JP6250749B2 - Led用基板とその製造方法および半導体装置 - Google Patents

Led用基板とその製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、LED(発光ダイオード)素子を実装するLED用基板とその製造方法、および、LED素子を実装した半導体装置に関する。
近年、LED素子を基板上に実装した半導体装置が、表示装置のバックライト、各種電気機器や電子機器の表示灯、車載照明、一般照明等に用いられている。このような半導体装置は、一般に、銅基板のような放熱性基板上に電気絶縁層を介して電極を形成し、この電極上にLED素子を実装しボンディングした後、透光性の樹脂で封止した構造となっている。また、LED素子からの発光の利用効率を高めるために、LED素子を実装する電極が反射板を兼ねるものとされ、反射率を高めるために電極上に銀めっき層を形成したり、電極自体を銀めっき層で形成することが行われている(特許文献1、2等)。
特開2005−56941号公報 特開2006−245032号公報
しかし、上記のような半導体装置では、製造工程中、あるいは、LED素子の駆動中に発生する熱や経時変化により、銅基板から銅が銀めっき層中を移動して銀めっき層の表面、あるいは、表面近傍に達するという、所謂パイルアップが生じる。そして、銀めっき層に拡散した銅が酸素と接触して酸化銅になると、銀めっき層の変色が生じ、反射率が著しく低下するという問題がある。
一方、銅基板と銀めっき層との間にバリア層としてニッケルめっき層を介在させることにより、銀めっき層への銅の拡散を抑制することができるが、ニッケルめっき層と銀めっき層との密着性は非常に弱く、この密着性を向上させるために、銅ストライクめっき層や銀ストライクめっき層を介在させる必要があった。しかし、銅ストライクめっき層を介在させた場合、この銅ストライクめっき層から銀めっき層への銅の拡散が生じるという問題があった。また、銀ストライクめっき層を介在させた場合、耐熱性が劣り、例えば、パッケージ組み立てにおける熱工程の制約が発生したり、LED素子の駆動による熱履歴により、ニッケルめっき層と銀ストライクめっき層との層間で剥離が生じ、半導体装置の信頼性が低下するという問題があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、良好な反射率を有する反射層を備えたLED用基板とその製造方法、および、LED素子からの発光に対して高い反射率を安定して維持する反射層を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のLED用基板は、基材と、該基材の少なくともLED素子実装領域に位置する反射層と、該反射層と前記基材との間に介在する中間層と、前記LED素子実装領域の所望部位を取り囲む外枠樹脂部材を有し、前記基材は前記LED素子実装領域の周辺部であって外枠樹脂部材を有する部位に凹部を有し、前記反射層は銀または銀合金を含み、前記中間層は金およびパラジウムの少なくとも1種を含み、前記基材の表裏全面に前記反射層および前記中間層を有し、前記基材の裏面に位置する前記反射層と前記中間層との合計厚みは、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に位置する前記反射層と前記中間層との合計厚みよりも薄いような構成とした。
本発明の他の態様として、LED用基板は、基材と、該基材の表裏全面に位置する反射層と、該反射層と前記基材との間に介在する中間層とを有し、前記反射層は銀または銀合金を含み、前記中間層は金およびパラジウムの少なくとも1種を含み、前記基材は、多面付けで画定された複数のLED素子実装領域と、複数の前記LED素子実装領域を相互に連結する連結部と、を有し、前記連結部の裏面に位置する前記反射層の厚みは、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に位置する前記反射層の厚みよりも薄いような構成とした。
本発明の他の態様として、前記反射層は、厚さ方向の所定の断面の全面積の70%以上が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記反射層は、厚さ方向の所定の断面において、当該反射層の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在するような構成とした
本発明のLED用基板の製造方法は、基材の表裏全面あるいは所望の領域に、めっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成して中間層とする工程と、該中間層上に銀めっきにより銀または銀合金を含む反射層を形成する工程と、を有し、前記基材は表面のLED素子実装領域の周辺部に凹部を有し、前記基材の裏面全面に前記反射層および前記中間層を形成し、前記基材の裏面に形成する前記反射層と前記中間層との合計厚みを、前記基材の表面に形成する前記反射層と前記中間層との合計厚みよりも薄くするような構成とした。
本発明の他の態様として、LED用基板の製造方法は、基材の表裏全面あるいは所望の領域に、めっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成して中間層とする工程と、該中間層上に銀めっきにより銀または銀合金を含む反射層を形成する工程と、を有し、前記基材は、多面付けで画定された複数のLED素子実装領域と、複数の前記LED素子実装領域を相互に連結する連結部と、を有し、前記反射層を形成する工程において、前記連結部の裏面に形成する前記反射層の厚みを、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に形成する前記反射層の厚みよりも薄くするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記反射層を形成する工程の後に、加熱処理工程を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記加熱処理工程では、加熱後の前記反射層の厚さ方向の所定の断面の全面積の70%以上が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められるように加熱するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記加熱処理工程では、加熱後の前記反射層の厚さ方向の所定の断面において、当該反射層の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在するように加熱するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記加熱処理工程における加熱温度は200〜500℃の範囲、加熱時間は1〜10分間の範囲であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記中間層を形成する工程において、基材の表裏全面あるいは所望の領域にニッケルめっきによりニッケル薄膜を形成し、その後、該ニッケル薄膜を被覆するようにめっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記中間層を形成する工程において、金めっきによる金または金合金を含む薄膜の形成、および/または、パラジウムめっきによるパラジウムまたはパラジウム合金を含む薄膜の形成を行うような構成とした。
本発明の他の態様として、前記中間層として、金銅合金を含む薄膜、および/または、パラジウム銀合金を含む薄膜を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記中間層を厚みが0.02〜0.2μmの範囲となるように形成するような構成とした
本発明の半導体装置は、上述のLED用基板と、前記LED素子実装領域上に実装されたLED素子と、前記LED素子と前記反射層とを電気的に接続する導電部と、前記LED素子と前記導電部を封止する封止樹脂と、を備えるような構成とした。
本発明のLED用基板は、銀または銀合金を含む反射層と基材との間に中間層を有し、この中間層が金およびパラジウムの少なくとも1種を含むため、反射層が良好な反射率を具備するとともに、基材が銅または銅合金であっても、反射層への銅の拡散が中間層によって阻害され、半導体装置に使用された後において、LED素子の駆動による熱履歴や経時変化による反射層の反射率低下が抑制される。
