JP6250507B2 - 動力伝達装置および車載用ディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに噛合するラックとピニオン間のバックラッシュ防止手段を有する動力伝達装置と、そのような動力伝達装置を用いてディスプレイ本体を動作させる車載用ディスプレイ装置に関するものである。
従来より、ダッシュボード等に設けた凹所内にディスプレイ本体を収納配置し、このディスプレイ本体をラックとピニオン等を備えた動力伝達装置によって回動させることにより、使用時だけディスプレイ本体を凹所から突出させるようにした車載用ディスプレイ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された車載用ディスプレイ装置は、凹所を覆うようにダッシュボードに開閉可能に軸支された蓋体と、この蓋体を軸回りに回転動作させる動力伝達装置と、ダッシュボードの内部に配設されたガイド孔を有する摺動部材等を備えており、ディスプレイ本体の一端部側が蓋体の内壁面に軸支されると共に、ディスプレイ本体の他端部側が摺動部材のガイド孔に挿入されている。動力伝達装置は、蓋体の支軸近傍に設けられた被動ギヤ(ラック)と、この被動ギヤに噛み合う駆動ギヤ(ピニオン)と、駆動ギヤを回転動作するモータとによって構成されており、モータはダッシュボードの内部に取り付けられている。
このように概略構成された車載用ディスプレイ装置では、モータを正逆いずれか一方向へ回転動作すると、その回転が駆動ギヤと被動ギヤの噛合部分を介して蓋体に伝達されるため、蓋体が支軸を中心として凹所を開放する方向へ回動し、それに伴ってディスプレイ本体が凹所から引き上げられてダッシュボード上に露出する。また、このようにディスプレイ本体が露出した状態でモータを他方向へ回転動作すると、蓋体が支軸を中心として凹所を塞ぐ方向へ回動し、それに伴ってディスプレイ本体が押し下げられて凹所内に収納される。
ところで、上記のようにラック(被動ギヤ)とピニオン(駆動ギヤ)を有する動力伝達装置を用いて可動体(蓋体やディスプレイ本体)を駆動するものにおいては、ラックとピニオン間のバックラッシュを防止する手段を講じておかないと、移動途中や停止中の可動体にガタが発生してしまうという問題がある。かかるバックラッシュ防止手段としては、動力伝達装置の伝達経路中にシザースギヤと呼ばれるバックラッシュ除去ギヤを組み込み、このシザースギヤを構成する同形、同軸の2枚の歯車をラックに噛合させると共に、これら歯車にバネでトルクを与えて遊びをなくすようにしたものが広く採用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−9291号公報 特開平6−94103号公報
しかしながら、動力伝達装置のラックとピニオン間のバックラッシュをシザースギヤによって防止するようにした場合、シザースギヤを構成する2枚の歯車間に荷重の大きなバネを組み込むことが困難であるため、必然的にバックラッシュ除去力は小さな値となってしまい、ディスプレイ本体のように総重量の大きな可動体のガタを確実に防止することはできなくなる。また、モータを駆動源としてディスプレイ本体を回動させる車載用ディスプレイ装置においては、モータの回転を減速ギヤ列を介して最終段のピニオンに伝達するのが一般的であるため、ピニオンを含めた全ての歯車をシザースギヤにする必要があり、それに伴って部品点数やコストが増加するという問題もある。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ラックとピニオン間のバックラッシュを確実に防止することができる動力伝達装置を提供することにあり、第2の目的は、移動途中や停止中のディスプレイ本体のガタを確実に防止することができる車載用ディスプレイ装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明の動力伝達装置は、支持部材に移動可能に支持された可動体と、この可動体に設けられて平行に対向する主ラックおよび副ラックと、前記支持部材に軸支されてモータを駆動源として回転する駆動ギヤと、この駆動ギヤと同軸的に配置された制動ギヤと、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間に介設された摩擦板と、前記駆動ギヤと前記制動ギヤを前記摩擦板に圧接させる方向へ弾性付勢する弾性体とを備え、前記主ラックに前記駆動ギヤを噛合させると共に、前記副ラックに前記制動ギヤを噛合させるという構成にした。
