JP6267137B2 - 導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した導電性緩み止め剤並びに緊締具 - Google Patents

導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した導電性緩み止め剤並びに緊締具 Download PDF

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Description

本発明は、ねじ等の緊締具の固定に使用される導電性緩み止め剤組成物、及びこれを含有した液状の導電性緩み止め剤、並びに緊締具に関する。
従来から、金属板や金属ブロック等の被締結物をねじで固定する際に、被締結物とねじとの導電性又は被締結物同士の導電性を確保し、同時にねじの緩み止め効果も得る構造が複数提案されている。
例えば、特許文献1に開示されているように、ねじの座面部に急峻な立ち上がり面を持つ突起部を形成した構造、特許文献2に開示されているように、突条を設けた座金を使用した構造、及び特許文献3に示すように、構造体に突起形状を形成した構造が提案されている。これらの構造によれば、ねじの回転動作の際、各部に形成された突起部が被締結物表面の絶縁性被膜(塗装膜、酸化膜等)を剥がして母材に食い込むことによって、導電性と緩み止め効果を得ることができる。
その他には、導電性を有する接着剤等を塗布したねじで非締結物を固定することにより、導電性とねじの緩み止め効果を得る方法があった。導電性を有する接着剤や樹脂組成物の候補としては、例えば、特許文献4〜10に開示されているものが挙げられる。
特開平8−334114号公報 特開2005−56726号公報 特開2003−247514号公報 特表2014−510803号公報 特表2012−532942号公報 再公表WO2011/152404号公報 特開2006−307017号公報 特開2012−149161号公報 特開2003−20418号公報 特開平1−266314号公報
しかし、特許文献1〜3に開示された構造は、既存のねじ及び座金、及び既存の被締結物をそのまま使うことはできず、ねじや座金、被締結物を特殊な形状に加工する必要があるため、非常に手間がかかり、コストも高くなってしまう。
特許文献4〜6の導電性接着剤等は、ねじを締め込む直前に、その都度、ねじに塗布しなければならず、作業工程が増え面倒である。さらに、これらの導電性接着剤を用い緩み止め効果を得るため、塗布後に、加熱や紫外線照射を行って硬化反応を起こす必要があり、これらも作業工程を増加させる要因となり、生産性の面からも問題があった。
特許文献7の導電性組成物は、実施例としてPAS樹脂に黒鉛を添加したものが示されているが、これは射出成形用であり、緩み止め接着剤として使うことは難しい。PAS樹脂は溶剤に溶解しないため、ねじ等の緊締具への均一な塗布が非常に難しいからである。また、ここで使用されている黒鉛は平均粒径が150〜500μmと非常に大きいため、小ねじ等の細かい部品への塗膜形成を考えた場合、凹凸が酷く、粗い塗膜となってしまい、締込み時にカスが発生したりして、緩み止め効果及び導電性が不安定なものとなってしまう。
特許文献8の導電性接着剤は、フェノール樹脂及びアセタール樹脂、カーボンナノチューブを利用した導電性樹脂組成物を含むものであり、樹脂塗布後に180℃の高温加熱を行う必要があり手間がかかる点や、カーボンナノチューブによってコストが大幅に上昇する点を考えると、緩み止め剤として使うには不適である。
特許文献9の導電性樹脂組成物は、黒鉛粉を各種樹脂に添加し、導電性樹脂組成物とし、これを圧縮、射出、押出成形し、成形体が作製され、帯電防止等の用途等に使用されるものであるが、特許文献9では、ねじ等の緊締具の固定に使用することについて記載されておらず、緊締具の固定に使用する際に重要な事項(導電性粉末の粒径、バインダ樹脂の量、液状にするための溶剤の量に要求される性能等)は開示されていない。
特許文献10のロック剤は、ロック剤中に導電性フィラーとしてその表面に金属皮膜を設けたプラスチック又はゴム粉を用いたものであるが、以下に述べるようないくつか問題点がある。例えば、粒径0.1〜100μmのプラスチック粉又はゴム粉に金属皮膜を形成する工程を、安価で且つ再現性よく安定に行うのが大変難しいものである。また、ねじと相手物との圧接部の一部分のみで導通を可能とするものであるため、ねじと被締結物との間隔の差異によっては効果を発揮しない可能性がある。さらに、プラスチック粉又はゴム粉を使用するため、塗膜形成後もこのプラスチック、ゴムがそのまま残り、ねじ使用時、130〜150℃の高温域においては、そのガラス転移点を超えるため、プラスチック、ゴムが軟化してしまい緩み止め効果を維持することが出来なくなる。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、良好な導電性と緩み防止効果を確実に得ることができる導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した導電性緩み止め剤並びに緊締具を提供することを目的とする。
