JP6253445B2 - ホースリール装置および油圧機械 - Google Patents

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Description

本発明はホースリール装置および油圧機械に関し、特に油圧モータの停止中に油圧ホースが繰り出されないようにできるホースリール装置および油圧機械に関するものである。
ブームやケリーバ等の伸縮部材を有する油圧機械として、場所打ち杭施工を行う掘削装置や移動式クレーン等の建設機械や産業車両等がある。これら油圧機械は、伸縮部材の先端側に油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータが設けられ、本体側の油圧源から油圧ホースを介して油圧アクチュエータに作動油が供給される。伸縮部材の伸縮に伴って油圧ホースを巻き取り又は繰り出すためのホースリール装置が本体側に設けられる。油圧ホースに弛みが生じないように、ホースリール装置は、油圧ホースが巻回される胴部の側方に渦巻きばねを隣接して配置し、この渦巻きばねにより油圧ホースを巻き取る方向に胴部を常時付勢する(例えば特許文献1)。
しかし、伸縮部材の伸縮量が大きくなってホースリール装置のストローク(油圧ホースの巻き取り長さ)が大きくなると、渦巻きばねの外径および質量が大きくなるので、ホースリール装置が大型化すると共に質量が増大するという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、渦巻きばねの代わりに油圧モータを用いて、油圧ホースを巻き取る方向の回転力を胴部に付与するホースリール装置がある。以下、図4及び図5を参照して、このホースリール装置について説明する。なお、図4及び図5では、一例として掘削装置20に配置されるホースリール装置40について説明する。図4は掘削装置20の側面図である。
図4に示すように掘削装置20は、掘削刃35を有するバケット31を回転させながら地中に圧入して掘削孔(図示せず)を形成する油圧機械(所謂アースドリル)である。掘削装置20は、クローラ式走行体21に旋回可能な本体22を設置し、本体22にブーム23及びアーム24を起伏自在に取り付ける。アーム24の頂部に回転駆動装置25が配置される。回転駆動装置25に内設される駆動回転体(図示せず)に相対回転不能に且つ上下動自在にケリーバ26が貫装される。ケリーバ26は、回転駆動装置25により回転駆動されると共に、本体22に設置されるウインチ27により巻き取り又は繰り出されるワイヤロープ28に、スイベルジョイント29を介して回転自在に接続される。ウインチ27によりワイヤロープ28が巻き取り又は繰り出されることで、ケリーバ26は、回転駆動装置25に対して鉛直方向下側に向かって伸縮する。
回転駆動装置25の下部に回転テーブル30が配置され、回転テーブル30にケリーバ26が相対回転不能に且つ上下動自在に貫装される。回転テーブル30から下方に突出したケリーバ26の下端部に、ケリーバ26と一体に回転し、且つ、昇降するバケット31が装着される。
バケット31は、掘削した土砂を取り込むための容器状の部材であり、掘削孔(図示せず)の内径に対応した外径を有する円筒状の本体部32の下端に、取り込んだ土砂を排出するための円盤状の底蓋33が開閉可能に設けられている。バケット31は、本体部32と底蓋33との間に、下部が幅広で上部が幅狭の略三角形状に形成された複数の拡底翼34が開閉可能に設けられる。拡底翼34は、鉛直方向に軸線を有するヒンジ(図示せず)によって本体部32に基端が回動可能に支持され、掘削刃35を有する先端側が開閉するように構成される。
本体部32は、拡底翼34を開閉するための油圧アクチュエータ36(油圧シリンダ)が設けられている。油圧アクチュエータ36は、本体22に設けられた油圧源(図示せず)から油圧ホース37を伝って作動油が供給される。掘削時に回転するバケット31(本体部32)に油圧アクチュエータ36は設けられているので、回転駆動装置25と回転テーブル30との間に、油圧ホース37が接続されるロータリージョイント38(油圧継手)が設けられている。また、ケリーバ26の昇降(伸縮)に伴って油圧ホース37を巻き取り、又は、バケット31へ向けて繰り出すためのホースリール装置40が、ケリーバ26と一体に回転する回転テーブル30に取り付けられている。
次に図5を参照してホースリール装置40について説明する。図5は従来のホースリール装置40の正面図である。ホースリール装置40は、回転テーブル30に配置される一対の架台41と、軸42で架台41に回動自在に軸支される胴部43とを備えている。胴部43は、油圧ホース37が外周面に巻回される有底筒状の部材であり、軸42が水平方向に配置される。胴部43は、一端が軸方向両端に固定されると共に他端側が径方向外側に張り出して放射状に延びる複数の張出部44と、張出部44の径方向外側の端部に固定される円環状の円環部45とを備えている。胴部43に巻回される油圧ホース37は、繰り出し側が、架台41に固定されたガイド部46に上下動自在に挿通される。ガイド部46は、繰り出される油圧ホース37の水平方向の位置を規制すると共に、油圧ホース37を接続する継手37aが胴部43に巻き込まれないようにするストッパとしての機能を果たす部位である。
