JP6252101B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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本発明は、例えば血管の狭窄部位を押し広げる経皮的血管形成術(PTA)などに用いられるバルーンカテーテルに関する。
従来から、粥腫(プラーク)等による血管の狭窄や閉塞を治療する方法の一つとして、バルーンカテーテルを用いた経皮的血管形成術が知られている。図8(a)に示されているような従来構造のバルーンカテーテル1は、外シャフト2の遠位端部分にバルーン3が設けられた構造とされており、内シャフト4に挿通されるガイドワイヤ5でバルーン3を治療部位に導くようになっている。そして、バルーン3を血管の狭窄部位に挿し入れた後、外シャフト2のルーメン6を通じて流体をバルーン3内へ送入して膨らませることにより、血管の狭窄部位をバルーン3で押し広げて血流回復等の処置を施すようにされる。
ところで、カテーテルは、押し込む力を近位端側から遠位端側へ伝えることにより、血管内で治療部位まで押し進められる。それ故、施術者によってカテーテルの近位端側に加えられる押込力を、遠位端側へ伝える性質であるプッシャビリティが必要とされる。
ところが、施術者による押込力は、外シャフト2の近位端側に加えられる一方、外シャフト2の遠位端と、カテーテル1の遠位端である先端チップ7との間には、変形しやすいバルーン3が設けられている。それ故、図8(b)に示されているように、例えば先端チップ7が狭窄部で押込抵抗を受けると、外シャフト2で伝えられた押込力がバルーン3を介して先端チップ7に伝えられる際に、バルーン3基端側の外シャフト2との接合部近くがよじれたり縒れて皺になったり等するアコーディオン現象が発生するおそれがあった。
そして、このようにバルーン3にアコーディオン現象が発生してしまうと、押込力が先端チップ7まで伝わり難くなる。そのために、バルーンカテーテル1を用いた施術に際して十分なプッシャビリティを得られなくなり、バルーン3を目的とする治療部位にまで到達させるのが難しくなるといった問題があった。
なお、カテーテルのプッシャビリティ向上を目的として、従来からカテーテルの内部に補強材が配設されている。例えば、特開2000−233026号公報(特許文献1)には、弾性体とそれから延びた線状部分からなる部品を内部に含む拡張カテーテルが示されている。そして、線状部分の先端が、内シャフトであるガイドワイヤ用チューブに接続されることにより、カテーテルの血管挿入時に、外シャフトの近位端から入力される押込力が、コイル状弾性体と線状部分から内シャフトへ伝達されるようになっている。
かかるカテーテルでは、線状部分の基端側に設けられた弾性体が軸方向に圧縮変形し得ることから、外シャフトの近位端に及ぼされる押込力が弾性体で弾性的に吸収されてしまって、内シャフトや先端チップへの伝達力が変化してしまう。それ故、術者の手技においてダイレクトな操作感を得難く、プッシャビリティの向上も十分には達成され難かった。
特開2000−233026号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題は、狭窄部位による押込抵抗に起因するアコーディオン現象の発生を高い精度で回避しつつ、該狭窄部位に対して良好なプッシャビリティを得ることの出来る、新規な構造のバルーンカテーテルを提供することにある。
本発明の第1の態様は、外シャフトの遠位端側にバルーンが設けられていると共に、該バルーンに内シャフトが挿通されたバルーンカテーテルにおいて、前記内シャフトの外側を長さ方向に延びる補強材前記バルーンの内部に配されて、該補強材の一端部該バルーンの先端側へ固定されている一方、該補強材の他端部における前記外シャフトに対する遠位端側への移動を許容すると共に、該補強材の該他端部における該外シャフトに対する近位端側への移動を規制する移動制限機構設けられており、該補強材の該一端部が、該バルーンと該内シャフトと該内シャフトの遠位端に設けられた先端チップとの少なくとも何れか一つの部材に対して固定されることにより、該補強材の該一端部における該バルーンの先端側への固定がなされていることを、特徴とする。
