JP6263061B2 - 低膨潤性組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低膨潤性組成物に関する。さらに詳しくは、カラム充填して湿潤状態で使用可能な、アミン系ポリマーを含む親水性ポリマー組成物からなる低膨潤性組成物に関するものである。
近年、金属を含有する材料から金属の分離回収する方法や、血漿などから免疫グロブリンなどの生体成分を分離精製する方法などにおいて、官能基を有する親水性ポリマー粒子をカラムに充填した吸着材を用いる方法が注目されている。
例えば、特許文献1には、アミン系ポリマーと親水性ポリマーを含むポリマーブレンドを含んでなり、該アミン系ポリマーは、繰り返し単位中に1〜3級アミンからなる群から選択される少なくとも1種を有するポリマーである液中物質移動材料が開示されており、当該液中物質移動材料は金属イオンの吸着性及び溶離性に優れることが記載されている。
同様に、特許文献2には、ポリビニルアルコールとアミン系ポリマーで構成された成形物からなり、ポリビニルアルコールが70重量%以上であり、かつ煮沸減量が30重量%以下であることを特徴とする金属イオン回収資材が開示されており、当該金属回収資材は、金属イオンの吸着性及び溶離性、ならびに耐久性に優れることが記載されている。
また、特許文献3には、免疫グロブリンやウシ血清アルブミンの吸着材として、架橋構造を有していない水溶性ポリマーが共有結合により固定化され、水溶性ポリマー部位に共有結合された親和性官能基を有する、カラム充填用の充填材が開示されている。
国際公開第2007/018138号パンフレット 特開2010−138430号公報 特開2008−232764号公報
金属イオンを金属イオン吸着材に吸着及び溶離させて回収する際には、金属イオン吸着材と金属イオンを含有する溶液を接触させて金属イオン吸着材に金属イオンを吸着させ、続いて溶離液と接触させて、金属イオン吸着材から金属イオンを溶離させる。上記の吸着溶離操作は、室温で行われる場合や高温で行われる場合があるため、75℃近辺の高温における吸着材の膨潤抑制は取扱い上重要である。例えば、特許文献1に記載の液中物質移動材料を金属イオン吸着材に用いた場合、高温で使用すると、吸着材が著しく膨潤し、繰り返し使用する際に吸着性能が悪くなるという問題があった。また、カラムでの使用は困難であった。
しかしながら、特許文献2でも、金属イオン回収資材の膨潤特性についての検討はなされておらず、膨潤特性に改善の余地があった。
特許文献3では、合成ポリマーからなる多孔性粒子の細孔内部が水溶性ポリマーで満たされた構造を有するために、吸着性官能基の導入量に限界があり、また、被処理液との接触が充分でないという問題点があり、さらに改良された吸着材が求められている。
そこで、本発明第1の課題は、カラムに充填して、吸着材として湿潤状態で安定して繰り返し使用するのに適した、官能基を含む親水性ポリマーから構成された低膨潤性組成物の提供である。
また、本発明第2の課題は、前記の低膨潤性組成物を製造する方法を提供することである。
さらにまた、本発明第3の課題は、上記で得られた低膨潤性組成物を用いて、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、かつ膨潤特性の改善された金属イオン吸着材を提供することである。
本発明第4の課題は、当該金属イオン吸着材を用いた金属回収方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべくアミン系ポリマーと親水性ポリマーと架橋剤を含む材料について鋭意検討した結果、本発明に至った。
本発明第1の構成は、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%[ポリマー(A)とポリマー(B)との合計を100質量%とする。]と、を含む組成物中のポリマーを、架橋剤(C)で架橋し、架橋処理後の膨潤特性(75℃の水中、10分浸漬後の質量/乾燥質量×100)が80〜200質量%である低膨潤性組成物である。
本発明において、前記組成物とは、ポリマー(A)およびポリマー(B)を少なくとも含み、必要に応じて、その他のポリマー、架橋剤、微粒子、あるいは各種添加剤などを含む混合物を意味している。
本発明の低膨潤性組成物において、前記親水性ポリマー(B)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。
本発明の低膨潤性組成物において、前記アミン系ポリマー(A)が、ポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンであり、かつ、前記親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。
本発明の低膨潤性組成物において、前記架橋剤(C)が、エポキシ基、イソシアネート基およびビニル基からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物であることが好ましい。
本発明の低膨潤性組成物において、前記親水性ポリマー(B)と前記アミン系ポリマー(A)の樹脂成分100質量%に対して0.10〜10質量%の微粒子(D)を含み、該微粒子(D)の平均粒子径が、0.012〜20μmであることが好ましい。
本発明の低膨潤性組成物において、前記微粒子(D)が、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ポリスチレン、及び架橋アクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であることが好ましい。
本発明の低膨潤性組成物が粒子状であって、その粒子径が0.1〜2.0mmの範囲内にあることが好ましい。また、本発明の低膨潤性組成物が繊維状であって、その繊維径が10〜1000μmの範囲内にあることが好ましい。
本発明第2の構成は、前記アミン系ポリマー(A)、前記親水性ポリマー(B)及び前記架橋剤(C)を二軸型の混練機を用いて混練して所定の形状に成形し、成形と同時および/または成形した後、架橋処理を施すことを特徴とする、上記の低膨潤性組成物の製造方法である。
本発明第3の構成は、前記低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材である。
本発明第4の構成は、金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、上記の金属イオン吸着材に、該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法である。
上記の回収方法において、回収する金属が白金族金属であることが好ましい。
上記の回収方法において、前記金属イオンを含有する溶液が、塩化水素を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明第1の構成に係る低膨潤性組成物は、アミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマーと、このような基を有しない親水性ポリマーとを含むために、金属や生体高分子などの吸着性に優れるとともに、架橋結合が導入されているために低膨潤性であり、カラムへの充填性に優れ、湿潤状態で安定に使用できるために、金属イオン吸着、生体成分吸着などの吸着材として有用である。
