JP6264058B2 - シリコンの溶解方法及びその装置並びに該装置を備えたシリコン単結晶製造装置 - Google Patents

シリコンの溶解方法及びその装置並びに該装置を備えたシリコン単結晶製造装置 Download PDF

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Description

本発明はシリコンの溶解方法及びその装置に関する。更に詳しくは、シリコン原料を誘導加熱によって溶融させる方法及び装置に関する。また、本発明はこのシリコン溶解装置を備えたシリコン単結晶製造装置に関する。
従来、シリコン原料を収容するルツボ内に棒状のカーボン発熱体を挿入し、この発熱体を高周波加熱して、上記シリコン原料を予備加熱するシリコンの急速溶解方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、不純物の混入がなく、急速にシリコンを加熱することができる。しかしながら、このカーボン発熱体は、棒状であるため誘導コイルとカーボン発熱体との距離が遠くなり、その結果、十分な予備加熱ができず、また棒状のカーボン発熱体をルツボ内に挿入する必要があるため、その分シリコン原料のチャージ量が減少し、更にシリコン原料とカーボン発熱体との接触を避けるために、カーボン発熱体をシリカ製容器に収容する必要があり、構造が複雑となる等の問題があった。
上記問題を解決したシリコンの溶解方法として、本出願人は、筒状の予備加熱機構によってシリコン原料を取り囲んだ状態で誘導コイルに交流電流を流すことにより、シリコン原料を輻射により予備加熱した後、この予備加熱機構を上記シリコン原料の周囲から取り外した状態で誘導コイルに交流電流を流すことにより、予備加熱されたシリコン原料を誘導加熱するシリコンの溶解方法を提案した(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、予備加熱時に誘導コイルに流す交流電流の周波数を好ましくは100kHz以上200kHzにし、予備加熱されたシリコン原料を誘導加熱するときの誘導コイルに流す交流電流の周波数を好ましくは100kHz以上2MHz未満とし、更に好ましくは100kHz以上300kHz未満としている。また予備加熱機構を取り外すときの温度について700℃以上800℃以下の範囲に設定することが好ましいとしている。そしてこの方法によれば、第一にシリコン原料を誘導加熱する前に効率よく予備加熱を行うことが可能となり、第二に誘導コイルが放電を起こす危険性も少ないため、放電の発生による電源装置などの停止などもほとんど無く、作業効率を高めることも可能となり、第三に交流電流の周波数を100kHz以上300kHz未満とすることで、シリコン原料に浸透する電流の深さを最適にして、より効率よくシリコン原料を完全に溶解させるようにしている。
特開平11−130581号公報(請求項3、段落[0014]、[0026]〜[0028]、図1) 特開2010−150100号公報(請求項1、段落[0012]、[0013]、[0027]、[0029]、図1、図2)
上記特許文献2において、個々のチップ原料の最大長が2mm以上100mm未満のシリコン原料を高周波による直接加熱で溶解させるためには、予備加熱時に誘導コイルに流す交流電流の周波数を100kHz以上にすることが好ましく、予備加熱機構を取り外すときの温度(直接加熱開始温度)を700℃以上800℃以下の範囲に設定して直接加熱時の誘導コイルに流す交流電流の周波数を100kHz以上にすることが好ましかった。100kHz以上にするのはシリコン原料の表皮に高周波を集中的に付加させてシリコン原料を発熱させ溶解させるためであった。周波数が100kHz未満ではシリコン原料を溶解するために十分な発熱量が得られず、直接加熱によりシリコン原料を完全に溶解させるには不十分であった。その一方、予備加熱時及び直接加熱時において誘導コイルに流す交流電流の周波数を100kHz以上にした場合、加熱雰囲気を500Torr以下の減圧下で実施すると、加熱効率は良いものの、予備加熱中及び直接加熱中における高周波ノイズの発生頻度が高く、シリコンの溶解を停止せざるを得ない状況が頻繁に発生するという問題があった。