JPH06183876A - 単結晶引き上げ装置および引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引き上げ装置および引き上げ方法

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JPH06183876A
JPH06183876A JP35390292A JP35390292A JPH06183876A JP H06183876 A JPH06183876 A JP H06183876A JP 35390292 A JP35390292 A JP 35390292A JP 35390292 A JP35390292 A JP 35390292A JP H06183876 A JPH06183876 A JP H06183876A
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雅 渡部
Junsuke Tomioka
純輔 冨岡
Tatsuhiro Fujiyama
辰浩 藤山
Toshirou Kotooka
敏郎 琴岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶製造時間を短縮するとともに、1個の
石英るつぼで数回の単結晶引き上げを可能とする単結晶
引き上げ装置および引き上げ方法を提供する。 【構成】 石英るつぼ3に貯留された融液4の上方に、
シリコン単結晶5を取り巻く円筒状の上部ヒータ10を
設ける。リチャージする棒状または粒状の原料多結晶を
前記上部ヒータ10で溶解し、あるいは上部ヒータ10
で十分に加熱した後、メインヒータ7で溶解する。これ
により、原料多結晶の溶解所要時間を短縮することがで
きるとともに、メインヒータ7のパワーを上げずに前記
溶解ができるので、石英るつぼ3に加えられる熱負荷が
小さくなり、石英るつぼ3を交換せずに数回の引き上げ
を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶引き上げ装置お
よび引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路素子の基盤には主として
高純度シリコンが用いられているが、この高純度シリコ
ンの製造方法の一つとして、るつぼ内の原料融液から円
柱状の単結晶を引き上げるチョクラルスキー法(以下C
Z法という)が用いられている。CZ法においては、る
つぼ内に原料多結晶を充填し、前記るつぼの外周を取り
巻くヒータによって原料を加熱溶解した上、シードチャ
ックに取り付けた種子結晶を融液に浸漬し、シードチャ
ックおよびるつぼを同方向または逆方向に回転しつつシ
ードチャックを引き上げて、単結晶を成長させる。
【0003】近年は、半導体ウェーハの直径が大型化
し、6インチを超える大径ウェーハが要求されるように
なり、単結晶の直径も6インチ以上のものが主流になり
つつある。このため単結晶製造装置も大型化し、1サイ
クル当たりの処理量も増大する傾向にある。しかし、単
結晶製造装置の大型化に伴って単結晶成長工程における
所要時間が長くなるとともに、その前後工程、たとえば
原料多結晶の溶解所要時間や、成長した単結晶を炉外に
取り出した後、るつぼ、ヒータ等が清掃可能な温度に下
がるまでの冷却所要時間等も従来に比べて長くなってい
る。これらは単結晶の生産性を低下させる要因になる。
また石英るつぼは、原料多結晶の溶解時に加えられる熱
負荷によって変形、割れ等が発生するため、1本の単結
晶引き上げごとに新品と交換している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】単結晶の生産性低下を
解決する手段として従来から知られている方法にリチャ
ージ法がある。これは、融液から単結晶を引き上げた
後、ヒーター電源をOFFにすることなく原料多結晶を
再度チャージして溶解し、再度単結晶を成長させる工程
を数回繰り返す方法である。このリチャージ法は、炉内
部品の冷却時間やチャンバ清掃時間等を数バッチ分省略
することができる。また、通常は単結晶1本分の引き上
げごとに1個必要とする石英るつぼも、数本の単結晶に
対して1個の割合となり、製造コストが低減する。しか
しながら、原料多結晶たとえば棒状の多結晶を石英るつ
ぼ内に残留する融液に直接浸漬して溶解しようとする
と、石英るつぼに大きな熱負荷がかかり、その表面が浸
食される。また、石英中の気泡が膨張して石英るつぼに
変形が起こり、甚だしい場合は前記気泡が破裂して石英
るつぼの破片が融液中に混入するため単結晶化が阻害さ
れるという問題点がある。本発明は上記従来の問題点に
着目してなされたもので、単結晶製造時間を短縮するこ
とができるとともに、1個の石英るつぼで数回の単結晶
引き上げを可能とする単結晶引き上げ装置および引き上
げ方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る単結晶引き上げ装置は、チョクラルス
キー法による単結晶引き上げ装置において、融液面の上
方に引き上げ単結晶を取り巻く上部ヒータを設ける構成
とし、この単結晶引き上げ装置を用いる結晶引き上げ方
法は、上部ヒータを用いて原料多結晶を溶解するものと
し、または、上部ヒータを用いて原料多結晶を加熱し、
るつぼを取り巻くメインヒータを用いて前記原料多結晶