また、本発明のLED用基板の製造方法では、銀または銀合金を含む反射層を形成する前に特定の中間層を形成するので、製造直後の反射率が良好であるとともに、良好な反射率を安定して維持できる反射層を備えたLED用基板の製造が可能である。
また、本発明の半導体装置は、LED素子の駆動による熱履歴や経時変化による性能劣化が抑制された半導体装置である。
図1は、本発明のLED用基板の一実施形態を示す部分上面図である。 図2は、本発明のLED用基板の一実施形態を示す部分底面図である。 図3は、図1に示されるLED用基板のI−I線における部分拡大断面図である。 図4は、本発明のLED用基板の他の実施形態を示す図3相当の部分拡大断面図である。 図5は、本発明のLED用基板の他の実施形態を示す図3相当の部分拡大断面図である。 図6は、図1乃至図3に示されるLED用基板を例とした本発明のLED用基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図7は、本発明の半導体装置の一実施形態の平面図である。 図8は、図7に示される半導体装置のII−II線断面図である。 図9は、本発明の半導体装置の他の実施形態の断面図である。 図10は、本発明の半導体装置の他の実施形態の断面図である。 図11は、本発明の半導体装置の他の実施形態の断面図である。 図12は、本発明の半導体装置の製造例を説明するための工程図である。 図13は、本発明の半導体装置の製造例を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、図面に示す部材、層等の厚み、幅、長さ等の比率は、便宜的なものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
[LED用基板]
図1は、本発明のLED用基板の一実施形態を示す部分上面図であり、図2は部分底面図であり、図3は図1に示されるLED用基板のI−I線における部分拡大断面図である。
図1乃至図3に示される本発明のLED用基板1は、多面付けの実施形態であり、図1に1Aで示される一つの領域(図1および図2において鎖線で囲まれた領域)が複数面付けされている。尚、面付けの領域数は特に限定されず、適宜設定することができる。
このLED用基板1は、基材11と、この基材11の表面11aおよび裏面11b(表裏全面)に位置する反射層21と、この反射層21と基材11との間に介在する中間層22とを有している。図示例では、基材11は、面付け1A毎に位置するLED素子実装領域12と、複数のLED素子実装領域12を囲むように位置する枠部13と、各LED素子実装領域12を相互に連結するための連結部14a、枠部13とLED素子実装領域12とを連結するための連結部14bを有している。各面付け1Aに位置するLED素子実装領域12は、図示例では、貫通溝部15を介して2個の領域12Aと領域12Bに分割されている。ここで、本発明において基材の表裏全面とは、基材の表裏の主面のみではなく、基材全面を意味するものであり、上記のような連結部14a,14b、枠部13の側面や貫通溝部15の壁面も含む概念であり、したがって、基材11の表面11aおよび裏面11bに位置する反射層21と中間層22は、貫通溝部15の壁面にも位置する。尚、このような複数のLED素子実装領域12と、これらを囲む枠部13からなるブロックが、基材11に複数配列されていてもよい。
また、LED用基板1のLED素子実装側と反対である基材11の裏面11b側は、各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12Bの周辺部および連結部14a,14bにおいて、薄肉部11b′となっている。図2には、このような基材11の裏面11bにおける薄肉部11b′に斜線を付して示している。各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12Bの周辺部が薄肉部11b′となっているのは、後述する半導体装置の製造において、封止樹脂との係合を確実にすることを目的としており、薄肉部11b′の幅は、例えば、50〜300μm、好ましくは80〜150μm程度とすることができる。薄肉部11b′の幅が50μm未満であると、封止樹脂との係合作用が十分に得られず、また、300μmを超えると、強度低下を来すことがあり好ましくない。
連結部14a,14bは、後述する半導体装置の製造において、図1および図2に示される鎖線部位でダイシングして個々の半導体装置に個片化する際、基材11の切削量を減少させダイシングブレードにかかる負荷を低減することを目的として設けられている。そして、この目的に沿って、連結部14a,14bは薄肉部11b′とされている。また、連結部14a,14bをダイシング部位としていることは、後述する半導体装置の製造において、製造した半導体装置の側面に反射率の異なる異種材料が露出する面積、例えば、封止樹脂からなる側面に金属が露出する面積を低減して、反射性能を安定させることも目的としている。このような連結部14a,14bの幅は、例えば、50〜300μm、好ましくは80〜150μm程度とすることができ、長さは、例えば、各面付け1Aの間隔(パッケージの間隔)が50〜300μm、好ましくは100〜200μm程度となるように適宜設定することができる。連結部14a,14bの幅が50μm未満であると、連結部材としての強度が不十分となることがあり、300μmを超えると、上記の目的に沿った効果が十分に達成されないことがある。また、連結部14a,14bが短く、各面付け1Aの間隔(パッケージの間隔)が50μm未満になると、ダイシング時のブレード制御が難しくなることがあり、一方、連結部14a,14bが長く、各面付け1Aの間隔(パッケージの間隔)が300μmを超えると、LED用基板1におけるパッケージ取得数が減少する。
このような多面付けのLED用基板1を構成する基材11は、例えば、銅、銅合金、42合金(ニッケル41%の鉄合金)等の金属基材であってよく、また、セラミックス、ガラス等の電気絶縁性を有する基材の表面に導電性材料層を設けた複合基材等を使用することができるが、基材11の放熱性を考慮して、金属基材とすることが好ましい。このような基材11の厚みは、LED用基板を使用して作製される半導体装置の構成を考慮して設定することができ、例えば、0.05〜0.5mmの範囲で設定することができ、薄肉部11b′の厚みは、基材11の全厚部の約半分とすることができる。図示例では、各面付け1A内にて、貫通溝部15によってLED素子実装領域12が領域12Aと領域12Bの2つの領域に分割されている。このような貫通溝部15の開口幅Wは、例えば、50〜600μmの範囲で適宜設定することができる。
基材11が金属基材であり電気導電性を有する場合、各面付け1Aにおいて貫通溝部15によって各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12Bと共に2つの領域に分割されている反射層21と中間層22は、多面付けの状態では基材11を介して導通状態にある。しかし、後述するように電気絶縁性の樹脂材料によって封止された後に、図1および図2に鎖線で示した箇所でダイシングすることにより、貫通溝部15によって2つに分割された各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12B、および、領域12Aと領域12B上に位置する反射層21と中間層22は、電気的に独立したものとなる。
尚、このような多面付けのLED用基板1は、貫通溝部15によって各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12Bと共に2つの領域に分割されている反射層21を接続する配線を、電気的に独立した状態で基材11上に備えるものであってもよい。
本発明のLED用基板1を構成する反射層21は、実装されたLED素子からの発光を反射するための層であり、銀または銀合金を含む層である。このような反射層21の厚みは、例えば、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲で設定することができる。反射層21の厚みが0.01μm未満であると、良好な反射率、例えば、460nmにおける反射率が70%以上であるような良好な反射率が得られず、また、反射層21の厚みが10μmを超えると、更なる反射率の向上が得られず、製造コストの増大を来すこととなり好ましくない。尚、反射層21が銀合金を含む場合、銀合金としては、例えば、スズ、パラジウム、銅、金、インジウム、ロジウム、亜鉛等の任意の金属との合金であってよく、銀合金をなす他の金属の含有量は、銀合金の溶融温度、反射率等を考慮して設定することができ、例えば、50重量%以下の範囲で設定することができる。
