次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、演出(表示演出)を実行可能な演出手段としての図柄表示装置(遊技機構成部材)17が着脱可能に配設されている。この図柄表示装置17は、所定条件の成立(後述する始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行うものであり、該図柄表示装置17に表示される飾図の表示結果や演出の内容によって、当り遊技を生起するか否かの当り判定の結果が示唆または報知されるようになっている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(扉体)13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられている。更に、前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14が一体的に開閉するよう構成されている。なお、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して、中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。また、実施例では、図柄表示装置17として、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するよう枠ランプ(発光手段)19が配設されると共に、前枠13の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)18が配設されている。すなわち、枠ランプ19に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ18から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前枠13に配設された枠ランプ19は、発光演出を実行可能な演出手段として機能すると共に、前枠13に配設されたスピーカ18は、音演出を実行可能な演出手段として機能している。なお、上球受け皿14や下球受け皿15に対して枠ランプ19またはスピーカ18を配設するよう構成してもよい。
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された図示しない球発射装置を作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されている。
前記パチンコ機10には、パチンコ機10に関する統括的な制御を行う主制御基板33(図10参照)が遊技盤20の後面側(後述する設置部材50の後面)に配設されると共に、主制御基板33からの制御信号に基づいて演出に関する制御を行う演出制御基板34(図10参照)が遊技盤20の後面側(後述する設置部材50の後面)に配設されている。演出制御基板34は、主制御基板33からの制御信号を受けて前記図柄表示装置17の表示内容を表示制御基板35(図10参照)に指示する(制御信号を出力する)ことで、該表示制御基板35を介して図柄表示装置17による表示を制御する。また、演出制御基板34は、主制御基板33からの制御信号を受けて、前記枠ランプ19や後述する可動演出部60(図2参照)等の発光態様を図柄変動演出に合わせて制御したり、図柄変動演出に合わせて前記スピーカ18の音出力態様を制御したり、図柄変動演出に合わせて可動演出部60に設けられる可動体61の動作態様を制御したりするようになっている。ここで、実施例の可動体61には、図柄変動演出に合わせて発光演出を行う発光部(後述する発光基板64)や、図柄変動演出に合わせて演出表示を行う表示部(後述するサブ画像表示部65)が設けられており、発光部(発光基板64)を演出制御基板34が制御すると共に、表示部(サブ画像表示部65)を表示制御基板35が制御するよう構成されている(図10参照)。なお、主制御基板33、演出制御基板34および表示制御基板35とは別に備えた制御基板が、枠ランプ19の発光態様を制御したり、スピーカ18の音出力態様を制御したり、可動体61の動作態様を制御したりするようにしてもよい。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側(後述する設置部材50の後面)に前記図柄表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、図2に示すように、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21によって、パチンコ球が流下可能(移動可能)な略円形の遊技領域20aが画成されている。この遊技盤20には、遊技領域20aから遊技盤20の後方に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口には、パチンコ球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置(例えば、パチンコ球が入賞可能な始動入賞口30が設けられた始動入賞装置29、パチンコ球が入賞可能な特別入賞口32が設けられた特別入賞装置31、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口27aが設けられたサイド飾り27)や、画像表示面17aの前方位置に表示窓口25aが前後に開口するよう形成された枠状装飾体25といった各種の遊技部品が前側から取り付けられる。また、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aを流下したパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。実施例のパチンコ機10は、パチンコ球が遊技領域20aを流下して始動入賞口30に入賞した場合に、当該入賞を契機として(当り判定条件の成立に応じて)特図当り判定(当り判定)が実行され、この当り判定の結果が当りの判定結果となることで、特別入賞口32へのパチンコ球の入賞が許容されて遊技者に有利な特別遊技(当り遊技)が生起されるようになっている。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
(設置部材50について)
前記遊技盤20の後面には、部材を配設可能な設置部材(空間画成部材)50が取り付けられている。図3および図4に示すように、設置部材50は、前側(遊技盤20側)が開口する箱状に設けられており、部品を収容可能な収容空間53を内側に画成するよう構成されている。具体的に、設置部材50は、遊技盤20の後方に離間して該遊技盤20の後面と対向する略矩形状の背面板(配設板部)51と、この背面板51における上下および左右の外縁から前方(背面板51に対する交差方向)へ延出して、遊技盤20と背面板51との間を囲うように延在する上下および左右の外周板(交差板部)52と、により構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、背面板51の内面(前面)と、上下左右の外周板52の内面とによって遊技盤20の後側に収容空間53が画成されるよう構成されている。
図4に示すように、前記収容空間53には、演出手段としての前記可動演出部60が配設されており、前記図柄表示装置17で行われる図柄変動演出に合わせた各種の演出を実行するよう構成されている。可動演出部60には、複数の電気部品(図10に示す接続基板40、駆動手段62、原位置センサ63、発光基板64およびサブ画像表示部65)が設けられており、各電気部品40,62,63,64,65が前記収容空間53に収容されている。また、収容空間53には、可動演出部60とは別の演出手段を構成する他の電気部品69(図4および図10参照)が収容されている。更に、収容空間53には、該収容空間53に配設された電気部品40,62,63,64,69と前記演出制御基板34との電気的な接続を中継する中継基板37A,37B(図3および図10参照)が収容されている。中継基板37A,37Bは、収容空間53の後端部に配設され、該中継基板37A,37Bの後面に設けられたコネクタ接続部CNが、背面板51の後側に臨むように位置している。具体的に、中継基板37A,37Bの後面に設けられたコネクタ接続部CNは、後述する連通口81aに位置しており、電気部品40,62,63,69と接続する配線部材(後述する第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7)が接続されている。なお、中継基板37A,37Bには、コネクタ接続部CNが前面にも設けられており(図8参照)、収容空間53内部に配設された図示しない電気部品に繋がる配線部材(図示せず)が前面のコネクタ接続部CNに接続されている。また、前記左右の外周板52および下側の外周板52の前端部には、後述する配線受入部86d(配線開口86)の前側開口を塞ぐ排出路形成部材(所定の遊技機構成部材)68が取り付けられている(図7参照)。この排出路形成部材68は、前記一般入賞口27aに入賞したパチンコ球を遊技盤20の下方へ排出する排出路(図示せず)が設けられ、遊技盤20と設置部材50との間に位置するように配設されている。