を溶解してもよい。更に、一定量の原料多結晶を溶解し
た後、追加する原料多結晶を上部ヒータまたは上部ヒー
タとメインヒータとを用いて溶解してもよい。
【0006】
【作用】上記構成によれば、チョクラルスキー法による
単結晶引き上げ装置において、融液面の上方に引き上げ
単結晶を取り巻く上部ヒータを設けたので、この上部ヒ
ータを用いることにより、るつぼを取り巻くメインヒー
タのパワーを上げなくても原料多結晶を溶解することが
できる。又、上部ヒータで加熱する間はメインヒータの
パワーを下げて、石英るつぼへの熱負荷を低減すること
もできる。従って、1回目の単結晶引き上げ後、結晶引
き上げ機構のワイヤケーブルに釣支した棒状または粒状
の原料多結晶を上部ヒータで溶解し、あるいは前記上部
ヒータで加熱した原料多結晶をメインヒータで溶解すれ
ば、メインヒータから石英るつぼに加えられる熱負荷を
最小限に抑えることができ、石英るつぼの耐用回数を数
回まで延ばすことができる。また、石英るつぼに充填し
た粒状多結晶が溶解したとき融液面はるつぼの上端より
下方にあるので、前記溶解完了後、追加する原料多結晶
を前記上部ヒータあるいは上部ヒータとメインヒータと
を用いて溶解することにより、1回のチャージ量を増や
すことが可能となり、従来の引き上げよりも長い単結晶
を引き上げることができるため単結晶の収率,生産性向
上に寄与する。
【0007】
【実施例】以下に本発明に係る単結晶引き上げ装置の実
施例について、図面を参照して説明する。図1は単結晶
引き上げ装置下部の概略構成を模式的に示す部分断面図
で、単結晶引き上げ中の状態を示している。同図におい
て、メインチャンバ1内に設置された黒鉛るつぼ2に石
英るつぼ3が嵌着され、この石英るつぼ3内に貯留され
た融液4からシリコン単結晶5が引き上げられている。
6はるつぼ軸、7はメインヒータ、8は断熱筒で、前記
断熱筒8の上端に輻射スクリーン9が取り付けられてい
る。この輻射スクリーン9は、単結晶引き上げ領域を取
り巻く熱遮蔽体であり、下端開口部の直径が上端開口部
の直径以下の円錐状の筒である。また、上部ヒータ10
はシリコン単結晶5を取り巻く円筒状の黒鉛製ヒータ
で、断熱筒8の上端に設けられたブラケット11に釣支
されている。上部ヒータ10は図2に示すように、円筒
状の黒鉛製ヒータ本体10aと、これを取り巻く円筒状
の黒鉛製保温筒10bとからなり、前記保温筒10bは
炭素繊維からなる円筒状の断熱材10cを黒鉛製表層1
0dで被覆したものである。上部ヒータ10の軸方向長
さ、大きさ等を変えることにより、原料多結晶の加熱、
溶解所要時間の短縮を図ることができる。本実施例では
上部ヒータ10を、ブラケット11を介して断熱筒8に
釣支したが、これに限るものではなく、チャンバ内壁あ
るいは輻射スクリーン9に釣支または固定してもよい。
なお、言うまでもなく本発明は、輻射スクリーンのない
単結晶引き上げ装置に対しても適用可能である。
【0008】次に、上記単結晶引き上げ装置を用いる単
結晶引き上げ方法について説明する。図1に示した単結
晶引き上げ時には上部ヒータ10を作動させず、メイン
ヒータ7のみが作動する。1本目の単結晶の引き上げが
完了すると、この単結晶インゴットを図示しないプルチ
ャンバから外部に取り出す。次に、図3に示すように結
晶引き上げ機構のワイヤケーブル12に釣支した棒状の
多結晶シリコン13を上部ヒータ10内に吊り降ろし、
上部ヒータ10を作動させる。加熱、溶解された多結晶
は石英るつぼ3内に残留する融液4に滴下する。融液4
が所定量に達した時点で上部ヒータ10の作動を停止
し、ワイヤケーブル12を巻き上げ、多結晶シリコン1
3の残部をプルチャンバから外部に取り出す。その後、
結晶引き上げ機構のワイヤケーブル12に種子結晶を釣
支し、この種子結晶を融液4に浸漬し、図1に示すよう
に単結晶の引き上げを行う。このように、原料多結晶を
上部ヒータ10によって溶解、補給することにしたの
で、メインヒータ7から石英るつぼ3に加えられる熱負
荷が軽減され、石英るつぼを交換せずに複数回の単結晶
引き上げを行うことができる。前記多結晶シリコン13
を上部ヒータ10で加熱した状態で融液4に浸漬し、メ
インヒータ7で溶解する請求項3の方法を用いてもよ
い。この場合、多結晶シリコン13は十分に加熱されて
いるため、メインヒータ7のパワーを上げずに融液内で
容易に溶解することが可能である。
【0009】図4は第2実施例の説明図で、上記棒状の
多結晶シリコンに代えて粒状の多結晶シリコンを用いる
場合を示している。粒状の多結晶シリコン14を石英又
は、内側に石英を設けた黒鉛製の容器15に充填し、こ
れを結晶引き上げ機構のワイヤケーブル12に釣支して
上部ヒータ10内に吊り降ろし、上部ヒータ10によっ
て溶解する。前記多結晶シリコン14を上部ヒータ10
で加熱した状態で融液4に落下させ、その後メインヒー
タ7で溶解する方法でもよい。
【0010】図5は第3実施例の説明図である。粒状の
多結晶シリコン14を石英るつぼ3内に残留する融液上
にそのまま落下させ、メインヒータ7と上部ヒータ10
とを同時に作動させて溶解する。この方法を第1回目の
原料溶解、すなわち石英るつぼ3に充填した粒状多結晶
シリコンの溶解時に用いてもよい。上部ヒータ10の作
動によりメインヒータ7の電力を大きくする必要がない
ので、石英るつぼに加えられる熱負荷を最小に抑えて原
