JP2015174878A - ポリマーアロイ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属イオン吸着性に優れたキレート官能基を有する、取り扱い性と耐乾燥性に優れる吸着材を提供する。【解決手段】エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、アミノ基の少なくと一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーとを含むポリマーアロイを提供することにより、取り扱い性と耐乾燥性に優れた金属イオン吸着材を提供するに至った。【選択図】なし
Description
本発明は、白金族金属イオンや重金属イオンをはじめとする種々の金属を、効率よく吸着し回収または除去することを可能にするポリマーアロイ、及びそれを用いた吸着材に関する。
近年、レアメタルなどの金属資源はその需要の高まりと、資源ナショナリズムによる供給制限とが相まって、供給不安、価格の高騰など市場は不安定である。そのような状況において、使用済みの製品をリサイクルする技術や仕組みの構築、更には、回収や製錬工程で極力ロスを少なくする技術開発が精力的に行われている。
また、昨今では工業排水、鉱山廃水、焼却灰、汚泥等による水質汚染、大気汚染、土壌汚染等の社会問題に対する意識の高まりから、汚染防止に向けて有害物質の排出規制が強化されている。そのような状況において、有害金属を効率よく除去する技術開発が精力的に行われている。
金属含有水溶液から金属を分離回収する方法としては、イオン化エネルギーの差で金属を分離する電解製錬法、溶液の水素イオン濃度を制御して金属を沈殿させる凝集沈殿法、電荷の違いで金属を分離するイオン交換法、特定の金属と特異的に配位結合を形成する官能基を用いるキレート法などが知られている。これらの中でもキレート法は、金属選択性が高い、液性変動の影響を受けにくい、等の理由から、酸や有機物と共存する廃水等からの特定金属の回収において、特に有効である。
キレート法で用いられる官能基の中でも、チオウレア基は、高価で回収ニーズの高い貴金属や、生体への悪影響が大きい水銀等の有害物質と、強く相互作用することで知られており、基材へチオウレア基を導入した回収材の開発が盛んに進められている。
例えば、特許文献1及び特許文献2では、チオウレア基を導入したポリアミン重合体よりなる金属捕集剤が開示されており、固体状廃棄物中や廃水、排ガス等に含まれる水銀やカドミウム、鉛、亜鉛等の金属に対する捕集力に優れることが記載されている。
これらの金属捕集剤は希薄金属の回収効率に優れる、取り扱い性が良い等の理由から、工業的な実施に適していると考えられ、種々の検討が行われている。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の金属捕集剤は、液状であるため、流動液中からの金属回収、例えばカラムに詰めて使用する場合には好適でなく、使用後捕集材の後処理も煩雑であるため、使用形態に制約を有していた。
チオウレア基を基材に固定化した例としては、側鎖にチオウレア基を有するキレート樹脂が市販されており、水銀の除去や貴金属の回収に利用されている。しかしながら、該樹脂は一般的には三次元架橋構造を有する疎水性の高分子骨格にキレート形成基が導入された構造であることから、樹脂が一旦乾燥してしまうと樹脂が疎水性となるため、樹脂内部に存在するキレート形成基近傍まで金属イオン水溶液が浸透し難くなり、吸着性能が低下するなどの問題を生じることがあった。
従って、本発明の目的は、白金族金属イオンをはじめとする種々の金属イオンの吸着性に優れたキレート官能基を有し、取り扱い性が良く、耐乾燥性に優れる金属イオン吸着材を提供することにある。
本発明の発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、親水性の高いエチレン−ビニルアルコール系共重合体と、金属イオン吸着性に優れたキレート官能基であるチオウレア基を含有するポリマーと、を含むポリマーアロイが取り扱い性に優れ、さらに、該ポリマーアロイは耐乾燥性を有し、金属イオン吸着材としても有用であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、アミノ基の少なくとも一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーとを含むポリマーアロイである。
本発明のポリマーアロイにおいて、エチレン−ビニルアルコール系共重合体マトリクス中にチオウレア基含有アミン系ポリマーが分散し、平均径1〜2000nmで分散していてもよい。
前述のチオウレア基含有アミン系ポリマーにおいて、チオウレア基の含有量は、0.1〜20.0mmol/gであってもよい。
本発明のポリマーアロイの形状は、粒子状であってもよく、粒子径が10μm〜2000μmであってもよい。
本発明のポリマーアロイは、金属イオンを含有する溶液から金属を回収する吸着材として有用であって、溶液中の金属イオンを吸着させて、金属を回収する方法に適用可能である。
本発明のポリマーアロイは、耐乾燥性と耐水性を兼ね備え、かつ用途に応じて所望の形状に成形し易いことから、取り扱い性に優れ、金属イオン吸着材として幅広い用途に使用することができる。さらに、該吸着材は、金属イオン浸透性に優れた親水性マトリクス中にチオウレア基含有ポリマーが分散した構造を有しているため、樹脂内部の官能基まで有効に活用することができ、金属イオンを効率的に回収することができる。
本発明のポリマーアロイは、親水性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体をマトリクスとしてチオウレア基含有アミン系ポリマーを分散しており、ポリマーアロイを絶乾させた後も水の浸透性が低下しないため耐乾燥性が高く、マトリクスにより耐水性を維持しつつも、金属イオンを樹脂内部で速やかに拡散させることが可能である。さらに、該ポリマーアロイは熱可塑性であるため成形性が高く、取り扱いに優れる。
本発明のポリマーアロイは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、アミノ基の少なくとも一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーとを含むことを特徴とする。