即ち、誘導コイルに流す周波数の下限値を100kHzに設定した場合でも、減圧下で加熱したときには、この周波数において、依然として高周波のノイズが発生し、このノイズが単結晶育成炉を制御する精密機器に影響を与えて、その制御を乱し、高品質の単結晶を育成することを阻害していた。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、シリコン原料への直接加熱を開始する温度、即ち予備加熱機構をシリコン原料の周囲から取り外し始める温度を800℃を超える温度にすれば、誘導コイルに流す交流電流の周波数を100kHz未満に下げても、効率よくシリコン原料を完全に溶解することができ、かつ高周波ノイズの発生頻度をより一層低減することができるという知見を得て、本発明に到達した。
本発明の目的は、シリコン原料を完全に効率よく溶解でき、かつ高周波ノイズの発生頻度をより一層低減できるシリコンの溶解方法及びその装置を提供することにある。本発明の別の目的は、この溶解装置を用いてシリコン単結晶を連続的に引き上げることができるシリコン単結晶製造装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、筒状の予備加熱機構によってシリコン原料を収容する溶解容器の外周を取り囲んだ状態で誘導コイルに交流電流を流すことにより、前記シリコン原料を予備加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱によって前記シリコン原料が所定の温度に達した後に前記予備加熱機構を前記シリコン原料の周囲から取り外した状態で前記誘導コイルに交流電流を流すことにより、予備加熱された前記シリコン原料を誘導加熱する誘導加熱工程とを備えたシリコンの溶解方法の改良である。その特徴ある点は、予備加熱時に予備加熱機構を介してシリコン原料を加熱するとき及び予備加熱されたシリコン原料を誘導加熱するときの前記誘導コイルに流す交流電流の周波数をそれぞれ10kHz以上80kHz以下に設定し、前記所定の温度については1000℃以上1200℃以下の温度に設定することにある。
本発明の第の観点は、シリコン原料を収容する溶解容器と、前記溶解容器を取り囲む筒状の予備加熱機構と、前記予備加熱機構の周囲に巻回された誘導コイルと、前記誘導コイルに交流電流を供給する電源装置と、前記予備加熱機構の着脱を行う着脱機構と、前記シリコン原料の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出出力に基づいて前記着脱機構の着脱を制御する制御回路とを備え、前記電源装置は、前記誘導コイルに10kHz以上80kHz以下の周波数の交流電流を流すように設定され、前記制御回路は、前記温度センサが前記シリコン原料が1000℃以上1200℃以下の所定の温度を検出するまでは前記予備加熱機構を前記溶解容器を取り囲む位置に配置するように前記着脱機構を制御し、かつ前記温度センサが前記所定の温度を検出したときには、前記予備加熱機構を前記溶解容器の周囲から取り外して前記シリコン原料を前記誘導コイルにより直接誘導加熱するように前記着脱機構を制御することを特徴とする。
本発明の第の観点は、石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ機構と、第2の観点のシリコン溶解装置と、前記溶解装置の溶解容器内のシリコン融液を前記石英ルツボに供給する供給機構とを備えたシリコン単結晶製造装置である。
本発明の第の観点は、第の観点に基づく発明であって、前記供給機構は、前記引き上げ機構によるシリコン単結晶の引き上げ中に前記シリコン融液を石英ルツボに連続して追加供給可能に構成されたシリコン単結晶製造装置である。
