[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の硬貨処理機は、投入された混合金種の硬貨を金種別に計数しつつ金種別に分類する選別処理や、投入された硬貨の中から指定金種の硬貨を計数しつつ他の金種の硬貨に対し選別して取り出す計数処理等が可能な卓上型の硬貨選別計数機である。なお、以下の説明において、「前」は操作者側、「後」は操作者とは反対側、「左」および「右」は操作者側から見た左および右である。
図1に示すように、本実施形態の硬貨処理機11は、機体上面に、機体上面の後端位置を中心に揺動する投入口カバー12が設けられており、この投入口カバー12の下側に、投入口カバー12で開閉される上方開口の硬貨投入口13が設けられている。この硬貨投入口13は、投入口カバー12が開放されることで機外に露出する状態となり、この状態で機外からバラ硬貨が投入されることになる。また、硬貨投入口13は、投入口カバー12が閉塞されることで機外に露出しない状態となる。硬貨処理機11には、投入口カバー12の開閉状態を検出する図2に示すカバー開閉検出センサ14が設けられている。
図1に示すように、硬貨処理機11の機体上面には、投入口カバー12および硬貨投入口13の右側の後部位置に、用紙に印刷を行うプリンタ21が設けられている。機体上面は、プリンタ21よりも前側の部分が前下がりに傾斜しており、この傾斜部分に、操作者に対する画面表示を行うとともに操作者による操作入力が行われるタッチパネル式の操作表示部22(操作部)が設けられている。また、この傾斜部分における操作表示部22よりも前側に、操作者によるスタート操作およびストップ操作の入力時に押圧されるスタート/ストップキー23と、操作者による完了操作の入力時に押圧される完了キー24と、操作者に対してランプ表示を行うモニタランプ25とが左右方向に並べられて設けられている。
硬貨処理機11には、機体前面の左側の端部位置に機体前面から前方に水平に引き出し可能となるリジェクト箱31が設けられている。このリジェクト箱31は、機体から引き出されると、機体に対して取り外し可能であり、機体に対して取り付けられて挿入されると、機体前面と前面の位置が合う。リジェクト箱31には、硬貨投入口13に投入された硬貨の中から偽硬貨や計数対象金種以外の硬貨が送り込まれる。硬貨処理機11は、機体前面のリジェクト箱31よりも上方位置が機体前面から凹んでおり、この部分に電源スイッチ32が設けられている。
また、硬貨処理機11には、機体前面のリジェクト箱31および電源スイッチ32の右隣りに、前方に突出するシュート部41が設けられている。シュート部41は、上部にあって機体前面から前方に突出するシュート本体部42と、下部にあってシュート本体部42の下面から下方に突出する放出口43とを有している。放出口43の下端位置には、下方に開口する開口部44が設けられている。機内から繰り出される硬貨は、シュート部41で案内され、放出口43を通って開口部44から機外に放出される。
放出口43は、下方ほど大径となる切頭円錐筒形状をなしている。放出口43の外側には、保持リング45が上下動可能に係合されており、この保持リング45によって放出口43に、この放出口43から放出された硬貨を受け取る図4に示す収納袋48(受取部材)が装着可能となっている。つまり、操作者は、この保持リング45を上昇させた状態で放出口43に収納袋48の開口側を被せ、この状態で保持リング45を下げる。すると、収納袋48の開口側が放出口43と保持リング45とで挟まれて放出口43に保持される。
放出口43には、放出口43が、収納袋48が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能に装着された袋装着状態にあるか、収納袋48が装着されていない袋未装着状態にあるかを検出する図2に示す袋検出センサ46(検出手段)が設けられている。言い換えれば、袋検出センサ46は、放出口43の、収納袋48を装着している袋装着状態と収納袋48を装着していない袋未装着状態とを検出する。この袋検出センサ46は、例えば放出口43に保持リング45が接触すると通電して収納袋48が装着されていない袋未装着状態にあることを検出し、放出口43に保持リング45が接触しない状態になると通電しないことで収納袋48が装着されている袋装着状態あることを検出する。袋検出センサ46は、放出口43が袋装着状態にあると収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出し、放出口43が袋未装着状態にあると収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出する。
硬貨処理機11には、図5に示すように、機体前面の放出口43の下側に、機体前面から前方に水平に引き出し可能な載置台51を有している。載置台51は、図5に示すように引き出された状態でカルトン52(受取部材)を載置させるものである。載置台51は、図5に示すように機体から最も引き出されると放出口43の鉛直下方に位置する前進状態となり、図4に示すように機体内に最も挿入されると放出口43の鉛直下方から退避する退避状態となる。つまり、載置台51は放出口43の鉛直下方に対して進退可能となっている。図5に示すように、カルトン52は、上方開口の形状をなす高剛性部材であり、機体から最も引き出された載置台51に載置された状態で、鉛直上方の放出口43から放出された硬貨Cを受け取ることになる。
硬貨処理機11には、載置台51の、放出口43の鉛直下方に位置する図5に示す前進状態と放出口43の鉛直下方から退避する図4に示す退避状態とを検出する図2に示す載置台検出センサ53(検出手段)が設けられている。載置台検出センサ53は、載置台51が前進状態にあるか退避状態にあるかを検出することになり、言い換えれば、載置台51が前進状態にあるときその上に載置されるカルトン52が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能か否かを検出することになる。つまり、載置台検出センサ53は、カルトン52が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能であることを、載置台51が前進状態にあることで検出することになる。また、載置台検出センサ53は、カルトン52が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能ではないことを、載置台51が退避状態にあることで検出することになる。載置台検出センサ53は、例えば、載置台51が機体から最も引き出されるとオンされ、この状態から載置台51が後方に移動するとオフされるスイッチである。
硬貨処理機11は、図5に示すカルトン52よりも深さが深く収納量が多い図6に示す受箱55(受取部材)でも、放出口43から放出された硬貨Cを受け取ることが可能となっている。この受箱55は、上方開口の高剛性部材であり、載置台51が前進状態にあると放出口43と干渉して載置台51上に載置不可となる高さとなっており、別途の台57で放出口43の鉛直下方にセットされる。図4に示す収納袋48は布製で低剛性であるため、載置台51が前進状態にあっても載置台51に干渉はするものの放出口43に一応取り付け可能ではある。しかし、収納袋48が載置台51に干渉する状態は外観的に大きな違和感を生じさせることになり、これにより取り付けが異常であることを操作者に認識させることができる。
上記した袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、受箱55が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能か否かをも検出する。つまり、袋検出センサ46が、放出口43が袋未装着状態にあることを検出し、載置台検出センサ53が、載置台51が退避状態にあることを検出すると、受箱55が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出する。また、袋検出センサ46が、放出口43が袋装着状態にあることを検出し、または、載置台51が前進状態にあることを検出すると、受箱55が放出口43から硬貨Cを受け取り可能ではないことを検出する。
図1に示すように、機体前面の放出口43の右側に、機体前面から前方に引き出し可能となる複数具体的には6個の収納箱61,62,63,64,65,66が左右方向に並べられて設けられている。各収納箱61〜66は、それぞれ個別に機体から引き出されることになり、機体から引き出されると、機体に対して取り外し可能であり、機体に対して取り付けられて挿入されると、機体前面と前面の位置が合う。収納箱61〜66は、上方開口の形状をなしている。収納箱61〜66は金種別に設けられており、金種別に分類して硬貨Cを受け入れる。具体的には、最も左側の収納箱61は1円硬貨を収納し、左から2番目の収納箱62は50円硬貨を収納し、左から3番目の収納箱63は5円硬貨を収納し、左から4番目の収納箱64は100円硬貨を収納し、左から5番目の収納箱65は10円硬貨を収納し、最も右側の収納箱66は500円硬貨を収納する。
硬貨処理機11の内部には、図3に示すように、硬貨投入口13に投入された硬貨Cを受け入れる水平回転可能な回転円盤71と、回転円盤71の左端位置からその接線方向に沿って機体前方に水平に延出する硬貨識別通路72と、硬貨識別通路72の前端位置から右方に水平に延出する硬貨選別通路73と、が設けられている。また、回転円盤71の硬貨識別通路72側に、回転円盤71の遠心力で硬貨識別通路72側に送り出される硬貨Cを一枚ずつに分離する隙間規制部材74が設けられている。