発明は、緊締具の固定に使用される導電性緩み止め剤組成物であって、黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛のうち少なくとも1つ以上の導電性粉末を充填剤として含有し、前記充填剤の平均粒径が0.2〜10μm、カサ比重が0.2〜0.8g/cmである導電性緩み止め剤組成物である。
非揮発成分として、バインダ樹脂40〜80wt%、及び前記充填剤20〜60wt%を含有する導電性緩み止め剤組成物である。前記バインダ樹脂は、シリコーン樹脂であることが好ましい。非揮発成分として、さらに着色剤が0.5〜2wt%添加されていてもよい
また本発明は、非揮発成分として、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル15〜30wt%、エポキシ樹脂用硬化剤15〜25wt%、前記充填剤40〜60wt%、及び前記マイクロカプセル内の前記エポキシ樹脂以外のバインダ樹脂1〜10wt%を含有する導電性緩み止め剤組成物である。前記バインダ樹脂は、シリコーン樹脂であることが好ましい。前記非揮発成分として、さらに着色剤が0.5〜2wt%添加されていてもよい
前記非揮発成分に揮発性有機溶剤が混合され、その混合比が、重量比で30:70〜46:54の範囲である導電性緩み止め剤である。
又は前記非揮発成分に揮発性有機溶剤が混合され、その混合比は、質量比で20:80〜45:55の範囲である導電性緩み止め剤である。
また本発明は、前記導電性緩み止め剤組成物がねじ等の表面に塗布されて成る緊締具である。
本発明の導電性緩み止め剤組成物によれば、被締結物と緊締具との導電性又は被締結物同士の導電性を容易に確保することができ、緊締具の緩み止め効果も十分に得ることができる。また、入手性がよい材料で安価に作製することができ、特別な形状の緊締具や座金を用意したり被締結物に前加工したりする必要もないので、非常に使い勝手がよい。
また、本発明の導電性緩み止め剤及び緊締具によれば、緊締具の表面にこの導電性緩み止め剤を塗布し、乾燥させることによって、凹凸のある緊締具の表面に導電性緩み止め剤組成物の均一な被膜を容易に形成することができる。したがって、予め緊締具の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成しておくことにより、現場で行う作業は緊締具を締め込む作業だけ(締め付け後に液状の緩み止め剤を乾燥させる等の工程は不要)になるので、現場の作業をスムーズに行うことができる。さらに、本発明の導電性粉末は熱軟化しにくい無機物質であり、且つ高い熱伝導性を持っているので、放熱性に優れ、高温域でも高い緩み止め効果を維持できる。
本発明の導電性緩み止め剤組成物によってねじが被締結物に固定された構造の一例を示す断面図である。 本発明の導電性緩み止め剤組成物によってねじが被締結物に固定された構造の他の例を示す断面図である。
一般に、緊締具の固定に使用される緩み止め剤組成物には、代表的な2つのタイプがある。1つは、緊締具の表面に被膜され、緊締具を被締結物に締め込むと、緊締具と被締結物との間に介在して大きな摩擦抵抗を発生させる抵抗タイプである。もう1つは、接着剤の主剤又は硬化剤を内包するマイクロカプセルを含み、緊締具の表面に被膜され、緊締具を被締結物に締め込むとマイクロカプセルが破壊され、接着剤の主剤と硬化剤とが反応することによって緊締具と被締結物とを固着させる固着タイプである。
まず、本発明の導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した導電性緩み止め剤並びに緊締具の第一の実施形態であって、上記の抵抗タイプに該当するものについて説明する。この実施形態の導電性緩み止め剤組成物10は、非揮発成分として、導電性を有する充填剤、バインダ樹脂、及び少量の着色剤を含有している。また、この実施形態の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に導電性緩み止め剤組成物10を混合し液状に形成されたものである。
導電性緩み止め剤は、緊締具であるねじ12のねじ部12aに塗布し、これを乾燥させることにより、ねじ部12aの表面に導電性緩み止め剤組成物10の被膜を形成することができる。そして、例えば図1に示すように、絶縁樹脂シート14を敷いた鋼板16(被締結物)にねじ12を絞め込むと、ねじ12と鋼板16との間に介在する導電性緩み止め剤組成物10によってねじ12と鋼板16が導通し、同時にねじ12の緩み止めの効果が得られる。また、例えば図2に示すように、2枚重ねた絶縁被膜付き鋼板18,20(被締結物)にねじ12を絞め込むと、ねじ12と鋼板部18a,20aとの間に介在する導電性緩み止め剤組成物10によって、ねじ12と鋼板部18a,20aとが導通し、同時にねじ12の緩み止めの効果が得られる。このとき、鋼板部18aと鋼板部20aは、絶縁被膜部20b(又は18b)を介して重なっているが、ねじ12を通じて互いに導通する。
