JP6259777B2 - Igaの富化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、IgAを含む材料からのIgA(およびIgM)の富化プロセスに関する。詳細には、本発明は、単量体IgAおよび二量体IgAの有利な富化および分離をもたらす陰イオン交換体の連続溶出プロセスに関する。
公知であるように、免疫グロブリンは、感染と戦っている哺乳類の免疫系において重要な役割を果たす。免疫グロブリン(Ig)は、Bリンパ球で合成されて全ての脊椎動物の血漿、リンパ液および他の身体の分泌物中に見出される特異的免疫タンパク質である。免疫グロブリンは、ヒトにおいては血漿タンパク質の約20%を占める。
全ての免疫グロブリンは、それらの特異性とは無関係に、4本のポリペプチド鎖:即ち、共有的に付着したオリゴ糖基をそれぞれ有する2本の同一の重(H)鎖と、2本の同一の通常はグリコシル化されていない軽(L)鎖とを備える共通の構造を有し、各鎖はジスルフィド結合により共有的に連結される。4本全てのポリペプチド鎖は定常(C)領域および可変(V)領域を含有し、各領域はそれぞれカルボキシル末端およびアミノ末端に見出される。重鎖および軽鎖は単一のV領域を有するが、軽鎖は単一のC領域を持ち、重鎖は3つのC領域を含有する。重鎖および軽鎖両方のV領域が組み合わさって2つの同一の抗原結合部位(抗体の抗原に結合する部分)が形成される。免疫グロブリンのFc領域内における構造決定因子は、胎盤輸送または抗原依存性の細胞毒性等のエフェクタ機能を媒介する。
免疫グロブリンは、そのH鎖の構成要素に従って、生化学的特性および生理学的特性が異なる5つの主要なクラス:即ちIgG(γ重鎖)、IgA(α)、IgM(μ)、IgD(δ)およびIgE(ε)に分けられる。軽鎖には2つのタイプ、即ちκおよびλがある。個々の分子はκ鎖またはλ鎖を含有し得るが両方を含有しない。ヒトでは、κ軽鎖を含有する免疫グロブリンとλ軽鎖を含有する免疫グロブリンとの比は約60:40である。
有効性および応用範囲に起因して、免疫グロブリンの3つのクラスIgG、IgAおよびIgMは他に比べて重要である。ヒトIgGは血漿中において最も豊富な免疫グロブリンに相当するが、IgAは、唾液、涙液ならびに気道および腸管の粘液等の外分泌物における主要な抗体クラスに相当する。IgAは、細菌性病原体およびウイルス性病原体に対する第一次防御ラインの内の1つを形成する。IgMはヒト循環系において群を抜いて物理的に最大の抗体であり、感染の経過の初期に現れ、通常は更なる曝露後により少ない程度で再度現れる。
IgAの純粋な単量体型は2本の軽(L)鎖および2本の重(H)鎖から成り;真の二量体型では、2つのそのような単量体が、いわゆるJ鎖(接続鎖)により連結されている。血漿では、非共有的に会合したIgA二量体との平衡状態でIgA単量体が存在するが;J鎖含有IgA二量体も存在する。全二量体IgA(即ち、J鎖を含有する真の二量体および非共有的に会合したIgA二量体)は全IgAの約10〜25%を占める。粘膜および粘液腺の分泌物では、更なる分泌成分(SC)を有するJ鎖含有IgA二量体が優勢である。IgAには、通常は約80〜90重量%対10〜20重量%の相対割合でヒト血清中に存在する2つのサブクラスIgA1およびIgA2がある。この相関はIgAの単離中に変更され得る。免疫グロブリン製剤におけるκ軽鎖対λ軽鎖の天然比は約1:1になる。IgAは、正常なヒト血清の全タンパク質の約3〜4%に相当するにすぎない。
IgMは、複数の単量体がジスルフィド結合により、ほとんどが五量体としてだが六量体としても互いに共有的に連結されている高分子を形成する。五量体IgM中にはJ鎖が見出されるが六量体型中には見出されず、これはおそらく六量体の複合体中における空間の制約に起因する。五量体IgMを、J鎖を欠いた状態で形成することもできる。現時点では正常な五量体のどの部分がJ鎖を含有するか依然として不明確であり、この点でJ鎖含有五量体が1本またはそれ以上のJ鎖を含有するかどうかも不明確である(非特許文献1)。IgMは巨大分子であることからIgMは良好に拡散することができず、非常に低い量で間質中にのみ見出される。IgMは主に血清中に見出されるが、J鎖の存在により、分泌性免疫グロブリンとしても重要である。IgMの重合特性に起因して、IgMは高い結合活性を持ち、補体活性化に特に有効である。
前世紀中に、免疫グロブリン製剤の様々な感染症の予防および治療への使用に成功した。伝統的に、免疫グロブリン製剤は全身投与用に開発され、大部分がIgGで構成されていた。しかしながら、乳児下痢症の予防および治療への母乳の使用の成功により、血漿および粘膜(分泌型)のIgAの潜在的有効性が注目された(非特許文献2)。
Eiblらにより実施された臨床試験(非特許文献3)は、血漿由来のIgAリッチ免疫グロブリン製剤(IgAbulin、73%IgAおよび26%IgG)の経口供給により、壊死性腸炎の進行を阻止し得ることを示す。他の適応症、例えば粘膜感染等の適応症もIgAによる治療の恩恵を受けることができる。しかしながら、IgAbulinはもはや入手不可能であり、現在、入手可能なIgA製品はない。
免疫グロブリンの既知で一般的な単離および精製の方法は、大部分がこの群に属する分子の物理化学的特性および生物学的特性の差異、例えば免疫グロブリンの分子量、等電点、様々な条件下での溶解性の差異に基づいており;加えて、いくつかの物質(例えば細菌性のAタンパク質およびGタンパク質)に対する免疫グロブリンの親和性を考慮する必要がある。ゲルクロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィー、透析、塩および有機溶媒による沈殿は、免疫グロブリン分子の様々な特性に基づいている。文献に記載されている、最も広く使用されているプロトコルは、いくつかのアプローチを併用する。
血漿プールからの免疫グロブリンの商業的な単離プロセスは通常、例えばCohnにより開発されているエタノール分画から始まる(非特許文献4、非特許文献5)。オリジナルのCohnのプロセスの多くの改変が記載されている。
エタノール沈殿に対する代替アプローチがSteinbuchらにより記載されている(非特許文献6)このアプローチは、上清中に免疫グロブリンを残す沈殿用にオクタン酸を使用する。免疫グロブリンは、陰イオン交換体であるDEAE−セルロースを使用する吸着(「バッチ式」)により更に精製される。
IVIG製品用に免疫グロブリンリッチ血漿画分からIgGを精製するためのクロマトグラフィー法の使用が既に検討されている。具体的には、別々の工程でのまたは連続した陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーが、血漿またはその画分からのIgGの特許取得済みの精製方法で述べられている。特許取得済みの方法の大部分では、陰イオン交換クロマトグラフィーがネガティブモード、即ち夾雑タンパク質、例えばIgA、IgM、アルブミン、フィブリノゲン、トランスフェリンの結合を可能にするために使用される条件で使用されるが、IgGは非吸着物中にある。IgAおよびIgMは、例えばイオン強度を高めることにより陰イオン交換カラムから溶出され得る。
