以下、本発明に係る冷凍装置の室外ユニットについて、図面を用いて詳細に説明する。
(1)空調システム100の設置例
図1は、本実施形態に係る空調システム100が建物1に対して設置された例を示す概略図である。図2は、空調システム100の回路等の概略構成図である。図3は、空調システム100のブロック構成図である。
この空調システム100が設置された例の建物1は、1階の第1部屋2aおよび第2部屋2b、2階の第3部屋2cおよび第4部屋2d、地下室2e、天井裏2fを有する住宅である。
このうち、地下室2eには、後述するヒートポンプガスファーネス一体ユニット30が設置されている。また、建物1の屋外には、後述するヒートポンプユニット6の一部である室外ユニット70が設置されている。
地下室2eのヒートポンプガスファーネス一体ユニット30で作られた調和空気は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吹出口側から延びるように設けられている給気ダクト31を介して、第1部屋2a、第2部屋2b、第3部屋2c、第4部屋2dにそれぞれ供給される。具体的には、給気ダクト31は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吹出口側とは反対側が複数に分岐するように構成されており、分岐部分の一部である第1吹出分岐部分31aが第1部屋2a内に位置しており、分岐部分の一部である第2吹出分岐部分31bが第2部屋2b内に位置しており、分岐部分の一部である第3吹出分岐部分31cが第3部屋2c内に位置しており、分岐部分の一部である第4吹出分岐部分31dが第4部屋2d内に位置している。
また、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30が調和する対象となる空気は、還気ダクト39を介して、各第1部屋2a、第2部屋2b、第3部屋2c、第4部屋2dから集められる。具体的には、還気ダクト39は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吸込口側とは反対側が複数に分岐するように構成されており、分岐部分の一部である第1吸込分岐部分39aが第1部屋2a内に位置しており、分岐部分の一部である第2吸込分岐部分39bが第2部屋2b内に位置しており、分岐部分の一部である第3吸込分岐部分39cが第3部屋2c内に位置しており、分岐部分の一部である第4吸込分岐部分39dが第4部屋2d内に位置している。
(2)空調システム100の概略構成
空調システム100は、温度調節された空気を作り出して、空調対象空間に対して供給するためのシステムであり、ファンユニット40、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、コントロールインターフェイス10、室内温度センサ62、メインコントローラ20、上述の給気ダクト31、還気ダクト39等を有している。
このうち、ヒートポンプユニット6は、液冷媒連絡配管76およびガス冷媒連絡配管77を介して互いに接続される利用ユニット60と室外ユニット70を有して構成されている。
ファンユニット40と、ガスファーネスユニット50と、ヒートポンプユニット6のうちの利用ユニット60は、図2に示すように、一体化されることでヒートポンプガスファーネス一体ユニット30を構成している。
ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30は、筐体30aを有している。筐体30aの内部では、ファンユニット40とヒートポンプユニット6のうちの利用ユニット60とガスファーネスユニット50が直線状に並ぶように収容されている。本実施形態では、ファンユニット40が最も下に配置されており、ガスファーネスユニット50と利用ユニット60がこの順でファンユニット40の上方に並んで配置されている。
コントロールインターフェイス10は、特に限定されないが、本実施形態では建物1の第1部屋2aに設けられている。コントロールインターフェイス10は、ユーザからの設定温度等の運転設定情報の入力を受け付ける。さらに、コントロールインターフェイス10は、空調システム100の運転開始および運転停止の指示を、ユーザから受け付ける。また、コントロールインターフェイス10は、運転状態の情報を表示するための表示部(図示せず)を有している。コントロールインターフェイス10は、地下室2eに配置されたメインコントローラ20と通信可能に接続されている。
室内温度センサ62は、特に限定されないが、本実施形態では建物1の第1部屋2aに配置され、第1部屋2aの温度(第1吹出分岐部分31aや第1吸込分岐部分39aから離れた場所での温度)を検知している。室内温度センサ62は、地下室2eに配置されたメインコントローラ20と接続されており、メインコントローラ20に対して現在の第1部屋2aの温度を知らせることが可能になっている。
メインコントローラ20は、コントロールインターフェイス10を介してユーザから受け付けた情報と、室内温度センサ62が検知した室内温度と、室外ユニット70の室外温度センサ78が検知した室外温度等に基づいて、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、ファンユニット40等を制御する。このメインコントローラ20は、各種の所定の基準値が格納された基準値メモリ20a、運転履歴に関する情報が格納された履歴メモリ20b、図示しないCPU等を有している。基準値メモリ20aには、後述する高基準温度T1、低基準温度T2、暖房負荷基準値、デューティー基準値等が予め格納されており、コントロールインターフェイス10を介してユーザから受け付けた設定温度の情報も格納されている。また、基準値メモリ20aには、冷房運転時の運転再開条件の温度(設定温度に所定値を加えた温度)、および、暖房運転時の運転再開条件の温度(設定温度から所定値を減じた温度、冷房運転の所定値と異なってもよい)も格納される。履歴メモリ20bには、後述する直近種類情報、推移情報(サーモオン時間)、ガスファーネス暖房運転時のデューティー比等が、その都度格納される。
