JP6255331B2 - ユニフロー2ストロークエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ユニフロー2ストロークエンジンに関する。
シリンダの上端部に設けられた排気通路と、シリンダの下部側部に設けられた掃気通路とを有するユニフロー2ストロークエンジンが公知である。掃気通路は、シリンダ内を往復動するピストンの側部によって開閉される。このエンジンでは、ピストンが上死点付近にあるときに燃焼が発生し、ピストンの下降に応じて排気弁が開かれ、膨張した既燃焼ガス(排気ガス)が排気通路から排出される。このとき、一般的な2ストロークエンジンでは、ピストンの下降によって、クランク室内の混合気が圧縮されると共に掃気通路が開かれ、クランク室内の混合気が掃気通路を通過してシリンダ内に流入する。これにより、シリンダ内の既燃焼ガスは流入する混合気によって排気通路から押し出される。このとき、シリンダに流入する混合気の層と既燃焼ガスの層とが混ざり合わず、境界が明確であれば、既燃焼ガスのみを排気通路から排出することが可能である。しかしながら、混合気の一部は、既燃焼ガスと混ざり合い、或いは既燃焼ガスよりも速い速度を有することによって、既燃焼ガスと共に排気通路から外部に排出される、いわゆる吹き抜けが発生する。混合気の吹き抜けは、燃費や環境汚染の観点から好ましくない。
このような問題に対して、掃気通路がピストンによって閉じられているときに、掃気通路を空気で満たし、掃気通路が開かれたときに最初に空気層をシリンダ内に流入させる層状掃気によって、混合気と既燃焼ガスとの混合を避け、排気通路からの混合気の流出を低減させる2ストロークエンジンがある(例えば、特許文献1)。このエンジンでは、層状掃気を可能にするために、掃気通路に空気通路が接続されている。空気通路は、空気供給源に接続された上流部と、掃気通路に接続された下流部とに分割されており、上流部の下流端はシリンダに連通し、下流部の上流端はシリンダに連通している。ピストンの側部には、空気通路の上流部と下流部とを接続する接続通路が凹設されている。ピストンは、所定の位置にあるときに接続通路によって空気通路の上流部と下流部とを連通させ、空気通路から掃気通路に空気を充填し、他の範囲にあるときに空気通路を遮断する。
特開2002−332847号公報
しかしながら、特許文献1に係るエンジンは、掃気通路への空気の充填を可能にするために、ピストンが上死点付近にあるときにもピストンによって掃気通路が閉じられる必要がある。ピストンが上死点付近にあるときに、クランク室と接続されたシリンダのピストンの下側部分と掃気通路とが連通する場合、掃気通路は両端においてクランク室と連通することになり、掃気通路に空気層を維持することが困難になる。ピストンの側部(スカート部)を延長することによって、上死点付近にあるピストンも掃気通路を閉じることが可能である。しかしながら、ピストンの側部の延長化には限界があり、特にロングストロークエンジンには適用が困難である。
本発明は、以上の背景を鑑み、ユニフロー2ストロークエンジンにおいて、層状掃気を可能にするために、シリンダのピストンよりも下側部分と掃気通路との接続を阻止することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明はユニフロー2ストロークエンジン(E)であって、機関本体(1)に支持され、内側にシリンダ(22)を形成する円筒形のシリンダスリーブ(19)と、前記シリンダに連通する排気通路(53)と、前記シリンダスリーブの側部を径方向に貫通する掃気口(56)と、前記シリンダスリーブ内に往復動可能に受容され、往復動に応じて前記掃気口の内端をその側部で開閉するピストン(23)と、前記掃気口の外端と前記機関本体内に形成されたクランク室(2A)とを接続する掃気通路(53)と、前記掃気通路に接続された吸気通路(70)と、前記クランク室に向けて燃料を噴射するインジェクタ(103)と、前記シリンダスリーブの外周面に同軸かつ回転可能に支持され、前記掃気口の外端を覆う円筒形のシャッター部材(58)と、前記シャッター部材の側部を径方向に貫通し、前記シリンダスリーブに対する前記シャッター部材の回転位置が所定の範囲にあるときに前記掃気口と連通する連通口(63)とを有し、前記シャッター部材は、前記ピストンの往復動と同期して回転し、前記ピストンの下縁が前記掃気口の下縁よりも上方に位置するときに前記掃気口を閉じ、前記ピストンの下縁が前記掃気口の下縁よりも下方に位置する位置範囲内において、前記連通口と前記掃気口とを連通させることを特徴とする。
この構成によれば、ピストンが上死点付近に移動することによって、ピストンの下縁が掃気口の下縁よりも上方に位置し、掃気口の内端とシリンダのピストンよりも下側部分とが連通する場合に、シャッター部材が掃気口を外端側から閉じるため、シリンダのピストンよりも下側部分と掃気通路との連通が阻止される。これにより、吸気通路から掃気通路を介してクランク室に流入する空気(新気)によって、掃気通路には空気層が形成される。インジェクタはクランク室に向けて燃焼を噴射するため、混合気はクランク室において形成される。ピストンの下降及びシャッター部材の回転によって掃気口が開かれたときには、最初に掃気通路に保持された空気層がシリンダ内に流入し、続いてクランク室内の混合気が掃気通路を通過してシリンダ内に流入するため、層状掃気が実現される。