このように構成された動力伝達装置では、主ラックに噛合する駆動ギヤがモータの動力により一方向へ回転すると、それに伴って副ラックに噛合する制動ギヤが駆動ギヤと逆向きに回転するが、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間には弾性体の付勢力による大きな摩擦トルクが働いているため、制動ギヤは駆動ギヤに対して常に滑りながら逆向きに回転することになる。その際、弾性体が駆動ギヤと制動ギヤを両者間に介設した摩擦板に圧接させることで摩擦トルクを得るようにしているため、小さな駆動ギヤと制動ギヤであっても大きな摩擦トルクを発生させることが可能となり、主ラックと駆動ギヤ間のバックラッシュおよび副ラックと制動ギヤ間のバックラッシュを両方とも確実に防止することができる。
上記の動力伝達装置において、モータと主ラックとの間に駆動ギヤを含む複数ギヤからなる減速ギヤ列が介設されており、この減速ギヤ列の最終段ギヤが駆動ギヤである場合、最終段の駆動ギヤが上記したようなバックラッシュ防止手段を備えていれば、残りのギヤにはバックラッシュ防止機能のない標準ギヤを使用することができる。
また、上記の動力伝達装置において、可動体は支持部材に対してスライド可能に支持されたものでも良いが、可動体が支持部材に回転可能に支持されていると共に、主ラックと副ラックが可動体の回転軸を中心として円弧状に延びていると、ディスプレイ本体等からなる可動体をスムーズに回動させることができて好ましい。
この場合において、可動体の背面に所定間隔を存して対向する一対の延出壁が設けられており、これら延出壁の相対向する内面にそれぞれ主ラックと副ラックが形成されていると、可動体をバランス良く回動させることができて好ましい。
また、この場合において、一対の延出壁の間に減速ギヤ列を収納するギヤボックスが配置されており、このギヤボックスに軸支された支軸の両端に駆動ギヤが固着されていると、可動体の背面の限られた設置スペースにモータから両駆動ギヤに至る動力伝達装置の構成部品をコンパクトに配置することができて好ましい。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明の車載用ディスプレイ装置は、表示画面を有するディスプレイ本体と、このディスプレイ本体を異なる2位置間で移動させる動力伝達装置とを備えた車載用ディスプレイ装置において、前記動力伝達装置が、モータを駆動源として回転する駆動ギヤと、この駆動ギヤと同軸的に配置された制動ギヤと、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間に介設された摩擦板と、前記駆動ギヤと前記制動ギヤを前記摩擦板に圧接させる方向へ弾性付勢する弾性体とを備えており、前記ディスプレイ本体に平行に対向して延びる主ラックと副ラックとを設け、前記主ラックに前記駆動ギヤを噛合させると共に、前記副ラックに前記制動ギヤを噛合させるという構成にした。
このように構成された車載用ディスプレイ装置では、ディスプレイ本体に互いに平行に対向して延びる主ラックと副ラックが設けられており、この主ラックに噛合する駆動ギヤがモータの動力により一方向へ回転すると、副ラックに噛合する制動ギヤが駆動ギヤと逆向きに回転するが、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間には弾性体の付勢力による摩擦トルクが働いているため、制動ギヤは駆動ギヤに対して常に滑りながら逆向きに回転することになる。その際、弾性体の付勢力によって駆動ギヤと制動ギヤを両者間に介設した摩擦板に圧接させて摩擦トルクを得るようにしており、小さな駆動ギヤと制動ギヤであっても大きな摩擦トルクを発生させることが可能となるため、主ラックと駆動ギヤ間のバックラッシュだけでなく副ラックと制動ギヤ間のバックラッシュも防止され、移動途中や停止中のディスプレイ本体のガタを確実に防止することができる。
上記の車載用ディスプレイ装置において、ディスプレイ本体の背面に所定間隔を存して対向する一対の延出壁が設けられており、これら延出壁の相対向する内面にそれぞれ主ラックと副ラックが形成されていると、ディスプレイ本体をバランス良くスムーズに移動させることができて好ましい。