以下、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、ファンユニット40等について、それぞれ説明する。
(3)ヒートポンプユニット6
ヒートポンプユニット6は、図2に示すように、利用ユニット60、室外ユニット70、液冷媒連絡配管76およびガス冷媒連絡配管77を有して構成された蒸気圧縮式の空気調和装置である。本実施形態のヒートポンプユニット6は、冷房運転と暖房運転の両方を切り換えによって実行可能に構成されている。
利用ユニット60と室外ユニット70は、液冷媒連絡配管76を介して接続された部分と、ガス冷媒連絡配管77を介して接続された部分を有している。
利用ユニット60は、利用側熱交換器61を有している。利用側熱交換器61は、内部を通過する冷媒と、外部を通過する空気との間で熱交換を行わせる。この利用側熱交換器61は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30aの内部の鉛直方向に延びる通路を埋めるように配置されている。利用側熱交換器61内の一端には、液冷媒連絡配管76が接続されており、他端にはガス冷媒連絡配管77が接続されている。
室外ユニット70は、建物1の屋外に設置されており、圧縮機71、四路切換弁72、室外熱交換器73、室外ファン74、電動膨張弁75、室外温度センサ78、および、室外ユニットコントローラ79を有している。圧縮機71は、電気エネルギーを使って駆動されるインバータ機を有している。圧縮機71は、このインバータ機の駆動周波数を変化させることで容量を変えることができる。室外ユニットコントローラ79は、この圧縮機71と接続され、インバータ機の駆動周波数を制御するインバータ制御部71aを有している。室外熱交換器73は、室外ファン74によって供給される屋外空気と、内部を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる。室外ファン74は、風量を制御するための室外ファンモータ74aを有している。この室外ファンモータ74aは、室外ユニットコントローラ79によって制御される。電動膨張弁75は、弁開度を変化させることで通過する冷媒量を変えることができる。圧縮機71、四路切換弁72、室外熱交換器73、電動膨張弁75、利用側熱交換器61は、互いに接続されることで、内部を冷媒が循環する冷媒回路6aを構成している。四路切換弁72は、接続状態を切り換えることで、冷媒回路6aにおける冷媒流れ方向を暖房運転状態と冷房運転状態とに切り換えることができる。暖房運転状態(図2の実線で示す接続状態)では、圧縮機71を駆動させて冷媒回路6a内に冷媒を循環させることにより、圧縮機71の吐出側、四路切換弁72、利用側熱交換器61、電動膨張弁75、室外熱交換器73、四路切換弁72、圧縮機71の吸入側の順に冷媒を流し、利用側熱交換器61を冷媒の放熱器として機能させつつ、室外熱交換器73を冷媒の加熱器として機能させる。これにより、建物1の外の空気から熱を奪って建物1の中へ熱を供給することができる。冷房運転状態(図2の点線で示す接続状態)では、圧縮機71を駆動させて冷媒回路6a内に冷媒を循環させることにより、圧縮機71の吐出側、四路切換弁72、室外熱交換器73、電動膨張弁75、利用側熱交換器61、四路切換弁72、圧縮機71の吸入側の順に冷媒を流し、利用側熱交換器61を冷媒の加熱器として機能させつつ、室外熱交換器73を冷媒の放熱器として機能させる。これにより、建物1の中の空気から熱を奪って建物1の外へ熱を放出することができる。この四路切換弁72は、室外ユニットコントローラ79によって接続状態が切り換えられる。
室外温度センサ78は、室外熱交換器73を通過する前の屋外の空気の温度を検知する。この室外温度センサ78で検知された温度情報は、室外ユニットコントローラ79に伝えられる。
室外ユニットコントローラ79は、メインコントローラ20からの指令を受けて、室内温度センサ62の検知温度および室外温度センサ78の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、室外ファンモータ74aおよび電動膨張弁75の制御を行うとともに、インバータ制御部71aによって圧縮機71の駆動周波数を制御して、冷暖房の能力を調節する。
なお、ヒートポンプユニット6は、外気温度が極低温の場合等のように室外熱交換器73において冷媒を蒸発させる能力が不足する等して効率的な運転や能力を十分に発揮させる運転が困難な外気温度範囲は存在するが、外気温度が当該極低温よりも高い場合には、ガスファーネスユニット50よりもCOP(Coefficient of Performance;成績係数やエネルギー消費効率と呼ばれる指標)が良好な運転が可能な装置である。ここで、COPとは、加熱または冷却の能力Qを、その能力Qを得るための消費エネルギーLで割った値である。
(4)ガスファーネスユニット50
ガスファーネスユニット50は、図2に示すように、ガスファーネスコントローラ51、燃料調節弁54、ファーネスファン56、燃焼室57、ファーネス熱交換器58、排気管59等を有して構成されたガス燃焼式暖房機である。
ガスファーネスコントローラ51は、メインコントローラ20と通信可能に接続されており、メインコントローラ20からの指令に基づいて、燃料調節弁54を通過させる燃料の量や、ファーネスファンモータ56aを制御する。