また、上記の発明において、前記ピストンの上縁が前記掃気口の上縁よりも下方に位置するときに、前記連通口と前記掃気口とを連通させるとよい。
この構成によれば、掃気口の内端とシリンダのピストンよりも上側部分とが連通するときには、シャッター部材が掃気口の外端を開くようになり、ピストンが掃気口を開くタイミングで掃気通路と燃焼室とが連通する。
また、上記の発明において、前記掃気口は、周方向に等間隔でn個形成され、前記連通口は、周方向に等間隔でn個形成され、前記シャッター部材は、クランクシャフトの回転速度に対して1/nの回転速度で回転するとよい。
この構成によれば、シャッター部材の回転速度が低下するため、シャッター部材及びシリンダスリーブの摺接面の摩擦が抑制されると共に、シャッター部材の回転によって生じる振動が抑制される。
また、上記の発明において、前記掃気口及び前記連通口は、2個形成されているとよい。
この構成によれば、各掃気口の断面積を比較的広くすることができるため、流路抵抗を低減することができる。
また、上記の発明において、前記シャッター部材は、動力伝達機構(69)を介してクランクシャフト(8)と連結されているとよい。
この構成によれば、シャッター部材はピストンの往復動と同期して回転することができるため、シャッター部材はピストンの位置に応じて掃気口を開閉することができる。
また、上記の発明において、前記動力伝達機構は、前記クランクシャフトに対して前記シャッター部材の回転速度を減速するとよい。
この構成によれば、簡単な構成で、クランクシャフトに対するシャッター部材の回転速度を低下させることができる。
また、上記の発明において、前記動力伝達機構は、前記シャッター部材の軸線を中心として前記シャッター部材の外周面に形成された従動歯車(65)と、前記従動歯車と噛み合う駆動歯車(66)とを有するとよい。
この構成によれば、簡素な構成によってクランクシャフトの回転力をシャッター部材に伝達することができる。
また、上記の発明において、前記従動歯車及び前記駆動歯車は、かさ歯車であり、前記動力伝達機構は、前記クランクシャフトと平行に配置され、歯車列(46、47)を介して前記クランクシャフトに連結されて前記クランクシャフトと同じ回転速度で回転するカムシャフト(41)を有し、前記駆動歯車は、前記カムシャフトに設けられ、前記カムシャフトは、前記排気通路に設けられた排気バルブ(32)を駆動するとよい。
この構成によれば、軸線が互いに直交するクランクシャフト及びシャッター部材を動力伝達機構によって連結することができる。また、動弁機構の一部を利用して動力伝達機構が構成されるため、部品点数の削減が可能になる。
また、上記の発明において、前記シャッター部材の外周部には、環状の油路形成部材(80)が前記シャッター部材に対して回転可能に支持され、前記シャッター部材の外周面と前記油路形成部材の内周面との間には第1油路(86)が形成され、前記シャッター部材の内周面と前記シリンダスリーブの外周面との間には第2油路(92)が形成され、前記シャッター部材には前記第1油路と前記第2油路とを連通する第1油孔(91)が形成され、前記油路形成部材は、オイルポンプから潤滑油の供給を受けるとよい。
この構成によれば、シリンダスリーブとシャッター部材との摺接部、及びシャッター部材と油路形成部材との摺接部に潤滑油が供給される。
また、上記の発明において、前記シリンダスリーブには、前記第2油路から前記シリンダスリーブの内周面に到達する第2油孔が形成されているとよい。
この構成によれば、シリンダスリーブとピストンとの摺接部に潤滑油が供給される。
以上の構成によれば、ユニフロー2ストロークエンジンにおいて、層状掃気を可能にするために、シリンダのピストンよりも下側部分と掃気通路との接続を阻止することができる。
実施形態に係るエンジンの縦断面図 図1のII-II断面図 図2の要部を拡大した断面図 シリンダスリーブ、シャッター部材、及び潤滑装置の斜視図 シャッター部材による掃気口の開閉タイミングをピストン位置で示す説明図
以下、図面を参照して、本発明を単気筒のユニフロー2ストロークエンジン(以下、エンジンEという)に適用した実施形態について詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、エンジンEの機関本体1は、内部にクランク室2Aを画成するクランクケース2と、クランクケース2の上部に接合されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に接合されたシリンダヘッド4と、シリンダヘッド4の上部に接合され、シリンダヘッド4との間に上部動弁室6を画成するヘッドカバー5とを有する。
クランクケース2は、図2に示すように、上下に延びる面(シリンダ軸線Aを通る面)で左右に分割された一対のクランクケース半体によって構成される。左右のクランクケース半体は、ボルトによって互いに締結され、両半体間にクランク室2Aを形成する。クランクケース2の左右の側壁2B、2Cには、軸受を介してクランクシャフト8が回転可能に支持される。