本態様のバルーンカテーテルでは、血管の狭窄部位による押込抵抗がカテーテルの先端に及ぼされると、バルーンの先端側に一端が固定された補強材が外シャフト側へ移動させられる。そして、かかる補強材の外シャフト側の端部は、外シャフトに対する近位端側への移動を移動制限機構で規制されることにより、狭窄部位による前方からの押込抵抗が、補強材を通じて、外シャフトに伝達されることとなる。それ故、血管の狭窄部位による押込抵抗が、バルーンに対する軸方向圧縮荷重として及ぼされることが軽減又は防止され得て、バルーンにおけるアコーディオン現象の発生が効果的に回避され得る。
また、狭窄部位による押込抵抗の作用時には、バルーンの先端側と外シャフトとが補強材で直接的な連結状態とされることから、外シャフトの近位端側からの押込力がカテーテルの先端へ効率的に伝達されることとなり、バルーンカテーテルにおいてダイレクトで良好なプッシャビリティを得ることが可能になる。これにより、バルーンにおけるアコーディオン現象の発生を回避しつつ、血管の狭窄部位に対してバルーンカテーテルを安定して挿入することができる。
一方、本態様のバルーンカテーテルでは、補強材が外シャフトに対して常時固定されていないことから、狭窄部位による前方からの押込抵抗が及ぼされていない状況では、補強材に対する外シャフトの軸方向への相対移動が許容される。それ故、先端が狭窄部位に到達する以前やバルーンの拡張時等、前方から荷重が及ぼされない場合には、バルーンや内シャフトの変形が補強材によって過度に制限されることがない。即ち、本態様のバルーンカテーテルは、前方から受ける荷重に応じて、補強材の補強効果が選択的に発揮され得るのであり、補強材による補強作用を制御可能となし得た。
なお、本発明における補強材は、押込力を伝達し得るものであれば良く、具体的な材質や形状等が特に限定されるものでないが、カテーテルの大径化を回避しつつ押込力を効率的に伝達し得るように、カテーテルの長さ方向に延びる線状材が好適である。例えば、金属や合成樹脂等からなる単線または撚線の線状材を補強材として、単一または複数本を並列的に設けることが望ましい。
さらに、本態様のバルーンカテーテルでは、バルーンの先端側においてある程度の強度が確保され得るように補強材の一端部を固定することが出来て、外シャフトから及ぼされる押込力を補強材を通じてカテーテル遠位端側へ一層効率的に伝達することが可能になる。
なお、本態様では、補強材の一端部を、バルーンと内シャフトの間や、内シャフトと先端チップとの間などの部材間へ差し入れることで、より確実な固定状態を得ることも可能である。
本発明の第の態様は、前記第1の態様に従う構造とされたバルーンカテーテルにおいて、前記外シャフトの内部に設けられた挿通孔に対して前記補強材の前記他端部が挿通されていると共に、該補強材には該挿通孔への挿通部位よりも前記一端側に位置して該挿通孔への挿入が阻止される係止部が設けられており、該係止部が該挿通孔への挿入を阻止されることによって該補強材の該外シャフトに対する近位端側への移動を規制する前記移動制限機構が構成されているものである。
本態様のバルーンカテーテルでは、外シャフトの内部に設けた挿通孔と、補強材に設けた係止部とによって、補強材の外シャフトに対する遠位端側への移動を許容しつつ近位端側への移動を規制する移動制限機構が、簡単な構造と確実な作動性能をもって有利に実現され得る。
本発明の第の態様は、前記第1又は第2の態様に従う構造とされたバルーンカテーテルにおいて、前記内シャフトには、前記バルーンの内部に位置する部位に造影マーカーが設けられているものである。
本態様のバルーンカテーテルでは、血管等への挿入操作に際して、施術者による外シャフトの押込量に対する内シャフトの造影マーカーの移動量を見ることで、バルーンのアコーディオン現象の有無等を確認して、より安定した挿入操作を行うことが可能になる。また、補強体として、白金などの造影可能な材質からなるものを採用することも可能であり、補強体を造影マーカーとして利用することもできる。そして、造影可能な補強体を採用すれば、補強体の弛緩状態や緊張状態を確認しつつ、カテーテル操作を行うことも可能になる。
