JP2014180643A - 金属イオン吸着材、及び金属回収方法 - Google Patents

金属イオン吸着材、及び金属回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、かつ膨潤特性の改善された金属イオン吸着材を提供する。
【解決手段】繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基及び4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む樹脂成分、及び該樹脂成分100質量部に対して0.10〜10質量部の微粒子(C)を含み、該微粒子(C)の平均粒子径が、0.012〜20μmである金属イオン吸着材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、白金族金属イオン等の金属イオンを、効率よく吸着しかつ溶離させる金属の回収技術に関するものである。
近年、金属資源はその需要の高まりと、資源ナショナリズムによる供給制限とが相まって、価格が高騰し、供給不安が広がり、レアメタルパニックと称される状態にある。そのような状況において、使用済みの製品をリサイクルする技術や仕組みの構築、更には、回収や製錬工程で極力ロスを少なくする技術開発が精力的になされている。
金属を含有する材料から金属を分離回収する方法としては、金属含有材料を酸又はアルカリに溶解し、その溶液を電気分解して陰極に金属を析出させる方法、排水中に含まれている金属イオンを硫酸アルミニウムや消石灰のような凝集剤により凝集沈殿させる方法、金属イオン含有溶液から、ジブチルカルビトールのような有機溶剤を用いて金属イオンを抽出する方法、キレート形成により金属を回収する方法、金属イオンを含有する溶液から金属イオン吸着材を用いて金属イオンを吸着して回収する方法などが知られている。
これらのなかでも、金属イオン吸着材を用いて金属イオンを吸着して回収する方法は、工業的な実施に適していると考えられ、金属イオン吸着材についての種々の検討が行われている。
例えば、特許文献1には、アミン系ポリマーと親水性ポリマーを含むポリマーブレンドを含んでなり、該アミン系ポリマーは、繰り返し単位中に1〜3級アミンからなる群から選択される少なくとも1種を有するポリマーである液中物質移動材料が開示されており、当該液中物質移動材料は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れることが記載されている。
金属イオンを金属イオン吸着材に吸着及び溶離させて回収する際には、金属イオン吸着材と金属イオンを含有する溶液を接触させて金属イオン吸着材に金属イオンを吸着させ、続いて溶離液と接触させて、金属イオン吸着材から金属イオンを溶離させる。上記の吸着溶離操作は、室温で行われる場合や高温で行われる場合があるため、高温における吸着材の膨潤抑制は取扱い上重要である。例えば、特許文献1に記載の液中物質移動材料を金属イオン吸着材に用いた場合、高温で使用すると、吸着材が著しく膨潤し、繰り返し使用する際に吸着性能が悪くなるという問題があった。また、吸着材の著しい膨潤のため、カラムでの使用が困難であるという問題があった。
国際公開第2007/018138号パンフレット
そこで本発明は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、かつ膨潤特性の改善された金属イオン吸着材を提供することを目的とする。本発明はまた、当該金属イオン吸着材を用いた金属回収方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべくアミン系ポリマーと親水性ポリマーと微粒子を含む材料について鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明は以下の通りである。
[1]繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基及び4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む樹脂成分、及び該樹脂成分100質量部に対して0.10〜10質量部の微粒子(C)を含み、該微粒子(C)の平均粒子径が、0.012〜20μmである金属イオン吸着材。
[2]前記アミン系ポリマー(A)が、ポリビニルアミン、ポリビニルアルキルアミン、ポリアルキレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、ポリアニリン、ポリヌクレオチド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記の金属イオン吸着材。
[3]前記親水性ポリマー(B)が、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルキルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、及びポリアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記の金属イオン吸着材。
[4]前記微粒子(C)が、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ポリスチレン、及び架橋アクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子である上記の金属イオン吸着材。
[5]粒子径が0.1〜2.0mmの粒子状である上記の金属イオン吸着材。
[6]繊維径が10〜1000μmの繊維状である上記の金属イオン吸着材。
[7]金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、上記の金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法。
[8]回収する金属が白金族金属である上記の金属回収方法。
[9]前記金属を含有する溶液が、塩化水素を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する上記の金属回収方法。
[10]前記金属イオン吸着材をカラムに充填して用いる上記の金属回収方法。
本発明の金属イオン吸着材は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、更には、加温下において従来よりも膨潤率の小さいものである。したがって、本発明の金属イオン吸着材を繰り返し使用しても、優れた吸着性及び溶離性が維持される。また、本発明の金属イオン吸着材は、カラムでの使用に適したものであり、当該カラムは、劣化が起こりにくくカラム寿命の長いものとなる。該金属イオン吸着材を用いる本発明の金属イオン回収方法によれば、金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができ、繰り返し実施にも適する。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の金属イオン吸着材は、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基及び4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む樹脂成分、及び該樹脂成分100質量部に対して0.10〜10質量部の微粒子(C)を含むものであり、該微粒子(C)の平均粒子径は、0.012〜20μmである。
本発明の金属イオン吸着材は、樹脂成分としてアミン系ポリマー(A)を含み、アミン系ポリマー(A)は、アミノ基及び4級アンモニウム基において金属イオンを吸着する。アミン系ポリマー(A)の有するアミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれであってもよく、1級アミノ基及び2級アミノ基であることが好ましい。アミノ基を有する繰り返し単位は1種であっても、2種以上であってもよい。したがって、アミン系ポリマー(A)は、アミノ基又は4級アンモニウム基を有する2種以上の繰り返し単位が、ランダム、ブロック、交互又はグラフト共重合したポリマーであってもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内で、アミノ基及び4級アンモニウム基を有しない繰り返し単位を有していてもよい。