クランクシャフト8は、クランクケース2の側壁2B、2Cに支持される一対のジャーナル8Aと、両ジャーナル8A間に設けられた一対のウェブ8Bと、両ウェブ8Bによってジャーナル8Aから偏心した位置に支持されたクランクピン8Cとを有する。
右側壁2Cの外面側にはエンドプレート11が締結される。エンドプレート11は、周縁部において右側壁2Cの外面に締結され、右側壁2Cとの間に下部動弁室12を形成する。クランクシャフト8の左端部8Dは、クランクケース2の左側壁2Bを貫通して左方に延出する。クランクシャフト8の右端部8Eは、クランクケース2の右側壁2C及びエンドプレート11を貫通して右方へと延出する。クランクシャフト8の左端部8Dが左側壁2Bを貫通する部分、及び右端部8Eがエンドプレート11を貫通する部分には、クランク室2Aの気密性を確保するためのシール部材がそれぞれ設けられる。
クランクケース2の上部には、上下に延び、上端がクランクケース2の上端面に開口すると共に、下端がクランク室2Aに向けて開口する上部開口16が形成されている。
シリンダブロック3は、上下に延在し、下端面においてクランクケース2の上端面に接合される。シリンダブロック3には、上端面から下端面に上下に貫通するスリーブ受容孔18が形成されている。スリーブ受容孔18は、上部が下部に対して段違いに拡径された円形断面の段付き孔であり、上部及び下部の境界部に上方を向く環状の肩面18Aを有する。スリーブ受容孔18の下端開口は、シリンダブロック3の上部開口16の上端開口と同軸に対向し、互いに連通する。上部開口16の内径は、スリーブ受容孔18の内径より大きく形成されている。
スリーブ受容孔18には、円筒状のシリンダスリーブ19が圧入される。シリンダスリーブ19は、外周部に径方向外方に突出する環状の凸部21を有する。凸部21が肩面18Aに当接することによって、シリンダスリーブ19のスリーブ受容孔18に対する位置が定まる。シリンダスリーブ19の下端は、スリーブ受容孔18の下端から下方に突出し、上部開口16の内部に突入し、突出端(遊端)となっている。シリンダスリーブ19の上端はシリンダブロック3の上端面と面一となる位置に配置され、シリンダブロック3に接合されるシリンダヘッド4の下端面に当接する。これにより、シリンダスリーブ19は、肩面18Aとシリンダヘッド4の下面との間に挟持され、シリンダ軸線A方向において位置が定まる。シリンダスリーブ19の内孔は、シリンダ22を形成する。
シリンダ22には、往復動可能にピストン23が受容される。ピストン23は、クランクシャフト8と平行に延びるピストンピン23Aを有する。ピストンピン23Aには、軸受を介してコンロッド26の小端部が回動可能に支持される。コンロッド26の大端部は、軸受を介してクランクピン8Cに回動可能に支持される。ピストン23とクランクシャフト8とがコンロッド26によって連結されることによって、ピストン23の往復動がクランクシャフト8の回転運動に変換される。
図1及び図2に示すように、シリンダヘッド4の下端面におけるシリンダスリーブ19に対応する位置には、半球状の燃焼室凹部28が形成されている。シリンダ22の上部は、燃焼室凹部28及びピストン23の頂面と共に燃焼室29を形成する。
シリンダヘッド4には、点火プラグ30が燃焼室29に臨むように設けられている。また、シリンダヘッド4には、排気ポート31が燃焼室29の頂部に開口するように形成されると共に、排気ポート31を開閉するポペット型の排気弁32が設けられている。排気弁32は、そのステムエンドが上部動弁室6に配置され、バルブスプリング33によって閉方向に付勢されている。排気弁32は、動弁機構34によって、クランクシャフト8の回転に同期して開閉駆動される。
図2に示すように、動弁機構34は、クランクシャフト8の回転に応じて回転するカムシャフト41と、カムシャフト41によって進退駆動されるプッシュロッド42と、プッシュロッド42によって駆動され、排気弁32を開方向に押すロッカアーム43とを有する。カムシャフト41は、下部動弁室12にクランクシャフト8と平行に配置されている。カムシャフト41は、一端がクランクケース2の右側壁2Cに形成された軸受孔44に軸受を介して回転可能に支持されると共に、他端がエンドプレート11に形成された軸受孔45に軸受を介して回転可能に支持される。軸受孔44は、右側壁2Cを貫通し、カムシャフト41の端部は軸受孔45を介してクランク室2A側に露出している。
クランクシャフト8は、下部動弁室12に位置する部分にクランクギヤ46を有し、カムシャフト41はクランクギヤ46に噛み合うカムギヤ47を有する。クランクギヤ46とカムギヤ47のギヤ比は1:1である。カムシャフト41には、径方向に突出するカム48が設けられている。
プッシュロッド42は、両端が開口した管状のロッドケース51に進退可能に収容されている。ロッドケース51は、上下に延在し、下端がクランクケース2の右側壁2Cに接合されて下部動弁室12に連通すると共に、上端がシリンダブロック3に接合されて上部動弁室6に連通する。プッシュロッド42は、下端においてカムシャフト41のカム48に当接し、カムシャフト41の回転に応じて進退する。プッシュロッド42の下端にローラを設け、ローラにおいてカム48に転接するようにしてもよい。
