JP6251993B2 - ソレノイドの状態判定装置 - Google Patents

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本発明は、電磁弁の開閉制御やアクチュエータの駆動等に利用されるソレノイドに流れる電流を検出して、ソレノイドの状態を判定するソレノイドの状態判定装置に関する。
この様な、ソレノイドの状態判定装置において、ソレノイドの異常を検出する場合、従来技術として、ソレノイドへの印加電圧とモニタ電流から算出した算出抵抗値をソレノイドの正常時の抵抗値と比較して、ソレノイドの異常を検出することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2003−166668号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ソレノイドの正常か異常かの判定に閾値としてソレノイドの正常時の一意の抵抗値を用いているため、印加電圧とモニタ電流から算出した算出抵抗値との比較では、温度変化、ソレノイドの個体差によるバラツキ等にて、ソレノイドの状態判定にバラツキが生じる可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ソレノイドの状態即ち正常か異常かを温度変化、ソレノイドの個体差によるバラツキも考慮した判定ができるソレノイドの状態判定装置を提供することを目的とする。なお、本明細書ではソレノイドの状態とは、ソレノイド及びその駆動回路及び電流検出回路等を含む制御回路を含めた状態を指し、その異常とは、例えば、オープン、ショート、回路素子の劣化等の故障も含むものとする。
上記課題を解決するため、請求項1に係るソレノイドの状態判定装置は、ソレノイドに通電する駆動電流の目標値である目標電流と実際の前記駆動電流の検出値である検出電流との偏差を積分補償する積分演算部と、前記検出電流と前記ソレノイドの通電を制御するPWM制御部に供給する指示電圧とに基づき前記ソレノイドの状態量から推定電流を推定する状態量推定部と、前記積分演算部により積分補償された偏差と前記ソレノイドの状態量とに基づいて前記指示電圧を演算する指示電圧演算部と、前記推定電流と前記検出電流との差分を区間積分して区間積分値を演算する区間積分演算部と、前記区間積分値が予め設定された閾値を超えた場合に前記ソレノイドを異常と判定する判定部と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、状態量推定部にて検出電流とソレノイドの通電を制御するPWM制御部に供給する指示電圧とに基づきソレノイドの状態量から推定された推定電流は、ソレノイドの状態が正常時は、検出電流と一致する。これにより、状態推定部から、温度変化、ソレノイドの個体差によるバラツキを考慮した推定電流が導出されるため、ソレノイドの状態判定を精度よく行うことができる。
上記課題を解決するため、請求項2に係るソレノイドの状態判定装置は、請求項1に記載のソレノイドの状態判定装置において、前記指示電圧の演算は、前記ソレノイドのインダクタンス分及び抵抗分の夫々の特性バラツキを示す特性パラメータを含むことを要旨とする。
これによれば、ソレノイドのインダクタンス分や抵抗分等の特性バラツキがあった場合でも、ソレノイドの状態判定を精度よく行うことができる。
ソレノイドの状態判定装置の構成を模式的に示すブロック図である。 ソレノイドの状態判定装置の機能ブロックを模式的に示すブロック図である。 特性パラメータを設定した場合のソレノイド電流のステップ応答を示す図である。 特性パラメータを設定していない場合のソレノイド電流のステップ応答を示す図である。 ソレノイドの状態判定装置におけるソレノイドの駆動の制御指令の処理を示すフローチャートである。 ソレノイドの状態判定装置におけるソレノイドの状態判定の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明に係るソレノイドの状態判定装置(以下「状態判定装置」とする)100は、ソレノイドの特性バラツキがあった場合でも適切にソレノイドに通電する電流を制御する機能を備えている。このようなソレノイドは、例えば電磁弁の開閉制御やアクチュエータの駆動に利用される。本状態判定装置100は、このようなソレノイドを制御対象とする。
