JP2014237572A - 油性分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度であっても粒子の分散性が高く、かつ長期保存しても沈殿の生成が生じづらい安定性の高く、更に透明性の高い油性分散液を提供すること。
【解決手段】本発明の油性分散液は、BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子を含む。該粒子の最大粒径Dmaxは100nm以下であり、累積体積50容量%における体積累積粒径D50が1nm以上50nm以下である。分散液中の粒子の濃度は5質量%以上50質量%以下である。この油性分散液は、可視光の波長領域における透過率が、光路長1cmのセルを用いて測定したとき50%以上であることが好適である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の油性分散液は、BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子を含む。該粒子の最大粒径Dmaxは100nm以下であり、累積体積50容量%における体積累積粒径D50が1nm以上50nm以下である。分散液中の粒子の濃度は5質量%以上50質量%以下である。この油性分散液は、可視光の波長領域における透過率が、光路長1cmのセルを用いて測定したとき50%以上であることが好適である。
【選択図】なし
Description
本発明は、希土類リン酸塩からなる粒子を含む油性分散液及びその製造方法に関する。本発明の油性分散液は、これを塗膜にして乾燥させることで、各種光学材料に有用な薄膜を形成するための原料として好適に用いられる。
希土類リン酸塩は、可視光の波長領域を含む紫外光から赤外光の波長領域において屈折率及びアッベ数(νd)が高い材料であることが知られている。これらの特性を生かし、希土類リン酸塩は光学材料として種々の分野で利用されている。
希土類リン酸塩の分散液に関する従来技術としては、例えば特許文献1及び2に記載の水性分散液に関する技術が知られている。特許文献1には、LaPO4等の希土類元素のリン酸塩の等方性粒子の水性コロイド分散体が記載されている。このコロイド分散体は、2.5以上のpKを有する錯化剤や、2.5〜5の範囲のpKaを有する水に可溶な一塩基酸の陰イオンを含有している。また特許文献2には、LaPO4等の希土類のリン酸塩と、少なくとも2.5のpKaを有する水溶性の一塩基性酸の陰イオンとを含むコロイド分散液が記載されている。このリン酸塩は針状等の異方性のものである。
これらの分散液とは別に、本出願人は先に、BET比表面積が10〜200m2/gである希土類リン酸塩からなる粒子を含む水性分散液を提案した(特許文献3参照)。この粒子はその最大粒径Dmaxが100nm以下であり、該水性分散液はそのpHが1以上5未満であり、該粒子の濃度が5〜50質量%である。
上述した各種の分散液は、媒体として水を用いた水性分散液である。しかし、分散液の個別具体的な用途によっては、水性ではなく油性の分散液を用いることが便利な場合がある。
したがって本発明の課題は、光学材料分野に有用な薄膜などを容易に形成することができる油性分散液を提供することにある。
本発明は、BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子及び分散剤を含む油性分散液であって、該粒子の最大粒径Dmaxが100nm以下であり、累積体積50容量%における体積累積粒径D50が1nm以上50nm以下であり、該粒子の濃度が5〜50質量%である油性分散液を提供するものである。
また本発明は、前記の油性分散液の好適な製造方法として、
BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子を油性媒体に分散させるとともに、分散剤を添加する油性分散液の製造方法を提供するものである。
BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子を油性媒体に分散させるとともに、分散剤を添加する油性分散液の製造方法を提供するものである。
更に本発明は、前記の油性分散液を基板の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることを特徴とする透明薄膜の製造方法を提供するものである。
本発明の油性分散液は、高濃度であっても粒子の分散性が高く、かつ長期保存しても沈殿の生成が生じづらい安定性の高いものであり、更に透明性の高いものでもある。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の油性分散液は、有機溶媒を媒体とし、分散質としてLnPO4(Lnは希土類元素を表す。以下「Ln」というときには、この意味で用いられる。)で表される希土類リン酸塩からなる粒子が含まれているものである。希土類リン酸塩は一般に高屈折率でかつ高アッベ数を有する材料なので、かかる材料を含む本発明の油性分散液は、光学レンズ等の光学材料を製造するための原料として好適なものである。本発明の油性分散液は、希土類リン酸塩を1種含むものであってもよく、必要に応じ2種以上含むものであってもよい。なお、本明細書にいうリン酸塩とはオルトリン酸塩のことである。オルトリン酸塩には正塩、リン酸水素塩及びリン酸二水素塩が知られているところ、本発明で用いられる希土類リン酸塩はオルトリン酸の正塩である。
LnPO4で表される希土類リン酸塩における希土類元素には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuがある。これらのうち、リン酸塩の屈折率及びアッベ数が特に高いこと、又は原料価格による経済性の観点から、Y、La、Gd、Yb及びLuから選択される希土類元素を用いることが好ましい。
本発明で用いる希土類リン酸塩は、結晶性のものであってもよく、あるいはアモルファス(非晶質)のものであってもよい。希土類リン酸塩が結晶性のものである場合、その結晶系としては正方晶又は単斜晶であることが光学的な特性が有利になる点から好ましい。
