JP6265078B2 - 回転電機の回転子ならびに回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機とその回転子に関する。本発明は、例えば車載用オルタネータやその回転子などのように、回転電機に内蔵された冷却ファンのベースプレートがエンドプレートとして回転子コア(磁極鉄心)の端面に接合されている回転子と、この回転子を備えた回転電機にも適用することができる。
回転電機においては、回転子の軸長方向両端面のうち少なくとも一方にエンドプレートが接合されているものがある。それらのうち最も頻繁に見られるものは、回転子の軸長方向に沿ったコアの両端面に固定して回転子と一緒に回転させる一対の冷却ファンのベースプレートを、それぞれエンドプレートとしているものである。冷却ファンのベースプレートをエンドプレートとして回転子コアの端面に接合する方法としては、電気抵抗溶接の一種であるプロジェクション溶接が多用されている。
回転電機がオルタネータなどでありランデル型の回転子コアを採用した場合には、出力性能向上を目的として回転子コアの爪状磁極に永久磁石を組み込むことができる。この構成をもつ回転子の製造過程で、一対の冷却ファンのプロジェクション溶接にあたってコアの両端に大電流を流してしまうと、上記永久磁石にも電流が流れて電磁的な副作用を受け、これらの永久磁石の磁力が落ちてしまうという不都合が生じる。コスト低減などのために永久磁石の配設個所を両爪状磁極間の全てではなく一部だけにすると、減数された永久磁石に溶接時の電流が集中してしまい、上記不都合がいっそう大きくなる。
このような不都合に対し、回転子の一方の端面に接合される冷却ファンのベースプレートに一方の電極を当て、ベースプレートの外側または内側に外れた部分で回転子に直接、他方の電極を当てて電気抵抗溶接する発明が、特許文献1に開示されている。同文献に開示された電気抵抗溶接技術によれば、電気抵抗溶接時にも溶接電流の流路は大半が回転子の当該端部付近に集中し、ランデル型回転子の爪状磁極の間に挿置された永久磁石にはほとんど電流が流れない。それゆえ、永久磁石の磁力をほとんど劣化させることなく、冷却ファンのベースプレートを回転子の端部に電気抵抗溶接することができると、同文献にはその効果が記載されている。
国際公開第2005/072902号
しかしながら、前述の背景技術ではあくまで電気抵抗溶接による接合をしているから、永久磁石で性能向上を狙ったランデル型回転子では、全く永久磁石に通電しないという訳ではなく、また溶接電流の周囲に発生する磁界が永久磁石へ悪影響を及ぼす可能性もある。また、複数のトランスを併用しないといけないなど、第一の電極と第二の電極とを保持する設備(電極保持設備)が大がかりになる。さらに、大きさの異なった回転子については、異なる大きさの電極保持設備を用意する必要があり、多品種の生産に向いているとは言えない。
そこで、電気抵抗溶接の一種であるプロジェクション溶接に代え、レーザ溶接を導入することが考えられる。ところが、レーザ溶接では回転子のコア(磁極鉄心)に通電されないから永久磁石の劣化が全く起こらなくなるが、プロジェクション溶接ではあまり問題にならなかった不都合が新たに浮上してくる。すなわち、レーザ溶接時に加熱昇温した接合界面でガスが生じ、このガスによる溶接不良が起こり溶接強度の低下につながりかねない。そこで、このような溶接不良をいかに防ぐかという課題が新たに生じる。
ここで、レーザ溶接時の加熱昇温により生じるガスの発生源には、大きく分けて次の二通りがある。
先ず、回転子の端面に溶接される冷却ファンにはプレス鋼板が使われることが多いが、その場合には防錆処理として亜鉛などのメッキが施されているのが普通である。この亜鉛メッキがレーザ溶接の際に溶融沸騰してガスが生じる結果、溶接部にボイドが残ってしまい溶接強度の低下につながりかねない。