ソレノイド1は、図1に示すように、状態判定装置100によって駆動される。状態判定装置100は、マイクロコンピュータ4を中核として、駆動回路5や電流検出部6を有して構成される。マイクロコンピュータ4は、CPUコア、プログラムメモリ、パラメータメモリ、ワークメモリ、通信制御部、A/Dコンバータ、タイマ、ポートなどを有して構成される。このような構成は一般的な事項であり、説明を容易にするため図示及び詳細な説明は省略する。
プログラムメモリは、制御プログラムなどが格納された不揮発性のメモリである。パラメータメモリは、プログラムの実行の際に参照される種々のパラメータが格納された不揮発性のメモリである。なお、パラメータメモリは、プログラムメモリと区別することなく、プログラムメモリに含められていても良い。プログラムメモリやパラメータメモリは、例えばフラッシュメモリなどによって構成されると好適である。ワークメモリは、プログラム実行中の一時データを一時記憶するメモリである。ワークメモリは、揮発性で問題なく、高速にデータの読み書きが可能なDRAM(dynamic RAM)やSRAM(static RAM)により構成される。
駆動回路5は、MOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)やIGBT(insulated gate bipolar transistor)などのパワー半導体を用いたスイッチング回路や、マイクロコンピュータ4の出力信号のドライブ能力を向上するドライバ回路などを有して構成される。ソレノイド1を駆動するスイッチング回路や、ドライバ回路の構成については公知であるので詳細な説明は省略する。なお、図1における符号7は保護ダイオードである。また、駆動回路5には、自己診断機能が備えられており、温度上昇などの診断結果がマイクロコンピュータ4に伝達されるように構成されている。
マイクロコンピュータ4は、例えば自動車においては図示略の走行制御ECUなど、上位の制御装置からソレノイドバルブの制御指令を受け、その制御指令に基づいてソレノイド1を制御する。具体的には、ソレノイド1を駆動する駆動電流を制御して、プランジャを任意の位置へ変位させてバルブ部材をスリーブ内で摺動させる。ソレノイド1に実際に流れる電流は、電流検出部6により検出され、マイクロコンピュータ4に伝達される。電流検出部6は、ホールIC等を用いた電流センサで構成されても良いし、シャント抵抗を用いた電流検出回路により構成されても良い。マイクロコンピュータ4は、ソレノイド1の制御指令に基づく目標電流ir(n)とソレノイド1に実際に流れる電流である検出電流ifb(n)との偏差に基づいて電流フィードバック制御を行う。そして、例えばPWM(pulse width modulation)制御などによって、駆動回路5に印加される電圧をスイッチングすることによって駆動電流を制御する。
なお、図1に例示したように、本実施形態では、プログラムメモリやワークメモリなどが1つのチップ(マイクロコンピュータ4)に集積された形態を例示しているが、当然ながら複数のチップによってマイクロコンピューティングシステムが構成されても良い。また、本実施形態においては、状態判定装置100は、マイクロコンピュータ4を中核として構成され、半導体チップとしてのハードウェアと、プログラムやパラメータなどのソフトウェアとの協働によりその機能が実現される。但し、状態判定装置100の実施態様は、このようなハードウェアとソフトウェアとの協働に限定されるものではなく、ASIC(application specific integrated circuit)などを利用してハードウェアのみで構成されることを妨げるものではない。
以下、状態判定装置100の詳細について説明する。図2に示すように、状態判定装置100は、目標値フィルタ11と、積分演算部13と、状態量推定部14と、特性パラメータ記憶部15と、指示電圧演算部16と、状態フィードバックゲイン記憶部17と、PWM制御部18と、区間積分演算部21と、判定部22とを有している。各機能部は、上述したように、マイクロコンピュータ4を中核として、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。図2は、機能ブロックとしての構成を示したものであり、各機能部は必ずしも独立して存在する必要はない。