硬貨処理機11には、硬貨識別通路72の上側に、隙間規制部材74により一枚ずつに分離して繰り出された硬貨Cを、上側から押圧しつつ硬貨識別通路72に沿って回転円盤71とは反対方向に搬送する硬貨搬送機構(硬貨繰出機構)75が設けられている。また、硬貨選別通路73の上側に、硬貨識別通路72および硬貨搬送機構75から硬貨Cを受け取ってこれらとは反対方向に搬送する硬貨搬送機構76が設けられている。
硬貨処理機11には、回転円盤71を回転駆動する図2に示す回転円盤駆動モータ77と、回転円盤71上の硬貨Cの有無を検出する硬貨検出センサ78とが設けられている。
図3に示すように、硬貨識別通路72には、回転円盤71側に、硬貨Cの真偽および金種を識別しつつ計数する硬貨識別部81が設けられており、硬貨識別部81の回転円盤71とは反対側に、硬貨識別部81の識別結果に応じて硬貨Cを選別するリジェクトゲート82が設けられている。リジェクトゲート82は、図2に示すリジェクトソレノイド83で駆動されて開閉する。
図3に示すように、リジェクトゲート82は、通常は閉状態となっており、この閉状態では硬貨識別通路72と同一平面に配置されている。よって、閉状態にあるとき、硬貨搬送機構75で駆動されて移動する硬貨Cを、硬貨識別通路72のリジェクトゲート82よりも回転円盤71側から硬貨識別通路72のリジェクトゲート82よりも回転円盤71とは反対側に移動させる。また、リジェクトソレノイド83がオンされると開状態になり、この開状態では右側縁部を中心に左下がりに傾斜する状態となり、硬貨識別通路72のリジェクトゲート82よりも回転円盤71側から搬送されてきた硬貨Cを、硬貨識別通路72から落下させて図1に示すリジェクト箱31に案内する。
図2に示す制御部100が、硬貨識別部81の識別結果に基づいてリジェクトソレノイド83のオンオフを制御することになる。制御部100は、例えば、硬貨識別部81で偽硬貨と識別された硬貨がリジェクトゲート82に位置するタイミングでリジェクトソレノイド83をオンしてリジェクトゲート82を開作動させて、偽硬貨と識別された硬貨をリジェクト箱31に放出する。
図3に示すように、硬貨識別通路72には、リジェクトゲート82の回転円盤71とは反対側に、硬貨識別部81の識別結果に応じて硬貨Cを選別する放出ゲート85が設けられている。放出ゲート85は、図2に示す放出ソレノイド86で駆動されて開閉する。図3に示すように、放出ゲート85は、通常は閉状態となっており、この閉状態では硬貨識別通路72および硬貨選別通路73と同一平面に配置されている。よって、放出ゲート85は、閉状態にあるとき、硬貨搬送機構75で駆動されて移動する硬貨Cを、硬貨識別通路72の放出ゲート85よりも回転円盤71側から放出ゲート85上に受け入れ、この硬貨Cを硬貨搬送機構76の駆動で硬貨選別通路73に受け渡す。
放出ゲート85は、放出ソレノイド86がオンされると開状態になり、この開状態では、図4に示すように後側縁部を中心に前下がりに傾斜する状態となる。よって、開状態の放出ゲート85は、硬貨識別通路72の放出ゲート85よりもリジェクトゲート82側から搬送されてきた硬貨Cを、硬貨識別通路72から落下させてシュート部41に案内する。シュート部41は、硬貨搬送機構75で駆動されて放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出される硬貨Cの落下を案内して放出口43の開口部44から機外へ放出する。言い換えれば、硬貨搬送機構75は、放出ゲート85が開状態になっていると、硬貨Cを駆動して硬貨識別通路72からシュート部41内に向けて繰り出すことになる。また、言い換えれば、シュート部41は、硬貨搬送機構75の硬貨繰り出し方向の直後位置に設けられ、硬貨搬送機構75によって繰り出された硬貨Cの落下を案内して下部の放出口43から機外に放出する。
図2に示す制御部100が、硬貨識別部81の識別結果に基づいて放出ソレノイド86のオンオフを制御することになる。制御部100は、例えば、指定された金種の硬貨Cを他の金種の硬貨Cに対し選別して取り出す場合に、放出ソレノイド86を常にオンして放出ゲート85を開作動させておく。これにより、開状態の放出ゲート85は、上流側のリジェクトゲート82で他の金種の硬貨Cや偽硬貨を排除することによって、指定された金種の硬貨Cのみをシュート部41に放出する。
図4に示すように、硬貨搬送機構75は、機体前後に配置された一対のプーリ91,91とこれらに掛けられる無端ベルト92とプーリ91,91の一方を駆動する図2に示す搬送駆動モータ93(モータ)とを有している。搬送駆動モータ93で駆動されて一方のプーリ91が回転すると、無端ベルト92および他方のプーリ91も回転することになり、回転する無端ベルト92は、硬貨識別通路72上の硬貨Cを上側から押圧して摩擦力によりその下辺部94と一体に移動させる。搬送駆動モータ93は、回転状態での回転速度が可変なパルスモータであり、制御部100は、PWM制御で搬送駆動モータ93の回転状態での回転速度を変更制御する。その結果、制御部100は、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を変更制御可能となっている。
ここでは、制御部100が、搬送駆動モータ93の回転状態での回転速度を高速で一定の第1回転速度とこれより低速(0ではない)で一定の第2回転速度との二段階に切り替える。つまり、速度が0の停止状態を含めると、三段階に切り替える。これにより、硬貨搬送機構75は、硬貨Cの搬送速度を高速で一定の第1搬送速度とこれより低速(0ではない)の一定の第2搬送速度とに切り替え、放出ゲート85が開かれた状態での硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を高速で一定の第1繰出速度とこれより低速(0ではない)の一定の第2繰出速度とに切り替える。
硬貨搬送機構76は、図2に示すその搬送駆動モータ96の回転速度を一定の第1回転速度とすることで、硬貨Cの搬送速度を第1搬送速度とする点以外、硬貨搬送機構75とほぼ同様の構成となっている。図3に示すように、硬貨選別通路73には、硬貨Cを小径順に落下させる複数具体的には6カ所の選別孔101,102,103,104,105,106が設けられており、硬貨搬送機構76で硬貨識別通路72から離れる方向に搬送される硬貨Cが、選別孔101〜106で金種別に選別される。
そして、選別孔101を通って硬貨選別通路73から落下する1円硬貨は図1に示す収納箱61に、選別孔102を通って硬貨選別通路73から落下する50円硬貨は収納箱62に、選別孔103を通って硬貨選別通路73から落下する5円硬貨は収納箱63に、選別孔104を通って硬貨選別通路73から落下する100円硬貨は収納箱64に、選別孔105を通って硬貨選別通路73から落下する10円硬貨は収納箱65に、選別孔106を通って硬貨選別通路73から落下する500円硬貨は収納箱66に、それぞれ収納される。
次に、硬貨処理機11の作動について選別処理および計数処理を例にとり説明する。
{選別処理}
選別処理は、硬貨投入口13に投入された混合金種の硬貨を金種別に計数しつつ金種別に分類する処理である。
制御部100は、待機状態にあるとき、操作表示部22にメインの処理の選択画面を表示させている。この状態で、操作表示部22の「選別処理」のボタン表示が、選択操作であるタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、操作表示部22に、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、投入が完了したらスタート/ストップキー23を押圧操作するように促す表示を表示させる。
硬貨Cの投入を促す表示を見て操作者は、投入口カバー12を手動で開いて硬貨投入口13に金種混合状態のバラ硬貨を投入し投入口カバー12を手動で閉じる。そして、操作者はスタート/ストップキー23を押圧操作する。スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出しているという二条件が整っている場合に、回転円盤駆動モータ77および搬送駆動モータ93,96を駆動する。その際に、搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させ、搬送駆動モータ96も第1回転速度で回転させる。ここで、これら二条件が整っていない場合に、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77および搬送駆動モータ93,96を駆動することなく、アラーム状態に応じたアラーム解消指示を含むアラーム画面を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。そして、アラーム状態が解消されると、回転円盤駆動モータ77および搬送駆動モータ93,96を駆動する。