また、本発明のLED用基板1を構成する中間層22は、基材11の構成成分が反射層21中を移動して反射層21の表面、あるいは、表面近傍に達するという、所謂パイルアップを防止するとともに、基材11と反射層21との密着性を向上させるものである。例えば、基材11が銅または銅合金であり、中間層22が存在しない場合、反射層21を構成する銀または銀合金の結晶粒子の加熱または経時による動きにより、基材11の銅分子が反射層21の銀または銀合金の結晶粒界を通って反射層21の表面側へ拡散し、一方、反射層21の外側に酸素が存在すると、この酸素は反射層21中に拡散している銅分子を酸化させるように反射層21中に浸透する。そして、銀または銀合金の結晶粒界で酸化銅が生成され、しかも、反射層21の表面に浮き出てくるので、反射層21の変色が生じ、反射率が著しく低下する。本発明では、このような銀または銀合金の結晶粒子のゆっくりとした動きによる銅のパイルアップを防止するため、金およびパラジウムの少なくとも1種を含む中間層22を基材11と反射層21との間に介在させ、同時に、この中間層22によって基材11と反射層21との密着性を向上させている。
このような中間層22は、金または金銅合金等の金合金、および/または、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金を含むものとすることができる。例えば、金からなる中間層22は、基材11の表層にある銅分子と結合して、基材11の銅分子を酸化されにくく、移動しにくい安定な状態とし、また、金銅合金等の金合金からなる中間層22は、基材11の銅分子を酸化されにくく、移動しにくい安定な状態とし、これにより反射層21への拡散を抑制することができる。一方、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金からなる中間層22は、仮に反射層21を酸素が浸透して中間層に到達しても、この酸素が中間層内を浸透することを防止するので、銅分子の酸化と銅分子の移動が起こり得ず、結果として、反射層21の反射率低下を防止することができる。
また、中間層22は、金または金銅合金等の金合金からなる層と、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金からなる層との積層構造であってもよい。このような積層構造の中間層22の場合、積層順序は何れであってもよく、例えば、基材11側からパラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金からなる層、金または金銅合金等の金合金からなる層の順に積層されたものとすることができる。
このような中間層22の厚みは、0.002〜0.5μm、好ましくは、0.02〜0.2μmの範囲で設定することができる。中間層22の厚みが0.002μm未満であると、基材11の構成成分の反射層21へのパイルアップの抑制が不十分となり、本発明の効果が奏されないことがある。また、パイルアップ抑制効果は、中間層22の厚みが0.002μm以上で奏されるが、特に、中間層22の厚みが0.2μmを超えると、LED素子の実用上の使用温度の最大範囲の上限である150℃においも、パイルアップ抑制効果が十分に奏されるが、中間層22の厚みが0.5μmを超えると、このパイルアップ抑制効果は飽和する一方、高価な貴金属を過剰に使用することとなり好ましくない。
また、中間層22は、基材11側にニッケル薄膜を備え、基材11側から、例えば、ニッケル薄膜/金薄膜、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜、ニッケル薄膜/金薄膜/パラジウム薄膜、あるいは、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜/金薄膜の積層構造であってもよい。このように中間層22が金または金銅合金等の金合金、および/または、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金のみから構成されるものではなく、基材11側にニッケル薄膜を有することにより、基材11の構成成分の反射層22へのパイルアップの防止効果が更に高いものとなる。このようなニッケル薄膜の厚みは、0.01〜20μm、好ましくは、0.1〜3μmの範囲で設定することができる。ニッケル薄膜の厚みが0.01μm未満であると、ニッケル薄膜を設けた効果が奏されず、一方、厚みが20μmを超えると、LED素子の実用上の使用温度の最大範囲の上限である150℃におけるパイルアップ抑制効果は飽和する一方、高価な貴金属を過剰に使用することとなり好ましくない。
尚、上記の反射層21、中間層22の厚みは、蛍光X線測定装置や収束イオンビーム(FIB)により測定することができる。
また、本発明では、反射層21が、その厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの70%以上、好ましくは85%以上100%未満が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められることが好ましい。このような反射層21では、基材11の構成成分、例えば、銅分子の拡散経路となる銀または銀合金の結晶粒界が低減されており、パイルアップの防止効果が更に高いものとなる。
また、本発明では、反射層21が、その厚さ方向における所定の断面において、反射層21の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在することが好ましい。このような反射層21では、基材11の構成成分、例えば、銅分子の拡散経路となる銀または銀合金の結晶粒界が低減されており、パイルアップの防止効果が更に高いものとなる。
尚、上記の反射層21の厚さ方向における所定の断面とは、基材11のLED素子実装領域12中から任意に選択された部位における反射層21の厚さ方向の切断面のうち、SEMを用いて観察可能な領域であって、例えば、反射層21の厚さ方向及び面方向における長さが10μm×20μmの断面である。
また、上記の反射層21の所定の断面の全面積における断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子の占める面積割合は、基材11のLED素子実装領域12中から任意に選択された部位における反射層21の任意の複数箇所(例えば3箇所)を切断し、これらの切断面における断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子の占める面積割合の算術平均値として算出される。
さらに、銀または銀合金の結晶粒子の断面積とは、反射層21の厚さ方向における所定の断面(SEMにより観察可能な領域)に現れる銀または銀合金の結晶粒子の切断面の面積を意味し、この断面積は、例えばSEMを用いて切断面を観察し、EBSP検出器を用いて結晶方位を判別し、結晶粒像を撮影し、粒径分布を算出する方法により測定することができる。
また、本発明のLED用基板は、図4に示されるように、LED素子実装領域12の周辺部に凹部16を有するものであってもよい。さらに、図5に示されるように、この凹部16上に、LED素子実装領域12を囲むように外枠樹脂部材18を備えるものであってもよい。凹部16は、基材11への外枠樹脂部材18の密着性を向上させるものであり、また、外枠樹脂部材18は、後述する半導体装置において、リフレクタの機能を発現するものである。尚、図5に示される例では、枠部13と各LED素子実装領域12との間、各LED素子実装領域12相互間、貫通溝部15内も、外枠樹脂部材18と同じ樹脂からなる充填樹脂部材19が位置している。
上述の本発明のLED用基板は、銀または銀合金を含む反射層と基材との間に中間層を有し、この中間層が金または金銅合金等の金合金、あるいは、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金からなる層を備えているため、反射層が良好な反射率を具備するとともに、基材が銅または銅合金であっても、反射層への銅の拡散が中間層によって阻害され、これにより、半導体装置に使用された後において、LED素子の駆動による熱履歴や経時変化による反射層の反射率低下が抑制される。また、反射層への銅の拡散によって誘発される反射層(銀面)の硫化を抑制することができる。
