドン、セルロースなどに代表される高分子及びそのオリゴマー、モノマー等を用いることができる。これらの分散剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の分散液は、高屈折率を有する物質であるLnTiからなる粒子を含んでいることに起因して、該分散液自体の屈折率も高いものとなる。詳細には、分散液の分散媒である有機溶媒の屈折率をNDSとすると、LnTiからなる粒子を、その濃度が5質量%になるように調製したときの分散液の屈折率が、NDS+1×10−5以上NDS+1×10−1以下であることが好ましく、NDS+1×10−4以上NDS+1×10−2以下であることがより好ましい。ここで言う屈折率とは波長588nmの光を用いたときのものである。分散液の屈折率及び有機溶媒の屈折率は、例えば(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定することができる。
ある濃度の分散液から、5質量%の分散液を調製するには、例えば、分散液と同じ分散媒にて希釈するか、エバポレータ等の濃縮器を用いて濃縮してもよいし、または分散媒を除去して乾燥したLnTiの粉体を得、乾燥した該LnTiの粉体を、除去した分散媒と同種の分散媒に再び分散させるときに濃度調整を行い、5質量%の分散液とすればよい。分散媒の除去には、例えば分散媒の沸点M(℃)に対してM−50℃〜M+100℃の温度で分散液を大気圧下に加熱する操作を行えばよい。
次に、本発明の分散液の好適な製造方法について説明する。本製造方法は、(i)LnTi粒子の製造工程及び(ii)分散液の製造工程に大別される。これら両工程についてそれぞれ説明する。
まず、(i)のLnTi粒子の製造工程について説明する。(i)の工程においては、1種又は2種以上の希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液とを混合することによって、希土類チタン酸塩の前駆体を生じさせる。得られた前駆体から、焼成、水熱合成又は超臨界水合成によってLnTi粒子を生成させる。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液においては、該水溶液中における希土類元素源の濃度は、希土類元素に換算して、0.01〜1mol/リットル、特に0.03〜1mol/リットル、とりわけ0.05〜0.5mol/リットルのものを用いることが好ましい。
また希土類元素源及びチタン源を含む水溶液においては、該水溶液中におけるチタン源の濃度は、チタンに換算して0.01〜1mol/リットル、特に0.03〜1mol/リットル、とりわけ0.05〜0.5mol/リットルとすることが好ましい。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液を調製するためには、例えば塩酸等の酸性の水溶液を用意し、これに希土類元素源の一つである希土類酸化物(例えばLn23等)を添加して溶解させるとともに、チタン源の一つである四塩化チタンを添加すればよい。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液における希土類元素源とチタン源との比率は、チタン/希土類元素のモル比に換算して0.6〜1.8、特に0.75〜1.5、とりわけ0.95〜1.1であることが、効率よくLnTiが得られる点から好ましい。
また、前記の酸又はアルカリを含む水溶液において、酸としては、例えば塩酸や硝酸、硫酸等の鉱酸や酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸等を用いることができる。またアルカリとしては例えば、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、エチルアミン、プロピルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアを用いることが好ましい。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液との混合には、以下の(a)ないし(c)の態様があり、いずれを採用することもできる。これらの態様のうち、分散液中における希土類チタン酸塩粒子を一層微粒にして、分散液の分散性や透明性を高める観点等から、(a)の態様を採用することが好ましい。
(a)希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液との混合を、両者を同時添加して行う。
(b)希土類元素源及びチタン源を含む水溶液中に、酸又はアルカリを含む水溶液を添加する。
(c)酸又はアルカリを含む水溶液中に、希土類元素源及びチタン源を含む水溶液を添加する。
ここで、前記(a)における同時添加とは、一の容器中に、一方の液と他方の液とを同時に添加して両者を混合することを言う。尤も、一方の液と他方の液との添加開始時期及び/又は添加完了時期が完全に一致していることは要せず、装置の性能や操作条件の振れ等に起因して、意図せず不可避的に添加開始時期及び/又は添加完了時期にずれが生じる場合は許容される。また、同時添加は、一の容器中に一方の液と他方の液とを一度に添加するのであってもよく、該容器中に一方の液と他方の液とを逐時的に添加するのであってもよい。容器中に蓄えられた一方の液に、他方の液を添加する操作は前記の(b)又は(c)に該当し、前記(a)に該当しない。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液とを同時添加する場合には、両者を高剪断条件下に同時添加することが好ましい。高剪断条件下に同時添加することで、湿式粉砕時に容易に解砕可能な希土類チタン酸塩粉末が一層得られやすいという利点がある。