本発明の動力伝達装置では、可動体に互いに平行に対向する主ラックと副ラックが設けてあり、この主ラックに噛合する駆動ギヤがモータの動力により一方向へ回転すると、副ラックに噛合する制動ギヤが駆動ギヤと逆向きに回転するが、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間には弾性体の付勢力による摩擦トルクが常に働くようになっているため、主ラックと駆動ギヤ間のバックラッシュだけでなく副ラックと制動ギヤ間のバックラッシュを確実に防止することができる。
本発明の車載用ディスプレイ装置では、ディスプレイ本体に互いに平行に対向して延びる主ラックと副ラックが設けてあり、この主ラックに噛合する駆動ギヤがモータの動力により一方向へ回転すると、副ラックに噛合する制動ギヤが駆動ギヤと逆向きに回転するが、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間には弾性体の付勢力による摩擦トルクが常に働くようになっているため、主ラックと駆動ギヤ間のバックラッシュだけでなく副ラックと制動ギヤ間のバックラッシュが両方共に防止され、移動途中や停止中のディスプレイ本体のガタを確実に防止することができる。
実施形態例に係る車載用ディスプレイ装置を前面側から見た斜視図である。 該車載用ディスプレイ装置を背面側から見た斜視図である。 該車載用ディスプレイ装置の側面図である。 該車載用ディスプレイ装置の背面図である。 図2のV−V線に沿う断面図である。 該車載用ディスプレイ装置に備えられる動力伝達装置の要部平面図である。 図6に対応する斜視図である。 図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。 該動力伝達装置に備えられるバックラッシュ除去ギヤの分解斜視図である。 該バックラッシュ除去ギヤとラックの噛み合い状態を示す斜視図である。 該バックラッシュ除去ギヤの動作説明図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1〜図7に示すように、本実施形態例に係る車載用ディスプレイ装置は、車室内の図示せぬ設置母材(例えばダッシュボード等)の凹所内に固定された支持部材1と、支持部材1に軸2を介して回転可能に支持されたディスプレイ本体3と、ディスプレイ本体3を起立姿勢と横臥姿勢との間で回動させる動力伝達装置4等を備えている。
支持部材1にはギヤボックス5が一体的に設けられており、このギヤボックス5の底面にはモータ6が取り付けられている。ギヤボックス5には減速ギヤ列7を構成する複数のギヤが軸支されており、モータ6の回転軸に固着されたウォーム8が減速ギヤ列7の最初段ギヤ7aに噛合している。また、ギヤボックス5に軸支された支軸9の両端部に減速ギヤ列7の最終段ギヤである駆動ギヤ10が固着されており、後述するように、これら駆動ギヤ10とそれに同軸配置された制動ギヤ11等によってバックラッシュ除去ギヤ12が構成されている。
ディスプレイ本体3は、前面に矩形状の開口部13aを有する可動ケース13と、可動ケース13内に収納されたLCD等からなる表示装置14とを備えており、表示装置14の表示画面14aは可動ケース13の開口部13aから露出している。この表示装置14は前面にタッチパッド(座標入力装置)を積層配置したタッチパネル型表示装置であり、ユーザの指先等をタッチパッドに押し当てることによって表示画面14a上のメニュー選択等を実行できるようになっている。なお、表示装置14はドライバLSIやバックライト等の熱を発生する発熱要素を備えているため、図4の2点鎖線で示すように、可動ケース13は発熱部15を内蔵したものとなっている。
可動ケース13はアルミニウムやマグネシウム合金等の熱伝導性の良い金属材料からなり、この可動ケース13の背面には所定間隔を存して対向する一対の延出壁16が突設されている。可動ケース13と延出壁16はダイキャストにより一体形成されたものであるが、別々に形成したものをネジ止め等で一体化したものでも良い。これら延出壁16の相対向する内面にはそれぞれ主ラック17と副ラック18が刻設されており、主ラック17と副ラック18はいずれも軸2を中心として円弧状に延びている。図3から明らかなように、延出壁16は側面視で扇形状に形成されており、軸2から最も離れた延出壁16の外周縁に沿って主ラック17が刻設され、その内側に一定間隔を存して平行に副ラック18が刻設されている。詳細については後述するが、主ラック17にはバックラッシュ除去ギヤ12の駆動ギヤ10が噛み合っており、副ラック18にはバックラッシュ除去ギヤ12の制動ギヤ11が噛み合っている。