加えて、製品の純度を高めるために様々なクロマトグラフィー分離プロセスが開発されている。最高の成績をもたらすもの(具体的には特許文献1、特許文献2)は、一方が陰イオン交換を使用し他方が陽イオン交換を使用する2つ以上の連続クロマトグラフィー工程を含む。これらのプロセスの特異性は、従来の実施条件下ではIgGを吸着しないが前精製工程中に共精製される他のタンパク質の大部分に結合するという陰イオン交換体の特性によりもたらされる。
血漿またはその画分、例えばCohn画分II+IIIからのIgGの精製に関する特許文献3では、カプリル酸による前処理後に2つのクロマトグラフィー工程がある。第1の工程ではIgAに結合するために強陰イオン交換体が使用され、第2の工程ではIgMに結合するために弱陰イオン交換体が使用される。発明者らは、高塩濃度でによりIgAおよびIgMをそれぞれ溶出することができたと主張する。
多くのIgA分画方法が文献に記載されているが、製薬業界で販売されているIgA免疫療法製品は驚くほどわずかである。免疫療法上での使用に関するIgAの有効性は技術的制約により制限されていると思われる。IgAの大規模分画方法は高純度製剤(即ち90%超)の調製に失敗しており、小規模精製法(例えば抗IgA親和性カラム)は商業的に実現可能な製品を提供することができない。従って、免疫療法上での使用に適した高純度IgA製剤を調製するIgAの大規模精製方法が望ましい。特に、IgGはIgAの抗炎症特性に悪影響を及ぼす可能性があるという事実に起因して、IgGフリーのIgAが非常に望ましい。
IgAは、硫酸アンモニウム、エタノール、カプリル酸、ポリエチレングリコール等の沈殿とクロマトグラフィー技法との様々な組み合わせを使用して、血漿または他の体液から分画され得る。IgAの単離に使用されるクロマトグラフィー樹脂として、DEAEセルロース、Sephadex G−200、DEAE−Sephadex A−50、抗IgG免疫吸着剤および抗IgM免疫吸着剤による親和性クロマトグラフィー、Jacalin−Sepharose、プロテインG−Sepharose、Fastflow−S Sepharose、Sepharose6、チオール基吸着(thiophilic adsorption)、Sephacryl S−300、臭化シアン活性化Sepharose 4Bにコンジュゲートされた抗IgA抗体、プロテインAおよびプロテインG親和性クロマトグラフィー(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)が挙げられる。しかしながら、これらの技法のいずれによっても、血漿または他のIgAを含む材料からのIgAの精製が商業的に実行可能になる大規模精製プロセスがこれまで実現されていない。
特許文献4には、免疫グロブリン含有出発材料中の免疫グロブリンIgGおよびIgAを互いに、ならびにそれらの高分子凝集体からも、ならびに出発材料中に既に存在していた、またはヒドロキシアパタイト、特にセラミックヒドロキシアパタイトを使用する精製工程中におよび更なる精製工程中に生じた他の高分子夾雑物質からも分離する方法が記載されている。この特許出願に記載されたプロセスはIgAを含む溶液の大規模生産に適しているが、改善されたプロセスを開発することが望ましくなるいくつかの欠点を有する。例えば、出発材料として使用する材料は画分II+IIIから得られたCohn画分IIIであり、このことは、この画分を次いでIgG生産に使用することができなかったことを意味しており、商業的な魅力が弱くなる。加えて、得られるIgA溶液は、許容される純度の製剤を得るためにいくつかの更なる精製工程(クロマトグラフィー)を必要とする。
EP0703922 WO99/64462 米国特許第6,307,028号 WO97/25352
Erik J.Wiersmaら(1998)J.Immunol.160:5979〜5989頁 Hammarstrom L.ら(1994)Immunol.Rev.139:43〜70頁 Eibl,M.ら(1988)N Engl J Med 319:1〜7頁 Cohnら(1946)J.Am.Chem.Soc.68、459頁 Oncleyら(1949)、J.Am.Chem.Soc.71、541頁 Rev.Franc.Et.Clin.et Biol.1969、XIV、1054頁 Cripps,A.W.ら(1983)J.Immunol.Methods 57:197〜204頁 Doellgast,D.J.ら(1976)Immunochemistry.13:135〜139頁 Kobayashi,K.ら(1987)Adv.Exp.Med.Biol.216B:1193〜1197頁 Leibl,H.ら(1995)Protein Expression and Purification 6:408〜410頁 Pejaudier,L.ら(1972)Vox.Sang.23:165〜175頁 Roque−Barriera,M.ら(1985)J.Immunol.134:1740〜1743頁
従って、本出願人は、IgAを含む組成物および/または免疫グロブリン含有材料からの免疫グロブリンAおよび免疫グロブリンMの製剤用の新規のクロマトグラフィープロセスを開発した。有利なことに、IgGの精製および単離のプロセス中に得られる副画分および/または廃棄物をIgA(およびIgM)の単離および精製に使用することができる。
新規な方法には、文献に記載された他の方法に比べていくつかの利点がある。本方法は、塩勾配を有さない単純な連続的および選択的溶出を特徴とする。弱酸性からわずかにアルカリ性の条件でのジカルボン酸ならびに/またはジヒドロキシ−ジカルボン酸およびヒドロキシ−トリカルボン酸(またはそれらの塩)の使用により、陰イオン交換樹脂の荷電表面に対する高い競合作用が可能になる。加えて、各ピーク画分の溶出中にpHは一定のままである。加えて、溶出緩衝液のpHは一定である。
本プロセスにより免疫グロブリンをサブ画分中に分離することができ、該サブ画分は、高純度のIgA濃縮物およびIgM濃縮物を生産するための出発材料としての役割を果たすことができる。加えて、本プロセスにより、分離サブ画分中に富化された単量体免疫グロブリンおよび二量体/多量体免疫グロブリンが得られる。本方法により、単一のイオン交換クロマトグラフィー工程によって免疫グロブリンのいくつかの有用な濃縮物を生産することができ、該濃縮物は次いで、所望の単量体IgAまたは二量体IgAが富化されている組成物を得るために更に処理され得る。有利なことに、記載した方法により、現在の最先端の高純度IgA製剤の精製方法技術に比べて著しい改善がもたらされる。
従って、本発明の一態様は、
(a)IgAを結合させる条件下で陰イオン交換体上に組成物をロードする工程、
(b)2つ以上の酸基を有する物質を含むアルカリ性溶出溶液をアプライする工程を含み、
工程(b)中に溶出したタンパク質は単量体IgAが富化されている、IgAを含む組成物からIgAを富化する方法である。
好ましくは、低導電率溶液を陰イオン交換体にアプライすることにより、工程(a)と工程(b)との間に前溶出工程(a1)を実行する。好ましくは、この工程(a1)を弱酸性から中性のpHで行なう。