前記背面板51には、前後に開口する表示用開口51aが形成されており、該背面板51の後側に配設された前記図柄表示装置17の画像表示面17aが表示用開口51aに臨んで、設置部材50の前側から視認可能となっている。なお、背面板51に関する以下の説明では、表示用開口51aの開口上縁を形成して上側の外周板52に連なる背面板51の上部を「上枠部51T」と指称し、表示用開口51aの開口下縁を形成して下側の外周板52に連なる背面板51の下部を「下枠部51U」と指称し、表示用開口51aにおける左側(図3において右側)の開口側縁を形成して左側の外周板52に連なる背面板51の左側部を「第1側枠部51L」と指称し、表示用開口51aにおける右側(図3において左側)の開口側縁を形成して右側の外周板52に連なる背面板51の右側部を「第2側枠部51R」と指称することがある。
前記背面板51には、図5(a)に示すように、前記図柄表示装置17の前面を支持するよう前記表示用開口51aを囲う枠状に設けられた支持面部511が、この支持面部511の外周側よりも後方に偏倚するよう設けられている。支持面部511は、前記背面板51における上枠部51Tの一部と、下枠部51Uの一部と、第1側枠部51Lの一部と、第2側枠部51Rの一部とにより、前記表示用開口51aを囲う枠状に設けられている。これに対し、前記図柄表示装置17は、背面板51の後面に取り付けられた状態(後述する係合支持部70および固定支持部78によって支持された状態)で、支持面部511の全体を後側から被覆するように位置する。すなわち、支持面部511は、設置状態の図柄表示装置17の前側に対向して、図柄表示装置17の前面における表示用開口51aの周囲を支持するようになっている(なお、図柄表示装置17が設置状態で位置する領域を「設置領域56」と指称する)。前記下枠部51Uは、支持面部511より下側に位置する部分が、該下枠部51Uの左右両側縁に亘って該支持面部511より前側に位置している。そして、この下枠部51Uにおける支持面部511よりも前側に位置する部分の後面側には、前記主制御基板33と電気的に接続されるメイン中継基板33xと、前記演出制御基板34と電気的に接続される統括中継基板36とが、左右に並ぶように配設されている。また、メイン中継基板33xおよび統括中継基板36を後方から覆うように、前記主制御基板33が配設されている。
なお、前記下枠部51Uは、前記支持面部511より下側に位置する部分が、第1側枠部51Lの一部(具体的には、第1側枠部51Lにおける外周板52側の側縁に沿う部分)と同一平面上で連なると共に、第2側枠部51Rの一部(具体的には、第2側枠部51Rの下端部)と同一平面上で連なるよう設けられ、第1側枠部51Lに設けられた後述する左配線収容部80Lと同一平面上で連なると共に、第2側枠部51Rに設けられた後述する右配線収容部80Rと同一平面上で連なっている。そこで、以下の説明では、下枠部51Uにおける支持面部511より下側に位置する部分と、この下枠部51Uにおける支持面部511より下側に位置する部分に対して同一平面上で連なる第1側枠部51Lの一部および第2側枠部51Rの一部とを、支持面部511に対して前側に位置すると共に左右の配線収容部80L,80Rを繋ぐ「配線面部512」と指称することがある。
(可動演出部60について)
図4に示すように、前記可動演出部60は、前記設置部材50における背面板51の前面に位置するように収容空間53内に配設されて、該収容空間53の内側で前記可動体61を移動させ得るように構成されている。ここで、実施例の可動演出部60には、左右一対の可動体61L,61Rと、これら一対の可動体61L,61Rを独立的に駆動させる一対の駆動機構(図10に示す駆動手段62および図示しない動力伝達手段)とにより構成されている。左可動体61Lは、収容空間53の内部における表示用開口51aの左側(第1側枠部51Lの前面)に、上下方向に往復動作可能に設けられている。また、右可動体61R(図2参照)は、収容空間53の内部における表示用開口51aの右側(第2側枠部51Rの前面)に、上下方向に往復動作可能に設けられている。なお、これら一対の可動体60L,60Rは基本的に同じ構造であって、駆動機構を含めて基本的に左右対称となっている。従って、可動演出部60に関する以下の記載では、左可動体60Lに関する構成について説明し、右可動体60Rに関する構成については説明を省略することがある。
具体的に、前記可動演出部60は、図4に示すように、前記設置部材50の内壁面(背面板51の前面)に取り付けられた可動ベース部材60xと、この可動ベース部材60xによって収容空間53の内側で移動可能に支持された前記左可動体61L(可動体61)とを備えている。可動ベース部材60xは、左可動体61Lを支持するベース本体部66と、このベース本体部66における側縁部(前記左側の外周板52と近接する側縁部)に沿って上下に延在するベース画壁部67(後述)とを備えている。ベース本体部66は、前記背面板51の前記第1側枠部51Lに対して前側に重なるように前記表示用開口51a(前記画像表示面17a)と、前記左側の外周板52との間に設けられ、左可動体61Lを収容空間53内で移動可能に支持している。具体的に、ベース本体部66には、上下方向に円弧状に延在する案内溝66aが形成され、該案内溝66aの延在方向(案内方向)に沿って左可動体61Lを移動させるようになっている。また図示省略するが、ベース本体部66の下部には駆動手段62(図10参照)および原位置センサ63(図10参照)が配設されている。すなわち、左可動体61Lは、第1側枠部51Lの前側において、下側の待機位置および上側の動作位置との間で移動し得るように構成されている。
前記左可動体61Lを駆動する前記駆動手段62は、例えば回転駆動力を導出する電動モータであり、ギヤ等の動力伝達手段(図示せず)を介して該左可動体61Lと連結されている。左可動体61Lは、常には前記待機位置(図2に示す位置)に位置しており、駆動手段62からの駆動力が動力伝達手段を介して伝達されることで前記動作位置へ向けて移動するように構成されている。また原位置センサ63は、待機位置にある左可動体61Lに設けられた図示しない被検出片を検出するものであり、該原位置センサ63の検出状態によって左可動体61Lが待機位置にあるか否かを判別できるようになっている。
図4に示すように、前記左可動体61Lは、電気部品として、前方へ向けて光を照射可能な発光体を有する発光基板64と、画像を表示可能なサブ画像表示部65とを備えている。発光基板64は、前記主制御基板33からの制御信号に基づいて前記演出制御基板34が制御することにより、前記図柄表示装置17の画像表示面17aに表示される図柄変動演出に合わせて発光演出を行うようになっている。また、サブ画像表示部65は、前記主制御基板33(前記演出制御基板34)からの制御信号に基づいて前記表示制御基板35が制御することにより、前記図柄変動演出に合わせた表示演出を行ったり、図示しない不正検知手段によって不正行為が検知された場合にエラー報知情報を表示したりするようになっている。
図4に示すように、前記可動ベース部材60xの前記ベース画壁部67は、前記ベース本体部66において前記左側の外周板52と近接する側の側縁部から前方へ延出すると共に上下に長尺に設けられており、前記左可動体61Lの可動領域と、左側の外周板52との間を区画している。すなわち、ベース画壁部67は、板面の一方が左可動体61Lの可動領域に臨んで、該左可動体61Lの移動方向(上下方向)に延在するよう設けられている。このベース画壁部67は、左側の外周板52の内壁面に対して近接して沿うよう上下に垂直に延在する平板状の垂直板部67aと、この垂直板部67aの上端部に連設されて上側へ向かうにつれて前記左側の前記外周板52から前記表示用開口51a側へ離間するよう形成された離間板部67bとを備えている。すなわち、前記左側の外周板52に対する離間板部67bの離間寸法は、該左側の外周板52に対する垂直板部67aの離間寸法よりも大きく設定されている。そして、この離間板部67bと、左側の外周板52との間に画成される隙間54は、配線部材H4,H7を前記収容空間53から前記設置部材50の後側(背面板51の後面側)へ向けて引き出すための作業領域として利用されている。なお、配線部材H1〜H7による配線接続構造については後述する。
図4に示すように、前記ベース画壁部67には、前記可動演出部60における可動領域側の壁面に、前記左可動体61Lに設けられた電気部品64,65に一端が接続された配線部材FH(図10参照)が保持されており、左可動体61Lの移動に伴って変位する際に該配線部材FHが左可動体61Lと接触しないようにしている。そして、このベース画壁部67の上端部を構成する前記離間板部67bは、前記配線部材FHの他端が接続される接続基板40を保持するための保持部として機能している。
(図柄表示装置17を支持する構成について)
図3および図5(a)に示すように、前記背面板51には、前記図柄表示装置17を支持する支持部として、図柄表示装置17の左側部を支持する係合凹部75が設けられた係合支持部70と、図柄表示装置17の右側部を支持する係止孔78aが設けられた固定支持部78とが設けられている。ここで、図柄表示装置17は、係合支持部70および固定支持部78によって支持された状態で、背面板51の後面の一部としての前記支持面部511に当接し、該支持面部511によって前側から支持されるようになっている。