希土類元素のリン酸塩については、ゼノタイム構造、モナザイト構造及びラブドフェーン構造の結晶構造が知られている。一般にリン酸塩中に主としてLu、Yb又はYなどが含まれる場合、そのリン酸塩は正方晶のゼノタイム構造を取り、主としてGd又はLaなどが含まれる場合、単斜晶のモナザイト構造を取る。また、希土類元素のリン酸塩が水和物である場合には、六方晶のラブドフェーン構造を取る。希土類元素のリン酸塩を光学レンズに応用する場合、高屈折率であることが重要となることが多いところ、ラブドフェーン構造は水分子を含む影響で他の結晶構造と比較して屈折率が低いなど光学的な特性が不利になることが考えられる。更に水和物である場合、経時安定性に問題がある可能性がある。このような理由から希土類元素のリン酸塩は、その結晶構造が正方晶又は単斜晶であることが好ましい。また希土類元素のリン酸塩は、これらの結晶構造を取る代わりにアモルファスであってもよい。
本発明の油性分散液は、上述の希土類リン酸塩を含むものであることに加え、該希土類リン酸塩の濃度が高いものであることによっても特徴づけられる。後述するように、本発明で用いる希土類リン酸塩粒子は微粒のものなので、そのような微粒の粒子を高濃度で有機溶媒中に高分散させることは容易でないところ、本発明者は、希土類リン酸塩粒子として特定のBET比表面積を有するものを用いることで、意外にも微粒の希土類リン酸塩粒子を高濃度で有機溶媒中に高分散させることが可能であることを見いだした。詳細には、本発明においては、希土類リン酸塩粒子としてBET比表面積が10〜200m2/gであるものを用いている。この範囲内のBET比表面積を有する希土類リン酸塩粒子を用いることで、該粒子が微粒であっても該粒子を高濃度で安定的に高分散させることができる。特に、希土類リン酸塩粒子のBET比表面積が好ましくは20〜200m2/g、更に好ましくは20〜180m2/g、更に一層好ましくは30〜180m2/gであると、該粒子を一層高濃度で一層安定的に高分散させることができる。
本発明において前記のBET比表面積は、例えば島津製作所社製の「フローソーブ2300」を用い、窒素吸着法で測定することができる。測定粉末の量は0.3gとし、予備脱気条件は大気圧下、120℃で10分間とした。なお、有機溶媒中に分散している状態の希土類リン酸塩粒子のBET比表面積を測定することはできないので、本発明においては、油性分散液から分散媒を除去した後に残留する希土類リン酸塩粒子を測定対象としてBET比表面積を測定している。また、本発明の油性分散液を調製するために用いられる原料の希土類リン酸塩粒子のBET比表面積と、油性分散液から分散媒を除去した後に残留する希土類リン酸塩粒子のBET比表面積とは実質的に同じであることを、本発明者は確認している。
上述のBET比表面積を有する希土類リン酸塩粒子を用いることで、本発明の油性分散液は、該粒子の濃度が5〜50質量%という高濃度のものとなる。好ましい濃度は5〜40質量%であり、更に好ましい濃度は5〜30質量%であり、一層好ましい濃度は5〜20質量%であり、更に一層好ましい濃度は7〜15質量%である。かかる高濃度の油性分散液は、該油性分散液の塗布によって例えば光学レンズを製造する場合に、塗布の回数を少なくしても所望の厚みを有する薄膜を形成できる点から有利である。
後述するとおり、本発明の油性分散液は透明性の高いものであるところ、該油性分散液を透明なものとするためには、該油性分散液に含まれる希土類リン酸塩粒子の最大粒径Dmaxが重要となる。詳細には、希土類リン酸塩粒子の最大粒径Dmaxを100nm以下とすることが必要であり、好ましくは70nm以下、更に好ましくは60nm以下とする。最大粒径Dmaxが100nmを超えると、可視光の散乱によって油性分散液の透明性が低下する。最大粒径Dmaxの下限値に特に制限はなく、小さければ小さいほど好ましいが、20nm程度に最大粒径Dmaxが小さくなれば、油性分散液の透明性は十分に高くなる。希土類リン酸塩粒子の最大粒径Dmaxは、光子相関法を利用した動的光散乱法によって測定される。例えばマルバーン社製のゼータサイザーナノ粒度分布測定装置を用いて測定される。
油性分散液に含まれる希土類リン酸塩粒子の最大粒径Dmaxは上述のとおりであるところ、該粒子の累積体積50容量%における体積累積粒径D50は1nm以上50nm以下であることが好ましく、1nm以上40nm以下であることが更に好ましく、5nm以上40nm以下であることが一層好ましい。最大粒径Dmaxが上述の範囲であることに加えて、D50がこの範囲であることによって、油性分散液の透明性が一層向上する。D50は、最大粒径Dmaxと同様の方法で測定される。
希土類リン酸塩粒子は、その形状として、例えば球状、多面体状、針状などの形状を採用し得る。特に、希土類リン酸塩粒子が球状であると、該粒子を含む本発明の油性分散液から光学レンズを製造する場合に、該光学レンズに複屈折が生じにくくなる点から好ましい。
油性分散液は、希土類リン酸塩粒子に加え、高屈折率を有する金属酸化物の粒子を更に含んでいてもよい。そのような金属酸化物としては、例えばMg、Ca、Ti、Zn、Zr、Ta、Nb、Ga、Ge、Sn、In、Hf、Y、ランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などの金属の酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの金属酸化物は、油性分散液に含まれる固形分としての粒子全体に対して、0.1質量%以上50質量%以下用いることができる。
本発明の油性分散液は、長期間保存したときの安定性が高いものであることによっても特徴づけられる。例えば、室温下に1ヶ月間保存しても沈殿が生じない程度の安定性を有している。油性分散液の安定性を高めるために、油性分散液は分散剤を含有している。分散剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、Si,Ti,Zr,Alなどの各種カップリング剤及びキレート剤を用いることができる。これらに加えて、無機物粒子に配位可能な官能基を有する物質、例えばアミン及びイミンや、カルボキシル基、カルボニル基又はチオール基などを有する化合物が使用できる。また、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミン、ポリビニルピロリドン、セルロースなどに代表される高分子及びそのオリゴマー、モノマー等を用いることができる。これらの分散剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤のうち、特にアニオン系界面活性剤、カップリング剤、キレート剤を用いることが、ナノ粒子表面に強固に結合又は配位し分散液の長期安定性の点から好ましい。とりわけリン酸エステル系アニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。油性分散液に占める分散剤の割合は、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