本発明の第1の観点の溶解方法及び第の観点の溶解装置によれば、直接加熱を開始するときの被加熱体であるシリコン原料の温度を従来の700〜800℃より高い1000℃以上1200℃以下の所定の温度に予備加熱により上昇させることにより、被加熱体(シリコン原料)の抵抗率を大幅に下げることができる。この抵抗率の低下により、従来の100kHz以上よりも低い10kHz以上80kHz以下の周波数であっても、直接加熱時の誘導コイルに流す交流電流の浸透深さを小さくでき、被加熱体(シリコン原料)の表皮に流れる誘導電流の密度を低下させずに、シリコン原料を完全に効率よく溶解することができる。また予備加熱中及び直接加熱中の周波数が10kHz以上80kHz以下の従来より低い周波数であるため、誘導コイルが放電を起こす危険性がより低下し、単結晶育成炉を制御する精密機器に悪影響を及ぼす高周波ノイズの発生頻度をより一層低減することができる。
本発明の第の観点の溶解装置によれば、従来の石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ機構に加えて、第2の観点の溶解装置とこの溶解装置の溶解容器内のシリコン融液を上記石英ルツボに供給する供給機構とを備えることにより、従来の引き上げ機構を連続チャージCZ炉(CCZ炉)にすることができる。
本発明の第の観点の溶解装置によれば、供給機構は、前記引き上げ機構によるシリコン単結晶の引き上げ中に前記シリコン融液を石英ルツボに連続して追加供給可能に構成されるので、シリコン単結晶を連続的に引き上げることが可能になる。
本発明の実施形態によるシリコン溶解装置の構成を示す模式図である。 その溶解装置の着脱機構によって予備加熱機構を取り外した状態を示す図である。 本発明の実施形態によるシリコンの溶解方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態によるシリコン単結晶製造装置の構成を示す模式図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態によるシリコン溶解装置10は、シリコン原料2が収容される溶解容器11と、溶解容器11の周囲に巻回された誘導コイル12と、誘導コイル12に交流電流を供給する電源装置13と、シリコン原料2を予備加熱する予備加熱機構14と、予備加熱機構14の着脱を行う着脱機構15と、シリコン原料2の温度を検出する温度センサ16と、温度センサ16の検出出力に基づいて着脱機構15の着脱を制御する制御回路17を備える。
溶解容器11は、シリコン原料2を収容し、予備加熱機構14による予備加熱及び誘導コイル12による誘導加熱によって溶解したシリコン融液を保持するための容器である。溶解容器11の材料は、耐熱性及び絶縁性を有しシリコン融液との反応性の低い材料であれば特に限定されないが、石英ガラスを用いることが特に好ましい。
誘導コイル12は、溶解容器11に充填されたシリコン原料2又は予備加熱機構14を誘導加熱するためのコイルであり、溶解容器11の周囲に巻回されている。誘導コイル12の一端及び他端は電源装置13に接続されており、電源装置13から交流電流が供給されると誘導加熱を行う。電源装置13は、供給する電力量及び周波数の切り替えが可能に構成されている。本実施の形態では、電源装置13は、誘導コイル12に3kW以上100kW以下の範囲、好ましくは5kW以上40kW以下の範囲の電力量を供給するように設定され、かつ5kHz以上100kHz未満の範囲、好ましくは10kHz以上80kHz未満の範囲の周波数の交流電流を流すように設定される。電力量が上記下限値未満であると原料温度が上昇せず、ポリシリコンが溶解しない不具合があり、上記上限値を超えるとコイル間電圧が高くなり、コイル間で放電が発生しやすい環境が生まれるという不具合がある。周波数が上記下限値未満であると予備加熱機構及びシリコン原料への誘導コイルによる誘導加熱が不十分になり加熱効率が低下する。上記上限値を超えると誘導コイルの放電回数が増え、高周波のノイズの発生頻度が高くなる。