図3、図5(a)および図6に示すように、前記係合支持部70は、前記図柄表示装置17の側端部に沿って上下に延在するよう設けられている。この係合支持部70には、前記設置領域56へ向けて開口する図示しない挿入口が形成された前記係合凹部75が設けられ、該図柄表示装置17の側面から側方へ向けて突出する係合突部41を当該係合凹部75の挿入口に挿入することで、図柄表示装置17を支持している。実施例では、図柄表示装置17の側面における上下に離間する位置に係合突部41が設けられており、該係合突部41に対応して、係合支持部70における上下に離間する位置に係合凹部75が夫々設けられている。そして、これら複数の係合凹部75(実施例では上下2つの係合凹部75)における挿入口の開設面が、図柄表示装置17を支持する支持面75aとなっている。
また、前記係合支持部70には、前記複数の係合凹部75の間で上下に延在すると共に前記配線面部512から前記支持面部511よりも後方位置まで延出する突板(突板部71,72,73,74)が設けられている。突板は、上下方向に離間する複数箇所において左右方向に貫通する開放部分が設けられており、上下に互いに離間する複数の突板部71,72,73,74に分割されている。係合支持部70は、突板(突板部71,72,73,74)によって前記図柄表示装置17の設置領域56の一部を側方から被覆することで、該設置領域56に位置する図柄表示装置17と他の部材との干渉を防ぐようになっている。具体的に、係合支持部70は、上側に位置する係合凹部75における支持面75aと反対側の側端部に沿って下方へ延びる第1突板部71と、下側に位置する係合凹部75における支持面75aと反対側の側端部に沿って上方へ延びる第4突板部74と、第1突板部71および第4突板部74の間に位置する第2突板部72および第3突板部73とを備えている。
ここで、前記係合支持部70における前記支持面75aとは異なる壁面70aには、配線部材(後述する配線部材H1,H3,H4)を保持する配線保持部90が設けられている。具体的には、前記下側に位置する係合凹部75の後端面(支持面とは異なる壁面70a)と、前記突板部71,72,73の延出端面(支持面とは異なる壁面70a)とに、配線保持部90が夫々設けられている。すなわち、係合支持部70に配線保持部90を設けることで、設置領域56の近傍に配線部材(配線部材H1,H3,H4)を取り回し得るように構成されている。また、係合凹部75や突板部71,72,73に配線保持部90を設け、これら係合凹部75または突板部71,72,73と、配線保持部90との内側に画成される配線保持領域Ra(後述)に配線部材(配線部材H1,H3,H4)を保持するようにすることで、配線保持部90を小型に構成して、該配線保持部90を設けるのに必要がスペースを縮小し得るようになっている。なお、この配線部材(配線部材H1,H3,H4)を保持するための具体的な構成については後述する。
図3および図5(b)に示すように、前記固定支持部78には、前後に開口する係止孔78aが形成されており、図柄表示装置17の右側部に設けた係止具42を後方から係止孔78aに挿入して係止することにより、図柄表示装置17が背面板51の後側に固定される。すなわち、図柄表示装置17は、一方の側部を前記係合支持部70に設けた前記係合凹部75によって設置領域56と位置合わせしつつ、他方の側部を固定支持部78で固定することで、背面板51の後側における係合支持部70および固定支持部78の間(設置領域56)に配設されるようになっている。そして、図柄表示装置17の後面に取り付けられる前記演出制御基板34および前記表示制御基板35は、図柄表示装置17を介して間接的に支持部70,78に支持されることになり、背面板51の後面側に配設されるようになっている。
(左配線収容部80Lについて)
図3および図5(a)に示すように、前記背面板51の前記第1側枠部51Lには、前記左中継基板37Aの後面に設けられたコネクタ接続部CNに接続する配線部材(後述する第3〜第7配線部材H3,H4,H5,H6,H7)を収容可能な左配線収容部80Lが設けられている。左配線収容部80Lは、図6に示すように、第1側枠部51Lにおいて前記支持面部511および前記配線面部512の間に設けられ、前記図柄表示装置17の前側に位置すると共に、前記収容空間53に収容されている左中継基板37Aの後方に位置している。ここで、左配線収容部80Lは、前記図柄表示装置17に対して前方へ離間して対向するよう設けられた連通壁部81と、この連通壁部81および支持面部511を段差状に接続する周壁部82と、この周壁部82に対向する前記突板(前記突板部71,72,73,74)とにより構成され、連通壁部81に形成された連通口81aを通じて、前記収容空間53に配設された左中継基板37Aの後面に設けたコネクタ接続部CNを後方へ臨ませるようになっている。連通口81aは、左中継基板37Aの後面における複数のコネクタ接続部CNが設けられる領域に対応する大きさに形成されて、該複数のコネクタ接続部CNを左配線収容部80Lに臨ませるようになっている。なお、連通壁部81は、第1側枠部51Lに設けられる配線面部512と同一平面上で左右に連なるように設けられており、上下に延在する突板(前記突板部71,72,73,74)が、配線面部512および連通壁部81を左右に区画するように位置している。
図6に示すように、前記左配線収容部80Lは、支持面部511と突板(突板部71,72,73,74)との間で後方へ向けて開口するよう設けられている。そして、左配線収容部80Lは、後方開口を覆うように図柄表示装置17が配設されることで、配線部材(配線部材H3,H4,H5,H6,H7)を内側に収容するように構成されている。なお、左配線収容部80Lは、各突板部71,72,73,74の間の開放部分を通じて背面板51の外側縁側(図5(a)における右方)へ向けて開放されている。すなわち、各突板部71,72,73,74の間の開放部分に挿通させた配線部材(配線部材H3,H4,H5,H6,H7)を、左配線収容部80Lの内側から左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに接続し得るように構成されている。
すなわち、前記左配線収容部80Lは、前記複数のコネクタ接続部CNが前記連通口81aを通じて臨むように比較的大きな内側空間を画成する一方で、前記図柄表示装置17を利用して配線部材(配線部材H3,H4,H5,H6,H7)を収容する空間を画成することで、該配線部材を保持するための構成が簡略化されている。なお、左中継基板37Aは、図柄表示装置17の後面に取り付けられた前記演出制御基板34と電気的に接続されており、演出制御基板34と左中継基板37Aとを電気的に接続する配線部材(後述する第3配線部材H3)の端部が、左配線収容部80Lの内側で左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに接続されている。
(右配線収容部について)
図3および図5(a)に示すように、前記背面板51の前記第2側枠部51Rには、前記右中継基板37Bの後面に設けられたコネクタ接続部CNに接続する配線部材(後述する第2配線部材H2)を収容可能な右配線収容部80Rが設けられている。右配線収容部80Rは、第2側枠部51Rにおいて前記支持面部511と、第2側枠部51Rの右側縁部(図5において背面板51の左側に位置する側縁部)に設けられた外縁壁部57との間に設けられ、前記図柄表示装置17の前側に位置すると共に、前記収容空間53に収容されている右中継基板37Bの後方に位置している。ここで、右配線収容部80Rは、前記図柄表示装置17に対して前方へ離間して対向するよう設けられた連通壁部81と、この連通壁部81および支持面部511を段差状に接続する周壁部82と、この周壁部82に対向するよう後方へ延出する前記外縁壁部57とにより構成され、連通壁部81に形成された連通口81aを通じて、前記収容空間53に配設された右中継基板37Bの後面に設けたコネクタ接続部CNを後方へ臨ませるようになっている。連通口81aは、右中継基板37Bの後面における複数のコネクタ接続部CNが設けられる領域に対応する大きさに形成されて、該複数のコネクタ接続部CNを右配線収容部80Rに臨ませるようになっている。なお、連通壁部81は、第2側枠部51Rに設けられる配線面部512に対して上方に連なるように設けられている。
図5(a)に示すように、前記右配線収容部80Rは、支持面部511と前記外縁壁部57との間で後方へ向けて開口するよう設けられている。そして、右配線収容部80Rは、後方開口を覆うように図柄表示装置17が配設されることで、配線部材(配線部材H2)を内側に収容するように構成されている。
すなわち、前記右配線収容部80Rは、前記複数のコネクタ接続部CNが前記連通口81aを通じて臨むように比較的大きな内側空間を画成する一方で、前記図柄表示装置17を利用して配線部材(配線部材H2)を収容する空間を画成することで、該配線部材を保持するための構成が簡略化されている。なお、右中継基板37Bは、前記配線面部512(具体的には、前記下枠部51Uの後面)に設けられた前記統括中継基板36を介して、図柄表示装置17の後面に取り付けられた前記演出制御基板34と電気的に接続されており、該右中継基板37Bに接続する第2配線部材H2の端部が、右配線収容部80Rの内側で右中継基板37Bのコネクタ接続部CNに接続されている。