ロッカアーム43は、シリンダヘッド4に支持されたロッカシャフト52に回動可能に支持される。ロッカシャフト52は、シリンダ軸線A及びクランクシャフト8の軸線と直交する方向に延在する。ロッカアーム43は、一端にプッシュロッド42の上端に当接する受け部を有し、他端に排気弁32のステムエンドに当接するスクリュアジャスタ43Bを有する。
以上の構成の動弁機構34によって、クランクシャフト8が1回転する毎に、所定のタイミングで排気弁32が1回開かれる。
シリンダスリーブ19の外周面と、クランクケース2の上部開口16の内壁面との間には、上下に延びる筒状の掃気通路53が形成される。掃気通路53の上端はシリンダブロック3の下端面によって閉じられ、掃気通路53の下端はクランク室2Aに連通している。詳細には、クランクケース2の内部空間において、シリンダスリーブ19の下端より下側の部分をクランク室2Aとし、シリンダスリーブ19の下端より上側の部分を掃気通路53とする。
図3に示すように、シリンダスリーブ19の上部開口16内に突入した部分の外周部には、段違いに外径が縮径された縮径部54が形成されている。縮径部54は、外径が一定の円周面に形成され、シリンダスリーブ19の下端まで到達している。縮径部54の上端部には、シリンダ軸線と直交し、下方を向く肩面55が形成されている。
シリンダスリーブ19のクランクケース2の上部開口16内に突入した部分には、2つの掃気口56が形成されている。各掃気口56は、シリンダスリーブ19を径方向に貫通する孔である。掃気口56におけるシリンダスリーブ19の内周面側の開口端を内端、外周面側の開口端を外端とする。掃気口56の外端は、縮径部54に開口し、掃気通路53の上部と連通している。各掃気口56は、同じ形状に形成され、シリンダスリーブ19の軸線を中心として点対称となる位置に形成されている。各掃気口56は、断面が略四角形に形成され、長辺をなす上縁及び下縁が平行に周方向に延在している。また、両掃気口56は、シリンダ軸線方向において同位置に配置されている。掃気口56の上下幅は、ピストン23の上下幅よりも小さく設定されている。
掃気口56の内端は、ピストン23の往復動に応じてピストン23の側部によって開閉される。具体的には、ピストン23の側部の上縁(以下、単にピストン23の上縁という)が各掃気口56の上縁より上方にあり、かつピストン23の側部の下縁(以下、単にピストン23の下縁という)が各掃気口56の下縁より下方にあるときに、掃気口56の内端は閉じられる。ピストン23の上縁が各掃気口56の上縁より下方にある場合に、掃気口56の内端は開かれ、掃気口56はシリンダ22のピストン23より上側部分(燃焼室29)と連通する。また、ピストン23の下縁が各掃気口56の下縁より上方にある場合に、掃気口56の内端は開かれ、掃気口56はシリンダ22のピストン23より下側部分と連通する。すなわち、ピストン23が下死点付近にあるときに、掃気口56はシリンダ22のピストン23より上側部分(燃焼室29)と連通し、ピストン23が上死点付近にあるときに、掃気口56はシリンダ22のピストン23より下側部分と連通する。なお、ピストン23の上下幅は、掃気口56の上下幅よりも大きく設定されているため、シリンダ22のピストン23よりも上側部分と、シリンダ22のピストン23よりも下側部分とが、同時に掃気口56と連通することはない。
図1〜図4に示すように、縮径部54には、シャッター部材58が装着されている。シャッター部材58は、両端が開口した円筒部材であり、シリンダスリーブ19と同軸に配置され、その内周面が縮径部54の外周面と摺接している。シャッター部材58は、その上端縁において肩面55と当接するように配置される。このとき、シャッター部材58は、各掃気口56と重なる位置に配置され、各掃気口56の外端を閉じる(覆う)。シャッター部材58の下側には、縮径部54の外周面に装着された円筒形のカラー60が設けられている。カラー60の下縁は、シリンダスリーブ19に結合されたスラストクリップ61によって支持されている。スラストクリップ61は、C字形をなす部材であり、縮径部54の外面周に周方向に延びるように環状に形成された係合溝に結合されている。シャッター部材58は、肩面55及びスラストクリップ61に支持されたカラー60の間に配置されることによって、シリンダ軸線方向の移動が規制される一方、シリンダ軸線を中心としてシリンダスリーブ19に対して回転可能となっている。
図4に示すように、シャッター部材58には、2つの連通口63が形成されている。各連通口63は、シャッター部材58を径方向に貫通する孔である。各連通口63は、同じ形状に形成され、シャッター部材58の軸線を中心として点対称となる位置に形成されている。本実施形態では、各連通口63は、断面が略四角形に形成され、長辺をなす上縁及び下縁が平行に周方向に延在している。各連通口63の上縁及び下縁は、シリンダ軸線方向において掃気口56の上縁及び下縁と同じ位置に配置されている。各連通口63の周方向における角度幅は、各掃気口56の周方向における角度幅よりも大きく形成されている。
シャッター部材58の下部の外周面には、シャッター部材58の軸線を回転軸とするかさ歯車である第1歯車65が設けられている。第1歯車65は、下方かつシャッター部材58の径方向外方に向けて突出する歯を含み、各歯はシャッター部材58の周方向に沿って環状に配列されている。