好ましくは、工程(b)での物質は、多価カルボン酸もしくは多価ヒドロキシ−カルボン酸またはそれらの塩および/またはリン酸塩から選択され、より好ましくは、物質は、酒石酸/酒石酸塩、シュウ酸/シュウ酸塩、マロン酸/マロン酸塩、マレイン酸/マレイン酸塩等のジヒドロキシ−ジカルボン酸および/もしくはジカルボン酸またはそれらの塩、クエン酸/クエン酸塩等のヒドロキシ−トリカルボン酸もしくはその塩、および/またはリン酸塩から選択される。ジヒドロキシ−ジカルボン酸またはその塩は、好ましくは酒石酸/酒石酸塩、シュウ酸/シュウ酸塩、マロン酸/マロン酸塩およびマレイン酸/マレイン酸塩から選択される。より好ましくは、ジヒドロキシ−ジカルボン酸またはその塩は、酒石酸/酒石酸塩またはシュウ酸/シュウ酸塩である。好ましい実施形態では、工程(b)でのアルカリ性溶液のpHは、追加の緩衝成分を、好ましくはpH7.6±0.4でTris緩衝液を、1〜20mMの、好ましくは2〜15mMの、より好ましくは5〜10mMの最終濃度まで添加することにより安定化されている。
好ましくは、工程(b)中に回収した溶出物は本質的にIgMを含まない。
本発明の別の態様は、陰イオン交換体の強力な競合体を含む酸性溶出溶液をアプライすることにより実行する更なる溶出工程である追加の(任意選択の)工程(c)を有する、前述した方法である。好ましくは、工程c中に溶出したタンパク質は二量体
IgAが富化されている。
好ましくは、工程(c)での陰イオン交換体の強力な競合体は、クエン酸/その塩、ベンゼンスルホン酸/その塩、安息香酸/その塩、および硫酸水素イオンの塩またはそれらの混合物から選択される。より好ましくは、陰イオン交換体の強力な競合体はクエン酸塩である。
本発明の方法で使用する陰イオン交換体は、強陰イオン交換体または弱陰イオン交換体であり得る。好ましくは、陰イオン交換体は、陰イオン交換リガンド、例えば第四級アンモニウム、第四級アミノエチル、ジエチルアミノエチル、トリメチルアミノエチルまたはジメチルアミノエチルを含む。より好ましくは、陰イオン交換体は、MPHQ、DEAE Sepharose FF、Q Sepharose(HPおよびFF)、ANX Sepharose FF(低置換型および高置換型)、Capto Q、Capto Q XP、Capto DEAE、Capto ANX、Macro Cap Q、Source 30 Qおよび15 Q、Q Hyper Cel、Giga Cap Q 650M、QAE 550 C、DEAE Biogel A、Fractogel DEAE、Fragtogel TMAEならびにFragtogel DMAEから選択される。
好ましくは、IgAを含む組成物は血液、血清、血漿もしくは他の体液である、またはこれらに由来する。より好ましくは、IgAを含む組成物は、血漿分画中にまたは血漿からのIgGの精製中に得られる中間体または副画分である。
本発明の好ましい態様では、IgAを含む組成物はIgG精製プロセスの中間体であり、本発明の方法で使用する陰イオン交換体はIgG生産プロセスの一部である。IgGを陰イオン交換体の通過画分中に主に見出すことができ、IgAを前述した方法に従って溶出させる。
本発明の別の好ましい態様では、IgAを含む組成物は、沈殿物の可溶化により得られる。好ましくは、沈殿物は、IgG精製中に得られるオクタン酸沈殿物である。オクタン酸沈殿の上清は通常、更に処理されてIgGが精製される。好ましくは、可溶化工程は、IgAおよびIgGを選択的に溶液にする。好ましくは、可溶化を、1〜15mS/cmの導電率および3.5〜6または7〜9.5のpHを有する溶液を使用して実行する。より好ましくは、可溶化を、リン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、Tris緩衝液および/またはこれらの緩衝液の内の2つもしくはそれ以上の組み合わせにより実行する。更により好ましくは、緩衝液は、pH4.8である、0.22Mの酢酸塩緩衝液または0.15Mのリン酸塩緩衝液から選択される。
好ましくは、緩衝液と中間沈殿物とを1:5〜1:12の比で使用する。
本発明の別の態様は、連続溶出により単量体IgAと二量体IgAとを分離するための陰イオン交換クロマトグラフィーの使用である。
本発明は、IgAを含む組成物からのIgA富化画分の改善した調製方法に関する。本発明の方法により得られる画分から、高純度のIgA濃縮物を治療用途のために生産することができる。本方法は、微酸性から中性のpHで行なう単一の陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含み、それにより、IgAをクロマトグラフィー固定相上に保持することができるがIgGの大部分は比較的純粋な形で通過画分中に回収される。その後、保持したIgAおよび他の夾雑物を、微酸性からアルカリ性のpHにおいて連続的で選択的な溶出を使用して分画する。本発明はまた、単量体IgAと二量体IgAとを分離するためのクロマトグラフィープロセスに関する。
IgAを含む組成物は、IgAを含有する任意の材料であってよく、好ましくは体液であってもよい。好ましくは、IgAを含む組成物は血液、血漿もしくは血清であり、またはこれらに由来する。IgAを含む組成物は、例えばCohn/Oncley(Cohnら(1946)J.Am.Chem.Soc.68、459頁;Oncleyら(1949)、J.Am.Chem.Soc.71、541頁)に記載されている、低温エタノール分画プロセスによるペーストもしくは沈殿物の溶液であってよく、好ましくは画分(FI+II+III)、(FII+III)もしくはFIIIの溶液であってもよく、またはKistlerおよびNitchmanプロセス(H.Nitschmannら(1954)Helvetica Chimica Acta 37、866〜73頁)もしくはその修正に記載されている沈殿物A、沈殿物Bおよび沈殿物Gの溶液であってもよい。
IgAを含む組成物は、好ましくは、血漿からのオクタン酸沈殿、ポリエチレングリコール沈殿および/もしくは硫酸アンモニウム沈殿を使用するIgGの精製中に得られる中間沈殿物の溶液または中間溶液もしくは廃棄物画分、または任意のIgAを含む中間体もしくは廃棄物画分である。しかしながら、他のIgA含有出発材料を使用する方法も本発明に含むように意図される。例えば、本発明の方法を使用して、IgAを他の体液、例えば母乳または唾液から富化してもよい。
好ましくは、出発材料は、前述した血漿または血漿画分からのIgGの精製プロセス中に陰イオン交換体へアプライするために調製された、上流処理工程により免疫グロブリンが既に富化されている中間溶液である。好ましくは、IgGの大部分は陰イオン交換体に結合せず、IgGを精製するために更に直接処理され得る。中間溶液に含有されているIgAの大部分を含む、結合した材料を、次いで本発明の方法に従って溶出させてもよい。
出発材料として沈殿物を使用する場合、数時間にわたって緩衝液中に沈殿物を再懸濁させることにより、IgAを沈殿物(処理画分または副/廃棄物画分)から抽出することができる。好ましくは、再懸濁工程中にIgAおよびIgGを選択的に可溶化させることができる。好ましくは、1〜15mS/cmの、より好ましくは5〜15mS/cmの導電率を有する溶液を使用して可溶化を実行する。pHは3.5〜6または7〜9.5のいずれかである。酸性のpHを選択する場合、pHは好ましくは4〜5.5であり、より好ましくは4.5〜5.2であり、最も好ましくは約4.8である。アルカリ性のpHを選択する場合、pHは好ましくは7〜9であり、より好ましくは7.5〜8.5である。好ましくは、約4.8のpHでリン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液またはTris緩衝液を使用し、これらの緩衝液の内の2つまたはそれ以上の組み合わせも使用することができる。より好ましくは、pH4.8で0.1〜0.2Mの、好ましくは0.15Mのリン酸塩緩衝液または0.1〜0.3Mの、好ましくは0.2Mの酢酸塩緩衝液により可溶化を実行する。しかしながら、当業者は、更に適した緩衝液を見出すことができるであろう。緩衝液と沈殿物との比は約1:5〜1:12であり、好ましくは1:5、1:7、1:10または1:12であるが、他の比も使用することができる。可溶化を、適切な混合器(例えば、例えばGraberのVibro混合器または例えばEkatoのViscoprop)を使用する強振とう下で、2時間以上にわたって、好ましくは4時間以上にわたって、更により好ましくは終夜にわたって実行する。