制御部100が、回転円盤駆動モータ77および搬送駆動モータ93,96を駆動すると、回転円盤71上の硬貨Cが、隙間規制部材74により一枚ずつに分離されながら回転円盤71の遠心力で硬貨識別通路72に送り出される。そして、硬貨識別通路72に送り出された硬貨Cが搬送方向に一列状に並んで硬貨搬送機構75の駆動により放出ゲート85の方向に向けて搬送される。このように硬貨識別通路72で搬送される硬貨Cが硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに金種別に計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨がリジェクトゲート82に位置するタイミングでリジェクトソレノイド83をオンしてリジェクトゲート82を開作動させて、偽硬貨と識別された硬貨をリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、偽硬貨と識別された硬貨以外の硬貨は、リジェクトゲート82を閉状態に維持して放出ゲート85側に移動させる。ここで、放出ゲート85は閉状態に維持されており、よって、放出ゲート85に至った硬貨Cが、硬貨搬送機構76により、硬貨選別通路73を移動し、小径順に選別孔101〜106で選別され、1円硬貨が収納箱61に、50円硬貨が収納箱62に、5円硬貨が収納箱63に、100円硬貨が収納箱64に、10円硬貨が収納箱65に、500円硬貨が収納箱66に、それぞれ収納される。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間(すべての硬貨がリジェクト箱31および収納箱61〜66のいずれかに収納されるのに十分な時間)維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77および搬送駆動モータ93,96の駆動を停止させて、硬貨識別部81の金種別の計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させる。「印刷」のボタン表示がタッチ操作されると、制御部100は、硬貨識別部81の金種別の計数結果をプリンタ21によって用紙に印刷させる。印刷後あるいは「印刷」のボタン表示がタッチ操作されることなく、完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして選別処理が終了する。
{計数処理}
計数処理は、硬貨投入口13に投入された硬貨の中から指定金種の硬貨を計数しつつ他の金種の硬貨に対し選別する処理である。
操作表示部22におけるメインの処理の選択画面において、「計数処理」のボタン表示がタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、操作表示部22に計数処理のサブの処理の選択画面を表示させる。この状態で、硬貨投入口13に投入された硬貨Cをすべて計数して対象金種を放出口43から放出する「全数計数処理」のボタン表示が操作表示部22においてタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、計数対象となる計数対象金種を選択させるため、「1円硬貨」、「5円硬貨」、「10円硬貨」、「50円硬貨」、「100円硬貨」および「500円硬貨」のそれぞれのボタン表示つまり金種別のボタン表示を表示させる。このような金種の選択画面に対して、「1円硬貨」、「5円硬貨」、「10円硬貨」、「50円硬貨」、「100円硬貨」および「500円硬貨」のいずれか一つがタッチ操作されると、制御部100は、この金種を計数対象金種に設定する。
そして、制御部100は、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、放出口43の硬貨Cの放出先として、収納袋48、カルトン52および受箱55のいずれか一つを選択させるため、「袋取り」、「カルトン取り」および「受箱取り」のそれぞれのボタン表示つまり受取部材別のボタン表示を表示させる。このような放出先の選択画面に対して、操作者は、計数処理する硬貨Cの量や計数後の作業の作業性等を考慮して、収納袋48、カルトン52および受箱55の中からいずれか一つを選択して設定入力する。
ここでは、計数処理のサブの処理の選択画面において、操作表示部22の「全数計数処理」のボタン表示がタッチ操作で選択設定された場合について説明するが、計数処理のサブの処理の選択画面には、硬貨投入口13に投入された硬貨Cの中から計数対象金種の硬貨Cを指定枚数だけ放出口43から放出する「バッチ処理」のボタン表示があり、操作表示部22において「バッチ処理」がタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、上記した金種の選択画面に合わせて、計数枚数の入力画面を表示させる。そして、計数対象となる計数対象金種および指定枚数が入力されると、全数計数処理と同様に作動して、硬貨投入口13に投入された硬貨Cの中から計数対象金種の硬貨Cを放出口43から放出することになる。その際に、指定枚数だけ放出口43から放出すると処理を停止する点が全数計数処理とは異なることになる。
(袋取りの選択時)
上記の放出先の選択画面に対して、「袋取り」がタッチ操作で選択入力されると、制御部100は、操作表示部22に、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、放出口43への収納袋48の装着を促す表示を表示させる。
硬貨Cの投入を促す表示を見て操作者は、投入口カバー12を手動で開けて硬貨投入口13に基本的には計数対象金種のバラ硬貨Cを投入し投入口カバー12を手動で閉じる。また、放出口43への収納袋48の装着を促す表示を見て操作者は、放出口43へ収納袋48を取り付ける。そして、操作者はスタート/ストップキー23を押圧操作する。
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出しているという四条件が整っている場合に、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を、第2回転速度よりも高速の第1回転速度で回転させる。つまり、操作表示部22への操作入力で硬貨Cを収納袋48に受け取る袋取りが設定入力されると、制御部100は、高速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。なお、制御部100は、計数処理においては搬送駆動モータ96を駆動しない。
ここで、上記の四条件が整っていない場合、例えば、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出していない場合、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、投入口カバー12の閉操作を促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
また、例えば、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出していない場合、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、硬貨投入口13への硬貨の投入を促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
また、例えば、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、放出口43への収納袋48の装着を促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
また、例えば、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、載置台51の収納を促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
上記のアラーム状態が解消されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、回転円盤71上の硬貨Cが、隙間規制部材74により一枚ずつに分離されながら回転円盤71の遠心力で硬貨識別通路72に送り出される。そして、硬貨識別通路72に送り出された硬貨Cが搬送方向に一列状に並んで硬貨搬送機構75の駆動により放出ゲート85の方向に向けて搬送される。このように硬貨識別通路72で搬送される硬貨Cが、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨Cのみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外と識別された硬貨がリジェクトゲート82に位置するタイミングでリジェクトソレノイド83をオンしてリジェクトゲート82を開作動させて、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外と識別された硬貨をリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、リジェクトゲート82を閉状態に維持して放出ゲート85側に移動させる。ここで、上記した放出ソレノイド86の駆動により放出ゲート85は開状態に維持されており、硬貨搬送機構75で駆動されて硬貨識別通路72上を移動する硬貨Cが、硬貨搬送機構75の駆動により放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出され、シュート部41を介して放出口43の開口部44から機外へ放出され、収納袋48に収納される。