本発明に従う構造とされたバルーンカテーテルにおいては、血管の狭窄部位において、内シャフトおよび補強材の外シャフトに対する近位端側への移動が制限される。これにより、狭窄部位による押込抵抗を内シャフトと補強材で分散させることができて、バルーンへの前方からの荷重が低減させられることから、アコーディオン現象の発生を効果的に防止することができる。また、血管の狭窄部位において、補強材により、内シャフトの近位端側への移動が制限されることから、カテーテルの近位端からの押込力が効率的にカテーテルの遠位端に伝達されて、プッシャビリティの向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態としてのバルーンカテーテルを示す正面図。 図1に示されているバルーンカテーテルのバルーン収縮時における先端部分を示す要部拡大縦断面図。 図1に示されているバルーンカテーテルのバルーン膨出時における先端部分を示す要部拡大縦断面図。 図1に示されているバルーンカテーテルにおける移動制限機構を説明するための説明図であって、(a)は補強材の基端部が規制された状態を示す説明図であり、(b)は補強材の基端部が規制されていない状態を示す説明図。 バルーンカテーテルにおける移動制限機構の別の態様を説明するための説明図。 バルーンカテーテルにおける移動制限機構の更に別の態様を説明するための説明図。 図6におけるVII−VII断面図。 従来構造のバルーンカテーテルによるアコーディオン現象を説明するための説明図であって、(a)はバルーンカテーテルの血管内挿入時における狭窄部位到達前の状態を示しており、(b)はバルーンカテーテルが狭窄部位に到達してアコーディオン現象が発生している状態を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1には、本発明の第1の実施形態としてのバルーンカテーテル10が示されている。このバルーンカテーテル10は、長尺のカテーテル本体12を備えており、カテーテル本体12の遠位端側(図1中の左方)にバルーン14が設けられていると共に、カテーテル本体12の近位端側(図1中の右方)にハブ16が設けられている。そして、カテーテル本体12の遠位端側を人体の手首や大腿部等から血管に挿し入れて冠動脈等の治療部位まで到達させた状態で、バルーン14を膨らませることにより、血管の狭窄部位を押し広げて正常な血流を回復する等の施術を行うことができる。
より詳細には、図2,3に示されているように、カテーテル本体12は、それぞれ管状とされた内シャフト18に外シャフト20を外挿した二重管構造とされている。
なお、内シャフト18と外シャフト20は、何れも、血管に沿って湾曲可能な特性を有するものとして従来から公知の各種の材質や構造で形成され得る。具体的には、例えばポリアミド,塩化ビニル,ポリウレタン,ポリイミド,ポリエチレン,ポリエステルエラストマー,ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフッ化ビニリデン等の合成樹脂材料、ステンレス鋼,ニッケル−チタン合金等の金属材料及びこれらの組み合わせによって成形されたものが採用され得る。
また、内シャフト18の遠位端部分は、外シャフト20の遠位端から所定長さで突出しており、内シャフト18の突出端部には先端チップ22が取り付けられている。先端チップ22は、遠位端側に向かって次第に小径となるテーパ付きの外周面形状を有しており、その中心軸上には、内シャフト18の内腔に連通する中心孔が貫通形成されている。
更にまた、外シャフト20から突出した内シャフト18の遠位端部分には、造影マーカー24,24が取り付けられている。造影マーカー24は、白金−イリジウム合金等のX線不透過性を有する金属材料で形成されており、環状又はC字形状の部材とされて、内シャフト18の外周面に固着されている。