アミン系ポリマー(A)としては、ポリビニルアミン、ポリビニルアルキルアミン、ポリアルキレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、ポリアニリン、ポリヌクレオチド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好適に用いられ、これらのポリマーの繰り返し単位が2種以上共重合した共重合体も好適に用いることができる。より好適には、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアルキレンイミン、ポリジアリル4級アンモニウム、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
金属イオンの吸着点の密度の観点、及びポリマー合成の容易さの観点から、アミン系ポリマー(A)は、数平均分子量1000あたりアミノ基及び4級アンモニウム基を10〜35個有することが好ましい。なお、アミン系ポリマー(A)の数平均分子量は、例えば、アミン系ポリマーが溶解可能な溶媒に溶かしゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。
アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、金属イオン吸着材から溶出を防止するため、好ましくは5000〜100000、更に好ましくは10000〜70000である。なお、アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、例えばGPCを用いて求めることができる。
本発明の金属イオン吸着材は、樹脂成分として親水性ポリマー(B)を含み、親水性ポリマー(B)は、金属イオン吸着材に成形性及び耐久性を与える。本発明において用いられる親水性ポリマー(B)は、例えば、繰り返し単位中に水酸基、エーテル基、カルボキシル基、アミド基等の親水性基を有するポリマーのことをいう。親水性ポリマー(B)としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルキルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、及びポリアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。これらのポリマーは、他のコモノマー単位(例、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸単位、シラノール基、アルデヒド基、又はスルホン酸基を有するモノマー単位など)を有していてもよく、該コモノマー単位の含有量は、全モノマー単位中10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。
親水性ポリマー(B)としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドが好ましく、金属イオン吸着材の耐酸性が向上することから、エチレン−ビニルアルコール共重合体がさらに好ましい。このとき、エチレン単位の含量が全モノマー単位中20〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは27〜48モル%である。エチレン含量が20モル%より小さいと、成形体の耐久性が悪くなるおそれがある。一方、エチレン含量が50モル%を超えると、金属イオン吸着材の親水性が低下して、金属イオンの吸着性及び溶離性が悪くなるおそれがある。
親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、金属イオン吸着材からの親水性ポリマー(B)の溶出を防止するため、少なくとも2万以上、好ましくは4万以上である。なお、親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、例えば、GPCを用いて求めることができる。
本発明の金属イオン吸着材の樹脂成分における、アミン系ポリマー(A)の含有量は、10〜40質量%である。アミン系ポリマー(A)の含有量が、10質量%未満だと、金属イオンの吸着点が少なくなりすぎて、金属の回収効率が悪くなる。一方、40質量%より多いと、成形性が悪く、例えば樹脂ペレットに成形しようとする場合、ストランド同士が膠着しやすくなるばかりか、親水性ポリマー(B)との混合性が悪くなり、高い耐久性を得られない。アミン系ポリマー(A)の含有量は、好ましくは、20〜35質量%である。
本発明の金属イオン吸着材の樹脂成分における、親水性ポリマー(B)の含有量は、60〜90質量%である。親水性ポリマー(B)の含有量が、60質量%未満だと、アミン系ポリマー(A)との混合性と、成形性が悪くなり、また、その成形体の耐久性が低下したり、含水特性が悪くなる。一方、親水性ポリマー(B)の含有量が90質量%より多いと、金属の回収効率が悪くなる。親水性ポリマー(B)の含有量は、好ましくは、65〜80質量%である。
なお、本発明の金属イオン吸着材は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、樹脂成分として、アミン系ポリマー(A)及び親水性ポリマー(B)以外のポリマーを含んでいてもよい。
本発明において樹脂成分は、架橋剤により架橋されていてもよい。架橋剤としては、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基、酸無水物基、酸ハライド基、N−クロロホルミル基、クロロホーメイト基、イミドエーテル基、アミジニル基、イソシアネート基、ビニル基などから選択される少なくとも1種又は2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物が挙げられる。
本発明の金属イオン吸着材に含まれる微粒子(C)は、特に高温における金属イオン吸着材の含水量を減少させて膨潤特性を向上させる。
微粒子(C)の平均粒子径は0.012〜20μmである。微粒子(C)の平均粒子径が、0.012μm未満だと、金属イオン吸着材の膨潤を低減させる効果が十分に得られない。一方、微粒子(C)の平均粒子径が20μmより大きいと、樹脂成分との混合性と、成形性が悪くなり、また、金属の膨潤特性が悪くなる。微粒子(C)の平均粒子径は、好ましくは、0.02〜10μmである。なお、微粒子(C)の平均粒子径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めることにより求めることができる。
微粒子(C)としては、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム等の無機微粒子、及びポリスチレン、架橋アクリル等の有機微粒子を好適に用いることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
微粒子(C)の含有量は、前記の樹脂成分100質量部に対し、0.10〜10質量部である。微粒子(C)の含有量が、0.10質量部未満だと、金属イオン吸着材の含水量を減少させる効果が十分に得られない。一方、微粒子(C)の含有量が10質量部より多いと、樹脂成分の混合性と、成形性が悪くなり、また、金属の回収効率が悪くなる。微粒子(C)の含有量は、好ましくは、0.5〜5質量部である。
本発明の金属イオン吸着材には、更に、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、及び微粒子(C)以外の任意成分を含有させることも可能である。よって、必要に応じて各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、発泡剤などが配合されていてもよい。
本発明の金属イオン吸着材は、例えば、公知方法に従い、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、微粒子(C)、及び任意成分を混合することによって得ることができる。例えば、親水性ポリマー(B)を二軸押出機により溶融混練し、そこへアミン系ポリマー(A)と微粒子(C)をサイドフィーダーから所定量添加してこれらのポリマーを混合して金属イオン吸着材を得ることができ、さらにこれを押出成形して成形体とすることもできる。
あるいは、例えば、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、微粒子(C)及び任意成分の混合液を調製する。溶媒は通常、水を使用するが、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒であっても差し支えない。双方のポリマーを溶媒に添加して攪拌しながら昇温することで良好な性状の溶液を得ることができる。アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、微粒子(C)の混合液を湿式或いは乾・湿式法で紡糸ノズルを通じて押し出し凝固浴で凝固させるか、乾式紡糸で空気浴中に押し出す。その後、定法に従って湿延伸・乾燥・乾熱延伸を行い結晶化させ繊維状の成形体とすることもできる。