図8と図9に示すように、前述したバックラッシュ除去ギヤ12は、支軸9に固着された駆動ギヤ10と、支軸9の先端側の細径部9aに回転可能に支持された制動ギヤ11と、これら駆動ギヤ10と制動ギヤ11間に介設されたフェルト(不織布)等からなるリング状の摩擦板19と、支軸9の細径部9aに係止された止め板20と、この止め板20と制動ギヤ11間に介設されたコイルばね21とによって構成されており、このコイルばね21の弾発力によって制動ギヤ11は摩擦板19を介して駆動ギヤ10に圧接されている。このように構成されたバックラッシュ除去ギヤ12においては、弾性体であるコイルばね21が駆動ギヤ10と制動ギヤ11を両者間に介設した摩擦板19に圧接させることで摩擦トルクを得るようにしているため、径寸法の小さな駆動ギヤ10と制動ギヤ11であっても大きな摩擦トルクを発生させることができる。
駆動ギヤ10は制動ギヤ11に比べて大径の歯車であり、この駆動ギヤ10を主ラック17に噛合させることにより、モータ6の回転が減速ギヤ列7の最終段の駆動ギヤ10から主ラック17に伝達されるようになっている。ここで、図10に示すように、主ラック17の歯幅寸法W1は副ラック18の歯幅寸法W2に比べて十分に大きく設定されているため、駆動ギヤ10を副ラック18と緩衝することなく主ラック17に噛合させることが可能となっている。また、制動ギヤ11は駆動ギヤ10に比べて小径の歯車であるため、駆動ギヤ10に同軸配置された制動ギヤ11を主ラック17と緩衝することなく副ラック18に噛合させることが可能となっている。
図11に示すように、主ラック17はその歯底面から内方(延出壁16の外周縁側)へ向かって切り欠かれた多数の放熱溝17aを有しており、この放熱溝17aの深さをh、主ラック17の全歯たけをHとすると、放熱溝17aの深さhは主ラック17の全歯たけHの1〜2倍の範囲に設定されている。同様に、副ラック18もその歯底面から内方(延出壁16の中心側)へ向かって切り欠かれた多数の放熱溝18aを有しており、この放熱溝18aの深さをh1、副ラック18の全歯たけをH1とすると、放熱溝18aの深さh1は副ラック18の全歯たけH1の1〜2倍の範囲に設定されている。
このように主ラック17と副ラック18がそれぞれ多数の放熱溝17a,18aを有しているため、熱伝導性の良い延出壁16にヒートシンク断面積の大きなフィン形状が形成されることになり、可動ケース13に放熱効果の高いヒートシンク機能を持たせることができている。したがって、わざわざ可動ケース13に冷却ファン等の冷却用部品を付設しなくても、可動ケース13に内蔵された発熱部15の熱を延出壁16のヒートシンク部(主ラック17と副ラック18の形成領域)から外部へ効率良く放熱することができる。上記のように、放熱溝17aの深さhを主ラック17の全歯たけHの1〜2倍の範囲に設定し、同様に放熱溝18aの深さh1を副ラック18の全歯たけH1の1〜2倍の範囲に設定することで、主ラック17、副ラック18の歯の強度と放熱効果とをバランス良く確保することができる。
次に、このように構成された車載用ディスプレイ装置の動作について説明する。
図1〜図3に示すように、ディスプレイ本体3が設置母材の凹所から車室内に突出して起立姿勢に保持されているとき、一対のバックラッシュ除去ギヤ12の駆動ギヤ10は対応する主ラック17の最下部分と噛合しており、駆動ギヤ10に同軸配置された制動ギヤ11も対応する副ラック18の最下部分と噛合している。ここで、バックラッシュ除去ギヤ12を構成する駆動ギヤ10と制動ギヤ11間にはコイルばね21の付勢力による大きな摩擦トルクが働いているため、駆動ギヤ10と主ラック17間のバックラッシュおよび制動ギヤ11と副ラック18間のバックラッシュが両方とも吸収され、起立姿勢で停止しているディスプレイ本体3にガタが発生することを確実に防止できる。
また、本実施形態例ではタッチパネル型の表示装置14を使用しているため、起立姿勢で停止しているディスプレイ本体3に対してタッチ操作時にユーザから押し付け力が作用することになるが、この場合も駆動ギヤ10と制動ギヤ11間に大きな摩擦トルクが働いているため、ユーザからの押し付け力に対してディスプレイ本体3が変位しにくくなり、タッチ入力時の操作感触が悪化することを防止できる。