ホースリール装置40は、油圧ホース37を巻き取る方向(図5反矢印方向)の回転力を胴部43に付与する油圧モータ47が設けられている。油圧モータ47は、本体22に設けられた油圧ポンプ48を油圧源とする装置であり、油圧ホース37を巻き取る回転力は、油圧モータ47に並列に設置されたリリーフ弁49のリリーフ圧により決定される。一方、油圧ホース37を繰り出すときには、油圧モータ47により胴部43に油圧ホース37を繰り出す方向(図5矢印方向)の回転力が付与される。その結果、油圧源となる油圧ポンプ48が駆動されている間は、回転テーブル30からバケット31に向かって延びる油圧ホース37に弛みが生じないようにできる。
特開2012−12839号公報(特に段落0046)
しかし、油圧モータ47の油圧源である油圧ポンプ48は、ホースリール装置40の系外にあるエンジン等の駆動源(図示せず)により駆動されるので、掘削作業を行わない夜間等、駆動源が停止されると、油圧ポンプ48も停止する。そうすると、油圧ホース37を巻き取る方向の回転力を油圧モータ47によって胴部43に付与できない。その場合、繰り出された油圧ホース37や継手37aの自重を、油圧モータ47の内部抵抗だけで受けることになる。油圧モータ47の内部抵抗が小さかったり内部リーク量が多かったりすると、繰り出された油圧ホース37や継手37aの自重によって、駆動源が停止している間に油圧ホース37が、さらに繰り出されてしまう。
掘削孔(図示せず)の掘削中に駆動源(図示せず)が停止され、油圧ホース37が勝手に繰り出されると、油圧ホース37が垂れて掘削刃35の辺りにまで到達する。油圧ホース37が繰り出されていることに気付かないで掘削作業を再開すると、掘削刃35によって油圧ホース37が損傷するおそれがある。
また、掘削作業を再開する前に、油圧ホース37が繰り出されていることに気付いた場合には、ホースリール装置40を使って油圧ホース37を巻き取らなければならず、煩雑である。そのときに、本体部32や掘削刃35等に油圧ホース37が引っ掛かって、巻き取ることができなくなるおそれもある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、油圧モータの停止中に油圧ホースが繰り出されないようにできるホースリール装置および油圧機械を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載のホースリール装置は、油圧ホースが巻回されると共に軸が水平方向に配置される胴部と、その胴部を軸回りに回動自在に支持する架台と、油圧源から供給される作動油によって作動し、前記油圧ホースを巻き取る方向の回転力を前記胴部に付与する油圧モータとを備えるものにおいて、前記胴部は、重心が前記軸に対して偏心されている。
請求項2記載のホースリール装置は、請求項1記載のものにおいて、前記胴部は、前記軸と直交する鉛直方向上側から視て、前記軸に対して、前記油圧ホースが巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置とは反対側に前記重心が位置する。
請求項3記載のホースリール装置は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記胴部は、所定の質量を有する錘が、所定箇所に取り付けられている。
請求項4記載のホースリール装置は、請求項3記載のものにおいて、前記胴部は、前記錘が着脱自在に取り付けられる取付部を備え、その取付部は、前記胴部の周方向の複数箇所に設けられている。
請求項5記載のホースリール装置は、請求項3又は4に記載のものにおいて、前記錘の重心と前記軸との水平距離は、前記油圧ホースが前記胴部に巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置と前記軸との水平距離より大きく設定されている。
請求項6記載の油圧機械は、本体側に一端側が支持されると共に鉛直方向下側に向かって他端側が伸縮可能に構成される伸縮部材と、その伸縮部材の他端側に配置されると共に前記本体側から供給される作動油によって作動する油圧アクチュエータと、その油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ホースが巻回されると共に、前記本体側に前記架台が設置される請求項1から5のいずれかに記載のホースリール装置とを備えている。
