本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は部品実装システム1の全体構成を示す説明図である。図2は、ヘッドユニット110の斜視図である。図3は、第3実装ヘッド120cの斜視図である。図4は、ヘッド保持体21を下から斜め上向きに見たときの斜視図である。図5は、ノズルカメラ124の斜視図である。図6は、ヘッド保持体21に保持された第1実装ヘッド120aの吸着ノズル13と光学系ユニット80との位置関係を示す概念図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1、2に示した通りとする。
部品実装システム1は、実装装置100と、管理コンピュータ200とを備えている。
実装装置100は、図1に示すように、基台102に搭載された基板搬送装置104と、着脱可能に取り付けられた実装ヘッド120を有しXY平面を移動可能なヘッドユニット110と、吸着ノズル13などのノズルを側方(前方)から撮像するノズルカメラ124と、各種ヘッドを収納するためのヘッド収納エリア140と、基板101へ装着する部品を供給する部品供給装置150と、各種制御を実行するコントローラ160とを備えている。
基板搬送装置104は、前後一対の支持板106,106にそれぞれ取り付けられたコンベアベルト108,108(図1では片方のみ図示)により基板101を左から右へと搬送する。
ヘッドユニット110は、部品を吸着し基板101上へ移動させるものであり、X軸スライダ112に取り付けられている。ヘッドユニット110は、部品を吸着する吸着ノズル13と、吸着ノズル13を1以上装着、取り外し可能な実装ヘッド120と、X軸スライダ112に配設され実装ヘッド120を交換可能に保持するヘッド保持体21と、を備えている。このヘッドユニット110は、X軸スライダ112がガイドレール114,114に沿って左右方向に移動するのに伴って左右方向に移動し、Y軸スライダ116がガイドレール118,118に沿って前後方向に移動するのに伴って前後方向に移動する。このため、ヘッドユニット110は、XY平面を移動可能である。各スライダ112,116は、それぞれ図示しないサーボモータによって駆動される。
ヘッド保持体21は、例えば、第1実装ヘッド120a、第2実装ヘッド120b、第3実装ヘッド120cなどを装着、取り外し可能である。なお、第1実装ヘッド120a、第2実装ヘッド120b及び第3実装ヘッド120cを実装ヘッド120と総称する。このヘッド保持体21は、情報を記憶するフラッシュメモリ111を備えている。このフラッシュメモリ111には、実装ヘッド120に関する情報として、個別の照明の明るさのばらつきを修正する基準値(補正値)を含む基準情報171が記憶されている(後述図8参照)。この基準情報171は、製品の出荷前において、明るさの基準となる基準部材を照明部81(図5参照)により照明しつつノズルカメラ124で撮像して得られた画像が所定の明るさになる供給電流値に修正する基準値を含む情報である。この基準値は、個々の照明部の照度のばらつきなどを修正するものであり、電流値に乗算される係数としてもよいし、電流値に加減される加減値としてもよい。なお、この基準値は、各実装ヘッド120の背景体44の明るさや暗さなどは考慮されていない。
第1実装ヘッド120aは、ヘッドユニット110に着脱可能に取り付けられている。吸着ノズル13は、圧力を利用して、ノズル先端に部品を吸着(保持)したり、ノズル先端に吸着している部品を放したりするものである。第1実装ヘッド120aは、図2に示すように、12個のノズルホルダ12を備えており、12本の吸着ノズル13を装着可能である。ノズルホルダ12は、上端付近にノズル操作レバー39を有し、スプリング40によって上方へ付勢されて所定の定位置(上方位置)に位置決めされている。ノズル操作レバー39が押下されると、スプリング40の弾性力に抗してノズルホルダ12及び吸着ノズル13が下降し、ノズル操作レバー39の押下が解除されると、ノズルホルダ12及び吸着ノズル13はスプリング40の弾性力によって定位置に戻る。なお、第1実装ヘッド120aは、複数種類のノズルを装着可能としてもよい。この第1実装ヘッド120aは、ノズルカメラ124からみて吸着ノズル13の後方(軸中心側)に、第1実装ヘッド120aの底部から下方向に突出した円柱形の背景体44が配設されている。