図5(b)に示すように、前記第2側枠部51Rにおいて前記右配線収容部80Rの下側に位置する前記配線面部512は、該右配線収容部80Rに連通すると共に、配線部材(後述する第2配線部材H2)を挿通可能な前記挿通経路Rが設けられている。この挿通経路Rは、第2側枠部51Rにおいて前記下側の固定支持部78と前記支持面部511との間で上下に延在するよう設けられており、上端が右配線収容部80Rの周壁部82に開口して該右配線収容部80Rと連通し、下端が配線面部512の後面側へ向けて開口するよう設けられている。すなわち、右配線収容部80Rの下端に連通する挿通経路Rは、上下方向に延在して上下端部および後端部が開口する溝状に形成されており、前記右中継基板37Bに設けられた前記コネクタ接続部CNと接続する配線部材(第2配線部材H2)を、右配線収容部80Rから下方の配線面部512へ向けて挿通させ、該配線面部512に配設された前記統括中継基板36へ向けて取り回すことができるようになっている。
ここで、前記第2側枠部51Rには、前記右配線収容部80Rと連通する前記挿通経路Rに対応して、配線部材(後述する第2配線部材H2)を挿通経路Rに保持すると共に前記支持面部511からの延長上に設けられた延出片79(配線保持部90)が設けられている。具体的には、図5(b)に示すように、前記支持面部511から前記固定支持部78の後端部へ向けて延在する延出片79と、固定支持部78の後端部から支持面部511へ向けて延在する延出片79とが設けられている。そして、各延出片79が、挿通経路Rの一部として、配線部材(後述する第2配線部材H2)を保持する配線保持領域Raを画成している。すなわち、第2側枠部51Rに設けられた延出片79は、挿通経路R(配線保持領域Ra)と、前記図柄表示装置17の設置領域56とを区画するよう設けられている。なお、図3および図5(a)に示すように、前記上側の固定支持部78および支持面部511の間にも、図示しない配線部材が挿通する挿通経路Rが設けられており、該配線部材を延出片79で配線保持領域Raに保持し得るようになっている。また、図3および図5(a)に示すように、前述した前記第1側枠部51Lに設けられた挿通経路Rの下部(前記左配線収容部80Lよりも下方に延在して前記下枠部51Uの配線面部512の後側に連通する部分)と対応する位置にも、支持面部511の延長上に位置するよう延出片79(配線保持部90)が設けられている。
(配線部材H1〜H7,FHについて)
図10に示すように、前記演出制御基板34は、第1配線部材H1によって前記統括中継基板36と接続されている。統括中継基板36は、第2配線部材H2によって前記右中継基板37Bと接続されると共に、複数の配線部材や中継基板を介して、前記前枠13に設けられた前記スピーカ18および前記枠ランプ19と電気的に接続されている。ここで、演出制御基板34には、前記図柄表示装置17の後面に取り付けられて前記設置領域56の後側に位置すると共に、第1配線部材H1および第3配線部材H3の各コネクタが接続されるコネクタ接続部CNが左側部に設けられている。これに対して、左中継基板37Aは、第3配線部材H3によって直接的に演出制御基板34と接続され、右中継基板37Bは、前記統括中継基板36を介して(第1および第2配線部材H1,H2を介して)演出制御基板34と電気的に接続されている。すなわち、演出制御基板34の左側部と前後に重なる位置に設けられた左中継基板37Aは、演出制御基板34に対して統括中継基板36よりも近い位置にあることから、統括中継基板36を経由せず、直接的に演出制御基板34と配線接続されている。
また、図10に示すように、前記左中継基板37Aおよび前記右中継基板37Bは、前記収容空間53に収容された前記可動演出部60の構成部品としての複数の電気部品と電気的に接続されている。左中継基板37Aは、可動演出部60を構成する電気部品のうち、左可動体61Lに関して備えられた電気部品(接続基板40、駆動手段62および原位置センサ63)と配線接続されている。具体的に、左中継基板37Aは、第4配線部材H4によって接続基板40と接続されている。この接続基板40は、前記ベース画壁部67によって保持された配線部材FHによって発光基板64と接続されている。なお、左可動体61Lに設けられたサブ画像表示部65は、発光基板64と共通の配線部材FHによって接続基板40と接続されているが、該接続基板40に配線接続された前記表示制御基板35によって表示内容が制御されるようになっている。また、左中継基板37Aは、第5配線部材H5によって駆動手段62と接続され、第6配線部材H6によって原位置センサ63と接続されている。更に、左中継基板37Aは、可動演出部60とは別の演出手段の一部として収容空間53に設けられた前記他の電気部品69に対して、第7配線部材H7を介して電気的に接続されている。
ここで、実施例の第1〜第7配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6,H7は、銅合金等からなる素線を塩化ビニル等の絶縁体で被覆して形成される電線(配線)を複数本束ねた、所謂ワイヤハーネスが用いられており、第1〜第7配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6,H7を捻じったり、曲げたりして変形した際に、絶縁体の弾性等により、変形部位近傍において形状を復元する力が作用するように構成されている。
前記右中継基板37Bは、前記可動演出部60において前記右可動体61Rに関して備えられた電気部品の一部(電気部品40,62,63,64)や、可動演出部60とは別の演出手段の一部として前記収容空間53に設けられた電気部品(図示せず)と接続されている。この右中継基板37Bは、統括中継基板36を介して演出制御基板34と接続されている点以外は、左中継基板37Aと同様の配線構造となっている(すなわち、接続基板、駆動手段および原位置センサと配線接続されている)。従って、右中継基板37Bの配線接続構造に関する説明は省略する。
(配線部材H4,H5,H6,H7を背面板51の後側へ挿通させる構成について)
前記収容空間53に収容された電気部品40,62,63,69と、前記左中継基板57Aとを接続する第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7は、一端側のコネクタが、収容空間53に収容された電気部品40,62,63,69に対して前記可動演出部60の前面側で接続されると共に、他端側のコネクタが、収容空間53において可動演出部60の後側に配設された左中継基板57Aのコネクタ接続部CNに対して背面板51の後側で接続されている。これらの配線部材H4,H5,H6,H7のうち一部(配線部材H4,H7)は、電気部品40,69および左中継基板37Aを接続する状態では、前述の如く可動演出部60に設けられた前記ベース画壁部67と、前記左側の外周板52との間に画成される前記隙間54を通過すると共に、背面板51に設けられた配線挿通部85aを挿通するようになっている。
ここで、前記設置部材50には、前記収容空間53の内外(前後)に貫通する前記配線挿通部85a,86aが前記背面板(配設板部)51に形成されると共に、配線挿通部85a,86aに連通する配線誘導部85b,86bと、該配線挿通部85a,86aに連通するコネクタ受入部85c,86cとが前記左側の外周板(交差板部)52に形成され、配線挿通部85a,86a、配線誘導部85b,86bおよびコネクタ受入部85c,86cが相互に連通する長孔状の配線開口85,86が設けられている。そして、配線開口85,86の前端側に位置するコネクタ受入部85c,86cが、該コネクタ受入部85c,86cに対応する第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7の何れかにおける他端側のコネクタを挿通可能な大きさに設けられており、収容空間53からコネクタ受入部85c,86cを介して左側の外周板52の外側(左側)に他端側のコネクタを引き出した配線部材H4,H5,H6,H7を、配線誘導部85b,86bを介して、背面板51に設けられて配線開口85,86の後端に位置する配線挿通部85a,86aまで移動させ得るように構成されている。
具体的に、前記設置部材50の上部には、第4および第7配線部材H4,H7を外部に挿通させるための上配線開口85が設けられている。上配線開口85は、前記コネクタ受入部85cが前記左側の外周板52に設けられると共に、前記配線挿通部85aが、左側の外周板52と連なる前記背面板51の外縁部(前記第1側枠部51Lにおける前記外縁壁部の前記表示用開口51a側に沿う位置)に設けられている。そして、前記配線誘導部85bが、コネクタ受入部85cと配線挿通部85aとを連通するよう左側の外周板52から背面板51に亘って設けられている。すなわち、上配線開口85が設けられることにより、前記収容空間53において一端側のコネクタを電気部品40,69に接続した第4および第7配線部材H4,H7を、コネクタ受入部85cから左側の外周板52の外側(左側)へ引き出したもとで、設置部材50の外面側で後方へ引っ張って配線誘導部85bに沿って移動させ、配線挿通部85aまで至らせることができるようになっている。なお、配線挿通部85aは、第4および第7配線部材H4,H7におけるコネクタを除く配線部分を同時に通過させ得る大きさに形成されており(図6参照)、前記左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに他端側のコネクタを接続した状態の第4および第7配線部材H4,H7を共通の配線挿通部85aに位置させて纏めておくことができるようになっている。ここで、配線誘導部85bおよび配線挿通部85aは、第4および第7配線部材H4,H7のコネクタを挿通し得ない大きさに形成され、コネクタ受入部85cを通じて左側の外周板52の外側へ引き出した第4および第7配線部材H4,H7のコネクタが配線誘導部85bや配線挿通部85aから収容空間53側へ戻ることがないように構成されている。