油性分散液は、有機溶媒を媒体とし、1種又は2種以上の希土類リン酸塩粒子を媒質とし、必要に応じて分散剤を含有する以外は他の成分を極力含んでいないことが望ましい。特に、希土類リン酸塩粒子以外の固形成分を含んでいないことが望ましい。
有機溶媒としては、水溶性有機溶媒及び非水溶性有機溶媒の双方を用いることができる。水溶性有機溶媒を用いる場合には、水と混合してなる混合溶媒としても用いることができる。いずれの分散媒を用いた場合でも、分散液は高透明性を有するものとなる。
水溶性有機溶媒としては、例えばモノアルコール、多価アルコール、ケトン、エステル、アミン、チオール、ピロリドン系等で水と相溶できる溶媒を用いることができる。一方、非水溶性有機溶媒としては、例えば飽和又は不飽和の炭化水素系化合物やハロゲン化炭化水素とその環状化合物、長鎖のモノアルコールや多価アルコール、及び芳香族系化合物等に代表される水と相溶しない有機溶媒を用いることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
本発明の油性分散液は、可視光の波長領域(400〜800nm)において高透明性であることによっても特徴づけられる。詳細には、可視光の波長領域における透過率が、光路長1cmのセルを用いて測定したとき好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上、一層好ましくは90%以上という高透明性のものである。このように透明性の高い油性分散液を用いて塗膜を形成すると、乾燥後の塗膜の透明性が極めて高くなる。したがって、本発明の油性分散液は、可視光の波長領域において高屈折率及び低波長分散性を有する透明膜の製造に非常に有用である。可視光の波長領域において高屈折率及び低波長分散性を有する透明膜は、例えばシート状レンズを始めとして、光学レンズの薄型化に寄与する。油性分散液の透明性は、例えば(株)日立ハイテクノロジー社製の分光光度計U−4000によって測定することができる。
更に本発明の油性分散液は、高屈折率を有する物質である希土類リン酸塩からなる粒子を含んでいることに起因して、該分散液自体の屈折率も高いものとなる。詳細には、分散液の分散媒の屈折率をNDSとすると、希土類リン酸塩からなる粒子を、その濃度が5質量%になるように調製したときの分散液の屈折率が、NDS+1×10−5以上NDS+1×10−1以下であり、NDS+1×10−4以上NDS+2×10−2以下であることが好ましい。ここで言う屈折率とは波長588nmの光を用いたときのものである。分散液の屈折率は、例えば(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定することができる。
ある濃度の分散液から、5質量%の分散液を調製するには、例えば分散媒を除去して乾燥した複合酸化物粉体を得、乾燥した該複合酸化物粉体を、除去した分散媒と同種の分散媒に再び分散させるときに濃度調整を行い、5質量%の分散液とすればよい。分散媒の除去には、例えば分散媒の沸点MP(℃)に対してMp−50℃〜Mp+100℃の温度で分散液を大気圧下に加熱する操作を行えばよい。
次に、本発明の油性分散液の好適な製造方法について説明する。本製造方法は、(i)希土類リン酸塩粒子の製造工程及び(ii)油性分散液の製造工程に大別される。これら両工程についてそれぞれ説明する。
まず、(i)の希土類リン酸塩粒子の製造工程について説明する。希土類リン酸塩粒子は、1種又は2種以上の希土類元素を含む水溶液と、オルトリン酸を含む水溶液とを混合して、1種又は2種以上の希土類リン酸塩の沈殿を生じさせることで得られる。この沈殿は必要に応じて焼成工程に付され、その結晶化度が高められる。
希土類元素を含む水溶液と、リン酸を含む水溶液との混合には、以下の(a)及び(b)の態様がある。
(a)希土類元素を含む水溶液中に、リン酸を含む水溶液を添加する。
(b)リン酸を含む水溶液中に、希土類元素を含む水溶液を添加する。
いずれの態様であっても、混合後は、熟成を行うことが好ましい。熟成時間は5〜300分とすれば十分である。
(a)希土類元素を含む水溶液中に、リン酸を含む水溶液を添加する。
(b)リン酸を含む水溶液中に、希土類元素を含む水溶液を添加する。
いずれの態様であっても、混合後は、熟成を行うことが好ましい。熟成時間は5〜300分とすれば十分である。
希土類元素を含む水溶液としては、該水溶液中における希土類元素の濃度が、0.01〜1.5mol/リットル、特に0.01〜1mol/リットル、とりわけ0.01〜0.5mol/リットルのものを用いることが好ましい。この水溶液中において希土類元素は三価のイオンの状態になっているか、又は三価のイオンに配位子が配位した錯イオンの状態になっている。希土類元素を含む水溶液を調製するためには、例えば硝酸水溶液に希土類酸化物(例えばLn2O3等)を添加してこれを溶解させればよい。
オルトリン酸を含む水溶液としては、該水溶液中におけるリン酸化学種の合計の濃度を、0.01〜3mol/リットル、特に0.01〜1mol/リットル、とりわけ0.01〜0.5mol/リットルとすることが好ましい。また、pH調整のために、アルカリ種を添加することもできる。アルカリ種としては、例えばアンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、エチルアミン、プロピルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。
希土類元素を含む水溶液とリン酸を含む水溶液は、リン酸イオン/希土類元素イオンのモル比が0.5〜10、特に1〜10、とりわけ1〜5となるように混合することが、効率よく沈殿生成物が得られる点から好ましい。