請求項1記載のホースリール装置によれば、油圧ホースが巻回される胴部は、軸が水平方向に配置され、架台により胴部が軸回りに回動自在に支持される。油圧モータは、油圧源から供給される作動油によって作動し、油圧ホースを巻き取る方向の回転力を胴部に付与する。油圧源から作動油が供給されなくなった場合に油圧モータは停止するが、胴部は重心が軸に対して偏心されているので、軸回りのバランスによって、油圧モータの停止中に油圧ホースが繰り出されないようにできる効果がある。
請求項2記載のホースリール装置によれば、胴部は、軸と直交する鉛直方向上側から視て、軸に対して、油圧ホースが巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置とは反対側に重心が位置するので、繰り出し側の油圧ホースによる回転モーメントを相殺できる。その結果、請求項1の効果に加え、油圧ホースが巻き取られた状態から胴部を回転させ難くできる効果がある。
請求項3記載のホースリール装置によれば、胴部は所定の質量を有する錘が所定箇所に取り付けられるので、錘の質量や取付箇所に応じて胴部の重心の位置を任意に設定できる。その結果、請求項1又は2の効果に加え、油圧ホースの長さ等に応じて錘を交換することができ、油圧ホースが繰り出されないように重心の位置を設定できる効果がある。
請求項4記載のホースリール装置によれば、胴部は、錘が着脱自在に取り付けられる取付部を備え、取付部は、胴部の周方向の複数箇所に設けられる。ここで、油圧ホースの長さや胴部への巻き方が変わると、油圧ホースが巻き取られた状態において、繰り出し側の油圧ホースの位置が、胴部の周方向において変わる。この場合に、錘が取り付けられる取付部の周方向の位置を変えることで、繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置とは反対側に重心が位置するようにできる。その結果、繰り出し側の油圧ホースによる回転モーメントを相殺できる。よって、請求項3の効果に加え、油圧ホースの長さや胴部への巻き方が変わった場合も、油圧ホースが巻き取られた状態から胴部を回転させ難くできる効果がある。
請求項5記載のホースリール装置によれば、錘の重心と軸との水平距離は、油圧ホースが胴部に巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置と軸との水平距離より大きく設定されている。その結果、請求項3又は4の効果に加え、錘の重心と軸との水平距離に錘の重量を乗じた回転モーメントを利用して、比較的軽量な錘により胴部を回転させ難くできる効果がある。
請求項6記載の油圧機械によれば、本体側に一端側が支持される伸縮部材は、鉛直方向下側に向かって他端側が伸縮可能に構成される。その伸縮部材の他端側に配置される油圧アクチュエータは、本体側から供給される作動油によって作動する。請求項1から5のいずれかに記載のホースリール装置は、本体側に架台が設置され、油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ホースが巻回される。これにより、請求項1から5のいずれかと同様の効果が得られる。
本発明の第1実施の形態におけるホースリール装置の正面図である。 図1のII−II線におけるホースリール装置の断面図である。 第2実施の形態におけるホースリール装置の正面図である。 掘削装置の側面図である。 従来のホースリール装置の正面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるホースリール装置1の正面図であり、図2は図1のII−II線におけるホースリール装置1の断面図である。なお、ホースリール装置1は、従来のホースリール装置40(図5参照)に代えて掘削装置20に搭載されており、背景技術として説明したホースリール装置40と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1に示すようにホースリール装置1は、架台41に軸42で回動自在に軸支される胴部2と、胴部2の軸方向両端に径方向内側の一端が固定されると共に、他端側が径方向外側に張り出して放射状に延びる複数(本実施の形態では8本)の板状の張出部3と、径方向に延びる張出部3に沿ってそれぞれ固定される筒状部4とを備えている。ホースリール装置1は、油圧ホース37を巻き取る方向(図1時計回り)の回転力を胴部2に付与する油圧モータ47(図5参照、図1には図示せず)が軸42に連結されている。
胴部2は、油圧ホース37が外周面に巻回される有底筒状の部材であり、軸42が水平方向に向けて配置される。張出部3は、外形が略扇状に形成された板状の錘5が、軸42回りに非対称に固定されている。錘5は、金属製の部材であり、周方向に隣り合う張出部3のそれぞれにボルト6(軸状部材)により両端が固定されることで、隣り合う張出部3に跨って装着される。