燃焼室57には、ガスバーナ57aが設けられている。燃焼室57には、燃焼ガス供給管53を介して燃料ガスが供給され、空気供給管55を介して空気が供給される。ここで、燃焼ガスとしては、特に限定されないが、例えば、天然ガス等が用いられる。
燃焼ガス供給管53には、燃焼室57に供給される燃焼ガスの量を調節するための燃料調節弁54が途中に設けられている。この燃料調節弁54の開度が開けられることで燃焼室57に燃焼ガスが供給される。この燃料調節弁54の弁開度も、上述したように、ガスファーネスコントローラ51によって制御される。
空気供給管55と燃焼室57との間には、ファーネスファン56が設けられている。このファーネスファン56が回転駆動することによって、空気が燃焼室57まで送られる。このファーネスファン56は、回転数可変式のファーネスファンモータ56aを備えている。このファーネスファンモータ56aも、上述したように、ガスファーネスコントローラ51によって制御される。
このようにして燃焼室57に供給された燃焼ガスと空気とは混ざり合い、ガスバーナ57aによって燃焼し、高温ガスを生じさせる。この高温ガスは、ファーネス熱交換器58に送られる。
ファーネス熱交換器58は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内であって、利用ユニット60の鉛直下方に配置されている。このファーネス熱交換器58は、内部を通過する加熱ガスと、外部をヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30aを上方に向けて通過する空気と、の間で熱交換を行わせる。これにより、ファーネス熱交換器58の外部を通過した空気は、暖められる。
排気管59は、ファーネス熱交換器58の燃焼室57側とは反対側の端部に接続されている。排気管59のファーネス熱交換器58との接続部分には、排気ヘッダ59aが設けられている。
(5)ファンユニット40
ファンユニット40は、図2に示すように、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内のうち、利用ユニット60およびガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58の下方に配置され、筐体30a内に下から上に向かう空気流れを生じさせる共通ファン41を有している。
この共通ファン41は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内の流路において、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58および利用ユニット60の利用側熱交換器61が直線状に並べられている。これにより、共通ファン41が駆動するだけで、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58と利用ユニット60の利用側熱交換器61の両方に対して空気流れを供給することが可能になっている。すなわち、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58に対応したファンと、利用ユニット60の利用側熱交換器61に対応したファンと、を個別に設ける必要が無くなっている。
共通ファン41は、回転数可変式の共通ファンモータ41aを備えており、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内を通過させる空気の量を調節することが可能になっている。この共通ファンモータ41aは、メインコントローラ20によって制御される。
(6)空調システム100の制御
空調システム100では、メインコントローラ20によって、冷房運転の制御、および、暖房運転の制御が行われる。ここで、暖房運転の制御では、暖房起動時の制御と、暖房サーモオン時の制御が行われる。
(6−1)冷房運転の制御
空調システム100では、冷房運転時は、ガスファーネスユニット50の運転は停止し、ヒートポンプユニット6を四路切換弁72が冷房運転状態に切り換えられた状態で駆動させて、ファンユニット40の共通ファン41を駆動させることで、第1〜第4部屋2a〜2dに対して冷風を供給する。
ここで、ヒートポンプユニット6の圧縮機71、室外ファンモータ74a、電動膨張弁75および共通ファンモータ41aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20および室外ユニットコントローラ79によって制御される。
なお、空調システム100は、コントロールインターフェイス10において、ユーザからの起動の入力を受け付けることで起動し、ユーザからの停止の入力を受け付けることで完全停止する(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度になっていない場合であっても、その関係に関わらず、ファンユニット40、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50の全てが駆動していない状態が維持されるようにする。)。
以下、冷房運転の制御の起動時および運転再開時について、それぞれ説明する。
(6−1−1)起動時の冷房運転の制御
起動時の冷房運転では、図4のフローチャートに示すように制御が行われる。
ステップS10では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの起動の入力を受け付けたか否かを判断する。起動の入力を受け付け無い場合には、起動の入力を受け付けるまで待機する。起動の入力を受け付けた場合には、ステップS11に移行する。