金属イオン吸着材は、好適には、粒子状である。その粒子径は特に制限はないが、0.1〜2.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.0mmである。なお、粒子径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めることにより求めることができる。また、粒子径が大きい場合は所定の篩による分級で求めてもよい。
金属イオン吸着材は繊維状であってもよい。その繊維径は特に制限はないが、10〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましくは40〜500μmである。なお、繊維径は、例えば、短繊維を無作為にサンプリングし、繊維の断面を電子顕微鏡で観察し繊維径を測定して求めることができる。
本発明の金属イオン吸着材は、金属イオンの吸着性及び溶離性に優れ、更には、含水率が低く膨潤の小さいものである。特に高温における膨潤率が小さいものである。したがって、本発明の金属イオン吸着材を繰り返し使用しても、優れた吸着性及び溶離性が維持される。また、本発明の金属イオン吸着材は、カラムでの使用に適したものであり、当該カラムは、劣化が起こりにくくカラム寿命の長いものとなる。本発明の金属イオン吸着材を用いることにより、金属を含有する溶液から金属(特に白金族金属)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。この回収操作は、繰り返し実施にも適している。
そこで、本発明はさらに、金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、上述の金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法である。
金属イオン吸着材による金属イオンの吸着は、例えば、以下の方法により行うことができる。
・金属イオン吸着材が粒子状の場合は、金属イオン吸着材粒子をカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材粒子を、金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材粒子を、タブレット状、ハニカム状、シート状、筒状に成形したフィルターに加工し、これをカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材が繊維状の場合は、側面に穴を有する筒状の芯に金属イオン吸着材繊維を巻きつけ、筒の内部から外部へ或いはその逆方向に金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を適当な長さ(例えば0.5〜10mm)に切断してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を所望の長さに切断して金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材繊維を紙、不織布、織物などのシートに加工し、これを積層してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
溶離液による金属イオンの金属イオン吸着材からの溶離は、金属イオンを吸着した金属イオン吸着材を溶離液に投入することにより行うことができる。また、金属イオン吸着材をカラムに充填した場合は、溶離液を通液することによって行うこともできる。溶離液の種類は、金属イオンの種類に応じて適宜選択すればよい。
回収の対象となる金属としては、白金族金属、金、銀、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム等が挙げられる。白金族金属を含有する溶液からの金属を回収する場合は、金属を含有する溶液は、特に限定されないが、一般的には、塩化水素を含む溶液である。金属イオン吸着材は、優れた耐水性と耐久性を有しているため、金属を含有する溶液が塩化水素を含む場合の金属の回収に好適である。したがって、白金族金属の回収に好適である。溶離液としては、チオ尿素、尿素、水酸化ナトリウム、アンモニア、塩化ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸などを含むものを用いることができ、好ましくは、水酸化ナトリウム、チオ尿素、アンモニアを含むものが用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各数値は以下の方法により測定した。
(金属吸着量)
金属イオン吸着材のサンプル100mgを、100mg/Lの濃度の白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸100mLに投入し、60分間攪拌する。その後、溶液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製 IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量=100−C (mg/g)
(溶離率)
吸着量測定後のサンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、50g/Lのチオ尿素濃度の溶離液20mLに10分間浸漬して金属を溶離させ、溶離液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置で金属濃度を測定(D mg/L)する。以下の式より、溶離率を求める。
溶離率=[(D/50)/{(100−C)/10}]×100 (%)
(含水率)
金属イオン吸着材のサンプル100mgを、100mg/Lの濃度の白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸100mLに投入し、60分間攪拌する。金属イオン吸着材サンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、水に浸漬して25℃、45℃及び75℃にて10分間攪拌する。次いで、金属イオン吸着材サンプルを溶液から取り出してサンプルを遠心脱水して秤量(A)した後、105℃で4時間乾燥して秤量(B)する。以下の式より、含水率を求める。
含水率=[(A−B)/B]×100 (%)
(金属イオン吸着材カラム取り出し性)
金属イオン吸着材粒子をカラムに充填して白金族金属イオンを含有する20℃の3N−塩酸溶液をカラム上部より下部に通液した後、75℃の水を同様に通液する。次いで、金属イオン吸着材サンプルをカラムから取り出してサンプルを遠心脱水して秤量(A)した後、使用した金属イオン吸着材の平均粒子径の1.5倍の径の篩にて篩分けをする。篩を通過した粒子(B)を秤量する。以下の式より、通過率を求める。
通過率=[(A−B)/A]×100 (%)
上記記載の通過率が100%の場合、粒子の膨潤が抑制されており金属イオン吸着材カラム取り出し性は「○」、80〜99%の場合、金属イオン吸着材カラム取り出し性は「△」、80%以下の場合、金属イオン吸着材カラム取り出し性は「×」として求める。
[実施例1]
重合度1700、ケン化度98.5モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール80質量部、ポリエチレンイミン20質量部、及び酸化珪素1質量部を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いてこの繊維をグルタルアルデヒド1%、マレイン酸2%の40℃の溶液で架橋処理を行い、繊維状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに、液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、液中での含水率の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
ナイロン6(宇部興産(株)製、UBEナイロン5033B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。ナイロン6をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、ナイロン6の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール F−104A(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が2.5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