次に、冷却ファンのプレス加工時に使用した加工油や潤滑剤などの添加成分が残っていたり、保管中の防錆のために防錆油がかかっていたりして、冷却ファンの被溶接面が油分などで汚染されている場合が少なからずある。それゆえ、たとえステンレス鋼などで冷却ファンができており、メッキ加工がなされていない場合であっても、油分などの汚染が残っているとレーザ溶接時にガスが生じ、ブローホールの元になって接合欠陥の原因になりかねない。接合界面の油分等の除去工程を設けて部品を清浄化してからレーザ溶接に臨んでも、まだ汚染が残っていたり新たに何らかの汚染を受けたりすることがあり、このような汚染が元で接合欠陥が生じると接合強度の低下につながる。
このような不都合が生じる可能性は、冷却ファンに限ってのことではなく、回転電機に用いる回転子の軸長方向両端面のうちいずれかに板状の金属部材(エンドプレートと呼ぶ)を従来技術でレーザ溶接する場合には避けて通れないものであった。
そこで本発明は、エンドプレートが回転子端面にレーザ溶接されていながら、溶接時のガス発生に起因する溶接強度低下が回避されている回転電機の回転子を提供することを、解決すべき課題とする。併せて、この回転子を備えた回転電機を提供することをも解決すべき課題とする。
上記課題を解決するための本願発明の構成とその構成がもたらす作用効果とについて、本項では簡潔に説明する。
本発明は、回転電機(100)のシャフト(10)と、このシャフト周りに固定されたコア(1)と、このコアの軸長方向両端面(11,12)のうち少なくとも一方の端面に固定されたエンドプレート(31,32,33)とを有する回転電機(100)と、当該回転電機の回転子(20)とである。本発明の特徴は、前記回転子の前記エンドプレートが、鋼板を曲成して形成され、レーザ溶接によって前記コアの前記端面に接合されている、前記端面に沿って線状にのびる溶接部(W)を複数個所にもつことと、このエンドプレートが、前記コアの前記端面と当接する面部分と、前記コアの前記端面との間に所定距離の空隙(G)を介して配される部分と、を備え、このレーザ溶接に際してこのエンドプレートとこのコアとの間に生じるガスを逃がすガス逃がし手段(4〜7)をもつことと、このガス逃がし手段が、前記レーザ溶接時に前記ガスを前記空隙から逃がす開放部(OP)を有することと、このガス逃がし手段が、前記エンドプレートに前記空隙の深さを持ち前記コアの半径線に沿ってのびる1方向あるいは両方向の端部に前記開放部を有する溝(4,4A)と、前記エンドプレートを貫通して形成された前記開放部となる肉抜き孔(7)をもつ浮き上がり部(71)と、のうち少なくとも一つであることと、各溶接部が、レーザ溶接による凝固物が前記コアの前記端面と前記空隙を介して配される部分とをつなぐように形成され、かつ線状の両側面が前記空隙に面している状態であること、である。

このようなガス逃がし手段をもっていれば、レーザ溶接の際にこのエンドプレートとこのコアとの間に生じたガスをこれらの溶接部に貯留することなく逃がすことができる。それゆえ、レーザ溶接の際にガスが発生していても、そのガスによるボイドやブローホールなどによる溶接不良が生じがたくなり、溶接部の信頼性が上がって強度低下が防止されるという効果がある。
ここで、前記ガス逃がし手段は、前記端面と前記エンドプレートとの間に形成された所定距離の空隙(G)を形成する手段であり、この空隙は、前記ガスを前記端面と前記エンドプレートとの間から逃がす開放部(OP)を前記レーザ溶接時には形成していたものとするとより好ましい。
この空隙を適正に保つことにより、溶接時に生じるガスはこの空隙を通って前記開放部から開放され、接合界面に残ることがなくなる。そして、この空隙の適正な範囲についてはレーザ溶接の条件によっていくらか異なるが、何回かの溶接試験によって容易に定めることができるので実用的である。
実施例1での回転電機(車載用オルタネータ)の構成を示す半断面図 実施例1としての回転電機の回転子の全体構成を示す断面図 実施例1で鉄心の爪状磁極間に保持された永久磁石を示す部分斜視図 実施例1で回転子後端面に溶接された冷却ファンの一部を示す拡大図 実施例1で冷却ファンのレーザ溶接部の構成を示す要部拡大図 図5中のVI−VI断面を拡大して示す部分端面図 実施例2で冷却ファンのレーザ溶接部の構成を示す要部拡大図 図7中のVIII−VIII断面を拡大して示す部分端面図 実施例3で冷却ファンのレーザ溶接部の構成を示す要部拡大図 図9中のX−X断面を拡大して示す部分端面図