ステップS11では、起動時から室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達するまで(サーモオフするまで)の間、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを駆動させ、電動膨張弁75の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを駆動させる。
ステップS12では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの停止の入力を受け付けたか否かを判断する。停止の入力を受け付けて無い場合には、ステップS13に移行する。停止の入力を受け付けた場合には、ステップS15に移行する。
ステップS13では、メインコントローラ20が、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達しているか否かを判断する。ここで、設定温度に達していた場合にはステップS14に移行し、達していない場合にはステップS12に戻る。
ステップS14では、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させる(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ高い温度を検知して(運転再開条件を満たして)ファンユニット40およびヒートポンプユニット6の駆動を再開させる前の段階まで、停止状態を維持する。)。
ステップS15では、室外ユニットコントローラ79がヒートポンプユニット6の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。
(6−1−2)運転再開時の冷房運転の制御
室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ高い温度を検知した場合に(運転再開条件を満たした場合に)、図5のフローチャートに示すように、運転再開時の冷房運転を行う。
運転再開時の冷房運転では、以下のように、冷房運転の起動時と同様の制御が行われる。ステップS20では、メインコントローラ20が、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ高い温度を検知したか否か(運転再開条件を満たしたか否か)を判断する。ここで、運転再開条件を満たしていた場合には、ステップS21に移行する。
ステップS21では、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを再び駆動させ、電動膨張弁75の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを再び駆動させる。
ステップS22では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの停止の入力を受け付けたか否かを判断する。停止の入力を受け付け無い場合には、ステップS23に移行する。停止の入力を受け付けた場合には、ステップS25に移行する。
ステップS23では、メインコントローラ20が、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達しているか否かを判断する。ここで、設定温度に達していた場合にはステップS24に移行し、達していない場合にはステップS22に戻る。
ステップS24では、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させ、ステップS20に戻って繰り返す。ステップS25では、室外ユニットコントローラ79がヒートポンプユニット6の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。
(6−2)暖房運転の制御
空調システム100では、暖房運転時は、ガスファーネスユニット50とヒートポンプユニット6のいずれか一方を用いて温かい空気を作り、ファンユニット40の共通ファン41を駆動させること第1〜第4部屋2a〜2dに対して温風を供給する。
ここで、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが困難であるかもしくは能力を十分に発揮させることが困難な程度に外気温度が極低温になった場合や暖房負荷が大き場合には、ヒートポンプユニット6が停止し、ガスファーネスユニット50のみが駆動するガスファーネス暖房運転が行われる。他方、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが可能であり能力を十分に発揮させることも可能な外気温度の場合や暖房負荷が小さい場合には、ガスファーネスユニット50が停止し、ヒートポンプユニット6のみが駆動するヒートポンプ暖房運転が行われる。この極低温、すなわち、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが困難であるかもしくは能力を十分に発揮させることが困難な程度に低い外気温度は、高基準温度T1として予め定められて基準値メモリ20aに格納されている。ここで、この極低温(高基準温度T1)よりもさらに低温ではあるが、ガスファーネスユニット50を運転させる場合と比べると、より効率的にヒートポンプユニット6を運転させることが可能である程度に暖房負荷が小さい場合が存在する。このように暖房負荷が小さい場合にヒートポンプユニット6の運転を優先させる基準となる温度は、上記の高基準温度T1よりも低い温度である低基準温度T2として予め定められて基準値メモリ20aに格納されている。なお、ヒートポンプユニット6が暖房運転を行う場合は、四路切換弁72が暖房運転状態に切り換えられた状態で駆動される。