ヘッド収納エリア140は、基台102の上面右側に設けられ、実装ヘッド120を収納するための収納場所142を複数(ここでは3つ)有している。このヘッド収納エリア140の収納場所142には、第2実装ヘッド120b及び第3実装ヘッド120cが収納され、1つの収納場所142が空きになっている。第2実装ヘッド120bは、第1実装ヘッド120aと同様に12本の吸着ノズル13を装着可能である。第3実装ヘッド120cは、図3に示すように、4個のノズルホルダ12bを備えており、4本の吸着ノズル13を装着可能である。この第3実装ヘッド120cは、ヘッド保持体21へ装着された際にノズルカメラ124からみて吸着ノズル13の後方(軸中心側)に、第3実装ヘッド120cの下面から下方に向かって円柱形の背景体45が配設されている。
部品供給装置150は、実装装置100の前方に取り付けられている。この部品供給装置150は、複数のスロットを有しており、各スロットにはフィーダ152が差し込み可能となっている。フィーダ152には、テープが巻き付けられたリール154が取り付けられている。テープの表面には、部品がテープの長手方向に沿って並んだ状態で保持されている。これらの部品は、テープの表面を覆うフィルムによって保護されている。こうしたテープは、図示しないスプロケット機構によって後方へ送り出され、フィルムが剥がされて部品が露出した状態で所定位置に配置される。所定位置とは、吸着ノズル13がその部品を吸着可能な位置である。この所定位置で部品を吸着した吸着ノズル13は、基板101上の定められた位置にその部品を実装することができる。
その他に、実装装置100は、ノズルストッカ134などを備えている。ノズルストッカ134は、複数種類の吸着ノズル13をストックするボックスであり、部品供給装置150の隣に配置されている。吸着ノズル13は、部品を装着する基板の種類や部品の種類に適したものに交換される。
コントローラ160は、各種制御を実行するCPU162、制御プログラム等を記憶するROM164、作業領域として利用されるRAM166及び大容量のデータを記憶するHDD168を備え、これらは図示しないバスによって接続されている。コントローラ160は、基板搬送装置104、X軸スライダ112、Y軸スライダ116及びヘッドユニット110と信号のやり取りが可能なように接続されている。
管理コンピュータ200は、基板101の生産ジョブを管理するコンピュータであり、オペレータが作成した生産ジョブデータを記憶している。生産ジョブデータには、実装装置100において、どのような実装ヘッド120を用いるかや、どのスロット位置のフィーダ152からどの部品をどういう順番でどの基板種の基板101へ実装するか、そのように実装した基板101を何枚作製するかなどの情報が定められている。管理コンピュータ200は、実装装置100のコントローラ160と双方向通信可能に接続されている。
ここで、ヘッドユニット110について、詳細に説明する。ヘッドユニット110は、図2,5に示すように、ヘッド保持体21と実装ヘッド120とノズルカメラ124とを備えている。
ヘッド保持体21は、X軸スライダ112(図1参照)に、図示しない昇降機構によって昇降可能に取り付けられている。このヘッド保持体21は、上部にリング状のR軸ギア24を有し、下部に円柱状のR軸22を有している。R軸ギア24は、R軸モータ25によって回転駆動され、R軸22と一体的に回転する。R軸22は、下端にフックを有する係合部材31を複数個(図4参照、本実施形態では4つ)有している。フックの向きは、R軸22が正回転する方向と同じになるように揃えられている。これらの係合部材31は、R軸22の下面の同一円周上(この円の中心はR軸22の中心軸と一致する)に等間隔に配置されている。また、各係合部材31は、図示しないエアシリンダによって上下動可能となっている。第1実装ヘッド120aの底面側に配設された背景体44は、その中心軸がR軸22の中心軸や12本の吸着ノズル13の円周状の並びの中心軸と一致する。背景体44の外周面には例えば蛍光塗料などが塗布されており、ノズルカメラ124の照明部81(図5参照)からの紫外線を受けて発光可能である。第1実装ヘッド120aは、R軸22を挿入可能な円筒空間を有している。この円筒空間の内部には、図示しない円盤状のベースに係合孔が複数(本実施形態では4つ)形成されている。この係合孔がR軸22の係合部材31のフックと係合することで、ヘッド保持体21は実装ヘッド120を保持可能なように構成されている。なお、第2実装ヘッド120b及び第3実装ヘッド120cも同様である。