目標値フィルタ11は、目標電流ir(n)の高周波域のゲインをあげる。目標電流ir(n)とは、ソレノイド1に通電する駆動電流の目標値である。このような目標値フィルタ11を設けてゲインをあげることで、状態判定装置100の応答性を向上させることができる。
積分演算部13は、目標値フィルタ11を通過後の目標電流ir(n)と実際の駆動電流の検出値である検出電流ifb(n)との偏差を積分補償する機能部である。目標値フィルタ11を通過後の目標電流ir(n)とは、目標値フィルタ11によりゲインがあげられた目標電流である。検出電流ifb(n)は電流検出部6により検出される。偏差は、加算器(減算器)12によって演算される。積分演算部13は、このような加算器12により求められた目標電流ir(n)と検出電流ifb(n)との偏差を積分ゲインKiを乗じて積分値を演算する。
状態量推定部14は、検出電流ifb(n)と、ソレノイド1の通電を制御するPWM制御部18に供給する指示電圧Vr(n)の1周期前の値とに基づきソレノイド1の状態量を推定する。検出電流ifb(n)とは、上述のように電流検出部6により検出される。指示電圧Vr(n)の1周期前の値は、状態量推定部14の入力段に設けられた遅延要素19により求められる。ソレノイド1の状態量とは、ソレノイド1の状態を示す量である。本実施形態では、PWM制御されたソレノイド1の駆動電流の変化量に相当するもので、下記の数式1にて求まる値であり、図2に示すポイントP1に生じる。
Figure 0006251993
特性パラメータ記憶部15は、ソレノイド1のインダクタンス分及び抵抗分の夫々の特性バラツキを示す特性パラメータQが記憶される。ここで、ソレノイド1を設計値どおりに作製した場合でも所定のバラツキが含まれる。特性パラメータ記憶部15は、このような特性(特に、インダクタンス分及び抵抗分)のワースト値を規定するパラメータが記憶される。なお、このような特性パラメータQは、予め記憶された値から、適宜、変更することも可能である。
このような特性パラメータQを設定した場合のステップ応答が図3Aに示され、特性パラメータQを設定していない場合のステップ応答が図3Bに示される。なお、図3A及び図3Bには、夫々ソレノイド1の温度を変化させた場合の例が示される。図3A及び図3Bに示されるように、特性パラメータQを設定することにより温度依存性が小さくなり、応答性が向上しているのがわかる。
指示電圧演算部16は、積分演算部13により積分補償された偏差と、ソレノイド1の状態量と、特性パラメータQとに基づき指示電圧Vr(n)を演算する。積分演算部13により積分補償された偏差とは、目標電流ir(n)と検出電流ifb(n)との偏差を積分補償したものである。ソレノイド1の状態量とは、状態量推定部14により推定された状態量であり、前述の数式1にて示したものである。特性パラメータQとは、特性パラメータ記憶部15に記憶されてある特性パラメータである。従って、指示電圧Vr(n)は下記の数式2にて求まる値となる。
Figure 0006251993
なお、数式2におけるz(n)は下記の数式3にて求まる値となる。
Figure 0006251993
状態フィードバックゲイン記憶部17は、状態フィードバックゲインKが記憶されている。このような状態フィードバックゲインKは、ソレノイド1のインダクタンス分と抵抗分とに基づいて規定され、電流応答性を向上させる。本実施形態では、指示電圧演算部16は、指示電圧Vr(n)を演算するにあたり特性パラメータQを用いるが、当該特性パラメータQは状態量推定部14の出力の応答性を状態フィードバックゲインKで調整した値が加算されたものが用いられる。
PWM制御部18は、指示電圧Vr(n)及びソレノイド1の電流特性に基づいて駆動回路5の制御指令(例えば、PWM指令)を演算する機能部である。また、PWM指令に基づいてPWM信号を生成し、駆動回路5に当該PWM信号を出力する。
状態量推定部14にて推定されたソレノイド1の状態量に基づく推定電流ipr(n)は、図2に示すポイントP2に生じ、下記の数式4にて求まる値となる。
Figure 0006251993
区間積分演算部21は、推定電流ipr(n)と検出電流ifb(n)との偏差を区間積分した区間積分値ij(n)を演算し、区間積分値ij(n)は下記の数式5にて求まる値となる。
Figure 0006251993