前記の(a)及び(b)のいずれの混合方法を採用する場合であっても、反応によって生成した核粒子の成長を妨げる物質が存在しないことが好ましい。そのような物質が反応系に存在すると、生成した核粒子の成長が阻害され、得られる希土類リン酸塩粒子の一次粒子径が過度に小さくなり、BET比表面積が過度に大きくなってしまう。一次粒子径が過度に小さくなることは、希土類リン酸塩粒子の表面活性が過度に高くなって、意図しない溶解析出反応が起こり、分散液中での安定性が低下する点からも有利とは言えない。生成した核粒子の成長を妨げる物質としては、例えば特許文献1に記載されているクエン酸などが挙げられる。クエン酸は、生成した核粒子の表面に吸着して、該粒子がそれ以上大きくなることを阻害する。別の側面として、クエン酸を用いることは、反応後の廃液中のBOD(Biochemical Oxygen Demand)が高くなり、廃液処理を経済的に行えない点から有利ではない。
反応系のpHは、後述する理由によって、沈殿生成物の形態へ影響を及ぼす。上述した混合方法(a)及び(b)と、反応系のpHとの関係は以下のとおりである。(a)の態様で反応を行った場合、反応溶液は低いpHで推移しやすい。この理由は、希土類元素を含む水溶液がpH<1の酸性のためである。一方、(b)の態様で反応を行った場合、反応溶液のpHはリン酸を含む水溶液のpHに依存し、アンモニアをpH調整剤として用いた場合、0.1〜10のpH範囲で調整が可能である。
リン酸イオンはpHによって形態が変化する。また希土類元素イオンとの反応において、リン酸イオンの形態は沈殿生成物へ影響を及ぼす。例えばアンモニアをpH調整剤として用いた場合、pH<4ではH2PO4 -の存在が支配的になる。pHが4〜8では、H2PO4 -及びHPO4 2-の存在が支配的になる。pH>8ではHPO4 2-及びPO4 3-の存在が支配的になる。希土類元素イオンとリン酸イオンとの反応において、低pHで生じるH2PO4 -と希土類元素イオンとの反応ではLnHPO4が生成しやすい。一方、高pHで生じるPO4 3-と希土類元素イオンとの反応ではLnPO4が生成しやすい(永長久彦著「溶液を反応場とする無機合成」培風館(2000年))。
また沈殿生成物は、混合時の温度によっても変化する。この観点から、反応温度は好ましくは20〜100℃である。一般的な傾向として、反応温度が高くなると、結晶性の希土類リン酸塩が得られやすくなり、かつその結晶性が高くなる。結晶性が高い場合には、以下に説明する焼成工程が不要となるので、一層簡便な手法で希土類リン酸塩を得ることができる。また、球状の粒子を得る観点から、(a)の態様で混合を行った場合には、反応温度を20〜50℃とすることが好ましい。
以上のようにして希土類リン酸塩が得られたら、これを常法に従い固液分離した後、1回又は複数回水洗する。水洗は、液の導電率が例えば2000μS/cm以下になるまで行うことが好ましい。
沈殿生成物がアモルファスである場合、これを結晶性のものにするために焼成を行うことが好ましい。焼成は、大気中等の含酸素雰囲気で行うことができる。その場合の焼成条件は、焼成温度が好ましくは300〜1000℃であり、更に好ましくは400〜1000℃である。この温度範囲を採用することで、目的とするBET比表面積を有する希土類リン酸塩粒子を容易に得ることができる。焼成温度が過度に高くなると、焼結が進行して粒子のBET比表面積が低下する傾向にある。焼成時間は、焼成温度がこの範囲内であることを条件として、好ましくは1〜20時間、更に好ましくは1〜10時間である。
本製造方法で重要な点は、(ii)の油性分散液に供する希土類リン酸塩粒子の比表面積である。詳細には、BET比表面積が好ましくは10〜200m2/g、更に好ましくは20〜200m2/g、一層好ましくは20〜180m2/g、更に一層好ましくは30〜180m2/gである希土類リン酸塩粒子を(ii)の油性分散液の調製のために供する。これによって、高濃度で高分散が可能であり、透明性が高く、かつ長期間にわたって安定な油性分散液が容易に得られる。
リン酸を含む水溶液と、希土類元素を含む水溶液との反応によって得られた沈殿生成物が上述のBET比表面積を有している場合には、これをそのまま(ii)の油性分散液に供することが有利である。先に述べた焼成工程に付されたリン酸塩化合物を(ii)の油性分散液に供することも可能ではあるが、その場合には焼成に起因するBET比表面積の低下に留意しなければならない。焼成条件として、先に述べた条件を採用すれば、焼成後のリン酸塩化合物のBET比表面積を上述の範囲内におさめることが容易である。
上述の好適な範囲のBET比表面積を有する希土類リン酸塩粒子の比表面積換算粒径は、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、一層好ましくは20nm以下である。
次に、(ii)の油性分散液の製造工程について説明する。本工程においては、結晶性又はアモルファスの希土類リン酸塩粒子と有機溶媒とを混合して、有機溶媒中に粒子を分散させてスラリーとなす。これとともに分散剤も添加する。次に、得られたスラリーを、ビーズミル等のメディアミル、高水圧式ジェットミル又はホモジナイザー等によって湿式粉砕を行う。ビーズミルの場合使用するビーズとしては、例えばジルコニアビーズやアルミナビーズ等が挙げられる。
上述の分散剤は、これを湿式粉砕時にスラリーに添加してもよく、あるいは湿式粉砕して得られた油性分散液に添加してもよい。分散剤の添加量は、目的とする油性分散液中に含まれる分散剤の濃度が上述した範囲となるように選択される。
湿式粉砕後、液とビーズとを分離し、更にメンブランフィルタによって粗粒を除去することで、目的とする油性分散液が得られる。このようにして得られた油性分散液はほぼ無色透明であり、可視光の透過率が高いものである。また、長期間保存しても沈殿の生じない安定なものである。