ヘッドユニット110には、ノズルカメラ124が取り付けられている。図5に示すように、ノズルカメラ124は、本体フレーム90と、支持シャフト92と、カメラ本体94と、光学系ユニット80と、を備えている。本体フレーム90及び支持シャフト92は、ヘッドユニット110に取り付けられてヘッド保持体21と一体化されている。これにより、ノズルカメラ124は、ヘッドユニット110(ヘッド保持体21)のXY方向の移動に伴ってXY方向に移動する。なお、ヘッド保持体21の昇降はノズルカメラ124とは独立して可能であり、これによりヘッド保持体21に保持される実装ヘッド120とノズルカメラ124の光学系ユニット80との上下の位置関係を調整できるようになっている。カメラ本体94は、本体フレーム90に取り付けられており、図示しないレンズと、レンズを介して入射した光を光電変換して信号を出力する撮像素子94aと、撮像素子94aから出力される信号を入力して所定の画像処理を施して画像データや画像ファイルを生成する画像処理部94bなどを備えている。光学系ユニット80は、本体フレーム90及び支持シャフト92に取り付けられている。光学系ユニット80の後側の面には、背景体44や背景体45に光を照射しこれらを照らす複数の光源を有する照明部81が取り付けられている。
光学系ユニット80の内部構造について説明する。図2では、図5における光学系ユニット80の上カバ−80aを取り外した状態を示している。図2に示すように、光学系ユニット80は、後方(ヘッド保持体21に取り付けられた実装ヘッド120が位置する方向)に向けて開口した中入射口83a,左入射口83b,右入射口83cと、各入射口83a〜83cを覆う透明な中カバー84a,左カバー84b,右カバー84cと、を備えている。また、光学系ユニット80は、中入射口83a,左入射口83b,右入射口83cの各々から入射した光をカメラ本体94の撮像素子に導く中光学系82a,左光学系82b,右光学系82cを備えている。中光学系82aは、ミラー86aなどを有している。中入射口83aから入射した光はミラー86aを介してカメラ本体94に導かれる。左光学系82bは、ミラー86b,プリズム85b,ミラー86a(中光学系82aと共通)などを有している。左入射口83bから入射した光は、ミラー86b,プリズム85b,ミラー86aをこの順で反射又は透過してカメラ本体94に導かれる。右光学系82cは、ミラー86c,プリズム85c,ミラー86a(中光学系82aと共通)などを有している。右入射口83cから入射した光は、ミラー86c,プリズム85c,ミラー86aをこの順で反射又は透過してカメラ本体94に導かれる。なお、プリズム85bとプリズム85cとの間には左右方向に隙間が形成されており、中入射口83aからの光はこの隙間を通過してミラー86aに到達する。カメラ本体94の撮像素子94aは、中光学系82a,左光学系82b,右光学系82cからの受光により電荷を発生させる。カメラ本体94の画像処理部94bは、撮像素子94aで発生した電荷を入力し、例えば、ガンマ補正処理や、コントラスト処理、シャープネス処理など周知の処理を施して、この電荷に基づく画像データを生成する。
ここで、ノズルカメラ124の光学系ユニット80と各実装ヘッド120の吸着ノズル13との位置関係について図6を用いて説明する。なお、図6は、Z軸に垂直な断面図として示している。また、図6は、吸着ノズル13が光学系ユニット80と対向してノズルカメラ124による各ノズルの撮像が可能な高さ位置(撮像位置)に位置するようにヘッド保持体21を昇降させた状態を図示している。ノズルカメラ124は、中入射口83aの正面(後方)の撮像エリアAに位置する吸着ノズル13a、左入射口83bの正面(後方)の撮像エリアBに位置する吸着ノズル13b及び右入射口83cの正面(後方)の撮像エリアCに位置する吸着ノズル13c、及びこれらの吸着ノズル13に吸着された部品を撮像することができる。このノズルカメラ124では、中光学系82a,左光学系82b,右光学系82cがミラー86aを共用しているため、中光学系82a,左光学系82b,右光学系82cを介して入射した光がまとめてカメラ本体94の撮像素子で受光される。これにより、ノズルカメラ124は、中光学系82a,左光学系82b,右光学系82cを介した受光に基づくそれぞれの像が中央,左側,右側に配置された1つの画像を表す画像データを取得することになる。また、R軸モーター25によってR軸を回転させることで、12本の吸着ノズル13及び背景体44はヘッド保持体21の中心軸を中心に回転する。このため、ノズルカメラ124は、円周方向に連続する任意の3本の吸着ノズル13を撮像することができる。なお、照明部81の複数の光源は、そのいずれか1以上により撮像エリアA〜Cのいずれかを照明するように設定されている。