希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液とを高剪断条件下に同時添加するには、例えば各種ホモジナイザーや、高水圧式湿式ジェットミルを用いることができる。特にホモジナイザー中で両水溶液を同時添加することが、湿式粉砕時に容易に解砕可能な希土類チタン酸塩粉末が一層得られやすいので好ましい。ホモジナイザーの回転数は1000〜20000rpmであることが好ましく、5000〜20000rpmであることがより好ましい。
また、(a)ないし(c)のいずれを行う場合においても、希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液とを混合して得られるスラリーのpHは、5〜12であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。
以上のようにして、希土類チタン酸塩の前駆体を沈殿生成物として含むスラリーが得られる。このスラリーを常法に従い固液分離した後、得られた前記の前駆体を、1回又は複数回水洗する。水洗は、液の導電率が例えば2000μS/cm以下になるまで行うことが好ましい。
前述したように、得られた前駆体を用いた焼成、水熱合成又は超臨界水合成によってLnTi粒子を得ることができる。
焼成は大気中等の含酸素雰囲気で行うことができ、その場合の焼成条件は、焼成温度が好ましくは600〜1000℃であり、更に好ましくは650〜850℃である。この温度範囲を採用することで、湿式粉砕により分散液の分散質としたときにD50及びD99が前記の範囲であるLnTiの粉末を容易に得ることができる。焼成温度が過度に高くなると、焼結が進行して粒子が解砕されづらくなる傾向にある。焼成時間は、焼成温度がこの範囲内であることを条件として、好ましくは1〜24時間、更に好ましくは1〜12時間である。この焼成により、LnTi粉末が得られる。
また、水熱合成は、オートクレーブ等を用い、水と前駆体との混合物を自生圧力下で加熱することにより行うことができる。本製造方法において水熱合成を行う場合の加熱温度は150〜350℃であることが好ましく、200〜250℃であることがより好ましい。またその場合の加熱時間は、0.1〜48時間であることが好ましく、1〜24時間であることがより好ましい。
また、水熱合成において、水と前駆体との混合物の加熱前にあらかじめ該混合物にアルカリを添加しておくことが好ましく、その場合のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムを用いることができる。
また、超臨界水合成は、前駆体を超臨界状態の水からなる流体と接触、混合させることにより、行うことができる。ここで、超臨界状態の水とは、水の臨界温度である374.1℃超の温度で、かつ水の臨界圧力、即ち22.04MPa超の圧力下にある状態の水をいう。本製造方法において超臨界水合成を行う場合、水の圧力は、23〜35MPaであることが好ましく28〜35MPaであることがより好ましい。また、その場合の加熱温度は380〜500℃であることが好ましく、380〜450℃であることがより好ましい。またこの範囲の加圧・加熱を行った場合の加熱時間は、5秒〜24時間であることが好ましく、10秒〜6時間であることがより好ましい。
次に、(ii)の分散液の製造工程について説明する。本工程においては、結晶性又はアモルファスのLnTi粒子と有機溶媒とを混合して、有機溶媒中に粒子を分散させてスラリーとなす。これとともにアニオン界面活性剤も添加する。次に、得られたスラリーを、ビーズミル等のメディアミル、高水圧式ジェットミル又はホモジナイザー等によって湿式粉砕を行う。ビーズミルの場合使用するビーズとしては、例えばジルコニアビーズやアルミナビーズ等が挙げられる。
湿式粉砕後、液とビーズとを分離し、更にメンブランフィルタによって粗粒を除去することで、目的とする分散液が得られる。このようにして得られた分散液は、LnTi粒子が有機溶媒中に高度に分散したものである。
なお、(i)の工程において、LnTi粒子が水熱合成又は超臨界水合成により得られた場合は、合成後、水性スラリー中に分散した状態となっているLnTi粒子を乾燥し、これを上述した有機溶媒を用いた湿式粉砕に供してもよいし、或いは、水性スラリーをそのまま湿式粉砕し、その後に溶媒置換法により、スラリー中の分散媒を水から有機溶媒に置換し、そこにアニオン界面活性剤を添加してもよい。
このようにして得られた分散液は、それに含まれるLnTiが有する高屈折率や、分散液の高い分散性を利用して、各種の光学材料や電子材料に用いることができる。例えば、レンズ等の光学系部品、反射防止膜、赤外線透過膜等に用いることができる。具体的には、分散液を各種の基材、例えば透明基板やレンズ等の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることで、高透明性、高屈折率を有する透明薄膜を形成することができる。乾燥後の薄膜を、必要に応じて不活性雰囲気下、大気等の酸化性雰囲気下又は弱還元性雰囲気下(例えば爆発限界濃度以下の含水素雰囲気下)に焼成してもよい。この透明薄膜は、レンズの屈折率を更に高めるために、あるいは薄型レンズそのものとして有用である。
本発明の分散液から得られる薄膜は、高屈折率を有する物質であるLnTiからなる粒子を含んでいることに起因して、該薄膜自体の屈折率も高いものとなる。詳細には、薄膜の屈折率は1.60以上2.00以下であることが好ましく、1.65以上1.90以下であることがより好ましい。ここで言う屈折率とは波長588nmの光を用いたときのものである。薄膜の屈折率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