また、基材の表裏全面に反射層と中間層を備えた本発明のLED用基板は、LED素子を実装し、半導体装置とした後の使用状態での反射層の変色防止効果に加え、反射層と同じ層にLED素子実装、ワイヤーボンディング、外部端子接続を行う場合において、従来の銀めっきからなる反射層と比べて、半導体装置製造工程における熱による反射層表面への銅パイルアップが防止される。このため、LED素子をペーストボンディングする際には、ペーストのはじき、または、ブリードの防止が可能であり、LED素子をはんだ接合する際には、はんだ濡れ性を悪化させることなく、良好な状態に保つことが可能である。また、ワイヤーボンディングまたはフリップチップ接合などの際には、銀表面に接合反応を阻害する銅または酸化銅がないため、確実な接合が可能である。さらに、本発明のLED用基板にLED素子を実装して作製した半導体装置は、その製造段階で多くの熱工程を経ることになるが、このような半導体装置を外部のボードに実装する際に、外部端子となるLED用基板の裏面に、はんだ濡れ性を阻害する銅がパイルアップしていないため、ボード実装を確実なものとできる。
また、一般に、追加工程を加えることなく、LED素子実装、ワイヤーボンディング、外部端子接続の各工程実施を可能とするために、めっき層はLED用基板の全面に形成されていることが望ましいが、反射層として銀めっき層を形成する場合、パイルアップの問題から、めっき層の厚みを薄くすることができないことに起因する問題があった。しかし、本発明のLED用基板では、反射層への銅の拡散が中間層によって阻害されるので、めっき層全体を薄くすることができる。これにより、LED用基板全体、および、1つの面付け内のめっき層の厚みのバラつきを抑えることができ、例えば、後述する外枠樹脂部材18の成形における金型内へのLED用基板の載置時に、治具孔とのアライメントずれ、金型の局部的な圧痕を抑えることができる。
また、本発明のLED用基板を、基材の表裏で導通するSON(Small Outline Non-leaded Package)タイプの半導体装置に使用する場合、本発明のLED用基板は、上記のように、めっき層の厚みを薄くすることができ、かつ、めっき層の厚みのバラつきを低減できるので、従来、実装基板側と樹脂部とフレームを略同一平面状に配置させるために使用されていためっき厚バラつきを吸収させるための高価な保護フィルムが不要であり、工程短縮、材料費低減が可能である。さらに、従来、基板のLED素子実装側のはんだ領域が大きく、反射層としてのめっき層が厚いことで発生していたはんだ組成の偏りが抑制され、これにより、ボード実装が容易になるとともに、はんだボイドの発生が低減され、実装信頼性の向上が可能である。
また、LED用基板のLED素子実装側は最終製品となり、使用する限り光学的性能を求められ、したがって、反射層の反射率低下を抑制する効果が要求されるが、ボード実装側は、製品製造における実装工程まで上記のような性能を保てればよい。このため、LED用基板の表裏のめっき厚みを変えて、ボード実装側(基材11の裏面11b側)のめっき厚みを薄くしてもよい。特に、モールドアレイパッケージ(MAP)タイプのLED用基板においては、各面付け間のダイシングライン上のめっき量が少なくなり、やわらかいめっき金属のダイシングによる飛散を抑え、ショート不良も低減することができる。また、上記のボード実装側におけるめっき層の厚みと同様に、連結部14a,14bのめっき厚みも、LED素子実装面より薄くすることが更に好ましい。
また、図5に示される本発明のLED用基板を、基材の表裏で導通するSONタイプの半導体装置に使用する場合、ボード実装側の端子と、LED素子側の端子を薄い板厚で隔てていることから、ボード実装はんだが半導体装置に吸い込まれ、LED素子実装側に濡れあがる問題を低減できる。
また、図5に示される本発明のLED用基板を、モールドアレイパッケージ(MAP)タイプの半導体装置に使用する場合、めっき層の厚みのバラつきに起因する樹脂注入のバラつきが抑制されることに加え、樹脂とフィラーの分離を低減できることから、微小領域での反射率バラつき、反射方向の変化を低減できる。この効果は、樹脂のフィラーに方向性があるもので顕著に現れる。
さらに、本発明のLED用基板では、LED素子実装領域に銅のパイルアップが発生しないことから、LED素子の実装に際して、ダイアタッチペーストの濡れ性に変化がなく、ブリードアウトを制御することができ、半導体装置の組立が容易となり、また、反射率の安定化が可能である。
また、連結部によって各LED素子実装領域を相互に連結するとともに、枠部とLED素子実装領域とを連結しており、この連結部において半導体装置に個片化する際のダイシングが行うことにより、ダイシングにおける基材の切削量を減少させダイシングブレードにかかる負荷を低減することができる。
上述のLED用基板の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、基材11と中間層22との密着性を向上させるために、ストライクめっきにより形成した銅薄膜または銀薄膜を基材11と中間層22との間に備えるものであってもよい。さらに、LED用基板が多面付けではない形態であってもよいことは勿論である。
また、基材11の表裏全面に中間層22と反射層21を備えるものではなく、例えば、基材11の表面11aのLED素子実装領域12のみに中間層22と反射層21を備えるものであってもよい。
[LED用基板の製造方法]
次に、本発明のLED用基板の製造方法について説明する。
図6は、図1乃至図3に示されるLED用基板1を例とした本発明のLED用基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
図6において、基材11に所望のエッチングレジスト膜を形成し、両面をエッチングして、面付け1A毎に位置するLED素子実装領域12と、これら複数のLED素子実装領域12を囲むように位置する枠部13と、各LED素子実装領域12を相互に連結する連結部14a、枠部13とLED素子実装領域12とを連結する連結部14bを形成するとともに、各LED素子実装領域12を2個の領域12Aと領域12Bに分割する貫通溝部15を形成する。尚、基材11の裏面11b側は、各LED素子実装領域12の領域12Aと領域12Bの周辺部および連結部14a,14bにおいて、薄肉部11b′となっており、この部位はハーフエッチングにより形成することができる。基材11をエッチングするためのエッチング液は、基材11の材質により適宜選定することができ、例えば、基材11が銅である場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができる。基材11のエッチング方法は、スプレー方式、浸漬方式等、適宜選定することができる。
尚、図4に示されるような凹部16を備えた基材11を作製する場合、この凹部16を形成する部位が露出するようにエッチングレジスト膜を形成する。
次に、基材11を給電層として、金めっき、および/または、パラジウムめっきにより、金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を基材11の全面に形成することにより中間層22を形成する(図6(B))。形成する中間層22の厚みは、0.002〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.2μmの範囲で設定することができる。
次いで、中間層22を給電層として、電気めっきにより、中間層22上に反射層21を形成する(図6(C))。反射層21は、銀めっき層、あるいは、スズ、パラジウム、銅、金、インジウム、ロジウム、亜鉛等の他の金属を含有する銀合金からなる銀めっき層であり、銀合金をなす他の金属の含有量は、銀合金の溶融温度、反射率等を考慮して設定することができ、例えば、50重量%以下の範囲で設定することができる。また、反射層21の厚みは、例えば、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲で設定することができる。これにより、LED用基板1が得られる。
このような本発明のLED用基板の製造方法では、銀または銀合金を含む反射層を形成する前に特定の中間層を形成するので、製造直後の反射層の反射率が良好であるとともに、この良好な反射率を安定して維持できるLED用基板の製造が可能である。