なお、ノズルカメラ124は、照明部81により背景体44又は背景体45に紫外線を照射し、背景体44や背景体45の発光を用いて撮像を行う。即ち、照明部81は、背景体44,45を照らすことにより吸着ノズル13と背景との間に明暗を付与する。これにより、吸着ノズル13の画像データでは、背景体44の領域は明るい背景となり、撮像対象である吸着ノズル13や吸着ノズル13に吸着された部品は暗く表される。
次に、こうして構成された本実施形態の部品実装システム1の動作、特に、吸着ノズル13及び吸着ノズル13に吸着された部品を撮像する際の照明部81の照明の補正値を設定する処理について説明する。図7は、コントローラ160のCPU162により実行される補正値設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、HDD168に記憶され、例えば、基板101に部品を実装する新たな実装処理を行う前など、所定の更新タイミングにおいて実行される。このルーチンは、例えば、実装装置100の各ユニットを利用してCPU162が実行するものとする。ここでは、補正値の設定処理について、第1実装ヘッド120aを主たる具体例に用いて説明する。
このルーチンが開始されると、CPU162は、まず、実装装置100が備える実装ヘッド120の情報を取得する(ステップS100)。CPU162は、例えば、管理コンピュータ200から生産ジョブデータを取得し、この生産ジョブデータに含まれる情報からヘッド収納エリア140にある実装ヘッド120の情報を取得するものとしてもよい。あるいは、CPU162は、ヘッド収納エリア140に収納された実装ヘッド120を直接確認することにより実装ヘッド120の情報を取得するものとしてもよい。次に、CPU162は、個別の照明部81の明るさのばらつきを修正する基準値を基準情報171から読み出して取得し(ステップS110)、ヘッド保持体21に保持する実装ヘッド120を設定し(ステップS120)、設定した実装ヘッド120をヘッド保持体21に装着する処理を行う(ステップS130)。CPU162は、例えば、ステップS120の実装ヘッド120の設定を、実装処理で使用する順に設定するものとしてもよい。なお、補正値設定処理では、ヘッド保持体21には、実装ヘッド120を装着するが、実装ヘッド120には吸着ノズル13は装着しないものとする。
次に、CPU162は、照明部81の電流値を設定し(ステップS140)、ステップS120で取得した基準値を加味して照明部81の照明をオンにし(ステップS150)、ノズルカメラ124の撮像素子94aで背景体44の画像を撮像する(ステップS160)。ここで、複数の吸着ノズル13を有する実装ヘッド120では、各吸着ノズル13が含まれる撮像エリアA〜Cに対して画像を撮像する処理を行うものとする。例えば、ノズルカメラ124では12個の吸着ノズル13を備えた第1実装ヘッド120aの3個の吸着ノズル13の撮像エリアA〜Cを1回に撮像可能であるから、CPU162は、第1実装ヘッド120aを回転方向に90°ずつ移動して4回撮像処理を行うものとする。なお、第2実装ヘッド120bについても、第1実装ヘッド120aと同様である。また、4個の吸着ノズル13を有する第3実装ヘッド120cに対しては、ノズルカメラ124の撮像エリアA(正面)のみを用いて撮像するものとし、CPU162は、第3実装ヘッド120cを回転方向に90°ずつ移動して4回撮像処理を行うものとする。