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93の回転速度を高速の第1回転速度としているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が高速の第1搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も高速の第1繰出速度となる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から収納袋48に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる収納袋48への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間(すべての硬貨がリジェクト箱31および収納袋48のいずれかに収納されるのに十分な時間)維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81による計数対象金種の硬貨Cの計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させる。「印刷」のボタン表示がタッチ操作されると、制御部100は、硬貨識別部81による計数対象金種の硬貨の計数結果をプリンタ21によって用紙に印刷させる。印刷後あるいは「印刷」のボタン表示がタッチ操作されることなく、完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
(カルトン取りの選択時)
上記の放出先の選択画面に対して、「カルトン取り」がタッチ操作で選択入力されると、制御部100は、操作表示部22に、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、載置台51へのカルトン52のセットを促す表示を表示させる。
硬貨Cの投入を促す表示を見て操作者は、投入口カバー12を手動で開けて硬貨投入口13に基本的には計数対象金種のバラ硬貨Cを投入し投入口カバー12を手動で閉じる。また、載置台51へのカルトン52のセットを促す表示を見て操作者は、載置台51を前進位置まで引き出して載置台51にカルトン52を載置させる。そして、操作者はスタート/ストップキー23を押圧操作する。
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出しているという四条件が整っていると、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして低速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転させる。つまり、操作表示部22への操作入力で硬貨Cをカルトン52に受け取るカルトン取りが設定入力されると、制御部100は、低速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。
ここで、上記の四条件が整っていない場合、例えば、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出していない場合に、制御部100は、袋取りの選択時と同様の制御を行う。また、例えば、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出していない場合も、制御部100は、袋取りの選択時と同様の制御を行う。
また、例えば、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、載置台51へのカルトン52のセットを促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
また、例えば、袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、放出口43からの収納袋48の取り外しを促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。上記のアラーム状態が解消されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、上記と同様に、回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨識別通路72に送り出され、搬送方向に一列状に並んで硬貨搬送機構75の駆動により放出ゲート85の方向に向けて搬送され、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨のみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外の硬貨をリジェクトゲート82の開作動でリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、リジェクトゲート82を閉状態に維持して放出ゲート85側に移動させる。すると、硬貨搬送機構75で駆動されて硬貨識別通路72上を移動する硬貨Cが、硬貨搬送機構75で駆動されて開状態の放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出され、シュート部41を介して放出口43の開口部44から機外へ放出され、カルトン52に収納される。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして低速モードを選択設定し搬送駆動モータ93の回転速度を低速の第2回転速度としているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が低速の第2搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も低速の第2繰出速度となる。よって、放出口43からカルトン52に低速で硬貨Cを放出することができ、比較的少量の硬貨Cを処理する際に用いられる深さの浅いカルトン52から硬貨Cが飛び出してしまうことを抑制できる。なお、カルトン52には比較的少量の硬貨Cを放出することから、硬貨Cの硬貨搬送機構75による搬送速度を低速の第2搬送速度とし、繰り出し速度を低速の第2繰出速度としても処理に要する時間の長大化は抑制できる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間(すべての硬貨がリジェクト箱31およびカルトン52のいずれかに収納されるのに十分な時間)維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81の計数対象金種の硬貨Cの計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、上記と同様に、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させてプリンタ21による印刷を可能とする。完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
(受箱取りの選択時)
上記の放出先の選択画面に対して、「受箱取り」がタッチ操作で選択入力されると、制御部100は、操作表示部22に、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、放出口43の鉛直下方への受箱55の設置を促す表示を表示させる。
硬貨Cの投入を促す表示を見て操作者は、投入口カバー12を手動で開けて硬貨投入口13に基本的には計数対象金種のバラ硬貨Cを投入し投入口カバー12を手動で閉じる。また、放出口43の鉛直下方への受箱55の設置を促す表示を見て操作者は、放出口43の鉛直下方に台57を用いて受箱55を設置する。そして、操作者はスタート/ストップキー23を押圧操作する。
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出しているという四条件が整っていると、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を第2回転速度よりも高速の第1回転速度で回転させる。つまり、操作表示部22への操作入力で硬貨Cの放出先を受箱55とする受箱取りが設定入力されると、制御部100は、高速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。
ここで、上記の四条件が整っていない場合、例えば、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出していない場合に、制御部100は、袋取りの選択時と同様の制御を行う。また、例えば、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨があることを検出していない場合も、制御部100は、袋取りの選択時と同様の制御を行う。
また、例えば、袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、放出口43からの収納袋48の取り外しを促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。