前記上配線開口85は、図4に示すように、前記収容空間53において前記左側の外周板52に沿う位置に設けられた前記ベース画壁部67のうち前記離間板部67bと対向する位置に前記コネクタ受入部85cが設けられている。すなわち、第4および第7配線部材H4,H7は、左側の外周板52と離間板部67bとの間に比較的広く形成された前記隙間54を通じて収容空間53側からコネクタ受入部85cに挿通させることができるようになっており、第4および第7配線部材H4,H7を取り回す際の作業性が高められている。
また、前記設置部材50における上下方向の中央部には、第5および第6配線部材H5,H6を外部に挿通させるための下配線開口86が設けられている。下配線開口86は、前記コネクタ受入部86cが前記左側の外周板52に設けられると共に、前記配線挿通部86aが、左側の外周板52と連なる前記背面板51の外縁部(前記第1側枠部51Lにおける前記外縁壁部の前記表示用開口51a側に沿う位置)に設けられている。そして、前記配線誘導部86bが、コネクタ受入部86cと配線挿通部86aとを連通するよう左側の外周板52から背面板51に亘って設けられている。すなわち、下配線開口86が設けられることにより、前記収容空間53において一端側のコネクタを電気部品62,63に接続した第5および第6配線部材H5,H6を、コネクタ受入部86cから左側の外周板52の外側(左側)へ引き出したもとで、設置部材50の外面側で後方へ引っ張って配線誘導部86bに沿って移動させ、配線挿通部86aまで至らせることができるようになっている。なお、配線挿通部86aは、第5および第6配線部材H5,H6におけるコネクタを除く配線部分を同時に通過させ得る大きさに形成されており(図6参照)、前記左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに他端側のコネクタを接続した状態の第5および第6配線部材H5,H6を共通の配線挿通部86aに位置させて纏めておくことができるようになっている。ここで、配線誘導部86bおよび配線挿通部86aは、第5および第6配線部材H5,H6のコネクタを挿通し得ない大きさに形成され、コネクタ受入部86cを通じて左側の外周板52の外側へ引き出した第5および第6配線部材H5,H6のコネクタが配線誘導部86bや配線挿通部86aから収容空間53側へ戻ることがないように構成されている。
前記下配線開口86は、図4に示すように、前記収容空間53において前記左側の外周板52に沿う位置に設けられた前記ベース画壁部67のうち前記垂直板部67aと対向する位置に前記コネクタ受入部86cが設けられており、該垂直板部67aおよび外周板52の間の隙間は、離間板部67bおよび外周板52の間の隙間(前記隙間54)よりも小さくなっている。ここで、下配線開口86には、図4に示すように、コネクタ受入部86cに後端が連通すると共に前端が外周板52の前縁部に開口する配線受入部86dが設けられており、前記設置部材50の前側開口を通じて外側に引き出した第5および第6配線部材H5,H6を、コネクタを挿通させることなく両端のコネクタを繋ぐ配線部分を挿通させて、該配線受入部86dからコネクタ受入部86cおよび配線誘導部86bを通じて配線挿通部86aに移動させ得るように構成されている。なお、配線受入部86dは、図7に示すように、前記排出路形成部材68が設置部材50の前端部に配設された場合に該排出路形成部材68によって前側から塞がれる位置に設けられている。これに対し、下配線開口86は、配線誘導部86bおよびコネクタ受入部86cの両方が設けられることにより、配線受入部86dの前側開口が排出路形成部材68に塞がれた状態では、該排出路形成部材68および前記設置部材50を分解することなく、第5および第6配線部材H5,H6をコネクタ受入部86cから引き出して配線挿通部86aまで移動させることができる。すなわち、第5および第6配線部材H5,H6は、コネクタ受入部86cから外側へ引き出したもとで配線挿通部86aへ向けて移動させることができると共に、設置部材50の前側開口から外側へ引き出したもとで配線受入部86dに受け入れて、配線挿通部86aへ向けて移動させることができるようになっていることで、第5および第6配線部材H5,H6を取り回す際の作業性が高められている。
(背面板51の後側での配線部材H1〜H7の取り回しについて)
前述したように、前記背面板51の後面(前記第1側枠部51Lの後面)に設けられる係合支持部70には、第1側枠部51Lから後方へ向けて延出すると共に上下方向に延在する壁状の第1〜第4突板部71,72,73,74が、延在方向に離間して並ぶよう設けられている。ここで、第1側枠部51Lにおける前記配線面部512(すなわち、左配線収容部80Lと同一平面上で連なる部分)の後面には、複数の配線部材H1,H3〜H7が取り回されるようになっており、図6に示すように、複数の配線部材H1,H3〜H7のうち第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4が、第1〜第4突板部71,72,73,74に沿って前記左配線収容部80Lの外側で上下方向に延在するよう取り回されている。また第5、第6および第7配線部材H5,H6,H7は、図6に示すように、配線部材H1,H3,H4の延在方向(上下方向)に対する交差方向(左右方向)に延在して第1配線部材H1や第3配線部材H3と交わるよう取り回されている。なお、前記右中継基板37Bに接続された第2配線部材H2は、前記右配線収容部80Rおよび該右配線収容部80Rに連通する挿通経路Rを通じて前記下枠部51Uの後側(前記配線面部512の後側)に延在して、前記統括中継基板36に接続される。
前記第1〜第3突板部71,72,73および前記下側の係合凹部75には、前述したように、配線部材H1,H3,H4を保持するための前記配線保持部90が設けられている。これらの配線保持部90(突板部71,72,73および下側の係合凹部75に設けられた配線保持部90)は、図6に示すように、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4のうち少なくとも何れかを保持するものであり、配線部材H1,H3,H4の延在方向(上下方向)に離間して複数設けられている。この配線保持部90は、第1〜第4突板部71,72,73の延出端面(後端面)および下側の係合凹部75の後端面から延出するように設けられ、該突板部71,72,73および下側の係合凹部75を左右方向に挟んで前記図柄表示装置17の前記設置領域56とは反対側に延在している。このように、配線保持部90は、前記係合支持部70において支持面75a(すなわち、係合凹部75が支持する部分)とは異なる壁面70aに設けられることで、図柄表示装置17との干渉が回避されている。
図8に示すように、前記係合支持部70(第1〜第3突板部71,72,73および下側の係合凹部75)に設けられる前記配線保持部90は、前記突板部71,72,73の延出端面(後端面)および下側の係合凹部75の後端面から前記設置領域56と反対側に延出する第1の規制片91と、該第1の規制片91の延出端から第1側枠部51Lの後面(背面板51の後面)が位置する前側へ延出する第2の規制片92と、により構成されている。そして、配線保持部90における第1の規制片91および第2の規制片92と、係合支持部70(具体的には、設置領域56とは反対側の側面)とにより、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4のうち少なくとも何れかが挿通する複数の配線保持領域Raが画成されている。すなわち、配線部材H1,H3,H4は、複数または1つの配線保持領域Raを挿通する状態で配線保持部90により保持されるようになっている。ここで、第1の規制片91および第2の規制片92は、配線保持領域Raに保持された配線部材H1,H3,H4と、設置領域56が位置する側(すなわち、配線保持領域Raの外側)との間に延在しており、配線部材H1,H3,H4が設置領域56側へ離脱して図柄表示装置17と接触するのを防いでいる。