上述のLED用基板の製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射層21と中間層22との合計厚みを、LED用基板の基材11の表面11a側よりも、裏面11b側および薄肉部11b′側において薄くしてもよい。このようなめっき厚みの制御は、例えば、中間層22を形成するめっき工程、および、反射層21を形成するめっき工程において、表裏の電流を変えることにより可能である。
また、本発明のLED用基板の製造方法では、中間層22を形成する工程で、まず、基材11を給電層としてニッケルめっきによりニッケル薄膜を形成してもよい。その後、基材11、ニッケル薄膜を給電層として、金めっき、および/または、パラジウムめっきにより、金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成して中間層22としてもよい。例えば、ニッケル薄膜/金薄膜、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜、ニッケル薄膜/金薄膜/パラジウム薄膜、あるいは、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜/金薄膜の積層構造である中間層22を形成してもよい。
また、本発明のLED用基板の製造方法では、反射層21を形成した後、加熱処理工程を有するものであってもよい。この加熱処理における加熱温度は、反射層21を構成する銀または銀合金の結晶粒子が急激な動きにより再結晶化して、結晶粒子のサイズが増大するような温度、すなわち加熱処理後の反射層21の厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上100%未満が断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められるような温度である。さらに、加熱処理後の反射層21において、反射層21の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在するような温度であることが特に好ましい。このような温度で加熱することにより、反射層21において銀または銀合金の結晶粒界を減少させることができる。加熱処理は、具体的には、200〜500℃で加熱するのが好ましく、300〜450℃で加熱するのがより好ましい。また、加熱処理の時間は、1〜10分間であるのが好ましく、2〜5分間であるのがより好ましい。加熱温度が200℃未満、あるいは、加熱時間が1分未満であると、反射層21を構成する銀または銀合金の結晶粒子のサイズを効果的に増大させることができないおそれがある。また、加熱温度が500℃を超える、あるいは、加熱時間が10分を超えても、それ以上銀または銀合金の結晶粒子のサイズを増大させ、結晶粒界を少なくすることが困難である。尚、このような加熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましく、これにより、加熱処理中における銀または銀合金の腐食(酸化)を抑制することができる。
また、本発明のLED用基板の製造方法では、基材11と中間層22との密着性を向上させるために、中間層22を形成する前に、基材11を給電層として、絶縁性レジスト層21aの開口部に露出している基材11の表面12aに銅ストライクめっきにより銅薄膜を形成してもよい。
[半導体装置]
次に、本発明の半導体装置について説明する。
図7は、本発明の半導体装置の一実施形態の平面図であり、図8は図7に示される半導体装置のII−II線断面図である。図7および図8において、半導体装置31は、基材41と、基材41上に位置する反射層51と、基材41と反射層51との間に介在する中間層52と、反射層51上に実装されているLED素子61と、このLED素子61と反射層51とを電気的に接続する導電部62と、LED素子61および導電部62を封止する電気絶縁性の封止樹脂63と、を備えている。尚、図7は、封止樹脂63を介して半導体装置31の内部構造が見えるものとして記載している。
半導体装置31を構成する基材41は、例えば、銅、銅合金、42合金(ニッケル41%の鉄合金)等の金属基材であってよく、また、セラミックス、ガラス等の電気絶縁性を有する基材の表面に導電性材料層を設けた複合基材等を使用することができる。但し、基材41の放熱性、外部電極形成における構造の複雑化(基材41の表裏を導通するための導通ビア等が必要となる)を回避すること等を考慮して、金属基材とすることが好ましい。また、基材41の厚みは、例えば、0.05〜0.5mmの範囲で適宜設定することができる。
半導体装置31を構成する基材41は、間隙部45を介して2つに分割され、表面41aにLED素子実装領域42A,42Bが画定されており、図示例では、LED素子実装領域42Aの反射層51上にLED素子61が実装されている。また、図7に示されるように、基材41は半導体装置31の外形形状(封止樹脂63の外形形状)よりも小さく、間隙部45を介して2つに分割されている端部を除く周辺端部には、突出部44が存在する。この突出部44は、後述する半導体装置の製造において、個々の半導体装置に個片化する際のダイシングにおける基材量を減少させダイシングブレードにかかる負荷を低減することを目的として設けられた上述の本発明のLED用基板の連結部の痕跡である。
また、基材41の間隙部45を介して2つに分割されている端部を除く周辺端部、および、突出部44の裏面側は、薄肉部41b′となっている。そして、上記の間隙部45を含む基材41の周囲を封止する封止樹脂63と基材41は、この薄肉部41b′の存在によって確実に係合されている。薄肉部41b′の幅は、例えば、50〜300μm、好ましくは80〜150μm程度とすることができる。薄肉部41b′の幅が50μm未満であると、封止樹脂63との係合作用が十分に得られず、また、300μmを超えると、強度が低下して変形を来すことがあり好ましくない。
また、間隙部45によって分割され基材41の裏面41bは、電気的に独立した外部電極となっている。間隙部45の幅は、例えば、50〜600μmの範囲で適宜設定することができる。また、間隙部45の位置は、反射層51上に実装されたLED素子61が、基材41の中央部、または、中央部に近い位置となるように設定することが好ましい。
反射層51は、間隙部45を介して2つに分割された各基材41に中間層52を介して配設されており、各基材41上の反射層51と中間層52は電気的に独立したものとなっている。このような反射層51と中間層52は、上述の本発明のLED用基板1を構成する反射層21、中間層22と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
LED素子61は、間隙部45を介して2つに分割された基材41の一方の基材上の反射層51上に実装され、この実装面に位置するLED素子61の端子部(図示せず)は導電部(図示せず)を介して当該反射層51に接続され、この反射層51を介して一方の外部電極(一方の基材41の裏面41b)に接続されている。また、LED素子61の表面に位置する他の端子部61aは導電部(ボンディングワイヤ)62により他方の反射層51に接続され、この反射層51を介して他方の外部電極(他方の基材41の裏面41b)に接続されている。
また、封止樹脂63は、熱や光により変色や透光性の劣化等を生じ難い材質であることが要求され、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性樹脂や、このような透光性樹脂に蛍光物質、シリカ等の拡散材料の1種、あるいは、2種以上が含有されたもの等が挙げられ、透光性樹脂としてはシリコーン樹脂が好ましい。
このような本発明の半導体装置は、銀または銀合金を含む反射層と基材との間に中間層を有し、この中間層が金または金銅合金等の金合金、あるいは、パラジウムまたはパラジウム銀合金等のパラジウム合金からなる層を備えているため、反射層が良好な反射率を具備するとともに、基材が銅または銅合金であっても、反射層への銅の拡散が中間層によって阻害され、これによりLED素子の駆動による熱履歴や経時変化による性能劣化が抑制される。
半導体装置の側面には、基材41の突出部44と、反射層51、中間層52の端面が露出しているのみであり、例えば、封止樹脂からなる側面に反射率の大きい銅基材が露出する面積を減少させることができ、照明器具としての反射性能を安定させることができる。