また、例えば、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出していると、制御部100は、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、載置台51の収納を促すアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。上記のアラーム状態が解消されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、上記と同様に、回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨識別通路72に送り出され、搬送方向に一列状に並んで硬貨搬送機構75の駆動により放出ゲート85の方向に向けて搬送され、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨のみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外の硬貨をリジェクトゲート82の開作動でリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、リジェクトゲート82を閉状態に維持して放出ゲート85側に移動させる。すると、硬貨搬送機構75で駆動されて硬貨識別通路72上を移動する硬貨Cが、硬貨搬送機構75で駆動されて開状態の放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出され、シュート部41を介して放出口43の開口部44から機外へ放出され、受箱55に収納される。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が高速の第1搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も高速の第1繰出速度となる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から受箱55に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる受箱55への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間(すべての硬貨がリジェクト箱31および受箱55のいずれかに収納されるのに十分な時間)維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81の計数対象金種の硬貨の計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、上記と同様に、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させてプリンタ21による印刷を可能とする。完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
以上により、制御部100は、操作者により操作される操作表示部22への操作入力に基づいて高速モードおよび低速モードのいずれか一方に硬貨繰り出しモードを選択設定することになり、硬貨繰り出しモードを高速モードに設定すると(放出先として収納袋48が設定された場合および受箱55が設定された場合)、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、硬貨繰り出しモードを低速モードに設定すると(放出先としてカルトン52が設定された場合)、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。
以上に述べた第1実施形態によれば、制御部100が、硬貨Cを駆動して繰り出す硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を変更制御するため、硬貨搬送機構75により駆動されて繰り出された硬貨Cがシュート部41を介して放出口43から放出される放出速度を変更することができる。よって、一つの放出口43から放出される硬貨Cを受け取る受取部材を収納袋48、カルトン52および受箱55の複数種類の中から選択可能とした場合であっても、収納袋48、カルトン52および受箱55のそれぞれに応じた放出速度で硬貨Cを放出口43から放出することが可能となり、収納袋48、カルトン52および受箱55のそれぞれで良好に硬貨Cを受け取ることが可能となる。よって、受取部材に応じた放出口を別々に設ける場合と比べて、一つの放出口43で複数種類の収納袋48、カルトン52および受箱55に硬貨Cを良好に放出することができるため、小型化、低コスト化が図れる。
また、制御部100は、操作者により操作される操作表示部22への操作入力に基づいて硬貨繰り出しモードを高速モードに設定すると、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定する一方、操作者により操作される操作表示部22への操作入力に基づいて硬貨繰り出しモードを低速モードに設定すると、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定する。よって、操作表示部22への操作入力と収納袋48、カルトン52および受箱55のそれぞれとを上記のように対応させておくことにより、操作表示部22への操作入力で受取部材の種類を割り出し、種類に応じた放出速度で硬貨Cを放出口43から放出することが可能となる。
また、制御部100は、硬貨Cを収納袋48に受け取る袋取りが操作表示部22へ設定入力されると、硬貨繰り出しモードを高速モードに設定し、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第2繰出速度よりも高速の第1繰出速度に設定することになる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から収納袋48に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる収納袋48への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
また、制御部100は、硬貨Cをカルトン52に受け取るカルトン取りが操作表示部22へ設定入力されると、硬貨繰り出しモードを低速モードに設定し、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。よって、放出口43からカルトン52に低速で硬貨Cを放出することができ、比較的少量の硬貨Cを処理する際に用いられる深さの浅いカルトン52から硬貨Cが飛び出してしまうことを抑制できる。
また、制御部100は、硬貨Cをカルトン52よりも深さが深い受箱55に受け取る受箱取りが操作表示部22へ設定入力されると、硬貨繰り出しモードを高速モードに設定し、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第2繰出速度よりも高速の第1繰出速度に設定することになる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から受箱55に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる受箱55への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
また、制御部100は、搬送駆動モータ93の回転速度をPWM制御により変更制御して硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を変更制御することになるため、制御が容易となる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態は、第1実施形態に対して計数処理の制御内容が相違している。
{計数処理}
操作表示部22におけるメインの処理の選択画面において、操作表示部22の「計数処理」のボタン表示がタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、第1実施形態と同様に、操作表示部22に計数処理のサブの処理の選択画面を表示させる。ここでも、サブの処理の選択画面に対して「全数計数処理」のボタン表示が操作表示部22においてタッチ操作で選択設定された場合について説明する。
サブの処理の選択画面に対して「全数計数処理」のボタン表示が操作表示部22においてタッチ操作で選択設定されると、制御部100は、第1実施形態と同様に、金種の選択画面を表示させ、これに対してタッチ操作された一金種を計数対象金種に設定する。そして、制御部100は、硬貨投入口13への硬貨Cの投入を促す表示を表示させるとともに、放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材として、収納袋48、カルトン52および受箱55のいずれか一つをセットするように促す受取部材セット促進表示を表示させる。
硬貨Cの投入を促す表示を見て操作者は、投入口カバー12を手動で開けて硬貨投入口13に基本的には計数対象金種のバラ硬貨Cを投入し投入口カバー12を手動で閉じる。