エチレン含量48モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール G−156B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が2.5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が10質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が90質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、液中での含水率の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が40質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が60質量部、酸化珪素の含有量が5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径2.3μmの酸化珪素(東ソー・シリカ(株)製、NIPGEL、AZ200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、エスカロン#2300(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、炭酸カルシウムを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、炭酸カルシウムの含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.8μmの架橋アクリル粒子(総研化学(株)製、MX−80H3wT(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、架橋アクリル粒子を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、架橋アクリル粒子の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径1.5μmの珪酸マグネシウム(日本タルク(株)製、MICRO ACE FG−15(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、珪酸マグネシウムを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、珪酸マグネシウムの含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径14.0μmの酸化珪素(東ソー・シリカ(株)製、NIPGEL、BY−001(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例13]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例14]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が10質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例15]
重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール80質量部、ポリアリルアミン20質量部、及び酸化珪素5質量部を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いてこの繊維をグルタルアルデヒド1%、マレイン酸2%の40℃の溶液で架橋処理を行い、繊維状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例16]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリアリルアミンの含有量が20質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が80質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、液中での含水率の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例17]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計含有量が25質量部(ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計に対するポリエチレンイミンの質量比が80%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように3種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例18]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、重量平均分子量40000の4級アンモニウム含有ポリマー((株)日東紡製、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体 PAS−H−5L(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計含有量が25質量部(ポリエチレンイミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計に対するポリエチレンイミンの質量比が80%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように3種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例19]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、重量平均分子量40000の4級アンモニウム含有ポリマー((株)日東紡製、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体 PAS−H−5L(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリアリルアミン、4級アンモニウム含有ポリマー、酸化珪素を所定量添加して、ポリアリルアミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計含有量が25質量部(ポリアリルアミンと4級アンモニウム含有ポリマーの合計に対するポリアリルアミンの質量比が80%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように3種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール95質量部、ポリアリルアミン5質量部、及び酸化珪素2.5質量部を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いてこの繊維をグルタルアルデヒド1%、マレイン酸2%の40℃の溶液で架橋処理を行い、繊維状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール50質量部、ポリアリルアミン50質量部、及び酸化珪素5質量部を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸したが、糸条形成はできなく、繊維状の金属イオン吸着材を得られなかった。
[比較例3]