本発明の「回転電機の回転子」がもつ実施形態については、当業者に本発明を実施できるだけの理解が得られるよう以下の記載で明確かつ十分に説明する。なお、本発明の出願時点では、以下の実施例ないしその変形態様のうちに最良の実施形態が開示されているものと、発明者は考えている。
(構成)
本発明の実施例1たる回転電機100の回転子20は、図1に半断面図で示すように、車載用オルタネータの一部であり、回転電機100は、大きく分けて固定子30と固定子30に回転可能に内蔵された回転子20とからなる。
本実施例の回転子20は、図2に示すように、回転電機100(図1参照)のシャフト10と、シャフト10周りに固定されたコア1(磁極鉄心)と、コア1の軸長方向両端面11,12にそれぞれレーザ溶接された冷却ファン13,14とを有する。
回転子20のコア1はランデル型であって、互いに逆極性の磁極を形成する前後のコア21,22(図2参照)の各爪状磁極21C,22Cの間には、磁束の漏洩を減殺する方向に磁極をもつ強力な永久磁石Mがそれぞれ保持されている。すなわち図3に示すように、各永久磁石Mは、概略コの字型断面をしたチャンネル材である磁石ホルダH内にそれぞれ装着され、通電時には互いに逆の磁極を形成する各爪状磁極21C,22Cの間に強固に保持されている。磁石ホルダHは、非磁性のステンレス鋼からなる。
冷却ファン13,14は、いずれも亜鉛メッキを施されたプレス鋼板製の一体部材である。回転子20の後端部を軸長方向に沿って後方から見ると、図4に示すように、コア1の後端面12に対し、後部の冷却ファン14のベースプレート31は、中央部に直線部WLをもつ略C字状の溶接部Wをもって固定されている。
前部の冷却ファン13(図2参照)のベースプレートも、ほぼ同様にしてコア1の前端面11に溶接固定されている。よって、以後はコア1の後端面12に対する冷却ファン14の溶接固定手段の説明をもって、コア1の前端面11に対する冷却ファン13の溶接固定手段の説明に代える。
ここで、コア1の後端面12に対して溶接された冷却ファン14のベースプレート31(実施例2および実施例3でのベースプレート32,33についても同様)は、コア1の一端面にレーザ溶接によって固定されたエンドプレートとして扱うことができる。それゆえ、レーザ溶接に関する本発明は、冷却ファンのベースプレート以外についても、板金からなるエンドプレートがコア1の端面に溶接固定される構成をもつものであればかなり広い範囲にわたって適用が可能である。
再び図4に示すように、冷却ファン14のベースプレート31は、レーザ溶接によってコア1の後端面12に接合されている溶接部Wをファンブレード16と同数の複数個所にもっている。そして、図5および図6に示すように、冷却ファン14のベースプレート31は、回転子20の製造過程の一部工程であるレーザ溶接に際し、ベースプレート31とコア1との間に生じるガスを逃がすガス逃がし手段として、接合界面に形成された溝4をもっている。
すなわち図5に示すように、ベースプレート31の各ファンブレード16に連接している部分には、軸心から遠心方向へおおむね半径線に沿って直線状に延在する溝4が形成されている。溝4は、軸心側の一端では閉じているが、遠心側の他端ではベースプレート31の外周縁でそのまま開口して開放部OPを形成している。
溶接部Wは、溝4の中心線に重ねて形成された直線部WLと、直線部WLの両端で半周程度の円弧を描いている一対の曲がり端部WCとからなる。製造過程のレーザ溶接時には、軸心に近い方を溶接の始端WSとし、軸心側の曲がり端部WCから溝4の中心線上をなぞるように遠心側へ向かって直線部WLを溶接し、最後に遠心側の曲がり端部WCを溶接して終端WEに至る。このように、溝4のうち開放部OPから遠い方から開放部OPに近い方へと連続的に溶接していくようにしている。こうすることにより、溶接部Wの直線部WL自体により開放部OPへの流路が閉止されることがなくなり、溶接時の高温で接合界面に生じたガスが、効率よく溝4を通じて開放部OPから排出されるに至る。