また、上記の受取部材セット促進表示を見て操作者は、例えば収納袋48を放出口43にセットしてスタート/ストップキー23を押圧操作する。収納袋48が放出口43にセットされると、袋検出センサ46は、放出口43の袋装着状態を検出する。あるいは、上記の受取部材セット促進表示を見て操作者は、例えば載置台51を引き出し載置台51にカルトン52をセットしてスタート/ストップキー23を押圧操作する。載置台51が引き出されると、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出する。あるいは、上記の受取部材セット促進表示を見て操作者は、放出口43の鉛直下方に台57を用いて受箱55をセットしてスタート/ストップキー23を押圧操作する。このとき、袋検出センサ46は放出口43の袋未装着状態を検出し、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出する。
つまり、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材が、収納袋48、カルトン52および受箱55のいずれであるかを検出する。袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出していれば、図4に示すように受取部材が収納袋48であって、この収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出する。また、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出していれば、図5に示すように受取部材がカルトン52であって、このカルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出する。さらに、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出していれば、図6に示すように受取部材が受箱55であって、この受箱55が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出する。なお、袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出していれば、受取部材のセットが異常なアラーム状態と判定して、アラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて、アラーム状態の解消を促す。
(収納袋のセット時)
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨Cがあることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出しているという四条件が整っていると、図4に示すように、収納袋48が選択されてセットされたと判断して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させる。つまり、袋検出センサ46および載置台検出センサ53の検出結果に基づいて、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると、制御部100は、高速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、回転円盤71上の硬貨Cが、第1実施形態と同様にして、硬貨搬送機構75により駆動されて硬貨識別通路72を移動し、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨のみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外の硬貨をリジェクトゲート82によってリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、硬貨搬送機構75で駆動して、開状態の放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出し、シュート部41を介して放出口43の開口部44から収納袋48に放出する。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が高速の第1搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も高速の第1繰出速度となる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から収納袋48に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる収納袋48への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81による計数対象金種の硬貨の計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、第1実施形態と同様に、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させてプリンタ21による印刷を可能とする。完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
(カルトンのセット時)
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨Cがあることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の前進状態を検出しているという四条件が整っていると、図5に示すようにカルトン52が選択されてセットされたと判断して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして低速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転させる。つまり、袋検出センサ46および載置台検出センサ53の検出結果に基づいて、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると、制御部100は、低速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、回転円盤71上の硬貨Cが、第1実施形態と同様にして、硬貨搬送機構75により駆動されて硬貨識別通路72を移動し、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨Cのみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外の硬貨をリジェクトゲート82によってリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、硬貨搬送機構75で駆動して、開状態の放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出し、シュート部41を介して放出口43の開口部44から収納袋48に放出する。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして低速モードを選択設定し搬送駆動モータ93の回転速度を低速の第2回転速度としているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が低速の第2搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も低速の第2繰出速度となる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを放出口43からカルトン52に低速で放出することになり、比較的少量の硬貨Cを処理する際に用いられる深さの浅いカルトン52から硬貨Cが飛び出してしまうことを抑制できる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81による計数対象金種の硬貨の計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、第1実施形態と同様に、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させてプリンタ21による印刷を可能とする。完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
(受箱のセット時)
スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨Cがあることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出しているという四条件が整っていると、図6に示すように、受箱55が選択されてセットされたと判断して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。その際に、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させる。つまり、袋検出センサ46および載置台検出センサ53の検出結果に基づいて、受箱55が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると、制御部100は、高速モードに硬貨繰り出しモードを選択設定する。