また、上述の実施形態のように、基材41が間隙部45により分割され、かつ、間隙部45に封止樹脂63が充填されている構造の場合、封止樹脂63の熱収縮と金属基材41の熱収縮の挙動の差による歪みが、間隙部45の部位で吸収され、信頼性の高い半導体装置となる。
上述の本発明の半導体装置の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、基材41の表面41aに凹部46を備え、この凹部46に係合するように外枠樹脂部材48を備え、間隙部45を含む基材41の周囲に充填された充填樹脂部材49を備えるものであってもよい。外枠樹脂部材48は、その内側壁面48aがリフレクタであり、実装されたLED素子からの発光を反射する作用をなすものであり、この場合、間隙部45の位置は、反射層51上に実装されたLED素子61が、外枠樹脂部材48で囲まれた領域(LED素子実装領域)の中央部、または、中央部に近い位置となるように設定することが好ましい。このような外枠樹脂部材48、充填樹脂部材49は、例えば、ポリフタルアミド、エポキシ、シリコーン、液晶高分子等の樹脂材料にシリカ、アルミナ、酸化チタン等の拡散材料の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよい。
また、本発明の半導体装置は、図10に示すように、間隙部45を介して離間するように位置し電気的に独立している2つの反射層51に跨るようにLED素子61を実装してもよい。この場合、LED素子61は、その実装面に位置する一方の端子部61aを介して一方の反射層51に接続され、この反射層51を介して一方の外部電極(一方の基材41の裏面41b)に接続されている。また、LED素子61は、その実装面に位置する他の端子部61aを介して他方の反射層51に接続され、この反射層51を介して他方の外部電極(他方の基材41の裏面41b)に接続されている。このような半導体装置では、間隙部45の位置は、離間している2つの反射層51に跨るように実装されたLED素子61が、外枠樹脂部材48で囲まれた領域(LED素子実装領域)の中央部、または、中央部に近い位置となるように設定することが好ましい。尚、離間している2つの反射層51に跨るようにLED素子61が絶縁接着剤を介して実装され、LED素子61の表面に位置する端子部(図示せず)が導電部(ボンディングワイヤ)62により各反射層51に接続されたものであってもよい。
また、本発明の半導体装置は、図11に示すように、基材41が、2つの間隙部45によって3つに分割されたものであってもよい。この例では、間隙部45を介して離間するように3つの反射層51のうち、中央の反射層51にLED素子61が接着剤を介して実装されている。そして、LED素子61の表面に位置する一方の端子部61aは導電部(ボンディングワイヤ)62により図面右側の反射層51に接続され、この反射層51を介して外部電極(図面右側の基材41の裏面41b)に接続されている。また、他の端子部61aは導電部(ボンディングワイヤ)62により図面左側の反射層51に接続され、この反射層51を介して外部電極(図面左側の基材41の裏面41b)に接続されている。このような半導体装置では、2つの間隙部45の位置は、中央の反射層51上に実装されたLED素子61が、外枠樹脂部材48で囲まれた領域(LED素子実装領域)の中央部、または、中央部に近い位置となるように設定することが好ましい。尚、間隙部45を2つ以上備え、基材41が3つ以上に分割されたものであってもよい。
さらに、本発明の半導体装置は、基材41の表面41a側のみ、例えば、外枠樹脂部材48で囲まれた領域のみに中間層52と反射層51を備えるものであってもよい。
次に、上述の本発明の半導体装置31の製造例を、図4に示される本発明のLED用基板1を用いた例として、図12および図13を参照して説明する。
まず、各面付け1AのLED素子実装領域12を囲むように、LED用基板1の基材11の表面11a側の所定の部位に外枠樹脂部材48を形成するとともに、枠部13と各LED素子実装領域12との間、各LED素子実装領域12相互間、貫通溝部15内に充填樹脂部材49を充填する(図12(A))。このような外枠樹脂部材48、充填樹脂部材49は、例えば、LED用基板1を金型内に載置し、熱可塑性樹脂を射出成形、あるいは、熱硬化性樹脂をトランスファ成形することにより形成することができる。
次に、貫通溝部15を介して離間するLED素子実装領域12の領域12Aの反射層21上にLED素子61を実装し、この実装面に位置する端子部(図示せず)を当該反射層21に接続する。また、LED素子61の表面に位置する他の端子部61aを導電部(ボンディングワイヤ)62により、LED素子実装領域12の領域12B上の反射層21に接続する(図12(B))。
次いで、LED用基板1およびLED素子61、導電部62を封止樹脂63により封止する(図13(A))。その後、面付け1A毎に所定の位置(図1の鎖線で示される位置)でダイシングすることにより、貫通溝部15は間隙部45となり、間隙部45を介して離間するように位置する基材41、反射層51、中間層52は電気的に独立したものとなり、半導体装置31が得られる(図13(B))。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
基材として、厚み0.2mm、横300mm×縦300mmの銅板を準備し、図1および図2に示す形状の基材11をエッチングにより形成した。このエッチングでは、図2および図3に示される薄肉部11b′をハーフエッチングにより形成した。尚、多面付けのLED素子実装領域12のピッチを横=3mm、縦=2mmとし、基材上に13行×13列のマトリックス状にLED素子実装領域を配列し、さらに、このLED素子実装領域の配列からなるブロックを4個設けるように、エッチングを行った。
このような多面付けの基材の全面に、金めっきにより金薄膜(厚み0.2μm)を形成して中間層とした。次いで、この中間層上に、電気めっきにより銀めっき層(厚み3μm)を形成して反射層とした。これにより、多面付けのLED用基板を作製した。
この多面付けのLED用基板のLED素子実装領域の中から、1つのLED素子実装領域を任意に選択し、このLED素子実装領域上の銀めっき層を、任意に選択した3箇所において切断した。そして、これら3箇所の切断面を、SEM(日本電子社製,製品名:JSM−7001F)を用いて観察し、EBSP検出器(TSL社製,条件:傾斜70度,加速電圧15kV,印加電流10nA,範囲20μm×3μm)を用いて結晶方位を判別し、結晶粒像を撮影し、粒径分布を算出する方法により、銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定した。
その結果、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は、42%であった。また、これらの切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は、5.3μm2であり、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)未満であった。
[実施例2−1]
金薄膜の代わりに、パラジウムめっきによりパラジウム薄膜(厚み0.1μm)を形成して中間層とした他は、実施例1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は65%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は8.0μm2で、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)未満であった。
った。
[実施例2−2]
中間層であるパラジウム薄膜の厚みを0.02μmとし、銀めっき層の厚みを1μmとした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
[実施例2−3]
中間層であるパラジウム薄膜の厚みを0.02μmとし、銀めっき層の厚みを0.5μmとした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
[実施例2−4]