予備加熱機構14は、輻射熱によって溶解容器11に収容されたシリコン原料2を予備加熱するための機構であり、本実施形態では溶解容器11の外周を取り囲む筒状部材によって構成されている。筒状部材の材料としては、耐熱性及び導電性の高い材料を用いる必要があり、カーボン材料又はカーボンと同等の導電性を有する材料が用いられる。本実施形態のように、溶解容器11の外周を取り囲む筒状部材によって予備加熱機構14を構成すれば、シリコン原料2と予備加熱機構14とが直接接しないことから、シリコン原料2に混入する不純物を低減することが可能となる。
予備加熱機構14は、着脱機構15によって溶解容器11から着脱可能に構成されている。図1に示すように、着脱機構15によって予備加熱機構14が装着された状態においては、誘導コイル12とシリコン原料2との間に予備加熱機構14が位置する。このため、この状態で誘導コイル12に交流電流を流すと、予備加熱機構14が誘導加熱され、これによって生じる輻射熱によってシリコン原料2が間接的に加熱される。即ちシリコン原料2が予備加熱される。一方、図2に示すように、着脱機構15によって予備加熱機構14が取り外された状態においては、誘導コイル12とシリコン原料2との間に予備加熱機構14が存在しないことから、この状態で誘導コイル12に交流電流を流すと、シリコン原料2が誘導加熱される。即ち、シリコン原料2が直接加熱される。
温度センサ16は、予備加熱中及び直接加熱中のシリコン原料2の温度を検出する。温度センサとしては、接触温度計の熱電対や、非接触温度計の放射温度計が挙げられる。制御回路17は、温度センサ16の検出出力に基づいて、着脱機構を制御する。具体的には制御回路17は温度センサ16がシリコン原料2が800℃を超えかつ1412℃未満、好ましくは1000℃以上1200℃以下の所定の温度を検出するまでは、予備加熱機構14を溶解容器11を取り囲む位置に配置するように、即ち予備加熱機構14が装着された状態になるように着脱機構15を制御する。また制御回路17は温度センサ16が上記所定の温度を検出したときには、予備加熱機構14を溶解容器11の周囲から取り外してシリコン原料2を誘導コイル12により直接誘導加熱するように着脱機構15を制御する。上記所定の温度の範囲における下限値未満である場合、被加熱体であるシリコン原料の抵抗率を下げて、電流浸透深さを小さくできず、誘導コイルの交流電流の周波数が5kHz以上100kHz未満では、直接加熱でシリコン原料を完全に効率よく溶解することができない。上限値はシリコンの融点に近いため、この温度を超えることはほぼ不可能であるためである。
次に、本実施形態によるシリコン溶解装置10を用いたシリコンの溶解方法について説明する。
図3のフローチャートに示すように、溶解容器11にシリコン原料2を充填する(ステップS1)。充填するシリコン原料2の形状やサイズについては特に限定されないが、後述するステップS5の誘導加熱において効率よく加熱を行うためには、個々のチップ原料の最大長が2mm以上100mm未満であることが好ましい。これは、2mm未満であると誘導電流の浸透深さからチップ原料にパワーが入らず高周波溶解ができないからだからであり、100mm以上であると原料内部に大きな熱応力が生じて割れる可能性があるからである。
シリコン原料2を溶解容器11に充填した後、制御回路17は温度センサ16がシリコン原料2の温度が所定の温度より低いと検出するときには、着脱機構15により予備加熱機構14を装着にする。この状態で、電源装置13は誘導コイル12に3kW以上100kW以下の範囲の電力量を供給し、かつ5kHz以上100kHz未満の範囲の周波数の交流電流を流す。その結果、予備加熱機構14が誘導加熱され、これによって生じる輻射熱によりシリコン原料2が予備加熱される(ステップS2)。予備加熱時における電力量及び周波数は、シリコン原料2の重量によって上記範囲の中から定められる。例えばシリコン原料2の重量が1.5kgであれば、5kW以上40kW以下の範囲に設定することが好ましい。シリコン原料2を誘導加熱する際に必要となる電力量は、周波数が5kHz以上100kHz未満の範囲において低い周波数であるほど少なくなる。また、周波数を高くすると、溶解容器11の上部でブリッジが形成されることがあり、シリコン原料2を上部から連続的に供給する場合にはこれが問題となり得る。これらの点を考慮すれば、シリコン原料2を誘導加熱する際の周波数は10kHz以上80kHz未満とすることが好ましい。