制御部100が回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動すると、回転円盤71上の硬貨Cが、第1実施形態と同様にして、硬貨搬送機構75により駆動されて硬貨識別通路72を移動し、硬貨識別部81で真偽および金種が識別されるとともに計数対象金種の硬貨Cのみが計数されることになる。制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から、偽硬貨と識別された硬貨および計数対象金種以外の硬貨をリジェクトゲート82によってリジェクト箱31に放出する。
他方、制御部100は、硬貨識別部81の識別結果から計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、硬貨搬送機構75で駆動して、開状態の放出ゲート85に沿って機体前方に前下がりに繰り出し、シュート部41を介して放出口43の開口部44から受箱55に放出する。
このとき、制御部100は、硬貨繰り出しモードとして高速モードを選択設定し搬送駆動モータ93を高速の第1回転速度で回転させているため、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度が高速の第1搬送速度となり、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度も高速の第1繰出速度となる。これにより、硬貨搬送機構75が、硬貨Cを高速で搬送しつつ高速でシュート部41に繰り出して放出口43から受箱55に高速で放出することになり、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる受箱55への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することができる。
回転円盤71上の硬貨Cが、硬貨検出センサ78で検出されなくなり、硬貨識別部81で硬貨Cを検出しない状態が所定時間維持されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86の駆動を停止させて、硬貨識別部81による計数対象金種の硬貨の計数結果を操作表示部22に表示させるとともに、上記と同様に、操作表示部22に「印刷」のボタン表示を表示させてプリンタ21による印刷を可能とする。完了キー24が押圧操作されると、制御部100は操作表示部22を待機状態に戻す。このようにして計数処理が終了する。
ここで、操作者がスタート/ストップキー23を押圧操作した際に、上記のいずれの四条件も整わない場合、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、アラーム状態解消の指示を含むアラーム表示を操作表示部22に表示させるとともにモニタランプ25を点滅させて待機する。アラーム状態が解消されると、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動する。
以上により、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。
また、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。
また、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、受取部材が収納袋48および受箱55のいずれか一方であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、受取部材がカルトン52であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。
以上に述べた第2実施形態によれば、制御部100が、硬貨Cを駆動して繰り出す硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を変更制御するため、第1実施形態と同様、収納袋48、カルトン52および受箱55のそれぞれで良好に硬貨Cを受け取ることが可能となる。
また、制御部100は、放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材としての収納袋48、カルトン52および受箱55を検出する袋検出センサ46および載置台検出センサ53の検出結果に基づいて硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を変更制御する。このため、受取部材を、収納袋48、カルトン52および受箱55の複数種類の中から選択可能とした場合であっても、収納袋48、カルトン52および受箱55のうちの放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能な状態になっているものに応じた放出速度で硬貨Cを放出口43から放出することが可能となり、収納袋48、カルトン52および受箱55のそれぞれで良好に硬貨Cを受け取ることが可能となる。
また、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、カルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。よって、放出口43からカルトン52に低速で硬貨Cを放出することができ、比較的少量の硬貨Cを処理する際に用いられる深さの浅いカルトン52から硬貨Cが飛び出してしまうことを抑制できる。
また、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、載置台51が放出口43の鉛直下方から退避する退避状態にあるとカルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出し、載置台51が放出口43の鉛直下方に位置する前進状態にあるとカルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出するため、カルトン52をセットする際に必要な載置台51の前進状態の有無でカルトン52の有無を検出することになる。よって、カルトン52の有無を、特別な操作を必要とすることなく検出することができる。
また、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。よって、放出口43から収納袋48に高速で硬貨Cを放出することができ、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる収納袋48への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することが可能となる。
また、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、放出口43が袋装着状態にあると、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出し、放出口43が袋未装着状態にあると、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出するため、収納袋48に硬貨Cを受け取る際に必要な収納袋48の放出口43への装着の有無で収納袋48のセットの有無を検出することができる。よって、収納袋48のセットの有無を、特別な操作を必要とすることなく検出することができる。
また、制御部100は、袋検出センサ46および載置台検出センサ53が、受取部材が収納袋48および受箱55のいずれか一方であることを検出すると、硬貨搬送機構75による硬貨Cの搬送速度を第1の搬送速度に設定するとともに硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度に設定し、受取部材がカルトン52であることを検出すると硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度に設定することになる。よって、放出口43からカルトン52に低速で硬貨Cを放出することができ、比較的少量の硬貨Cを処理する際に用いられる深さの浅いカルトン52から硬貨Cが飛び出してしまうことを抑制できる。また、硬貨Cを高速で搬送しつつ放出口43から収納袋48および受箱55に高速で放出することができ、比較的大量の硬貨Cを処理する際に用いられる収納袋48および受箱55への硬貨Cの放出を含む処理時間を短縮することが可能となる。
