JP2011219747A - 金属イオン吸着性組成物、金属イオン吸着材及び金属回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1級アミノ基を数平均分子量1000あたり10〜35個有するアミン系ポリマー(A)と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)とを質量比が10/90〜40/60で含有することを特徴とする組成物、及びこれを用いた金属イオン吸着材である。
【選択図】なし
Description
[2]上記組成物を用いた金属イオン吸着材。
[3]粒子径が0.1〜2.0mmの粒子状である上記金属イオン吸着材。
[4]繊維径が10〜1000μmの繊維状である上記金属イオン吸着材。
[5]金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、上記金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法。
[6]回収する金属が白金族金属である上記金属回収方法。
[7]前記金属を含有する溶液が、塩酸を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する上記金属回収方法。
・金属イオン吸着材を所望の長さに切断して金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材が粒子状の場合は、金属イオン吸着材粒子をカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材粒子を、金属イオンを含有する溶液に投入し、金属イオンを吸着させた後引き上げる。
・金属イオン吸着材が繊維状の場合は、側面に穴を有する筒状の芯に金属イオン吸着材繊維を巻きつけ、筒の内部から外部へ或いはその逆方向に金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を適当な長さに切断してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
・金属イオン吸着材繊維を紙、不織布、織物などのシートに加工し、これを積層してカラムに充填し、金属イオンを含有する溶液を通液する。
金属イオン吸着材のサンプルを105℃で4時間乾燥して秤量(A)した後、6N塩酸中に浸漬して25℃にて24時間攪拌する。次いで、サンプルを遠心脱水した後、同様の条件で乾燥して秤量(B)する。以下の式より、質量減少率を求める。
質量減少率=(A−B)/B×100 (%)
金属イオン吸着材のサンプル100mgを100mg/Lの濃度の白金族金属イオンを含有する20℃の1N−塩酸溶液100mLに投入し、60分間攪拌する。その後、溶液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製 IRIS−AP)にて測定した金属濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、金属吸着量を求める。
サンプル1gあたりの金属吸着量=100−C (mg/g)
吸着量測定後のサンプルを溶液から取り出して付着液をふき取り、所定の溶離液20mLに10分間浸漬して金属を溶離させ、溶離液1mLをサンプリングしてICP発光分析装置で金属濃度を測定(D mg/L)する。以下の式より、溶離率を求める。
溶離率=(D/50)/{(100−C)/10}×100 (%)
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=10/90となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1Nの水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=20/80となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=40/60となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量48モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール G−156B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=20/80となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール F−104A(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=20/80となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=5/95となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=60/40となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をすることができず、本発明の材料を得ることができなかった。
エチレン含量27モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール L−104A(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリアリルアミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリアリルアミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=20/80となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))と、重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製 エポミンSP−200(商品名)、数平均分子量1000あたりの2級アミノ基の数=22.7個)を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押出機により210℃で溶融混練し、そこへポリエチレンイミンをサイドフィーダーから所定量添加して、質量比がポリエチレンイミン/エチレン−ビニルアルコール共重合体=20/80となるように双方のポリマーを混合した。押出ストランド成形をした後、カットして2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットに粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径0.2〜0.5mmの粒子状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。なお、溶離液としては1N−水酸化ナトリウム溶液を使用した。結果を表1に示す。
重合度1700、ケン化度99モル%のPVA((株)クラレ製 ポバール PVA117(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製 PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。ポリアリルアミンが2質量%、PVAが15質量%の濃度となるように水に溶解させた(質量比:ポリアリルアミン/PVA=12/88)。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、15m/分の速度で引き取った。形成した糸条は2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、繊維状の成形物を得た。得られた成形物に150℃で2時間熱処理を施し、繊維状の金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。この結果、質量減少率は100%であった。また、白金の吸着量及び溶離率の評価においても金属イオン吸着材の大幅な減量が観察されたので、実用に耐えないと判断した。参考に3N塩酸を用いて同様に質量減少率を測定したところ、質量減少率は70%であった。
重合度1700、ケン化度99モル%のPVA((株)クラレ製 ポバール PVA117(商品名))と、重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製 PAA−15C(商品名)、数平均分子量1000あたりの1級アミノ基の数=17.5個)を用いた。ポリアリルアミンが2質量%、PVAが15質量%の濃度となるように水に溶解させた(質量比:ポリアリルアミン/PVA=12/88)。当該溶液を直径0.08mm、孔数1000のノズルから40℃の飽和硫酸ナトリウム浴に湿式紡糸し、15m/分の速度で引き取った。形成した糸条は2倍に湿延伸した後、130℃で乾燥させ、繊維状の成形物を得た。得られた成形物は架橋処理を行なうため、ホルムアルデヒド28g/L、硫酸ナトリウム130g/L、硫酸240g/Lの混合液に60℃で20分浸漬させ、水酸化ナトリウム4g/Lで中和処理をし、水洗後105℃で2時間乾燥させて金属イオン吸着材を得た。得られた金属イオン吸着材について、塩酸中での質量減少率並びに白金の吸着量及び溶離率の評価を行った。この結果、質量減少率は65%であった。また、白金の吸着量及び溶離率の評価においても金属イオン吸着材の大幅な減量が観察されたので、実用に耐えないと判断した。参考に3N塩酸を用いて同様に質量減少率を測定したところ、質量減少率は21%であった。
Claims (7)
- 1級アミノ基を数平均分子量1000あたり10〜35個有するアミン系ポリマー(A)と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)とを質量比(A)/(B)=10/90〜40/60で含有することを特徴とする組成物。
- 請求項1に記載の組成物を用いた金属イオン吸着材。
- 粒子径が0.1〜2.0mmの粒子状である請求項2に記載の金属イオン吸着材。
- 繊維径が10〜1000μmの繊維状である請求項2に記載の金属イオン吸着材。
- 金属イオンを含有する溶液から金属を回収する方法であって、請求項2〜4のいずれか1項に記載の金属イオン吸着材に該溶液中の金属イオンを吸着させること、及び吸着させた該金属イオンを溶離液によって該金属イオン吸着材から溶離させることを含む金属回収方法。
- 回収する金属が白金族金属である請求項5に記載の金属回収方法。
- 前記金属を含有する溶液が、塩酸を含む溶液であり、前記溶離液が、水酸化ナトリウム、アンモニア、及びチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項6に記載の金属回収方法。
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