さらに、外シャフト20から突出した内シャフト18の遠位端部分には、バルーン14が外挿状態で配されている。バルーン14は、変形可能な合成樹脂等の膜で形成された筒状体で構成されている。そして、バルーン14の基端側の開口部が、外シャフト20の遠位端の外周面に固着されている一方、バルーン14の先端側の開口部が、先端チップ22の外周面に固着されている。
これにより、バルーン14の内部には、外部から密閉された空間が形成されていると共に、この空間を貫通して内シャフト18が配設されている。
なお、本実施形態のバルーンカテーテル10は、ラピッドエクスチェンジタイプとされている。即ち、外シャフト20が、ディスタルシャフト26とプロキシマルシャフト28を軸方向に接続した構造とされており、ディスタルシャフト26内に挿通された内シャフト18の近位端部が、外シャフト20の長さ方向中間部分において、ディスタルシャフト26とプロキシマルシャフト28の接続部位、またはその近傍の外周面に開口している。
そして、内シャフト18の内腔によってガイドワイヤルーメン30が形成されており、かかるガイドワイヤルーメン30が、カテーテル本体12の遠位端から中間部分まで延びている。即ち、ガイドワイヤルーメン30の一方の端部は、先端チップ22を通じてカテーテル本体12の遠位端に開口していると共に、他方の端部は、外シャフト20の長さ方向中間部分で外周面に開口している。
また、外シャフト20の内腔によって調圧用ルーメン32が形成されており、かかる調圧用ルーメン32が、カテーテル本体12の略全長に亘って延びている。即ち、調圧用ルーメン32は、プロキシマルシャフト28の近位端側においてハブ16を通じて開口していると共に、ディスタルシャフト26内では内シャフト18の外周側を環状断面をもって延びており、ディスタルシャフト26の遠位端面に開口して、バルーン14内に連通されている。
さらに、バルーン14の内部には、内シャフト18の外側を長さ方向に延びる補強材34が収容状態で設けられている。この補強材34の一端部である先端部(図1中の左方)は、バルーン14の先端側に固定されている一方、補強材34の他端部である基端部(図1中の右方)は、バルーン14の先端側からカテーテル本体12の近位端側に向かって延びており、バルーン14の基端部を越えて外シャフト20の内腔にまで入り込んでいる。
かかる補強材34の材質は、特に限定されるものでないが、カテーテル本体10の湾曲性能を制限しないように湾曲可能とされており、例えば金属や合成樹脂等が採用され得る。具体的には、補強材34は、例えばステンレス鋼やナイロン等で形成されて、略一定の断面形状で直線状に延びる線状材にて構成され得る。
なお、補強材34の先端部分は、バルーン14の先端側において、バルーン14と内シャフト18と先端チップ22の少なくとも一つに対して固着されていればよい。好適には、図2,3に示されているように、バルーン14と内シャフト18との重ね合わせ部位やバルーン14と先端チップ22との重ね合わせ部位に対して補強材34の先端部分が差し入れられて、重ね合わせ部間で挟持された状態で、必要に応じて接着剤等が用いられて固着される。これにより、補強材34の先端部分が、直接的に、あるいは間接的にバルーン14の先端側に固定されている。
また、補強材34の基端部分が入り込んだ外シャフト20の内腔には、補強材34の移動を制限する制御部材36が設けられている。この制御部材36は小径の筒状とされており、外シャフト20の遠位端近くにおける内周面に固着されて、外シャフト20の中心軸方向に延びている。
そして、図4(a),(b)に示されているように、この筒状の制御部材36の中心孔である挿通孔38に対して補強材34の基端部分が、隙間をもって軸方向で移動可能に挿通されている。