図3に示すように、カムシャフト41のクランク室2A側の端部には、第2歯車66が結合されている。第2歯車66は、カムシャフト41の軸線を回転軸線とするかさ歯車であり、クランク室2A内に配置されている。第2歯車66は、左方かつカムシャフト41の径方向外方に向けて突出する歯を含み、各歯はカムシャフト41の軸線を中心として環状に配列されている。第2歯車66は、カムシャフト41側の中心部に回転軸線を中心とする軸部67を有する。軸部67の外周面と、軸受孔44の内周面との間にシール部材68が介装され、クランク室2Aと下部動弁室12とが互いにシールされている。
第1歯車65と第2歯車66とは互いに噛み合っている。第1歯車65の歯数は、第2歯車66の歯数の2倍に設定されており、第1歯車65は第2歯車66の1/2の回転数で回転する。第2歯車66が結合されたカムシャフト41はクランクシャフト8と同じ回転数で回転するため、シャッター部材58はクランクシャフト8が1回転する間、すなわちピストン23が1往復する間に1/2回転する。このように、クランクギヤ46、カムギヤ47、カムシャフト41、第2歯車66、及び第1歯車65は、クランクシャフト8の動力をシャッター部材58に伝達する動力伝達機構69を構成する。動力伝達機構69は、動弁機構34の一部の構成(クランクギヤ46、カムギヤ47、カムシャフト41)を利用して構成されている。
シャッター部材58がシリンダスリーブ19に対して回転することによって、所定の回転範囲のときに連通口63が掃気口56と連通し、他の回転範囲のときに連通口63が掃気口56から離れ、掃気口56はシャッター部材58によって閉じられる。
図5は、シャッター部材58による掃気口56の開閉タイミングをピストン23の位置を基準として表したものである。ピストン位置は、角度で表され、上死点を0度とし、下死点を180度として表す。ピストン23は、ピストン位置が0度〜180度の範囲で下降し、180度〜360度(0度)の範囲で上昇する。
ピストン位置が0度(上死点)のとき、ピストン23の下縁は、掃気口56の上縁よりも上方に位置する。そのため、掃気口56の内端は、全開となり、シリンダ22のピストン23よりも下側部分と連通している。このとき、シャッター部材58は掃気口56の外端を閉じている。ピストン23が下降すると、位置P1においてピストン23の下縁と掃気口56の上縁とが一致し、その後ピストン23の下降に伴って掃気口56の内端の開度(開口面積)が小さくなる。ピストン23が更に下降すると、位置P2においてピストン23の下縁と掃気口56の下縁とが一致し、掃気口56の内端がピストン23によって完全に閉じられる(全閉)。
ピストン23の下降に伴ってシャッター部材58は回転し、ピストン23が位置P2よりも下降した後、すなわち掃気口56の内端がピストン23によって閉じられた後の位置P3において、連通口63と掃気口56とが連通する。すなわち、シャッター部材58によって掃気口56の外端が開かれる。その後、ピストン23が位置P3よりも下降した位置P4において、ピストン23の上縁と掃気口56の上縁とが一致する。位置P4よりもピストン23が下降すると、掃気口56の内端は、シリンダ22のピストン23よりも上側部分(燃焼室29)と連通する。このとき、掃気口56の外端と連通口63とが連通しているため、掃気口56及び連通口63を介して掃気通路53と燃焼室29が連通する。
ピストン位置が180度(下死点)のとき、ピストン23の上縁は掃気口56の上縁よりも下方に位置し、掃気口56及び連通口63は互いに連通している。ピストン23の上昇時においては、位置P4と対応する位置P5において、ピストン23の上縁と掃気口56の上縁とが一致して掃気口56の内端が閉じられる。その後、位置P3と対応する位置P6において、掃気口56と連通口63との重なりがなくなり、シャッター部材58が掃気口56の外端を閉じる。ピストン23が更に上昇すると、位置P2と対応する位置P7において、ピストン23の下縁が掃気口56の下縁と一致する。ピストン23が位置P7より上昇すると、掃気口56の内端とシリンダ22のピストン23よりも下側部分と連通し、ピストン23の上昇に伴って開度が大きくなる。その後、位置P1と対応する位置P8において、ピストン23の下縁が掃気口56の上縁と一致し、掃気口56の内端の開度が全開になる。
このように、シャッター部材58は、掃気口56の内端とシリンダ22のピストン23よりも下側部分とが連通するときには掃気口56の外端を閉じ、掃気口56の内端とシリンダ22のピストン23よりも上側部分とが連通するときに、連通口63と掃気口56とを連通させ、掃気口56の外端を開く。
図1に示すように、クランクケース2の前壁部2Dの上部には、掃気通路53から前方に延び、前壁部2Dの前面に開口した吸気通路70が形成されている。吸気通路70の前端(上流端)には、バルブユニット71が結合され、バルブユニット71の上流端には吸気管72が結合されている。図示しないが、吸気管72には、上流側から吸気入口、エアフィルタ、スロットルバルブ等が設けられている。