充填剤は、黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛のうち少なくとも1つ以上の導電性粉末を含有し、その平均粒径が0.2〜10μm、カサ比重が0.2〜0.8g/cmである。電気抵抗率は、実用上良好な性能を発揮するには、0.1Ωm以下であることが好ましい。
一般的な緩み止め剤は、機械的強度向上、被膜厚増量、熱的安定性向上のため、充填剤としてシリカ、アルミナ等の絶縁物が使用されるが、導電性緩み止め剤組成物10では、黒鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛又はこれらを混合した導電性粉末を使用する。これらは、軟化しにくい硬い無機物質粉末なので、機械的強度、耐熱特性の点で十分要件を満たすことができる。例えば、この実施形態の導電性緩み止め剤は、130〜150℃の高温域においても、プラスチックやゴムと違ってガラス転移点がないので、緩み止め効果の低下はほとんどなく、良好な戻しトルク特性が維持できる。
充填剤の平均粒径は、0.2〜10μmの範囲である。充填剤は、液状の導電性緩み止め剤の状態でディッピング法、フロー法、ロールコンタクト法等の塗布手段により、被締結物に絞め込まれるねじ12の溝部12a表面に塗布されるが、その際、粒径が適切でないと巧く塗布できない。例えば、平均粒径が10μmより大きい場合、同一の質量%を含有させても、導電性粉末粒子の数が少なくなり、導電粉末粒子同士の接触性が悪くなって高い導電率が得られない。また、ねじ12がM1〜M4の微小ねじの場合、被膜の面が粗くなったり、塗布液の沈降が発生したり、締め込み時に被膜からの導電性粉末粒子が落下したりするため、好ましくない。一方、粒径が0.2μm未満であると、粒子の凝集がかなり多くなり、且つカサ比容が増大し、塗膜とした時、ザラザラで不均一の膜となり且つ膜厚が厚くなりすぎるという問題がある。さらに、結晶成長が不十分あるいはSb、Al、Ga等のドープが不完全なため、電気抵抗率も高くなりすぎ、好ましくない。したがって、充填剤の平均粒径は、0.2〜10μmの範囲が適している。
充填剤のカサ比重は、0.2〜0.8g/cmの範囲である。カサ比重が0.2g/cm未満だと、液状の導電性緩み止め剤中に導電性粉末を同一重量%含有させたとしても、比容積が逆に大きくなるので、結果として塗布膜厚が厚くなりすぎ、締め込み時に導電性緩み止め剤組成物10の被膜から大量のカスを発生させてしまう。また、導電性粉末を多量に添加することが物理的に困難なため、高い導電率が得られない。一方、カサ比重が0.8g/cmを超えると、導電粉末粒子が重いため、液状の導電性緩み止め剤の状態で導電粉末粒子沈降して上層と下層とに分離してしまい、所定の厚みで均一に塗布することが大変難しくなる。
次に、各材料について個別に説明する。黒鉛には、天然のものと人造のものがある。導電性は同じレベルのものもあるが、天然の鱗片状黒鉛は、緩み止め剤組成液とした時、粘度の高いドロドロの性状の液となり、成膜後も膜がザラザラとなり、緩み止めの用途にあまり適していない。したがって、不純物が少なく、粒径、電気抵抗率の制御が可能な人造黒鉛の方が好ましい。また、黒鉛は、その熱伝導度が高い(数十W/mK)という特徴がある。この点も導電性緩み止め剤組成物10とした時の130〜150℃の高温域での放熱性がよくなるため、高温域でも熱がたまりにくく、その結果として戻しトルクが低下せず維持されるという利点がある。
酸化インジウム、酸化スズを作製するときは、まず、金属を酸で溶解し、In(インジウム)とSn(スズ)を含む酸性水溶液を調整する。この段階で、InとSnの割合によって最終的に得られるIn、SnO混合組成物の組成が決められる。通常、In/Sn=9/1となる割合が最も高い導電性を与えるので、この比率のものを用いる。次いで、この水溶液をアルカリ水溶液で中和し、In−Sn共沈水酸化物を析出し、ろ過、洗浄、乾燥し、その後焼成し、In/SnO=9/1の焼成粉末を得る。この時の焼成温度や時間によってカサ比重、平均粒径が決定されるので、焼成温度と時間を適宜調節し、カサ比重0.2〜0.8g/cm、平均粒径0.2〜10μmの条件に適合させる。なお、Sb(アンチモン)をSnにドープしたい場合は、予め所定量をIn−Sn水酸化物にSbのアルカリ水溶液として添加しておくとよい。