料を溶解することができる。
【0011】石英るつぼに充填した粒状の原料多結晶の
溶解が完了すると、融液面は石英るつぼの上端より低い
位置となり、石英るつぼの容量に余裕ができる。請求項
4はこの現象を利用してチャージ量を増やすもので、前
記溶解完了後、原料多結晶を追加して溶解する。追加す
る原料多結晶は上述と同じく棒状または粒状とし、上部
ヒータのみで、あるいは上部ヒータとメインヒータとに
よって溶解する。この方法により、1回のチャージ量を
従来の1.5倍程度に増やすことが可能となる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、融
液面の上方に引き上げ単結晶を取り巻く上部ヒータを設
け、るつぼに充填した原料多結晶やリチャージする原料
多結晶を主として前記上部ヒータで溶解し、または上部
ヒータで十分に加熱した後メインヒータで溶解すること
にしたので、原料多結晶の溶解所要時間を大幅に短縮さ
せることができる。これによる効果とリチャージ法によ
る効果とにより、1本当たりの単結晶製造所要時間を従
来の1/3程度に短縮させることが可能である。また上
部ヒータの活用により、石英るつぼに加えられる熱負荷
を最小に抑え、劣化を遅らせることができるので、石英
るつぼを交換せずに数回の単結晶引き上げが可能とな
る。その他、上部ヒータを利用して既に成長の完了した
単結晶の熱履歴を変えることや、リチャージする原料多
結晶のドープ材を変えることにより抵抗値の異なる単結
晶を同一の石英るつぼで引き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶引き上げ装置下部の概略構成を模式的に
示す部分断面図である。
【図2】上部ヒータの平面図である。
【図3】上部ヒータで棒状多結晶を溶解する状態を示す
説明図である。
【図4】上部ヒータで粒状多結晶を溶解する状態を示す
説明図である。
【図5】上部ヒータとメインヒータとを用いて粒状多結
晶を溶解する状態を示す説明図である。
【符号の説明】 2 黒鉛るつぼ 13,14 多結晶
シリコン 3 石英るつぼ 4 融液 5 シリコン単結晶 7 メインヒータ 10 上部ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 琴岡 敏郎 神奈川県平塚市四之宮2612 小松電子金属 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法による単結晶引き上
    げ装置において、融液面の上方に引き上げ単結晶を取り
    巻く上部ヒータを設けたことを特徴とする単結晶引き上
    げ装置。
  2. 【請求項2】 上部ヒータを用いて原料多結晶を溶解す
    ることを特徴とする請求項1の単結晶引き上げ装置を用
    いる単結晶引き上げ方法。
  3. 【請求項3】 上部ヒータを用いて原料多結晶を加熱
    し、るつぼを取り巻くメインヒータを用いて前記原料多
    結晶を溶解することを特徴とする請求項1の単結晶引き
    上げ装置を用いる単結晶引き上げ方法。
  4. 【請求項4】 一定量の原料多結晶を溶解した後、追加
    する原料多結晶を上部ヒータまたは上部ヒータとメイン
    ヒータとを用いて溶解することを特徴とする請求項1の
    単結晶引き上げ装置を用いる単結晶引き上げ方法。
JP35390292A 1992-12-16 1992-12-16 単結晶引き上げ装置および引き上げ方法 Expired - Lifetime JP2816633B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5935326A (en) * 1996-11-21 1999-08-10 Komatsu Electronic Metals Co., Ltd. Apparatus for manufacturing semiconductor single crystals
JP2005187244A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶の製造方法及び単結晶
DE112009003601T5 (de) 2008-12-05 2012-08-30 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Obere Heizeinreichtung zur Verwendung bei der Herstellung eines Einkristalls,Einkristall-Herstellungsanlage und Verfahren zur Herstellung elnes Einkristalls

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DE112009003601B4 (de) 2008-12-05 2017-06-22 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Einkristall-Herstellungsanlage und Verfahren zur Herstellung elnes Einkristalls

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