次に、CPU162は、撮像された画像の明るさが基準となる所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS170)。この画像明るさの所定範囲は、例えば、ノズルカメラ124で撮像した画像を用いてCPU162が部品の保持状態を判定する際に、誤判定をより防止することができる良好な範囲に経験的に定めることができる。撮像した画像の明るさは、例えば、吸着ノズル13に保持された部品が含まれるであろう画像の領域(判定領域)の各画素の輝度値を平均した平均値として求めるものとしてもよい。また、ステップS160で複数の画像を撮像した場合においても、これらの判定領域全体での平均値とすればよい。ここでは、吸着ノズル13a〜13cの撮像エリアA〜Cの3つに対応する判定領域に対して撮像画像の明るさの平均値を求め、ステップS170の判定を行うものとする。撮像した画像の明るさが基準の所定範囲にないときには、CPU162は、ステップS140以降の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップS140で照明部81の電流値を再設定し、その電流による照明で画像を撮像し、ステップS170で撮像画像の明るさの判定を行う。CPU162は、この処理を基準(所定範囲)の明るさに達するまで繰り返す。ここで、ステップS140で設定する照明部81の電流値は、例えば、得られる画像の明るさが好適な範囲からやや外れる値を初期値に経験的に定めておくものとしてもよい。その後、CPU162は、得られる画像の明るさが好適な範囲へ向かう電流値をステップS140で設定するものとしてもよい。具体的には、CPU162は、画像の明るさがやや暗くなるような電流値を初期値に設定し、ステップS140〜S170の繰り返しの処理の中で、電流値を増加して設定することにより、好適な画像の明るさの範囲に入るようにしてもよい。
ステップS170で、撮像した画像の明るさが基準の所定範囲内であるときには、CPU162は、現在設定されている電流値を用いて補正値を算出し、ヘッド保持体21に保持されている実装ヘッド120に対応づけてこの補正値を補正情報172に記憶させる(ステップS180)。ここでは、CPU162は、撮像エリアA〜Cの3つに対応する照明部81の補正値を設定する。この補正値は、各実装ヘッド120に配設されている背景体の色や明るさのばらつきなどを修正するものであり、電流値に乗算される係数としてもよいし、電流値に加減される加減値としてもよい。
ここで、補正値の設定について説明する。図8は、フラッシュメモリ111に記憶される基準情報171及びRAM166に記憶される補正情報172の一例を示す説明図である。この図8(a)は補正値の設定前、図8(b)は好適な電流値の測定結果、図8(c)は補正値の設定後の説明図である。ヘッド保持体21のフラッシュメモリ111に記憶された基準情報171には、撮像エリアA〜Cの3つに対応する電流基準値や輝度基準値が含まれている(図8(a))。電流基準値は、例えば、実装装置間での照明部81のばらつき、あるいは、照明部81の各光源間でのばらつきを修正する電流の補正値である。輝度基準値は、各撮像エリアで満たすことを要する輝度の基準値である。この基準情報171は、自動更新されないデータである。ステップS160で、この基準値を用いて照明部81で照明し、撮像した画像を得る。次に、CPU162は、ステップS140〜S170の処理により、この撮像画像の明るさが基準の所定範囲に含まれる電流値を得る(図8(b))。そして、この電流値に応じて、各実装ヘッド120、且つ各撮像エリアA〜Cの補正値を計算し、これをRAM166に補正情報172として記憶する(図8(c))。この補正情報172には、各実装ヘッド120に対応する補正値が各撮像エリアA〜Cごとに対応づけられて含まれている。
続いて、CPU162は、補正値を未設定の実装ヘッド120があるか否かを判定し(ステップS190)、補正値を未設定である実装ヘッド120があるときには、ステップS120以降の処理を実行する。即ち、CPU162は、ヘッド保持体21に保持する次の実装ヘッド120を設定し、照明部で照明されて撮像された画像の明るさが所定範囲に含まれるような補正値を設定する処理を繰り返す。一方、ステップS190で、補正値を未設定である実装ヘッド120がないときには、CPU162は、すべての実装ヘッド120に補正値を設定したものとみなし、そのままこのルーチンを終了する。
次に、実装装置100の動作、特に補正情報172を用いた実装処理について説明する。図9は、コントローラ160のCPU162により実行される実装処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、HDD168に記憶され、作業者による開始指示により実行される。このルーチンは、例えば、実装装置100の各ユニットを利用してCPU162により実行される。このルーチンが開始されると、CPU162は、まず、管理コンピュータ200から生産ジョブデータを取得し(ステップS200)、基板101の搬送及び固定処理を実行する(ステップS210)。次に、CPU162は、生産ジョブデータの実装順に基づいて、吸着を行う部品を設定し(ステップS220)、実装ヘッド120の指定及び吸着ノズル13の指定を生産ジョブデータから取得すると共に、補正情報172を取得する(ステップS230)。