酸化亜鉛は、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)を少量ドープすることにより作製される。母体の酸化亜鉛は塩化亜鉛、水酸化亜鉛を1000℃程度に焼成することにより得られる。この際、ドーパントのGa,Alを添加し、よく混ぜ同時焼成することによりGa,Alドープ酸化亜鉛が得られる。この時の焼成温度や時間によってカサ比重、平均粒径、電気抵抗率が決定されるので、焼成温度や時間を調節し、カサ比重0.2〜0.8g/cm、平均粒径が0.2〜10μm、電気抵抗率0.1Ωmの条件に適合させる。
黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛は、どれも小さい電気抵抗率(0.1Ωm以下)が得やすいので、導電性緩み止め剤組成物10に使用するのに適している。電気抵抗率が高いと、導電性緩み止め剤組成物10の大部分を導電性粉末にする必要が生じ、緩み止め効果が弱くなってしまうからである。
上述した黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛以外の導電性材料として、例えば銀、銅、カーボンブラック等を使用することが考えられる。しかしながら、銀や銅の粉末は、コスト高になるという問題や、比重が非常に大きいため、液状の導電性緩み止め剤の状態で導電粉末粒子沈降して上層と下層とに分離してしまい、所定の厚みで均一に塗布することが大変難しくなるという問題があるので、導電性緩み止め剤組成物の用途には適していない。また、カーボンブラックは、導電性に優れるものの、カサ比重が軽すぎるため高充填には向かず、液状の導電性緩み止め剤を高粘度化させ、取扱いを困難なものとする。また、液状の導電性緩み止め剤中への分散性も悪いため、導電性緩み止め剤組成物10の被膜にムラが生じやすく、カーボンブラックによる導電パスが形成し難く、導電率が低くなってしまうため、導電性緩み止め剤組成物の用途には適していない。これに比べて、同じカーボン系粉末でも、黒鉛粉末の場合は、適度なカサ比重を有し、液状の導電性緩み止め剤中への分散性も良いので、この用途に適している。
次に、バインダ樹脂について説明する。バインダ樹脂の役割は、充填剤や後述する着色剤を結着させてねじ12の表面から脱落しないようにすることと、ねじ12と鋼板16との間(又はねじ12と鋼板部18a,20aとの間)に介在して大きな摩擦抵抗を発生させることである。この目的に適合するものとして、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等がある。特に、シリコーン樹脂は、ねじ12に塗布しやすい液状の導電性緩み止め剤を容易に作製することができ、ねじ12を繰り返し使用した場合でも緩み止め効果が低下しにくく、耐熱性にも優れているので、抵抗タイプのバインダ樹脂として使用するのに適している。
着色剤は、導電性緩み止め剤組成物10の視認性を良くする等の目的で添加されている。着色剤を添加しないと、充填剤が黒鉛粉末の場合は、導電性緩み止め剤組成物10が黒色か黒灰色になり、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛の場合は、淡黄白色か淡灰色になる。この実施形態では、少量の着色剤を添加することにより、使用者が希望する色を実現している。
導電性緩み止め剤組成物10は、上述した充填剤、バインダ樹脂、及び少量の着色剤を含有し、その含有比が、上記材料の順番に20〜60wt%、40〜80wt%、0.5〜2wt%の範囲に設定されている。この範囲に設定することで、導電性緩み止め剤組成物10としての導電性を十分に確保することができ、同時に優れた緩み止め効果を得ることができる。着色剤は、導電性緩み止め剤組成物10の導電性を確保するため、2wt%以下に抑えることが好ましい。
この実施形態の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に上記の導電性緩み止め剤組成物10を混合して液状に形成したものである。揮発性有機溶剤の役割は、バインダ樹脂の溶解と、充填剤及び着色剤の相溶及び分散であり、例えば、芳香族炭化水素系のトルエン、キシレン、アルコール系のイソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、エステル系の酢酸エチル、酢酸ブチル、ケトン系のアセトン、MEK等が適している。
導電性緩み止め剤組成物10の非揮発性成分(バインダ樹脂、充填剤及び着色剤)と揮発性有機溶剤の混合比は、30:70〜46:54の範囲に設定されている。この範囲に設定することによって、ねじ12の表面に円滑に塗布することができ、これを乾燥させることによって、導電性緩み止め剤組成物10の均一な被膜を容易に形成することができる。