更に本発明の分散液は、それに含まれるLnTi粒子が樹脂中に分散されてなるナノコンポジットレンズの原料としても好適に用いられる。このナノコンポジットレンズは、例えば分散液と樹脂とをブレンドする工程を有する方法によって製造することができる。具体的には、樹脂に必要に応じて補助分散剤や可塑剤又は触媒を添加して油系分散液と混合し、溶媒を留去した後に成型するか、又は成型後に溶媒を取り除いてナノコンポジットレンズを製造することができる。ナノコンポジットレンズに用いられる樹脂としては、例えば一般的な光学樹脂が挙げられ、具体的にはアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、フルオレン系樹脂、ポリエーテルスルフォン酸系樹脂、フッ素系樹脂、チオウレタン系樹脂等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
以下の製造例1〜5はいずれも前記の(a)の態様により、希土類元素源及びチタン源を含む水溶液と、酸又はアルカリを含む水溶液とを混合して前駆体を得、該前駆体からLnTi粉体を製造した例である。このうち製造例1、4〜6は、LnTi粉体を焼成により製造した例であり、製造例2は、水熱合成により製造した例であり、製造例3は、超臨界水合成により製造した例である。
〔製造例1〕
1)チタン酸ルテチウム前駆体の製造
Lu(日本イットリウム社製)35.68g、TiCl溶液(和光純薬工業社製、CAS.No.7550−45−0)53.55g、35%塩酸(和光純薬工業社製)65.37g、純水845.4gを用いてA液(希土類元素源及びチタン源を含む水溶液)を調製し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)45.0g及び純水3955gを用いてB液(酸又はアルカリを含む水溶液)を調製した。次いで、A液及びB液をそれぞれ室温で撹拌し、A液とB液をそれぞれ送液ポンプにて10mL/minおよび40mL/minで高剪断混合装置であるホモジナイザーへ送液し、ホモジナイザー中に同時添加して混合して、チタン酸ルテチウム前駆体のスラリーを得た。ホモジナイザーの回転数は20000rpmに設定した。また得られたスラリーのpHは、8.0であった。得られたスラリーを、純水を用いて上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまでリパルプ洗浄した後、濾過した。濾過後のケーキを120℃・6時間で乾燥し、チタン酸ルテチウム前駆体粉末を得た。
2)チタン酸ルテチウム粉末の製造
1)で得られたチタン酸ルテチウム前駆体粉末を、焼成炉にて大気中、750℃で3時間焼成した。得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、LuTiで表される結晶質のチタン酸ルテチウムであることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
〔製造例2〕
チタン酸ルテチウム粉末の製造
製造例1の1)で得られたチタン酸ルテチウム前駆体のスラリーを5%に濃度調整したもの30gの中に、水酸化カリウム(和光純薬工業社製、純度85%以上)1.65gを溶解し、Parr社製高温加圧酸分解容器(Model 4744)に入れた。スラリー中の水酸化カリウム濃度は1mol/Lとなるように調整した。
次にこの容器を乾燥機に入れて230℃まで急速に加熱して、その後3時間保持して室温まで冷却した。得られたスラリーを、純水を用いて上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまでリパルプ洗浄した後、濾過した。濾過後のケーキを120℃・6時間で乾燥した。得られた乾燥粉末のXRD測定を行ったところ、LuTiで表される結晶質のチタン酸ルテチウム粉末であることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
〔製造例3〕
チタン酸ルテチウム粉末の製造
超臨界水合成は、超臨界水ナノ粒子合成試験機MOMI超mini(アイテック社製)を用いて行った。製造例1の1)で得られたチタン酸ルテチウム前駆体のスラリーを5wt%に濃度調整したものを原料液とした。
まず、外径1/8インチのSUS316配管(スウェージロック社製)に超純水をプランジャポンプ(電装産業社製)を用いて30MPa、10mL/minにて送液(配管A)し、電気炉で420℃に予備加熱し、超臨界状態とした。原料液は、別の配管Bを通してスラリーポンプ(アイテック社製)を用いて30MPa、2mL/minにて送液(配管B)した。配管Bは、前記予備加熱された配管Aが電気炉から出てきた箇所に接続しており、配管B中の原料水は、配管Aの超臨界水と接触して加温され、超臨界水と当該原料液は混合されて再度電気炉内を流通し300秒ほど加熱されたのち、水冷ジャケットに通過させて室温まで急速に冷却された。冷却されたスラリーは、純水を用いて上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまでリパルプ洗浄した後、濾過した。濾過後のケーキを120℃・6時間で乾燥した。得られた乾燥粉末のXRD測定を行ったところ、LuTiで表される結晶質のチタン酸ルテチウム粉末であることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
〔製造例4〕
1)チタン酸ガドリニウム前駆体の製造
Luの代わりにGd(日本イットリウム社製)32.53gを用いた以外は、製造例1と同様にして、チタン酸ガドリニウム前駆体粉末を得た。
2)チタン酸ガドリニウム粉末の製造
1)で得られたチタン酸ガドリニウム前駆体粉末を、焼成炉にて大気中、750℃で3時間焼成した。得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、GaTiで表される結晶構造の回折ピークがわずかに観察されたものの全体としては非晶質のチタン酸ガドリニウムであることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
〔製造例5〕
1)チタン酸ランタン前駆体の製造
Luの代わりにLa(日本イットリウム社製)32.53gを用いた以外は、製造例1と同様にして、チタン酸ランタン前駆体粉末を得た。
