JP6254397B2 - 産業機械及びシフト量算出方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の産業機械は、三次元測定機である。この三次元測定機は、ベース面に対して直交し、Y軸方向に移動可能なコラムおよびサポータと、これらのコラムおよびサポータの端部間に設けられるビームと、ビーム上でX軸方向に移動可能なスライダと、スライダにZ軸方向に移動可能に設けられ、先端にプローブが設けられるラムとを備えている。
この三次元測定機は、XYZ軸の各軸に沿ってスケールが配置され、このスケールの読み取り値を基準とした測定座標系を設定している。そして、この三次元測定機では、温度環境を監視し、温度変化が観測されたときに、測定座標系を再構築する。
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×((X0+x)/(X0+Xs+X1))3+ΔC+ΔSL−ΔR
ここで、
ΔC=ΔC1+ΔC2+ΔC3
ΔC1=C1×αC×(TC1−T0)
ΔC2=C2×αC×(TC2−T0)
ΔC3=C3×αC×(TC3−T0)
ΔS=S2×αS×(TS−T0)
ΔR=R×αR×(TR−T0)
ΔSL=SL×αSL×(TSL−T0)
である。
〔三次元測定機の構成〕
図1は、実施の形態1に係る産業機械である三次元測定機の概略構成を示す図である。
図1において、三次元測定機1(産業機械)は、本体2と、本体2の駆動制御を実行する制御部3とを備えている。三次元測定機1は、門型の三次元測定機である。
ベース21は、被測定物(図示略)を載置させるベース面211を有する矩形板状に形成されている。また、ベース21の−X軸方向側には、+Z軸方向側に向かって突出するとともに、Y軸方向に沿って直線状に形成され、スライド機構22をY軸方向に沿ってガイドするガイド部212が設けられている。さらに、ベース面211には、半径既知の真球に加工されたマスタボール213が固定されている。
なお、以下の説明においては、「Z軸方向」を「Z方向」、「Z軸」(例えば、「Z軸側」)、または「Z」(例えば、「Z側」)等と略して記載することがある。同様に「X軸方向」および「Y軸方向」をそれぞれ「X」、「Y」(例えば、「X側」、「Y側」)等と略して記載することがある。
さらに、ラム224における−Z軸方向側の端部には、被測定物を測定するためのプローブ227が取り付けられている。プローブ227は接触式及び非接触式のどちらでもよい。
そして、スライド機構22は、コラム221、スライダ223、及びラム224を駆動する駆動モータ228を備え、制御部3による制御の下でプローブ227をX,Y,Z軸方向に沿って移動させる。なお、図1において、コラム221をY軸方向に沿って移動させる駆動モータ228のみを図示する。また、コラム221、ビーム222、スライダ223、及びサポータ225はカバーで覆われるが、カバーは図示省略されている。
温度センサ226Aは、コラム221の下部(ベース21側の部分)に設けられ、温度センサ226Bは、コラム221の中間部に設けられ、温度センサ226Cは、コラム221の上部(ビーム222側の部分)に設けられる。中間部は、上部及び下部の間に配置される。温度センサ226A〜226Cは、それぞれZ方向に沿って互いに離間している。
また、温度センサ226Dは、サポータ225のZ方向における中心点に設けられている。
さらに、温度センサ226Eは、ラム224の−Z側端部に設けられ、温度センサ226Fは、ラム224のZ軸スケールセンサ223Aに設けられ、温度センサ226E及び226FはZ軸方向に沿って互いに離間している。尚、Z軸スケールセンサ223Aの温度補正用の温度センサを温度センサ226Fとして用いてもよい。
また、記憶部31には、制御部3が熱膨張によるラム224のZ軸方向のシフトを補正するためのZシフト補正プログラムが記憶されている。
TR=(T5+T6)/2 …(1)
平均温度TRは、ラム224の温度と称される場合がある。
ΔC1=C1×αC×(T1−T0) …(2)
ΔC2=C2×αC×(T2−T0) …(3)
ΔC3=C3×αC×(T3−T0) …(4)
コラム221の熱変形量ΔCは、下記式により表される。
ΔC=ΔC1+ΔC2+ΔC3 …(5)
サポータ225の熱変形量ΔSは、サポータ225の線膨張係数をαSとすると、下記式により表される。
ΔS=S2×αS×(T4−T0) …(6)
ラム224の熱変形量ΔRは、ラム224の線膨張係数をαRとすると、下記式により表される。
ΔR=R×αR×(TR−T0) …(7)
スライダ223の熱変形量ΔSLは、スライダ223の線膨張係数をαSLとすると、下記式により表される。
ΔSL=SL×αSL×(T7−T0) …(8)
