JP6259587B2 - バイオマスシートおよびそれを用いたブリスターパック、並びにバイオマスシートの製造方法 - Google Patents
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Description
表層は、中心層の両面に形成され、ポリプロピレン(PP)からなる。表層をポリプロピレン(PP)で形成すると、外観(表面粗状)の良いシートが得られる。
表層を構成するポリプロピレン(PP)のMFR(230℃、2.16kgf)は、1.0〜13.5である。ポリプロピレン(PP)のMFRがこの範囲にあると、成形性に優れる。
また、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)をポリプロピレン(PP)に追加することで、中心層のポリエチレン(PE)との熱接着性が付与されるため、より好ましい。
中心層は、二つの表層の間に形成され、ポリエチレン(PE)、バイオマスおよび環状オレフィン系樹脂を含有する。
本発明に係るバイオマスシートは、水蒸気バリア性に極めて優れ、具体的には透湿度1.1g/(m2・24h)以下が好ましい。またバイオマスシートは、PTPシート、ブリスターパックに用いることができる。
本発明に係るバイオマスシートの製造方法は、ポリプロピレン、ポリエチレン、バイオマスおよび環状オレフィン系樹脂をTダイによる共押出成形により積層押出する。共押出成形をすることにより、ラミネート工程を削減できることで生産性が上がり、有機溶剤の使用を排除できる。
シートの水蒸気透過率について以下の条件、測定機器を用いて測定した。
測定条件:40℃、91%RH
測定機器:PERMATRAN−W 3/34(MOCON社製)
ブリスター成形性について以下の条件で成形し、得られた成形体について目視検査を行った。
テスト機器:PTP成形機 FBP−M2(CKD社製)
ポケットサイズ:φ11×4mm
ブロー圧:5.0kgf/cm2
プラグ圧:3.0kgf/cm2
成形温度:110℃〜145℃
ポリエチレン、バイオマス、環状オレフィン樹脂をドライブレンドした後、φ65mm二軸押出機を用いて2種3層のマルチマニホールド式の金口より中心層としてシリンダー温度200℃で溶融混練し押出した。また、同時にポリプロピレン、リニア低密度ポリエチレンをドライブレンドした後、φ65mm単軸押出機を用いて同金口より表層としてシリンダー温度215℃で溶融混練し押出した。この時、それぞれの厚みを表層30μm/中心層190μm/表層30μmとなるように溶融樹脂の吐出量を調整した。次いで、この共押出シートをキャストロールにて冷却し、多層シートであるバイオマスPEシートを得た。本実施例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(190μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LLDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(80重量%:内バイオマス37.8重量%)+COC系樹脂濃度(20重量%)
本実施例により製造されたバイオマスPEシートの各種物性を測定した。本実施例のシートの中心層と表層のMFRを測定し、両者のマッチングについて得られた成形体について目視検査を行った。その結果を表1に示す。
本実施例は、層構成を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。本実施例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(190μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層:PP系樹脂濃度(90重量%)+LLDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(80重量%:内バイオマス37.8重量%)+COC系樹脂濃度(20重量%)
本実施例により製造されたバイオマスPEシートの各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
本実施例は、層構成を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。本実施例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(190μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LLDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(80重量%:内バイオマス38.4重量%)+COC系樹脂濃度(20重量%)
本実施例により製造されたバイオマスPEシートの各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
本実施例は、層構成を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。本実施例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(190μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LLDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(80重量%:内バイオマス38.4重量%)+COC系樹脂濃度(20重量%)
本実施例により製造されたバイオマスPEシートの各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
本比較例は、ポリ塩化ビニルシート(大成化工社製)を用いて、各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
本比較例は、ポリプロピレンシート(大成化工社製)を用いて、各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
本比較例は、表層(PP+LDPE)単層のフィルムを、中心層(PE)と共押熱ラミネートすることにより作製した。本比較例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(210μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(100重量%)
本比較例のシートを用いて、各種物性を測定した。その結果を表1に示す。
ブリスター成形性について以下の条件で成形し、得られた成形体について目視検査を行った。
テスト機器:PTP成形機 (CKD社製)
ポケットサイズ:カプセル
成形温度:110℃〜145℃
成形速度:6m/min〜12m/min
プラグアシスト成形
本実施例は、層構成を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。本実施例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(310μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LLDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(80重量%:内バイオマス38.4重量%)+COC系樹脂濃度(20重量%)
本実施例により製造されたバイオマスPEシートの各種物性を測定した。その結果を表2に示す。
本比較例は、層構成を変えた以外は、比較例3と同様にして作製した。本比較例は、以下の層構成を有する。
PP+LDPE(30μm)/HDPE(310μm)/PP+LDPE(30μm)
・製造条件
表層: PP系樹脂濃度(90重量%)+LDPE(10重量%)
中心層:PE系樹脂濃度(100重量%)
本比較例のシートを用いて、各種物性を測定した。その結果を表2に示す。
表2より、水蒸気透過性への影響として、シート機能が0.322g/(m2・24h)から0.315g/(m2・24h)へと2.2%機能が向上したことがわかる。また、ブリスター機能への影響として、成形温度範囲が6℃範囲から12℃範囲へと100%機能が向上したことがわかる。さらに、成形速度が7m/minから11.4m/minへと63%機能が向上し、ブリスター生産性が向上したことがわかる。
2 表層
3 中間層
4 Tダイ
5 溶融樹脂(表層)
6 溶融樹脂(中心層)
7 冷却ロール
Claims (6)
- 二つの表層の間に中心層を備えたバイオマスプラスチックシートであって、
前記表層はポリプロピレン(PP)およびリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有し、前記中心層はポリエチレン(PE)、バイオマスプラスチックおよび環状オレフィン系樹脂を含有することを特徴とするバイオマスプラスチックシート。 - 前記ポリプロピレンのMFR(230℃、2.16kgf)は1.0〜13.5であり、前記ポリエチレンのMFR(190℃、2.16kgf)は0.2〜20.25であり、前記環状オレフィン系樹脂のMFR(190℃、2.16kgf)は0.2〜20.25であることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスプラスチックシート。
- 前記表層の厚みが5〜50μmであり、前記中心層の厚みが100〜480μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオマスプラスチックシート。
- 前記中心層の環状オレフィン樹脂量が5〜62重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスプラスチックシート。
- 前記中心層のバイオマスプラスチック量が20〜99重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオマスプラスチックシート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオマスプラスチックシートを用いたブリスターパック。
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