バルブユニット71は、内部に通路71Aを形成するケース71Bと、ケース71Bに設けられたリード弁71Cとを有する。リード弁71Cは、通常は通路71Aを閉じており、ピストン23の上昇によって吸気通路70側の圧力が吸気管72側の圧力より所定値以上低くなると、弾性変形して通路71Aを開くように設定されている。
図1〜図4に示すように、シャッター部材58の外周面における第1歯車65よりも上側の部分には、環状の油路形成部材80が回転可能に装着されている。油路形成部材80の内周面は、シャッター部材58の外周面と周方向にわたって面接触している。シャッター部材58に対する油路形成部材80の軸線方向の位置は、シャッター部材58の外周面に突設された規制壁83と、シャッター部材58の外周面に結合されたスラストクリップ84とによって規制されている。
図2及び図3に示すように、油路形成部材80は、その外周部における右部及び左部が上部開口16の内壁面と係合することによって、クランクケース2に対して固定されている。これにより、シャッター部材58は、シリンダスリーブ19及び油路形成部材80に対して回転する。なお、図1に示すように、油路形成部材80の外周部における前部及び後部は上部開口16の内壁面との間に空間を形成しており、掃気通路53がクランク室2Aと連通している。
図3に示すように、油路形成部材80の、シャッター部材58の外周面と摺接する内周面には、周方向に延在する第1油溝86(第1油路)が形成されている。図1及び図4に示すように、油路形成部材80の上部には、導入管87が設けられている。導入管87によって形成される通路は、第1油溝86に連通している。他の実施形態では、第1油溝86は油路形成部材80の内周面に代えて、シャッター部材58の外周面に形成されてもよい。
図3に示すように、シャッター部材58の第1油溝86と対向する部分には、径方向に貫通する第1油孔91が形成されている。第1油孔91は、シャッター部材58の周方向に互いに間隔をおいて複数形成されている。シリンダスリーブ19の縮径部54の外周面において、複数の第1油孔91と対向する部分には、周方向に延在する第2油溝92(第2油路)が形成されている。他の実施形態では、第2油溝92はシリンダスリーブ19の縮径部54の外周面に代えて、シャッター部材58の外周面に形成されてもよい。また、シリンダスリーブ19には、第2油溝92から径方向に貫通し、シリンダスリーブ19の内周面に連通する第2油孔93が形成されている。第2油孔93は、シリンダスリーブ19の周方向に互いに間隔をおいて複数形成されている。
シリンダブロック3には、油路95が形成されている。油路95は、シリンダブロック3の側面に開口する一端と、シリンダブロック3の下端面に開口する他端とを有する。油路95の一端は、図示しない管等によってオイルポンプに接続されている。油路95の他端は、導入管87と接続されている。これにより、オイルポンプによって圧送されたオイルは、油路95、導入管87、第1油溝86、第1油孔91、第2油溝92、第2油孔93を介して、油路形成部材80とシャッター部材58との摺接部、シャッター部材58とシリンダスリーブ19との摺接部、シリンダスリーブ19とピストン23との摺接部に供給される。このように、油路形成部材80、第1油溝86、第1油孔91、第2油溝92、及び第2油孔93等は、潤滑装置99を構成する。
図2に示すように、クランクケース2の左右側壁2B、2Cの内面には、互いに近接する方向に突出する鍔部101が設けられている。鍔部101は、クランクシャフト8と干渉しないように、ピストン23が上死点に位置するときのウェブ8Bの上端よりも上方に配置される。また、一対の鍔部101は、コンロッド26と干渉しないように、その先端同士が左右方向において所定の隙間を有するように配置されている。
潤滑装置99によって、各摺接部に供給された潤滑油は、重力によって鍔部101上に落下し、鍔部101によってクランクピン8Cとコンロッド26の大端部との摺接部に導かれる。その後、潤滑油は、クランクシャフト8のジャーナル8A等に流れ、その後クランク室2Aの下部に捕集される。捕集された潤滑油は、図示しない循環路を介してオイルポンプに循環する。
図1に示すように、クランクケース2の後側壁2Eであって、鍔部101よりも上方に位置する部分には、インジェクタ103が取り付けられている。インジェクタ103の先端は、シリンダスリーブ19の下端を向いている。インジェクタ103は、所定のタイミングでクランク室2Aに燃料を噴射する。
このように構成されたエンジンEは、始動後、次のように動作する。最初に、ピストン23の上昇行程では、掃気口56がピストン23によって閉じられ、ピストン23の上昇に伴うクランク室2Aの膨張によって、クランク室2Aの圧力が低下する。これにより、リード弁71Cが開弁し、新気が吸気通路70及び掃気通路53を通過してクランク室2Aに流入する。これにより、掃気通路53内に存在した混合気はクランク室2Aに押し流され、掃気通路53には新気が充填され、空気層が形成される。ピストン23が上昇すると、ピストン23の下縁が掃気口56の下縁よりも上方に移動し、掃気口56の内端とシリンダ22のピストン23よりも下側部分とが連通することになるが、その前にシャッター部材58が掃気口56の外端を閉じるため、掃気口56を介して掃気通路53とシリンダ22のピストン23よりも下側部分とが連通することはない。そのため、掃気通路53に形成された空気層は、掃気通路53に留まり、維持されることになる。