また、補強材34には、挿通孔38への挿通部位よりも先端側に位置して、係止部40が形成されている。この挿通孔38と係止部40の軸方向における離隔距離は、後述するバルーンカテーテル10の血栓部位到達時において、バルーンカテーテル10の前方から押込反力が及ぼされて、補強材34が基端側に押し込まれることにより、図4(a)に示されるように係止部40と挿通孔38とが当接し得る距離とされている。換言すれば、バルーンカテーテル10の血管挿入時における血栓部位到達以前等の前方から荷重が及ぼされない場合においては、外シャフト20の近位端側からの押込力によって、外シャフト20の遠位端近くに設けられた制御部材36が多少前進移動することになるが、この状態では、図4(b)に示されているように係止部40と挿通孔38とが当接し得ない距離とされている。ここにおいて、この係止部40は、制御部材36の挿通孔38に入らない大きさを有しており、本実施形態では、挿通孔38より大径の略球形状とされている。そして、バルーンカテーテル10に対して前方から荷重が及ぼされて制御部材36における挿通孔38の遠位端側の開口部に対して係止部40が当たることにより、補強材34の挿通孔38への基端側の差し入れ端が規定され、それ以上には補強材34が挿通孔38へ差し入れられないようになっている。
なお、このことから明らかなように、本実施形態では、挿通孔38を有する制御部材36と補強材34の係止部40とを含んで、外シャフト20に対する補強材34の先端側への移動を所定範囲で許容しつつ、外シャフト20に対する補強材34の基端側への移動端を規定する移動制限機構が構成されている。
上述の如き構造とされた本実施形態のバルーンカテーテル10を用いて、例えば血栓治療を行うに際しては、先ず、血管の治療対象部位にまで予め挿し入れたガイドワイヤ42に対して、バルーンカテーテル10のガイドワイヤルーメン30を外挿するようにして、バルーンカテーテル10を血管内に挿し入れて押し進める。バルーンカテーテル10を血管内へ押し進めるに際しては、外シャフト20の近位端側に設けたハブ16等を操作して、外シャフト20の近位端側から遠位端側に向けて押込力を及ぼす。このバルーンカテーテル10を血管内へ押し進める操作は、バルーンカテーテル10の遠位端側に設けられたバルーン14を、治療すべき血栓部位に到達させるまで行う。その後、外シャフト20の近位端側から、調圧用ルーメン32を通じてバルーン14の内部へ調圧流体を送り込んでバルーン14を膨らませることで、目的とする治療を行う。なお、治療後は、バルーン14内の調圧流体を、調圧用ルーメン32を通じて排出させた後、バルーンカテーテル10が血管から引き抜かれる。
このような血栓治療に際して、バルーン14が治療を目的とする位置に到達するまでバルーンカテーテル10を血管内へ押し進めるには、血栓部位を越えてバルーンカテーテル10の先端チップ22を血管内へ挿し入れる必要がある。その際、血栓部位に先端チップ22が突き当たると、バルーンカテーテル10に対して押込反力が及ぼされる。この押込反力に起因して、従来のバルーンカテーテル1では、図8(b)に示す如きアコーディオン現象が発生し易い。
ここにおいて、本実施形態のバルーンカテーテル10では、血栓部位から及ぼされる押込反力が大きくなってバルーン14が軸方向に圧縮されるように変形すると、補強材34の係止部40が制御部材36へ当たって、それ以上の補強材34の挿通孔38に対する差入方向への移動が阻止される。その結果、血栓部位による前方からの押込反力が、補強材34を介して、制御部材36が設けられている外シャフト20に分散される。
そして、このような補強材34による押込反力の分散分だけ、バルーン14へ作用する押込反力が軽減されることから、バルーン14におけるアコーディオン現象等の過度な変形が防止される。
また、血栓部位から押込反力が及ぼされることにより、補強材34の移動制限機構が作用して、内シャフト18と外シャフト20が補強材34を介して連結状態とされる。これにより、血栓部位に先端チップ22が突き当たった状態でも、外シャフト20を通じて及ぼされる押込力を先端チップ22にまで効率的に伝達することができるのであり、良好なプッシャビリティをもって、バルーンカテーテル10の先端チップ22を血栓部位を越えて目的位置にまで押し進めることが可能になるのである。