次に、CPU162は、指定された実装ヘッド120及び吸着ノズル13がヘッドユニット110に装着済であるか否かを判定し(ステップS240)、装着済でないときには、指定された実装ヘッド120をヘッド保持体21に装着すると共に、指定された吸着ノズル13を実装ヘッド120に装着する(ステップS250)。このとき、例えば、CPU162は、X軸スライダ112やY軸スライダ116を制御してヘッド保持体21が保持する実装ヘッド120と収納場所142に収納された実装ヘッド120とを交換させる処理を行う。ステップS250のあと、又は、ステップS240で実装ヘッド120及び吸着ノズル13が装着済であるときには、CPU162は、部品供給装置150にある部品を実装ヘッド120に吸着させ(ステップS260)、基準情報171と、ヘッド保持体21に保持された実装ヘッド120に対応する補正情報172の補正値とを用いて、吸着ノズル13及びこれが吸着している部品をノズルカメラ124により側面から撮像する処理を行う(ステップS270)。
続いて、CPU162は、撮像した画像を用いて吸着ノズル13に吸着された部品の吸着状態が異常であるか否かを判定する(ステップS280)。この判定では、部品の形状などに基づき、部品の吸着位置や吸着角度などが許容範囲を外れている場合に異常有りと判定するものとする。この許容範囲は、部品を実装位置に配置したときの実装位置ずれに応じて経験的に定めることができる。なお、ステップS260〜S280では、複数の吸着ノズル13が実装ヘッド120に装着されている場合には、CPU162は、各吸着ノズル13に部品を吸着させ、各吸着ノズル13の部品の吸着状態を判定するものとする。部品の吸着状態が異常でないときには、CPU162は、部品を実装位置に配置する処理を行い(ステップS290)、部品の吸着状態が異常であるときには、その部品に対して異常対応処理を行う(ステップS300)。異常対応処理では、CPU162は、例えば、吸着状態が異常である部品を廃棄すると共に、その旨の情報を図示しない操作パネルのディスプレイに表示するものとする。例えば、第1実装ヘッド120aや第3実装ヘッド120cには、背景体44や背景体45が設けられているが、これらの明るさや色などが異なる場合や汚れが存在する場合などには、判定に利用する撮像画像の明るさなどが異なることがある。このように、明るさの異なる画像を用いて、吸着ノズル13での部品の吸着状態を判定すると、正常な吸着状態の部品を廃棄してしまう場合も生じうる。この実装装置100では、各実装ヘッド120に対応づけられた補正情報172(補正値)を用いて照明を行い、撮像処理を行うから、撮像画像の明るさのばらつきをより抑制可能であり、その結果、部品を無駄に消費することを抑制可能である。
ステップS290又は、ステップS300のあと、CPU162は、現在の基板101の実装処理が完了したか否かを判定し(ステップS310)、現在の基板101の実装処理が完了していないときには、ステップS220以降の処理を実行する。即ち、CPU162は、補正情報172を用いて吸着ノズル13に吸着された部品及び背景体を照明し、部品の吸着状態を判定しながら、現在の基板101上に部品を次々に実装する。一方、ステップS310で現在の基板101の実装処理が完了したときには、CPU162は、実装完了した基板101を排出し(ステップS320)、生産完了したか否かを判定する(ステップS320)。生産完了していないときには、CPU162は、ステップS210以降の処理を繰り返し実行する。即ち、新たな基板101を搬送、固定し、実装ヘッド120の交換処理などを行いつつ、部品を基板101上へ実装する処理を繰り返し行う。一方、ステップS330で生産完了したときには、実装ヘッド120や吸着ノズル13を、ヘッド収納エリア140やノズルストッカ134に返却し(ステップS340)、このルーチンを終了する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の吸着ノズル13が本発明の部品保持具に相当し、実装ヘッド120がヘッドに相当し、収納場所142が収納手段に相当し、ヘッド保持体21がヘッド保持手段に相当し、X軸スライダ112及びY軸スライダ116がヘッド移動手段に相当する。