このようにして得られた油性分散液は、それに含まれる希土類リン酸塩が有する高屈折率及び低波長分散性や、油性分散液が有する可視光に対する透明性を利用して、各種の光学材料や電子材料に用いることができる。例えば、レンズ等の光学系部品、反射防止膜、赤外線透過膜等に用いることができる。具体的には、油性分散液を各種の基板、例えば透明基板やレンズ等の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることで、高透明性、高屈折率及び低波長分散性を有する透明薄膜を形成することができる。乾燥後の薄膜を、必要に応じて不活性雰囲気下、大気等の酸化性雰囲気下又は弱還元性雰囲気下(例えば爆発限界濃度以下の含水素雰囲気下)に焼成してもよい。この透明薄膜は、レンズの屈折率を更に高めるために、あるいは薄型レンズそのものとして有用である。更に本発明の油性分散液は、それに含まれる希土類リン酸塩粒子が樹脂中に分散されてなるナノコンポジットレンズの原料としても好適に用いられる。このナノコンポジットレンズは、例えば油性分散液と樹脂とをブレンドする工程を有する方法によって製造することができる。具体的には、樹脂に必要に応じて補助分散剤や可塑剤又は触媒を添加して油系分散液と混合し、溶媒を留去した後に成型するか、又は成型後に溶媒を取り除いてナノコンポジットレンズを製造することができる。ナノコンポジットレンズに用いられる樹脂としては、例えば一般的な光学樹脂が挙げられ、具体的にはアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、フルオレン系樹脂、ポリエーテルスルフォン酸系樹脂、フッ素系樹脂、チオウレタン系樹脂等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
(1)リン酸ルテチウム粒子の製造
以下の1)〜13)の工程に従いリン酸ルテチウム粒子を製造した。この工程は、先に述べた(a)に相当するものである。
1) ガラス容器に水380gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)14.4gを添加した。
3) 2)へLu2O3(日本イットリウム社製)7.4gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水385g、25%リン酸5.26g、25%アンモニア水9.30gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で5時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、正方晶のLuPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、42m2/gであり、換算粒子径は22nmであった。また、この焼成粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その形状は球状であった。
(1)リン酸ルテチウム粒子の製造
以下の1)〜13)の工程に従いリン酸ルテチウム粒子を製造した。この工程は、先に述べた(a)に相当するものである。
1) ガラス容器に水380gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)14.4gを添加した。
3) 2)へLu2O3(日本イットリウム社製)7.4gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水385g、25%リン酸5.26g、25%アンモニア水9.30gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で5時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、正方晶のLuPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、42m2/gであり、換算粒子径は22nmであった。また、この焼成粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、その形状は球状であった。
(2)油性分散液の製造
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたLuPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.404であった。また、リン酸ルテチウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ルテチウム粒子の固形分濃度は12%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ルテチウム粒子についてBET比表面積を測定したところ52m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は67%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ルテチウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は25nm、Dmaxは91nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたLuPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.404であった。また、リン酸ルテチウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ルテチウム粒子の固形分濃度は12%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ルテチウム粒子についてBET比表面積を測定したところ52m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は67%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ルテチウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は25nm、Dmaxは91nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
〔実施例2〕
(1)リン酸ガドリニウム粒子の製造