以上説明したように、この実施形態の導電性緩み止め剤組成物10(抵抗タイプ)によれば、被締結物同士の導電性又は被締結物と緊締具との導電性を容易に確保することができ、緊締具の緩み止め効果も十分に得ることができる。また、入手性のよい材料により安価に作製することができ、特別な形状の緊締具や座金を用意したり被締結物に前加工をする必要もないので、非常に使い勝手がよい。
また、この実施形態の導電性緩み止め剤及び緊締具によれば、緊締具の表面に塗布し、乾燥させることによって、凹凸のある緊締具の表面に導電性緩み止め剤組成物の均一な被膜を容易に形成することができる。したがって、予め、緊締具の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成しておくことにより、現場で行う作業は緊締具を締め込む作業だけ(締め付け後に液状の緩み止め剤を乾燥させる等の工程は不要)になるので、現場の作業をスムーズに行うことができる。
次に、本発明の導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した液状の導電性緩み止め剤並びに緊締具の第二の実施形態であって、上記の固着タイプに該当するものについて説明する。この実施形態の導電性緩み止め剤組成物22は、非揮発成分として、導電性を有する充填剤、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル、エポキシ樹脂用硬化剤、バインダ樹脂、及び少量の着色剤を含有している。また、この実施形態の液状の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に導電性緩み止め剤組成物22を混合して溶解させたものである。
液状の導電性緩み止め剤をねじ12の溝部12aに塗布し、これを乾燥させることにより、溝部12aの表面に導電性緩み止め剤組成物22の被膜を形成することができる。そして、例えば図1に示すように、表面に絶縁樹脂シート14を敷いた鋼板16にねじ12を絞め込むと、マイクロカプセルが破壊され、マイクロカプセルから漏出したエポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤とが反応することによってねじ12と鋼板16が固着する。その結果、ねじ12と鋼板16との間に介在する導電性緩み止め剤組成物22によってねじ12と鋼板16とが導通し、同時にねじ12の緩み止めの効果が得られる。また、例えば図2に示すように、2枚重ねた絶縁被膜付き鋼板18,20(被締結物)にねじ12を絞め込むと、ねじ12と鋼板部18a,20aとの間に介在する導電性緩み止め剤組成物22によって、ねじ12と鋼板部18a,20aとが導通し、同時にねじ12の緩み止めの効果が得られる。
充填剤は、第一の実施形態と同様に、黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛のうち少なくとも1つ以上の導電性粉末を含有し、充填剤は、平均粒径が0.2〜10μm、カサ比重が0.2〜0.8g/cmである。電気抵抗率は0.1Ωm以下であることが好ましい。これらの粉末は、十分な硬さを有しており、後述するマイクロカプセルを容易に破壊することができる。
エポキシ樹脂含有マイクロカプセルは、接着剤の主剤となるエポキシ樹脂を内包したマイクロカプセルである。マイクロカプセルの壁材は、insitu法や界面重合法による尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素レゾルシン樹脂、ウレタン樹脂等の皮膜が適している。また、エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が適しており、いずれも液状のものが好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤は、ポリアミド樹脂、アミン類、イミダゾール類、変性アミン類、ポリチオール類などを使用することができ、エポキシ樹脂の種類、硬化温度、硬化速度等、製品の使用条件に応じていずれかを選択し、あるいは複数混合して使用する。
バインダ樹脂は、第一の実施形態と同様に、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等がある。特に、シリコーン樹脂は、ねじ12に塗布しやすい液状の導電性緩み止め剤を容易に作製することができ、耐熱性にも優れているので、固着タイプのバインダ樹脂としても適している。ただし、この実施形態のバインダ樹脂は、第一の実施形態のように緩み止めのため大きな摩擦抵抗を発生させる働きは不要なので、バインダ樹脂の含有比は少量にすることができる。含有比については後で述べる。
着色剤は、第一の実施形態と同様に、導電性緩み止め剤組成物22の視認性をよくする等の目的で添加している。