図6に示すように、溝4の部分では、コア1の後端面12から所定距離の空隙Gを形成している。この空隙Gの所定距離は、レーザ溶接工程での各種条件によって適正範囲が異なるが、ある程度の経験を積めば数回ほどの試験で定めることができる。
(作用効果)
本実施例の回転電機100の回転子20は、以上のように構成されているので、次のように作用する。
前述のように、開放部OPを一端にもつ溝4が、冷却ファン14のベースプレート31に形成されており、製造工程でのレーザ溶接時に接合界面で発生するガス逃がし手段として作用する。それゆえ、レーザ溶接の際にガスが発生しても、そのガスによるボイドやブローホールなどによる溶接不良が生じがたくなっており、溶接部Wの信頼性が上がって強度低下が防止されているという効果がある。
なお、溶接部Wの両端部に曲がり端部WCを設けてあるので、回転子20の回転に伴う遠心力によって冷却ファン14のベースプレート31に生じる応力集中が避けられる構成になっており、溶接部Wの信頼性はいっそう向上している。
(変形態様1)
本実施例の変形態様1として、同じく図5中に(4A)として二本の破線で示す溝を形成して、この溝4Aの一端から他端までレーザ溶接してある構成の回転子20も実施可能である。この構成であれば、溝4Aの両端が開放部OPになっているので、どちらから溶接を始めても終端までもっていけば、実施例1と同様にガス逃がし手段として溝4Aが作用し、溶接強度の低下が防止されるという効果が同様に得られる。
さらに、本変形態様ではファンブレード16の根元に近いところに沿って溝4Aが形成されており、溝4Aの中心線に沿って溶接されているので、ファンブレード16にかかる曲げモーメントをより直接的にコア1に伝達できる。その結果、高速回転時にもファンブレード16の変形を低減させられるという効果もある。
(変形態様2)
本実施例の変形態様2として、図5において溶接部Wから両端の曲がり端部WCを省略し、直線部WLを溝4のほぼ全長にかけて延在させる構成の回転子20も実施可能である。望ましくは、溝4の軸心に近い閉鎖端部から少し間隔を空けた位置からレーザ溶接を始めてガス逃がし手段の作用をより確実に発揮させ、開放部OPに至るまで溶接すればよい。なお、開放部OP付近に応力集中が認められれば、開放部OPで溶接部Wを回転周方向に少し振って拡げてもよい。
本変形態様によっても、実施例1と同様の効果が得られる。
(変形態様3)
実施例1およびその変形態様1,2では、プレス加工で溝4の形成が容易であることもあり、冷却ファン14のベースプレート31に溝4を設けたが、逆にコア1の端面に相応の溝を形成した構成も可能である。このような構成の変形態様3でも、実施例1およびその変形態様1,2に相当する効果を得ることができる。
(構成)
本発明の実施例2たる回転電機100の回転子20は、冷却ファン14のベースプレート32の形状と、ベースプレート32の上からレーザ溶接された溶接部Wの形状とが実施例1と大きく異なる。前方の冷却ファン13についても同様である。一方、その他の部分は実施例1と同様の構成である。
図7に示すように、冷却ファン14のベースプレート32は、接合界面に対し所定高さで突出して形成されている複数の突条5およびその三倍の数の突起6を、レーザ溶接時のガス逃がし手段として有する。すなわち、ベースプレート32は、冷却ファン14のファンブレード16一枚あたりについて、ファンブレード16の根元近くに沿って形成された突条5が一本と、周方向の反対側に沿ってほぼ等間隔に形成された突起6三つとを、ガス逃がし手段として有する。
すると図8に示すように、溶接相手であるコア1の後端面12とベースプレート32との間には、突条5および突起6の所定高さに等しいだけの所定距離の空隙Gが、ベースプレート32のうち突条5および突起6を除いた部分に形成される。空隙Gの開放部OPは、突条5のある一辺を除き三方に広く形成されている。