1) ガラス容器に水370gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)15.01gを添加した。
3) 2)へGd2O3(日本イットリウム社製)7.89gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水390g、25%リン酸5.48g、25%アンモニア水9.70gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中700℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、GdPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、59m2/gであり、換算粒子径は16nmであった。
(1)リン酸ガドリニウム粒子の製造
1) ガラス容器に水370gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)15.01gを添加した。
3) 2)へGd2O3(日本イットリウム社製)7.89gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水390g、25%リン酸5.48g、25%アンモニア水9.70gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中700℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、GdPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、59m2/gであり、換算粒子径は16nmであった。
(2)油性分散液の製造
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたGdPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.405であった。また、リン酸ガドリニウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ガドリニウム粒子の固形分濃度は12%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ガドリニウム粒子についてBET比表面積を測定したところ72m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は54%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ガドリニウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は15nm、Dmaxは89nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたGdPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.405であった。また、リン酸ガドリニウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ガドリニウム粒子の固形分濃度は12%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ガドリニウム粒子についてBET比表面積を測定したところ72m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は54%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ガドリニウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は15nm、Dmaxは89nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
〔実施例3〕
(1)リン酸イットリウム粒子の製造
1) ガラス容器に水370gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)20.59gを添加した。
3) 2)へY2O3(日本イットリウム社製)6.14gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水390g、25%リン酸7.52g、25%アンモニア水13.31gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、YPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、54m2/gであり、換算粒子径は26nmであった。
(1)リン酸イットリウム粒子の製造
1) ガラス容器に水370gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)20.59gを添加した。
3) 2)へY2O3(日本イットリウム社製)6.14gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水390g、25%リン酸7.52g、25%アンモニア水13.31gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、YPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、54m2/gであり、換算粒子径は26nmであった。
(2)油性分散液の製造