場合により、可溶化後に、例えば深層ろ過により清澄化工程を実行してもよい。
本発明の方法に係る第1の工程は、IgAを含む組成物を陰イオン交換体上にロードすることである。陰イオン交換体をカラム、膜、任意の種類のマトリクス、樹脂または他の基材として設けることができ、該陰イオン交換体は陰イオン交換リガンドを含む。ロード段階中にIgAを陰イオン交換体上に保持することができる条件下で実行する限り、本発明の方法は、任意の種類の陰イオン交換体、弱陰イオン交換体、強陰イオン交換体または混合モードの陰イオン交換体上で実行することができ、一方でIgGが比較的純粋な形で通過画分中に回収される。
陰イオン交換リガンドは正に帯電した基である。例えば、陰イオン交換体はリガンドとして、第四級アンモニウム、第四級アミノエチル、ジエチルアミノエチル、トリメチルアミノエチルまたはジメチルアミノエチル等の基を含むことができる。適切な陰イオン交換体の例として、MPHQ、DEAE Sepharose FF、Q Sepharose(HPおよびFF)、ANX Sepharose FF(低置換型および高置型)、Capto Q、Capto Q XP、Capto DEAE、Capto ANX、Macro Cap Q、Source 30 Qおよび15 Q、Q Hyper Cel、Giga Cap Q 650M、QAE 550 C、DEAE Biogel A、Fractogel DEAE、Fractogel TMAEならびにFractogel DMAEが挙げられる。最も好ましい陰イオン交換体は、MPHQまたはFractogel DEAE MDである。
ロードを、IgAを陰イオン交換体に結合させる条件下で行なう(工程(a))。典型的には、多くの場合には2つの緩衝系(平衡緩衝液1および2)により使用前に陰イオン交換体を平衡化し、平衡緩衝液2をロード前に使用する。通常、IgAを含む溶液を、平衡緩衝液(2つの緩衝系を使用する場合には平衡緩衝液2)と同様なpHおよび導電率を有すように調整する。平衡緩衝液は、使用する陰イオン交換体に適している一般的な緩衝系である。平衡緩衝液1の導電率は5〜50mS/cmであり、より好ましくは5〜45mS/cmである。pHは3〜8である。適切な緩衝液の例として、リン酸塩緩衝液もしくは酢酸塩緩衝液またはそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、緩衝液はpH3〜5の酢酸塩緩衝液またはpH7〜8のリン酸塩緩衝液である。平衡緩衝液1の最も好ましい選択は、pH3.5〜4.5および約8mS/cmの導電率の約0.8Mの酢酸緩衝液、pH7〜8および約40mS/cmの導電率の約0.5Mのリン酸塩緩衝液、またはpH7〜8および約10mS/cmの導電率の約0.1Mのリン酸塩緩衝液である。平衡緩衝液2の導電率は0.5〜1.5mS/cmであり、より好ましくは0.7〜1.3mS/cmである。pHは5〜8.5である。平衡緩衝液2の適切な選択の例として、リン酸塩、酢酸塩およびそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、緩衝液はpH6〜7の酢酸塩緩衝液またはpH7〜8のリン酸塩/酢酸塩緩衝液である。平衡緩衝液2に関する最も好ましい緩衝液は、pH6〜6.6および約1mS/cmの導電率の約10mMの酢酸塩緩衝液、pH6〜6.6および約1mS/cmの導電率の約7.5mMのリン酸塩および2.5mMの酢酸塩緩衝液、またはpH6〜6.6および約1mS/cmの導電率の約5mMのリン酸塩および10mMの酢酸塩緩衝液である。
陰イオン交換体へのロード後に該イオン交換体を概して平衡緩衝液2で洗浄し、任意の結合していない材料を除去する。
場合により、前溶出工程を行なって緩く結合した材料を除去してもよい。これを、リン酸塩、酢酸塩およびそれらの組み合わせを含有する緩衝液により行なってもよい。本発明において、好ましくは前溶出を低導電率溶液により、好ましくは弱酸性または中性のpHで実行する。より好ましくは、好ましくは約5〜15mMのリン酸塩および15〜45mMの酢酸塩の濃度で、より好ましくは約10mMのリン酸塩および30mMの酢酸塩で、リン酸塩/酢酸塩緩衝液を使用する。前溶出緩衝液のpHは約6.0〜6.8であり、好ましくは6.0のpHを使用するが、当業者は他の適切な緩衝液を選択することができるであろう。本発明では、前溶出画分(単数または複数)は主にIgGを含有し、IgAを含む組成物がIgAの量に比べて大量のIgGを含有する場合に前溶出を好ましくは使用する。
任意選択の前溶出工程後に、緩衝液を第1の溶出緩衝液に変更する(工程(b))。本発明者らは、多価カルボン酸もしくは多価ヒドロキシカルボン酸またはそれらの塩を使用することにより、好ましくはジヒドロキシ−ジカルボン酸もしくはヒドロキシ−トリカルボン酸またはそれらの塩を使用することにより、第1の溶出中に回収した材料の、概して画分(単数または複数)中のIgAが、主に単量体IgAが良好に富化されるという利点を発見した。あるいは、リン酸塩緩衝液をこの溶出工程に使用してもよい。好ましくは、第1の溶出中に回収した材料は本質的にIgMを含まない。好ましくは、アルカリ性pH、例えばpH7.2〜9.0の、より好ましくは7.4〜7.8の、最も好ましくは約7.6のpHを使用する。好ましくは、ジヒドロキシ−ジカルボン酸もしくはヒドロキシ−トリカルボン酸またはそれらの塩は、酒石酸/酒石酸塩、シュウ酸/シュウ酸塩、マロン酸/マロン酸塩、マレイン酸/マレイン酸塩またはクエン酸/クエン酸塩から選択される。好ましくは、第1の溶出緩衝液は、多価カルボン酸もしくは多価ヒドロキシ−ジカルボン酸またはそれらの塩を5〜100mMの、より好ましくは20〜80mMの、更により好ましくは25〜65mMの、最も好ましくは約55mMの濃度で含有する。加えて、第1の溶出緩衝液は、他の緩衝物質、例えば酢酸ナトリウムを含有してもよい。例えば、第1の溶出緩衝液は、1〜20mMの酢酸ナトリウムを、好ましくは1〜10mMの酢酸ナトリウムを、最も好ましくは5mMの酢酸ナトリウムを含有してもよい。好ましくは、第1の溶出溶液は、追加の緩衝成分をpH7.6±0.4で、好ましくはTrisを、1〜20mMの、好ましくは2〜15mMの、より好ましくは5〜10mMの最終濃度まで含むことができる。当業者は、第1の溶出溶液の所望のpHおよび導電率を達成するのに適した他の物質およびその適切な濃度を選択することができるであろう。
より好ましくは、第1の溶出溶液中のジヒドロキシ−ジカルボン酸またはその塩は酒石酸塩またはシュウ酸塩であり、最も好ましくは酒石酸塩である。
好ましくは、第1の溶出中に回収した材料は単量体IgAが富化されており、および本質的にIgMを含まず、即ちIgMが枯渇している。