状態量推定部14にて推定されたソレノイド1の状態量に基づく推定電流ipr(n)は、ソレノイド1の状態が正常時は、検出電流ifb(n)と一致する。これにより、状態推定部14から、温度変化、ソレノイド1の個体差によるバラツキを考慮した推定電流ipr(n)が導出されるため、ソレノイド1の状態判定を精度よく行うことができる。
判定部22は、区間積分値ij(n)が予め設定された閾値を超えていない場合はソレノイド1の状態は正常と判定し、一方、閾値を超えた場合には、ソレノイド1の状態を異常と判定するものである。なお、本実施形態では、この閾値は、ショートの判定に用いる第1閾値H1とオープンの判定に用いる第2閾値H2を有する。
次に、状態判定装置100が行う駆動回路5の制御指令に関する処理について図4のフローチャートを用いて説明する。マイクロコンピュータ4は、図4に示すフローチャートの一連の処理を繰り返し実行する。図4に示されるように、電流フィードバック制御の最初にマイクロコンピュータ4は、目標電流の値ir(n)を取得し(ステップS1)、検出電流の値ifb(n)を取得する(ステップS2)。目標電流ir(n)が取得されると、応答性をあげるために目標値フィルタ11を通過させる(ステップS3)。
次に、目標値フィルタ11を通過後の目標電流ir(n)及び検出電流ifb(n)の偏差が演算され(ステップS4)、積分演算部13により積分値が演算される(ステップS5)。現在の指示電圧Vr(n)及び検出電流ifb(n)に基づき、状態量推定部14によりソレノイド1の状態量が演算される(ステップS6)。更に、このソレノイド1の状態量と特性パラメータQと状態フィードバックゲインKと積分値とに基づき、前述の数式1、数式2及び数式3を用いて指示電圧Vr(n)が演算される(ステップS7)。
PWM制御部18は指示電圧Vr(n)をPWM信号に変換し(ステップS8)、PWM信号を出力する(ステップS9)。このようにして、駆動回路5のスイッチング回路をPWM制御によりスイッチングさせるためのPWM信号がPWM制御部18によって生成される。生成されたPWM信号は、マイクロコンピュータ4のポートから出力され、駆動回路5のドライバ回路を介してスイッチング回路のスイッチング素子の制御端子(ゲートやベース)に入力される。PWM制御により、断続的にソレノイド1に通電され、駆動電流が供給される。
このように本状態判定装置100によれば、ソレノイド1のインダクタンス分や抵抗分等の特性バラツキがあった場合でも、電流応答を劣化させること無く電流制御することができる。したがって、ソレノイド1に通電される電流を適切に制御することができる。
次に、状態判定装置100が行うソレノイド1の状態の判定に関する処理について図5のフローチャートを用いて説明する。マイクロコンピュータ4は、図5に示すフローチャートの一連の処理を繰り返し実行する。図5に示されるように、ソレノイド1の状態の判定の最初にマイクロコンピュータ4は、目標電流の値ir(n)を取得し(ステップS11)、検出電流ifb(n)の値ifb(n)を取得する(ステップS12)。目標電流ir(n)が取得されると、応答性をあげるために目標値フィルタ11を通過させる(ステップS13)。
次に、目標値フィルタ11を通過後の目標電流ir(n)及び検出電流ifb(n)の偏差が演算され(ステップS14)、積分演算部13により積分値が演算される(ステップS15)。現在の指示電圧Vr(n)及び検出電流ifb(n)に基づき、状態量推定部14によりソレノイド1の状態量が演算される(ステップS16)。更に、このソレノイド1の状態量と特性パラメータQと状態フィードバックゲインKと積分値とに基づき、前述の数式1、数式2及び数式3を用いて指示電圧Vr(n)が演算される(ステップS17)。
次に、ソレノイド1の状態量に基づいた推定電流ipr(n)が、前述の数式4を用いてが演算される(ステップS18)。次いで、前述の数式5に示す如く、推定電流ipr(n)と検出電流ifb(n)とのと差分を区間積分して区間積分値ij(n)を演算する(ステップS19)。
次いで、この区間積分値ij(n)が予め設定された閾値を超えているか否かの判定がされる(ステップS20)。このステップS20では、具体的には、区間積分値ij(n)が予め設定された閾値を超えていない場合はソレノイド1の状態は正常と判定され、一方、区間積分値ij(n)が、予め設定された閾値のうちショートの判定に用いる第1閾値H1あるいはオープンの判定に用いる第2閾値H2を超えた場合には、ソレノイド1の状態を異常と判定する。次いで、ステップS20にてソレノイド1の状態が異常と判定された場合には、ソレノイド1への駆動電流の供給停止、警告等の異常処置がされる(ステップS21)。