導電性緩み止め剤組成物22は、上述した充填剤、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル、エポキシ樹脂用硬化剤、バインダ樹脂、及び少量の着色剤を含有し、その含有比は、上記材料の順番に40〜60wt%、15〜30wt%、15〜25wt%、1〜10wt%、0.5〜2wt%に設定されている。この範囲に設定することで、導電性緩み止め剤組成物22としての導電性を十分に確保することができ、同時に優れた緩み止め効果を得ることができる。
この実施形態の導電性緩み止め剤は、第一の実施形態と同様に、揮発性有機溶剤に上記の導電性緩み止め剤組成物22を混合したものであり、揮発性有機溶剤の役割は、バインダ樹脂の溶解と、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル、エポキシ樹脂用硬化剤及び着色剤の相溶及び分散であり、例えば、芳香族炭化水素系のトルエン、キシレン、アルコール系のイソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、エステル系の酢酸エチル、酢酸ブチル、ケトン系のアセトン、MEK等が適している。
導電性緩み止め剤組成物22の非揮発性成分(エポキシ樹脂含有マイクロカプセル、エポキシ樹脂用硬化剤、バインダ樹脂、充填剤及び着色剤)と揮発性有機溶剤の混合比は、20:80〜45:55の範囲に設定されている。この範囲に設定することによって、ねじ12の表面に円滑に塗布することができ、これを乾燥させることによって、導電性緩み止め剤組成物22の均一な被膜を容易に形成することができる。
以上説明したように、この実施形態の導電性緩み止め剤組成物22(固着タイプ)及びこれを含有した液状の導電性緩み止め剤によれば、第一の実施形態と同様の優れた効果を得ることができる。
なお、本発明の導電性緩み止め剤組成物及びこれを含有した液状の導電性緩み止め剤は、上記実施形態限定されるものではない。上記実施形態では、導電性緩み止め剤組成物に少量の着色剤を添加しているが、色を変更する必要がなければ、着色剤を添加するのを省略することができる。
また、第二の実施形態(固着タイプ)では、エポキシ樹脂を接着剤の主剤として使用しているが、アクリル樹脂を使用した構成にすることもできる。この場合、重合開始剤をマイクロカプセル化し、アクリルモノマーをバインダ樹脂中に含有させる方法や、アクリルモノマーをマイクロカプセル化し、重合開始剤をバインダ樹脂中に含有させる方法があり、どちらの方法を使用してもよい。
抵抗タイプの液状の導電性緩み止め剤を試作し、これをねじ等に塗布し乾燥させることによって形成された導電性緩み止め剤組成物の被膜の評価を行った。
実施例1では、導電性を有する充填剤として、平均粒径が5μm、カサ比重が0.3g/cm、電気抵抗率が0.06Ωmの黒鉛粉末を選択した。バインダ樹脂はシリコーン樹脂を使用し、着色剤の添加は行わなかった。液状の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に上記の非揮発成分(充填剤、バインダ樹脂)を混合することにより作製した。揮発性有機溶剤は、ここではトルエンを使用した。
非揮発成分中の黒鉛粉末の含有比は、0〜70wt%の範囲で変化させた。また、黒鉛の含有比が大きくなると、液状の導電性緩み止め剤としての液粘度が高くなり、ねじの表面に円滑に塗布できなくなるので、液粘度が良好な値(40〜50mPa・s)に保持されるように、後述する表1に示すように揮発性有機溶剤の混合比を調節した。
導電性緩み止め剤組成物による緩み止めの効果を評価するため、まず、試作した液状の導電性緩み止め剤を、ねじ(M2×4.5)にディッピング塗布し、25℃の環境で24時間放置して乾燥させ、ねじ部の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成させた。次に、このねじを、対応するナットのねじ穴にトルク17.8N・cmで絞め付け、25℃の環境で72時間放置した。その後、トルクアナライザを使用して締め付けたねじの緩め仕事量を測定した。
また、導電性緩み止め剤組成物の導電性を評価するため、試作した液状の導電性緩み止め剤をスライドグラスに膜厚90μm、幅1.3mmで塗布し、乾燥させた後、テスターを用いて電気抵抗を測定し、各塗膜の電気抵抗率(体積固有抵抗率)を求めた。表1は、この評価結果をまとめたものであり、試作A3,A4,A5が本発明の実施例で、試作A1,A2,A6は比較例である。
Figure 0006267137
表1から分かるように、黒鉛の含有比が10wt%以下では、ゆるめ仕事量は高いが、電気抵抗率が非常に高いので導電性があるとは言えない。一方、黒鉛の含有比が70wt%では、電気抵抗率は非常に低いが、ゆるめ仕事量については、導電性緩み止め剤を設けない場合から若干の上昇しかみられず、緩み止め効果は小さい。よって、黒鉛の含有比は20〜60wt%が実用的な範囲であると言える。また、この範囲内であれば、緩み止め効果を重視する場合は黒鉛の含有比を小さくし、導電性を重視する場合は黒鉛の含有比を大きくし、使用条件に応じて使い分けることも可能である。