この状態でモータ6が正逆いずれかの方向に回転すると、その回転がウォーム8から減速ギヤ列7を介して駆動ギヤ10に伝達されるため、駆動ギヤ10に噛合する主ラック17がモータ6の回転力を受けて駆動される。その際、図11に示すように、主ラック17の最下部分に噛合している駆動ギヤ10が図中の時計回り(矢印A方向)に回転すると、主ラック17と副ラック18を含めてディスプレイ本体3(延出壁16)が軸2を中心に時計回り(矢印B方向)に回転するため、副ラック18に噛合する制動ギヤ11が駆動ギヤ10と逆向きの反時計回り(矢印C方向)に回転する。このときも駆動ギヤ10と制動ギヤ11間には大きな摩擦トルクが働いており、制動ギヤ11は駆動ギヤ10に対して常に滑りながら逆向きに回転するため、駆動ギヤ10と主ラック17間のバックラッシュおよび制動ギヤ11と副ラック18間のバックラッシュは両方とも吸収され、回転途中のディスプレイ本体3についてもガタの発生を確実に防止することができる。
そして、このようにモータ6の一方向の回転に伴って駆動ギヤ10に対する主ラック17の噛合箇所が上方へ移行していくと、ディスプレイ本体3が起立姿勢から次第に倒れ込んでその傾倒角度が調整され、駆動ギヤ10が主ラック17の最上部分と噛合する箇所まで移行した時点で、ディスプレイ本体3は設置母材の表面と略同一面まで傾倒して横臥姿勢となる。なお、横臥姿勢のディスプレイ本体3の傾倒角度は適宜設定可能である。
ディスプレイ本体3の横臥姿勢でモータ6が上記と逆方向に回転すると、駆動ギヤ10に対する主ラック17の噛合箇所が最上部分から最下部分へと移行していくため、ディスプレイ本体3を再び車室内に突出させてユーザに対面させることができる。したがって、モータ6の回転方向と回転量を制御することにより、ディスプレイ本体3を起立姿勢と横臥姿勢の任意の角度位置で停止させることができ、しかも、バックラッシュ除去ギヤ12の駆動ギヤ10と制動ギヤ11間に常時大きな摩擦トルクが働いているため、ディスプレイ本体3の停止時のみならず回動途中においてもガタの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態例に係る車載用ディスプレイ装置においては、モータ6の回転力でディスプレイ本体3を回動させる動力伝達装置にバックラッシュ除去ギヤ12が組み込まれており、このバックラッシュ除去ギヤ12が、モータ6の動力で回転駆動される駆動ギヤ10と、駆動ギヤ10に同軸配置された制動ギヤ11と、これら駆動ギヤ10と制動ギヤ11間に介設された摩擦板19と、駆動ギヤ10と制動ギヤ11を摩擦板19に圧接させる方向へ弾性付勢するコイルばね(弾性体)21によって構成されているため、駆動ギヤ10と制動ギヤ11との間に大きな摩擦トルクを発生させることができる。そして、ディスプレイ本体3の背面から突出する延出壁16に主ラック17と副ラック18を刻設し、この主ラック17に駆動ギヤ10を噛合させると共に、副ラック18に制動ギヤ11を噛合させているため、主ラック17に噛合する駆動ギヤ10がモータ6の動力により一方向へ回転すると、それに伴って副ラック18に噛合する制動ギヤ11が駆動ギヤ10に対して常に滑りながら逆向きに回転することになり、バックラッシュ除去ギヤ12によって駆動ギヤ10と主ラック17間のバックラッシュおよび制動ギヤ11と副ラック18間のバックラッシュを両方とも確実に防止することができる。
また、本実施形態例に係る車載用ディスプレイ装置では、ディスプレイ本体3の背面に一対の延出壁16が設けられており、これら延出壁16の相対向する内面にそれぞれ主ラック17と副ラック18が刻設されているため、モータ6の動力で同期回転する一対のバックラッシュ除去ギヤ12を対応する延出壁16のラック17,18に噛合させることにより、ディスプレイ本体3をバランス良くスムーズに回動させることができる。
また、ディスプレイ本体3を回動可能に軸支する支持部材1にギヤボックス5が設けられており、このギヤボックス5が一対の延出壁16によって挟まれたスペース内に配置されていると共に、ギヤボックス5に軸支された支軸9の両端部にバックラッシュ除去ギヤ12の駆動ギヤ10が固着されているため、ディスプレイ本体3(可動ケース13)の背面の限られた設置スペースにモータ6からバックラッシュ除去ギヤ12に至る動力伝達装置の構成部品をコンパクトに配置することができる。