特に、本実施形態のバルーンカテーテル10では、係止部40の制御部材36への当接に基づく補強材34の移動規制効果は、外シャフト20を押し込む方向だけに作用し、外シャフト12を引っ張る方向には作用しない、いわゆるワンウェイの移動規制作用を発揮する。それ故、例えば先端チップ22が血栓に食い込んだ場合には、外シャフト12を少しだけ引き戻してから押し込む操作を繰り返すことにより、制御部材36を係止部40へ繰り返し打ち当てて、押込方向の衝撃力を補強材34を通じて先端チップ22に及ぼすことも可能になる。
また、バルーンカテーテル10の狭窄部位到達以前やバルーン14の膨出変形時等、バルーンカテーテル10が前方から荷重を及ぼされない場合には、補強材34の移動を制限する移動制限機構は作用しない。即ち、図4(b)に示されるように、係止部40と挿通孔38は軸方向において所定の離隔距離を有しており、補強材34の基端側は完全な自由端とされる。従って、かかる場合には、内外シャフト18,20やバルーンカテーテル10自体の変形が補強材34で過度に制限されることがない。
さらに、本実施形態では、内シャフト18において、バルーン14内に位置して造影マーカー24が配されていることから、例えば外シャフト20の近位端における押込操作量とX線監視下での造影マーカー24の移動量とを対比させて観察することにより、外シャフト20から補強材34を介して押込力が及ぼされる先端チップ22の動きをリニアに把握することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでない。例えば、補強材の外シャフトにおける近位端側への移動を規制する移動制限機構は、前記実施形態の如き略球形状の係止部40が設けられて挿通孔38への挿入が阻止される態様に限定されない。以下に移動制限機構の別の態様を示す。なお、以下の説明において、前記実施形態と同一の部材および部位には、図中に、前記実施形態と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
図5に示された移動制限機構の別の態様では、補強材44の径寸法がカテーテル本体12の近位端側に行くに従って小径となる、先細テーパ状の外周面とされている。この補強材44のテーパ状部分における小径側(図中の右側)の外径寸法は、挿通孔38の内径寸法より小さくされて、挿通孔38に対して移動可能に挿通されている。一方、補強材44のテーパ状部分における大径側(図中の左側)の外径寸法は、挿通孔38の内径寸法より大きくされており、挿通孔38に対して入り得ず、挿通孔38の開口端部への当接によってそれ以上の入り込みが阻止されるようになっている。
従って、制御部材36の挿通孔38に挿し入れられる基端側がテーパ形状とされた、本態様の補強材44においても、前記実施形態と同様に制御部材36による補強材44の移動制限効果が発揮され得る。即ち、補強材44に対して挿入方向前方からの荷重が及ぼされると、補強材44は外シャフト20に対して基端側に移動し得るが、補強材44の外径寸法が挿通孔38の内径寸法を超えた点でそれ以上の移動が阻止されることとなる。
また、図6,7には、移動制限機構の更に別の態様が示されている。即ち、本態様の制御部材46は、外シャフト20の内周面に沿って全周に亘って延びる環状とされており、その外周面が外シャフト20の内周面に固着されている。そして、制御部材46の外周面において、長さ方向全長に亘って延びる凹溝が1つ形成されており、この凹溝と外シャフト20の内周面により、挿通孔48が形成されている。なお、図6,7では、前述の図5に記載された補強材44と同様のテーパ形状の補強材が示されているが、前記実施形態に記載された補強材34と同様に、挿通孔48よりも大きな係止部が設けられた補強材が採用されてもよい。
また、前記実施形態では、1本の線状の補強材34が採用されていたが、補強材を複数設けることも可能であり、それら複数の補強材をカテーテル本体の周方向に所定間隔を隔てて配する態様などが適宜に採用され得る。
さらに、前記実施形態のように、補強材34において、制御部材36の挿通孔38よりも大きな係止部を設けて、補強材34の移動制限機構を構成する場合には、係止部の形状は、前記実施形態の如き球状に限定されず、矩形ブロック状や突起などの任意の形状が採用可能である。