また、表1から分かるように、液状の導電性緩み止め剤の塗布が良好に行えるようにするため、非揮発成分と揮発性有機溶剤の混合比は、質量比で30:70〜46:54にするのが好ましい。
実施例2は、実施例1とは異なる抵抗タイプの液状の導電性緩み止め剤を試作し、これをねじ等に塗布し乾燥させることによって形成された導電性緩み止め剤組成物の被膜の評価を行ったものである。
実施例2では、導電性を有する充填剤として、電気抵抗率が0.04Ωmの酸化インジウム−酸化スズ、及び電気抵抗率0.09Ωmの酸化亜鉛を選択した。酸化インジウム−酸化スズは、配合比を酸化インジウム/酸化スズ=9/1とした。また、酸化スズはアンチモンがドープされており、酸化亜鉛はガリウム、アルミニウムがドープされている。バインダ樹脂はシリコーン樹脂を使用し、ここでは黄色の着色剤も添加した。酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛、シリコーン樹脂、及び着色剤の混合比は、上記材料の順番に30wt%、20wt%、49wt%、1wt%である。
液状の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に上記の非揮発成分(充填剤、バインダ樹脂、着色剤)を混合し溶解させることにより作製した。揮発性有機溶剤はトルエンを使用した。揮発性有機溶剤と非揮発成分の混合比は、ねじ等に円滑に塗布できるように、重量比で60:40とした。
導電性緩み止め剤組成物による緩み止めの効果を評価するため、まず、試作した液状の導電性緩み止め剤をねじ(M2×4.5)にディッピング塗布し、25℃の環境で24時間放置して乾燥させ、ねじの溝部の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成させた。次に、このねじを、対応するナットのねじ穴にトルク17.8N・cmで絞め付け、25℃の環境で72時間放置した。その後、トルクアナライザを使用して締め付けたねじの緩め仕事量を測定したところ、14500という良好な結果が得られた。
また、導電性緩み止め剤組成物の導電性を評価するため、試作した液状の導電性緩み止め剤をスライドグラスに膜厚90μm、幅1.3mmで塗布し、乾燥させた後、テスターを用い電気抵抗を測定し、各塗膜の電気抵抗率(体積固有抵抗率)を求めたところ、0.40Ωmという良好な結果が得られた。
固着タイプの液状の導電性緩み止め剤を試作し、これをねじ等に塗布し乾燥させることによって形成された導電性緩み止め剤組成物の被膜の評価を行った。
実施例3では、導電性を有する充填剤として、平均粒径が5μm、カサ比重が0.3g/cm、電気抵抗率が0.06Ωmの黒鉛粉末を選択した。マイクロカプセルにはビスフェノールA型エポキシ樹脂を内包させ、エポキシ樹脂用硬化剤はイミダゾール硬化剤を使用した。バインダ樹脂はシリコーン樹脂を使用し、着色剤の添加は行わなかった。液状の導電性緩み止め剤は、揮発性有機溶剤に上記の非揮発成分(充填剤、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル、エポキシ樹脂用硬化剤、バインダ樹脂、着色剤)を混合し溶解させることにより作製した。揮発性有機溶剤はトルエン及びIPAを使用した。
非揮発成分中の黒鉛粉末の含有比は、0〜65wt%の範囲で変化させた。具体的には、試料を作製する際、エポキシ樹脂含有マイクロカプセルを8g、エポキシ樹脂用硬化剤を3g、バインダ樹脂を0.5gとし、ここに混合する黒鉛粉末を0〜25.1gの範囲で変化させた。また、黒鉛の含有比が大きくなると、液状の導電性緩み止め剤としての液粘度が高くなり、ねじの表面に円滑に塗布できなくなるので、液粘度が良好な値(40〜50mPa・s)に保持されるように、揮発性有機溶剤の混合比を調節した。
導電性緩み止め剤組成物による緩み止めの効果を評価するため、まず、試作した液状の導電性緩み止め剤をねじ(M4×10)にディッピング塗布し、25℃の環境で24時間放置して乾燥させ、ねじの溝部の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成させた。次に、このねじを、対応するナットのねじ穴にトルク150N・cmで絞め付け、25℃の環境で72時間放置した。その後、トルクアナライザを使用して、締め付けたねじの戻しトルクを測定した。
また、導電性緩み止め剤組成物の導電性を評価するため、試作した液状の導電性緩み止め剤をスライドグラスに膜厚80μm、幅1.3cmで塗布し、乾燥させた後、テスターを用いて電気抵抗を測定し、各塗膜の電気抵抗率(体積固有抵抗率)を求めた。表2はこの評価結果をまとめたものであり、試作B3,B4,B5が本発明の実施例で、試作B1,B2,B6,B7は比較例である。