本発明のより好ましい実施形態では、第2の溶出工程である追加の工程(c)を実行する。工程(c)で溶出した材料、概して画分(単数または複数)は、J鎖含有IgA等の二量体IgAが富化されている。IgAを含む組成物中にIgMが存在する場合、この工程でIgMも溶出される可能性がある。
第2の溶出工程が望まれる場合、緩衝液を次いで第2の溶出緩衝液に変更してもよい。好ましくは、第2の溶出緩衝液は、陰イオン交換体から結合したタンパク質を置き換えるために、陰イオン交換体の強力な競合体を含有してもよい。そのような強力な競合体の例として、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、および硫酸水素塩の塩またはそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい競合体はクエン酸塩である。好ましくは、第2の溶出緩衝液のpHは約3.0〜6.0であってもよく、より好ましくは約4.5〜5.5であってもよく、最も好ましくはpHは5.0である。好ましくは、第2の溶出緩衝液中のクエン酸の濃度は1〜100mMであり、より好ましくは1〜50mMであり、更により好ましくは約25mMである。加えて、第2の溶出緩衝液は他の緩衝物質、例えばリン酸塩を含有してもよく、好ましい濃度は40〜50mMである。最も好ましくは、第2の溶出緩衝液は、50mMのリン酸ナトリウムおよび25mMのクエン酸塩を5.0のpHで含有してもよい。
IgAが富化されているまたは単量体IgAもしくは必要に応じて二量体IgAが富化されている材料または画分を次いで必要に応じて貯蔵し、場合により更に処理する。例えば、サイズ排除クロマトグラフィーを実行して例えば二量体IgAをIgMおよび単量体IgAから分離してもよく、親和性クロマトグラフィーを使用して(例えばプロテインA親和性クロマトグラフィーであるCaptureSelect IgMにより)残余のIgGおよび/もしくはIgMを除去してもよく、ならびに/または第2のイオン交換クロマトグラフィーを使用して不純物(例えば陰イオン交換体、主に好ましくはモノリスエチレンジアミン(EDA))を分離してもよい。所望の純度を引き出すために当業者により他の工程が考案され得る。
加えて、任意の病原体、例えばウイルスまたはプリオンタンパク質を除去するための工程を任意の商業的プロセスに含めることができる。そのような処理工程は当業者に公知であり、例えばナノろ過、溶媒/界面活性剤処理、低温殺菌等の方法から選択され得る。
本発明はまた、第1の溶出工程で溶出される単量体IgAと第2の溶出工程で溶出される二量体IgAとを分離するための陰イオン交換クロマトグラフィーの使用も提供する。同じことを、適切な調整により、特に出発材料、即ち他の免疫グロブリンアイソタイプに対しても適用することができたことが予想される。工業的規模で実行することができるプロセスに単量体と二量体または多量体の免疫グロブリンとの分離を提供することは挑戦的であり、なぜならば、分離する必要があるタンパク質の特性が非常に類似しており、通常は工業的規模での使用に適しているプロセスによる分離に適応できないからである。
本発明の更なる態様は、本発明の方法により得ることができる組成物、およびそれから得られる製品である。そのような組成物を、例えば更なる精製工程によりおよび/または製剤化により、更に処理してもよい。例えば、薬学的に許容される賦形剤または担体を添加してもよく、必要な場合には安定剤を添加してもよく、必要に応じて増粘剤または粘度降下剤を添加してもよい。凍結乾燥も選択肢である。製品の所望の医学的用途に応じて適切な製剤を選択することができる。
本発明の好ましい実施形態では、IgAは、ヒト血漿からのIgGの精製プロセス中に得ることができる副画分および/または廃棄物から得られる。典型的には、複数のドナーからの血漿サンプルを貯蔵し、使用するまで凍結する。血漿を次いで融解させ、遠心分離し、および上清(脱クリオ血漿(cryo-poor plasma))に対してCohnもしくはKistler Nitschmannまたはそれらの改変に従ってエタノール分画を行なう。一般に、pHをある特定の範囲に調整し、エタノールをある特定の濃度まで添加し、概して4℃での数時間のインキュベーション中に沈殿物が生じ、沈殿物と可溶部とを分離して更なる処理に使用する。この工程は概して、所望の沈殿物および溶液が得られるまで、より高いエタノール濃度等を有する可溶部に対して繰り返される。
免疫グロブリン含有沈殿物を概して、終夜にわたって振とうしつつ、0.1〜0.3Mの、好ましくは0.2Mの酢酸塩緩衝液(pH4.8)を使用して可溶化する。次いで、オクタン酸沈殿を実行し、上清を更に処理してIgGを精製する。沈殿物はIgAを含有し、該沈殿物を可溶化することができ、次いで本発明の方法に従って更に処理してもよい。
前述したように、上清を使用して血漿IgGを更に精製してもよい。典型的には、緩衝液の変更を実行し、次いで材料を陰イオン交換クロマトグラフィーにアプライする。精製したIgGを通過画分中に回収し、IgGの精製のみが所望される場合には、陰イオン交換体に結合したタンパク質を厳しい条件(例えば1MのNaClまたは1MのNaOH)の洗浄手順中に除去して廃棄する。
しかしながら、IgAの更なる精製が所望される場合には、次いで陰イオン交換体を前述したように溶出させ、単量体IgAおよび/または二量体IgAが富化された溶出物を得る。必要な場合には、IgMも回復させることができる。典型的には、適切な洗浄工程後に、pH6.0のリン酸塩/酢酸塩緩衝液を使用して前溶出を実行する。前溶出中に回収した材料をF3と称し、該材料は主にIgGを含有する。
典型的には、次いでpH7.3〜7.8の酒石酸塩/酢酸塩緩衝液を使用して第1の溶出を実行する。この工程中に材料F4が溶出され、該材料F4は単量体IgAが富化されているがIgGも含有する。有利なことに、この材料中にはIgMは見出されない。前記に開示したように、他の緩衝液の使用も本発明に含まれる。
必要な場合には、次いで約5のpHでクエン酸塩/リン酸塩緩衝液を使用して第2の溶出工程を実行する。この工程のために本発明に従って使用され得る他の緩衝液は前記に開示されている。第2の溶出により材料F5が提供され、該材料F5はIgG、IgAおよびIgMを含有する。この材料では二量体IgAが富化されている。
病原体の不活性化および/または除去工程、例えばナノろ過を適切な段階でこれらのプロセスに組み入れ、生じる材料の安全性を確保することができる。病原体を不活性化するおよび除去するために多くの方法が説明されており、当業者は、そのような工程を過度な負担なしに本プロセスに組み入れることができるであろう。
前述したように、オクタン酸沈殿物も本発明の方法に適した出発材料である。発明者らは、3.5〜6または7〜9.5のpHで低導電率の溶液を用いる可溶化により、IgAおよびIgGを優先的に溶液にするという利点を発見した。例えば、緩衝液は酢酸塩緩衝液またはリン酸塩緩衝液であることができるが、他の緩衝液を使用することもできる。
本発明の好ましい実施形態は、IgAを含む組成物および/または免疫グロブリン含有材料からのIgA(およびIgM)の分離方法であり、該方法は:
(i)IgAを含む組成物をマクロ多孔質陰イオン交換樹脂にロードすること、
(ii)連続的で選択的な脱離/溶出後にIgAを交換樹脂から単離すること、
(iii)以下から成る連続溶出