上記実施形態では、目標電流r(n)の高周波域のゲインをあげる目標値フィルタ11が加算器(減算器)12の入力段に設けられるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。目標値フィルタ11を設けずに状態判定装置100を構成することも当然に可能である。
上記実施形態では、特性パラメータQは、状態量推定部14の出力の応答性を状態フィードバックゲインKで調整した値が加算してあるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。特性パラメータQに状態フィードバックゲインKで調整した値を加算しない構成とすることも当然に可能である。係る場合、特性パラメータ記憶部15を設けずに構成することが可能である。
上述のように、実施形態のソレノイドの状態判定装置100によれば、ソレノイド1に通電する駆動電流の目標値である目標電流ir(n)と実際の駆動電流の検出値である検出電流ifb(n)との偏差を積分補償する積分演算部13と、検出電流ifb(n)とソレノイド1の通電を制御するPWM制御部18に供給する指示電圧Vr(n)とに基づきソレノイド1の状態量から推定電流ipr(n)を推定する状態量推定部14と、区間積分演算部21により積分補償された偏差とソレノイド1の状態量とに基づいて指示電圧Vr(n)を演算する指示電圧演算部16と、推定電流ipr(n)と検出電流ifb(n)との差分を区間積分して区間積分値ij(n)を演算する区間積分演算部21と、区間積分値ij(n)が予め設定された閾値H1あるいはH2を超えた場合にソレノイド1を異常と判定する判定部22と、を備えた構成であるので、状態量推定部14にて検出電流ifb(n)とソレノイド1の通電を制御するPWM制御部18に供給する指示電圧Vr(n)とに基づきソレノイド1の状態量から推定された推定電流ipr(n)は、ソレノイド1の状態が正常時は、検出電流ifb(n)と一致する。これにより、状態推定部14から、温度変化、ソレノイド1の個体差によるバラツキを考慮した推定電流ipr(n)が導出されるため、ソレノイド1の状態判定を精度よく行うことができる。
上述のように、実施形態のソレノイドの状態判定装置100によれば、指示電圧Vr(n)の演算は、ソレノイド1のインダクタンス分及び抵抗分の夫々の特性バラツキを示す特性パラメータQを含む構成であるので、ソレノイド1のインダクタンス分や抵抗分等の特性バラツキがあった場合でも、ソレノイド1の状態判定を精度よく行うことができる。
なお、複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合せることが可能であることは、明らかである。
1:ソレノイド
11:目標値フィルタ
13:積分演算部
14:状態量推定部
15:特性パラメータ記憶部
16:指示電圧演算部
18:PWM制御部
21:区間積分演算部
22:判定部
100:状態判定装置(ソレノイドの状態判定装置)
ifb(n):検出電流
ir(n):目標電流
Vr(n):指示電圧
ipr(n):推定電流
ij(n):区間積分値

Claims (2)

  1. ソレノイドに通電する駆動電流の目標値である目標電流と実際の前記駆動電流の検出値である検出電流との偏差を積分補償する積分演算部と、
    前記検出電流と、前記ソレノイドの通電を制御するPWM制御部に供給する指示電圧とに基づき前記ソレノイドの状態量から推定電流を推定する状態量推定部と、
    前記積分演算部により積分補償された偏差と前記ソレノイドの状態量とに基づいて前記指示電圧を演算する指示電圧演算部と、
    前記推定電流と前記検出電流との差分を区間積分して区間積分値を演算する区間積分演算部と、
    前記区間積分値が予め設定された閾値を超えた場合に前記ソレノイドを異常と判定する判定部と、
    を備えるソレノイドの状態判定装置。
  2. 前記指示電圧の演算は、前記ソレノイドのインダクタンス分及び抵抗分の夫々の特性バラツキを示す特性パラメータを含む請求項1に記載のソレノイドの状態判定装置。
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