ここで、ガスファーネス暖房運転時には、燃料調節弁54およびファーネスファンモータ56aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20およびガスファーネスコントローラ51によって制御される。
また、ヒートポンプ暖房運転時には、圧縮機71、室外ファンモータ74a、電動膨張弁75および共通ファンモータ41aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20および室外ユニットコントローラ79によって制御される。
なお、空調システム100は、冷房運転時と同様に、コントロールインターフェイス10において、ユーザからの起動の入力を受け付けることで起動し、ユーザからの停止の入力を受け付けることで完全停止する(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度になっていない場合であっても、その関係に関わらず、ファンユニット40、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50の全てが駆動していない状態が維持されるようにする。)。
以下、暖房運転の制御の起動時および運転再開時について、それぞれ説明する。
(6−2−1)起動時の暖房運転の制御
起動時の暖房運転では、図6のフローチャートに示すように制御が行われる。
ステップS30では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの起動の入力を受け付けたか否かを判断する。起動の入力を受け付け無い場合には、起動の入力を受け付けるまで待機する。起動の入力を受け付けた場合には、ステップS31に移行する。
ステップS31では、メインコントローラ20が、室外温度センサ78が検知する外気温度が、基準値メモリ20aに格納されている高基準温度T1以上であるか否かを判断する。ここで、外気温度が高基準温度T1以上であると判断された場合には、ステップS32に移行し、外気温度が高基準温度T1以上ではないと判断された場合には、ステップS33に移行する。なお、起動時の暖房運転では、暖房負荷が大きいものと推定されるため、極低温より低い外気温度での暖房負荷が小さい場合のヒートポンプユニット6の運転は行われない。
ステップS32では、メインコントローラ20が、外気温度が極低温より低い温度ではなくヒートポンプユニット6を駆動させるほうが効率がよい状況であると判断し、ガスファーネスユニット50を駆動させるのではなく、ヒートポンプユニット6を駆動させるようにして、ヒートポンプ暖房運転を行う。ヒートポンプ暖房運転では、室内温度が設定温度になるように、室外ユニットコントローラ79が、圧縮機71および室外ファンモータ74aを駆動させ、電動膨張弁75の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が、共通ファンモータ41aを駆動させる。その後、ステップS34に移行する。
ステップS33では、メインコントローラ20が、外気温度が極低温より低い温度であるためヒートポンプユニット6を駆動させることなくガスファーネスユニット50を駆動させて暖房能力を確保したほうよい状況であると判断し、ヒートポンプユニット6を駆動させるのではなく、ガスファーネスユニット50を駆動させるようにして、ガスファーネス暖房運転を行う。ガスファーネス暖房運転では、ガスファーネスコントローラ51が、室内温度が設定温度になるように、ファーネスファンモータ56aを駆動させつつ燃料調節弁54の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が、共通ファンモータ41aを駆動させる。その後、ステップS34に移行する。
ステップS34では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの停止の入力を受け付けたか否かを判断する。停止の入力を受け付けて無い場合には、ステップS35に移行する。停止の入力を受け付けた場合には、ステップS37に移行する。
ステップS35では、メインコントローラ20が、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達しているか否かを判断する。ここで、設定温度に達していた場合には、その時点で行われている暖房運転の種類(直近種類情報)、および、ステップS32でヒートポンプ暖房運転を開始してから初めて設定温度に達するまでに要した時間長さ(推移情報の一部としてのサーモオン時間)もしくはステップS33でガスファーネス暖房運転を開始してから初めて設定温度に達するまでに要した時間長さ(推移情報の一部としてのサーモオン時間)をメインコントローラ20の履歴メモリ20bに格納して、ステップS36に移行する。設定温度に達していない場合には、ステップS34に戻る。
ステップS36では、ヒートポンプ暖房運転が行われていた場合には、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させる(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ低い温度を検知する(運転再開条件を満たす)まで、停止状態を維持する。また、ガスファーネス暖房運転が行われていた場合には、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、ガスファーネスコントローラ51がファーネスファンモータ56aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させる(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ低い温度を検知する(運転再開条件を満たす)まで、停止状態を維持する。)。