予備加熱によってシリコン原料2が所定の温度に達したことを温度センサ16が検出すると(ステップS3:YES)、制御回路17は着脱機構15を制御して予備加熱機構14を取り外す(ステップS4)。これによりシリコン原料2が直接誘導加熱され、融点まで上昇する(ステップS5)。誘導加熱は、輻射熱による加熱と比べて単位重量に対する溶解速度が非常に速いため、シリコン原料2を効率よく完全に溶解させることが可能となる。
以上のプロセスにより溶解容器11内のシリコン原料2が完全に溶解し、シリコン融液を得ることができる。このように、本実施形態によるシリコンの溶解方法によれば、まず予備加熱機構14からの輻射熱によってシリコン原料2を予備加熱し、これによりシリコン原料2が所定の温度まで加熱されてからシリコン原料2への直接的な誘導加熱を行っていることから、シリコン原料への全体加熱が可能となる。これによりチップ状のシリコン原料が均一に小さくなり、溶解過程で従来発生していた原料ブリッジ(棚吊り)現象を回避することができる。また溶解容器に充填した全てのシリコン原料が完全に溶解するまでに必要な全電力量が小さくなる。これはシリコン原料への全体加熱により原料自体の保温効果により外部への放熱量が小さくなるためで、充填原料の外側のみの局所加熱と比較し、効率よくシリコン融液を生成することができる。また低い周波数にすることにより、誘導コイルの放電の発生頻度を下げることができ、周波数を100kHz未満にすることで従来と比べて発生頻度を50%以下にすることができ、これにより高周波ノイズに起因した溶解装置周囲の精密機器への影響度を下げることができる。
その上、予備加熱機構14が筒状であることから、誘導コイル12と予備加熱機構14との近接させることができる。このため、予備加熱機構14を効率的に誘導加熱することが可能となる。しかも、シリコン原料2が外周側から予備加熱されるため、保温性の高い状態で予備加熱を行うことも可能となる。さらに、本実施形態では、溶解容器11の外周を取り囲むように予備加熱機構14を配置していることから、シリコン原料2と予備加熱機構14とが接することがなく、シリコン原料2の汚染を防止することができる。しかも、予備加熱機構14が溶解容器11の外部に配置されることから、シリコン原料2のチャージ量が減少することもない。
本実施形態によるシリコン溶解装置10は、連続チャージCZ法によるシリコン単結晶の引き上げが可能なシリコン単結晶製造装置に用いることが好適である。
図4は、連続チャージCZ法によるシリコン単結晶の引き上げが可能なシリコン単結晶製造装置20の構成を示す模式図である。
図4に示すシリコン単結晶製造装置20では、シリコン融液4を収容する石英ルツボ21がチャンバ22の内部に設けられている。この石英ルツボ21の外周面および外底面はグラファイトサセプタ23により保持される。グラファイトサセプタ23は鉛直方向に平行な支持軸24の上端に固定され、この支持軸24を介して石英ルツボ21を回転させるとともに、上下方向に移動できるように構成されている。
石英ルツボ21およびグラファイトサセプタ23の外周面はヒータ25により囲繞され、このヒータ25はさらに保温筒26により包囲される。シリコン単結晶の育成における原料溶解の過程では、ヒータ25の加熱により石英ルツボ21内に充填された高純度の多結晶シリコン原料が加熱、溶解されてシリコン融液4になる。
一方、チャンバ22の上端部には引き上げ機構27が設けられる。この引き上げ機構27には石英ルツボ21の回転中心に向かって垂下されたワイヤケーブル28が取り付けられ、ワイヤケーブル28を巻き取りまたは繰り出す引上げ用モータ(図示せず)が配備される。ワイヤケーブル28の下端には種結晶8が取り付けられる。
育成中のシリコン単結晶6を囲繞するように、シリコン単結晶6と保温筒26との間に円筒状の熱遮蔽部材29が設けられる。この熱遮蔽部材29はコーン部29aとフランジ部29bとからなり、このフランジ部29bを保温筒26に取り付けることにより熱遮蔽部材29が所定位置に配置される。