図7および図8に示すように、前記第1側枠部51Lにおける前記配線面部512の後面には、前記係合支持部70(突板部71,72,73および下側の係合凹部75)に対して前記設置領域56とは反対側へ向けて離間する位置に、第1側枠部51Lから後方へ向けて延出すると共に上下方向に延在する対向壁部95が設けられている。この対向壁部95は、前記配線保持部90が位置する範囲Z(図7参照)よりも上方または下方へ向けて大きく形成されている。対向壁部95は、前記複数の突板部71,72,73,74に対応して複数設けられており、延在方向(上下方向)に離間して一列に並んでいる。これら複数の対向壁部95のうちで上側に位置する対向壁部95は、第1突板部71と左右に対向して、第1側枠部51Lの後面において前記上枠部51Tと同じ高さ位置に位置するよう設けられると共に、下側に位置する対向壁部95は、第4突板部74と左右に対向して、第1側枠部51Lの後面において前記表示用開口51aの下端部と同じ高さ位置に位置するよう設けられている。そして、上側に位置する対向壁部95と、下側に位置する対向壁部95との間には、2つの対向壁部95が第2突板部72および第3突板部73に夫々対向するよう設けられている。
図6に示すように、前記複数の対向壁部95は、前記配線保持領域Raに保持した第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4の挿通経路Rを、前記第1〜第4突板部71,72,73,74(係合支持部70)との間に画成している。すなわち、前記第1側枠部51Lの後面には、図8に示すように、前記突板部71,72,73,74と前記対向壁部95とが左右に離間して対向し、かつ、左右に対向する突板部71,72,73,74および対向壁部95の組み合わせが、上下方向に複数組並ぶように設けられることで、上下に延在する1つの挿通経路Rが設けられている。そして、挿通経路Rの複数箇所に設けられる前記配線保持領域Raにおいて前記配線保持部90が配線部材H1,H3,H4を保持するように構成されている。ここで、挿通経路Rは、上下に隣接する突板部71,72,73,74の間が、前記設置領域56側(前記左配線収容部80L側)へ向けて開放されていると共に、上下に隣接する対向壁部95の間が、前記設置領域56とは反対側(前記外縁壁部57側)へ向けて開放されている(図6参照)。このように挿通経路Rにおいて延在方向(上下方向)とは異なる側(左右方向)に開放された部分は、挿通経路Rを横断するよう第5、第6および第7配線部材H5,H6,H7を取り回す際の挿通口として利用されると共に、挿通経路Rを挿通する第3および第4配線部材H3,H4を左配線収容部80Lへ向けて引き出すための引出口として利用されている。
前記複数の対向壁部95の延出端部は、図7に示すように、側面視において前記配線保持部90の第2の規制片92と重なる領域がU字状(またはL字状)に切り欠かれており、これによって対向壁部95には、第1側枠部51Lからの延出寸法が小さい部分(第1対向部96)と、延出寸法が大きい部分(第2対向部97)とが設けられている。すなわち、対向壁部95は、図8(a)に示すように、上下位置において配線保持部90(第2の規制片92)と同じ高さ位置にある第1対向部96の延出寸法L2が小さく、該第1対向部96と第2の規制片92とは前後方向において相互に離間している。また、上下位置において第2の規制片92よりも上側または下側に位置する第2対向部97は延出寸法L3が大きく、第2の規制片92の上縁または下縁に対向するよう設けられている。ここで、前記第2の規制片92における前記第1側枠部51Lに対する後方への離間寸法L1は、第1側枠部51Lから後方へ向けた前記第1対向部96の延出寸法L2よりも大きく、かつ第1側枠部51Lから後方へ向けた第2対向部97の延出寸法L3よりも小さく設定されている。このように、各対向壁部95は、配線保持部90の形成位置に対応する位置に設けられた第1対向部96が、第2の規制片92と第1側枠部51Lの後面との間の隙間を縮小するよう設けられると共に、配線保持部90の形成位置から第1および第3配線部材H1,H3の延在方向に偏倚した位置に設けられた第2対向部97における第1側枠部51L(設置部材50)からの延出寸法(突出寸法)L3が、第1対向部96の延出寸法(突出寸法)L2よりも大きくなるよう設けられている。これにより、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4を、前記対向壁部95(第1対向部96および第2対向部97)と第2の規制片92との間から前記配線保持領域Raに挿入し得ると共に、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4が配線保持領域Raから外側へ離脱するのを防ぎ得るように構成されている。
また、前記対向壁部95は、図8(b)に示すように、前記配線保持部90における前記第2の規制片92よりも前記突板部71,72,73,74(係合支持部70)から僅かに離間する位置に設けられている。すなわち、第2の規制片92と対向壁部95とを左右方向にずらして設け、該第2の規制片92および対向壁部95の間の隙間が後方へ開放するよう構成することにより、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4を前記設置部材50の後方から前記配線保持領域Raに挿入する際の作業性が高められている。
図6および図8(a)に示すように、前記第1側枠部51Lに設けられる前記配線面部512には、前記係合支持部70と前記対向壁部95との間に、前後に貫通する逃げ孔99が形成されている。逃げ孔99は、第1側枠部51Lにおいて前記配線保持部90の前方に位置する部分に設けられ、該配線保持部90および係合支持部70(突板部71,72,73および下側の係合凹部75)により形成される前記配線保持領域Raに開口している。すなわち、配線保持領域Raを挿通する第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4は、配線保持部90によって後方への変位が規制された状態で、前方に開口する逃げ孔99の内側への変位は許容される。これにより、配線保持領域Raに挿通させる配線部材H1,H3,H4が該配線保持領域Raの全域を占有する程度に大きな幅寸法に設けられた場合においても、配線保持部90にかかる負荷を軽減することができ、該幅寸法のある配線部材を配線保持領域Raに保持することができるようになっている。
前述したように、前記第1〜第4突板部71,72,73,74に沿って上下方向に延在する第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4は、第1〜第3突板部71,72,73および下側の係合凹部75の夫々に設けられた配線保持部90(後述)のうち少なくとも1つによって保持されている。また、左右方向に延在する第5および第6配線部材H5,H6は、第3および第4突板部73,74に設けられた各配線保持部90に保持された第1配線部材H1と、第1側枠部51Lの後面との間で、第3および第4突板部73,74に設けられた各配線保持部90の間を通過するよう設けられ、第1配線部材H1を利用して第1側枠部51Lの後面に沿う位置に保持されている。更に、左右方向に延在する第7配線部材H7は、第1および第2突板部71,72に設けられた各配線保持部90に保持された第3配線部材H3と、第1側枠部51Lの後面との間で、第1および第2突板部71,72に設けられた各配線保持部90の間を通過するよう設けられ、第3配線部材H3を利用して第1側枠部51Lの後面に沿う位置に保持されている。
ここで、前記第3配線部材(所定の配線部材)H3は、図9に示すように、前記配線保持領域Raにおいて、配線保持部90側へ向けて変位しようとする力F1,F2が作用することで付勢された状態で、該配線保持部90により保持されている。そして、該変位しようとする力F1,F2によって、第3配線部材H3および配線保持部90(第1の規制片91)の間に、他の配線部材(具体的には、第1配線部材H1や第4配線部材H4)を挟持するようになっている。
具体的に、前記第3配線部材H3は、図6に示すように、前記第2突板部72および前記第3突板部73の間の開放部分(引出口)から前記挿通経路Rの側方へ引き出された一端側のコネクタが、該開放部分(引出口)と左右に並ぶ前記左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに対して接続されている。このコネクタ接続部CNは、前記第3突板部73に設けられた配線保持部90に対して比較的近い位置に設けられている。ここで、第3配線部材H3が、左中継基板37Aに設けたコネクタ接続部CNに対する接続方向(前後方向)と交差する向き(側方かつ上方)に捻じるように撓ませた状態(図9(a)参照)で、第2突板部72に設けられた配線保持部90によって画成された各配線保持領域Raを挿通する(図9(b)参照)ことで、第3配線部材H3が自身の撓みにより復元する力F1(図9(a)(b)参照)が生じるようにしている。これにより、第3配線部材H3と、第2突板部72に設けられた配線保持部90との間に挿通された第1配線部材H1に対して、第3配線部材H3の復元力F1が作用して、第3配線部材H3および配線保持部90の間に第1配線部材H1を挟持し得るようになっている。
また、前記第3配線部材H3は、前記第1配線部材H1を構成する配線の数よりも多数の配線により構成されていることで、自身の撓みにより生じる復元力F1によって効果的に第1配線部材H1を配線保持領域Raに保持し得るようになっている。なお、第3配線部材H3と、前記第1突板部71に設けられた配線保持部90との間に挿通された第4配線部材H4に対しても、第3配線部材H3の撓みによる復元力F1が作用するようになっている。