ステップS37では、ヒートポンプ暖房運転が行われていた場合には、室外ユニットコントローラ79がヒートポンプユニット6の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。また、ガスファーネス暖房運転が行われていた場合には、ガスファーネスコントローラ51がガスファーネスユニット50の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。
(6−2―2)運転再開時の暖房運転の制御
運転再開時の暖房運転では、図7のフローチャートに示すように制御が行われる。
ステップS40では、起動時の暖房運転が終了したことで、徐々に第1空間2aの温度が下がり、室内温度センサ62が検知する室内温度が、設定温度よりも所定値(冷房時とは値が異なっていてもよい)だけ温度が低下しているか否かをメインコントローラ20が判断する。ここで、室内温度が低下していたと判断された場合に、ステップS41に移行する。なお、この時点でガスファーネス暖房運転が行われていた場合には、メインコントローラ20は、ガスファーネス暖房運転時のデューティー比を履歴メモリ20bに格納する。ガスファーネス暖房運転時のデューティー比は、ガスファーネス暖房運転の開始から初めて設定温度に到達するまでに要した時間長さを、当該ガスファーネス暖房運転の開始から次のガスファーネス暖房運転の開始もしくはヒートポンプ暖房運転の開始までの時間長さで除して得られる比の値のことをいう。
ステップS41では、メインコントローラ20が、履歴メモリ20bに格納されている直近種類情報に基づいて、前回の設定温度に到達させた時点での運転が、ヒートポンプ暖房運転であったかガスファーネス暖房運転であったかを判断する。ここで、前回の運転がヒートポンプ暖房運転であった場合には、ステップS42に移行する。前回の運転がヒートポンプ暖房運転ではなかった場合には、ステップS43に移行する。
ステップS42では、メインコントローラ20が、履歴メモリ20bに格納されている推移情報に基づいて、現時点で予想される将来の暖房負荷(暖房負荷予想値)を求める。そして、メインコントローラ20は、求めた暖房負荷予想値が予め定めた暖房負荷基準値よりも小さいか否かを判断する。ここで、暖房負荷予想値が暖房負荷基準値よりも小さい場合には、ステップS45に移行し、小さくない場合には、ステップS46に移行する。ここで、推移情報は、履歴メモリ20bに格納されている最近の連続する複数回分(本実施形態では、例えば、3回分)のサーモオン時間の変化を示す情報である。この推移情報には、直近のサーモオン時間の情報および直近以外の過去の連続した複数回分のサーモオン時間の情報も含まれている。メインコントローラ20は、推移情報に基づいて、サーモオン時間が長く推移してきていることを把握すると現時点で予想される将来の暖房負荷(暖房負荷予想値)は大きいと予想し、サーモオン時間が短く推移してきていることを把握すると現時点で予想される将来の暖房負荷(暖房負荷予想値)が小さいと予想する。また、暖房負荷基準値は、ヒートポンプ暖房運転が行われる場合とガスファーネス暖房運転が行われる場合とのいずれが効率的あるか判断するための基準として、予め基準値メモリ20aに格納されている。具体的には、暖房負荷基準値は、暖房能力が大きいガスファーネス暖房運転を行ってしまうと発停頻度が高くなり過ぎるためにヒートポンプ暖房運転を行うほうが好ましいと判断する際の基準とすることができる。
ステップS43では、メインコントローラ20が、室外温度センサ78が検知する外気温度が高基準温度T1以上であるか否かを判断する。この高基準温度T1は、上記起動時の暖房運転の高基準温度と同様である。ここで、外気温度が高基準温度T1以上であると判断された場合には、ステップS45に移行し、外気温度が高基準温度T1以上ではないと判断された場合には、ステップS44に移行する。
ステップS44では、メインコントローラ20が、室外温度センサ78が検知する外気温度が低基準温度T2以上であって、かつ、直近のガスファーネス暖房運転時のデューティー比がデューティー基準値よりも小さいか否かを判断する。ここで、低基準温度T2は、高基準温度T1よりも低い温度であり、暖房負荷が小さい場合にはガスファーネス暖房運転よりもヒートポンプ暖房運転の方が効率がよくなることを示す判断基準温度である。また、デューティー基準値は、これよりも値が大きい場合には暖房負荷が大きい状況であるためヒートポンプ暖房運転よりもガスファーネス暖房運転の方が望ましいと判断するための基準となる値である。すなわち、直近のガスファーネス暖房運転時のデューティー比が大きいということは、ガスファーネス暖房運転もしくはヒートポンプ暖房運転の開始から次の開始まで時間間隔が相対的に短く、暖房運転が行われている時間が相対的に長いということになるため、暖房運転が大きい状況であると推測することができ、ガスファーネス暖房運転を維持するように制御することが可能になる。そして、外気温度が低基準温度T2以上であって、かつ、直近のガスファーネス暖房運転時のデューティー比がデューティー基準値よりも小さい場合には、ステップS45に移行し、小さくない場合には、ステップS46に移行する。