このとき、クランク室2Aに流入した新気にはインジェクタ103から燃料が噴射され、混合気が生成される。シリンダ22の燃焼室29の混合気はピストン23によって圧縮され、ピストン23が上死点付近にあるときに燃焼する。
その後、ピストン23が下降行程に移ると、ピストン23の下降に伴うクランク室2Aの収縮によって、クランク室2Aの圧力が上昇する。これにより、リード弁71Cが閉じられ、クランク室2A内の混合気が圧縮される。ピストン23の下降が進むと、動弁機構34に駆動された排気弁32が排気ポート31を開く。これにより、燃焼室29内の膨張した排気ガス(既燃焼ガス)が排気ポート31に流れる。続いて、ピストン23の下縁が掃気口56の下縁よりも下方に移動し、掃気口56がピストン23によって閉じられる。その後、ピストン23と同期して回転するシャッター部材58は、連通口63を掃気口56に連通させ、掃気口56の外端を開く。
その後、ピストン23の下降が進み、ピストン23の上縁が掃気口56の上縁より下がると、掃気口56の内端が開かれ、シリンダ22のピストン23より上側部分(燃焼室29)と掃気通路53とが、掃気口56及び連通口63を介して連通する。これにより、掃気通路53に維持された空気層が最初に燃焼室29内に流入し、続いてクランク室2A内の混合気が掃気通路53を通って燃焼室29に流入する。これにより、層状掃気が実現される。このようにして、エンジンEは2サイクル動作を行う。掃気通路53からシリンダ22を経由して排気ポート31へと流れる掃気及び排気の流れは、曲がりの少ないユニフローとなる。
以下、本実施形態に係るエンジンEの効果を説明する。エンジンEでは、吸気通路70が掃気通路53に接続されているため、吸気通路70から新気が流入するときに、掃気通路53の混合気は新気によってクランク室2Aに押し流され、掃気通路53には空気層が形成される。ピストン23が上昇し、掃気口56の内端がシリンダ22のピストン23よりも下側部分と連通するときには、シャッター部材58によって掃気口56の外端が閉じられているため、掃気通路53とシリンダ22のピストン23よりも下側部分とが連通することはない。そのため、掃気通路53の一端は閉鎖端となり、空気層が留まり易くなる。これにより、ピストン23の下降、及びシャッター部材58の回転によって掃気口56が開かれ、掃気通路53とシリンダ22のピストン23よりも上側部分(燃焼室29)とが連通するときに、最初に掃気通路53内に形成された空気層が燃焼室29に流れ、続いてクランク室2Aの混合気が燃焼室29に流れる層状掃気が可能になる。これにより、燃焼室29に流入する混合気と燃焼室29内の既燃焼ガスとの混合が抑制され、混合気の吹き抜けが抑制される。
シャッター部材58は、第1歯車65、第2歯車66、カムシャフト41、カムギヤ47、クランクギヤ46を含む動力伝達機構69によってクランクシャフト8に連結されているため、ピストン23と同期して回転し、ピストン23の位置に応じて掃気口56を所定のタイミングで開閉することができる。
また、シャッター部材58は周方向に等間隔に配置された2つの連通口63を有するため、連通口63の1つが特定の掃気口56と連通するために1/2回転すればよい。そのため、シャッター部材58の回転速度を、クランクシャフト8の1/2にすることができる。シャッター部材58の回転速度を低下させることによって、シャッター部材58及びシリンダスリーブ19の摺接面の摩擦が抑制されると共に、シャッター部材58の回転によって生じる振動が抑制される。
また、シャッター部材58とクランクシャフト8とを連結する動力伝達機構69は、かさ歯車である第1歯車65及び第2歯車66を含むため、回転軸線が互いに直交するシャッター部材58とクランクシャフト8を簡素な構成によって連結することができる。また、第1歯車65及び第2歯車66の歯数を変化させることによって、クランクシャフト8に対するシャッター部材58の回転速度を容易に変化させることができる。また、動力伝達機構69は、動弁機構34の一部を利用するため、部品点数の削減が可能になる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記の実施形態では、掃気口56及び連通口63の数をそれぞれ2個としたが、掃気口56及び連通口63の数は任意に設定することができる。掃気口56及び連通口63の数をそれぞれn個とした場合、シャッター部材58はクランクシャフト8に対する回転速度を1/nにすることができる。そのため、掃気口56及び連通口63の数が増加するほど、シャッター部材58の回転速度を遅くすることができ、シャッター部材58及びシリンダスリーブ19の摩擦が抑制されると共に、シャッター部材58の回転によって生じる振動が抑制される。
上記実施形態では、クランクシャフト8の回転力を利用してシャッター部材58を回転させる構成としたが、他の実施形態では電動モータ等を利用してシャッター部材58を回転させてもよい。また、上記実施形態では、インジェクタ103がシリンダ22の下端に向けて燃料を噴射する構成としたが、インジェクタ103の位置及び噴射方向はこれに限定されるものではなく、例えば鍔部101より下側のクランク室2Aに向けてインジェクタ103が燃料を噴射するようにしてもよい。