図2に示すように筒状部4は、径方向に延びる張出部3に沿って被着される略筒状の部材であり、短手方向の切断面が略C型に形成される。張出部3の周方向の側縁に筒状部4の長辺が固定されることで、筒状部4の底部4aと張出部3との間に隙間Sが形成される。筒状部4は、胴部2の軸方向端面に底部4aが密着して固定されると共に、胴部2と一体に回転可能(相対回転不能)に構成される。その結果、胴部2に巻回される油圧ホース37は、筒状部4により、胴部2の外周面から脱落しないように位置が制限される。
張出部3及び錘5は、それぞれ厚さ方向(図2左右方向)に貫通する孔部3a,5aが形成されている。孔部3a,5aはボルト6が挿通される部位である。筒状部4の底部4aと張出部3との隙間Sに背面板7が挿入される。背面板7は、孔部3a,5aに挿通されたボルト6が螺着される雌ねじ7aが形成されている。張出部3及び錘5の孔部3a,5aに貫装されたボルト6を背面板7の雌ねじ7aに締結することで、錘5が張出部3に固定される。
図1に戻って説明する。錘5及びボルト6は、胴部2の軸方向外側(図1紙面手前側)から張出部3に取着される。その結果、胴部2の軸方向内側(図1紙面奥側)から張出部3に錘5及びボルト6が取着される場合と比較して、取付作業性を向上できる。また、錘5及びボルト6は、胴部2の軸方向外側(図1紙面手前側)の張出部3に取着されるので、錘5及びボルト6が、油圧ホース37が胴部2に巻回されるときの障害になることを防止できる。
張出部3は胴部2に対して相対回転不能なので、張出部3に錘5が取着されることにより、胴部2は、重心が軸42に対して偏心する。なお、錘5が張出部3に固定される位置および錘5の質量は、油圧モータ47による油圧ホース37の繰り出し又は巻き取りに影響を与えないような位置および質量に設定される。これにより、油圧モータ47による油圧ホース37の繰り出し又は巻き取りに影響を与えないようにしつつ、胴部2を偏心させることができる。
ここで、掘削作業を行わない夜間等に、掘削装置20の駆動を停止して油圧ポンプ48の駆動源(エンジン等、図示せず)を停止すると、油圧ポンプ48も停止する。油圧モータ47の油圧源(油圧ポンプ48)が停止するので、油圧ホース37を巻き取る方向の回転力を油圧モータ47によって胴部2に付与できなくなる。この場合、繰り出された油圧ホース37や継手37aの自重を、油圧モータ47の内部抵抗だけで受けることになるので、油圧モータ47の内部抵抗が小さかったり内部リーク量が多かったりすると、繰り出された油圧ホース37や継手37aの自重によって、油圧モータ47が停止している間に油圧ホース37が、勝手に繰り出されてしまう。
ホースリール装置1によれば、胴部2の重心を軸42に対して偏心させているので、油圧モータ47の内部抵抗に加え、偏心した重心による胴部2の回転モーメントにより、油圧ホース37や継手37aの自重によって油圧ホース37の繰り出し方向(図1反時計回り)に胴部2が回転することを阻止できる。その結果、油圧モータ47の停止中に油圧ホース37が繰り出されないようにできる。
また、胴部2は、軸42と直交する鉛直方向上側(図1上側)から視て、軸42に対して、油圧ホース37が巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホース37の先端側の位置P(軸42に対して図1左側)とは反対側(軸42に対して図1右側)に重心が位置する。その結果、胴部2の偏心によって、繰り出し側の油圧ホース37による回転モーメントを相殺できる。よって、油圧ホース37が巻き取られた状態から胴部2を回転させ難くできる。
これに対し、軸42と直交する鉛直方向上側(図1上側)から視て、軸42に対して、位置P(軸42に対して図1左側)と同じ側(軸42に対して図1左側)に胴部2の重心が位置する場合には、胴部2の偏心による回転力が、油圧ホース37を繰り出す回転力(図1反時計回り)に加わる。そのため、軸42と直交する鉛直方向上側(図1上側)から視て、軸42に対して、位置P(軸42に対して図1左側)と反対側(軸42に対して図1右側)に重心が移動するまでは、胴部2は回転する。この場合、少なくとも胴部2が約半周する分だけ油圧ホース37が繰り出される。ホースリール装置1によれば、これ以上の繰り出しを防止することができ、胴部2を静止させて油圧ホース37の繰り出しを防止できる。
なお、胴部2の重心の位置(軸42に対して図1右側)及び重心に作用する力は、それらによる回転モーメントに基づく胴部2の回転力(図1時計回り)が、繰り出し側の油圧ホース37による回転モーメントに基づく回転力(図1反時計回り)と同一もしくは大きくなるように設定される。油圧ホース37が繰り出される回転力に抗する回転力を胴部2に付与するためである。
また、ホースリール装置1によれば、胴部2は錘5が取り付けられることで偏心するので、錘5の質量や取付箇所に応じて胴部2の重心の位置を任意に設定できる。その結果、油圧ホース37の長さ等に応じて、油圧ホース37が繰り出されないように重心の位置を設定できる。