溶接部Wは、自らガスの逃げ口を塞いでしまわないようにすれば、かなり自由に空隙Gのある広い部分の中で取ることができる。図6に例示したように、始端部WSから応力集中を防ぐ曲がり端部WCを経て直線部、曲がり部、また直線部、曲がり部、そして直線部を開放部OPまで延ばして終端部WEとしてもよい。終端部WEを開放部OPに出さずに突起6の周囲を半周して曲がり端部WCで溶接を終えてもよい。あるいは、全体をS字状にしてもよい。
(作用効果)
本実施例は、以上のように構成されているので、以下のような作用効果を発揮する。
すなわち、実施例1と同様に溶接強度の低下が防止されて信頼性が向上するばかりではなく、ベースプレート32の面内で溶接部Wの配置や長さの設計自由度が高くなり、より理想的な溶接部Wの設計をすることが可能になるという効果がある。
(変形態様1)
溶接部Wだけではなく、突条5および突起6の配置や形状、数についても設計の自由度が高くなり、前述の実施例2とは異なって二本乃至三本の突条だけ、曲がった突条だけ、あるいは十分な数の突起だけといった構成の変形態様も可能である。設計の自由度が増す分だけ、より高い要求にも応えられる可能性が生じる。
(構成)
本発明の実施例3では、実施例2の冒頭に述べたように、前後の冷却ファン13,14のベースプレート33および溶接部Wの形状が前述の実施例等と異なり、その他の部分は実施例1と同様の構成である。
すなわち図9および図10に示すように、冷却ファン14は、ベースプレート33を貫通して形成された複数の肉抜き孔7の内周縁に沿って形成された所定幅で所定高さの浮き上がり部71を、ガス逃がし手段として有する。肉抜き孔7の数は冷却ファン14のファンブレード16の数と同じであり、ファンブレード16一枚につき一つの肉抜き孔7がベースプレート33に形成されている。
図9に示すように、本実施例での肉抜き孔7は円形をしており、肉抜き孔7の内周縁に沿って所定幅で所定高さの浮き上がり部71を含めて、同心円状に形成されている。溶接部Wは、浮き上がり部の幅の中間部を通るように形成されているが、完全に一周して閉じることはせずに溶接部Wの始端部WSと終端部WEとの間に隙間Cを残している。すなわち溶接部Wは、ベースプレート33に対し鉛直に見て略C字状をしている。これは、レーザ溶接時に発生するガスを隙間Cから開放部OPに導くためである。なお、隙間Cをどこに開口させておくかは、応力集中が生じにくいところなどの条件に鑑みて適切に設定すればよい。
図10に示すように、溶接部Wは、浮き上がり部の幅の中間部を通るように形成されており、浮き上がり部71が所定高さになっていて接合界面に適正な所定の空隙Gが形成されている。溶接部Wの溶接進行方向に沿って内周側では、開放部OPが貫通孔70に広く開口しており、ガス逃がし手段としてはたいへん優れている。逆に、溶接部Wの外周側では浮き上がり部71が所定の高さに達するまでの間にわずかな隙間があるだけに見えるが、溶接時にレーザ照射部の進行方向前方では空隙Gがそのまま開放部OPに通じているから、ガス逃がし手段の作用は十分に確保できている。
(作用効果)
本実施例によっても、製造過程でレーザ溶接の際にガスが発生しても効率よく接合界面から逃がすことができるので、溶接不良が起きにくく溶接強度の低下は防止されている。また、図9に示すように溶接部をコンパクトにすることにより、回転子コアの爪状磁極間に永久磁石を配置した構造では、永久磁石と溶接部とを離間させることにより、レーザ溶接の熱を永久磁石に到達しにくくできるので、永久磁石の温度による磁力低下を防止する効果もある。さらに、肉抜き孔7の貫通孔70の分だけ冷却ファン14の慣性モーメントが減り、回転電機100の回転子20の慣性モーメントも減るので、本実施例のように回転電機100が車載用のオルタネータであれば、わずかながらエンジンの応答性がよくなるという効果も見込める。
(変形態様1)
本実施例では肉抜き孔7は円形としたが、円形以外の形状をもつ肉抜き孔であってもよい。例えば、肉抜き孔の形状は、長円形や楕円形の他に、角を丸めた矩形や多角形などであってもよい。また、本実施例ではファンブレード16一枚に付き肉抜き孔を一つとしたが、複数の肉抜き孔があってもよい。