ステップS45では、メインコントローラ20が、外気温度が高基準温度T1以上であるかもしくは外気温度が低基準温度T2以上であって暖房負荷が小さいためヒートポンプユニット6を駆動させるほうが効率がよい状況であると判断し、ガスファーネスユニット50を駆動させるのではなく、ヒートポンプユニット6を駆動させるようにして、ヒートポンプ暖房運転を行う。ヒートポンプ暖房運転では、室内温度が設定温度になるように、室外ユニットコントローラ79が、圧縮機71および室外ファンモータ74aを駆動させ、電動膨張弁75の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が、共通ファンモータ41aを駆動させる。その後、ステップS47に移行する。
ステップS46では、メインコントローラ20が、外気温度が低基準温度T2より低いかもしくは暖房負荷が大きいためヒートポンプユニット6を駆動させることなくガスファーネスユニット50を駆動させて暖房能力を確保したほうよい状況であると判断し、ヒートポンプユニット6を駆動させるのではなく、ガスファーネスユニット50を駆動させるようにして、ガスファーネス暖房運転を行う。ガスファーネス暖房運転では、ガスファーネスコントローラ51が、室内温度が設定温度になるように、ファーネスファンモータ56aを駆動させつつ燃料調節弁54の開度制御を行いつつ、メインコントローラ20が、共通ファンモータ41aを駆動させる。その後、ステップS47に移行する。
ステップS47では、メインコントローラ20が、コントロールインターフェイス10においてユーザからの停止の入力を受け付けたか否かを判断する。停止の入力を受け付けて無い場合には、ステップ48に移行する。停止の入力を受け付けた場合には、ステップS49に移行する。
ステップS48では、メインコントローラ20が、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達しているか否かを判断する。ここで、設定温度に達していた場合には、その時点で行われている暖房運転の種類(直近種類情報)をメインコントローラ20の履歴メモリ20bに格納(上書き)し、ステップS45でヒートポンプ暖房運転を開始してから初めて設定温度に達するまでに要した時間長さ(推移情報の一部としてのサーモオン時間)もしくはステップS46でガスファーネス暖房運転を開始してから初めて設定温度に達するまでに要した時間長さ(推移情報の一部としてのサーモオン時間)をメインコントローラ20の履歴メモリ20bに格納して、ステップS50に移行する。設定温度に達していない場合には、ステップS47に戻る。
ステップS50では、ヒートポンプ暖房運転が行われていた場合には、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、室外ユニットコントローラ79が圧縮機71および室外ファンモータ74aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させる(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ低い温度を検知する(運転再開条件を満たす)まで、停止状態を維持する。また、ガスファーネス暖房運転が行われていた場合には、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に達する(サーモオフする)ことで、ガスファーネスコントローラ51がファーネスファンモータ56aを一時的に停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを一時的に停止させる(すなわち、室内温度センサ62の検知温度が設定温度よりも所定値だけ低い温度を検知する(運転再開条件を満たす)まで、停止状態を維持する。)。
ステップS50では、ヒートポンプ暖房運転が行われていた場合には、室外ユニットコントローラ79がヒートポンプユニット6の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。また、ガスファーネス暖房運転が行われていた場合には、ガスファーネスコントローラ51がガスファーネスユニット50の駆動を完全停止させ、メインコントローラ20が共通ファンモータ41aを完全停止させる。その後、ステップS40に戻り、処理を繰り返す。
(7)本実施形態の特徴
(7−1)
本実施形態に係る空調システム100では、外気温が極低温であったり暖房負荷が大きな状況に対応できるガスファーネスユニット50と、運転効率の高いヒートポンプユニット6の両方を選択的に利用することができるため、外気温が極低温であったり暖房負荷が大きな状況であっても負荷処理を行うことができ、外気温度が極低温でなかったり暖房負荷が小さい場合には効率のよい運転を行うことが可能になる。
そして、本実施形態に係る空調システム100では、冷房運転時については起動時と運転再開時の処理が概ね同一であるが、暖房運転時は、起動時の暖房運転の制御と、運転再開時の暖房運転の制御とが異なるようにして設けられている。そして、暖房運転の運転再開時には、過去の運転状況に基づいて運転再開時に駆動させる機器を選択している。このため、運転再開時の当初から、現在の暖房負荷を処理しつつ、過去の履歴に基づいてできるだけ消費エネルギーを小さく抑えて成績係数(COP)を向上させる運転を行うことが可能になっている。例えば、室外温度が極低温になっている場合であっても、低基準温度T2以上の場合であって、暖房負荷が小さい場合には、できるだけ運転効率の高い側であるヒートポンプ暖房運転を行うことで、成績係数を高めることができている。
(7−2)
また、本実施形態に係る空調システム100では、室外温度が極低温になっている場合であっても、低基準温度T2以上の場合であって暖房負荷が小さい場合は、ガスファーネス暖房運転ではなく、運転効率のよいヒートポンプ暖房運転を行うことで、暖房運転の発停頻度を抑えることが可能になっている。
(7−3)