A)IgG画分が得られる弱酸性から中性のpHでの前溶出工程
B)微アルカリ性pHでジカルボン酸もしくはジヒドロキシ−ジカルボン酸またはそれらの塩および/またはリン酸塩を使用し、単量体IgA40〜60%以上および最大でIgG60%までを含有する画分が得られる第1の溶出工程。この画分はIgMが枯渇している。
C)酸性pHでヒドロキシ−トリカルボン酸またはその塩、ベンゼンスルホン酸またはその塩、安息香酸またはその塩および硫酸水素イオンの塩またはそれらの混合物のいずれかを使用し、IgM約45%、IgA25%(大部分は二量体/多量体)、IgG25%および免疫グロブリン以外の夾雑物5%を含有する画分が得られる第2の溶出工程を特徴とする。
本方法を場合により、非常に直接的な方法で血漿分画の様々なプロセスに組み込むことができ、該方法は、常に同じ中間IgA組成物をもたらす。
生じる画分から、高純度のIgA(およびIgM)濃縮物が可能な治療用途のために生産され得る。連続的で選択的な溶出がパイロットプラント規模で既に評価されている。
定義
用語「IgAを含む組成物」は、IgAを含有する任意の液体組成物に関する。具体的には、この組成物は、唾液、涙液または粘液等の体液、例えば治療目的のためのIgG等の血漿タンパク質を精製するための血漿の処理中に得ることができる任意の血漿画分または副/廃棄物画分であることができる。本用語はまた、インビトロで生産されたIgAの組成物、例えばモノクローナルIgAまたは組換え生産されたIgA、例えば細胞株から分泌されたIgAも含む。
用語「富化する」または「富化」は本発明において、例えば精製工程後の、組成物中のタンパク質の総含有量に対する標的タンパク質の量の著しい増加に関する。標的タンパク質の純度が20%以上、好ましくは30%以上、更により好ましくは50%以上、最も好ましくは75%超で増加した場合に富化が達成されるであろう。
用語「純粋」は、本質的に標的タンパク質のみを含む組成物に関する。本発明において、溶液が90%(w/w)超のIgAを、好ましくは95%超のIgAを、より好ましくは98%超のIgAを含有する場合には、溶液は純粋なIgA溶液であろう。
用語「イオン交換クロマトグラフィー」は、イオンをその電荷に基づいて分離することが可能なプロセスに関する。本発明では陰イオン交換クロマトグラフィーを使用し、負に帯電した分子(例えば、負に帯電したドメインを示す、あるpHでの溶液中のタンパク質)は陽イオン基(陰イオン交換リガンド)により選択的に保持され、固体マトリクスに共有的に結合する。固体マトリクスは任意の適切な担持材料であることができ、およびビーズ、膜、または他の適切な固体支持構造体の形状であることができる。典型的には、固体マトリクスはビーズの形状であり、カラムとして使用されるであろう。しかしながら、陰イオン交換を行なう他の方法も本発明に含まれる。強陰イオン交換体が広範なpH範囲にわたって帯電されるが、弱陰イオン交換体の帯電はpHにより変化するであろう。
「陰イオン交換体上にロードする」ことは、陰イオン交換クロマトグラフィーにかける溶液と、固体支持体上の陰イオン交換リガンドとを接触させることを意味する。典型的には本文脈において、本用語はクロマトグラフィー工程中におけるカラムへの供給を指すであろう。しかしながら、既に前述したように、本発明は、陰イオン交換体用のカラム構造体に限定されない。例えば、本発明をバッチ方式で実行することもできた。
用語「通過画分」は、クロマトグラフィー工程中に保持されない材料を指す。本発明において、通過画分は、結合していない、または陰イオン交換体に緩く結合しているだけの画分である。任意の所定の陰イオン交換体に関する通過画分は、使用する緩衝系に従って変化するであろう。
用語「溶出物」は、陰イオン交換体に結合したが、その後の条件の変更後に、即ち「溶出溶液」が陰イオン交換体にアプライされた後に、陰イオン交換体から放出される材料を指す。溶出物は概して、溶出溶液が陰イオン交換体にアプライされた後に画分中に回収される。
用語「中性pH」は約7のpHに関する。典型的には6.0〜7.5の範囲が中性であると見なされ、好ましくは6.5〜7.5の範囲が、より好ましくは6.8〜7.2の範囲が、最も好ましくは6.9〜7.1の範囲が中性であると見なされるであろう。
用語「弱酸性」は、約4.0〜6.5の範囲の、好ましくは5.0〜6.0の範囲の、より好ましくは5.5〜6.0の範囲のpHを指すであろう。
用語「低導電率」は、15mS/cm未満の、好ましくは10mS/cm未満の導電率を指す。
用語「本質的にIgMを含まない」は、存在する総タンパク質の10%(w/w)未満のIgMを、好ましくは5%未満を、更により好ましくは2%未満を、最も好ましくは1%未満のIgMを指す。
用語「体液」は、母乳、唾液、粘液、涙液等の身体から排出されるまたは分泌される液体等の脊椎動物の体内由来の液体を含む。
用語「血漿」は、血液の液体成分(総血液量の約55%)を指す。血漿は、アルブミン等の血漿タンパク質、免疫グロブリン(抗体)、凝固因子、ホルモン、およびグルコースまたはミネラルイオン等の他の成分を含有する。
用語「血清」は、フィブリノゲンおよび凝固因子が欠乏した血漿、即ち凝固が生じた後の液体画分に関する。
用語「血漿分画」は、血漿タンパク質の分離プロセスに関する。典型的には、血漿分画は、主なクラスの血漿タンパク質の最初の分離を可能にし、次いで更なる精製プロセスにかける血漿タンパク質の工業的規模の精製プロセスにおける最初の処理工程に関する。典型的には、Cohn、OncleyもしくはKistler Nitschmannまたはそれらの改変により説明されているように、分画をエタノールにより実行する。他の分画法は、オクタン酸、ポリエチレングリコールまたは硫酸アンモニウム等の他の薬剤による沈殿に基づく。
用語「中間沈殿物」は、血漿タンパク質の下流精製プロセス中に実行することができる血漿分画または他の沈殿の結果として生じる沈殿物に関する。中間沈殿物は概して、様々な血漿タンパク質の混合物を含有する。
用語「沈殿物の可溶化」は、液体を、概して緩衝液を沈殿物に添加して該沈殿物に含有されるタンパク質を更なる精製工程用の溶液に戻すことに関する。
用語「副/廃棄物画分」は、通常は更に処理されない、即ち廃棄される、血漿分画または下流プロセスの中間体に関する。
以下の図を参照して、以下の非限定的な実施例により本発明をこれから説明する。
血漿分画の様々な中間沈殿物、または血漿からのIgGの精製中に得られる副画分に基づくIgAの富化プロセスを示すフロー図である。2つの出発材料を実証している(実施例1での方法1および実施例2での方法2)。 図1に示す方法1に従って陰イオン交換クロマトグラフィーにロードした材料(原料)の組成に関するHPLC分析を示すグラフである。x軸は溶出時間を示し、y軸は280nmでの吸光度(mAuミリ吸光単位)を示す。 x軸上にミリリットルで保持容量を示し、y軸上に280nmでの吸光度(mAu:ミリ吸光単位)を示す、陰イオン交換カラムの溶出プロファイルを示すグラフである。溶出溶液をプロファイルの上に示し、垂直線は、カラムにアプライする溶液の変更を示す。 方法1による画分F4Aの組成に関するHPLC分析を示すグラフである。 親和性クロマトグラフィーによるIgG除去後のF4の組成に関するHPLC分析を示すグラフである。 親和性クロマトグラフィーによるIgGおよびIgMの画分F5の組成に関するHPLC分析を示すグラフである。 溶出緩衝液1として様々な緩衝液を使用する陰イオン交換カラムのプロセスに関する溶出プロファイルを示すグラフである。垂直の破線は、カラムにアプライする溶液の変更を示す。酢酸塩緩衝液による溶出に関してはロードを減少させた。 図7−1の続き。 図7−2の続き。 ロードした総タンパク質と比較した、様々な溶出緩衝液により溶出1を実行した場合に得られた画分中のIgAおよびIgMの含有量の分析を示すグラフである。 図8−1の続き。 図8−2の続き。