また、CPU162がヘッド交換制御手段及び撮像制御手段に相当し、ノズルカメラ124が画像取得手段に相当し、RAM166が補正情報記憶手段に相当し、フラッシュメモリ111が基準情報記憶手段に相当する。また、背景体44,45が背景体に相当し、照明部81が照明部に相当し、撮像素子94aが撮像素子に相当し、画像処理部94bが画像処理部に相当し、基準情報171が基準情報に相当し、補正情報172が補正情報に相当する。
以上説明した本実施形態の実装装置100によれば、保持中(使用中)の実装ヘッド120と収納場所142に収納された実装ヘッド120とを交換させ、保持された実装ヘッド120を用いて、照明部81で用いる補正情報172をそれぞれの実装ヘッド120に対応づけて設定し、RAM166に記憶する。そして、CPU162は、保持されている実装ヘッド120に応じた補正情報172を用いて吸着ノズル13及び吸着(保持)された部品の画像データを取得する。したがって、実装ヘッド120を交換するものにおいて、より均一な明るさの、吸着ノズル13及び吸着された部品の画像を得ることができる。このため、実装ヘッド120による画像のばらつきをより抑制することができる。また、このような画像を用いて部品の吸着状態を判定するため、部品の吸着状態の誤判定の発生をより低減することができ、部品を無駄に消費してしまうことをより抑制することができる。
また、実装ヘッド120は、背景体44や背景体45を備えており、CPU162は、照明部81により照明された背景体の画像を撮像し、取得した撮像画像を用いて補正情報172を設定するため、例えば、背景体の汚れなどに応じて生じうる、画像データの明るさの変化をより抑制することができ、より均一な明るさの画像を得ることができる。更に、RAM166は、照明部81の電流値を補正する補正情報172を記憶するため、照明部81の照明を補正することによって、より均一な明るさの画像を得ることができる。更にまた、CPU162は、更新タイミングにおいて、実装ヘッド120を交換しつつ補正情報172を取得、更新するため、経時変化にも対応して、より均一な明るさの画像を得ることができる。そしてまた、ノズルカメラ124は、吸着ノズル13の側面から吸着ノズル13及びこの吸着ノズル13が保持する部品を撮像するため、側面からみた部品のずれを検出することができる。そして更に、CPU162は、照明部81の照明の個別のばらつきを補正する基準情報171と、補正情報172とを用いるため、基準情報171によって照明部81の個別のばらつきを補正しつつ、補正情報172により各実装ヘッド120ごとのばらつきを補正することによって、より均一な明るさの画像を得ることができる。そして更にまた、照明部81は、背景体44,45を照らすことにより吸着ノズル13(及び保持した部品)と背景との間に明暗を付与するため、吸着ノズル13や部品の色(例えば白や黒など)に関係せず、より均一な明るさの画像を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、補正情報172は、照明部81の電流値を補正するものとして説明したが、撮像された画像の明るさが所定の範囲に含まれるように補正するものであれば、特に電流値に限定されない。例えば、照明部81の電圧値を補正するものとしてもよいし、複数ある照明部81の光源の点灯数を補正するものとしてもよいし、照明部81と吸着ノズル13との距離を変更する補正値としてもよい。あるいは、補正情報は、画像処理部94bで用いるものとしてもよい。画像処理部94bで用いる補正値としては、例えば、ガンマ補正値などが挙げられる。
上述した実施形態では、照明部81の電流値を補正する補正値(係数や加減値)を含む補正情報172を用いるものとしたが、例えば、ノズルカメラ124で撮像された画像の明るさが所定の範囲に入る電流値自体を含む補正情報を用いるものとしてもよい。こうしても、複数の実装ヘッド120においてより均一な明るさの吸着ノズル13及び部品の画像を得ることができる。