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたYPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.407であった。また、リン酸イットリウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.401であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸イットリウム粒子の固形分濃度は13%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸イットリウム粒子についてBET比表面積を測定したところ66m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は59%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸イットリウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は22nm、Dmaxは92nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたYPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は1.407であった。また、リン酸イットリウム粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.401であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸イットリウム粒子の固形分濃度は13%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸イットリウム粒子についてBET比表面積を測定したところ66m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は59%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸イットリウム粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は22nm、Dmaxは92nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
〔実施例4〕
(1)リン酸ランタン粒子の製造
1) ガラス容器に水374gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)2.70gを添加した。
3) 2)へLa(NO3)3・6H2O(和光社製)18.5gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水384g、25%リン酸5.91g、25%アンモニア水10.47gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、LaPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、51m2/gであり、換算粒子径は23nmであった。
(1)リン酸ランタン粒子の製造
1) ガラス容器に水374gを計量し、80℃に加温した。
2) 1)へ85%硝酸(和光社製)2.70gを添加した。
3) 2)へLa(NO3)3・6H2O(和光社製)18.5gを添加し、完全に溶解させ室温(25℃)まで冷却した。
4) 別のガラス容器に水384g、25%リン酸5.91g、25%アンモニア水10.47gを添加した。この水溶液のpHは11.1であった。
5) 3)の溶液中へ4)の溶液を逐次フィードした。反応液のpHは0.8〜1.6であった。反応液の温度は25℃であった。反応によって沈殿物が生成した。
6) フィード終了後、25℃で10分間エージングを行った。
7) 沈殿物をデカンテーション洗浄により、上澄みの導電率が100μS/cm以下になるまで洗浄した。
8) 洗浄終了後、減圧濾過で固液分離した。
9) 8)を大気中で120℃×5時間乾燥させ、白色粉末を得た。
10) 9)を大気中800℃で3時間焼成した。
11) 10)で得られた焼成粉末のXRD測定を行ったところ、LaPO4ピークが確認された。
12) 10)で得られた焼成粉末の比表面積を測定したところ、51m2/gであり、換算粒子径は23nmであった。
(2)油性分散液の製造
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたLaPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は 1.404であった。また、リン酸ランタン粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ランタン粒子の固形分濃度は11%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ランタン粒子についてBET比表面積を測定したところ60m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は55%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ランタン粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は19nm、Dmaxは96nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
13) 油系分散液の調製を行った。50mLの樹脂製容器に、10)で得られたLaPO4粒子3.0gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)26.4gと、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〔フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製)〕と、0.3mmφジルコニアビーズ135gを入れ、ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った後、0.1mmφジルコニアビーズ135gを入れ、再度ペイントシェーカーによる粉砕を3時間行った。固液分離後、0.2μmのメンブランフィルタに通し粗粒の除去を行った。