本発明のポリマーアロイにおいて、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とチオウレア基含有アミン系ポリマーの質量割合については、前述の性質を有するポリマーアロイを得ることができる限り特に限定されないが、例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100質量部に対して、チオウレア基含有アミン系ポリマーを5〜150質量部含有することが好ましく、10〜100質量部含有することがより好ましく、15〜80質量部含有することがさらに好ましい。チオウレア基含有アミン系ポリマー量が5質量部未満の場合、該ポリマーアロイを金属イオン吸着材として用いた際に、十分な金属イオン吸着量が得られないことがある。チオウレア基含有アミン系ポリマー量が150質量部を超える場合、製造上困難である場合が多い。
前述のポリマーアロイは、官能基を効率的に利用する観点から、エチレン−ビニルアルコール系共重合体マトリクス中にチオウレア基含有ポリマーが分散していることが好ましい。チオウレア基含有アミン系ポリマーの分散径の平均値は1nm〜2000nmであることが好ましく、5nm〜1500nmであることがさらに好ましく、10nm〜1000nmであることが最も好ましい。分散径が1nm未満の場合、局所的な官能基密度が低下し、金属イオンの吸着性能が十分に得られないことがある。分散径が2000nmを超える場合、官能基の分散性が悪いため、金属イオンの吸着性能が十分に得られないことがある。平均粒子径の測定は、後述する透過型電子顕微鏡観察で求められる値である。
本発明のポリマーアロイは、チオウレア基の優れた金属イオン吸着特性により、優れた金属イオン吸着性能を示す。該ポリマーアロイが含有するチオウレア基の導入量は特に限定されないが、0.1〜20.0mmol/gであることが好ましく、0.2〜15.0mmol/gであることがより好ましく、0.3〜10.0mmol/gであることがさらに好ましい。チオウレア基導入量が0.1mmol/g未満である場合、金属イオンの吸着性能が十分に得られないことがある。一方、官能基のモル数が20.0mmol/gを超える場合、製造上困難である場合が多い。
本発明のポリマーアロイにおいて、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の代わりに、キトサン系樹脂、セルロース系樹脂、アミド系樹脂、または(メタ)アクリル酸系樹脂等の親水性ポリマーを用いた場合、チオウレア基含有ポリマーが所望の粒子径で分散しない、所望のチオウレア基導入量が得られない、等の問題があり、目的の性質を有するポリマーアロイが得られない虞がある。
本発明のポリマーアロイの形状は、特に限定されず、ポリマーアロイの適用箇所に応じて、繊維やその集合である織布や不織布、粒子、シート、フィルムあるいはそれらの加工品など各種の形状から選択することができる。これらのうち、取り扱い性及び金属イオンとの吸着性を向上する観点から、粒子状であることが好ましい。
ポリマーアロイが粒子状の場合、適宜粉砕により目的の粒子径に調整すれば良いが、粒子径は10μm〜2000μmが好ましく、20μm〜1800μmがさらに好ましく、30μm〜1500μmが最も好ましい。粒子径が10μm未満の場合、微粉が舞い易いなど取り扱いが難しい。粒子径が2000μmを超える場合、金属イオンの吸着性能が十分に得られないことがある。なお、粒子径は、篩分けにより分級された値を示す。
(エチレン−ビニルアルコール系共重合体)
本発明のポリマーアロイの構成成分であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、前述の性質を発現する限り特に限定されないが、そのエチレン含有量は、10〜60モル%であることが好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。エチレン含量が10モル%未満である場合、得られるポリマーアロイの耐水性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越える場合は、製造が難しく入手が困難である。
本発明のポリマーアロイの構成成分であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、前述の性質を発現する限り特に限定されないが、そのエチレン含有量は、10〜60モル%であることが好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。エチレン含量が10モル%未満である場合、得られるポリマーアロイの耐水性が低下する虞がある。一方、エチレン含量が60モル%を越える場合は、製造が難しく入手が困難である。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のけん化度は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがさらに好ましい。けん化度が90モル%未満である場合、成形性が悪くなったり、得られるポリマーアロイの耐水性が低下したりする虞がある。
また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)についても特に限定されないが、0.1g/分以上であることが好ましく、0.5g/分以上であることがより好ましい。0.1g/分未満である場合、耐水性や強度が低下する虞がある。なお、メルトフローレートの上限は通常用いられる範囲であればよく、例えば、25g/分以下であってもよい。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で別の不飽和単量体単位を含んでいてもよい。該不飽和単量体単位の含量は、10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。このようなエチレン−ビニルアルコール系共重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(チオウレア基含有アミン系ポリマー)
本発明のポリマーアロイの構成成分である、アミノ基の少なくとも一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーにおいて、アミン系ポリマーの繰り返しユニットにおける、非変性ユニットと変性ユニットとのモル割合は、100:0以外であれば、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、金属イオンの吸着性を向上する観点から、99:1〜0:100が好ましい。