本発明第2の構成に係る低膨潤性組成物の製造方法によれば、二軸型の混練機を用いるので、アミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)と、さらに、任意に加えられる微粒子(D)とが均一に混合した樹脂組成物を得ることが可能で、得られた組成物を粉砕して、所定の大きさの低膨潤性組成物からなる粒子を効率的に得ることができる。架橋剤による架橋処理は、粒子状に成形した後行うことも可能であり、また、混練時に架橋剤を加えて、成形中に架橋処理を行うこともできる。
本発明第3の構成に係る金属吸着材は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、更には、加温下において従来よりも膨潤率の小さいものである。したがって、本発明の金属イオン吸着材を繰り返し使用しても、優れた吸着性及び溶離性が維持される。本発明の金属イオン吸着材は膨潤性が抑えられているため、本発明の金属イオン吸着材が充填されたカラムは、劣化が起こりにくくカラム寿命の長いものとなる。該金属イオン吸着材を用いる本発明の金属イオン回収方法によれば、金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができ、繰り返し実施にも適する。
本発明第4の構成に係る金属回収方法によれば、本発明第3の構成に係る金属イオン吸着材が金属(特に白金族金属)の吸着性に優れているため、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属を金属イオンとして回収することができる。さらに、本発明第1の構成に係る低膨潤性組成物は膨潤性が抑えられているため、本発明の第4の構成に係る金属イオン吸着材が充填されたカラムは、劣化が起こりにくく、カラム寿命が長くなるので繰り返し使用に適している。
(低膨潤性組成物)
本発明の低膨潤性組成物は、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む組成物中のポリマーを、架橋剤(C)で、架橋し、架橋処理後の膨潤特性(75℃の水中、10分浸漬後の質量/乾燥質量×100)が80〜200質量%の範囲内であることにあることを特徴としている。
(アミン系ポリマー)
本発明の低膨潤性組成物は、樹脂成分としてアミン系ポリマー(A)を含み、アミン系ポリマー(A)は、アミノ基及び4級アンモニウム基において金属イオンなどの被吸着物質を吸着する。アミン系ポリマー(A)の有するアミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれであってもよく、1級アミノ基又は2級アミノ基であることが好ましい。アミノ基を有する繰り返し単位は1種であっても、2種以上であってもよい。したがって、アミン系ポリマー(A)は、アミノ基又は4級アンモニウム基を有する2種以上の繰り返し単位が、ランダム、ブロック、交互又はグラフト共重合したポリマーであってもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内で、アミノ基又は4級アンモニウム基を有しない繰り返し単位を有していてもよい。
アミン系ポリマー(A)としては、ポリビニルアミン、ポリビニルアルキルアミン、ポリアルキレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、ポリアニリン、ポリヌクレオチド、ポリアリルアミン、ポリアルキレンアミン、ポリジアリル4級アンモニウム及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好適に用いられ、これらのポリマーの繰り返し単位が2種以上共重合した共重合体も好適に用いることができる。より好適には、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアルキレンアミン、ポリジアリル4級アンモニウム、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
被吸着物質への吸着点の密度の観点、及びポリマー合成の容易さの観点から、アミン系ポリマー(A)は、数平均分子量1000あたりアミノ基及び4級アンモニウム基を10〜35個有することが好ましい。なお、アミン系ポリマー(A)の数平均分子量は、例えば、アミン系ポリマーが溶解可能な溶媒に溶かしゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。
アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、低膨潤性組成物から溶出を防止するため、好ましくは5000〜100000、更に好ましくは10000〜70000である。なお、アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、例えばGPCを用いて求めることができる。
(親水性ポリマー)
本発明の低膨潤性組成物は、樹脂成分として親水性ポリマー(B)を含み、親水性ポリマー(B)は、低膨潤性組成物に成形性及び耐久性を与える。本発明において用いられる親水性ポリマー(B)は、例えば、繰り返し単位中に水酸基、エーテル基、カルボキシル基、アミド基等の親水性基を有するポリマーのことをいう。親水性ポリマー(B)としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルキルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、及びポリアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。これらのポリマーは、他のコモノマー単位(例、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸単位、シラノール基、アルデヒド基、又はスルホン酸基を有するモノマー単位など)を有していてもよく、該コモノマー単位の含有量は、全モノマー単位中10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。
親水性ポリマー(B)としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール及びポリアミドが好ましく、低膨潤性組成物の耐酸性が向上することから、エチレン−ビニルアルコール共重合体がさらに好ましい。このとき、エチレン単位の含量が全モノマー単位中20〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは27〜48モル%である。エチレン含量が20モル%より小さいと、成形体の耐久性が悪くなるおそれがある。一方、エチレン含量が50モル%を超えると、低膨潤性組成物の親水性が低下して、低膨潤性組成物を金属イオン吸着材として用いる場合、好適な金属イオンの吸着性及び溶離性が悪くなるおそれがある。また、親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体である場合、金属イオンなどの被吸着物質の吸着性の観点から、アミン系ポリマー(A)としてポリエチレンイミンを用いることが好ましい。一方で、親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体である場合、金属イオンなどの溶離性の観点からは、アミン系ポリマー(A)としてポリアリルアミンを用いることが好ましい。