図4に示すシリコン単結晶製造装置20は、上述したシリコン溶解装置10を更に備え、これによって石英ルツボ21へのシリコン融液4を追加供給することが可能になる。シリコン溶解装置10によって生成されたシリコン融液4は、供給機構30を介して石英ルツボ21に供給される。供給機構30は、引き上げ機構27によるシリコン単結晶6の引き上げ中にシリコン融液4を石英ルツボ21に追加供給することができ、これにより、シリコン単結晶6の連続的な引き上げが可能になる。供給機構30は配管を有しており、配管へのシリコン融液4の供給は、溶解容器11の上部に設けた堰の上下動や、溶解容器11の傾転により行うことができる。また、溶解容器11の底部に配管を接続し、密閉したチャンバ22中の雰囲気の圧力を調整することによっても行うことができる。
連続チャージCZ法(CCZ法)においてシリコン融液4を追加供給するためには、シリコン原料2を高速に溶解させる必要があるが、本実施形態によるシリコン溶解装置10を用いることによりこれを実現することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば上記実施形態では、シリコン溶解装置10の用途として、連続チャージCZ法において追加供給するシリコン融液の生成に用いた例を示したが、本発明によるシリコン溶解装置の用途がこれに限定されるものではない。したがって、シリコン単結晶の引き上げにおいて初期チャージのシリコン原料2をあらかじめシリコン溶解装置10によって溶解させ、得られたシリコン融液を石英ルツボに移し替えるといった用途に用いることも可能である。このような用途は、近年のシリコン単結晶及び石英ルツボの大型化に伴って生じる大チャージ化の問題を解決する方法の一つとして有望であると考えられる。
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1に示す構成を有するシリコン溶解装置を用意した。実施例では、温度センサ16として溶解容器11に収容されたシリコン原料2の内部に挿入するタイプの白金熱電対(図示せず)を用いた。溶解容器11としては、内径120mm、外径140mm、高さ140mmの石英蓋つき石英円筒容器を用い、これを耐熱レンガ上に載置した。予備加熱機構14としては、厚さ8mmのカーボン製の筒状部材(カーボン筒)を用い、これを溶解容器11の外周を囲むように配置した。
次に、カーボン筒に囲まれた領域に最大長が10〜30mmサイズ(平均20mmサイズ)のチップ状の多結晶シリコン原料2を2kg充填した。更に加熱中の断熱性を確保するため、厚さ35mmの断熱材(図示せず)を容器全体に巻きつけた。誘導コイル12は6ターンとした。チップ状の多結晶シリコン原料2の中央部に温度センサ16として熱電対(材質:WRe)を挿入し、加熱中のシリコン原料の温度を直接計測できるようにした。
以上の準備が整った後、図1に示すように、誘導コイル12に交流電流を流すことによってカーボン筒を誘導加熱し、その輻射熱によってシリコン原料2を加熱した。電源装置13により誘導コイル12に流す交流電流の周波数が2kHz、5kHz,10kHz、50kHz、80kHz、100kHzに切換わるように周波数を設定した。電力は30kWとした。なお、シリコン原料2の加熱中は、常にアルゴン(Ar)ガスを溶解容器11内に導入し、これによってシリコン表層の酸化を抑制した。
次いで、上記5種類の周波数の交流電流を誘導コイル12に各別に流し、カーボン筒を介して加熱されたシリコン原料2の温度が700℃、800℃、1000℃、1200℃にそれぞれ達した時点で、図2に示すように、カーボン筒を着脱機構15により溶解容器11から取り外し、誘導コイル12によるシリコン原料への直接加熱を開始した。シリコン原料2に挿入した熱電対の温度を計測し、直接加熱によるシリコンの溶解の状況を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0006264058