本発明のポリマーアロイの構成成分である、アミノ基の少なくとも一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーにおいて、アミン系ポリマーの繰り返しユニットにおける、非変性ユニットと変性ユニットとのモル割合は、100:0以外であれば、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、金属イオンの吸着性を向上する観点から、99:1〜0:100が好ましい。
本発明に用いられるアミン系ポリマーは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と溶融混合可能であり、チオウレア基に変性可能なアミノ基を有する限り特に限定されず、一般に知られているアミン系ポリマーが利用できる。当該アミン系ポリマーは、例えば、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等の水溶性アミン系ポリマー又はその塩;ポリアミドアミン等のデンドリマー又はその塩;ポリアニリン又はその塩、等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体との溶融混合性に優れ、反応活性の高い1級アミノ基又は2級アミノ基の含有量が多い水溶性アミン系ポリマー又はその塩が好適に用いられる。
本発明に用いられるチオウレア基含有アミン系ポリマーは、本発明における効果が得られる限り、アミノ基とチオウレア基以外の官能基を有するユニットを含んでいてもよい。該官能基は特に限定されないが、例えば、チオール基、スルフィド基、スルホン酸基、チオカルボニル基、チオアミド基、ジチオカルバミン酸基等の含硫黄基;アンモニウム基、アミド基、イミド基等の含窒素基;水酸基、カルボニル基、エーテル基等の含酸素基;アルキル基、フェニル基等の含炭素基;リン酸基、ホスホノ基等の含リン基、等が挙げられる。
本発明のポリマーアロイの製造方法は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、(A)ポリアリルアミン塩酸塩にチオシアン酸アンモニウムを反応させ、ポリアリルアミンを構成する1級アミノ基中の窒素原子に結合した活性水素とチオシアン酸アンモニウムを置換することで、チオウレア基含有アミン系ポリマーを合成し、該ポリマーとエチレン−ビニルアルコール系共重合体を溶融混練にて混合して溶融物を冷却固化させた複合体を得た後に、この複合体を粉砕して粒子化してもよく、(B)ポリエチレンイミンとエチレン−ビニルアルコール系共重合体を溶融混練にて混合して溶融物を冷却固化させた複合体を得た後に、この複合体を粉砕して粒子化し、二硫化炭素を反応させ、ポリエチレンイミンを構成する1級アミノ基又は2級アミノ基中の窒素原子に結合した活性水素と二硫化炭素を置換することで生成したジチオカルバミン酸基に対し、ブチルアミンなどのアミン化合物を反応させ、ジチオカルバミン酸基を構成する硫黄原子とブチルアミンなどのアミン化合物を置換することで、チオウレア基を導入してもよい。
本発明のポリマーアロイは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、架橋剤、無機微粒子、光安定剤、酸化防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
本発明のポリマーアロイは、成形体、塗料、接着剤等の広範な用途に使用できる。成形体としては、食品、医薬品、化粧品などの包装材料として有用に用いることが可能であるが、優れた金属イオン吸着能を有しているため、特に、金属イオン吸着材として用いるのが好ましい。
(金属イオン回収方法)
本発明の金属イオン吸着材は、各種金属(特に貴金属や水銀等)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。金属イオン回収方法としては、本発明の金属イオン吸着材を用いる限り特に限定されず、金属イオン吸着材の形状に応じてさまざまな回収方法を利用することができる。
本発明の金属イオン吸着材は、各種金属(特に貴金属や水銀等)を、簡単な操作で、高効率かつ低コストで金属イオンとして回収することができる。金属イオン回収方法としては、本発明の金属イオン吸着材を用いる限り特に限定されず、金属イオン吸着材の形状に応じてさまざまな回収方法を利用することができる。
例えば、金属イオン回収方法は、本発明の金属イオン吸着材と、目的とする金属イオンを含有する金属イオン含有液とを接触させ、該吸着材に金属イオンを吸着させる吸着工程を備えていてもよい。吸着工程においては、必要に応じて、吸着材を充填したカラムに金属イオン含有液を通液してもよいし、液体中で吸着材を撹拌してもよい。
本発明の金属イオン吸着材は、親水性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体をマトリクスとして用いており、金属イオン含有液の吸着材内部への浸透性に優れるため、乾燥状態の該吸着材と金属イオン含有液とを接触させた場合でも、優れた吸着性能を発現することができる。
本発明の金属イオン吸着材の回収対象となる金属としては、特に限定されないが、貴金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、銀)、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム、ビスマス等が挙げられ、とりわけ貴金属、水銀の回収に好適である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
[チオウレア基含有ポリマーからなる島成分(分散体)の平均粒子径]
得られた吸着材を40℃、12時間真空乾燥した後、粒子の断面を切り出し、切片を作製した。該超薄切片のチオウレア基含有ポリマー部位をルテニウム酸溶液で5分間染色し、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JME−2100F)を用いて断面観察を行った。ルテニウム酸で染色された部分を任意に50個選択し、各々の長径を計測し、長径の値の平均をチオウレア基含有ポリマー分散体の平均径とした。
得られた吸着材を40℃、12時間真空乾燥した後、粒子の断面を切り出し、切片を作製した。該超薄切片のチオウレア基含有ポリマー部位をルテニウム酸溶液で5分間染色し、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JME−2100F)を用いて断面観察を行った。ルテニウム酸で染色された部分を任意に50個選択し、各々の長径を計測し、長径の値の平均をチオウレア基含有ポリマー分散体の平均径とした。
[チオウレア基量]
ポリマーアロイのチオウレア基量は、有機元素分析計(パーキンエルマー社製、2400II)により測定された含硫黄分から算出した。