中間層であるパラジウム薄膜の厚みを0.2μmとし、銀めっき層の厚みを1μmとした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
[実施例2−5]
中間層であるパラジウム薄膜の厚みを0.005μmとし、銀めっき層の厚みを1μmとした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
[実施例2−6]
中間層であるパラジウム薄膜の厚みを0.5μmとし、銀めっき層の厚みを1μmとした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
[実施例3]
金薄膜の形成前に、ニッケルストライクめっきによりニッケル薄膜(厚み0.1μm)を形成して、ニッケル薄膜/金薄膜の積層構造の中間層を形成し、この中間層上に、電気めっきにより銀めっき層(厚み1μm)を形成して反射層とした他は、実施例1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は60%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は0.7μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)未満であった。
った。
[実施例4]
パラジウム薄膜の形成前に、ニッケルストライクめっきによりニッケル薄膜(厚み0.1μm)を形成して、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜の積層構造の中間層を形成し、この中間層上に、電気めっきにより銀めっき層(厚み1μm)を形成して反射層とした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は60%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は0.9μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)未満であった。
った。
[実施例5]
実施例1と同様にして、中間層(金薄膜)、銀めっき層(厚み3μm)を形成して反射層とする工程までを実施した。
次に、中間層(金薄膜)および反射層を形成した基材を400℃で2分間、リフロー炉(製品名:RN−CS,パナソニック社製)を用いて加熱した。これにより、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は96%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は35μm2で、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)以上であった。
[実施例6]
反射層として、厚み1μmの銀めっき層を形成した他は、実施例5と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は88%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は2.3μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)以上であった。
った。
[実施例7]
実施例2−1と同様にして、中間層(パラジウム薄膜)、銀めっき層(厚み3μm)を形成して反射層とする工程までを実施した。
次に、中間層(パラジウム薄膜)および反射層を形成した基材を400℃で2分間、リフロー炉(製品名:RN−CS,パナソニック社製)を用いて加熱した。これにより、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は92%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は28μm2で、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)以上であった。
[実施例8]
反射層として、厚み1μmの銀めっき層を形成した他は、実施例7と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は86%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は1.8μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)以上であった。
った。
[実施例9]
金薄膜の形成前に、ニッケルストライクめっきによりニッケル薄膜(厚み1.0μm)を形成して、ニッケル薄膜/金薄膜の積層構造の中間層を形成した他は、実施例6と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は85%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は1.8μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)以上であった。
った。
[実施例10]
パラジウム薄膜の形成前に、ニッケルストライクめっきによりニッケル薄膜(厚み0.1μm)を形成して、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜の積層構造の中間層を形成した他は、実施例8と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は75%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は1.2μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)以上であった。
った。
[実施例11]
パラジウム薄膜の形成前に、ニッケルストライクめっきによりニッケル薄膜(厚み0.1μm)を形成して、このニッケル薄膜上にパラジウムめっきによりパラジウム薄膜(厚み0.2μm)、金めっきにより金薄膜(厚み0.002μm)を形成して、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜/金薄膜の積層構造の中間層を形成し、この中間層上に、電気めっきにより銀めっき層(厚み1μm)を形成して反射層とした他は、実施例2−1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は60%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は0.7μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)未満であった。
った。
[比較例1]
金薄膜の代わりに、銅ストライクめっきにより銅薄膜(厚み0.2μm)を形成し、ニッケル薄膜/銅薄膜の積層構造の中間層を形成した他は、実施例3と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は58%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は0.6μm2で、反射層の厚さ(1μm)の二乗(1μm2)未満であった。
[比較例2]
反射層として、厚み3μmの銀めっき層を形成した他は、比較例1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は38%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は0.8μm2で、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)未満であった。
った。
[比較例3]
金薄膜の代わりに、銅ストライクめっきにより銅薄膜(厚み0.8μm)を形成して中間層を形成した他は、実施例1と同様にして、多面付けのLED用基板を作製した。
このLED用基板について、実施例1と同様にして測定した断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合は52%であり、切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積は1.2μm2で、反射層の厚さ(3μm)の二乗(9μm2)未満であった。
[評 価]