また、前記実施形態における制御部材36において、挿通孔38の近位端側を閉鎖することで、補強材34の移動制限機構を構成することも可能である。即ち、挿通孔の近位端側が閉鎖された有底筒形状の制御部材を採用して、補強材の基端側をこの挿通孔に差し入れておけば、補強材34の基端部分が制御部材の閉鎖端部へ当たることにより、補強材の基端側への移動端を規定することが可能となる。
なお、前記実施形態では、補強材34の外シャフト20に対する移動を規制する移動制限機構が、外シャフト20の遠位端近くに設けられていたが、かかる移動制限機構は、外シャフト20の遠位端よりも近位端側へ離れた位置に設けても良い。尤も、外シャフト20の遠位端近くに移動制限機構を設けることにより、補強材34の長さを小さくできるから、補強材34を通じて押込力を及ぼす際に補強材34の撓みなどに起因するプッシャビリティの低下が回避され得る。
また、前記実施形態において、バルーンカテーテル10の前方から荷重が及ぼされていない状態では、外シャフト20の近位端側から押込力が及ぼされても係止部40と挿通孔38とが当接し得ないようにされていたが、調節部材あるいは係止部の位置や大きさ等を調節して、バルーンカテーテルの血管挿入時における血栓部位到達以前においても、外シャフトの近位端側から押込力が及ぼされることにより、係止部と挿通孔とが当接し得るようにされてもよい。これにより、バルーンカテーテルを血管内に挿入することで外シャフトと内シャフトが補強材を介して連結状態とされて、前方から荷重が及ぼされていない状態でもプッシャビリティの向上が図られ得る。
更にまた、前記実施形態では、ガイドワイヤルーメン30の近位端側がカテーテル本体12の外周面に開口するラピッドエクスチェンジタイプのカテーテルが採用されていたが、ガイドワイヤルーメンの近位端側が外シャフト20の近位端側に設けられたハブ16を通じて外部に開口するオーバーザワイヤタイプのカテーテルが採用されてもよい。
10:バルーンカテーテル、14:バルーン、18:内シャフト、20:外シャフト、22:先端チップ、24:造影マーカー、34,44:補強材、38,48:挿通孔、40:係止部

Claims (3)

  1. 外シャフトの遠位端側にバルーンが設けられていると共に、該バルーンに内シャフトが挿通されたバルーンカテーテルにおいて、
    前記内シャフトの外側を長さ方向に延びる補強材前記バルーンの内部に配されて、該補強材の一端部該バルーンの先端側へ固定されている一方、
    該補強材の他端部における前記外シャフトに対する遠位端側への移動を許容すると共に、該補強材の該他端部における該外シャフトに対する近位端側への移動を規制する移動制限機構設けられており、
    該補強材の該一端部が、該バルーンと該内シャフトと該内シャフトの遠位端に設けられた先端チップとの少なくとも何れか一つの部材に対して固定されることにより、該補強材の該一端部における該バルーンの先端側への固定がなされている
    ことを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記外シャフトの内部に設けられた挿通孔に対して前記補強材の前記他端部が挿通されていると共に、該補強材には該挿通孔への挿通部位よりも前記一端側に位置して該挿通孔への挿入が阻止される係止部が設けられており、該係止部が該挿通孔への挿入を阻止されることによって該補強材の該外シャフトに対する近位端側への移動を規制する前記移動制限機構が構成されている請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記内シャフトには、前記バルーンの内部に位置する部位に造影マーカーが設けられている請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。
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