なお、胴部2は、軸方向端面から径方向外側に放射状に張り出し、胴部2と相対回転不能に構成された張出部3を備えている。張出部3を周方向に連続させないことで、周方向に連続するフランジ状の鍔部を胴部2の軸方向端面に設ける場合と比較して、胴部2を軽量化できる。その結果、比較的軽量な錘5を用いて、胴部2を効果的に偏心させることができる。
また、ホースリール装置1によれば、錘5の重心Gと軸42との水平距離R2は、油圧ホース37が胴部2に巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホース37の先端側の位置Pと軸42との水平距離R1より大きく設定されている。その結果、錘5の重心Gと軸42との水平距離R2に錘5の重量を乗じた回転モーメントを利用して、比較的軽量な錘5により胴部2を回転させ難くできる。
これに対し、水平距離R2が水平距離R1と同じか小さく設定されている場合には、それを補うために錘5の質量を大きくしなければならない。錘5の質量が大きくなるにつれ、錘5を胴部2(張出部3)に取り付けるときの取付作業性が低下する。ホースリール装置1によれば、これを防止することができ、錘5の取付作業性を向上できる。
また、ホースリール装置1が搭載される回転テーブル30は、作業時のケリーバ26及びバケット31の回転に伴って回転する。また、回転テーブル30はケリーバ26が貫設されるので、ホースリール装置1を搭載するスペースも制約を受ける。ホースリール装置1は、狭スペースで作業時に回転する回転テーブル30に搭載されるので、胴部2に巻き取られた油圧ホース37の繰り出しを防ぐために複雑な機構を設けることはできない。ホースリール装置1によれば、胴部2を偏心させるという簡単な機構で、胴部2に巻き取られた油圧ホース37の繰り出しを防ぐことができる。大きなスペースを要さずに確実に油圧ホース37の繰り出しを防止できるので、省スペース性および信頼性に優れる。
次に図3を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、胴部2に対する錘5の装着位置が一箇所に決められている場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、胴部2の周方向の複数箇所に錘15を装着可能なホースリール装置11について説明する。なお、第1実施の形態および背景技術で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3は第2実施の形態におけるホースリール装置11の正面図である。
図3に示すようにホースリール装置11は、架台41に軸42で回動自在に軸支される胴部12と、胴部12の軸方向両端に径方向内側の一端が固定されると共に、他端側が径方向外側に張り出して放射状に延びる複数(本実施の形態では8本)の板状の張出部13とを備え、油圧ホース37を巻き取る方向(図3時計回り)の回転力を胴部12に付与する油圧モータ47(図5参照、図3には図示せず)が軸42に連結されている。
胴部12は、油圧ホース37が外周面に巻回される有底筒状の部材であり、軸42が水平方向に向けて配置される。張出部13は、円環部45近くの径方向外側に、矩形状の取付部14がそれぞれ設けられる。取付部14は、錘15が取り付けられる部位であり、周方向の複数(本実施の形態では8)箇所に所定の間隔(張出部13と同じ間隔)をあけて設けられており、各取付部14に雌ねじ14aが形成されている。
錘15は、外形が略扇状に形成される金属製の板状の部材であり、ボルト16(軸状部材)が挿通される孔部(図示せず)が、厚さ方向(図3紙面垂直方向)に貫通形成されている。錘15は、孔部(図示せず)にボルト16を挿通し、周方向に隣り合う張出部13の雌ねじ14aにボルト16を螺嵌することにより、隣り合う張出部13に跨って装着される。
張出部13及び取付部14は、軸42回りの周方向に等間隔に設けられているので、ボルト16の着脱によって、異なる張出部13及び取付部14に錘15を取着できる。錘15を取着する位置を周方向に変えることで、胴部12の重心を偏心させつつ周方向の所定位置に変更することができる。
ここで、油圧ホース37を交換したり延長したりすることで油圧ホース37の長さを変えると、油圧ホース37が胴部12に巻き取られた状態において、繰り出される油圧ホース37の位置が、胴部12の周方向の位置において変わる。また、油圧ホース37は、通常、胴部12に単列で多層巻きにされるが、巻き方が乱れると、胴部12に巻き取られたドラム状の油圧ホース37の外径が変わるので、油圧ホース37が胴部12に巻き取られた状態において、繰り出される油圧ホース37の周方向の位置が変わる。
このような場合に、錘15が取り付けられる取付部14の周方向の位置を変えることで、軸42と直交する鉛直方向上側(図3上側)から視て、軸42に対して、繰り出し側の油圧ホース37の先端側の位置(軸42に対して図3左側)とは反対側(軸42に対して図3右側)に、錘15が位置するように錘15の周方向の位置を調整できる。その結果、錘15によって、繰り出し側の油圧ホース37による回転モーメントを相殺できる。よって、油圧ホース37の長さや胴部12への巻き方が変わった場合も、油圧ホース37が巻き取られた状態から胴部12を回転させ難くできる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、張出部3,13の数や錘5,15の形状等は、適宜設定できる。