また、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、載置台51が、放出口43の鉛直下方から退避する退避状態にあるとカルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出し、放出口43の鉛直下方に位置する前進状態にあるとカルトン52が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出するため、カルトン52をセットする際に必要な載置台51の前進状態の有無でカルトン52のセットの有無を検出することになる。また、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、放出口43が、収納袋48が装着されている袋装着状態にあると、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出し、収納袋48が装着されていない袋未装着状態にあると、収納袋48が放出口43から硬貨Cを受け取り可能でないことを検出するため、収納袋48に硬貨Cを受け取る際に必要な収納袋48の放出口43への装着の有無で収納袋48のセットの有無を検出することができる。さらに、袋検出センサ46および載置台検出センサ53は、載置台51が放出口43の鉛直下方から退避する退避状態にあり、且つ、放出口43が、収納袋48が装着されていない袋未装着状態にあると、受箱55が放出口43から硬貨Cを受け取り可能であることを検出する。よって、カルトン52のセットの有無、収納袋48のセットの有無、受箱55のセットの有無を、特別な操作を必要とすることなく検出することができる。
なお、以上の実施形態において述べたすべての第1回転速度は所定の同一速度であり、すべての第2回転速度は第1回転速度よりも低速の所定の同一速度である。しかしながら、第2回転速度が第1回転速度よりも低速であるという条件を満足しつつ第1回転速度および第2回転速度のうちの少なくともいずれか一方を変更制御しても良い。その場合は、例えば、第1回転速度を一定とし、これよりも低速の範囲で第2回転速度を変更制御したり、第2回転速度を一定とし、これよりも高速の範囲で第1回転速度を変更制御したり、第1回転速度を所定の範囲で変更制御し、この範囲よりも低速の範囲で第2回転速度を変更制御したりする。例えば、図7に示すように、放出口43の下端部に受取部材内の硬貨Cの上面の高さ位置を検出可能となるように反射型の距離センサ120(硬貨高さ検出手段)を設けて、距離センサ120の検出結果から制御部100が第1回転速度および第2回転速度のうちの少なくともいずれか一方を変更制御しても良い。
具体的に、制御部100は、カルトン52に硬貨Cを放出する際に、距離センサ120の検出結果からカルトン52内の硬貨Cの上面の高さ位置が高くなるにしたがって、第2回転速度を低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を低速にする。このようにすれば、カルトン52からの硬貨Cの飛び出しを抑制しつつ処理時間の短縮化が図れる。この場合、第2回転速度を段階的に低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を段階的に低速にしたり、第2回転速度を連続的に低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を連続的に低速にしたりすることが可能である。
また、受箱55も硬貨Cの飛び出しの可能性があるため、制御部100は、受箱55に硬貨Cを放出する際に、距離センサ120の検出結果から受箱55内の硬貨Cの上面の高さ位置が所定高さよりも高くなると、高くなるにしたがって第1回転速度を低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を低速にする。この場合は、第1回転速度の範囲が第2回転速度と重なっても良い。このようにすれば、受箱55からの硬貨Cの飛び出しを抑制しつつ処理時間の短縮化が図れる。この場合も、第1回転速度を段階的に低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を段階的に低速にしたり、第1回転速度を連続的に低速にして硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を連続的に低速にしたりすることが可能である。
また、上記した距離センサ120を、受取部材が放出口43から放出された硬貨Cを受け取り可能か否かを検出する検出手段として用いても良い。例えば、第1実施形態の計数処理の受箱取りの選択時において、上記した四条件に加えて、距離センサ120が、受箱55が放出口43からの硬貨Cを受け取り可能であることを検出しているという条件を加えても良い。つまり、これらの五条件が整っている場合に、制御部100は、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動して、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、硬貨搬送機構75で駆動してシュート部41に繰り出し放出口43の開口部44から機外へ放出するようにする。また、これらの五条件が整っていない場合、例えば、距離センサ120が受箱55があることを検出していなければ、アラーム状態と判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動することなく、操作表示部22に受箱55のセットを促すアラーム表示を表示させて、アラーム状態が解消されるのを待機する。
制御部100は、距離センサ120が所定の距離の範囲内に物体があることを検出していることにより、上記した、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出していることと合わせて、受箱55が放出口43からの硬貨Cを受け取り可能であることを検出することになり、距離センサ120が所定の距離の範囲内に物体があることを検出しなければ、受箱55が放出口43からの硬貨Cを受け取り可能でないことを検出することになる。
また、例えば、第2実施形態の計数処理の選択時において、袋検出センサ46および載置台検出センサ53に加えて距離センサ120が、放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材が受箱55であるか否かを検出する。つまり、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出し、且つ、距離センサ120が所定の距離の範囲内に物体があることを検出していれば、放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材が受箱55であることを検出し、それ以外は放出口43から放出された硬貨Cを受け取る受取部材が受箱55でないことを検出する。
そして、第2実施形態の計数処理の選択時において、スタート/ストップキー23が押圧操作されると、制御部100は、カバー開閉検出センサ14が投入口カバー12の閉状態を検出し、且つ、硬貨検出センサ78が回転円盤71上に硬貨Cがあることを検出し、且つ、袋検出センサ46が放出口43の袋未装着状態を検出し、且つ、載置台検出センサ53が載置台51の退避状態を検出しているという四条件に、距離センサ120が、所定の距離の範囲内に物体があることを検出しているという条件を加えた五条件が整っている場合に、受箱55が放出口43から放出された硬貨を受け取り可能な状態にあると判定して、回転円盤駆動モータ77、搬送駆動モータ93および放出ソレノイド86を駆動して、計数対象金種の硬貨と識別された硬貨Cを、硬貨搬送機構75で駆動してシュート部41に繰り出し放出口43の開口部44から機外へ放出するようにする。
また、以上の実施形態においては第1回転速度と、これよりも低速の第2回転速度とに搬送駆動モータ93の回転速度を制御する場合を例にとり説明したが、さらに多段階に搬送駆動モータ93の回転速度を制御して硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度をさらに多段階に変更するようにしても良い。例えば、収納袋48に硬貨Cを放出する場合は、搬送駆動モータ93の回転速度を第1回転速度として、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度とし、カルトン52に硬貨Cを放出する場合は、搬送駆動モータ93の回転速度を第1回転速度よりも低速の第2回転速度として、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速の第2繰出速度とし、受箱55に硬貨Cを放出する場合は、搬送駆動モータ93の回転速度を第1回転速度よりも低速且つ第2回転速度よりも高速の第3回転速度として、硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度よりも低速且つ第2繰出速度よりも高速の第3繰出速度とする等である。
また、以上の実施形態においては、収納袋48、カルトン52および受箱55の三種類に硬貨Cを放出する場合を例に取り説明したが、受箱55はなくても良い。つまり、少なくとも収納袋48およびカルトン52のニ種類に対して硬貨Cを放出するものであれば良い。あるいは、四種類以上の受取部材に対しても適用可能である。
加えて、一台の硬貨処理機11において、第1実施形態の、操作者により操作される操作表示部22への操作入力に基づいて硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度および第2繰出速度のいずれか一方に設定する手動設定モードと、第2実施形態の、収納袋48、カルトン52および受箱55のセット状態に基づいて硬貨搬送機構75による硬貨Cのシュート部41への繰り出し速度を第1繰出速度および第2繰出速度のいずれか一方に設定する自動設定モードとを両方実行可能とし、これらの手動設定モードおよび自動設定モードを選択操作により切り替えるようにしても良い。