表1において、「良」は溶解容器内のシリコン原料がシリコン融点まで上昇し、シリコンが完全に溶解するまでの時間が4分未満の短い状況をいい、「可」は溶解容器内のシリコン原料がシリコン融点まで上昇するが、シリコンが完全に溶解するまでの時間が4分以上である長い状況をいい、「不可」は溶解容器内のシリコン原料の温度が下がり、シリコンが溶解しない状況をいう。
表1から明らかなように、シリコン原料を完全に溶解するためには、誘電コイルに流す交流電流の周波数を5kHz以上100kHz未満にし、直接加熱を開始する温度を800℃以上1412℃未満にすればよく、しかも放電の発生頻度がゼロ又は1回以下にすることができることが判った。また上記周波数を10kHz以上80kHz以下にし、直接加熱を開始する温度を1000℃以上1200℃以下にすれば、放電の発生頻度がゼロとなり、更に良好な結果が得られることが判った。
2 シリコン原料
4 シリコン融液
6 シリコン単結晶
8 種結晶
10 シリコン溶解装置
11 溶解容器
12 誘導コイル
13 電源装置
14 予備加熱機構
15 着脱機構
16 温度センサ
17 制御回路
20 シリコン単結晶製造装置
21 石英ルツボ
22 チャンバ
23 グラファイトサセプタ
24 支持軸
25 ヒータ
26 保温筒
27 引き上げ機構
28 ワイヤケーブル
29 熱遮蔽部材
29a コーン部
29b フランジ部
30 供給機構

Claims (4)

  1. 筒状の予備加熱機構によってシリコン原料を収容する溶解容器の外周を取り囲んだ状態で誘導コイルに交流電流を流すことにより、前記シリコン原料を予備加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱によって前記シリコン原料が所定の温度に達した後に前記予備加熱機構を前記シリコン原料の周囲から取り外した状態で前記誘導コイルに交流電流を流すことにより、予備加熱された前記シリコン原料を誘導加熱する誘導加熱工程とを備えたシリコンの溶解方法において、
    前記予備加熱時に前記予備加熱機構を介してシリコン原料を加熱するとき及び前記予備加熱されたシリコン原料を誘導加熱するときの前記誘導コイルに流す交流電流の周波数をそれぞれ10kHz以上80kHz以下に設定し、前記所定の温度については1000℃以上1200℃以下の温度に設定することを特徴とするシリコンの溶解方法。
  2. シリコン原料を収容する溶解容器と、前記溶解容器を取り囲む筒状の予備加熱機構と、前記予備加熱機構の周囲に巻回された誘導コイルと、前記誘導コイルに交流電流を供給する電源装置と、前記予備加熱機構の着脱を行う着脱機構と、前記シリコン原料の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出出力に基づいて前記着脱機構の着脱を制御する制御回路とを備え、
    前記電源装置は、前記誘導コイルに10kHz以上80kHz以下の周波数の交流電流を流すように設定され、
    前記温度センサによって前記シリコン原料の温度が1000℃以上1200℃以下の所定の温度であることを検出するまでは、前記制御回路が、前記予備加熱機構を前記溶解容器を取り囲む位置に配置するように前記着脱機構を制御し、かつ前記温度センサによって前記所定の温度を検出したときには、前記制御回路が、前記予備加熱機構を前記溶解容器の周囲から取り外して前記シリコン原料を前記誘導コイルにより直接誘導加熱するように前記着脱機構を制御することを特徴とするシリコン溶解装置。
  3. 石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ機構と、請求項記載のシリコン溶解装置と、前記溶解装置の溶解容器内のシリコン融液を前記石英ルツボに供給する供給機構とを備えたシリコン単結晶製造装置。
  4. 前記供給機構は、前記引き上げ機構によるシリコン単結晶の引き上げ中に前記シリコン融液を石英ルツボに連続して追加供給可能に構成された請求項記載のシリコン単結晶製造装置。
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