スライド機構22が熱膨張により寸法変動を起こす場合、コラム221を駆動するための駆動モータ228がコラム221の−Z側に位置しているため、コラム221への熱影響とサポータ225への熱影響が異なり、コラム221の熱変形量ΔCとサポータ225の熱変形量ΔSが異なる。したがって、熱変形量ΔC及びΔSがラム224の(プローブ227)のZ軸シフト量に及ぼす影響は、スライダ223のX軸方向の位置、すなわち座標xによって異なる。更に、サポータ225のベース面211側の端部は自由端となっているため、スライド機構22が熱膨張により変形すると、サポータ225の自由端はX軸方向に変位する。上述した理由等により、ラム224(プローブ227)のZシフト量は、スライダ223の位置、すなわち座標xの3次関数に従って、下記式で表される。
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×((X0+x)/(X0+Xs+X1))3+ΔC+ΔSL−ΔR …(9)
このため、シフト量算出部33は、上記式に基づいて、ラム224(プローブ227)のZ軸シフト量を算出することで、正確な値を算出することが可能となる。
次に、実施の形態1にかかるZ測定値の補正方法について説明する。
図4は、Z測定値の補正方法を示すフローチャートである。
制御部3は、記憶部31に記憶されたZシフト補正プログラムが実行されると、図4に示すように、以下のステップS1〜S3を実行する。
次に、シフト量算出部33は、記憶部31から、基準位置データ(C1〜C3、S2、SL、R、X0、X1、Xs)及び線膨張係数(αC、αS、αR、αSL)を取得し、ステップS1の温度検出ステップにより得られた温度T1〜T4、TR、及びT7、およびスライダ223の位置である座標xを用い、上述した式(2)〜(9)に基づいて、Zシフト量を算出する(S2:Zシフト量算出ステップ)。
Zシフト量算出ステップS2でZシフト量が算出されると、補正部34は、Z軸スケール224A及びZ軸スケールセンサ223Aにより測定されたZ測定値を、Zシフト量で補正する(S3:補正ステップ)。補正部34は、Z軸スケール224A、Z軸スケールセンサ223A、及びプローブ227により測定されたZ測定値を、Zシフト量で補正してもよい。
以上のステップS1〜S3を実行することによって、制御部3は、Z測定値から、Zシフト量を加減算することで、正確なZ測定値を測定することができる。
次に、実施の形態1にかかる三次元測定機1及びZ測定値の補正方法の理解を助けるために比較例にかかる三次元測定機及びZ軸測定値の補正方法を説明する。比較例にかかる三次元測定機及びZ軸測定値の補正方法は、基本的に実施の形態1にかかる三次元測定機1及びZ測定値の補正方法と同様であるが、以下の点が異なっている。
TC=(T1+T3)/2 …(10)
ΔC’=C×α×(TC−T0) …(11)
ΔS’=S×α×(T4−T0) …(12)
ΔR’=R×α×(TR−T0) …(13)
(Z軸シフト量)=(ΔS’−ΔC’)×((X0+x)/(X0+Xs+X1))3+ΔC’−ΔR’ …(14)
比較例に係る補正部34は、シフト量算出部33が上記式に基づいて算出したZシフト量に基づいて、Z軸スケール224AおよびZ軸スケールセンサ223Aにより測定されたZ測定値を補正する。
図7を参照して、実施の形態1の効果を比較例の効果と比較して説明する。図7は、三次元測定機1が配置される測定室の室温を18℃から22℃の間でステップ状に変化させた場合におけるマスタボール213の温度80、及びZ軸方向の原点ズレ量90、91、100の変化を示すグラフである。横軸は経過時間(h)である。第1の縦軸は、Z軸方向の原点ズレ量(任意単位)である。第2の縦軸は測定温度(℃)である。Z軸方向の原点ズレ量90は、プローブ227を用いて測定したマスタボール213の中心のZ座標である。マスタボール213の温度80が基準温度T0である20℃になった時(65h)におけるZ軸方向の原点ズレ量90の値を0に設定した。Z軸方向の原点ズレ量91は、Z軸方向の原点ズレ量90を比較例に係る補正方法で補正して求めた。Z軸方向の原点ズレ量100は、Z軸方向の原点ズレ量90を実施の形態1に係る補正方法で補正して求めた。実施の形態1に係る補正方法によりZ軸方向の原点ズレ量90がZ軸方向の原点ズレ量100に低減された。実施の形態1に係る補正方法による低減効果は、比較例に係る補正方法による低減効果よりも大きかった。
このため、コラム221、スライダ223、ラム224、およびサポータ225が、例えば駆動モータ228の熱によりそれぞれ異なる温度に変動し、それに伴う熱膨張による寸法変動が生じた場合であっても、これらのコラム221、スライダ223、ラム224、およびサポータ225の線膨張係数からそれぞれの寸法変動量を算出することができ、この寸法変動量に基づいてZシフト量を容易に算出することができる。また、このようなZシフト量に基づいて、補正部34でZ測定値を補正することで、適切に測定値を補正することができ、精度の高い測定を実現することができる。