チオウレア基量[mmol/g]=(含有硫黄分[重量%]/3.21−前駆体の含硫黄官能基量[mmol/g])/反応前樹脂1g当たりの反応後樹脂重量[g]
ポリマーアロイのチオウレア基量は、有機元素分析計(パーキンエルマー社製、2400II)により測定された含硫黄分から算出した。
チオウレア基量[mmol/g]=(含有硫黄分[重量%]/3.21−前駆体の含硫黄官能基量[mmol/g])/反応前樹脂1g当たりの反応後樹脂重量[g]
[金属イオン吸着率]
(白金イオン吸着率)
吸着材50mgを、白金イオン濃度が400mg/Lである0.5規定の硝酸溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中の白金イオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、白金イオン吸着率を求める。
白金イオン吸着率[%]=100−C/4
(パラジウムイオン吸着率)
吸着材50mgを、パラジウムイオン濃度が10mg/Lである0.5規定の硝酸溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中のパラジウムイオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、パラジウムイオン吸着率を求める。
パラジウムイオン吸着率[%]=100−10C
(水銀イオン吸着率)
吸着材50mgを、水銀イオン濃度が10mg/Lである水溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中の水銀イオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、水銀イオン吸着率を求める。
水銀イオン吸着率[%]=100−10C
(白金イオン吸着率)
吸着材50mgを、白金イオン濃度が400mg/Lである0.5規定の硝酸溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中の白金イオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、白金イオン吸着率を求める。
白金イオン吸着率[%]=100−C/4
(パラジウムイオン吸着率)
吸着材50mgを、パラジウムイオン濃度が10mg/Lである0.5規定の硝酸溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中のパラジウムイオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、パラジウムイオン吸着率を求める。
パラジウムイオン吸着率[%]=100−10C
(水銀イオン吸着率)
吸着材50mgを、水銀イオン濃度が10mg/Lである水溶液70mLに投入し、23℃にて24時間浸漬撹拌する。その後、樹脂を濾別し、ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、IRIS−AP)にて測定した浸漬後液中の水銀イオン濃度をC(mg/L)とする。以下の式より、水銀イオン吸着率を求める。
水銀イオン吸着率[%]=100−10C
[実施例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)90質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)10質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム3モル当量を添加し、塩酸水溶液還流下で反応した。その後、該粒子を洗浄、乾燥し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)90質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)10質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム3モル当量を添加し、塩酸水溶液還流下で反応した。その後、該粒子を洗浄、乾燥し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[実施例2]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、G156)80質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)20質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径2360μm〜2800μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径2360μm〜2800μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、G156)80質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)20質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径2360μm〜2800μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径2360μm〜2800μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)75質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)25質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)75質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)25質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径300μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[実施例4]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)75質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)25質量部をラボプラストミルにて、溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)75質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)25質量部をラボプラストミルにて、溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[実施例5]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)80質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)20質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、イソチオシアン酸メチル3モル当量を添加し、ジオキサン還流下で反応した。