Figure 0006267137
表2から分かるように、黒鉛の含有比が16wt%以下では、戻しトルク値は高いが、電気抵抗率が非常に高いので導電性があるとは言えない。一方、黒鉛の含有比が65wt%では、電気抵抗率は非常に低いが、戻しトルク値については、導電性緩み止め剤を設けない場合から若干の上昇しかみられず、緩み止め効果は小さい。含有比60wt%でも十分ではない。よって、黒鉛の含有比は20〜55wt%が実用的な範囲であると言える。また、この範囲内であれば、緩み止め効果を重視する場合は黒鉛の含有比を小さくし、導電性を重視する場合は黒鉛の含有比を大きくし、使用条件に応じて使い分けることも可能である。
また、表2から分かるように、液状の導電性緩み止め剤の塗布が良好に行えるようにするため、非揮発成分と揮発性有機溶剤の混合比は、質量比で20:80〜45:55にするのが好ましい。
なお、表2に記載していないが、表2の黒鉛に代えてカーボンブラック粉末(平均粒径0.042μm、カサ比重0.1g/cm、含有比7wt%)を使用した試作も行った。しかし、カーボンブラック粉末はカサ比重が非常に小さいため、含有比7wt%でも液状の導電性緩み止め剤が高粘度化し、ねじ等への塗布を円滑に行うことができなかった。また、乾燥させた後、導電性緩み止め剤組成物の被膜の評価を行ったところ、戻しトルク値は143N・cm、電気抵抗率は5.1×105Ωmという結果となり、実用的な導電性が得られなかった。カーボンブラック粉末は、液状の導電性緩み止め剤中への分散性が悪いため、溶液内で凝集が発生し、乾燥後の塗膜にムラが生じ、導電パスの形成が良好に行われず、電気抵抗率が高くなったものと考えられる。
表2の液状の導電性緩み止め剤「試作B5」を使用し、高温域における導電性緩み止め剤組成物の緩み止め効果の評価を行った。まず、15個のねじ(M4×10)を用意し、それぞれに液状の導電性緩み止め剤「試作B5」を塗布し、25℃の環境で24時間放置して乾燥させ、ねじの溝部の表面に導電性緩み止め剤組成物の被膜を形成させた後、各ねじを対応するナットのねじ穴にトルク150N・cmで絞め付けた。次に、熱処理のため、締め付けたねじを3個ずつに分け、それぞれ25〜150℃の範囲の異なる温度で72時間放置した。その後、トルクアナライザを使用して、締め付けたねじの戻しトルクを測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006267137
表3から分かるように、常温25℃と比べて、120〜150℃の高温域においても戻しトルクの低下はみられなかった。
10,22 導電性緩み止め剤組成物
12 ねじ(緊締具)

Claims (8)

  1. 緊締具の固定に使用される導電性緩み止め剤組成物において、
    黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛のうち少なくとも1つ以上の導電性粉末を充填剤として含有し、前記充填剤の平均粒径が0.2〜10μm、カサ比重が0.2〜0.8g/cmであり、非揮発成分として、バインダ樹脂であるシリコーン樹脂40〜80wt%、前記充填剤20〜60wt%を含有していることを特徴とする導電性緩み止め剤組成物。
  2. 非揮発成分として、着色剤が0.5〜2wt%添加されている請求項記載の導電性緩み止め剤組成物。
  3. 緊締具の固定に使用される導電性緩み止め剤組成物において、
    黒鉛、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛のうち少なくとも1つ以上の導電性粉末を充填剤として含有し、前記充填剤の平均粒径が0.2〜10μm、カサ比重が0.2〜0.8g/cm であり、非揮発成分として、エポキシ樹脂含有マイクロカプセル15〜30wt%、エポキシ樹脂用硬化剤15〜25wt%、前記充填剤40〜60wt%、及び前記マイクロカプセル内の前記エポキシ樹脂以外のバインダ樹脂1〜10wt%を含有することを特徴とする導電性緩み止め剤組成物。
  4. 前記バインダ樹脂が、シリコーン樹脂である請求項記載の導電性緩み止め剤組成物。
  5. 前記非揮発成分として、着色剤が0.5〜2wt%添加されている請求項3又は4記載の導電性緩み止め剤組成物。
  6. 請求項1又は2記載の非揮発成分に、揮発性有機溶剤が混合され、その混合比が、質量比で30:70〜46:54の範囲であることを特徴とする導電性緩み止め剤。
  7. 請求項3又は5記載の非揮発成分に揮発性有機溶剤が混合され、その混合比は、質量比で20:80〜45:55の範囲であることを特徴とする導電性緩み止め剤。
  8. 請求項1乃至のいずれか記載の導電性緩み止め剤組成物が表面に塗布されて成ることを特徴とする緊締具。
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