次に、実施の形態1の変形例を説明する。
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×((X0+x)/(X0+Xs+X1))2+ΔC+ΔSL−ΔR …(15)
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×(X0+x)/(X0+Xs+X1)+ΔC+ΔSL−ΔR …(16)
〔三次元測定機の構成〕
図8は、実施の形態2に係る三次元測定機(産業機械)の概略構成を示す側面図である。図9は、実施の形態2に係る三次元測定機の概略構成を示す正面図である。
図8において、三次元測定機10(産業機械)は、本体4と、本体4の駆動制御を実行する制御部5とを備えている。本体4に対して互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が定義されている。Y軸方向は鉛直方向である。三次元測定機10は、横型の三次元測定機であり、軸物ワークの測定に好適である。
また、記憶部51には、制御部5にて熱膨張によるZ軸スピンドル45の各軸方向のシフトを補正するためのシフト補正プログラムが記憶されている。
ΔX=X1×αFe×(Tx−T0)−X2×αAl×(Tz−T0) …(17)
ここで、X軸スケール411の温度Txをベース41の温度として用い、Z軸スケール441の温度TzをY軸スライダ44及びZ軸スピンドル45の温度として用いている。
ΔY=(Y2−Y1−Yj)×αFe×(Tx−T0)+Y3×αAl×(Ty−T0) …(18)
ここで、X軸スケール411の温度Txをベース41、インデックステーブル47、及び治具70の温度として用い、Y軸スケール431の温度をX軸スライダ42及びコラム43の温度として用いた。
ΔZ=Z1×αFe×(Tx−T0)+Z2×αAl×(Ty−T0)−(Z3+Zp)×αAl×(Tz−T0) …(19)
ここで、X軸スケール411の温度Txをベース41の温度として用い、Y軸スケール431の温度TyをX軸スライダ42及びコラム43の温度として用い、Z軸スケール441の温度TzをZ軸スピンドル45及びプローブ46の温度として用いた。
次に、実施の形態2にかかる測定値の補正方法について説明する。
制御部5は、記憶部51に記憶されたシフト補正プログラムが実行されると、以下のステップS11〜S13を実行する。
次に、シフト量算出部53は、記憶部51から、基準位置データ(X1、X2、Y1〜Y3、Yj、Z1〜Z3、Zj)及び線膨張係数(αFe、αAl)を取得し、ステップS11の温度検出ステップにより得られた温度Tx〜Tzを用い、上述した式(17)〜(19)に基づいて、シフト量ΔX〜ΔZを算出する(S12:シフト量算出ステップ)。
シフト量算出ステップS12でシフト量ΔX〜ΔZが算出されると、補正部54は、X軸スケール411及びX軸スケールセンサ422により測定されたX測定値をX軸シフト量ΔXで補正し、Y軸スケール431及びY軸スケールセンサ442で測定されたY測定値をY軸シフト量ΔYで補正し、Z軸スケール441及びZ軸スケールセンサ452で測定されたZ測定値をZ軸シフト量ΔZで補正する(S13:補正ステップ)。補正部54は、X軸スケール411、X軸スケールセンサ422、及びプローブ46により測定されたX測定値をX軸シフト量ΔXで補正し、Y軸スケール431、Y軸スケールセンサ442、及びプローブ46で測定されたY測定値をY軸シフト量ΔYで補正し、Z軸スケール441、Z軸スケールセンサ452、及びプローブ46で測定されたZ測定値をZ軸シフト量ΔZで補正してもよい。
以上のステップS11〜S13を実行することによって、制御部5は、X〜Z測定値から、それぞれシフト量ΔX〜ΔZを加減算することで、正確なX〜Z測定値を測定することができる。
実施の形態2によれば、横型の三次元測定機においても構造部材の熱膨張によるZ軸スピンドル45のシフト量ΔX〜ΔZを算出することができる。また、スケールの温度補正用の温度センサ61〜63を用いてシフト量ΔX〜ΔZを算出することができるため、シフト量ΔX〜ΔZを算出するための追加の温度センサが不要である。更に、ベース41、X軸スライダ42、コラム43、Y軸スライダ44、Z軸スピンドル45、プローブ46、インデックステーブル47、及び治具70の線膨張係数として、これらの材質に対応した線膨張係数αFe及びαAlが設定される。そのため、シフト量ΔX〜ΔZを高精度に算出することができる。
次に、実施の形態2の変形例を説明する。例えば、プローブ46は接触式及び非接触式のどちらでもよい。また、治具70を用いずに、被測定物(例えば、マスタボール75)が直接インデックステーブル46に載置されてもよい。この場合、式(18)の右辺からYjが削除される。