前記第1側枠部51Lの後面側には、図6および図9(c)に示すように、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4とは別に、これらの配線部材H1,H3,H4が延在する上下方向と交差する左右方向へ延在する前記第7配線部材H7が配設されている。この第7配線部材H7は、前述したように第3配線部材H3と第1側枠部51L(設置部材50)の後面との間に位置している。すなわち、該第3配線部材H3と第1側枠部51Lの後面との間に第7配線部材H7が介在することによって、該第7配線部材H7が位置する分だけ第3配線部材H3が第1側枠部51Lから後方へ離間し、該第3配線部材H3が、第1突板部71および第2突板部72に設けられた各配線保持部90との近接位置を挿通することとなり、この第3配線部材H3と、各配線保持部90との間に第1および第4配線部材H1,H4が位置して該第3配線部材H3を第1側枠部51L側(各配線保持部90とは反対側)に撓ませることで、該撓みにより生じる復元力F2(図9(c)(d)参照)によって効果的に第1および第4配線部材H1,H4を配線保持領域Raに保持し得るようになっている。すなわち、前記左中継基板37Aのコネクタ接続部CNとの接続位置から離れ、第3配線部材H3の前記復元力F1が小さくなる部分では、第7配線部材H7の存在によって第3配線部材H3に生じさせた復元力F2によって、第3配線部材H3および配線保持部90の間に第1および第4配線部材H1,H4を保持し得るようになっている。なお、第7配線部材H7は、第3配線部材H3と第1側枠部51L(設置部材50)の後面との間で挿通経路Rを横切るように配設されることで、第1突板部71に設けられた配線保持部90と、第2突板部72に設けられた配線保持部90との間に保持されている。
また、前記第1側枠部51Lの後面側には、図6に示すように、第1配線部材H1、第3配線部材H3および第4配線部材H4とは別に、これらの配線部材H1,H3,H4が延在する上下方向と交差する左右方向へ延在する前記第5配線部材H5および前記第6配線部材H6が配設されている。これら第5および第6配線部材H5,H6は、第1配線部材H1と第1側枠部51L(設置部材50)の後面との間に位置して、前記挿通経路Rを横切るように配設されている。すなわち、第5および第6配線部材H5,H6の存在によって、第3および第4突板部73,74に設けられた各配線保持部90側へ向けて第1配線部材H1を変位させる力が生じており、当該変位させる力により、第1配線部材H1が配線保持領域Raに保持されている。なお、第5および第6配線部材H5,H6は、第1配線部材H1と第1側枠部51L(設置部材50)の後面との間で挿通経路Rを横切るように配設されることで、第3突板部73に設けられた配線保持部90と、第4突板部74に設けられた配線保持部90との間に保持されている。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10は、内側に収容空間53を画成する設置部材(空間画成部材)50を備えており、該収容空間53の後端側(具体的には、背面板51と可動ベース部材60xとの間)には、演出制御基板34と、収容空間53内に位置する複数の電気部品(接続基板40、駆動手段62、原位置センサ63、他の電気部品69等)との電気的な接続を中継する左中継基板37Aが配設される。そして、収容空間53内から設置部材50の外側に挿通する第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタは、左中継基板37Aの後面に設けられたコネクタ接続部CNに対して設置部材50の外側で着脱される。
ここで、設置部材50は、左中継基板37Aのコネクタ接続部CNが位置する背面板51と、該背面板51に対して交差する上下および左右の外周板52とによって収容空間53を画成するものであり、背面板51には、収容空間53の内外に貫通する配線挿通部85a,86aが設けられ、左側の外周板52には、配線挿通部85a,86aに連通する配線誘導部85b,86bと、この配線誘導部85b,86bと連通すると共に第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタを挿通可能なコネクタ受入部85c,86cとが設けられている。そして、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタを収容空間53内から設置部材50の外側に挿通する場合には、コネクタ受入部85c,86cを介して設置部材50の外周側(外側)へと引き出したもとで、該配線部材H4,H5,H6,H7を配線誘導部85b,86bを介して配線挿通部85a,86aまで移動させ、該配線挿通部85a,86aを挿通する状態とした第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタを、左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに接続する。すなわち、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7を、収容空間53からコネクタ受入部85c,86cを介して左側の外周板52の外側に引き出したもとで、配線誘導部85b,86bから配線挿通部85a,86aへと移動させて左中継基板37Aのコネクタ接続部CNに接続させることができるから、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7を配線挿通部85a,86aに直接挿通させる必要がない。すなわち、収容空間53に収容される可動演出部60等の部材が邪魔となって第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7の配線接続作業が困難となるのを防ぐことができる。
配線挿通部85a,86aは、背面板51における左側の外周板52と連なる外縁部(具体的には、設置部材50に設けられた外縁壁部57に沿う位置)に位置するよう形成されているから、コネクタ受入部85c,86cを介して左側の外周板52の外側に引き出した第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7を、配線誘導部85b,86bを介して配線挿通部85a,86aまで容易に移動させることができる。また、上配線開口85の配線挿通部85aは、第4配線部材H4および第7配線部材H7を同時に通過させ得る大きさに形成されており、下配線開口86の配線挿通部86aは、第5配線部材H5および第6配線部材H6を同時に通過させ得る大きさに形成されている。すなわち、複数の配線部材H4,H5,H6,H7で配線挿通部85a,86aを兼用し得るから、設置部材50の構成の複雑化を防止することができる。
なお、実施例の配線挿通部85a,86aおよび配線誘導部85b,86bは、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタを挿通し得ない大きさに形成されている。これにより、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7をコネクタ受入部85c,86cを介して左側の外周板52の外側に引き出したもとで該コネクタ受入部85c,86cから配線挿通部85a,86aまで移動させる途中において、第4〜第7配線部材H4,H5,H6,H7のコネクタが配線挿通部85a,86aや配線誘導部85b,86bを介して収容空間53側に移動するのを防ぐことができる。
また、上配線開口85には、コネクタ受入部86cに後端が連通すると共に前端が左側の外周板52の前縁部に開口する配線受入部86dが設けられている。そして、配線受入部86dの前側開口を塞ぐように排出路形成部材68が設置部材50に取り付けられる。このような構成において、設置部材50に設けられた配線受入部86dの開口が排出路形成部材68で塞がれた状態では、設置部材50および排出路形成部材68を分解することなくコネクタ受入部86cを介して左側の外周板52の外側へ第5および第6配線部材H5,H6を引き出すことができる。また、配線受入部86dの前側開口を排出路形成部材68で塞ぐ前の状態では、配線受入部86dの前側開口から第5および第6配線部材H5,H6を直接挿入して配線挿通部86aまで移動させることができるから、コネクタ受入部86cに第5および第6配線部材H5,H6のコネクタを挿通させる必要がなく、配線接続作業をより簡易にすることができる。