親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1万〜50万、好ましくは、2万〜40万である。なお、親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、例えば、GPCを用いて求めることができる。1万未満の場合、低膨潤性組成物からの親水性ポリマー(B)の溶出の懸念がある。50万超の場合、成形性が悪くなる可能性がある。
(アミン系ポリマーと親水性ポリマーとの構成割合)
本発明の低膨潤性組成物の樹脂成分[(A)と(B)の総量]における、アミン系ポリマー(A)の含有量は、10〜40質量%である。アミン系ポリマー(A)の含有量が、10質量%未満だと、例えば、低膨潤性組成物を金属吸着材に用いた場合、金属イオンの吸着点が少なくなりすぎて、金属の回収効率が悪くなる。一方、40質量%より多いと、成形性が悪く、例えば樹脂ペレットに成形しようとする場合、ストランド同士が膠着しやすくなるばかりか、親水性ポリマー(B)との混合性が悪くなり、高い耐久性を得られない。アミン系ポリマー(A)の含有量は、好ましくは、20〜35質量%である。
本発明の低膨潤性組成物の樹脂成分における、親水性ポリマー(B)の含有量は、60〜90質量%である。親水性ポリマー(B)の含有量が、60質量%未満だと、アミン系ポリマー(A)との混合性と、成形性が悪くなり、また、その成形体の耐久性が低下したり、膨潤特性が悪くなったりする。一方、親水性ポリマー(B)の含有量が90質量%より多いと、低膨潤性組成物を構成するアミン系ポリマーの特性が現れにくくなる。親水性ポリマー(B)の含有量は、好ましくは、65〜80質量%である。
なお、本発明の低膨潤性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、樹脂成分として、アミン系ポリマー(A)及び親水性ポリマー(B)以外のポリマーを含んでいてもよい。
(架橋剤)
本発明の低膨潤性組成物は、樹脂成分としてアミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)を含む組成物中のポリマーを架橋剤(C)により架橋することにより、カラムに充填して、湿潤状態で安定であるという特性を有する。本発明において用いられる架橋剤(C)は、得られる低膨潤性組成物の化学的安定性の観点から、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基、カルボキシル基、ハロゲン基、酸無水物基、酸ハライド基、N−クロロホルミル基、クロロホーメイト基、イミドエーテル基、アミジニル基、アルデヒド基などから選択される少なくとも1種又は2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物が挙げられる。より好適には、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。さらに好ましくは、エポキシ基を有する化合物であり、官能基数を2〜5個含む多価エポキシ系化合物である。なお、上記のアルデヒド基を含む架橋剤による架橋は、酸を含む水溶液中での加熱により脱アセタール化しやすい傾向にあり、用途によっては耐酸性の点で好ましいとはいえない。
前記架橋剤(C)による架橋処理により、親水性ポリマー(B)中の親水性基および/またはアミン系ポリマー(A)中のアミノ基などの官能基と架橋剤とが反応して、親水性ポリマー(B)と親水性ポリマー(B)との間、アミン系ポリマー(A)とアミン系ポリマー(A)との間、および/またはアミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)との間に架橋結合が導入される。
架橋剤(C)は、具体例を以下に列記する。上記のビニル基を有する架橋剤(C)としては、例えば、ジビニルスルフォン、新中村化学株式会社製「NKエステル」(1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BPE―80N、BPE―100、BPE―200、BPE―500、BPE―900、BPE―1300、DCP、DОD−N、HD−N、NОD−N、NPG、1206PE、701、PG、TMPT)等の多価メタクリレート化合物が挙げられる。
上記のエポキシ基を有する架橋剤(C)としては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製「デナコール」(EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−721、EX−203、EX−711、EX−221等)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クロル化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、エポキシウレタン樹脂等のグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステル等のグリシジルエーテル・エステル型;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、アクリル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型;グリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルアミノフェノール等のグリシジルアミン型;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド等の脂環族エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記のイソシアネート基を有する架橋剤(C)としては、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラネート」(WB40−100、WB40−80D、WE50−100、WT30−100、WT20−100等);トリレンジイソシアネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製、「DesmodurL」);トリフェニルメタントリイソシアネート;メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。乳化剤を用いて水に分散させたイソシアネートも使用できる。
本発明の低膨潤性組成物に含まれる架橋剤(C)は、特に高温における低膨潤性組成物の含水量を減少させて膨潤特性を向上させる。
