JP4931867B2 - 可変端度器 - Google Patents
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Description
CMMは、三次元空間に存在する離散した点(群)のX,Y,Z座標値を用いてコンピュータの支援により寸法及び形状を測定する装置である。より具体的には、定盤上に載置した被測定物と、CMMにおいてZ軸先端に取り付けたプローブとを、X,Y,Zの三次元方向へ相対移動させ、プローブが被測定物に接触した瞬間に発する電気的トリガー信号によってX,Y,Zの各送り軸方向の座標値を読み取り、それら座標値をコンピュータで演算処理することによって寸法及び形状を測定するものである。
一例としては、CMMが本質的にはその三次元の測定座標空間内の任意点の位置座標を測定する装置であることに鑑みて、プレート状のフレームに複数の基準球を固定配列させることにより構成される所謂ボールプレートを実用標準として、精度的により上位の測定手段によって校正された、それら基準球同士の中心間距離の測定による校正法も、次第に普及しつつある。
このボールステップゲージGを使用する際には、このボールステップゲージGを定盤B上に載置固定し、最初、例えば図中右側のボールbの位置を測定するに際しては、CMMのプローブで少なくともこのボールbの球面上の4点の座標を測定し、それらからボールbの中心座標を算出する。そして、同様に、順に全てのボールbの位置を測定し、更に、それらの位置の間隔を演算処理によって求める。各ボール同士の間隔は、予め精度的に上位のCMM等で値付けられており、それらの値と上記の測定によって求められた結果とを比較して、当該CMMの校正を行っている。
言い換えれば、上記で説明した従来の方法では、いずれも、特定の寸法のブロックゲージ及びそれを組み合わせたもの(例えば、特開2004−347388号公報)や、所定間隔に配置したボールとボールとの間隔、例えば、20mm毎といった間隔での校正のみ可能であって、連続的又は充分に細かい間隔での校正が不可能である。
更に、このような校正方法では、本質的に、器差表による器差補正が必須であるが、組み合わせブロックゲージやボールステップゲージは、構造的にそれ自体の校正が難しく、往々にして、その器差の信頼性が不充分であるという問題点を有している。
従って、現今、CMMの実用に即した校正方法とそのための実用標準の確保は、CMMのユーザーにとっては、極めて切実な要望となっている。
しかし、このようにCMM同士を組み合わせて校正する方式は、例えばCMMメーカ等であれば可能であるが、通常、CMMのユーザである企業において簡単に採用できる校正方法とは言えず、経済効率からも実現が困難である。
2.可変端度器の器差データを予めコンピュータ等へ記憶させることにより、従来は相応の手作業に拠らざるを得なかった器差補正を、コンピュータ・プログラムによって自動的に処理させることができる。
3.可変端度器自体の校正が、コンピュータ・コントロールにより、自動的且つ容易に行えるから、その校正結果が、従来の実用標準(校正用基準器)におけるよりも、信頼性の高いものになる。
図1に示すように、本実施形態に係る可変端度器Kは、エアベアリングガイド装置10を主構成要素としている。このエアベアリングガイド装置10は、レール11と、レール11の長手方向にエアベアリングを介して移動可能なスライダ13とから構成されている。更に、スライダ13のレール11の長手方向の相対的な変位を検出するために、リニアスケール14と、スライダ13をレール11の長手方向へ相対的に変位させるためのリニアモータ15とがそれぞれ配設されている。そして、レール11の一端には、基準端面16が設けられ、それに対向して、スライダ13の一端に移動端面17が設けられている。基準端面16と移動端面17とは、それぞれ、レール11の長手方向軸線に垂直且つ互いに平行に設けてある。即ち、移動端面17は、スライダ13がリニアモータ15での駆動によりレール11に沿って移動することで、基準端面16に対して平行状態を保ちながら距離間隔(リニアスケール14による読み取り値)が可変とされている。
このような構成を有するエアベアリングガイド装置10の基準端面16と移動端面17との距離間隔は、適宜、電装系19を介してコンピュータ20に読み込まれる。ここで、電装系19は、アクチュエータ(リニアモータ等)の駆動制御を司るものであり、そのために、必然的にリニアエンコーダの読取機能(カウンタ機能)も有する。
先ず、図3に示すフローチャートの範囲外ではあるが、可変端度器K自体についても、その使用の準備として、(導入)初期及び定期の校正が必要である。
一般的には、基準端面16と移動端面17との間の距離間隔を変化させながら、リニアスケール14によって指示される所定の距離間隔毎に、波長安定化レーザ測長システム等の上位基準による校正値を求めてコンピュータ20に入力し、更に、その都度のリニアスケール14の指示値との関係の下に当該指示値から前記校正値を差引いて求められる器差を、コンピュータ20に登録保存、若しくは、更新保存する。
図3に示すフローチャートにおいては、必然的に、可変端度器Kに対して上記の校正が施されていることが前提となっている。
そして、CMM用コンピュータ102と可変端度器Kのコンピュータ20とを通信可能とし、相互のデータやコマンドのやり取りを可能にする。
更にその上で、基準端面16と移動端面17との間の距離間隔が所定の校正長さとなる様に、コンピュータ20のキーボード等から当該校正長さを入力指示することによって、電装系19を介してリニアモータ15とリニアスケール14によりスライダ13を制御駆動し、基準端面16と移動端面17との間の距離間隔を前記所定の校正長さに設定する(ステップS1〜S4)。