また、ギヤボックス5に収納された減速ギヤ列7の最終段ギヤがバックラッシュ除去ギヤ12の駆動ギヤ10となっており、このバックラッシュ除去ギヤ12によって減速ギヤ列7の各ギヤ間に発生するバックラッシュが吸収されるため、最終段ギヤを除く残りのギヤとしてバックラッシュ防止機能のない標準ギヤを使用することができる。ただし、減速ギヤ列7の最終段を除く任意段のギヤをシザースギヤ等のバックラッシュ除去ギヤとしても良い。
なお、上記実施形態例では、本発明の動力伝達装置を車載用ディスプレイ装置に適用した場合について説明したが、適用分野はこれに限定されるものではなく、例えば光学記録媒体の記録/再生装置の光学式ピックアップの移送機構等、ラックと駆動ギヤとを使用して可動体を回動あるいは直線的に移動させる各種駆動装置全般に適用することが可能である。
また、上記実施形態例では、ディスプレイ本体3が支持部材1に回転可能に軸支された回動タイプの車載用ディスプレイ装置について説明したが、ディスプレイ本体が支持部材にスライド可能に支持された昇降タイプの車載用ディスプレイ装置にも適用可能であり、その場合は、主ラックと副ラックを直線状に延設すれば良い。
1 支持部材
2 軸
3 ディスプレイ本体(可動体)
4 動力伝達装置
5 ギヤボックス
6 モータ
7 減速ギヤ列
8 ウォーム
9 支軸
10 駆動ギヤ
11 制動ギヤ
12 バックラッシュ除去ギヤ
13 可動ケース
13a 開口部
14 表示装置
14a 表示画面
15 発熱部
16 延出壁
17 主ラック
17a 放熱溝
18 副ラック
18a 放熱溝
19 摩擦板
20 止め板
21 コイルばね(弾性体)

Claims (7)

  1. 支持部材に移動可能に支持された可動体と、この可動体に設けられて平行に対向する主ラックおよび副ラックと、前記支持部材に軸支されてモータを駆動源として回転する駆動ギヤと、この駆動ギヤと同軸的に配置された制動ギヤと、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間に介設された摩擦板と、前記駆動ギヤと前記制動ギヤを前記摩擦板に圧接させる方向へ弾性付勢する弾性体とを備え、前記主ラックに前記駆動ギヤを噛合させると共に、前記副ラックに前記制動ギヤを噛合させたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1の記載において、前記モータと前記主ラックとの間に前記駆動ギヤを含む複数ギヤからなる減速ギヤ列が介設されており、この減速ギヤ列の最終段ギヤが前記駆動ギヤであることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2の記載において、前記可動体が前記支持部材に回転可能に支持されていると共に、前記主ラックと前記副ラックが前記可動体の回転軸を中心として円弧状に延びていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項3の記載において、前記可動体の背面に所定間隔を存して対向する一対の延出壁が設けられており、これら延出壁の相対向する内面にそれぞれ前記主ラックと前記副ラックが形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項4の記載において、一対の前記延出壁の間に前記減速ギヤ列を収納するギヤボックスが配置されており、このギヤボックスに軸支された支軸の両端に前記駆動ギヤが固着されていることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 表示画面を有するディスプレイ本体と、このディスプレイ本体を異なる2位置で移動させる動力伝達装置とを備えた車載用ディスプレイ装置において、
    前記動力伝達装置が、モータを駆動源として回転する駆動ギヤと、この駆動ギヤと同軸的に配置された制動ギヤと、これら駆動ギヤと制動ギヤとの間に介設された摩擦板と、前記駆動ギヤと前記制動ギヤを前記摩擦板に圧接させる方向へ弾性付勢する弾性体とを備えており、前記ディスプレイ本体に平行に対向して延びる主ラックと副ラックとを設け、前記主ラックに前記駆動ギヤを噛合させると共に、前記副ラックに前記制動ギヤを噛合させたことを特徴とする車載用ディスプレイ装置。
  7. 請求項6の記載において、前記ディスプレイ本体の背面に所定間隔を存して対向する一対の延出壁が設けられており、これら延出壁の相対向する内面にそれぞれ前記主ラックと前記副ラックが形成されていることを特徴とする車載用ディスプレイ装置。
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