ここで、背面板51の後面で左右方向に延在するよう取り回される第5〜第7配線部材H5,H6,H7とは別の配線部材として、第1および第3配線部材H1,H3が背面板51の後面側に取り回されるようになっており、該背面板51には、第1および第3配線部材H1,H3が挿通する配線保持領域Raを背面板51との間に画成する配線保持部90が複数設けられている。そして、第5〜第7配線部材H5,H6,H7は、背面板51と第1および第3配線部材H1,H3との間に、該第1および第3配線部材H1,H3と交差する方向に延在して複数の配線保持部90の間を通過するよう配設される。すなわち、配線保持領域Raを挿通する第1および第3配線部材H1,H3が、該第1および第3配線部材H1,H3と交差する左右方向に延在する第5〜第7配線部材H5,H6,H7の存在によって背面板51から離間する側(配線保持部90側)へ近接するから、該第1および第3配線部材H1,H3を配線保持部90で確実に保持することができる。また、第5〜第7配線部材H5,H6,H7が第1および第3配線部材H1,H3の延在方向に変位するのを複数の配線保持部90によって規制することができる。
また、実施例のパチンコ機10は、設置部材50に設けられた係合支持部70および固定支持部78によって図柄表示装置17を背面板51の後面側に支持するものであり、係合支持部70における図柄表示装置17を支持する支持面75aとは異なる壁面70a(具体的には、第1〜第4突板部71,72,73の延出端面と、下側の係合凹部75における後端面)に、第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4を保持する配線保持部90が、該配線部材H1,H3,H4の延在方向(上下方向)に離間して複数設けられている。そして、配線部材H1,H3,H4は、これら複数の配線保持部90によって図柄表示装置17の設置領域56の外側に保持される。すなわち、図柄表示装置17を設置領域56に支持する係合支持部70に配線保持部90を設けることで、設置領域56の近傍に第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4を取り回し得る。また、係合支持部70を利用して配線保持部90を設けることにより、配線保持部90を設けることができ、該配線保持部90に必要なスペースを抑制することができる。
ここで、配線保持部90は、該配線保持部90で保持された第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4と、図柄表示装置17の設置領域56が位置する側との間に延在する第1の規制片91および第2の規制片92からなるものであり、第1の規制片91が係合支持部70から設置領域56と反対側に延出すると共に、第2の規制片92が第1の規制片91の延出端から設置部材50側へ延出するように設けられている。すなわち、係合支持部70(第1〜第3突板部71,72,73および下側の係合凹部75)と、第1の規制片91および第2の規制片92とにより、第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4を保持するための配線保持領域Raが画成される。すなわち、配線保持部90で第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4を確実に配線保持領域Raに保持し得ると共に、設置領域56に設置される図柄表示装置17に対して第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4が接触するのを防ぐことができる。
また、設置部材50には、係合支持部70(第1〜第4突板部71,72,73,74)と離間して対向するように対向壁部95が設けられており、該対向壁部95が、配線保持領域Raに保持した第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4の挿通経路Rを係合支持部70との間に画成している。このように、対向させて設けた係合支持部70および対向壁部95によって第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4の挿通経路Rを画成することにより、第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4をより確実に保持することができる。ここで、対向壁部95は、配線保持部90の形成位置に対応する位置に設けられた第1対向部96における後方への延出寸法L2よりも、配線保持部90の形成位置から上下方向(第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4の延在方向)に偏倚した位置に設けられた第2対向部97の後方への延出寸法L3が大きくなるよう設けられているから、配線保持領域Raからの第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4の離脱を第2対向部97によって規制することができる。また、対向壁部95は、配線保持部90における第2の規制片92より係合支持部70から離間する位置に設けられることで、第2の規制片92および第1対向部96の間から第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4を容易に配線保持領域Raに挿入することができるようにしつつ、配線保持領域Raに第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4を挿入した後には、該第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4を第2の規制片92で配線保持領域Raに確実に保持することができる。
また、設置部材50には、係合支持部70と対向壁部95との間において配線保持部90により形成される配線保持領域Raに開口する逃げ孔99が形成されている。すなわち、配線保持領域Raに保持された第1〜第4配線部材H1,H2,H3,H4が設置部材50に形成した逃げ孔99へ変位し得ることで、幅寸法の大きな配線部材H1,H2,H3,H4を配線保持領域Raで保持することができる。
更に、実施例のパチンコ機10は、図柄表示装置17等の遊技機構成部材が配設された設置部材50に、配線保持部90が画成する配線保持領域Raに複数の配線部材H1,H3,H4を挿通して保持するものであり、該複数の配線部材H1,H3,H4のうちで第3配線部材H3が、配線保持部90側へ向けて付勢された状態で配線保持部Raに保持されることにより、第1および第4配線部材H1,H4を第3配線部材H3および配線保持部90(具体的には、第1の規制片91)との間に挟持するようにしている。これにより、複数の配線部材H1,H3,H4を保持するための構成を簡略化できるから、該複数の配線部材H1,H3,H4を比較的自由に取り回すことができる。
より具体的には、配線保持部90の近傍に設けられたコネクタ接続部CN(左中継基板37Aに設けられたコネクタ接続部CN)に第3配線部材H3のコネクタが接続されることで、第3配線部材H3が、該コネクタ接続部CNからの延在方向(前後方向)に対して交差する向き(側方かつ上方)に捻じるように撓ませた状態で配線保持領域Raを挿通することで、第3配線部材H3が自身の撓みによる復元力F1が生じ、該復元力F1が第1および第4配線部材H1,H4に対して作用する。また、配線保持領域Raに保持された第1、第3および第4配線部材H1,H3,H4とは別に、該第4配線部材H1,H3,H4と交差する左右方向へ延在する第7配線部材H7が設置部材50の後面側に取り回されており、該第7配線部材H7が第3配線部材H3および設置部材50の間に位置することで、第7配線部材H7によって第3配線部材H3が配線保持部90側へ近接し、第1および第4配線部材H1,H4が第3配線部材H3および配線保持部90の間に位置することで、第3配線部材H3において配線保持部90側への復元力F2が作用する。このように各配線部材H1,H3,H4,H7を取り回すことにより、設置部材50の構成を複雑化することなく、第3配線部材H3と配線保持部90との間で第1および第4配線部材H1,H4を配線保持領域Raに保持することができる。なお、第3配線部材H3は、第1および第4配線部材H1,H4の夫々を構成する配線の数よりも多数の配線により構成されているから、第1および第4配線部材H1,H4を確実に配線保持領域Raに保持することができる。
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、配線保持領域に挿通された複数の配線部材のうち所定の配線部材が、コネクタ接続部に対する接続方向と交差する方向へ撓ませることにより生じる復元力によって他の配線部材を配線保持部側へ付勢し、かつ所定の配線部材と交差する配線部材の存在によって配線保持部に近接する位置を挿通することにより生じる復元力によって他の配線部材を配線保持部側へ付勢するよう構成したが、コネクタ接続部に対する接続方向と交差する方向へ撓ませることにより生じる所定の配線部材の復元力または所定の配線部材と交差する配線部材の存在によって配線保持部に近接する位置を挿通することにより生じる所定の配線部材の復元力のうち何れか一方のみを利用して、他の配線部材を配線保持部および所定の配線部材の間に挟持するようにしてもよい。
(2) 実施例では、配線保持部へ向けて付勢された状態で配線保持領域に保持される所定の配線部材が、該所定の配線部材と配線保持部との間に挟持される他の配線部材を構成する配線の数より多数の配線により構成するようにしたが、前記他の配線部材も少ない数の配線により所定の配線部材を構成するようにしてもよい。
(3) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。