211…ベース面
221…コラム
222…ビーム
223…スライダ
223A…Z検出部であるZ軸スケールセンサ
224…ラム
224A…Z軸スケール
225…サポータ
226(226A〜226G)…物理量検出手段(温度検出手段)を構成する温度センサ
227…プローブ
32…物理量検出手段(温度検出手段)を構成する温度検出部、
33…シフト量算出手段であるシフト量算出部、
34…補正手段である補正部、
Claims (4)
- ベース面に対して直交するZ軸に沿って立設されたコラムおよびサポータと、
前記コラムおよび前記サポータに支持されたビーム上を移動可能なスライダと、
前記スライダに、Z軸方向に移動可能に保持されたラムと、
前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、および前記ラムのそれぞれの熱膨張対応物理量を検出する物理量検出手段と、
前記熱膨張対応物理量に基づいて、前記ラムのZ軸方向に沿ったZ軸シフト量を算出するシフト量算出手段と
を具備し、
前記ラムに設けられ、前記ラムのZ軸方向への移動量を測定するための目盛が設けられたZ軸スケールと、
前記スライダに設けられ、前記Z軸スケールの目盛を検出するZ検出部と
を更に具備し、
前記ビームは、前記スライダを支持する支持面を備え、
前記物理量検出手段は、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度を検出し、
前記シフト量算出手段は、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度と、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムの位置関係を示す基準位置データと、温度変化による前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのZ軸方向への寸法変動量を算出するための補正係数と、前記スライダの位置座標xと、に基づいて、前記Z軸シフト量を算出し、
前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度は、前記コラムの下部の温度T C1 、前記コラムの中間部の温度T C2 、前記コラムの上部の温度T C3 、前記サポータの温度T S 、前記ラムの温度T R 、及び前記スライダの温度T SL を含み、
前記基準位置データは、所定の基準温度T0における前記ベース面から前記下部と前記中間部の境界までの距離C1、前記基準温度T0における前記下部と前記中間部の境界から前記中間部と前記上部の境界までの距離C2、前記基準温度T0における前記中間部と前記上部の境界から前記支持面までの距離C3、前記基準温度T0における前記ベース面から前記支持面までの距離S2、前記基準温度T0における前記支持面から前記Z検出部までの距離SL、前記基準温度T0における前記ラムの前記ベース面に対向する先端部から前記ラムの前記Z軸スケールの固定位置までの距離R、前記スライダを前記コラムに最も近接させた際の前記コラムの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離X0、前記スライダを前記サポータに最も近接させた際の前記サポータの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離X1、及び前記スライダが前記ビームに沿って移動可能な距離Xsを含み、
前記位置座標xは、前記スライダの中心軸の前記ビームに沿う位置を表し、
前記コラムの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離がX0のときに前記位置座標xの値は0であり、
前記サポータの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離がX1のときに前記位置座標xの値はXsであり、
前記補正係数は、前記コラムの線膨張係数α C 、前記サポータの線膨張係数α S 、前記スライダの線膨張係数α SL 、及び前記ラムの線膨張係数α R を含み、
前記シフト量算出手段は、下記式により前記Z軸シフト量を算出し、
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×((X0+x)/(X0+Xs+X1)) 3 +ΔC+ΔSL−ΔR
ここで、
ΔC=ΔC1+ΔC2+ΔC3
ΔC1=C1×α C ×(T C1 −T0)
ΔC2=C2×α C ×(T C2 −T0)
ΔC3=C3×α C ×(T C3 −T0)
ΔS=S2×α S ×(T S −T0)
ΔR=R×α R ×(T R −T0)
ΔSL=SL×α SL ×(T SL −T0)
である
産業機械。 - 請求項1に記載の産業機械において、