本発明に係る低膨潤性組成物の膨潤特性(75℃、水中)(膨潤特性の測定方法は後記)が200質量%を超えると、組成物が著しく膨潤しやすく、後述する組成物から形成される粒子状または繊維状等の組成物成形体から、タブレット状、ハニカム状、シート状、筒状等に成形されたフィルターに亀裂が発生したり、フィルターを装填しているハウジング(カラムなど)がフィルターの膨潤により破損したりすることが起こりやすくなる。このため、低膨潤性組成物の膨潤特性は200質量%以下にする必要があり、好ましくは、190質量%以下であり、より好ましくは180質量%以下である。
一方、膨潤特性が80質量%未満である場合には、金属イオンなどの被吸着物質を含有する溶液の組成物内部への浸透性が不十分となるため、吸着材として求められる十分な吸着性を得にくくなる。このため、低膨潤性組成物の膨潤特性は80質量%以上にする必要があり、好ましくは、90質量%以上であり、より好ましくは100質量%である。
(微粒子)
微粒子(D)の平均粒子径は0.012〜20μmである。微粒子(D)の平均粒子径が、0.012μm未満だと、低膨潤性組成物の膨潤を低減させる効果が十分に得られない。一方、微粒子(D)の平均粒子径が20μmより大きいと、樹脂成分との混合性と、成形性が悪くなり、また、低膨潤性組成物の膨潤特性が悪くなる。微粒子(D)の平均粒子径は、好ましくは、0.02〜10μmである。なお、微粒子(D)の平均粒子径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めることにより求めることができる。
微粒子(D)としては、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム等の無機微粒子、及びポリスチレン、架橋アクリル等の有機微粒子を好適に用いることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。微粒子(D)としては、膨潤特性の観点からは、無機微粒子(特に、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、及び珪酸アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種)がより好適である。なお、前記の有機微粒子には、前記ポリマー(A)、(B)の微粒子は含まれない。
微粒子(D)の含有量は、前記の樹脂成分100質量%に対し、0.10〜10質量%であってもよい。微粒子(D)の含有量が、少なすぎると、低膨潤性組成物の含水量を減少させる効果が十分に得られないおそれがある。一方、微粒子(D)の含有量が多すぎると、樹脂成分の混合性と、成形性が悪くなるおそれがある。また、低膨潤性組成物を金属イオン吸着材として用いたとき、金属の回収効率が悪くなるおそれがある。微粒子(D)の含有量は、好ましくは、0.5〜5質量%である。
(その他の成分)
本発明の低膨潤性組成物には、更に、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、及び架橋剤(C)以外の任意成分を含有させることも可能である。よって、必要に応じて各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、発泡剤などが配合されていてもよい。
(低膨潤性組成物の製造)
本発明の低膨潤性組成物は、例えば、公知方法に従い、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、架橋剤(C)、必要に応じて、微粒子(D)及び任意成分を混合することによって製造することができる。好適な製造方法としては、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、微粒子(D)及び任意成分を、二軸型の混練機を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)が挙げられる。当該溶融混練法によれば、各成分が均一に分散した粒子状の物を得ることが容易であるという利点を有する。架橋剤(C)は粒子状の物に架橋結合を導入して低膨潤性組成物とすることができる。当該溶融混練方法としては、具体的には、例えば、親水性ポリマー(B)を二軸押出機により溶融混練し、そこへアミン系ポリマー(A)と微粒子(D)をサイドフィーダーから所定量添加して、これらを混合して実施することができる。さらに、溶融混練物を押出成形して各種形状の成形体とすることもでき、さらに、架橋剤(C)を含む溶液に浸漬させ架橋処理を施すことができるし、また、混練時に架橋剤(C)を加えて、ポリマーを溶融混練するとともに架橋結合の導入を行うこともできる。さらに、成形体を粉砕して粒子状の低膨潤性組成物とすることもできる。
低膨潤性組成物の別の製造方法としては、例えば、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、必要に応じて、微粒子(D)及び任意成分の混合液を調製する。溶媒は通常、水を使用するが、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒であっても差し支えない。双方のポリマーを溶媒に添加して攪拌しながら昇温することで良好な性状の溶液を得ることができる。アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、微粒子(D)の混合液を湿式或いは乾・湿式法で紡糸ノズルを通じて押し出し凝固浴で凝固させるか、乾式紡糸で空気浴中に押し出す。その後、定法に従って湿延伸・乾燥・乾熱延伸を行い結晶化させ繊維状の成形体とすることもでき、さらに、架橋剤(C)を含む溶液に浸漬させ架橋処理を施すことができる。
(低膨潤性組成物の形状)
低膨潤性組成物は、用途に応じて粒子状、フレーク状、繊維状、シート状、布帛状、3次元形状などの各種形状に成形されて低膨潤性組成物の単体が得られるが、好適には、粒子状である。その粒子径は特に制限はないが、0.1〜2.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.0mmである。なお、粒子径は、篩分けにより分級された値を示す。
低膨潤性組成物の単体は、繊維状であってもよい。その繊維径は特に制限はないが、10〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜500μmである。なお、繊維径は、例えば、短繊維を無作為にサンプリングし、繊維の断面を電子顕微鏡で観察し繊維径を測定して求めることができる。
(吸着剤充填カラム)
本発明に係る、ポリマー(A)とポリマー(B)を含み架橋結合が導入された低膨潤性組成物は、粒子状、フレーク状、繊維状、シート状、布帛状、3次元形状などの各種形状の単体に成形され、通常、カラムに充填されて、吸着材として利用される。
カラムに充填された、前記粒子状、繊維状、フレーク状等の単体の集合体またはシート状または布帛状の単体が巻回、積層された集合体に、75℃の被処理水が導入されたとき、前記低膨潤性組成物100質量%当たり水80〜200質量%の範囲内の水を含んで膨潤するように架橋結合が導入されており、前記の水の量を含んで膨潤した前記単体は、相互に融着することなく、所定形状を維持した状態で通液性を保持するとともに、前記集合体を構成する個々の単体は、膨潤状態において個々に分離しており、取出し可能な状態で充填されている。このことにより、本発明に係る低膨潤性組成物単体はカラムに充填されて、75℃の高温下においても使用可能な吸着材として用いられる。