1...機関本体、2...クランクケース、2A...クランク室、3...シリンダブロック、8...クランクシャフト、12...下部動弁室、19...シリンダスリーブ、22...シリンダ、23...ピストン、32...排気弁、34...動弁機構、41...カムシャフト、46...クランクギヤ、47...カムギヤ、53...掃気通路、56...掃気口、58...シャッター部材、63...連通口、65...第1歯車(従動歯車)、66...第2歯車(駆動歯車)、69...動力伝達機構、70...吸気通路、71...バルブユニット、72...吸気管、80...油路形成部材、103...インジェクタ、A...シリンダ軸線、E...エンジン

Claims (9)

  1. 機関本体に支持され、内側にシリンダを形成する円筒形のシリンダスリーブと、
    前記シリンダに連通する排気通路と、
    前記シリンダスリーブの側部を径方向に貫通する掃気口と、
    前記シリンダスリーブ内に往復動可能に受容され、往復動に応じて前記掃気口の内端をその側部で開閉するピストンと、
    前記掃気口の外端と前記機関本体内に形成されたクランク室とを接続する掃気通路と、
    前記掃気通路に接続された吸気通路と、
    前記クランク室に向けて燃料を噴射するインジェクタと、
    前記シリンダスリーブの外周面に同軸かつ回転可能に支持され、前記掃気口の外端を覆う円筒形のシャッター部材と、
    前記シャッター部材の側部を径方向に貫通し、前記シリンダスリーブに対する前記シャッター部材の回転位置が所定の範囲にあるときに前記掃気口と連通する連通口とを有し、
    前記掃気口は、周方向に等間隔でn個形成され、
    前記連通口は、周方向に等間隔でn個形成され、
    前記シャッター部材は、前記ピストンの往復動と同期してクランクシャフトの回転速度に対して1/nの回転速度で回転し、前記ピストンの下縁が前記掃気口の下縁よりも上方に位置する位置範囲内の全てにおいて前記掃気口を閉じ、前記ピストンの下縁が前記掃気口の下縁よりも下方に位置する位置範囲内において、前記連通口と前記掃気口とを連通させることを特徴とするユニフロー2ストロークエンジン。
  2. 前記ピストンの上縁が前記掃気口の上縁よりも下方に位置する位置範囲内の全てにおいて、前記連通口と前記掃気口とを連通させることを特徴とする請求項1に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  3. 前記掃気口及び前記連通口は、2個形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  4. 前記シャッター部材は、動力伝達機構を介してクランクシャフトと連結されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  5. 前記動力伝達機構は、前記クランクシャフトに対して前記シャッター部材の回転速度を減速することを特徴とする請求項4に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  6. 前記動力伝達機構は、前記シャッター部材の軸線を中心として前記シャッター部材の外周面に形成された従動歯車と、前記従動歯車と噛み合う駆動歯車とを有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  7. 前記従動歯車及び前記駆動歯車は、かさ歯車であり、
    前記動力伝達機構は、前記クランクシャフトと平行に配置され、歯車列を介して前記クランクシャフトに連結されて前記クランクシャフトと同じ回転速度で回転するカムシャフトを有し、
    前記駆動歯車は、前記カムシャフトに設けられ、
    前記カムシャフトは、前記排気通路に設けられた排気バルブを駆動することを特徴とする請求項6に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  8. 前記シャッター部材の外周部には、環状の油路形成部材が前記シャッター部材に対して回転可能に支持され、
    前記シャッター部材の外周面と前記油路形成部材の内周面との間には第1油路が形成され、
    前記シャッター部材の内周面と前記シリンダスリーブの外周面との間には第2油路が形成され、
    前記シャッター部材には前記第1油路と前記第2油路とを連通する第1油孔が形成され、
    前記油路形成部材は、オイルポンプから潤滑油の供給を受けることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  9. 前記シリンダスリーブには、前記第2油路から前記シリンダスリーブの内周面に到達する第2油孔が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
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