以下の実施例は本発明を説明するのに役立つが、本発明を限定することを意図するものではない。
以下の実施例では、血漿および/または血漿画分からのIgG精製プロセスを起源とする材料を本発明の出発材料として使用した。図1はIgG精製プロセスのフローチャートを示し、および本プロセスに本発明に係るIgA精製方法が導入され得る実施例を示す。
簡単に言うと、以下の工程を実行して血漿からIgGを精製した:例えばCohnまたはKistler−Nitschmannに従って、血漿または脱クリオ血漿を低温エタノール分画にかけ、免疫グロブリン含有画分を更に処理した。オクタン酸沈殿を実行し、次いで、大部分のIgGを含有する懸濁液をろ過、ウイルス不活性化、および陰イオン交換(AIEX)クロマトグラフィーにかけた。大部分のIgGをAIEX通過画分中に回収し、最終製剤化および包装等の更なる処理にかけた。
図1に示すように、本発明に係るIgA精製方法は、低温エタノール分画から、例えばFI+II+III、FIの上清、FII+III、沈殿物Aまたはそれらのサブ画分に分岐され得た。しかしながら、好ましくは、オクタン酸沈殿物(オクタン酸ケーキ)から可溶化した材料を本発明の方法にかけて、または陰イオン交換カラムに結合した材料を本発明に係る連続溶出にかけて血漿IgAを得た。陰イオンカラムに結合した材料はこれまで廃棄されていたことから、該材料が好ましい。これらの材料からのIgA精製のプロセスの実行はIgGプロセスを妨げず、その結果、IgGまたは他の血漿タンパク質の収率は全く減少せず、または決して損なわれない。それにも関わらず、本発明はこの出発材料に限定されない。
〔実施例1〕
溶出緩衝液1として酒石酸塩緩衝液を使用する、陰イオン交換(AIEX)カラムからのIgAの連続溶出
血漿からのIgGの精製プロセスを、基本的には図1に示すようにおよび簡単に前述したように実行した。IgG精製プロセスでは、2種の緩衝液を使用して、即ち最初の2カラム容量(CV)では0.78Mの酢酸ナトリウムpH4.0±0.1、導電率8〜10mS/cmを使用し、続く8CVでは10mMの酢酸ナトリウムpH6.5±0.1、導電率0.8〜1.2mS/cmを使用して、AIEXカラム(MPHQ)を平衡化した。図2はAIEX原料組成物を示し、該AIEX原料組成物をAIEXカラムにロードし(樹脂1L当たりタンパク質約180g)、その後、平衡化緩衝液2 2CVで洗浄した。この工程後、AIEXカラムを連続溶出にかけた。
従って、リン酸塩酢酸塩緩衝液(10mMのリン酸塩+30mMの酢酸ナトリウム、pH6.0、導電率2〜7mS/cm)8CVを使用して前溶出工程を実行した。図3に示すことができるように、前溶出工程中に画分F3が溶出し、該画分F3は主にIgGを含有した。
この前溶出工程後、緩衝液を第1の溶出緩衝液(5〜8CV、55mMの酒石酸塩、5mMの酢酸ナトリウム、pH7.6±0.2、導電率5〜15mS/cm)に変更した。酒石酸塩緩衝液への変更後に画分F4を回収し、該画分F4はIgGとIgAとを約60:40の比で含有し、本質的にIgMを含まなかった。この画分に溶出したIgAは主に単量体IgAであった。図3に示すことができるように、必要な場合には、いくつかのサブ画分(ピーク画分)をこの工程中に回収することができた。図4は、F4のサブ画分F4Aの組成を示す。しかしながら、全てのサブ画分は、様々な比でIgGおよび単量体IgAのみを含有した。
その後、50mMのリン酸塩および25mMのクエン酸塩(pH5.0、導電率5〜15mS/cm)6CVを第2の溶出緩衝液としてアプライした。第2の溶出緩衝液への変更後に画分F5が溶出し、該画分F5を、二量体IgAが富化されている2つのサブ画分(ピーク画分)で回収することができた(図3)。画分F5は、20〜30%のIgA(大部分は二量体/多量体)、30〜50%のIgMおよび20〜35%のIgGの比でIgM、IgAおよびIgGを含有した。
画分F4およびF5を親和性クロマトグラフィー(1工程または2工程)によりポリッシュしてIgGおよびIgMを選択的に除去した。HPLC分析により、画分F4から得られた生成物は高純度の単量体IgAである(図5)が、画分F5は二量体IgAが富化されている(図6)ことが明らかとなった。従って、この溶出方法により、画分F4中に単量体IgAが良好に富化され、画分F5中に二量体IgAが良好に富化された。
他のAIEX材料(Fractogel、HyperCel Star AX、Q HyperCel)も試験し、同様の溶出プロファイルを得た。
〔実施例2〕
第1の溶出工程用の様々な緩衝液の試験
いくつかの異なる緩衝液を第1の溶出工程で評価し、酒石酸塩緩衝液の溶出プロファイルと比較した。
基本的には実施例1に記載したように実験を実行し、AIEX樹脂1L当たりタンパク質100〜180gでタンパク質をロードした。しかしながら、第1の溶出に関しては、酒石酸塩緩衝液を、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、酢酸塩緩衝液(55mMの各物質+5mMの酢酸ナトリウム、pH7.6±0.2)に置き換えた。
得られた溶出プロファイルを図7に示す。2つ以上の酸基を有する物質を第1の溶出で使用する限りは、画分F4は全ての緩衝液に関して同じであるように見えたが、酢酸塩溶出プロファイルおよびリン酸塩溶出プロファイルは全く異なって見えた。しかしながら、第1の溶出もクエン酸塩緩衝液による第2の溶出に影響を及ぼした。シュウ酸塩緩衝液が同じようなF5ピークを生じることが分かった(図7)。マロン酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液またはリン酸塩緩衝液では、第2の溶出中にIgMが溶出しなかった。第1の溶出緩衝液として酢酸塩緩衝液では、ほとんど全てのIgAとIgMの全量とがF5中に溶出した。
ロードした総タンパク質に対するこれらの画分中のIgAおよびIgMの量を図8に示す。酒石酸塩およびシュウ酸塩では、単量体IgAがF4中に溶出するおよびIgMと二量体IgAとがF5中に溶出するという好ましい溶出プロファイルが得られた。ヒドロキシジカルボン酸を使用する溶出のみが、全部で3つのF4サブ画分および単量体IgAの溶出をもたらした。リン酸塩緩衝液を使用する第1の溶出工程では、2つのみのサブ画分およびIgA溶出の軽減が示されたが、酢酸塩緩衝液では少量のIgAを含むF4ピークが生じた。第1の溶出をマロン酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液、またはリン酸塩緩衝液で行なった場合には、厳しい溶出条件を使用している(1MのNaCl)ストリップ画分(strip fraction)中に大きなピークが得られた。
様々な画分中の免疫グロブリン含有量も表1に示す:
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有利なことに、我々は、そのような緩衝液のpH、例えば酒石酸塩緩衝液のpHを、Tris緩衝液pH7.6±0.4を1〜20mMの、好ましくは2〜15mMの、より好ましくは5〜10mMの最終濃度まで添加することにより安定化させることができることを発見した。
〔実施例3〕
オクタン酸沈殿物由来のIgAの可溶化
図1に示すように、オクタン酸沈殿物(OAケーキ)は、IgG精製プロセス中に生じる別の廃棄物画分であった。この沈殿物は相当量のIgAを含有することが分かっており、従って、IgAの精製用の良好な出発材料であった。
OAケーキとpH4.8である0.15Mのリン酸塩緩衝液とを1:6(OA沈殿物対緩衝液)の比で混合した。しかしながら、他の緩衝液を、例えばTris緩衝液をIgAの抽出に使用することもできた。可溶化した材料をろ過にかけ、次いでAIEXカラム(MPHQ)にロードした。次いで、基本的には実施例1に記載したようにカラムを連続溶出させた。溶出プロファイルは基本的に図3に既に示したように見えた。
AIEXカラム用のIgAを含む原料の組成は、実施例1での記載と比べてIgG対IgAの比が変化した。表2に示すように、画分F4におけるIgG対IgAの比はIgAの方へのシフトした(15%:85%)。前溶出画分F3におけるIgAの量も増加した。両方の画分ともIgMを含まなかった。
二量体化合物/多量体化合物の溶出は、出発材料の組成に起因して制限された。
様々な画分中の免疫グロブリン含有量も表2に示す:
Figure 0006259777
更に他のIgAを含む沈殿物による本調査を示すために、我々は他の沈殿物も試験した。またIgAを2つの異なるエタノール沈殿物から可溶化してAIEXクロマトグラフィーにかけることができ、本発明の方法により非常に類似する溶出プロファイルが得られた。
〔実施例4〕
単量体IgAのポリッシング
連続溶出により、夾雑物としてIgGを含有する、単量体IgAが富化された画分(F4)が得られた。親和性クロマトグラフィー(Ig選択)によるIgGの選択的除去によりポリッシング工程を実行した。
画分F4を2つのサブ画分F4AおよびF4Bで回収した(図3)。しかしながら、得られたF4A画分を限外ろ過/透析ろ過にかけてタンパク質を濃縮し、中性pHである一般的な緩衝系に、好ましくはPBS(リン酸塩緩衝生理食塩水)に移した。このタンパク質溶液を親和性クロマトグラフィーの原料として使用した。IgAは親和性樹脂に結合せず、IgAを通過画分中に回収した。結合したIgGをpH3.0である0.1Mのグリシン緩衝液で溶出させた。最後に、IgA生成物を安定した医薬組成物に製剤化することができた。図5は、IgG(およびIgM)を含まない、ポリッシュしたIgA画分を示す。

Claims (21)

  1. (a)IgAを結合させる条件下で陰イオン交換体上に組成物をロードする工程、
    (b)少なくとも2つのカルボキシル基を有する多価カルボン酸または多価ヒドロキシ−カルボン酸またはそれらの塩から選択される、2つ以上の酸基を有する物質を含むアルカリ性溶出溶液をアプライする工程、
    (c)場合により、陰イオン交換体の強力な競合体を含む酸性溶出溶液をアプライする工程を含み、
    工程(b)中に溶出したタンパク質は単量体IgAが富化されている、IgAを含む組成物からIgAを富化する方法。
  2. 工程(a)と工程(b)との間に、低導電率溶液を陰イオン交換体にアプライすることにより前溶出工程(a1)を実行する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a1)を弱酸性/中性のpHで行なう、請求項2に記載の方法。
  4. 物質は、ジヒドロキシ−ジカルボン酸および/もしくはジカルボン酸またはそれらの塩、ならびに/またはヒドロキシ−トリカルボン酸もしくはその塩から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ジカルボン酸もしくはジヒドロキシ−ジカルボン酸またはそれらの塩は、酒石酸/酒石酸塩、シュウ酸/シュウ酸塩、マロン酸/マロン酸塩およびマレイン酸/マレイン酸塩から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. ジヒドロキシ−ジカルボン酸もしくはその塩は、酒石酸/酒石酸塩であるか、またはジカルボン酸もしくはその塩は、シュウ酸/シュウ酸塩である、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(b)中に回収した溶出物は本質的にIgMを含まない、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程(c)中に溶出したタンパク質は二量体IgAが富化されている、請求項6に記載
    の方法。
  9. 工程(c)での陰イオン交換体の強力な競合体は、クエン酸/その塩、ベンゼンスルホン酸/その塩、安息香酸/その塩、および硫酸水素イオンの塩またはそれらの混合物から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 陰イオン交換体の強力な競合体はクエン酸塩である、請求項9に記載の方法。
  11. 陰イオン交換体は強陰イオン交換体または弱陰イオン交換体である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 陰イオン交換体は、第四級アンモニウム、第四級アミノエチル、ジエチルアミノエチル、トリメチルアミノエチルおよびジメチルアミノエチルから選択される陰イオン交換リガンドを含む、請求項11に記載の方法。
  13. IgAを含む組成物は血液、血清、血漿または他の体液である、またはこれらに由来する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. IgAを含む組成物は、血漿分画の中間沈殿物の溶液、または血漿からのIgGの精製中に得られる副画分である、請求項13に記載の方法。
  15. IgAを含む組成物はIgG精製プロセスでの中間体であり、請求項1に記載の方法の工程(a)および工程(b)をIgG生産プロセスの一部である陰イオン交換体上で行なう、請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. IgAを含む組成物を沈殿物の可溶化により得る、請求項13または請求項14に記載の方法。
  17. 沈殿物はIgG精製中に得られるオクタン酸沈殿物である、請求項16に記載の方法。
  18. 可溶化工程はIgAおよびIgGを選択的に溶液にする、請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. 可溶化を、1〜15mS/cmの導電率および3.5〜6または7〜9.5のpHを有する溶液を使用して実行する、請求項17に記載の方法。
  20. 可溶化を、リン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、Tris緩衝液および/またはこれらの緩衝液の内の2つもしくはそれ以上の組み合わせにより実行する、請求項19に記載の方法。
  21. 緩衝液は、pH4.8である、0.22Mの酢酸塩緩衝液または0.15Mのリン酸塩緩衝液から選択される、請求項20に記載の方法。
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