2)チタン酸ランタン粉末の製造
1)で得られたチタン酸ランタン前駆体粉末を、焼成炉にて大気中、750℃で3時間焼成した。得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、LaTiで表される結晶質のチタン酸ランタンであることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
〔製造例6〕
1)チタン酸イットリウム前駆体の製造
Luの代わりにY(日本イットリウム社製)32.53gを用いた以外は、製造例1と同様にして、チタン酸イットリウム前駆体粉末を得た。
2)チタン酸イットリウム粉末の製造
1)で得られたチタン酸イットリウム前駆体粉末を、焼成炉にて大気中、750℃で3時間焼成した。得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、YTiで表される結晶質のチタン酸イットリウムであることを確認した。また、得られた粉末のBET比表面積を上述した方法により測定した。その結果を以下の表1に示す。
以下の実施例1〜9並びに比較例1及び2のうち、実施例1〜3並びに比較例1及び2は、製造例1で製造したLuTi粉体を用いて分散液を製造した例である。実施例4〜5は、製造例2で製造したLuTi粉体を用いて分散液を製造した例である。実施例6は、製造例3で製造したLuTi粉体を用いて分散液を製造した例である。実施例7は、製造例4で製造したGaTi粉体を用いて分散液を製造した例である。実施例8は、製造例5で製造したLaTi粉体を用いて分散液を製造した例である。実施例9は、製造例6で製造したYTi粉体を用いて分散液を製造した例である。
〔実施例1〕
1)油性分散液の製造
製造例1の2)で得られた、チタン酸ルテチウム粉1g、溶媒として1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業製)9g、分散剤としてフォスファノールRS−710(東邦化学工業社製)0.1gを量りとり、20mlの樹脂製容器に入れた。更に0.1mmΦのジルコニアビーズを30g入れ、容器を密閉した後、ペイントシェイカー(浅田鉄工製)にて12時間湿式粉砕した。最後に粉砕したスラリーを0.2μmのメンブレンフィルターに通して粗粒を除去し、目的とするチタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。分散液中のチタンルテチウム粒子の粒度分布を以下のようにして測定し、また、分散液の屈折率を以下のように測定した。それらの結果を表2に示す。
<分散液の粒度分布の測定>
分散液を1cc程度はかりとり、粒度分布測定装置(スペクトリス(株)製、Zetasizer)にて、累積体積50容量%の体積累積粒径D50及び累積体積99容量%の体積累積粒径D99を測定した。分散液の粒度分布測定結果および屈折率を以下の表2に示す。
<分散液の屈折率の測定>
屈折率の測定は、チタン酸ルテチウム粉体の濃度が5%となるように調整した分散液を対象に行い、前述した方法により測定した。測定波長は、588nmとした。また、分散媒として用いた有機溶媒である1−メトキシ−2−プロパノールの屈折率NDSは1.4022であった。
2)薄膜の製造
得られた油性分散液を180mg量り取り、2cm×2cm×1mmのソーダライムガラス基板上へスピンコートした。スピンコートの条件は、6000rpm、30秒で行った。得られた薄膜の屈折率を以下のようにして測定した。その結果を以下の表2に示す。
<薄膜の屈折率の測定>
高速分光エリプソメーターM−2000(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製)にて測定した。測定波長は、588nmとした。
〔実施例2〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
分散剤としてフォスファノールRS−710の代わりに、フォスファノールRS−610(東邦化学工業社製)0.1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例3〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
分散剤としてフォスファノールRS−710の代わりに、低級脂肪酸であるプロピオン酸(和光純薬工業社製)0.1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例4〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
製造例1の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉の代わりに、製造例2の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例5〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
分散剤としてフォスファノールRS−710の代わりに、フォスファノールRP−710(東邦化学工業社製)0.1gを用いた以外は、実施例4と同じように実施し、チタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例6〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
製造例1の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉の代わりに、製造例3の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ルテチウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例7〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