(金属イオン吸着材)
本発明に係る低膨潤性組成物の好適な用途として、金属イオン吸着材が挙げられる。前記の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材は、優れた金属イオン吸着性、溶離性、膨潤特性を保持することができる。
(金属回収方法)
本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、更には、膨潤特性が低く膨潤の小さいものである。特に75℃付近における膨潤率が小さいものである。したがって、本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材を繰り返し使用しても、優れた吸着性及び溶離性が維持され、本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材が充填されたカラムは、劣化が起こりにくくカラム寿命の長いものとなる。本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材を用いることにより、金属イオンを含有する溶液から金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。この回収操作は、繰り返し実施にも適している。
本発明の、金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法は、上述の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む。
上記の金属イオン吸着材による金属イオンの吸着は、例えば、以下の方法により行うことができる。
・金属イオン吸着材が粒子状の場合は、金属イオン吸着材粒子をカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材粒子を、金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材粒子を、タブレット状、ハニカム状、シート状、筒状に成形したフィルターに加工し、これをカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材が繊維状の場合は、側面に穴を有する筒状の芯に金属イオン吸着材繊維を巻きつけ、筒の内部から外部へ或いはその逆方向に金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を適当な長さ(例えば0.5〜10mm)に切断してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を所望の長さに切断して金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材繊維を紙、不織布、織物などのシートに加工し、これを積層してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材により金属イオンを吸着させる溶液は、塩化水素を含む溶液であることが好ましい。本発明の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材は、下記のように白金族金属の吸着回収に好ましく適用されるが、白金族金属は、塩化水素含有水溶液中では、クロロ錯体として安定に存在すると考えられ、通常は、1〜6Nの塩化水素水溶液中で回収が行われる。
溶離液による金属イオンの前記金属イオン吸着材からの溶離は、金属イオンを吸着した金属イオン吸着材を溶離液に投入することにより行うことができる。また、金属イオン吸着材をカラムに充填した場合は、溶離液を通液することによって行うこともできる。溶離液の種類は、金属イオンの種類に応じて適宜選択すればよいが、溶離液には、水酸化ナトリウム、アンモニア及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
(回収される金属)
回収の対象となる金属としては、プラチナ、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウムなどの白金族金属、金、銀、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム等が挙げられる。本発明に係る低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材は、優れた耐水性と耐久性を有しているため、とりわけ塩酸中で回収が行われる白金族金属の回収に好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各数値は以下の方法により算出した。
(膨潤特性)
低膨潤性組成物のサンプル100mgを、100mg/Lの濃度の白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸100mLに投入し、60分間攪拌する。低膨潤性組成物のサンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、水に浸漬して25℃、45℃及び75℃にてそれぞれ10分間攪拌する。次いで、低膨潤性組成物サンプルを溶液から取り出して、サンプルを遠心脱水して秤量(A)した後、105℃で4時間乾燥して秤量(B)する。以下の式より、膨潤特性(膨潤率と称すこともある)を求める。
膨潤特性=[(A−B)/B]×100 (%)
(低膨潤性組成物カラム取り出し性)
低膨潤性組成物粒子をカラムに充填して白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸溶液をカラム上部より下部に通液した後、75℃の水を同様に通液する。次いで、低膨潤性組成物サンプルをカラムから取り出してサンプルを遠心脱水して秤量(A)した後、使用した低膨潤性組成物の粒子径の1.5倍の径の篩にて篩分けをする。篩を通過した粒子(B)を秤量する。以下の式より、通過率を求める。
通過率=[(A−B)/A]×100 (%)
上記記載の通過率が100%の場合、粒子の膨潤が抑制されており、低膨潤性組成物のカラム取り出し性は「○」、80〜99%の場合、低膨潤性組成物のカラム取り出し性は「△」、80%以下の場合、低膨潤性組成物カラム取り出し性は「×」として評価する。
(金属吸着量)
低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材のサンプル100mgを、100mg/Lの濃度の白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸100mLに投入し、60分間攪拌する。その後、溶液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製 IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量=100−C (mg/g)