次いで、該粒子を洗浄、乾燥し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材の水銀イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)80質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)20質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、イソチオシアン酸メチル3モル当量を添加し、ジオキサン還流下で反応した。次いで、該粒子を洗浄、乾燥し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。また、該吸着材の水銀イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[実施例6]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)70質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)30質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、ジエチレントリアミン1モル当量と、二硫化炭素3モル当量を、水酸化ナトリウム水溶液中30℃で反応させ、該樹脂を添加し、70℃で反応後、エチレンジアミン1.5当量を添加し、引き続き70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、F101)70質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)30質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕し、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子を作製した。該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、ジエチレントリアミン1モル当量と、二硫化炭素3モル当量を、水酸化ナトリウム水溶液中30℃で反応させ、該樹脂を添加し、70℃で反応後、エチレンジアミン1.5当量を添加し、引き続き70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径212μm〜500μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
[実施例7]
市販のポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム1.5モル当量を添加し、塩酸水溶液中95℃で反応後、逆浸透法により精製することで、チオウレア基含有アミン系ポリマーを得た。該ポリマー50質量部と、市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)50質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕した。次いで、篩を用いて粒子径100μm〜300μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
市販のポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム1.5モル当量を添加し、塩酸水溶液中95℃で反応後、逆浸透法により精製することで、チオウレア基含有アミン系ポリマーを得た。該ポリマー50質量部と、市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、E105)50質量部をラボプラストミルにて溶融混練した後、粉砕した。次いで、篩を用いて粒子径100μm〜300μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材の島成分の平均径および官能基量の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)60質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、金属イオン吸着材を得た。該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)60質量部とポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−15C)40質量部をラボプラストミルにて、210℃の温度で3分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、金属イオン吸着材を得た。該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[比較例2]