重合度1700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117(商品名))、及び重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。ポリビニルアルコール80質量部、及びポリアリルアミン20質量部を水に溶解した。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、形成した糸条を2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、230℃で5倍の乾熱延伸を施した。引き続いてこの繊維をグルタルアルデヒド1%、マレイン酸2%の40℃の溶液で架橋処理を行い、繊維状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、液中での含水率の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.02μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル90G(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が5質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が95質量部、酸化珪素の含有量が0.5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が50質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が50質量部、酸化珪素の含有量が5質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、取り出しを試みたが、樹脂組成物が固化せず、金属イオン吸着材を得ることができなかった。
[比較例6]
ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、ノバテック HY420(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。ポリエチレンをラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、ポリエチレンの含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をしたが、樹脂組成物が均一に混合せず、金属イオン吸着材を得ることができなかった。
[比較例7]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及び重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部になるように2種のポリマーを混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、液中での含水率の評価、並びにカラムでの取り出し性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例8]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.007μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル300(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例9]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径80μmの酸化珪素(東ソー・シリカ(株)製、NIPSIL、ER−R(商品名))に粉砕機による粉砕処理を施して得た平均粒子径25μmの酸化珪素を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例10]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が0.05質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例11]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径0.03μmの酸化珪素(日本アエロジル(株)製、アエロジル50(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部、酸化珪素の含有量が20質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について白金族の吸着量及び溶離率の評価、並びに液中での含水率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例12]
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))、及び平均粒子径80μmの酸化珪素(東ソー・シリカ(株)製、NIPSIL、ER−R(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体をラボプラストミルにより210℃で溶融混練して、そこへポリエチレンイミン、酸化珪素を所定量添加して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量部に、酸化珪素の含有量が1質量部となるように2種のポリマーと微粒子を混合した。所定時間混練をした後、樹脂組成物を取り出し、得られた樹脂組成物に、粉砕機による粉砕処理を施したが、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンイミン及び酸化珪素の混合性が悪く、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材が得られなかった。
Figure 2014180643
表1から明らかなように、繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基及び4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む樹脂成分、及び該樹脂成分100質量部に対して0.10〜10質量部の微粒子(C)を含み、該微粒子(C)の平均粒子径が、0.012〜20μmである金属イオン吸着材は、吸着性及び溶離性に優れ、かつ膨潤特性に優れるものである。

Claims (10)

  1. 繰り返し単位中にアミノ基又は4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基及び4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む樹脂成分、及び該樹脂成分100質量部に対して0.10〜10質量部の微粒子(C)を含み、該微粒子(C)の平均粒子径が、0.012〜20μmである金属イオン吸着材。
  2. 前記アミン系ポリマー(A)が、ポリビニルアミン、ポリビニルアルキルアミン、ポリアルキレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、ポリアニリン、ポリヌクレオチド、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の金属イオン吸着材。
  3. 前記親水性ポリマー(B)が、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルキルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、及びポリアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の金属イオン吸着材。
  4. 前記微粒子(C)が、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、ポリスチレン、及び架橋アクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属イオン吸着材。
  5. 粒子径が0.1〜2.0mmの粒子状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属イオン吸着材。
  6. 繊維径が10〜1000μmの繊維状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属イオン吸着材。
  7. 金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法。
  8. 回収する金属が白金族金属である請求項7に記載の金属回収方法。
  9. 前記金属を含有する溶液が、塩化水素を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項7又は8に記載の金属回収方法。
  10. 前記金属イオン吸着材をカラムに充填して用いる請求項7〜9のいずれか1項に記載の金属回収方法。
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