14) 13)で得られた油性分散液は透明であり、油系分散液の屈折率は(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定したところ、屈折率は 1.404であった。また、リン酸ランタン粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.400であった。なお、分散媒であるメチルイソブチルケトン(MIBK)の屈折率NDSは1.396である。
15) 13)の液を少量測り取り、200℃で乾燥させた後のリン酸ランタン粒子の固形分濃度は11%であり、ガラス質の透明な固形分が残存していた。また、油性分散液を2gはかり取り、150℃で乾燥させて残留したリン酸ランタン粒子についてBET比表面積を測定したところ60m2/gであった。
16) 13)の液の可視光に対する透明性を(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用いて測定したところ、可視光の波長領域(波長400〜800nm)に吸収がないことを確認した。透過率(λ=555nm)は55%であり、透明性が高いことを確認した。
17) 日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置を用い、リン酸ランタン粒子の動的光散乱法で粒度分布を測定したところ、D50は19nm、Dmaxは96nmであった。
18) この液を常温中、1ヶ月間保存しても沈殿を生じることがなく、高分散状態を維持したままであった。
〔比較例1〕
実施例1において、油性分散液の調製時に、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして油性分散液を調製しようとした。しかし、直ちに粒子が沈殿してしまい、単分散液を得ることができなかった。
実施例1において、油性分散液の調製時に、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして油性分散液を調製しようとした。しかし、直ちに粒子が沈殿してしまい、単分散液を得ることができなかった。
〔比較例2〕
実施例1において焼成条件を大気中1200℃×3時間とする以外は実施例1と同様にしてLuPO4粒子を得た。得られた粒子を用い、実施例1と同様にして油性分散液を得た。この油性分散液は白濁しており、直ちに沈殿が観察され、単分散液を得ることができなかった。
実施例1において焼成条件を大気中1200℃×3時間とする以外は実施例1と同様にしてLuPO4粒子を得た。得られた粒子を用い、実施例1と同様にして油性分散液を得た。この油性分散液は白濁しており、直ちに沈殿が観察され、単分散液を得ることができなかった。
以上の結果を以下の表1にまとめて示す。同表に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた水性分散液は希土類リン酸塩の粒子が安定して分散したものであり、透明性が高く、しかも屈折率も高いものであることが判る。
Claims (7)
- BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子及び分散剤を含む油性分散液であって、該粒子の最大粒径Dmaxが100nm以下であり、累積体積50容量%における体積累積粒径D50が1nm以上50nm以下であり、該粒子の濃度が5〜50質量%である油性分散液。
- 可視光の波長領域における透過率が、光路長1cmのセルを用いて測定したとき50%以上である請求項1に記載の油性分散液。
- 固形分濃度が5質量%になるようにしたときの屈折率がNDS+1×10−5以上NDS+1×10−1以下(式中、NDSは分散媒の屈折率を表す。)である請求項1又は2に記載の油性分散液。
- 前記分散剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カップリング剤又はキレート剤である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の油性分散液。
- BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である希土類リン酸塩からなる粒子を油性媒体に分散させるとともに、分散剤を添加する油性分散液の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の油性分散液を基板の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させる透明薄膜の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の油性分散液と樹脂とをブレンドする工程を有するナノコンポジットレンズの製造方法。
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JP2013121844A JP2014237572A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 油性分散液及びその製造方法 |
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JPWO2018025800A1 (ja) * | 2016-08-02 | 2019-02-28 | 三井金属鉱業株式会社 | 希土類リン酸塩粒子、それを用いた散乱性向上方法 |
CN112225253A (zh) * | 2020-09-23 | 2021-01-15 | 烟台佳隆纳米产业有限公司 | 油性免分散纳米铯钨氧化物包覆体的制备方法 |
-
2013
- 2013-06-10 JP JP2013121844A patent/JP2014237572A/ja active Pending
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CN112225253A (zh) * | 2020-09-23 | 2021-01-15 | 烟台佳隆纳米产业有限公司 | 油性免分散纳米铯钨氧化物包覆体的制备方法 |
CN112225253B (zh) * | 2020-09-23 | 2023-01-24 | 烟台佳隆纳米产业有限公司 | 油性免分散纳米铯钨氧化物包覆体的制备方法 |
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