市販のナイロン6(セルバ社製、ポリアミド−6−パウダー)90質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)10質量部をラボプラストミルにて、230℃の温度で7分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材は断面観察の結果、海島構造を有していなかった。また、該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のナイロン6(セルバ社製、ポリアミド−6−パウダー)90質量部とポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)10質量部をラボプラストミルにて、230℃の温度で7分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させたコンパウンドを粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子を作製した。該粒子に対し、該粒子に含まれるアミノ基1モルあたり、二硫化炭素3モル当量を添加し、水酸化ナトリウム水溶液中0℃で反応後、ブチルアミン4モル当量を添加し、70℃で反応させた。次いで、該粒子を洗浄、乾燥後、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級することで、目的のチオウレア基含有ポリマーアロイからなる金属イオン吸着材を得た。該吸着材は断面観察の結果、海島構造を有していなかった。また、該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1で市販のポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム1.5モル当量を添加し、塩酸水溶液中95℃で反応後、逆浸透法により精製することで、目的の金属イオン吸着材を得た。該吸着材の白金イオン吸着量評価を試みたが、金属イオン水溶液に溶解し、取り出すことができなかった。
実施例1で市販のポリエチレンイミン(株式会社日本触媒社製、エポミンSP−200)に含まれるアミノ基1モルあたり、チオシアン酸アンモニウム1.5モル当量を添加し、塩酸水溶液中95℃で反応後、逆浸透法により精製することで、目的の金属イオン吸着材を得た。該吸着材の白金イオン吸着量評価を試みたが、金属イオン水溶液に溶解し、取り出すことができなかった。
[比較例4]
市販のチオウレア基含有キレート樹脂(味の素ファインテクノ株式会社製、ホクエツMA−A)を40℃で真空乾燥することで、金属イオン吸着材を得た。該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のチオウレア基含有キレート樹脂(味の素ファインテクノ株式会社製、ホクエツMA−A)を40℃で真空乾燥することで、金属イオン吸着材を得た。該吸着材のパラジウムイオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
[比較例5]
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)を粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、金属イオン吸着材を得た。該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
市販のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(株式会社クラレ社製、L104)を粉砕し、篩を用いて粒子径425μm〜710μmの粒子に分級し、金属イオン吸着材を得た。該吸着材の白金イオン吸着性能の評価結果を表2に示す。
実施例1〜7から明らかなように、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、チオウレア基含有アミン系ポリマーとを含む本発明のポリマーアロイを得ることに到達した。さらに、該ポリマーアロイを用いてなる本発明の金属イオン吸着材は、各種金属イオンを効率的に吸着することができ、さらに耐乾燥性にも優れるため、金属イオンを分離回収する際に非常に有効であった(実施例1、3〜5)。
比較例1のように、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、チオウレア基を全く含まないアミン系ポリマーからなるポリマーブレンドの場合、チオウレア基による金属イオン吸着効果が得られないため、十分な金属イオン吸着性能が発現しない。比較例2のように、エチレン−ビニルアルコール系共重合体以外の基材を用いると、チオウレア基含有アミン系ポリマーの分散性が悪く、十分な金属イオン吸着性能が発現しない。比較例3のように、チオウレア基含有ポリマーのみからなる吸着材を用いた場合、水溶性が高すぎるため取り扱い性が悪い。比較例4のように、疎水性基材を有する市販チオウレア基含有吸着材を乾燥後に用いた場合、十分な金属イオン吸着性能が発現しない。比較例5のように、エチレン−ビニルアルコール系共重合体単体では、十分な金属イオン吸着性能が発現しない。
本発明によれば、白金族金属イオンをはじめとする種々の金属イオンへの高い吸着性を有するポリマーアロイを提供することができる。該ポリマーアロイは、例えば、白金族金属、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、鉛、亜鉛、水銀、カドミウム、ビスマス等の金属イオンを効率よく回収することができる吸着材として利用できる。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
Claims (5)
- エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、アミノ基の少なくとも一部をチオウレア基に変性したチオウレア基含有アミン系ポリマーとを含むことを特徴とするポリマーアロイ。
- エチレン−ビニルアルコール系共重合体マトリックス中にチオウレア基含有アミン系ポリマーが分散し、かつ分散体の平均径が1〜2000nmであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーアロイ。
- チオウレア基含有アミン系ポリマーのチオウレア基導入量が0.1〜20.0mmol/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマーアロイ。
- 粒子形状であり、かつ粒子径が10μm〜2000μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーアロイ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマーアロイを用いてなる金属イオン吸着材。
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JP2011219747A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-11-04 | Kuraray Co Ltd | 金属イオン吸着性組成物、金属イオン吸着材及び金属回収方法 |
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