前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの線膨張係数は、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの材質に対応した値が設定される
産業機械。 - 請求項1又は2に記載の産業機械において、
前記産業機械は、前記ラムの先端に設けられたプローブを用いて、前記ベース面に載置された被測定物を測定する測定機であり、
前記シフト量算出手段により算出された前記Z軸シフト量に基づいて、前記プローブで測定された前記被測定物のZ軸測定値を補正する補正手段を更に具備する
産業機械。 - ベース面に対して直交するZ軸に沿って立設されたコラム、Z軸に沿って立設されたサポータ、前記コラムおよび前記サポータの間に設けられたビーム上を移動可能なスライダ、前記スライダにZ軸方向に移動可能に保持されたラムのそれぞれの熱膨張対応物理量を検出する熱膨張対応物理量検出ステップと、
前記熱膨張対応物理量に基づいて、前記ラムのZ軸方向に沿ったZ軸シフト量を算出するZシフト量算出ステップと、
を備え、
前記ラムには、前記ラムのZ軸方向への移動量を測定するための目盛が設けられたZ軸スケールが設けられ、
前記スライダには、前記Z軸スケールの目盛を検出するZ検出部が設けられており、
前記ビームは、前記スライダを支持する支持面を備え、
前記熱膨張対応物理量検出ステップにおいて、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度を検出し、
前記Zシフト量算出ステップにおいて、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度と、前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムの位置関係を示す基準位置データと、温度変化による前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのZ軸方向への寸法変動量を算出するための補正係数と、前記スライダの位置座標xと、に基づいて、前記Z軸シフト量を算出し、
前記コラム、前記サポータ、前記スライダ、及び前記ラムのそれぞれの温度は、前記コラムの下部の温度T C1 、前記コラムの中間部の温度T C2 、前記コラムの上部の温度T C3 、前記サポータの温度T S 、前記ラムの温度T R 、及び前記スライダの温度T SL を含み、
前記基準位置データは、所定の基準温度T0における前記ベース面から前記下部と前記中間部の境界までの距離C1、前記基準温度T0における前記下部と前記中間部の境界から前記中間部と前記上部の境界までの距離C2、前記基準温度T0における前記中間部と前記上部の境界から前記支持面までの距離C3、前記基準温度T0における前記ベース面から前記支持面までの距離S2、前記基準温度T0における前記支持面から前記Z検出部までの距離SL、前記基準温度T0における前記ラムの前記ベース面に対向する先端部から前記ラムの前記Z軸スケールの固定位置までの距離R、前記スライダを前記コラムに最も近接させた際の前記コラムの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離X0、前記スライダを前記サポータに最も近接させた際の前記サポータの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離X1、及び前記スライダが前記ビームに沿って移動可能な距離Xsを含み、
前記位置座標xは、前記スライダの中心軸の前記ビームに沿う位置を表し、
前記コラムの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離がX0のときに前記位置座標xの値は0であり、
前記サポータの中心軸から前記スライダの中心軸までの距離がX1のときに前記位置座標xの値はXsであり、
前記補正係数は、前記コラムの線膨張係数α C 、前記サポータの線膨張係数α S 、前記スライダの線膨張係数α SL 、及び前記ラムの線膨張係数α R を含み、
前記Zシフト量算出ステップにおいて、下記式により前記Z軸シフト量を算出し、
(Z軸シフト量)=(ΔS−ΔC)×((X0+x)/(X0+Xs+X1)) 3 +ΔC+ΔSL−ΔR
ここで、
ΔC=ΔC1+ΔC2+ΔC3
ΔC1=C1×α C ×(T C1 −T0)
ΔC2=C2×α C ×(T C2 −T0)
ΔC3=C3×α C ×(T C3 −T0)
ΔS=S2×α S ×(T S −T0)
ΔR=R×α R ×(T R −T0)
ΔSL=SL×α SL ×(T SL −T0)
である
シフト量算出方法。
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