製造例1の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉の代わりに、製造例4の2)で得られたチタン酸ガドリニウム粉1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ガドリニウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例8〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
製造例1の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉の代わりに、製造例5の2)で得られたチタン酸ランタン粉1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸ランタンの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例9〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
製造例1の2)で得られたチタン酸ルテチウム粉の代わりに、製造例6の2)で得られたチタン酸イットリウム粉1gを用いた以外は、実施例1の1)と同じように実施し、チタン酸イットリウムの油性分散液を得た。得られた分散液の粒度及び屈折率を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた分散液から、実施例1の2)と同様に薄膜を作製し、その屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
〔比較例1〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
分散剤としてフォスファノールRS−710の代わりに非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(和光純薬工業社製)0.1gを用いた以外は、実施例1の1)と同様にして分散液の製造を試みたが、沈殿を生じたため油性分散液が得られず、このため、これを用いた薄膜も得られなかった。
〔比較例2〕
油性分散液の製造および薄膜の製造
分散剤としてフォスファノールRS−710の代わりに非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業社製)0.1gを用いた以外は、実施例1の1)と同様にして分散液の製造を試みたが、沈殿を生じたため油性分散液が得られず、このため、これを用いた薄膜も得られなかった。
表2に示す結果から明らかなとおり、希土類チタン酸塩を有機溶媒に分散させる分散剤としてアニオン界面活性剤を用いた各実施例の分散液は、そのD50に対するD99の比D99/D50の値が約3〜7程度であることから、希土類チタン酸塩が分散媒中で高度に分散していることが判る。これに対し、希土類チタン酸塩を有機溶媒に分散させる分散剤として非イオン性界面活性剤を用いた各比較例の分散液では、希土類チタン酸塩が有機溶媒中で分散しないことが判る。

Claims (9)

  1. Ln2Ti27(式中、Lnは希土類元素を表す。)で表される希土類チタン酸塩からなる粉体と、有機溶媒と、アニオン界面活性剤とを含む分散液。
  2. アニオン界面活性剤が、カルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤又はリン酸系界面活性剤である請求項1に記載の分散液。
  3. アニオン界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩であるリン酸系界面活性剤である請求項1に記載の分散液。
    (式中、Xは置換されていてもよいアルキル基又はフェニル基を表し、Yは置換されていてもよいアルキレン基を表す。mは0以上の整数を表し、nは1、2又は3を表す。nが2又は3である場合、複数のXは同一であっても異なっていてもよく、複数のYは同一であっても異なっていてもよく、複数のmは同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 前記希土類チタン酸塩からなる粉体の濃度が5質量%となるように調整したときの屈折率がNDS+1×10-5以上NDS+1×10-1以下(式中、NDSは有機溶媒の屈折率を表す)である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の分散液。
  5. 前記希土類チタン酸塩からなる粉体の累積体積50容量%の体積累積粒径D50が5〜300nmであり、且つ累積体積99容量%の体積累積粒径D99が30〜500nmである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の分散液。
  6. 請求項1に記載の分散液の製造方法であって、Ln2Ti27で表される希土類チタン酸塩からなりBET比表面積が30m2/g以上120m2/g以下である粒子と、有機溶媒と、アニオン界面活性剤とを含むスラリーを湿式粉砕する工程を有する分散液の製造方法。
  7. Ln 2 Ti 2 7 (式中、Lnは希土類元素を表す。)で表される希土類チタン酸塩からなる粉体と、アニオン界面活性剤とを含む塗膜であり、屈折率が1.60〜2.00である薄膜。
  8. 透明基板又はレンズと、該透明基板又は該レンズの表面に形成された請求項7に記載の薄膜とを有する光学材料
  9. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の分散液と樹脂とをブレンドする工程を有するナノコンポジットレンズの製造方法。

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