(溶離率)
吸着量測定後のサンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、50g/Lの濃度のチオ尿素の溶液20mLに10分間浸漬して金属を溶離させ、溶離液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置で金属濃度を測定(D mg/L)する。以下の式より、溶離率
を求める。
溶離率=[(D/50)/{(100−C)/10}]×100 (%)
[実施例1]
親水性ポリマー(B)として、重合度1700、ケン化度98.5モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール80質量%、及びポリエチレンイミン20質量%を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いて、この繊維を、エポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−314(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行い、繊維状の低膨潤性組成物を得た(平均繊維径:25μm)。得られた低膨潤性組成物について水中での膨潤特性の測定を行った。また、上記低膨潤組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリアリルアミンを所定量添加して、ポリアリルアミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物を、エポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
親水性ポリマー(B)として、ナイロン6(宇部興産(株)製、UBEナイロン5033B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。ナイロン6をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、ナイロン6の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−314(商品名))[架橋剤(C)]1質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール F−104A(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量48モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール G−156B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が10質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が90質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−512(商品名))[架橋剤(C)]5質量%の濃度25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が40質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が60質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、ポリアリルアミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計含有量が30質量%(ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計に対するポリエチレンイミンの質量比が50%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が70質量%となるように3種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]5質量%の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定、を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び重量平均分子量40000の4級アンモニウム含有ポリマー((株)日東紡製、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体 PAS−H−5L(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計含有量が25質量%(ポリエチレンイミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計に対するポリエチレンイミンの質量比が80%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように3種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−314(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び重量平均分子量40000の4級アンモニウム含有ポリマー((株)日東紡製、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体 PAS−H−5L(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリアリルアミン、4級アンモニウム含有ポリマーを所定量添加して、ポリアリルアミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計含有量が25質量%(ポリアリルアミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計に対するポリアリルアミンの質量比が80%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように3種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−314(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−314(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例13]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及び重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−512(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定をおこなった。結果を表1に示す。