このような変形態様によれば、肉抜き孔について設計の自由度が増えるので、溶接部Wの長さを短縮して製造時の工数を低減したり、逆に溶接部Wを増して溶接強度を増したり、肉抜きによる慣性モーメントの低減効果をより大きくしたりすることができる。
100:回転電機(実施例では車載用のオルタネータ) 30:固定子
20:回転子 10:シャフト M:永久磁石 H:磁石ホルダ
1:コア(永久磁石組み込みランデル型磁極鉄心) 11,12:前端面、後端面
13,14:冷却ファン 15,16:ファンブレード
31〜33:冷却ファンのベースプレート(エンドプレートとして)
4〜7:各種のガス逃がし手段 G:所定の空隙 OP:開放部
4,4A:所定深さの溝 5:所定高さの突条 6:所定高さの突起
7:肉抜き孔 70:貫通孔 71:浮き上がり部
W:溶接部 WC:曲がった溶接端部 WS,WE:始端部、終端部
C:溶接部間の隙間

Claims (7)

  1. 回転電機(100)のシャフト(10)と、
    このシャフト周りに固定されたコア(1)と、
    このコアの軸長方向両端面(11,12)のうち少なくとも一方の端面に固定されたエンドプレート(31,32,33)と、
    を有する回転電機の回転子(20)において、
    前記エンドプレートは、鋼板を曲成して形成され、レーザ溶接によって前記コアの前記端面に接合されている、前記端面に沿って線状にのびる溶接部(W)を複数個所にもち、
    このエンドプレートは、前記コアの前記端面と当接する面部分と、前記コアの前記端面との間に所定距離の空隙(G)を介して配される部分と、を備え、このレーザ溶接に際してこのエンドプレートとこのコアとの間に生じるガスを逃がすガス逃がし手段(4,4A,5,6,71)をもち、
    前記ガス逃がし手段は、前記レーザ溶接時に前記ガスを前記空隙から逃がす開放部(OP)を有する、
    前記エンドプレートに前記空隙の深さを持ち前記コアの半径線に沿ってのびる1方向あるいは両方向の端部に前記開放部を有する溝(4,4A)と、前記エンドプレートを貫通して形成された前記開放部となる肉抜き孔(7)をもつ浮き上がり部(71)と、のうち少なくとも一つであり、
    各前記溶接部は、レーザ溶接による凝固物が前記コアの前記端面と前記空隙を介して配される部分とをつなぐように形成され、かつ線状の両側面が前記空隙に面している状態であることを特徴とする、
    回転電機の回転子。
  2. 前記ガス逃がし手段は、前記溝であり、
    前記エンドプレート(33)に対し鉛直に見たときの各前記溶接部の全長のうち少なくとも一部は、前記溝に重なった位置で、前記溝に沿って延びて形成されている、
    請求項1に記載された回転電機の回転子。
  3. 各前記溶接部の両端部のうち少なくとも一方は曲がった形状の端部(WC)をもつ、
    請求項2に記載された回転電機の回転子。
  4. 前記ガス逃がし手段として少なくとも前記肉抜き孔の前記浮き上がり部をもち、
    前記肉抜き孔とそれぞれの前記浮き上がり部とは互いに同心円状に形成されており、
    各前記浮き上がり部の各前記溶接部は各前記浮き上がり部の幅の中間部に位置し、各前記溶接部の始端部(WS)と終端部(WE)との間には隙間(C)が形成されている、
    請求項1に記載された回転電機の回転子。
  5. 前記溶接部は、前記エンドプレート(33)に対し鉛直に見て略C字状をしている、
    請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載された回転電機の回転子。
  6. 前記コアは複数の爪状磁極をもち、前記爪状磁極の間に永久磁石が配置されている、
    請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載された回転電機の回転子。
  7. 請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載された回転子を備えた回転電機。
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