さらに、本実施形態に係る空調システム100では、最近のサーモオフ時間の履歴情報である推移情報に基づいて、運転再開条件を満たした時点から将来の暖房負荷を予測することができている。そして、本実施形態の空調システム100では、この予想された暖房負荷をより少ない消費エネルギーで処理することが可能になるように運転再開時に運転させる機器を選択することができている。
(7−4)
また、本実施形態に係る空調システム100では、ガスファーネスユニット50が、燃焼ガスのガスバーナ57aに対する供給量を調節する燃料調節弁54を有している。このため、ガスファーネス暖房運転が行われている状態では、大きな暖房負荷を処理しつつ、暖房能力を詳細に調節することが可能になっている。
そして、本実施形態に係る空調システム100では、ヒートポンプユニット6が、インバータ制御によって能力を調節できる圧縮機71を有している。このため、ヒートポンプ暖房運転が行われている状態では、効率の良い運転を行いつつ、暖房能力を詳細に調節することが可能になっている。
(7−5)
なお、本実施形態に係る空調システム100では、ヒートポンプユニット6の利用側熱交換器61を通過させる空気の量と、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58を通過させる空気の量と、を1つの共通ファン41によって調節することが可能になっている。このため、ヒートポンプユニット6のためのファンとガスファーネスユニット50のためのファンを別個に設ける必要が無く、装置をコンパクト化させることが可能になっている。
(8)その他の実施形態
(8−1)
上記実施形態では、下から、ファンユニット40、ガスファーネスユニット50、利用ユニット60の順に配置された場合について説明した。
しかし、これらの要素の配置順は、特に限定されない。例えば、ファンユニットは、利用ユニットやガスファーネスユニットの下流側に配置されていてもよいし、利用ユニットとガスファーネスユニットの間に配置されていてもよい。また、利用ユニットとガスファーネスユニットの配置は、空気流れ方向における配置順序が上記実施形態と異なっていてもよく、ガスファーネスユニットが利用ユニットの下流側に配置されていてもよい。
また、例えば、利用ユニットとガスファーネスユニットが空気流れ方向に並んで設けられること無く、流路の切り換え機構等を備えさせることで、利用ユニットとガスファーネスユニットとのいずれか一方側にのみ空気を通過させるように構成されていてもよい。
(8−2)
上記実施形態では、推移情報が、サーモオン時間の履歴によって構成されている場合について説明した。
しかし、実施形態としては、これに限られず、例えば、推移情報のうちヒートポンプ暖房運転については、サーモオフ時間の履歴情報だけではなく、その際のインバータ制御されている圧縮機71の駆動周波数の情報を加味させてもよい。すなわち、サーモオン時間が同じ場合であっても、サーモオン時の圧縮機71の駆動周波数が大きいほど暖房負荷が大きくなっていると評価されるように履歴情報を扱ってもよい。
(8−3)
上記実施形態では、運転再開時のヒートポンプ暖房運転とガスファーネス暖房運転との選択を最近のサーモオン時間の履歴である推移情報に基づいて判断する場合について説明した。
しかし、これに限られず、例えば、メインコントローラ20の履歴メモリ20bには、直近のヒートポンプ暖房運転やガスファーネス暖房運転の情報以外の情報として、直近よりも過去のヒートポンプ暖房運転やガスファーネス暖房運転の周期的な運転情報を格納させていてもよい。周期的な運転情報としては、特に限定されないが、例えば、周期を、「日」単位、「週」単位、「月」単位、「季節」単位、「年」単位等の少なくともいずれかとすることができる。
メインコントローラ20は、この履歴メモリ20bに格納されている周期的な運転情報に基づいて、運転再開時の暖房負荷を予測し、当該予測に基づいて駆動させる機器を選択するようにしてもよい。例えば、周期を「日」単位とした場合には、過去数日の一日のうちの暖房負荷の時間帯平均を履歴によって求め、当該暖房負荷の時間帯平均に応じるように運転再開時に駆動させる機器を選択するようにしてもよい。また、例えば、周期を「週」単位とした場合には、過去数週間の特定の曜日の暖房負荷の時間帯平均を履歴によって求め、運転再開時の曜日における暖房負荷の時間帯平均に応じるように運転再開時に駆動させる機器を選択するようにしてもよい。
(8−4)
上記実施形態では、運転再開時に開始する暖房運転の種類を推移情報に基づいて選択する場合について説明した。
しかし、これに限られず、例えば、最近の運転履歴の情報と、過去の運転履歴の情報を比較し、最近の運転履歴の情報に類似する運転履歴が過去に存在した場合には、当該過去の運転履歴に基づいて現在の運転再開時における暖房負荷を予想して、運転再開時に選択する暖房運転の種類を選択するようにしてもよい。例えば、最近の数時間のヒートポンプ暖房運転の運転履歴に対して、ヒートポンプ暖房運転が行われている時間帯の誤差が最も小さい運転履歴を特定し、当該運転履歴に現在の運転再開時における暖房負荷を予想して、運転再開時に選択する暖房運転の種類を選択するようにしてもよい。また、運転履歴だけではなく、さらに、外気温度の履歴項目を加味して、最も類似する運転履歴を特定するようにしてもよい。
(8−5)
上記実施形態では直近の推移情報に基づいて運転再開時に開始する暖房運転の種類を選択する場合を説明し、上記その他の実施形態(8−3)では直近以外の周期的な運転情報に基づいて運転再開時に開始する暖房運転の種類を選択する場合を説明した。
これに対して、例えば、直近の推移情報と直近以外の周期的な運転情報に対して重み付けする等して、直近の推移情報と直近以外の周期的な運転情報の両方を用いて運転再開時に開始する暖房運転の種類を選択してもよい。