[実施例14]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物を多官能性イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートWB40−100(商品名))[架橋剤(C)]6質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例15]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をビニル基化合物(新中村化学(株)製NKエステルA−400(商品名))[架橋剤(C)]5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例16]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び微粒子(D)として、平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が74質量%、酸化珪素の含有量が1質量%となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材につぃて白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例17]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び微粒子(D)として、平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリアリルアミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリアリルアミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が74質量%、酸化珪素の含有量が1質量%となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例18]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び微粒子(D)として、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、エスカロン#2300(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、炭酸カルシウムを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が74質量%、炭酸カルシウムの含有量が1質量%となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例19]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び微粒子(D)として、平均粒子径14.0μmの酸化珪素(東ソー・シリカ(株)製、NIPGEL、BY−001(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が20質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%、酸化珪素の含有量が5質量%となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について、
白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例20]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、アミン系ポリマー(A)として,重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び微粒子(D)として、平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が20質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が70質量%、酸化珪素の含有量が10質量%となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液で架橋処理を行った。得られた低膨潤性組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
親水性ポリマー(B)として、重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール95質量%、ポリアリルアミン5質量%を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いて、この繊維を、架橋剤(C)であるグルタルアルデヒド1質量%濃度、およびマレイン酸2質量%濃度の40℃の水溶液中で架橋処理を行い、繊維状の組成物を得た(平均繊維径:25μm)。得られた組成物について水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
親水性ポリマー(B)として、重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール50質量%、ポリアリルアミン50質量%を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸したが、糸条形成はできなく、繊維状の組成物を得られなかった。
[比較例3]
親水性ポリマー(B)として、重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール80質量%、及びポリアリルアミン20質量%を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いて、この繊維を、架橋剤(C)であるグルタルアルデヒド1質量%およびマレイン酸2質量%濃度の40℃の水溶液中で架橋処理を行い、繊維状の組成物を得た(平均繊維径:25μm)。得られた組成物について水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記組成物からなる金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が5質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が95質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]2質量%濃度の25℃の水溶液で架橋処理を行った。得られた組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定を行った。また、前記組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が50質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が50質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、取り出しを試みたが、樹脂組成物が固化せず、樹脂組成物および該樹脂組成物からなる金属イオン吸着材を得ることができなかった。