上述した実施形態では、吸着ノズル13の撮像エリア(A〜C)ごとに補正値を設定するものとして説明したが、特にこれに限定されず、例えば、CPU162は、各吸着ノズル13ごとに補正値を設定するものとしてもよい。具体的には、上述した実施形態では、12個の吸着ノズル13を有する第1実装ヘッド120aにおいて、撮像エリアA〜Cの3個の補正値を持つものとしたが、各吸着ノズル13ごとに12個の補正値を持つものとしてもよい。ヘッドユニット110では、実装ヘッド120と共に背景体も回転することから、各吸着ノズル13の背景となる背景体の領域は吸着ノズル13ごとに決まっている。したがって、こうすれば、複数の実装ヘッド120のみならず、更に複数の吸着ノズル13においてもより均一な明るさの画像を得ることができる。あるいは、CPU162は、3つの撮像エリア(A〜C)の平均を更にとり、ノズルカメラ124で1つの補正値を設定するものとしてもよい。こうしても、複数の実装ヘッド120においてより均一な明るさの吸着ノズル13及び部品の画像を得ることはできる。
上述した実施形態では、所定の更新タイミングで補正情報を取得する処理を実行するものとしたが特にこれに限定されず、出荷時に補正情報172を記憶させておくものとしてもよい。ここで、背景体44,45の経時劣化を考慮すると、補正情報172は更新されることが好ましい。なお、基準情報171をヘッドユニット110に設けられたフラッシュメモリ111に記憶したが、特にこれに限定されず、コントローラ160のROM164やHDD168に記憶させてもよい。また、補正情報172をコントローラ160のRAM166に記憶するものとしたが、特にこれに限定されず、ヘッドユニット110に設けられたフラッシュメモリ111やコントローラ160のROM164、HDD168に記憶させてもよい。更に、ヘッドユニット110にRAMなどのメモリを設け、このメモリに補正情報172を記憶するものとしてもよい。また、基準情報171と補正情報172とを同じ記憶媒体に記憶させるものとしてもよい。
上述した実施形態では、ノズルカメラ124は、側面から、吸着ノズル13に吸着された部品を撮像するものとしたが、部品の吸着状態を撮像するものであれば、特にこれに限定されず、吸着ノズル13に吸着された部品を下方や上方から撮像するものとしてもよい。
上述した実施形態では、基準情報171をフラッシュメモリ111が記憶し、この基準情報171と補正情報172とを用いて照明部81での照明を行うものとしたが、特にこれに限定されず、基準情報171を省略してもよい。こうしても、実装ヘッド120を交換する実装装置において、補正情報172によって、より均一な明るさの吸着ノズル13及び部品の画像を得ることができる。
上述した実施形態では、実装ヘッド120は、円周上に複数の吸着ノズル13を装着し、この円周方向に吸着ノズル13を回転移動可能であるものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、実装ヘッドは、円周上に吸着ノズル13を配設しないものや、回転移動しないものとしてもかまわない。
上述した実施形態では、照明部81が蛍光色の背景体44,45に紫外光を照射することにより、吸着ノズル13(及び吸着された部品)と背景との間に明暗を付与するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、可視光を吸着ノズル13(及び吸着された部品)に照射することにより、吸着ノズル13(及び吸着された部品)と背景との間に明暗を付与するものとしてもよい。こうしても、複数の実装ヘッド120においてより均一な明るさの吸着ノズル13及び部品の画像を得ることができる。また、上述した実施形態では、吸着ノズル13の後方に背景体44を備えるものとして説明したが、特にこれに限定されず、背景体を備えないものとしてもよい。
上述した実施形態では、部品保持具は、部品を吸着する吸着ノズル13として説明したが、特にこれに限定されず、部品保持具は、部品を引っかけて保持する把持部を有する保持部材(メカチャック)としてもよい。
上述した実施形態では、実装処理ルーチンのステップS270〜S280で、吸着ノズル13に吸着された部品を撮像することにより部品の吸着状態を判定するものとして説明したが、特にこれに限定されず、例えば、吸着ノズル13のみを撮像し吸着ノズル13の装着状態を判定するものとしてもよい。こうしても、複数の実装ヘッド120においてより均一な明るさの吸着ノズル13の画像を得ることができる。
上述した実施形態では、本発明を実装装置100として説明したが、特にこれに限定されず、例えば、実装検査方法やそのプログラムの形態としてもよい。