上記各実施の形態では、張出部3,13に錘5,15を取着する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出部3,13の径方向外側端部に取り付けられる円環部45に錘5,15を取着することは当然可能である。円環部45に錘5,15を取着することで、軸42と錘5,15の重心との水平距離を稼ぐことができるので、さらに錘5,15を軽量化できる可能性がある。
上記各実施の形態では、張出部3,13(胴部2,12の一部)に錘5,15を着脱自在に取着する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出部3,13に錘5,15を溶接等によって固定することは当然可能である。
上記各実施の形態では、拡底翼34を備える掘削装置20にホースリール装置1,11が取り付けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の油圧機械にホースリール装置1,11を取り付けることは当然可能である。他の油圧機械としては、例えば、全旋回式オールケーシング掘削装置が挙げられる。全旋回式オールケーシング掘削装置は、ケーシング(ケーシングチューブ)を回転させながら地中に圧入すると共に、油圧モータや油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって、ケーシングの内部に収容配置したバケットに回転力を伝達して、掘削した土砂を、ケーシングと共に回転するバケットに取り込んで排土(揚土)する油圧機械である。また、他の油圧機械として、内蔵された油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)を有する機構により複数段に伸縮可能な伸縮ブームが、本体に傾動可能に支持された移動式クレーンを挙げることができる。
1,11 ホースリール装置
2,12 胴部
3,13 張出部(胴部の一部)
4 筒状部(胴部の一部)
5,15 錘
14 取付部
20 掘削装置(油圧機械)
22 本体
26 ケリーバ(伸縮部材)
36 油圧アクチュエータ
37 油圧ホース
41 架台
42 軸
47 油圧モータ
48 油圧ポンプ(油圧源)
R1,R2 水平距離

Claims (6)

  1. 油圧ホースが巻回されると共に軸が水平方向に配置される胴部と、
    その胴部を軸回りに回動自在に支持する架台と、
    油圧源から供給される作動油によって作動し、前記油圧ホースを巻き取る方向の回転力を前記胴部に付与する油圧モータとを備えるホースリール装置において、
    前記胴部は、重心が前記軸に対して偏心されていることを特徴とするホースリール装置。
  2. 前記胴部は、前記軸と直交する鉛直方向上側から視て、前記軸に対して、前記油圧ホースが巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置とは反対側に前記重心が位置することを特徴とする請求項1記載のホースリール装置。
  3. 前記胴部は、所定の質量を有する錘が、所定箇所に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のホースリール装置。
  4. 前記胴部は、前記錘が着脱自在に取り付けられる取付部を備え、
    その取付部は、前記胴部の周方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項3記載のホースリール装置。
  5. 前記錘の重心と前記軸との水平距離は、前記油圧ホースが前記胴部に巻き取られた状態における繰り出し側の油圧ホースの先端側の位置と前記軸との水平距離より大きく設定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のホースリール装置。
  6. 本体側に一端側が支持されると共に鉛直方向下側に向かって他端側が伸縮可能に構成される伸縮部材と、
    その伸縮部材の他端側に配置されると共に前記本体側から供給される作動油によって作動する油圧アクチュエータと、
    その油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ホースが巻回されると共に、前記本体側に前記架台が設置される請求項1から5のいずれかに記載のホースリール装置とを備えていることを特徴とする油圧機械。
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