[比較例6]
親水性ポリマー(B)の代わりに、ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、ノバテック HY420(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。ポリエチレンをラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、ポリエチレンの含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をしたが、樹脂組成物が均一に混合せず、樹脂組成物および前記樹脂組成物からなる金属イオン吸着材を得ることができなかった。
[比較例7]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%になるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。得られた粒子状の物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記粒子状の物について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例8]
親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリアリルアミンを所定量添加して、ポリアリルアミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の物を得た。引き続いてこの粒子状の物をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製デナコールEX−810(商品名))[架橋剤(C)]0.5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理を行った。得られた樹脂組成物を、篩を用いて粒子径0.2〜0.5mmの粒子に分級した後、水中での膨潤特性の測定、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。また、前記樹脂組成物からなる金属イオン吸着材について、白金族の吸着量及び溶離率の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006263061
表1から明らかなように、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む組成物が、架橋剤(C)で架橋されることにより、架橋処理後の膨潤特性が80〜200質量%である低膨潤性組成物および前記組成物からなる金属イオン吸着材を得ることができ、この金属イオン吸着材は、吸着性及び溶離性に優れ、かつ膨潤特性に優れるものである。
本発明に係る低膨潤性組成物は、膨潤特性に優れ、適度な膨潤性を有するため、カラム充填可能で、湿潤下で長期にわたって使用可能である。また、本発明の低膨潤性組成物からなる金属イオン吸着材は、吸着性、溶離性に優れ、しかも膨潤特性に優れているため、加温下において金属の回収が可能であり、このため、白金族系金属などの金属の回収を効率的に行うことが出来るので、産業上の利用可能性がある。
以上、本発明の好ましい実施態様を説明したが、当業者であれば、特許請求の範囲に開示した本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多様な修正、付加、および置換ができることを理解可能であろう。

Claims (13)

  1. 繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%[ポリマー(A)とポリマー(B)との合計を100質量%とする。]と、を含む組成物中のポリマーを、架橋剤(C)で架橋し、架橋処理後の膨潤特性(75℃の水中、10分浸漬後の質量/乾燥質量×100)が80〜200質量%の範囲内にあることを特徴とする低膨潤性組成物。
  2. 前記親水性ポリマー(B)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1に記載の低膨潤性組成物。
  3. 前記アミン系ポリマー(A)がポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンであり、かつ前記親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1または2に記載の低膨潤性組成物。
  4. 前記架橋剤(C)が、エポキシ基、イソシアネート基およびビニル基からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の低膨潤性組成物。
  5. 前記ポリマー(A)と前記ポリマー(B)との合計100質量%に対して、0.10〜10質量%の微粒子(D)を含み、該微粒子(D)の平均粒子径が、0.012〜20μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の低膨潤性組成物。
  6. 前記微粒子(D)が、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ポリスチレン、及び架橋アクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の該微粒子(D)である請求項5に記載の低膨潤性組成物。
  7. 前記低膨潤性組成物は、粒子径が0.1〜2.0mmの粒子状または繊維径が10〜1000μmの繊維状である請求項1〜6のいずれか1項に記載の低膨潤性組成物。
  8. 前記アミン系ポリマー(A)、前記親水性ポリマー(B)、および前記架橋剤(C)を二軸型の混練機を用いて混練し、所定形状に成形し、と同時および/または成形した後、架橋処理を施す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の低膨潤性組成物の製造方法。
  9. さらに微粒子(D)を加えて前記混練機で混練する、請求項8に記載の低膨潤性組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の低膨潤性組成物を含む金属イオン吸着材。
  11. 金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、請求項10に記載の金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法。
  12. 回収する金属が白金族金属である請求項11に記載の金属回収方法。
  13. 前記金属イオンを含有する溶液が、塩化水素を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項11または12に記載の金属回収方法。
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