上述のようにして作製したLED用基板(実施例1〜11、比較例1〜3)について、分光光度計(島津製作所社製,UV−2550,MPC−2200)を用いて、波長460nmの光を照射したときにおける反射率(%)を測定(初期)し、下記の表1に示した。
また、上記LED用リードフレーム(実施例1〜11、比較例1〜3)を、150℃で260時間、リフロー炉(製品名:RN−CS,パナソニック社製)を用いて長時間加熱を施した後、同様にして波長460nmの光を照射したときにおける反射率(%)を測定(長時間加熱)し、下記の表1に示した。
Figure 0006250749
(*)を付した実施例では、中間層および反射層を形成した後に400℃で2分間の加熱を行った。
比較例1および比較例2のLED用基板は、パイルアップ防止のために、ニッケルストライクめっきにより形成したニッケル薄膜と、このニッケル薄膜と反射層との密着性を向上させるために銅ストライクめっきにより形成した銅薄膜が中間層として存在しているが、長時間加熱による反射層内の銀の結晶粒子の動きによる銅のパイルアップが生じ、初期の反射率に比べて長時間加熱後の反射率が大幅に低下した。
これに対して、実施例1〜11のLED用基板は、長時間加熱後においても反射率の低下が極めて少なく、中間層によるパイルアップ防止効果が奏されていることが確認された。
また、実施例1、実施例2−1と実施例5、実施例7との対比から、加熱処理(400℃、2分間)を施して、反射層の厚さ方向の所定の断面の全面積の70%以上が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められ、反射層の厚さ方向の所定の断面において、反射層の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在することにより、銅のパイルアップ防止の効果が更に向上することが確認された。
さらに、実施例1、実施例2−1と実施例3、実施例4との対比、実施例6、実施例8と実施例9、実施例10との対比から、中間層として、ニッケル薄膜/金薄膜の積層構造、ニッケル薄膜/パラジウム薄膜の積層構造を採用することにより、銅のパイルアップ防止の効果が更に向上することが確認された。
本発明は、LED素子を使用する種々の用途、製品、および、その製造に適用することができる。
1…LED用基板
11…基材
12…LED素子実装領域
18…外枠樹脂部材
21…反射層
22…中間層
31…半導体装置
41…基材
48…外枠樹脂部材
51…反射層
52…中間層
61…LED素子
62…導電部
63…封止樹脂

Claims (15)

  1. 基材と、該基材の少なくともLED素子実装領域に位置する反射層と、該反射層と前記基材との間に介在する中間層と、前記LED素子実装領域の所望部位を取り囲む外枠樹脂部材を有し、前記基材は前記LED素子実装領域の周辺部であって外枠樹脂部材を有する部位に凹部を有し、前記反射層は銀または銀合金を含み、前記中間層は金およびパラジウムの少なくとも1種を含み、
    前記基材の表裏全面に前記反射層および前記中間層を有し、
    前記基材の裏面に位置する前記反射層と前記中間層との合計厚みは、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に位置する前記反射層と前記中間層との合計厚みよりも薄いことを特徴とするLED用基板。
  2. 基材と、該基材の表裏全面に位置する反射層と、該反射層と前記基材との間に介在する中間層とを有し、前記反射層は銀または銀合金を含み、前記中間層は金およびパラジウムの少なくとも1種を含み、
    前記基材は、多面付けで画定された複数のLED素子実装領域と、複数の前記LED素子実装領域を相互に連結する連結部と、を有し、
    前記連結部の裏面に位置する前記反射層の厚みは、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に位置する前記反射層の厚みよりも薄いことを特徴とするLED用基板。
  3. 前記反射層は、厚さ方向の所定の断面の全面積の70%以上が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLED用基板。
  4. 前記反射層は、厚さ方向の所定の断面において、当該反射層の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のLED用基板。
  5. 基材の表裏全面あるいは所望の領域に、めっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成して中間層とする工程と、
    該中間層上に銀めっきにより銀または銀合金を含む反射層を形成する工程と、を有し、
    前記基材は表面のLED素子実装領域の周辺部に凹部を有し、
    前記基材の裏面全面に前記反射層および前記中間層を形成し、前記基材の裏面に形成する前記反射層と前記中間層との合計厚みを、前記基材の表面に形成する前記反射層と前記中間層との合計厚みよりも薄くすることを特徴とするLED用基板の製造方法。
  6. 基材の表裏全面あるいは所望の領域に、めっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成して中間層とする工程と、
    該中間層上に銀めっきにより銀または銀合金を含む反射層を形成する工程と、を有し、
    前記基材は、多面付けで画定された複数のLED素子実装領域と、複数の前記LED素子実装領域を相互に連結する連結部と、を有し、
    前記反射層を形成する工程において、前記連結部の裏面に形成する前記反射層の厚みを、前記LED素子実装領域を有する前記基材の表面に形成する前記反射層の厚みよりも薄くすることを特徴とするLED用基板の製造方法。
  7. 前記反射層を形成する工程の後に、加熱処理工程を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のLED用基板の製造方法。
  8. 前記加熱処理工程では、加熱後の前記反射層の厚さ方向の所定の断面の全面積の70%以上が、断面積1μm2以上の銀または銀合金の結晶粒子で占められるように加熱することを特徴とする請求項に記載のLED用基板の製造方法。
  9. 前記加熱処理工程では、加熱後の前記反射層の厚さ方向の所定の断面において、当該反射層の厚さの二乗以上の断面積を有する銀または銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在するように加熱することを特徴とする請求項または請求項に記載のLED用基板の製造方法。
  10. 前記加熱処理工程における加熱温度は200〜500℃の範囲、加熱時間は1〜10分間の範囲であることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載のLED用基板の製造方法。
  11. 前記中間層を形成する工程において、基材の表裏全面あるいは所望の領域にニッケルめっきによりニッケル薄膜を形成し、その後、該ニッケル薄膜を被覆するようにめっきにより金を含む薄膜、および、パラジウムを含む薄膜の少なくとも1種の薄膜を形成することを特徴とする請求項乃至請求項1のいずれかに記載のLED用基板の製造方法。
  12. 前記中間層を形成する工程において、金めっきによる金または金合金を含む薄膜の形成、および/または、パラジウムめっきによるパラジウムまたはパラジウム合金を含む薄膜の形成を行うことを特徴とする請求項乃至請求項1のいずれかに記載のLED用基板の製造方法。
  13. 前記中間層として、金銅合金を含む薄膜、および/または、パラジウム銀合金を含む薄膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のLED用基板の製造方法。
  14. 前記中間層を厚みが0.02〜0.2μmの範囲となるように形成することを特徴とする請求項乃至請求項1のいずれかに記載のLED用基板の製造方法。
  15. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載のLED用基板と、前記LED素子実装領域上に実装されたLED素子と、前記LED素子と前記反射層とを電気的に接続する導電部と、前記LED素子と前記導電部を封止する封止樹脂と、を備えることを特徴とする半導体装置。
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