最後に、被校正用CMM100による基準端面16と移動端面17との各距離間隔を各距離間隔の測定値と、上記の真値から、コンピュータ20により、誤差=測定値−真値(真値=指示値−器差)を計算して出力させる(ステップS10〜S11)。即ち、この誤差が被校正用CMM100の校正結果である。
尚、前記校正結果を計算して出力させるのは、前記真値を可変端度器Kのコンピュータ20からCMM用コンピュータ102へ送出して記憶させれば、CMM用コンピュータ102であっても良い。
そして、その場合には、長さ測定機器が、その測定値を電子データとして可変端度器Kのコンピュータ20に出力できるものであれば、また、更には、可変端度器Kのコンピュータ20での校正結果を、精度補償用データとして入力できるものであれば、可変端度器Kによる校正は、従来の校正と比べて決定的に有利なものとなる。
また、可変端度器Kの校正については、現状では波長安定化レーザ測長システムによる校正が最も精度的に相応しいと考えられるので、本実施形態においてはその利用を例示したが、これは、他の可変端度器よりも精度的に充分上位の測長機器による校正に置換えても良い。
また、上記実施形態においては、水平方向の校正に限って説明したが、垂直方向の校正についても同ように対応可能である。但し、垂直方向の校正についても対応可能とする場合には、可変端度器Kの作動についても水平作動よりは負荷の大きい垂直作動への対応が求められるので、その駆動方式としては、本実施例でのリニアモータ方式に限定することなく、ボールねじ駆動方式等、各種の駆動方式を適宜採用することが考えられる。
11 レール
13 スライダ
14 リニアスケール
15 リニアモータ
16 基準端面
17 移動端面
19 電装系
20 コンピュータ
100 CMM
101 ワークベース
102 CMM用コンピュータ
103 プローブ
K 可変端度器
Claims (5)
- 二つの互いに平行な対向又は背向するゲージ基準面と、
前記二つのゲージ基準面の少なくとも一方のゲージ基準面に設けられ、前記二つのゲージ基準面の距離間隔をそれらの平行な状態を維持しながら任意に変更し得る可動手段と、
前記二つのゲージ基準面の距離間隔を随時測定し得る測定手段と、
前記測定手段を校正して得たその測定手段の器差データを記憶する第1の記憶手段と、
前記測定手段により得られた測定値を前記第1の記憶手段に記憶された器差データを用いて補正して出力する補正手段と、
前記補正手段からの出力値を長さ測定機器の校正用基準長さとして更に任意の形式で出力・表示し得る出力・表示手段と、
校正対象とする長さ測定機器により前記二つのゲージ基準面の距離間隔を測定した結果として前記長さ測定機器から出力される測定値を入力して記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された測定値より前記二つのゲージ基準面の距離間隔と対応する前記補正手段からの出力値を差引いて当該測定値の誤差を求める演算手段と
を備え、
得られる誤差を前記校正対象とする長さ測定機器の校正結果として前記出力・表示手段により任意の形式で出力・表示し得るようにした
ことを特徴とする寸法可変式の端度器。 - 二つの互いに平行な対向又は背向するゲージ基準面と、
前記二つのゲージ基準面の少なくとも一方のゲージ基準面に設けられ、前記二つのゲージ基準面の距離間隔をそれらの平行な状態を維持しながら任意に変更し得る可動手段と、
前記二つのゲージ基準面の距離間隔を随時測定し得る測定手段と、
前記測定手段を校正して得たその測定手段の器差データを記憶する第1の記憶手段と、
前記測定手段により得られた測定値を前記第1の記憶手段に記憶された器差データを用いて補正して出力する補正手段と、
前記補正手段からの出力値を長さ測定機器の校正用基準長さとして更に任意の形式で出力・表示し得る出力・表示手段と、
前記二つのゲージ基準面の少なくとも一方に対するプロービングを検知して電気的なトリガー信号を発生するトリガー手段と
を備え、
前記トリガー信号により、前記測定手段が前記プロービングの瞬間の前記二つのゲージ基準面の距離間隔を測定するように構成することで、前記プロービング力の作用による前記二つのゲージ基準面の距離間隔の変化が当該測定値の誤差とはならないようにした
ことを特徴とする寸法可変式の端度器。 - 前記二つのゲージ基準面の少なくとも一方が光学的反射面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の寸法可変式の端度器。
- 前記二つのゲージ基準面の少なくとも一方に対するプロービングを検知して電気的なトリガー信号を発生するトリガー手段を設け、
前記トリガー信号により、前記測定手段が前記プロービングの瞬間の前記二つのゲージ基準面の距離間隔を測定するように構成することで、前記プロービング力の作用による前記二つのゲージ基準面の距離間隔の変化が当該測定値の誤差とはならないようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の寸法可変式の端度器。 - 前記可動手段が、駆動手段を備えたエアベアリング式ガイド装置であって、その相対関係としての固定部材と可動部材とのそれぞれへ、前記二つのゲージ基準面の各々を構成してなることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の寸法可変式の端度器。
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